JP2008080310A - 汚泥脱水方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】初沈汚泥と余剰汚泥を混合すると、リンが液中に放出し、悪臭防止のために添加された亜硝酸塩が分解される。また初沈汚泥と余剰汚泥とをそれぞれ別個に脱水するには脱水機を複数必要とし、設備費が嵩む。さらに両汚泥を混合して調質する場合には、沈汚泥と余剰汚泥のそれぞれの汚泥性状に合わせた調質ができない。
【解決手段】最初沈殿工程、生物処理工程、最終沈殿工程および汚泥脱水工程を有する下水処理場の最初沈殿工程から引き抜かれる初沈汚泥と、生物処理工程または最終沈殿工程から引き抜かれる余剰汚泥とを脱水する汚泥脱水方法において、
前記初沈汚泥と余剰汚泥をそれぞれ別々に調質し、汚泥脱水工程の直前で調質された汚泥を混合したのち、汚泥脱水工程で脱水することを特徴とする汚泥脱水方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、下水処理場で発生する汚泥の脱水方法に関するもので、特に初沈汚泥と余剰汚泥とを同時に脱水する汚泥脱水方法に関するものである。
最初沈殿工程、生物処理工程、最終沈殿工程および汚泥脱水工程を有する下水処理場の最初沈殿工程から引き抜かれる初沈汚泥と、生物処理工程または最終沈殿工程から引き抜かれる余剰汚泥とは、余剰汚泥を最初沈殿工程に導入して初沈汚泥と余剰汚泥の混合汚泥として引き抜かれ、重力濃縮槽にて濃縮された後、調質されて、汚泥脱水工程にて脱水されている。最近では初沈汚泥と余剰汚泥は別箇に濃縮する、いわゆる分離濃縮方式を採用する下水処理場が多いが、この場合も、初沈汚泥、余剰汚泥の各濃縮汚泥は、均質化等の理由により、混合・貯留された後、調質されて汚泥脱水工程にて脱水されている。
余剰汚泥を初沈汚泥と混合すると、余剰汚泥中に取り込まれていたリンが液側に放出されてしまうため、両汚泥をそれそれ別個に濃縮し、両濃縮汚泥を混合すると同時に又は混合直後に鉄塩を添加し、かつ消石灰を添加混合して脱水することが提案さてれいる(たとえば、特許文献1参照)。
また、初沈汚泥と余剰汚泥とをそれぞれ別個に脱水することもある(例えば、特許文献2参照)。
特公昭63−45639(特許請求の範囲、第6頁、第1図、第2図) 特開昭61−71899(第2頁、第2図、第1図)
初沈汚泥と余剰汚泥を混合すると、初沈汚泥中の有機物を微生物が摂取するために余剰汚泥に取り込まれていたリンが液中に放出されてしう。また悪臭を発生する初沈汚泥の悪臭防止のために亜硝酸塩を添加することがあるが、その亜硝酸塩が余剰汚泥中の脱窒細菌により分解され悪臭防止効果が低下する問題がある。
前記特許文献1のように、初沈汚泥と余剰汚泥との両汚泥をそれそれ別個に濃縮し、両濃縮汚泥を混合すると同時に又は混合直後に鉄塩を添加し、かつ消石灰を添加混合して脱水する方法では、余剰汚泥からのリン放出は防止できるが、初沈汚泥と余剰汚泥のそれぞれの汚泥性状に合わせた調質ができないため、脱水ケーキの含水率低下が期待できず、含水率を低下させるためには、大量の鉄塩と消石灰が必要となる問題があった。
また、前記特許文献2のように、初沈汚泥と余剰汚泥とをそれぞれ別個に重力濃縮または機械濃縮し、濃縮汚泥を別個に脱水する方法では脱水機を複数必要とし、設備費が嵩む。
本願発明は、初沈汚泥と余剰汚泥とをそれぞれ別個に調質して、混合後に脱水すれば、上記した従来技術の問題点を解決できることを見い出してなされたものである。すなわち、本願発明は、最初沈殿工程、生物処理工程、最終沈殿工程および汚泥脱水工程を有する下水処理場の最初沈殿工程から引き抜かれる初沈汚泥と、生物処理工程または最終沈殿工程から引き抜かれる余剰汚泥とを脱水する汚泥脱水方法において、前記初沈汚泥と余剰汚泥をそれぞれ別々に調質し、汚泥脱水工程の直前で調質された汚泥を混合したのち、汚泥脱水工程で脱水することを特徴とする汚泥脱水方法である。
前記初沈汚泥と余剰汚泥をそれぞれ別々に調質するので、それぞれの汚泥性状に合わせた調質ができため、両汚泥の混合・調質した場合よりも脱水ケーキの含水率を低下できる。
