JP2008080397A - ストッパーヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】溶融金属の排出制御のために使用されるストッパーヘッド、とくにガスを吹き込む機能を有さない一体的な構造のストッパーヘッドにおいて、損傷が発生する危険性を低減し、さらには防止すること。
【解決手段】溶融金属を容器からノズルを経由して排出する際の排出開始若しくは停止、又は流量制御のために使用されるストッパーヘッド10において、耐火物からなるストッパーヘッド本体1の下方先端部中央付近に、ストッパーヘッド本体1の外表面付近における耐火物組織の連続性を断絶し、応力を緩和する応力緩和部分5を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は容器中の溶融金属をノズルを経由して排出する際の排出開始若しくは停止、又は流量制御(以下、この「排出開始若しくは停止、又は流量制御」を単に「排出制御」という。)のために使用されるストッパーヘッドに関し、とくに、その損傷が発生する危険性を低減し、さらには防止する技術に関する。
溶融金属を容器からノズルを経由して排出する際の排出制御の方法には、図13に示すように、容器内部に設置したストッパーヘッド10をその縦方向中心軸Acに沿って上下方向に操作して、ノズル20のノズル孔21との嵌合部12の開度を調整するという方法がある。
溶鋼の連続鋳造の場合、タンディッシュ内への溶鋼注入前に、上ノズル又は内装式の浸漬ノズル上端部との間(嵌合部)を開放して約900〜1300℃程度で予熱し、溶鋼注入開始前に嵌合部を閉じて受鋼し、タンディッシュ内に所定量の溶鋼が蓄積された後に、ストッパーヘッドを上方に動かして嵌合部を再度開放することでモールドへの溶鋼排出を行う。
このような機能を担うストッパーヘッドは、溶鋼流の排出制御にとって極めて重要な部分であるが、ノズルと直接的にかつ強い圧力や機械的な衝撃を伴って接触するために機械的な損傷が発生することがある。
この機械的な損傷を防止するために、ストッパーヘッドには高強度、高耐摩耗性を重視した耐火材料を適用することが多いが、依然として、このストッパーヘッドが損傷するトラブルが発生している。ストッパーヘッドが損傷すると直ちに溶鋼の排出制御ができなくなって操業に重大な影響を及ぼすことから、その対策が求められている。
この損傷の形態としては、図14に示すように、ストッパーヘッドの嵌合部付近又は芯棒である金属製のスピンドル2の先端付近でほぼ水平方向の亀裂13が入り、その亀裂13から断裂することが多い。
この原因の一つとして、スピンドルの膨張による押し割り等が指摘されている。そこで、その対策として特許文献1には、ストッパーヘッドの内孔(図14の符号4)内に一定量の可燃物を挿入することにより、スピンドルの過剰な締め付けを防止すると共にスピンドルの膨脹を吸収することで、ストッパーヘッドの割れを防止する技術が開示されている。さらには、ストッパーヘッドの内孔とスピンドル先端との間にスピンドルの熱膨張代をはるかに超える大きさの空間を設けてストッパーヘッドを支持することも一般に行われている。
しかしながら、このようなスピンドルの熱膨張による影響を排除しても、依然として、ストッパーヘッドの嵌合部付近に亀裂が生じ、その亀裂から脱落して損壊する等の損傷(部分的な損傷や下方の欠落等を含む。以下単に「損傷」という。)によるトラブルが発生している。
このように、ストッパーヘッドの損傷が発生する危険性を低減し、あるいは損傷を防止することに関しては未だ有効な対策がなく、ストッパーヘッドの損傷によるトラブルは完全には抑制できていない。とくに、図14に示すようなガスを吹き込む機能を有さない一体的な構造のストッパーヘッドにおいて、損傷の発生が顕著である。
特開平10−193051号公報
本発明の課題は、溶融金属の排出制御のために使用されるストッパーヘッド、とくにガスを吹き込む機能を有さない一体的な構造のストッパーヘッドにおいて、損傷が発生する危険性を低減し、さらには防止することにあり、言い換えれば、損傷を発生し難いストッパーヘッドを提供することにある。
本発明者は、ストッパーヘッドの嵌合部付近に発生する損傷は、受鋼時又は予熱時の熱衝撃等に起因するストッパーヘッド内部に偏在する熱応力が主たる原因であり、有限要素法による熱応力解析の結果、この損傷の発生位置と熱衝撃等による発生応力が最大になる位置がほぼ一致することを知見し、この発生応力を緩和することで、ストッパーヘッドの嵌合部付近に損傷が発生する危険性を低減し、さらには防止できることを見出した。
そして、この発生応力の緩和には、耐火物からなるストッパーヘッド本体の下方先端部中央付近に、ストッパーヘッド本体の外表面付近における耐火物組織の連続性を断絶し、応力を緩和する応力緩和部分として、ストッパーヘッド本体の縦方向中心軸を中心とする、環状の溝状空間、凹状の穴又は貫通孔(以下本発明ではこれらを総称して、単に「応力緩和部分」という。)を設けることが有効であることを見出した。
この応力緩和部分は、前記のとおりストッパーヘッド本体の下方先端部中央付近に設けられるものであるから、前記の「ストッパーヘッド本体の外表面付近における耐火物組織の連続性」を断絶するとは、より具体的には、ストッパーヘッド本体の縦方向中心軸を含む縦方向の断面において、そのストッパーヘッドと接する下方のノズルとの左右の嵌合部付近から下方先端部側にかけての耐火物組織の連続性を断絶することをいう。(図1及び図13参照)
以下に本発明を詳述する。
ガスを吹き込む機能を有さないストッパーヘッドは、図14に示すように、中心部のスピンドル2設置付近の空間(内孔4)を除いて耐火物からなるほぼ連続した一体の構造となっている。
このような一体の構造体に急激な熱衝撃が加わった場合には、ストッパーヘッド本体1外表面から内孔面の間には大きな熱勾配が生じる。さらには急激な熱衝撃だけでなく、金属製のスピンドル2を一定以下の温度に保つ必要からスピンドル2及びストッパーヘッドの内孔4を冷却し続ける必要があるため、定常的な状態であっても大きな熱勾配が生じる。このストッパーヘッドの熱勾配はストッパーヘッド本体1外表面から内孔4に向かって、ストッパーヘッド本体1に使用される耐火物の熱膨張特性に応じて熱膨張代の差を発生させる。その熱膨張差のために、ストッパーヘッド本体1外表面付近には強い圧縮応力が発生し、ほぼ一体構造のストッパーヘッドの場合にはこのような圧縮応力がその外表面全体に及び、その圧縮応力が内孔面側に強い引張応力を発生させる。その結果、内孔面に凹部や厚み等の形状が急に変化するような応力が集中し易い部位(例えば図14の符号14部分)があると、その部位を基点としてさらにストッパーヘッド本体1に亀裂13が生じ易くなり、損傷に至る。
なお、スピンドル挿入用等の内孔のない、耐火物の一体的な構造を有するストッパーヘッドの場合も、ストッパーヘッド本体外表面に発生する圧縮応力がその縦方向中心軸を中心とする半径方向の内部途中で引張応力に変化し、ストッパーヘッド本体の耐火物の欠陥部分等で損傷強度を超える部分を基点として損傷が発生する機構は、内孔がある場合と基本的に同様である。
これに対して、本発明は、前述のとおり、ストッパーヘッド本体の下方先端部中央付近の外表面付近における耐火物組織の連続性を断絶して応力を緩和する応力緩和部分を設けることにより、ストッパーヘッド本体外表面付近の圧縮応力を緩和し、その結果として内孔面側(内部側)の引張応力をも緩和することでストッパーヘッドの損傷が発生する危険を低減し、さらには防止する。
応力緩和部分によりストッパーヘッド本体の耐火物組織の連続性を断絶することで、この断絶部すなわち応力緩和部分を境界として、耐火物組織が連続しているそれぞれの部分は独立して熱膨張等に対応した変形を行うことになり、さらにこの応力緩和部分がストッパーヘッド本体の外表面付近における耐火物の膨張を吸収できるような機能をも有することで、ストッパーヘッド本体の外表面付近には大きな圧縮応力が発生しなくなり、又は発生する応力が分散若しくは緩和される。その結果、内孔側(内部側)に発生する引張応力をも低減することができ、また特定の局部に集中させないで分散させることができる。
