JP2008078465A - 窒化物半導体発光素子 - Google Patents

窒化物半導体発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】コート膜の物性の変化を抑制することにより信頼性を向上させることができる窒化物半導体発光素子を提供する。
【解決手段】基板と、基板上に順次積層された、第1導電型窒化物半導体層と、発光層と、第2導電型窒化物半導体層と、を含む窒化物半導体積層発光構造体を含み、窒化物半導体積層発光構造体の光出射面上にコート膜が形成されており、コート膜は、ランタンとアルミニウムとの酸化物、ランタンとアルミニウムとの酸窒化物、および、ジルコニウムとケイ素との酸化物からなる群から選択された少なくとも1種を含む、窒化物半導体発光素子である。
【選択図】図2

Description

本発明は、窒化物半導体発光素子に関し、特に、コート膜の物性の変化を抑制することにより信頼性を向上させることができる窒化物半導体発光素子に関する。
半導体発光素子のなかでも半導体レーザ素子はCD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)またはBlue−Ray Diskなどの光学記憶メディアの信号の読み取り用および書き込み用の光源に利用されている。
また、最近では、光学記憶メディアの信号の読み取り用および書き込み用の光源の他にも、蛍光体の励起光源として半導体レーザ素子を用い、照明として用いようとする研究開発も行われている。
このような半導体レーザ素子においては、一般的に、光出射側の共振器端面の劣化を原因とする信頼性不良が知られている。そこで、半導体レーザ素子の信頼性向上、または共振器端面の光反射率を調整する等の目的で、共振器端面にアルミナ(Al23)または酸化シリコン(SiO2)などの誘電体からなるコート膜が形成されている。これらのコート膜は、通常、EB(Electron Beam)蒸着、スパッタまたはCVD(Chemical Vapor Deposition)などの方法で成膜される。
また、半導体レーザ素子の共振器端面の反射率は、半導体レーザ素子の基本特性(発振閾値:Ith、スロープ効率:SE、戻り光雑音等)と強い相関があり、誘電体膜の層厚、誘電体膜自体の屈折率により制御され、共振器端面から出射される光出力に影響を与える。
特開平6−152072号公報
我々は、信頼性の高い窒化物半導体レーザ素子の実現を目指して研究を行なってきた。従来の窒化物半導体レーザ素子を80℃の温度環境下で光出力が210mWの条件でレーザ光をパルス発振(パルス幅50ns、デューティ50%)させてエージング試験を行なった。その結果、窒化物半導体レーザ素子の発振閾値が上昇して光出射側の共振器端面が劣化していくのに対して、図8に示すように、エージング時間の増大に伴ってスロープ効率が徐々に増大し、良化していくことがわかった。
スロープ効率がなぜ増大していくのかということを詳細に調べたところ、光出射側の共振器端面に形成された前面コート膜が結晶化して、屈折率が変化し、光出射側の反射率が低下していることが原因であることがわかった。
これは、従来の窒化物半導体レーザ素子の前面コート膜に用いられているアモルファスのアルミナがγ−Al23に結晶化し、その結晶化によって、前面コート膜の屈折率および体積が変化して、上記のような光出射側の反射率の低下等の変化が起こったものと考えられる。
これまで、ガリウム砒素系の半導体レーザ素子の前面コート膜としてアモルファスのアルミナを用いた場合には200mW程度の高い光出力で動作をさせた場合でも、光出射側の共振器端面における光出射部を被覆するアモルファスのアルミナは結晶化することがなかった。
しかしながら、窒化物半導体レーザ素子の前面コート膜としてアモルファスのアルミナを用いた場合には60mW程度の光出力で動作させた場合でも、出射されるレーザ光のエネルギが高いため、前面コート膜を構成するアモルファスのアルミナが臨界温度を超えて加熱され、結晶化してしまう。これは、光出射側の共振器端面部分の透過型電子顕微鏡(TEM)によるディフラクションパターンの解析から確認された。
図9に、70℃の温度環境下において100mWの光出力で1000時間、CW(Continuous Wave)駆動させることによりエージング試験を行なった後の窒化物半導体レーザ素子の光出射側の共振器端面部分の拡大断面図を示す。図9に示すように、窒化物半導体積層発光構造体401の光出射側の共振器端面上にはアモルファスのアルミナからなる前面コート膜402が形成されている。