また、初沈汚泥と混合するとリンを放出し易い余剰汚泥の調質汚泥を汚泥脱水工程の直前で初沈汚泥の調質汚泥と混合するので、リンの放出がなく、また脱水機を別個に設ける必要がない。
以下、第1図を参照して実施の形態について説明する。
図1は本発明の基本フローの概略図である。下水1は、図1に示すように、まず、最初沈殿工程2に導入されて懸濁固形物(SS)を沈殿分離し、その上澄液3は生物処理工程4にて溶解している有機物が微生物分解され、次いで最終沈殿工程5にて固液分離され、分離水は処理水6として放流され、分離汚泥の一部は返送汚泥7として生物処理工程4に返送される。
最初沈殿工程2で分離された初沈汚泥8は、濃縮工程Aにて濃縮された後、汚泥貯留工程で貯留された後、調質工程aにて調質剤C1を混合して調質される。
また、最終沈殿工程5で分離された分離汚泥の他の一部は余剰汚泥9として排出され、濃縮工程Bにて濃縮された後、調質工程bにて調質剤C2を混合して調質される。濃縮工程Bと調質工程bは、凝集剤を用いて造粒濃縮槽で同時に行うこともできる。なお、濃縮工程AおよびBの分離水は、生物処理工程4に導入される(図示せず)。
次に、調質工程a、bにて調質された初沈汚泥および余剰汚泥は混合されて汚泥脱水工程10にて脱水され、脱水ケーキ11を得る。汚泥脱水工程10の分離液12は返流水として生物処理工程4に戻される。脱水ケーキ11は、焼却処分または埋立処分される。
生物処理工程は、曝気槽単独からなる好気性処理工程でもよいが、上流側の脱窒槽と下流側の硝化槽からなり、硝化液を脱窒槽に循環する、いわゆる硝化脱窒工程でもよく、また、嫌気槽と脱窒槽と硝化槽とからなる脱リン脱窒工程であってもよい。その際、最終沈殿工程5からの返送汚泥は、曝気槽、脱窒層または嫌気槽に導入される。
初沈汚泥8は濃縮工程Aにおいて濃縮されるが、その濃縮汚泥は汚泥貯留工程A’において嫌気性状態で滞留すると、腐敗して硫化水素等の臭気ガスを発生する。このため濃縮工程Aにおける重力式濃縮槽または濃縮汚泥貯留槽(いずれも図示せず)に、悪臭防止剤として硝酸カルシウム、亜硝酸ナトリウムなどの硝酸塩、亜硝酸塩を添加する。
余剰汚泥9は、濃縮工程Bにて濃縮する。生物処理工程4において嫌気槽を設ける生物脱リン工程を採用した場合は、濃縮工程において嫌気状態で滞留させると、リンを放出するので、濃縮操作のみ濃縮工程Bを省略して、調質工程bにおいて、前述したように凝集剤を用いて造粒濃縮槽で濃縮と調質を同時に行うことが好ましい。
濃縮工程Aを経た初沈汚泥8と、濃縮工程Bを経た、または経ない余剰汚泥9は、それぞれ別々に調質工程aおよび調質工程bにて調質される。
調質工程aにおいて調質剤C1が添加混合され調質されるが、調質剤C1としては、カチオン性高分子凝集剤または両性高分子凝集剤が使用される。カチオン性高分子凝集剤としては、カチオン性のモノマーの単独重合体、カチオン性モノマーとノニオン性モノマーとの共重合体またはノニオン性モノマーの単独重合体のカチオン変性物、例えばマンニッヒ変性物又はホフマン分解物などを挙げることができる。
カチオン性のモノマーとしては、例えばジメチルアミノエチルアクリレート(DAA)、ジメチルアミノエチルメタアクリレート(DAM)、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、及びそれらの四級化物などを挙げることができる。四級化物としては、具体的にはジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド四級化物、ジメチルアミノエチルメタクリレートのベンジルクロライド四級化物、ジメチルアミノエチルメタクリレートのジメチルサルフェート四級化物、などを挙げることができる。また、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DAPAAm)の塩酸塩を用いても良い。