本発明においては、このような応力緩和機能を顕著に発揮させるため、応力緩和部分の基本的な形態として、ストッパーヘッド本体の縦方向中心軸を中心とする、環状の溝状空間(例えば図1の符号5)、又は凹状の穴(例えば図2の符号6)を設ける。
この応力緩和部分により、ストッパーヘッド本体の耐火物の膨脹が確実に吸収され、応力が緩和される。その理由は、ストッパーヘッド本体の損傷を惹き起こす応力が発生する領域は、主にノズルとの嵌合部付近から下方の領域であり、前記の応力緩和部分が、この領域の耐火物組織の連続性を断絶し、さらにストッパーヘッド本体の耐火物の膨脹による縦方向中心軸側から嵌合部側、あるいは嵌合部側から縦方向中心軸側への変形を吸収し、その下方側の耐火物表面付近の圧縮応力を緩和し、これによりストッパーヘッド本体耐火物の内部(内孔側)の引張り応力をも緩和するからである。
この応力緩和部分の横断面の外郭形状は、ストッパーヘッド本体全体に、より均一な応力分布を得るため、ストッパーヘッド本体の縦方向中心軸を中心とする真円が最も好ましいが、楕円や多角形(但し、各角部分はR形状等によりなだらかであることが応力集中を避けるために好ましい)でもよい。
応力を十分に緩和するための溝状空間の最小厚み(図1のTm)は、ストッパーヘッド本体の溝状空間より内側の部分の直径(図1のDs)の1000℃、より好ましくは1500℃における熱膨張代相当長さの2分の1以上であることが好ましい(縦方向中心軸に沿った断面において、溝状空間は左右2箇所に存在するので、各溝状空間の厚みは前記の熱膨張代相当長さを吸収するにはその2分の1でよい。)。この厚みは縦方向中心軸側から嵌合部側への変形を吸収する厚みであり、この厚みがあれば、損傷を緩和ないし防止するに必要な応力緩和がなされる。
より安定的かつ十分に応力を緩和するには、ストッパーヘッド本体の熱膨脹代としては、縦方向中心軸に沿った断面においてそのストッパーヘッド本体の嵌合部から溝状空間の外周までを結ぶストッパーヘッド本体の外周線の長さ(図1の12から16までのストッパーヘッド本体の外周表面の長さ)を基準とした熱膨脹代も加味し、溝状空間の最小厚みは、このトータルの熱膨張代相当長さの2分の1以上とすることがより好ましい。すなわち、この厚みは、溝状空間より内側の部分の縦方向中心軸側から嵌合部側への変形に加えて、嵌合部側から縦方向中心軸側に向かう変形をも吸収する厚みである。
熱膨張率等の基準温度をより好ましくは1500℃とするのは、ストッパーヘッド本体の使用時の最高温度、すなわち受鋼(溶鋼の温度約1550℃)による急加熱時におけるストッパーヘッド本体の温度が、溶鋼の若干の温度降下をも考慮すると1500℃程度であり、この温度下が最大の熱膨脹代となり発生応力が最大となるからである。一方、使用前の予熱開始時の熱衝撃等を重視し、その急加熱の条件を1000℃程度とみなして、1000℃の熱膨脹率(熱膨張代)としても構わない。
なお、溶鋼よりも温度の低い溶融金属の鋳造においては、ストッパーヘッド本体の耐火物等の物性の基準となっている温度を、その溶融金属の鋳造時の温度付近(±50℃程度の範囲内)に変えて物性を測定し、その物性を後記の各数式等に適用すればよい。
応力緩和の観点からは、溝状空間の厚みの上限寸法はとくに制限する必要はなく、溝状空間の厚みが最大の場合が凹状の穴となる。
前記の応力緩和部分の最大直径(図1、図2、図4、図5の符号W、図3の符号Ds(W))は、ストッパーヘッド本体とそれに嵌合するノズルとの嵌合部の直径未満にすることが好ましく、ストッパーヘッド保持・作動装置の接合部等のクリアランスや熱的な変形等に起因する、ストッパーヘッド本体の縦方向中心軸に直角な方向の変動寸法、すなわち直径方向の変動代(個別の装置仕様、構造物の特性、操業条件等によって異なる。)を差し引いた直径未満にすることがさらに好ましい。この最大直径が嵌合部の直径以上であると、嵌合部の密着効果が損なわれて溶鋼の排出制御に支障を来したり、ストッパーヘッド本体の嵌合部付近の損傷を来して漏鋼を生じる虞がある。
応力緩和部分はストッパーヘッド本体の縦方向中心軸と同一の軸を中心として配置すること、可能な限りその軸を中心とする回転体の形状を有するようにすることが、応力の均一な緩和と分散のためには好ましい。
応力緩和部分には、その内面の一部又は全部に、その縦方向中心軸に沿って下方向(ストッパーヘッド本体先端方向)に向けて拡径する傾斜部を設けることができる。このような拡径する傾斜部を設けることで、ストッパーヘッド本体先端付近の圧縮応力をさらに低減させることが可能となる。この理由は、応力緩和部分の内面とストッパーヘッド本体の外表面との交点部分の縦方向断面における角度がよりなだらかとなって応力の分散効果が大きくなること、ストッパーヘッド本体の外表面の長さが相対的に短くなることで熱膨脹代が小さくなること、等である。
前述のとおり、ストッパーヘッド本体の下方先端部中央付近に応力緩和部分を設けることにより、ストッパーヘッドの損傷の危険性を低減ないしは防止することができるが、ストッパーヘッド本体の下方先端部中央付近に応力緩和部分が空間部分としてそのまま存在すると、ストッパーヘッド本体の形状、これと嵌合するノズルの嵌合部付近の形状、鋼種、通鋼速度等の操業に関わる条件によっては、ストッパーヘッド本体の下方先端部中央付近の溶鋼流に渦流等の偏流が生じたり、滞留部分が生じてアルミナ等の鋼中介在物がストッパーヘッド本体の下方先端部中央付近やノズルとの嵌合部付近に付着ないし堆積して、鋳造に悪影響を及ぼすことがある。とくにストッパーヘッド本体の下方先端部中央付近の形状は、前述のような溶鋼流の変動等に及ぼす影響が比較的大きい。したがって、前述のような溶鋼流の変動等が問題になる場合には、応力緩和部分の一部又は全部に耐火物を充填することが有効である。
このように応力緩和部分に耐火物を充填する場合であっても、その応力緩和部分は応力を緩和する機能を保持することが必要である。このように耐火物を充填する場合にも応力を緩和する機能を維持する方法として、1.充填する耐火物自体に応力緩和能を示す特性を有するものを使用する、2.応力緩和部分の内面の一部又は全部に、その縦中心軸方向に対して角度を有する傾斜部を設け、かつ、その縦方向中心軸又は傾斜部に沿って、充填した耐火物が移動可能にする、等の方法を採ることができる。
前記1の「充填する耐火物自体に応力緩和能を示す特性を有するものを使用する」方法とは、その充填する耐火物として、ストッパーヘッド本体の耐火物よりも、(ア)弾性率が低い、(イ)約1000℃ないし約1500℃での熱間クリープ特性が大きい、(ウ)可縮性が大きい、(エ)破壊強度が小さい等の、圧縮応力を緩和することのできる機能のいずれかの特性を有する耐火物、言い換えればストッパーヘッド本体の耐火物よりも相対的に軟質又は低強度の耐火物(以下、単に「相対的軟質耐火物」という。)を使用するということであり、そのような特性を有していれば、充填する耐火物がストッパーヘッド本体の損傷の危険性の低減又は防止に悪影響を及ぼすことはない。
なお、前記の(ア)、(イ)は概ね(主として)、充填する耐火物自体の体積は殆ど変化することなく、その形状等を変化させることで、また前記の(ウ)、(エ)は概ね(主として)、充填する耐火物自体の体積が縮小又は減少を伴って変化することで、その周囲との間に発生する圧縮応力を緩和する能力又は性質である、とも言い換えることができる。
この相対的軟質耐火物を充填する形態としては、(A)相対的軟質耐火物を一体的又は全体に充填する、又は(B)相対的軟質耐火物である目地材を介して、相対的軟質耐火物、若しくは相対的軟質耐火物でない耐火物を充填する、ことが可能である。なお、前記(B)の「相対的軟質耐火物でない耐火物」の場合は目地材が相対的軟質耐火物であることにより応力緩和部分内の耐火物全体としては前記特性を有することとなるので、目地材の内側の耐火物に関してはそのような特性を備えなくてもよい、すなわち相対的軟質耐火物でなくてもよいということである。