この前面コート膜402は、上記のエージング試験前にはその全体がアモルファスのアルミナで構成されていたが、上記のエージング試験後には光出射部を被覆する領域Aの部分だけが結晶化していることがわかった。これは、窒化物半導体積層発光構造体401からレーザ光が出射されることにより、その光出射側の共振器端面の光出射部が高温となり、領域Aが結晶化したものと考えられる。なお、前面コート膜402の領域Aの以外の部分(たとえば、領域Bの部分)はアモルファスのままであった。
このように、前面コート膜の結晶化によって、前面コート膜の物性が変化し、光出射側の反射率の低下等の変化が起こった場合には、窒化物半導体レーザ素子から出射されるレーザ光の特性にも影響が及ぶため、窒化物半導体レーザ素子の信頼性が低下する原因となる。
また、このような前面コート膜の結晶化による信頼性の低下の問題は、窒化物半導体レーザ素子だけでなく、窒化物半導体発光ダイオード素子などの窒化物半導体レーザ素子以外の窒化物半導体発光素子の光出射部にコート膜を形成した場合にも共通の問題であると考えられる。
そこで、本発明の目的は、コート膜の物性の変化を抑制することにより信頼性を向上させることができる窒化物半導体発光素子を提供することにある。
本発明は、基板と、基板上に順次積層された、第1導電型窒化物半導体層と、発光層と、第2導電型窒化物半導体層と、を含む窒化物半導体積層発光構造体を含み、窒化物半導体積層発光構造体の光出射面上にコート膜が形成されており、コート膜は、ランタンとアルミニウムとの酸化物、ランタンとアルミニウムとの酸窒化物、および、ジルコニウムとケイ素との酸化物からなる群から選択された少なくとも1種を含む、窒化物半導体発光素子である。なお、第1導電型窒化物半導体層、発光層および第2導電型窒化物半導体層はそれぞれ、たとえば、アルミニウム、インジウムおよびガリウムからなる群から選択された少なくとも1種と窒素との化合物から構成することができる。また、本発明において、「光出射面」とは、光が出射する表面を意味する。
ここで、本発明の窒化物半導体発光素子において、コート膜は、光出射側の端面に接する第1コート膜と、第1コート膜上に形成された第2コート膜と、を含み、第1コート膜は酸化物、酸窒化物または窒化物を主成分とし、第2コート膜はランタンとアルミニウムとの酸化物、ランタンとアルミニウムとの酸窒化物またはジルコニウムとケイ素との酸化物を主成分とすることもできる。
また、本発明の窒化物半導体発光素子において、第1コート膜がアモルファスである場合には、第1コート膜は50nm以下の厚さに形成されていることが好ましい。
また、本発明の窒化物半導体発光素子において、コート膜は、光出射面における光出射部を少なくとも被覆していることが好ましい。なお、本発明において、「光出射部」とは、光出射面において光が出射する領域を意味する。
また、本発明の窒化物半導体発光素子は窒化物半導体レーザ素子であって、窒化物半導体レーザ素子の光出射側の共振器端面にコート膜が形成されていることが好ましい。
また、本発明の窒化物半導体発光素子は窒化物半導体発光ダイオード素子であって、窒化物半導体発光ダイオード素子の発光面にコート膜が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、コート膜の物性の変化を抑制することにより信頼性を向上させることができる窒化物半導体発光素子を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は同一部分または相当部分を表わすものとする。
(実施の形態1)
図1に、本実施の形態の窒化物半導体レーザ素子に用いられる窒化物半導体積層発光構造体の好ましい一例の模式的な断面図を示す。ここで、窒化物半導体積層発光構造体100は、n型GaNからなる半導体基板101上に、n型GaNからなる厚さ0.2μmのバッファ層102、n型Al0.06Ga0.94Nからなる厚さ2.3μmのn型クラッド層103、n型GaNからなる厚さ0.02μmのn型ガイド層104、レーザ光を発光する発光層として機能する厚さ4nmのInGaNと厚さ8nmのGaNからなる多重量子井戸活性層105、p型Al0.3Ga0.7Nからなる厚さ20nmのp型電流ブロック層106、p型Al0.05Ga0.95Nからなる厚さ0.5μmのp型クラッド層107およびp型GaNからなる厚さ0.1μmのp型コンタクト層108が半導体基板101側からこの順序でエピタキシャル成長により積層された構成を有している。なお、上記の各層の混晶比は適宜調節されるものであり、本発明の本質とは関係がない。また、窒化物半導体積層発光構造体100から出射されるレーザ光の波長は多重量子井戸活性層105を構成する窒化物半導体の混晶比を調整することによって、たとえば370nm〜470nmの範囲で適宜調節することができる。なお、本実施の形態においては、レーザ光の波長は405nmとされた。