ノニオン性のモノマー成分としては、例えばアクリルアミド(AAm)、メタアクリルアミド、N,N′−ジメチル(メタ)アクリルアミドなどを挙げることができる。
また、これらのモノマーの重合体として、具体的にはDAA単独重合体、DAM単独重合体、DAA/AAm共重合体、DAM/AAm共重合体、DAA/DAM/AAm共重合体、DAPAAm/AAm共重合体、DAA/DAM共重合体、又はAAm単独重合体のマンニッヒ変性物、AAm単独重合体のホフマン分解物等が好適であり、その添加率は初沈汚泥の乾燥固形物の単位重量あたり0.1〜0.5重量%程度とするのが好ましい。
さらに、カチオン性高分子凝集剤として、ビニルアミン単位やアミジン単位を有するポリマーを使用することもできる。
余剰汚泥の調質工程bにおいて調質剤C2が添加混合され調質されるが、調質剤C2としては、カチオン性高分子凝集剤単独、無機凝集剤とカチオン性高分子凝集剤または両性高分子凝集剤が使用されるが、無機凝集剤と両性高分子凝集剤の組み合わせが好ましい。。
無機凝集剤としては、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、ポリ硫酸鉄、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムなどを挙げることができる。
カチオン性高分子凝集剤としては、調質剤C1と同様のカチオン性高分子凝集剤を挙げることができる。
両性高分子凝集剤としては、例えばアニオン性のモノマー及びカチオン性のモノマーの共重合体、アニオン性のモノマー、カチオン性のモノマー及びノニオン性のモノマーの共重合体、或いはアニオン性のモノマーとノニオン性のモノマーの共重合体のカチオン変性物、例えばマンニッヒ変性物又はホフマン分解物などを挙げることができる。
アニオン性のモノマーとしては、例えばアクリル酸(AA)、アクリル酸ナトリウム(NaA)、メタクリル酸、メタクリル酸ナトリウムなどを挙げることができる。
カチオン性のモノマーおよびノニオン性モノマーとしては、調質剤C1におけるカチオン性のモノマーおよびノニオン性のモノマーと同じものを挙げることができる。また、これらの化合物の共重合体として、具体的にはDAA/AA/AAm共重合体、DAM/AA/AAm共重合体、DAA/DAM/AA/AAm共重合体、DAPAAm/AA/AAm共重合体、DAA/AA共重合体、又はNaA/AAm共重合体のマンニッヒ変性物、NaA/AAm共重合のホフマン分解物等が好適であり、その添加率は余剰汚泥の乾燥固形物の単位重量あたり0.2〜1.0重量%程度とするのが好ましい
調質工程aにおいて調質剤C1が添加混合され調質された初沈汚泥と、調質工程bにおいて調質剤C2が添加混合され調質された余剰汚泥とは、汚泥脱水工程10の直前で混合され、その混合汚泥は汚泥脱水工程10における脱水機で脱水され脱水ケーキ11が排出されるとともに、分離液12が排出される。分離液は返流水として生物処理工程4に戻される。
汚泥脱水工程10における脱水機としては、ベルトプレス、スクリュープレス、フィルタープレス、遠心分離機、真空脱水機などいずれタイプのものでも採用できる。なお、濃縮工程Aと調質工程bの同時実施には汚泥に凝集剤を添加してフロックを生成させ、これをロータリースクリーン、傾斜スクリーンなどの機械式濃縮装置で濃縮する方法を採用してもよい。
第1図に示す下水処理フローの生物処理工程4に曝気槽単独からなる好気性処理工程(標準活性汚泥法)が採用されている下水処理場において、初沈汚泥の重力式濃縮槽で濃縮した初沈汚泥の濃縮汚泥と余剰汚泥を採取し、その性状を測定した。汚泥性状を表1に示す。
Figure 2008080310
注)MM:メチルメルカプタンを表わす。振盪法臭気は、汚泥50mLを500ccポリびん中に封入し、2分間振盪後、ガステック製ガス検知管にて測定した。
実施例1