さらに、充填する相対的軟質耐火物による発生応力をもほぼ完全に抑制するためには、相対的軟質耐火物自体が熱膨張することによる寸法変化分又は体積変化分を吸収できることが好ましい。
すなわち、例えば、次の(式3)を満たす条件のような場合である。
(Ds×Sh)+(Tm×2×Sm) ≧ (Ds×Esh)+(Tm×2×Esm)
…(式3)
ここで、
Ds :溝状空間内に目地材を充填した場合の目地部より縦方向中心軸側(中央側)のストッパーヘッド本体の外径(目地部内径)、又は、凹状の穴(貫通孔)の中に充填する芯状の耐火物の外径(目地部内径)若しくは凹状の穴(貫通孔)の中に一体的な耐火物を充填する場合のその凹状の穴(貫通孔)の内径(mm)。(前記目地部が真円でない場合はその最大寸法。)
Sh :溝状空間に目地材を充填した場合の目地部より縦方向中心軸側(中央側)のストッパーヘッド本体、又は、凹状の穴(貫通孔)の中に充填する芯状の耐火物の熱間における可縮率(%)、
Esh:溝状空間に目地材を充填した場合の目地部より縦方向中心軸側(中央側)のストッパーヘッド本体、又は、凹状の穴(貫通孔)の中に充填する芯状の耐火物の熱間における熱膨張率(%)
Tm :目地部(目地材)の厚み(mm)
Sm :目地材の熱間における可縮率(%)
Esm:目地材の熱間における熱膨張率(%)
前記の(式3)の左辺は充填する耐火物の可縮代、右辺は充填する耐火物の熱膨張代を示し、可縮代が熱膨張代以上の場合に、充填する耐火物の外部すなわちストッパーヘッド本体側には圧縮応力が殆ど発生しないことを意味している。この(式3)では可縮性をその一つの指標としたが、圧縮応力が殆ど発生しないことを示す関係式でありさえすれば、可縮性の代わりに破壊強度、クリープ性等の他の特性(変形能等)を用いて評価することも可能である。
なお、前記の可縮率、熱膨張率は相対的なものであればよく、評価方法を限定したり絶対値を特定する必要はない。例えば、可縮率については熱間1000℃程度において2MPa程度の荷重下での値(%)(目地材の場合は、例えば2個のφ20mm×50mmのれんがのφ20mmの面間に1mmの目地材を挟み込み、それを硬化させたサンプルにおいて、φ20mm面に2MPaの荷重を加えた状態で測定)とすることができる。ここで、1000℃は、ストッパーヘッド本体表面から内孔等までの肉厚方向において、応力発生が大きくなる領域の下限温度付近であり、またこの温度を超えた場合の可縮性はほとんどの耐火物では増加するので、1000℃での可縮性を用いればほぼ妥当であり、荷重2MPaは、この値をストッパーヘッド本体の破壊強度の下限付近程度とみなしたものであり、2MPaの荷重下の値を用いればほぼ妥当である。
以上のように応力緩和部分に耐火物を充填する場合は、例えば前記の(式3)に示す条件のように、充填する耐火物自体により発生する圧縮応力をその耐火物自体で吸収又は緩和して、ストッパーヘッド本体に圧縮応力を及ぼさないことが、より好ましい。
このように応力緩和部分に耐火物を充填したストッパーヘッド本体において、充填した耐火物による発生応力が、そのストッパーヘッド構造体を損傷しない程度に緩和される否かを確認するには、それら個別の耐火物を調査すること以外に、約1500ないし1550℃程度の溶鋼にそのストッパーヘッド本体を直接浸漬して亀裂や破壊等の損傷が発生しないことを確認することが好ましい。この浸漬試験においてはストッパーヘッド本体を1000℃程度で予熱しても構わないが、予熱しない方がより厳しい条件で評価することができる。これらの細部の条件は、個別の具体的な操業条件により決定すればよい。このような浸漬試験でストッパーヘッド本体に亀裂や破壊等の損傷が発生しない場合は、少なくとも応力緩和部分(組織断絶)による応力緩和作用が機能していること、及び充填した耐火物が前記の組織断絶による応力緩和作用を害していないことを意味する。
前記2の「応力緩和部分の内面の一部又は全部に、その縦中心軸方向に対して角度を有する傾斜部を設け、かつ、その縦方向中心軸又は傾斜部に沿って、充填した耐火物が移動可能にする」方法とは、応力緩和部分の内面に下方向(ストッパーヘッド本体先端方向)又は上方向(ストッパーヘッド本体先端と反対の方向)に向かって拡径する傾斜部を設け、かつ、前記応力緩和部分の径について、当該応力緩和部分の縦方向いずれの位置においても拡径側方向の径をその反対側方向に径以上の大きさにする、ということである。
このような傾斜部を設けることで応力を緩和する機構は次のとおりである。充填する耐火物やストッパーヘッド本体の耐火物が熱膨張した際に、これら耐火物間には縦方向中心軸に直角な方向又はストッパーヘッド外表面に沿う方向の圧縮応力が発生するが、傾斜部により圧縮応力が応力緩和部分縦軸方向側にも分解され、充填する耐火物がその傾斜にしたがって縦軸方向に移動することが可能になり、その移動によって圧縮応力が緩和される。言い換えると、充填する耐火物が傾斜部に沿って移動することが可能な条件の下、傾斜部は縦方向中心軸の上方に向かって拡径(下方に向かって縮径)しても下方に向かって拡径(上方に向かって縮径)してもよいが、縦方向中心軸に沿って同一の方向に拡径又は縮径する必要がある。
応力緩和部分の内面の一部に傾斜部を設ける場合、傾斜部はストッパーヘッド本体の外表面を起点として設けること、すなわちこのような傾斜部は、ストッパーヘッドの外表面側、最先端付近に設置することが最も効果的であり、好ましい。この傾斜部をストッパーヘッド本体外表面側、最先端付近に設けることが好ましい理由は、ストッパーヘッド本体に発生する圧縮応力は外表面を最大としてその外表面から内部に至るにしたがって低下し、ある点から圧縮応力が引張応力に転換するが、この圧縮応力を緩和することで引張応力も緩和されるので、圧縮応力の大きいストッパーヘッド本体下方外表面付近での圧縮応力を緩和するため、またその付近に傾斜部を設ける方がより効果的に充填する耐火物が移動するからである。
また、この傾斜部の角度に関しては、耐火物の静摩擦係数が0.2程度であることから、応力緩和部分の縦方向中心軸(ストッパーヘッド本体の縦方向中心軸と同一の場合は図1のAc)に沿った断面において、その縦方向中心軸に平行な線に対し、各々5°程度以上であることが好ましく、10°程度以上であることがより好ましい。
応力緩和部分が、溝状空間又は凹状の穴の場合は、その製造上の容易さ、応力緩和部分すなわちストッパーヘッド本体の内部に応力が集中しやすい鋭角部分を設けない等の観点からも、傾斜部分は下方向(ストッパーヘッド本体先端方向)に拡径するように設けて、充填した耐火物が下方向(ストッパーヘッド本体先端方向)に移動することができるようにすることが好ましい。
なお、傾斜部以外の部分には、充填した耐火物が移動した場合にも応力緩和部分の内面と充填した耐火物との間に隙間等が生じないようにするために、応力緩和部分の中心軸方向(充填した耐火物が移動する方向)の移動代以上の長さを有する、前記中心軸に平行な面(例えば前記中心軸を中心とする円柱状の面)を設けることが好ましい。
この応力緩和部分の傾斜部に充填する耐火物は、移動方向が拘束されていない等によりこの耐火物が移動可能なこと条件として、相対的軟質耐火物でなくてもよい。
このような傾斜部を利用した応力緩和作用を得るためには、耐火物を応力緩和部分に充填する際に使用する目地材や接着剤、又は充填する一体的な耐火物は、その充填する耐火物を単に保持する程度のストッパーヘッド本体との接着強度を備えていればよい。