また、窒化物半導体積層発光構造体100は、p型クラッド層107およびp型コンタクト層108の一部が除去されて、ストライプ状のリッジストライプ部111が共振器長方向に延伸するように形成されている。ここで、リッジストライプ部111のストライプの幅は、たとえば1.2〜2.4μm程度であり、代表的には1.5μm程度である。
また、p型コンタクト層108の表面にはPd層とMo層とAu層の積層体からなるp電極110が設けられ、p電極110の下部にはリッジストライプ部111の形成箇所を除いてSiO2層とTiO2層の積層体からなる絶縁膜109が設けられている。また、半導体基板101の上記の層の積層側と反対側の表面(裏面)にはHf層とAl層の積層体からなるn電極112が形成されている。
図2に、本発明の窒化物半導体レーザ素子の好ましい一例の共振器長方向の模式的な側面図を示す。ここで、本発明の窒化物半導体レーザ素子1000は、図1に示す構成の窒化物半導体積層発光構造体100と、窒化物半導体積層発光構造体100の光出射面となる光出射側の共振器端面113上に形成された前面コート膜114と、光反射側の共振器端面115上に形成された後面コート膜116と、後面コート膜116上に形成された高反射膜117と、から構成されている。
ここで、前面コート膜114および後面コート膜116は、アモルファスのランタンアルミネートから構成されている。ランタンアルミネートは、LaxAlyz(ただし、x、yおよびzはそれぞれ0よりも大きい実数を示す)の組成式で表わされるランタンとアルミニウムとの酸化物である。なお、上記の組成式において、Laはランタンを示し、Alはアルミニウムを示し、Oは酸素を示す。また、上記の組成式において、xはランタンの組成比を示し、yはアルミニウムの組成比を示し、zは酸素の組成比を示す。また、前面コート膜114と後面コート膜116のランタンアルミネートの組成は同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、高反射膜117は、厚さ71nmの酸化シリコン膜と厚さ46nmの酸化チタン膜とを1ペアとして4ペア積層(酸化シリコン膜から積層開始)した後に最表面に厚さ142nmの酸化シリコン膜が積層されることによって構成されている。
本発明の窒化物半導体レーザ素子1000は、窒化物半導体積層発光構造体100の光出射側の共振器端面113上に形成された前面コート膜114がアモルファスのランタンアルミネートから構成されている点に特徴がある。
本発明者が鋭意検討した結果、アモルファスのアルミナは400℃程度の温度でγ−Al23に結晶化するが、このアモルファスのアルミナにランタンを混ぜたアモルファスのランタンアルミネートを前面コート膜114に用いることによって、前面コート膜114の結晶化の温度を800℃以上の温度にまで上昇することができることが見い出された。
このように前面コート膜114の材質にアモルファスのランタンアルミネートを用いた場合には、アモルファスのアルミナを用いた場合と比べて、前面コート膜114の結晶化の温度を上昇させることができる。これにより、レーザ光の照射による前面コート膜114の結晶化を抑えることができ、前面コート膜114の結晶化による前面コート膜114の物性(たとえば、屈折率または反射率等)の変化を抑制することができる。
したがって、前面コート膜114の材質にアモルファスのランタンアルミネートを用いた本発明の窒化物半導体レーザ素子1000は、前面コート膜114の材質にアモルファスのアルミナを用いた従来の窒化物半導体レーザ素子と比べて、その信頼性が向上することになる。
図2に示す本発明の窒化物半導体レーザ素子1000の製造方法の一例について以下に説明する。まず、図3の模式的断面図に示すように、半導体基板101上に、バッファ層102、n型クラッド層103、n型ガイド層104、多重量子井戸活性層105、p型電流ブロック層106、p型クラッド層107およびp型コンタクト層108をMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法などによって順次エピタキシャル成長させる。