重力濃縮した初沈汚泥(以下、「濃縮初沈」と略記する)に亜硝酸ナトリウム60mg/Lを添加後20時間経過の汚泥を、カチオン系高分子凝集剤Bで凝集調質し、一方、曝気保管した余剰汚泥は塩化第二鉄と両性高分子凝集剤Cで凝集調質後、直ちに重力ろ過濃縮し、この両調質汚泥を混合後、ベルトプレス脱水試験方法により、重力ろ過、脱水を行った。なお、余剰汚泥は脱水試験開始までの時間中でのリン放出を避けるため、搬送時、および保管時も緩やかな曝気を継続した。脱水ケーキは含水率、ケーキ量、およびケーキ臭気を測定した。全汚泥固形物あたりの分離水中の全リン(T−P)率も測定した。脱水ケーキの含水率およびケーキ量は表2に、ケーキ臭気は表3に、また全リン率は表4に示した。なお、後述する比較例1および比較例2の結果も各表に示した。諸条件は以下の通りである。
1)濃縮初沈と余剰汚泥の混合比;
容量比で40:100、汚泥固形物比で65:35
2)調質した余剰汚泥の濃縮倍数;3倍
3)ベルトプレス脱水試験方法
(1)濃縮初沈汚泥200mLと調質濃縮した余剰汚泥167mLを混合。
(2)敷島カンバス製ベルトプレス用ろ布T1189上に65mmΦのろ過筒をセッ トし1分間重力脱水後、同じろ布を上部にセットし吸水用スポンジを介して 0.10Mpaの圧力で1分間脱水する。
4)塩化第二鉄;40度ボーメ品、鉄含有率13.1%
5)カチオン系高分子凝集剤B;DAA(ジメチルアミノアクリレートのメチルクロラ イド四級化物)/AAm(アクリルアミド)の90/10モル共重合品
6)両性高分子凝集剤C;DAA/DAM(ジメチルアミノメタアクリレートのメチル クロライド四級化物)/AA(アクリル酸)/AAmの25/2/32/41モル共 重合品
7)ケーキ臭気発生試験
脱水ケーキ20gを気体不透過性のバック(商品名テトラ-バック)に空気100c cと窒素400ccともに封入し、30℃、1日保管後、バック内の硫化水素およ びメチルメルカプタン(MM)を検知管にて計測する。
比較例1
重力濃縮した初沈汚泥(以下濃縮初沈と記す)と、遠心分離機にて4倍に濃縮した濃縮余剰汚泥を混合し、混合汚泥に亜硝酸ナトリウム100mg/Lを添加し、20時間経過後にカチオン高分子凝集剤Cで凝集調質し、ベルトプレス脱水試験方法により、重力ろ過、脱水を行った。諸条件は以下の通りである。
1)濃縮初沈と余剰汚泥の混合比;実施例1と同様。
2)余剰汚泥の遠心濃縮機による濃縮倍数;4倍。
3)ベルトプレス脱水試験方法
(1)濃縮初沈200mLと調質4倍濃縮した余剰汚泥125mL(濃縮前余剰汚泥 量500mL)を混合。
(2)カチオン系高分子凝集剤B(実施例1に同じ)で凝集し、以下、実施例1と同 様。
4)ケーキ臭気発生試験;実施例1と同様。
比較例2
採取後20時間経過の濃縮初沈と、曝気保管した余剰汚泥を遠心分離機で4倍濃縮した汚泥を混合し、直ちに塩化第二鉄を添加し、次いで消石灰でpH7.0に中和し、さらにカチオン高分子凝集剤Bで凝集調質後、直ちに重力ろ過濃縮し、ベルトプレス脱水試験方法により、重力ろ過、脱水を行った。なお、カチオン性高分子凝集剤Bを併用したのは、ベルトプレス脱水では、高分子凝集剤添加なしではフロックが微細で重力ろ過不能のためである。諸条件は以下の通りである。
1)濃縮初沈と余剰汚泥の混合比;実施例1と同様。
2)余剰汚泥の遠心濃縮機による濃縮倍数;4倍。
3)ベルトプレス脱水試験方法
(1)濃縮初沈200mLと調質4倍濃縮した余剰汚泥125mL(濃縮前余剰汚泥 量500mL)を混合。
(2)塩化第二鉄添加、消石灰中和。
(3)カチオン系高分子凝集剤B(実施例1に同じ)で凝集し、以下、実施例1と同 様。
4)ケーキ臭気発生試験;実施例1と同様。
以上の実施例1、比較例および比較例2の脱水結果、消臭結果および分離水全リン結果をそれぞれ表2、表3および表4に示す。
Figure 2008080310
Figure 2008080310
Figure 2008080310
〔脱水結果について〕