この場合の接着強度は、例えば3点曲げの方法(例えば2個の20mm×20mmのストッパーヘッド本体用耐火物の平面試料間に1mm厚みの目地材又は接着剤を挟んで設置し、110℃乾燥後の試料を使用、スパン80mm)による接着強度で評価することができ、その最低値は、具体的には充填する耐火物が溶鋼から受ける圧力(溶鋼ヘッド圧に充填する耐火物の溶鋼接触面積を乗じた圧力)を充填する耐火物と応力緩和部分の接触面積で除した値を超えるものとし、最高値はストッパーヘッド本体用耐火物の曲げ強度(JIS2213の測定方法等)未満であればよいが、充填する耐火物のスムーズな移動や応力緩和のためには、その1/2倍程度以下であることが好ましい。
さらに本発明者らは、前記の応力緩和部分(溝状空間、凹状の穴)の形状に関し、応力緩和部分のストッパーヘッド本体表面からの深さF(mm)とストッパーヘッド本体の肉厚t(mm)との関係、及び応力緩和部分のストッパーヘッド本体の縦方向中心軸を中心とする最大直径W(mm)とストッパーヘッド本体の外径D(mm)との関係が熱応力に及ぼす影響を有限要素法により解析したところ、発生応力は、(F/t)×(W/D)の値に対し−1.3の傾きの近似直線に従って減少すること、すなわち、応力緩和部分がない場合(F及びWが0)の発生応力を1とすると、次の式(a)の関係があることがわかった。
1−1.3×(F/t)×(W/D) ∝ 発生応力(σ) …(a)
また、ストッパーヘッド本体内の発生応力と損傷抵抗性との関係は、ストッパーヘッド本体の、常温における弾性率(GPa)をE、1000℃における熱膨張率(%)をα、400℃における熱伝導率(W/mK)をλとすると、次の式(b)の関係となる。
t×E×α/λ ∝ 発生応力(σ) …(b)
前記の式(a)と式(b)とから、次の式(c)の関係を導くことができる。
{1−1.3×(F/t)×(W/D)}×(t×E×α/λ) ∝ 発生応力 …(c)
この関係から、応力緩和部分がない場合の発生応力を1とすると、応力緩和部分が存在する場合(F及びWが≧0)に発生応力が1未満となること、すなわち、ストッパーヘッド本体の損傷の危険性が低減することがわかる。また、(F/t)又は(W/D)が大きいほど、発生応力の値(応力緩和部分がない場合の発生応力を1とする指数)が小さくなり、ストッパーヘッド本体の損傷の危険性が低減することがわかる。
ここで、(F/t)が最大になるのは、内孔を有するストッパーヘッドの場合は応力緩和部分が貫通しているとき、内孔を有さないストッパーヘッドの場合は応力緩和部分の深さFがtに等しくなる、すなわち応力緩和部分の深さが、嵌合部の接線に直角な線の延長線とストッパーヘッド本体の縦方向中心軸の線とが交差する位置までの深さのときである。同様に(W/D)が最大になるのは、応力緩和部分の最大直径Wが実用上ストッパーヘッド本体の嵌合部の直径を超えない、嵌合部のずれ幅を除いた最大の直径を有している場合である。
さらに本発明者らは、前記の式(c)で表される発生応力がストッパーヘッド本体の常温の曲げ強度σs(MPa)に係数Kを乗じた値未満であれば、ストッパーヘッド本体の損傷を防止できることを見出した。すなわち、次の式(d)の場合にストッパーヘッド本体の損傷を防止することができる。
{1−1.3×(F/t)×(W/D)}×(t×E×α/λ) < σs・K …(d)
この式(d)を書き換えると、次の式(e)となる。
F・W > D・(t−K・σs・λ/(E・α))/1.3 …(e)
ここで、
F :応力緩和部分のストッパーヘッド本体表面からの深さ(mm)(図1のF)
W :応力緩和部分のストッパーヘッド本体の縦方向中心軸を中心とする最大直径(mm)(図1のW)
D :ストッパーヘッド本体の外径(mm)(図1のD)
t :ストッパーヘッド本体の肉厚(mm)(図1のt)
σs:ストッパーヘッド本体の常温の曲げ強度(MPa)
λ :ストッパーヘッド本体の400℃における熱伝導率(W/mK)
E :ストッパーヘッド本体の常温における弾性率(GPa)(20mm×20mm×80mmの試料を使用した音波法の測定方法による弾性率)
α :ストッパーヘッド本体の1000℃における熱膨張率(%)
K :係数
すなわち、本発明において応力緩和部分は前記の式(e)を満たすことが好ましい。
なお、前記シミュレーションの条件、各変数の意味等は次の通りである。
有限要素法による熱応力解析は、ストッパーヘッド本体の外表面を1100℃に予熱した状態から1550℃の急加熱を行い、すなわち実操業における熱応力発生時のストッパーヘッドの使用条件をモデルとし、非定常での数分間内の最大発生応力を基準にした。
前記のDは、一般的には、ストッパーヘッド本体の縦方向中心軸に沿った断面において、ストッパーヘッド本体の左右の嵌合部間を結ぶ直径に1.2を乗じた長さと等しくなる。これは、ストッパーヘッド本体の一般的・平均的な直径の長さが、嵌合位置の機械的なズレや溶損等によるズレを許容する安全性等を考慮して決定される、合理的なストッパーヘッド本体の形状を基礎とすると、ストッパーヘッド本体の左右の嵌合部間を結ぶ長さに約1.2を乗じた長さに設計されるからである。
前記のtについて詳しく説明すると、tは、ストッパーヘッド本体の縦方向中心軸に沿った断面において、ストッパーヘッド本体の嵌合部の位置(図1の12)と、その位置の接線に直角な方向のストッパーヘッド本体の縦方向中心軸方向への延長線がストッパーヘッド本体の内孔表面と交差する位置(図1の15)までの直線距離(図1のt)である。内孔がその部分に存在せずに前記延長線が内孔表面と交差する位置がない場合は、嵌合部の位置(図1の12)から前記延長線とストッパーヘッド本体の縦方向中心軸(図1のAc)との交点(図1の17)までの直線距離をtとしてかまわない。
前記のストッパーヘッド本体の曲げ強度σsを常温の値とするのは、損傷の発生の起点となる引張応力が働く部分がストッパーヘッド本体の内孔側であって、この付近はスピンドルの冷却等により数百℃以下に保たれており、耐火物の常温での物性とほぼ同じであるからである。
前記のストッパーヘッド本体の熱伝導率λ(W/mK)を400℃における値とするのは、冷却等による温度勾配の下、広範囲の平均的な温度域であるからである。
前記のストッパーヘッド本体の音波法の測定方法による弾性率Eを常温における値とするのは、損傷の発生の起点となる引張応力が働く部分がストッパーヘッド本体の内孔側であって、この付近はスピンドルの冷却等により数百℃以下に保たれており、耐火物の常温での物性とほぼ同じであること等による。
前記のストッパーヘッド本体の熱膨張率αを1000℃における値とするのは、1000℃が、予熱時における温度勾配が定常状態となったときのストッパーヘッド本体表面付近の平均的な温度であること、及び、1000℃を超えた領域では軟化の影響が出始めて評価の精度が低下するので、より精度の高い評価のためにそれらを排除するためである。
前記のKは、いわゆる安全率等を含む、定量的又は理論的に明らかにすることができない損傷に影響を及ぼす諸要素を総合的に集約した事実上の係数であって、本発明者らは、前述の計算結果(有限要素法による熱応力計算結果)と、それら計算の基礎となる応力緩和部分を有するストッパーヘッド本体を溶鋼中に浸漬したときの実際の損傷との対応関係を調査することで損傷を防止するためのKの値を得た。その結果、前記の式(e)においてKの値が7以下の場合にストッパーヘッド本体の損傷を顕著に軽減ないしは防止できることを見出した。
すなわち、前記の式(e)は、次の(式1)となる。
F・W ≧ D・(t−7・σs・λ/(E・α))/1.3 …(式1)
ここで、応力緩和部分の径(円柱状の場合は直径、真円でない場合は最大長さを直径とみなした、その最大径。図1及び図2等の符号W)及び縦方向中心軸方向深さ(図1及び図2等の符号F)については、図9に示すように、これらの大きさと応力緩和程度は直線的な関係があることを本発明者らは見出したが、このことから、前記の径と深さが小さくても溝状の空間又は凹状の穴が存在しさえすれば応力を緩和することができることがわかる。すなわち、ストッパーヘッド本体の製造上の表面寸法精度又は耐火物自体の表面粗さ等により避けられない凹部等を除き、応力緩和効果を発現するための下限値はないといえる。