次に、図4の模式的断面図に示すように、p型クラッド層107の一部およびp型コンタクト層108の一部をそれぞれエッチングにより除去してリッジストライプ部111を形成する。続いて、図5の模式的断面図に示すように、p型クラッド層107の除去部分およびp型コンタクト層108の除去部分に絶縁膜109を積層する。
そして、図6の模式的断面図に示すように、p型コンタクト層108の表面上および絶縁膜109の表面上にp電極110を形成するとともに、半導体基板101の裏面にn電極112を形成する。
その後、図6の断面を有するウエハを共振器長方向と直交する方向にバー状に劈開することによって、その劈開面を共振器端面とするレーザバーを作製する。そして、このレーザバーの光出射側の共振器端面上に図2に示す前面コート膜114を形成し、その後、光反射側の共振器端面上に図2に示す後面コート膜116および高反射膜117を順次形成する。
ここで、前面コート膜114は、たとえば、各種スパッタ法、レーザアブレーション法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法またはEB(Electron Beam)蒸着法などにより形成することができる。
また、前面コート膜114を形成する前に成膜装置内においてレーザバーの光出射側の共振器端面をたとえば100℃以上の温度で加熱することによって、その共振器端面に付着している酸化膜や不純物などを除去してクリーニングしてもよい。また、その共振器端面にたとえばアルゴンまたは窒素のプラズマを照射することで共振器端面のクリーニングを行なってもよい。また、その共振器端面を加熱しながらプラズマ照射することも可能である。また、上記のプラズマの照射に関しては、たとえば、アルゴンのプラズマを照射した後に続けて窒素のプラズマを照射することも可能であり、その逆の順番でプラズマを照射してもよい。アルゴンと窒素以外にも、たとえば、ヘリウム、ネオン、キセノンまたはクリプトンなどの希ガスを用いることもできる。
また、光反射側の共振器端面上の後面コート膜116および高反射膜117も前面コート膜114と同様に、たとえば、各種スパッタ法、レーザアブレーション法、CVD法またはEB蒸着法などにより形成することができる。また、これらの膜の形成前にも光反射側の共振器端面の加熱によるクリーニングおよび/またはプラズマ照射によるクリーニングを行なってもよい。なお、光出射部の劣化が問題となるのは光密度の大きい光出射側であり、光反射側は光出射側に比べて光密度が小さいため、劣化が問題とならない場合が多い。したがって、本発明は、少なくとも光出射側に適用されればよい。
以上のようにして、前面コート膜114、後面コート膜116および高反射膜117をそれぞれレーザバーに形成した後、そのレーザバーを複数のチップに分割することによって、図2に示す構成の本発明の窒化物半導体レーザ素子1000を得ることができる。
このようにして得られた図2に示す構成の窒化物半導体レーザ素子1000を80℃の温度環境下で光出力が210mWの条件でレーザ光をパルス発振(パルス幅50ns、デューティ50%)させてエージング試験を行なうと、前面コート膜114にアモルファスのアルミナを用いた従来の窒化物半導体レーザ素子と比べて、エージング時間の増大に伴うスロープ効率の増加率が抑制される。
また、上記においては、前面コート膜114がアモルファスのランタンアルミネートからなる場合について説明したが、前面コート膜114を構成する材質としてアモルファスのランタンアルミネートの代わりに、ランタンアルミネートに窒素が導入されたランタンとアルミニウムとの酸窒化物、またはジルコニウムとケイ素との酸化物を用いた場合にも、ランタンアルミネートを用いた場合と同様の効果を得ることができる。ここで、前面コート膜114に用いられるランタンとアルミニウムとの酸窒化物およびジルコニウムとケイ素との酸化物はそれぞれアモルファスであることは言うまでもない。
また、ランタンとアルミニウムとの酸窒化物は、LasAltuv(ただし、s、t、uおよびvはそれぞれ0よりも大きい実数を示す)の組成式で表わされるランタンとアルミニウムとの酸窒化物である。なお、上記の組成式において、Laはランタンを示し、Alはアルミニウムを示し、Oは酸素を示し、Nは窒素を示す。また、上記の組成式において、sはランタンの組成比を示し、tはアルミニウムの組成比を示し、uは酸素の組成比を示し、vは窒素の組成比を示す。