実施例1では、ケーキ含水率72.6%で、濃縮初沈汚泥200mLと余剰汚泥1000mLから発生したケーキ量は29.5gであった。比較例1ではケーキ含水率76.6%、ケーキ量34.4gであり、実施例1による含水率の低減により、ケーキ発生量は14%減少することができた。また、実施例1と比較例1の凝集剤添加率を比べると、実施例1は塩化第二鉄を鉄として0.48%添加するが、高分子凝集剤は濃縮初沈、余剰調質用合計で0.35%と比較例1の高分子凝集剤添加率0.60%に対して42%も削減された。また、比較例2では、含水率75.4%と比較例1よりやや含水率が低下したものの、塩化第二鉄添加による固形分増加もあり、ケーキ量は33.4gで比較例1に対してのケーキ減少率は3%にどどまった。
〔臭気結果について〕
実施例1で調質前の濃縮初沈汚泥は、調質20時間前に添加した亜硝酸ナトリウムが有効に作用し、硫化水素(HS)およびメチルメルカプタン(MM)は未検出であった。一方同時刻に調質した、余剰汚泥の調質前汚泥のHS、MMは未検出であった。
また、脱水ケーキの臭気発生試験では24時間後にHS未検出、MM1ppmで悪臭はほとんど感じられなかった。
すなわち、本発明で濃縮初沈汚泥貯留槽以降、脱水工程、および脱水ケーキ貯留、搬出までの汚泥処理プロセスでの臭気発生を確実に防止することができる。
比較例1では、濃縮初沈と濃縮余剰の混合汚泥に実施例1の1.7倍濃度の100mg/L、総量としては汚泥固形分総量に対して2倍以上の0.6%の亜硝酸ナトリウムを添加したがHS5ppm、MM2ppmと少量ではあるが悪臭発生があった。なお、濃縮初沈と濃縮余剰の混合汚泥に亜硝酸ナトリウムを添加しない時の20時間後の臭気はHS350ppm、MM90ppmであった。脱水ケーキの臭気発生試験では24時間後HS800ppm、MM200ppmで著しい悪臭を発生した。
比較例2では、濃縮初沈汚泥に悪臭防止剤を添加していないため、調質前の濃縮初沈汚泥ではHS450ppm、MM100ppmと著しい悪臭があった。脱水ケーキの臭気発生試験では24時間後HS20ppmと少なくなったが、MMは600ppmで著しい悪臭を発生した。
〔分離水全リン結果について〕
実施例1では、余剰調質分離液のT−P0.6mg、脱水分離液のT−P1.8mgで、この量は処理対象の汚泥全固形分に対する百分率で、0.03%であった。 比較例1では、同様に各13.3mgと35.4mgで、同0.50%であった。比較例2では、塩化第二鉄と消石灰により脱水時分離液のT−Pは0.4mgと少なくなるものの、余剰濃縮分離液13.3mgで、同0.07%であった。
この下水処理場の流入下水に対する汚泥発生原単位は160mg/L(処理する下水1mに対して、汚泥が160g発生)である。
比較例1の場合、汚泥処理の分離水により、160gの0.50%すなわち0.8mg/LのT−Pが、水処理工程の負荷として増加している。実施例1では、汚泥処理分離水によるT−P処理負荷増加は160gの0.03%すなわち0.05mg/Lとなる。すなわち、実施例1では比較例1に対して最大0.75mg/Lの放流処理水のT-P濃度削減ができる。比較例2は、汚泥処理分離水によるT−P負荷増加を抑制するが、実施例1よりは劣る。
以上のとおり本発明によれば、実施例1では、脱水ケーキ含水率改善(ケーキ減容)、汚泥処理工程の悪臭発生防止、汚泥処理分離水T−P削減での放流処理水T−P濃度低減の効果を、少ない薬剤で、脱水機の新設投資などを行わず、効率的に達成することができる。
本発明の基本フローの概略図である。
符号の説明
1 下水
2 最初沈殿工程
3 上澄液
4 生物処理工程
5 最終沈殿工程
6 処理水
7 返送汚泥
8 初沈汚泥
9 余剰汚泥
10 汚泥脱水工程
11 脱水ケーキ
12 分離液
A、B 濃縮工程
A’ 汚泥貯留工程
a、b 調質工程

Claims (1)

  1. 最初沈殿工程、生物処理工程、最終沈殿工程および汚泥脱水工程を有する下水処理場の最初沈殿工程から引き抜かれる初沈汚泥と、生物処理工程または最終沈殿工程から引き抜かれる余剰汚泥とを脱水する汚泥脱水方法において、
    前記初沈汚泥と余剰汚泥をそれぞれ別々に調質し、汚泥脱水工程の直前で調質された汚泥を混合したのち、汚泥脱水工程で脱水することを特徴とする汚泥脱水方法。
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