なお、従来技術による実操業上のストッパーヘッドの損傷トラブル発生率は約0.3%である。この損傷トラブルを生じた際の操業における予熱温度及びその時間の変動を調査し、それがストッパーヘッド本体内に発生する応力に及ぼす影響を検討したところ、発生応力が最大約3%程度高まっていたものと推測された。したがって、ストッパーヘッド本体内に発生する応力を約3%以上緩和することが好ましい。
本発明において、前述の応力緩和部分の形状と発生応力の割合とは図9に示す関係にあることから、この図9中の発生応力の割合(縦軸)が3%低下する点、すなわち0.97以下になる(F/t)×(W/D)の値(横軸)になる応力緩和部分の形状が好ましい。詳述すると、ストッパーヘッド本体表面からの深さF(mm)とストッパーヘッド本体の肉厚t(mm)との関係、及びストッパーヘッド本体の縦方向中心軸を中心とする最大直径W(mm)とストッパーヘッド本体の外径D(mm)との関係を示す、(F/t)×(W/D)の値が0.03以上になるF及びWを設定することが好ましいということである。
すなわち、本発明の応力緩和部分の形状は、図9において発生応力の割合(縦軸)が約0.97以下(約3%の応力緩和)の場合である、応力緩和部分の径の比(W/D)と応力緩和部分の深さの比(F/t)との積が0.03以上が好ましく、K≦7である前記(式1)の条件を満たす応力緩和部分の形状がより好ましい。
応力緩和部分の深さ(図1等のF)は、前記の式(e)及び(式1)のとおり、深いほど応力緩和効果が高まる。その凹状の穴の深さが最大の場合が、ストッパーヘッド本体に内孔を有する場合はその内孔まで貫通する貫通孔である。
この貫通孔の場合は、前記の式(e)及び(式1)のF/Tを1とみなすことができるので、前記(e)式は次の式(f)に置き換えることができる。
W > D・(1−K・σs・λ/(E・α・t))/1.3 …(f)
前記の溝状の空間及び凹状の穴の場合と同じく、K≦7がより好ましいので、前記式(f)は次の(式2)に置き換えることができる。
W ≧ D・(1−7・σs・λ/(E・α・t))/1.3 …(式2)
また、このように応力緩和部分としてストッパーヘッド本体内部の内孔まで貫通する貫通孔を設けると、ストッパーヘッド本体の耐火物組織の中に亀裂の起点になり易い応力緩和部分の終点(溝状空間又は凹状の穴の上端部)がないため、この点からも損傷の危険性を低減又は防止する効果を高めることができる。
なお、アルミナ等の非金属介在物の付着防止する目的等で、ストッパーヘッド本体先端からガスを吹き込むための、すなわち不活性ガスの供給装置に連通した不活性ガスの流通経路としての数ミリメートル以下程度の小径の貫通孔を先端に設けたストッパーヘッドは既に存在する。このような貫通孔にガスを流通させると貫通孔周辺のストッパーヘッド本体は常時冷却され、約1000℃以上から使用時は1550℃に曝されるストッパーヘッド本体の外表面との温度差が大きくなり、ストッパーヘッド本体内には強く、かつ複雑な分布の応力が発生し、損傷の危険性を高めることになる。したがって、ストッパーヘッド本体の損傷の危険を高めず、低減するためには貫通孔にはガスを流通させないことが好ましい。すなわち本発明の貫通孔は、そのようなガス吹き込みを目的とするものとは異なり、ガスを流通させることもガスを吹き込むこともなく、不活性ガスの供給装置に連通した不活性ガスの流通経路でもない。
因みに、前述のとおり、溝状の空間、凹状の穴又はガスを流通させない貫通孔の一部又は全部の内面がストッパーヘッド本体の外部に連通した空間であると、その内面からも熱がストッパーヘッド本体の内部に伝達するので、ストッパーヘッド本体内部の温度分布と応力分布がなだらかになり、ストッパーヘッド本体の損傷の危険性がより低下する。
このように貫通孔を設ける場合には、金属製のスピンドルの先端部分にセラミックス若しくは耐火物からなる部分やそれらに空冷装置を組み込んだ部分等を設けて金属製のスピンドルが溶鋼によって溶融若しくは強度を維持できない程度の温度(概ね300℃以上)に上昇することを防止する、金属製のスピンドルまで溶鋼が到達しないようにするために貫通孔の上端部や下端外部に板状のセラッミックス製や耐火物製の蓋を設置する、又は貫通孔の一部又は全部に耐火物(以下「栓状耐火物」という。)を充填する、等の工夫を施す必要がある。このうち最も容易且つ安定的でコスト面からも現実的なのは貫通孔の一部又は全部に栓状耐火物を充填する方法であり、この方法が好ましい。この場合も凹状の穴の延長線上にあるので、溝状の空間又は凹状の穴の一部又は全部に耐火物を充填する場合と同様に、前述した1.充填する耐火物自体に応力緩和能を示す特性を有するものを使用する、2.応力緩和部分の内面の一部又は全部に、その縦中心軸方向に対して角度を有する傾斜部を設け、かつ、その縦方向中心軸又は傾斜部に沿って、充填した耐火物が移動可能にする、等と同様の手段を採ることができる。
なお、ストッパーヘッド本体下方外周面の昇温速度が大きい場合や、定常状態でのストッパーヘッド本体下方外周面と内孔側との温度差が大きいほどストッパーヘッド本体内の温度勾配が大きくなって、ストッパーヘッド本体外表面の圧縮応力は大きくなり、ストッパーヘッド本体内部内孔側の圧縮応力が引張応力に転換する点も移動する。そのような個別の操業上の条件、ストッパーヘッド本体の形状や構成耐火物の物性等が異なる場合にも、本発明の手段における各式等の変数を入れ替える等により、個別の条件にさらに特化した最適な応力緩和形状等を得ることができる。
本発明により、溶融金属の排出制御に使用するストッパーヘッド、とくにガスを吹き込む機能を備えない一体的な構造のストッパーヘッドの損傷の危険性を低減しあるいは防止することができる。
最初に本発明のストッパーヘッド本体の製造方法について説明する。
応力緩和部分として、前述の溝状の空間、凹状の穴又は貫通孔を有するストッパーヘッド本体は、例えば耐火物で一体形状に成形したストッパーヘッド本体に、応力緩和部分に相当する形状でストッパーヘッド本体先端をボーリングすることによって得ることができる。また、予め応力緩和部分を設ける形状に設計された成形用の金属製の芯棒や金属製の型枠を使用して、その型枠内に充填されたはい土をストッパーヘッド本体の縦方向中心軸方向にフリクションプレスにより加圧成形する等で得ることもできる。
応力緩和部分に耐火物を充填する場合は、中心側の充填する耐火物に目地材を塗布して装着する、応力緩和部分の内形状に合わせて成形した耐火物を嵌め込む、又は、とくに一体的な相対的軟質耐火物の場合には流し込み、パッチング、吹き付け(吹き込み)等の適宜な方法で充填することができる。
これらの方法で成形又は組み立てたストッパーヘッド本体は、目地材等の充填した耐火物の硬化、水分等の揮発分の除去等を目的に乾燥し、又は強度発現等を目的に焼成することができる。酸化防止材を塗布する場合は、乾燥若しくは焼成の前後又は間に塗布することができる。
充填する相対的軟質耐火物以外の耐火物としては、ストッパーヘッド本体からボーリングで得たコアやストッパーヘッド用材質類似の成分や物性を有する耐火物等を用いることができる。
目地材等の相対的軟質耐火物としては、一般的な耐火材料に使用されるアルミナ質、アルミナ−シリカ質、ジルコニア質、ジルコン質、スピネル質、マグネシア質、炭素質等の単独又はこれらの混合物若しくは化合物からなる耐火骨材を主たる構成物とし、これらに有機質若しくは無機質の結合材を含む耐火材料を使用することができる。これらにガラス成分(例えば珪酸アルカリ、アルカリ金属系酸化物、硼素系化合物等)等の個別の操業における予熱温度(通常は約1200℃)以上、好ましくは約1000℃以上の熱間で軟化する成分を含むことができる。
目地材の場合、応力緩和機能を発現するための変形能、可縮性等を大きくするために、目地材を構成する耐火原料の最大粒径は、設置する溝状の空間等の最小厚み以下であることが必要なのは当然であるが、その厚みが0.5mmを超える場合にも0.5mm以下程度が好ましく、0.2mm以下がさらに好ましい。また、目地材の溶鋼による摩耗や化学的な侵食が大きい場合、その侵食等を抑制するためにはできるだけ目地材の厚みは小さくすることが好ましい。