また、ジルコニウムとケイ素との酸化物は、ZrpSiqr(ただし、p、qおよびrはそれぞれ0よりも大きい実数を示す)の組成式で表わされるジルコニウムとケイ素との酸化物である。なお、上記の組成式において、Zrはジルコニウムを示し、Siはケイ素を示し、Oは酸素を示す。また、上記の組成式において、pはジルコニウムの組成比を示し、qはケイ素の組成比を示し、rは酸素の組成比を示す。
また、上述したような前面コート膜114の結晶化に伴う前面コート膜114の屈折率の変化は、380nm以上460nm以下の波長を有するレーザ光を出射する窒化物半導体レーザ素子についても確認されたことから、本発明は、少なくとも380nm以上460nm以下の範囲の波長を有するレーザ光を出射する窒化物半導体レーザ素子に適用可能であると考えられる。
また、上記においては、前面コート膜114の表面上にさらに他の膜が形成されてもよいことは言うまでもない。
(実施の形態2)
図7に、本発明の窒化物半導体レーザ素子の好ましい他の一例の共振器長方向の模式的な側面図を示す。本発明の窒化物半導体レーザ素子2000は、図1に示す構成の窒化物半導体積層発光構造体100と、窒化物半導体積層発光構造体100の光出射面となる光出射側の共振器端面113に接するようにして形成された前面第1コート膜114aと、前面第1コート膜114a上に形成された前面第2コート膜114bと、光反射側の共振器端面115上に形成された後面コート膜116と、後面コート膜116上に形成された高反射膜117と、から構成されている。
本発明の窒化物半導体レーザ素子2000において、前面第1コート膜114aは、酸化物、酸窒化物または窒化物を主成分とし、前面第2コート膜114bは、アモルファスのランタンとアルミニウムとの酸化物(ランタンアルミネート)、アモルファスのランタンとアルミニウムとの酸窒化物またはアモルファスのジルコニウムとケイ素との酸化物を主成分とすることを特徴としている。
ここで、前面第1コート膜114aに用いられる酸化物としては、たとえば、酸化アルミニウム、酸化シリコン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化イットリウムおよび酸化ニオブからなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。
また、前面第1コート膜114aに用いられる酸窒化物としては、たとえば、酸窒化アルミニウムおよび酸窒化シリコンからなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。
また、前面第1コート膜114aに用いられる窒化物としては、たとえば、窒化アルミニウム、窒化シリコン、窒化チタン、窒化ガリウムおよび窒化アルミニウムガリウムからなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。
図7に示す構成の本発明の窒化物半導体レーザ素子2000においては、光出射側の共振器端面113に接するようにして形成された上記の前面第1コート膜114aによって、光出射側の反射率の制御が可能となり、さらにCODレベル(光出射部がCOD(Catastrophic Optical Damage)するときの光出力値)の向上等の効果を得ることができる。
なお、前面第1コート膜114aは結晶化していてもよく、アモルファスであってもよいが、光出射側の反射率の制御等を目的としてアモルファスの前面第1コート膜114aを形成する場合には、前面第1コート膜114aの厚さT2を50nm以下とすることが好ましい。この場合には、アモルファスの前面第1コート膜114aの結晶化に伴う前面コート膜114の物性の変化を特に少なくすることができる傾向にある。
また、既に結晶化している前面第1コート膜114aを用いた場合には、前面コート膜114の物性の変化をさらに抑えることができる傾向にある。
たとえば、前面第1コート膜114aの材質に酸窒化物(酸窒化アルミニウム)または窒化物(窒化アルミニウム、窒化ガリウムまたは窒化アルミニウムガリウム)を用い、前面第1コート膜114aの厚さT2を20nm以上50nm以下とし、前面第2コート膜114bの材質にアモルファスのランタンアルミネートを用い、前面第2コート膜114bの厚さT1を20nm以上300nm以下とした場合には、高いCODレベルを得ることができるとともに、結晶化に伴う前面コート膜114の物性の変化を特に少なくすることができる。