この目地材等の相対的軟質耐火物の変形能又は可縮性等の調整は、目地材等を構成する耐火物の組成として、例えばAl−SiO−CaO系や前記のガラス成分(例えば珪酸アルカリ、アルカリ金属系酸化物、硼素系化合物等)等の、約800℃〜約1500℃程度の温度でそれらが単独で若しくは相互に反応して軟化若しくは低融化するような成分を含ませ、その含有量を調整したり、黒鉛や粘土等のそれ自体が可縮性を有する耐火原料を含ませる等の方法によって行うことができる。このほか、有機繊維や有機物の粒子若しくは有機物の液体等を目地材中に予め混入させておき、乾燥後若しくは昇温後にそれらを消失させて目地材中に小さな空間を多数分散させ、その空間に目地材を構成する耐火骨材を、ストッパーヘッド本体内部に発生する応力に応じて移動可能にする等によりその膨張を吸収させることでストッパーヘッド本体の耐火物よりも変形能若しくは可縮性を高め又は強度を低下させる方法等をも採り得る。
次に、本発明のストッパーヘッドに設ける応力緩和部分に関する実施形態の具体例を図面を参照して説明する。
図1〜図8に示す本発明のストッパーヘッド10の基本構成はいずれも同じであり、図1を参照して説明すると、耐火物からなるストッパーヘッド本体1の縦方向中心軸Ac上にスピンドル2が挿入され、固定用目地3によって固定されている。また、スピンドル2の先には、中空状の内孔4が残されている。
このような基本構成において、図1の例では、応力緩和部分として溝状空間5を設けている。この溝状空間5は、その外周がストッパーヘッド本体1の縦方向中心軸Acを中心とした直径Wの円周上に位置し、厚みTmを有する環状の空間である。
図2の例は、図1に示した溝状空間5の厚みTmを最大にした例として、凹状の穴6を設けた例である。
図3(a)及び(b)の例は、図2に示した凹状の穴に耐火物7を充填した例である。この穴の形状は、穴の縦軸方向の面がストッパーヘッド本体1の縦方向中心軸の方向に対して平行な場合(図3(a))の他、穴の縦軸方向の面がストッパーヘッド本体1の縦方向中心軸の方向に対して拡径した、台形のような形状等(図3(b))とすることもできる。
充填する耐火物7の材質は、図3(a)の場合は、前述の通り相対的軟質耐火物を適用することが好ましいが、図3(b)の場合には相対的軟質耐火物ではないストッパーヘッド本体1用の耐火物と同等の物性を有する材質等を適用することもできる。この理由は、図3(b)に示すようにストッパーヘッド本体の下端外部方向に拡がる傾斜部(テーパー)を有する截頭円錐状等の形状(図3(b)中のDs>Dss)であれば、充填した耐火物7が熱膨張により下方に移動することが可能であるからである。この移動によりストッパーヘッド本体1用の耐火物の熱膨張により発生する応力を緩和することが可能となる。
図4の例は、応力緩和部分として、ストッパーヘッド本体1の下方先端部から内孔4まで貫通する貫通孔を設け、この貫通孔に、目地材9を介してストッパーヘッド本体1用の耐火物と同等の物性を有する栓状耐火物8を設置した例である。図4の例において、その応力緩和部分の形状は、ストッパーヘッド本体1の縦方向中心軸を中心とした回転体となるほぼ円柱状としている。なお、目地材9の厚みTmは、前記の(式3)を満たすように設定している。
図5の例は、図4の例と同様に、応力緩和部分として、ストッパーヘッド本体1の下方先端部から内孔4まで貫通する貫通孔を設け、この貫通孔に、目地材9を介してストッパーヘッド本体1用の耐火物と同等の物性を有する栓状耐火物8を設置した例であるが、この図5の例では、その応力緩和部分の形状をストッパーヘッド本体1の下方向に拡大する截頭円錐状(図5中のDs>Dss)、すなわち傾斜部11を有する形状としている。また、この例ではストッパーヘッド本体1の縦方向中心軸と応力緩和部分の中心軸をほぼ同一にしている。これによって、ストッパーヘッド本体1の下方先端部と栓状耐火物8とが熱によって膨張した場合に、栓状耐火物8がその膨張代の差の程度に応じて下方に移動し、ストッパーヘッド本体1の下方先端部に発生する圧縮応力を緩和することができる。
図6の例は、応力緩和部分がストッパーヘッド本体1の縦方向中心軸方向で段付きの構造を有し、その上下段の間を傾斜部11とした例である。図6の例のように、応力緩和部分の内孔4側の径を先端(下端)側の外周の径よりも大きくすることで栓状耐火物8の脱落を防止することができ、また内孔4への溶鋼の侵入を防止することができ、さらに、傾斜部11により、栓状耐火物8の上下方向への若干の移動も可能となる。
図7の例は、前記の図4の例と同様の構造を有するが、応力緩和部分に充填した栓状耐火物8の下方先端側にさらに穴状の空間6aを設けた例である。このように先端部分に穴状の空間6aを有すると、先端部分での拘束力がより一層小さくなって圧縮応力が生じにくくなると共に、ストッパーヘッド本体1の内孔4側への熱伝導速度も速まって、内孔面側の引張応力の発生を低位に止めることもできるので、図4の例よりもさらに応力緩和能が高まる。つまり、とくに急激な温度変化のある使用条件下で発生する応力を緩和する能力が高まる。
図8(a)及び図8(b)の例は、前記の図4ないし図7の例と同様に、応力緩和部分としての貫通孔に目地材9を介して栓状耐火物8を充填した構造を有するが、応力緩和部分の下方先端側に傾斜部11を設けた例である。図8(a)の例では、傾斜部11が上方に向かって拡径しているので、熱膨張により栓状耐火物8は上方に移動することができ、図8(b)の例では、傾斜部11が下方に向かって拡径しているので、熱膨張により栓状耐火物8は下方に移動することができる。このような熱膨張による栓状耐火物8の移動の効果は熱膨張が最も大きい部分に傾斜部11を設けることでその最大の効果も得られるので、傾斜部11はこの図8の例のように応力緩和部分の先端(下端)部分に設けることが好ましい。
図8(a)及び図8(b)のいずれの例でも、応力緩和部分の傾斜部11以外の一部には、ストッパーヘッド本体1の縦方向中心軸に平行で栓状耐火物8の移動代以上の長さを有する内面、すなわちストッパーヘッド本体1の縦方向中心軸を中心軸とする円柱状の部分を設けている。この円柱状の部分の存在により、栓状耐火物8が移動してもストッパーヘッド本体1の外部から内孔4までの間に空隙が生じることがなく、溶鋼が内孔4に侵入することを抑制することが可能となり、より安全性を高めることができる。なお、図8(b)の例では応力緩和部分としての貫通孔、傾斜部等に加えて下方先端を平面状にしており、これにより先端付近の発生応力をさらに低減させている。
本実施例は、前記の式(a)に関し、F/tの値及びW/Dの値と、有限要素法によるストッパーヘッド本体内の発生応力計算結果との関係を示すものである。
この計算においては、図1に示す形状を基本とし、t=50mm、D=155mm、ストッパーヘッド本体外周面の初期温度を1200℃、内孔表面の初期温度を1000℃とし、ストッパーヘッド本体外周面を1550℃に急加熱したと仮定したとき、加熱開始から1分間以内の非定常状態での最大発生応力を計算した。
なお、この計算においてストッパーヘッド本体をなす耐火物の物性は、400℃における熱伝導率λを10(W/mK)、常温における音波法での測定による弾性率Eを20(GPa)、1000℃における熱膨張率αを0.7(%)とした。
計算結果を表1及び図9に示す。
Figure 2008080397
表1の(F/t)×(W/D)の値を横軸に、発生応力指数を縦軸にグラフ化した図9から、その傾きが約1.3の近似直線を得ることができることがわかる。
前記の計算例の他、t=30〜70、D=80〜180、λ=2〜15、E=5〜30、α=0.5〜1.2の範囲でも同様に、前記の傾きが約1.3となることを確認した。
本実施例は、前記の式(e)に関し、式中の各変数を変化させて、式(e)のK値を求め、それらと熱衝撃試験及び実操業における亀裂、欠落等の発生率との関係を調査した結果を示す。
この計算において、比較例は図14に示す形状を基本とし、実施例はそれに図1ないし図4(いずれの形状でも式(e)の計算結果に影響はない)に示すように応力緩和部分(F及びW)を加えた形状とした。ここで、用いた形状寸法のうち、tは50mm、Dは155mmである。
結果を表2、図10及び図11に示す。
Figure 2008080397
熱衝撃試験及び実操業においては、実施例a〜cは本発明の図3(a)に示す構造、実施例d〜fは本発明の図4に示す構造、比較例は図14に示す構造とした。本実施例におけるストッパーヘッド本体用耐火物、栓状耐火物、目地材の物性は表3に示すとおりである。
Figure 2008080397
実施例a〜c、すなわち図3(a)の構造の凹状の穴の中には表2に示す目地材を充填した。なお、目地材は原料粒径0.2mm以下の珪酸塩結合のアルミナ−シリカ質に炭素を含む耐火材料であり、ストッパーヘッド本体用耐火物、栓状耐火物よりも可縮性が大きい耐火物、すなわち「相対的軟質耐火物」である。
実施例d〜f、すなわち図4の構造の実施例では、応力緩和部分の内径=目地部の外径(図4のW)を30mm、Dを155mm、栓状耐火物のストッパーヘッドの縦方向長さ(図4のHc)を65mm、目地材の厚み(図4のTm)を1mmとした。なお、実施例d〜fの場合、前記の(式3)の計算結果は、いずれも左辺≧右辺の条件を満たしている
熱衝撃試験では、実タンディッシュの操業時に本実験用の試料を操業用のストッパーヘッドの横に配置し、無予熱のほぼ常温の試料を、約1500℃〜1600℃のタンディッシュへ注入された溶鋼に浸漬(急加熱)し、溶鋼中で10分間保持した後、外気中での自然冷却後に、ストッパーヘッド本体をその縦方向中心軸に沿って切断し内部の亀裂を観察した。
実操業での試験では、タンディッシュ内の予熱装置による試料の外面からのガスバーナーによる約1200℃×約1時間保持の予熱後に供し、約1500℃〜1600℃のタンディッシュへ注入された溶鋼に浸漬して操業に供した。そして、操業の間の先端の欠落の有無及び操業終了から冷却後にストッパーヘッド本体をその縦方向中心軸に沿って切断し内部の亀裂を観察した。
表2に示すように、実施例a〜fのK値は、物性値が同じ(同材質)であって従来形状である比較例2に対し、何れも低い値となっており、熱衝撃試験による亀裂発生率はこのK値の低減に対応して改善効果が高まっていることがわかる。さらにK値が7以下の実施例(実施例b、c、e、f)ではいずれも熱衝撃試験による亀裂発生率はゼロであり、さらに顕著な改善効果があることがわかる。
これらの実施例のうち、最も改善効果が高くて実用上ストッパーヘッドの損傷が発生する危険性が最も低いと考えられる実施例fを実操業に供した。その結果、亀裂や欠落はゼロすなわち発生率0%(約1年間の実操業での値)で、比較例1の発生率0.3%(約10年間の実操業での平均値)、比較例2の発生率0.05%(約3年間の実操業での平均値)に対し大幅な改善効果が確認できた。
なお、比較例3は本発明のように応力緩和部分を設ける手段以外の手段として、物性(耐火物の材質)のみの変更、すなわち熱応力緩和能、耐熱衝撃性等に優れる材質を適用したものである。この比較例3についてはK値は1.4と大幅に小さく、前記の熱衝撃試験及び実操業における使用のいずれにおいても亀裂や欠落はゼロすなわち発生率0%(約3年間の実操業での平均値)であった。しかし、このように物性(耐火物の材質)のみの変更、すなわち耐熱衝撃性の改善を材質の変更のみで行おうとした場合は、耐食性や耐摩耗性の著しい低下や嵌合部の異状損傷を招来して、ストッパーヘッドの耐用性を大幅に低下させる状況が多発し、ストッパーヘッドとしての基本的かつ最も重要な機能である、溶融金属の排出制御に支障を来し、実用性に欠ける結果となった。したがって、このような材質のみでの熱応力緩和方法は、流量制御を伴わない溶鋼の排出開始及び停止のみの機能、並びに侵食性や酸化性の比較的小さい鋼種やスラグ等の一部の特殊な条件下でのみ使用可能であって、広く一般的なストッパーヘッドの課題解決手段とはなり得ない。
本発明の図4の実施例及び図5の実施例につき、有限要素法による熱応力解析を行ってストッパーヘッド内に発生する応力を比較例(図14)と比較した。
図12(a)ないし図12(c)に、熱応力解析結果(応力分布)を示す。ここで、図12(a)が図4の例、図12(b)が図5の例、図12(c)が比較例を示す。
設定した条件は、ストッパーヘッドの外周面に1500℃の溶鋼を受鋼して70分後の状態とし、ストッパーヘッドの外径(図4、図5、図14のDに相当)はいずれも155mm、応力緩和部分の下方先端部の外径W(=Ds+Tm×2)は、図12(a)では20mm、図12(b)では30mmかつ側面部分は25°の傾斜付き、応力緩和部分の高さ(図4、図5のHcに相当)は図12(a)、図12(b)共に65mmとし(ただし、F/t=50/50で1とみなせる)、いずれも応力緩和部分は発生する応力を完全に吸収できる可縮性を有するものとした。
図中のE1は圧縮応力の領域、E2は引張応力1.2MPa以上1.8MPa未満の領域、E3は引張応力1.8MPa以上2.4MPa未満の領域、E4は引張応力2.4MPa以上3.0MPa未満の領域、E5は引張応力3.0MPa以上の領域を示す。
本応力計算の条件の場合、ストッパーヘッドが破壊に至る引張応力は約4MPaと推定されるので、最大引張応力は少なくとも4MPa未満にする必要があるが、比較例のストッパーヘッド内孔面側の最大引張応力はその破壊が生じる4MPaに近い3.6MPaとなっており、損傷が生じる確率が高いことを示している。これに対し、図4の例では2.0MPa、図5の例では1.4MPaと大幅に応力が緩和されており、破壊が生じると推定される最大引張応力の約1/2以下に低減されていることがわかる。さらに、耐火物内全体の応力分布も低位でかつ緩やかに分散した状態になり、安全性が高まっていることがわかる。
本実施例は前記の実施例3の熱応力解析結果の検証結果を示す。すなわち。前記の実施例3に対応する本発明及び比較例のストッパーヘッドにつき、溶鋼中に浸漬して熱衝撃を加えてストッパーヘッド本体内の亀裂や破壊の発生状況を調査した。
本発明のストッパーヘッドは、図4及び図5の実施例とし、図4の例においては応力緩和部分の内径=目地部の外径Wを30mm、ストッパーヘッド本体の外径Dを155mm、Hcを65mm、目地材の厚みTmを1mmとした。各耐火物の材質、物性は前記の表3と同じである。
また、図5の例においては、応力緩和部分の下端の内径=目地部の外径Wを40mm、応力緩和部分の上端の内径=目地部の外径Wuを20mm、Dを155mm、Hcを65mm、目地材9の厚みを前記の図4の例よりも薄い0.5mmとした。なお、図5の例では、栓状耐火物8が下方向に移動することができることから、ストッパーヘッド本体の表面(特に下端)付近の発生応力を緩和することができるので、目地材9の厚みは前記の(式3)の条件を満たす必要はない。
比較例は、従来技術の構造(図14)とし、ストッパーヘッド本体の外径Dは、前記の実施例と同じ155mmとした。
実験は、実タンディッシュの操業時に本実験用の試料を操業用のストッパーセットの横に配置し、実操業の条件下、すなわちタンディッシュ内の予熱装置による試料の外面からのガスバーナーでの約1200℃×約1時間保持の予熱後、1500℃〜1600℃のタンディッシュへ注入された溶鋼に浸漬する方法で行った。
その結果、比較例の使用後の縦方向中心軸に沿った切断面には、図14に示す亀裂13と同様のほぼ水平方向の亀裂とさらにその亀裂の内孔4側の基点付近からストッパーヘッド本体の下端方向へも亀裂が生じた。
これに対し、本発明の実施例(図4及び図5の例)では、そのいずれにも使用後の縦方向中心軸に沿った切断面には亀裂は観られず、前記の実施例3の熱応力解析結果と合致する結果を得ることができ、前記の実施例3の熱応力解析の有効性が確認できた。同時に本発明により、ストッパーヘッド本体の応力緩和、すなわち課題を解決できることが確認できた。
応力緩和部分として環状の溝状空間を設けた本発明のストッパーヘッドの例を示す。 応力緩和部分として凹状の穴を設けた本発明のストッパーヘッドの例を示す。 (a)は図2に示す凹状の穴に耐火物を充填した本発明のストッパーヘッドの例を示す。(b)は応力緩和部分としての截頭円錐形状の凹状の穴に耐火物を充填した本発明のストッパーヘッドの例を示す。 応力緩和部分としての円柱形状の貫通孔に目地部を介して栓状の耐火物を充填した本発明のストッパーヘッドの例を示す。 応力緩和部分としての截頭円錐形状の貫通孔に目地部を介して栓状の耐火物を充填した本発明のストッパーヘッドの例を示す。 応力緩和部分としての貫通孔に目地部を介して段付き形状の栓状の耐火物を充填した本発明のストッパーヘッドの例を示す。 応力緩和部分としての貫通孔に目地部を介して円柱形状の栓状の耐火物を充填すると共にその下端側にさらに孔状の空間を設けた本発明のストッパーヘッドの例を示す。 (a)(b)いずれも応力緩和部分としての截頭円錐形状の貫通孔に目地部を介して栓状の耐火物を充填した本発明のストッパーヘッドの例のうち、下端付近に傾斜部を設けた例を示す。(a)は上方に向かって拡径し、(b)は下方に向かって拡径した例を示す。 (F/t)×(W/D)の値と発生応力比率との関係を示す。 表3におけるK値(式(1)のK値)と熱衝撃試験による亀裂発生率の関係を示す。 表3におけるK値(式(e)のK値)と実操業での亀裂発生率の関係を示す。 熱応力解析結果(応力分布)を示し、(a)は図4の例、(b)は図5の例、(c)は比較例(図14の例)の結果を示す。 ストッパーヘッドと上ノズルとの嵌合状態を示す。 従来のストッパーヘッドを示す。
符号の説明
1 ストッパーヘッド本体
2 スピンドル
3 スピンドルとストッパーヘッド本体の固定用目地
4 ストッパーヘッド本体の内孔
5 溝状空間
6 凹状の穴
7 凹状の穴に充填した耐火物
8 貫通孔に設置した栓状耐火物
9 貫通孔内に栓状の耐火物を設置するための目地材又は接着材
10 ストッパーヘッド
11 応力緩和部分の傾斜部(截頭円錐の側面)
12 ストッパーヘッド本体と上ノズルの嵌合部
12a 嵌合部の接線
12b 嵌合部の接線に直角な線
13 亀裂
14 亀裂の内孔面側の基点
15 ストッパーヘッド本体外表面の嵌合部の接線に直角な方向の延長線が内孔表面と交差する点
16 応力緩和部分の最外部、ストッパーヘッド本体の外周表面との交点
17 ストッパーヘッド本体外表面の嵌合部の接線に直角な方向の延長線がストッパーヘッド本体の縦方向中心軸と交差する点
20 ノズル
21 ノズル孔

Claims (13)

  1. 溶融金属を容器からノズルを経由して排出する際の排出開始若しくは停止、又は流量制御のために使用されるストッパーヘッドにおいて、
    耐火物からなるストッパーヘッド本体の下方先端部中央付近に、ストッパーヘッド本体の外表面付近における耐火物組織の連続性を断絶し、応力を緩和する応力緩和部分として、環状の溝状空間又は凹状の穴を設けたことを特徴とするストッパーヘッド。
  2. 前記応力緩和部分の一部又は全部に、その縦方向中心軸に沿ってストッパーヘッド本体先端方向に向けて拡径する傾斜部を設けた請求項1に記載のストッパーヘッド。
  3. 前記応力緩和部分の一部又は全部に、1000℃以上の熱間においてストッパーヘッド本体よりも変形能若しくは可縮性の大きい、又は強度の低い耐火物が充填されている請求項1又は請求項2に記載のストッパーヘッド。
  4. 前記応力緩和部分の一部又は全部に、1000℃以上の熱間においてストッパーヘッド本体よりも変形能若しくは可縮性の大きい、又は強度の低い目地材を介して、耐火物が充填されている請求項1又は請求項2に記載のストッパーヘッド。
  5. 前記傾斜部の一部が少なくともストッパーヘッド本体の外表面を起点にしてストッパーヘッド本体の外周先端側に設けられており、かつ少なくとも前記傾斜部の一部又は全部に、耐火物が充填されている請求項2に記載のストッパーヘッド。
  6. 前記応力緩和部分が、次の(式1)を満足する請求項1から請求項5のいずれかに記載のストッパーヘッド。
    F・W ≧ D・(t−7・σs・λ/(E・α))/1.3 …(式1)
    ここで、
    F :応力緩和部分のストッパーヘッド本体表面からの深さ(mm)
    W :応力緩和部分のストッパーヘッド本体の縦方向中心軸を中心とする最大直径(mm)
    D :ストッパーヘッド本体の外径(mm)
    t :ストッパーヘッド本体の肉厚(mm)
    σs:ストッパーヘッド本体の常温の曲げ強度(MPa)
    λ :ストッパーヘッド本体の400℃における熱伝導率(W/mK)
    E :ストッパーヘッド本体の常温における弾性率(GPa)
    α :ストッパーヘッド本体の1000℃における熱膨張率(%)
  7. 溶融金属を容器からノズルを経由して排出する際の排出開始若しくは停止、又は流量制御のために使用されるストッパーヘッドにおいて、
    耐火物からなるストッパーヘッド本体の下方先端部中央付近に、ストッパーヘッド本体の外表面付近における耐火物組織の連続性を断絶し、応力を緩和する応力緩和部分として、ストッパーヘッド本体の内孔まで貫通しており、かつ、ガスの流通経路に連通していない貫通孔を設けたことを特徴とするストッパーヘッド。
  8. 前記応力緩和部分の一部又は全部に、その縦方向中心軸に沿ってストッパーヘッド本体先端方向又はストッパーヘッド本体先端と反対の方向に向けて拡径する傾斜部を設けており、かつ、前記応力緩和部分の径は、当該応力緩和部分の縦方向いずれの位置においても拡径側方向の径がその反対側方向の径以上の大きさである請求項7に記載のストッパーヘッド。
  9. 前記応力緩和部分のうち、ストッパーヘッド本体の外表面を起点にしたストッパーヘッド本体の外周先端側を空間とし、この空間を除く残余の応力緩和部分の一部又は全部に、耐火物が充填されている請求項7又は請求項8に記載のストッパーヘッド。
  10. 前記応力緩和部分の一部又は全部に、1000℃以上の熱間においてストッパーヘッド本体よりも変形能若しくは可縮性の大きい、又は強度の低い目地材を介して、耐火物が充填されている請求項7から請求項9のいずれかに記載のストッパーヘッド。
  11. 前記応力緩和部分の一部又は全部に、前記応力緩和部分の内面との間に目地材を介さないで、1000℃以上の熱間においてストッパーヘッド本体よりも変形能若しくは可縮性の大きい、又は強度の低い耐火物が充填されている請求項7から請求項9のいずれかに記載のストッパーヘッド。
  12. 前記傾斜部の一部が少なくともストッパーヘッド本体の外表面を起点にしてストッパーヘッド本体の外周先端側に設けられており、かつ少なくとも前記傾斜部の一部又は全部に、耐火物が充填されている請求項8に記載のストッパーヘッド。
  13. 前記応力緩和部分が、次の(式2)を満足する請求項7から請求項12のいずれかに記載のストッパーヘッド。
    W ≧ D・(1−7・σs・λ/(E・α・t))/1.3 …(式2)
    ここで、
    W :応力緩和部分のストッパーヘッド本体の縦方向中心軸を中心とする最大直径(mm)
    D :ストッパーヘッド本体の外径(mm)
    t :ストッパーヘッド本体の肉厚(mm)
    σs:ストッパーヘッド本体の常温の曲げ強度(MPa)
    λ :ストッパーヘッド本体の400℃における熱伝導率(W/mK)
    E :ストッパーヘッド本体の常温における弾性率(GPa)
    α :ストッパーヘッド本体の1000℃における熱膨張率(%)
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