なお、実施の形態2におけるその他の説明は実施の形態1と同様である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上述したように、アモルファスの前面コート膜の結晶化を抑制することは、窒化物半導体レーザ素子の信頼性の向上につながる。すなわち、上述したアモルファスの前面コート膜の結晶化による前面コート膜の物性の変化以外にも、前面コート膜の発熱により、窒化物半導体へのダメージおよび/または窒化物半導体と前面コート膜との界面に界面反応層が形成されるということも考えられるためである。
なお、前面コート膜の発熱は、アモルファスの前面コート膜が結晶化する際に、アモルファス状態のときに内包していたエネルギと結晶化した後の安定状態で内包しているエネルギとの差を熱として放出することにより生じるものである。
また、上記においては、主に窒化物半導体レーザ素子について議論したが、窒化物半導体発光ダイオード素子の光出射面となる発光面にコート膜を形成する場合にも同様の議論が成り立つと考えられる。したがって、窒化物半導体発光ダイオード素子の発光面にアモルファスのコート膜を形成する場合には、上記の窒化物半導体レーザ素子の場合と同様に、ランタンとアルミニウムとの酸化物(ランタンアルミネート)、ランタンとアルミニウムとの酸窒化物、および、ジルコニウムとケイ素との酸化物からなる群から選択された少なくとも1種を含むコート膜を窒化物半導体発光ダイオード素子の発光面に形成することが好ましい。このようなコート膜は、たとえば照明用等の高出力の窒化物半導体発光ダイオード素子の光出射部を被覆する保護膜として好ましく適用することができる。
本実施の形態の窒化物半導体レーザ素子に用いられる窒化物半導体積層発光構造体の好ましい一例の模式的な断面図である。 本発明の窒化物半導体レーザ素子の好ましい一例の共振器長方向の模式的な側面図である。 図2に示す窒化物半導体レーザ素子を製造する方法の一例の製造工程の一部を図解する模式的な断面図である。 図2に示す窒化物半導体レーザ素子を製造する方法の一例の製造工程の一部を図解する模式的な断面図である。 図2に示す窒化物半導体レーザ素子を製造する方法の一例の製造工程の一部を図解する模式的な断面図である。 図2に示す窒化物半導体レーザ素子を製造する方法の一例の製造工程の一部を図解する模式的な断面図である。 本発明の窒化物半導体レーザ素子の好ましい他の一例の共振器長方向の模式的な側面図である。 80℃の温度環境下で光出力が210mWの条件でレーザ光をパルス発振(パルス幅50ns、デューティ50%)してエージング試験を行なったときの従来の窒化物半導体レーザ素子のエージング時間とスロープ効率との関係を示す図である。 70℃の温度環境下において100mWの光出力で1000時間、CW駆動させることによりエージング試験を行なった後の従来の窒化物半導体レーザ素子の光出射側の共振器端面部分の拡大断面図である。
符号の説明
100,401 窒化物半導体積層発光構造体、101 半導体基板、102 バッファ層、103 n型クラッド層、104 n型ガイド層、105 多重量子井戸活性層、106 p型電流ブロック層、107 p型クラッド層、108 p型コンタクト層、109 絶縁膜、110 p電極、111 リッジストライプ部、112 n電極、113,115 共振器端面、114,402 前面コート膜、114a 前面第1コート膜、114b 前面第2コート膜、116 後面コート膜、117 高反射膜、1000,2000 窒化物半導体レーザ素子。

Claims (6)

  1. 基板と、前記基板上に順次積層された、第1導電型窒化物半導体層と、発光層と、第2導電型窒化物半導体層と、を含む窒化物半導体積層発光構造体を含み、
    前記窒化物半導体積層発光構造体の光出射面上にコート膜が形成されており、
    前記コート膜は、ランタンとアルミニウムとの酸化物、ランタンとアルミニウムとの酸窒化物、および、ジルコニウムとケイ素との酸化物からなる群から選択された少なくとも1種を含む、窒化物半導体発光素子。
  2. 前記コート膜は、前記端面に接する第1コート膜と、前記第1コート膜上に形成された第2コート膜と、を含み、前記第1コート膜は酸化物、酸窒化物または窒化物を主成分とし、前記第2コート膜はランタンとアルミニウムとの酸化物、ランタンとアルミニウムとの酸窒化物またはジルコニウムとケイ素との酸化物を主成分とすることを特徴とする、請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  3. 前記第1コート膜はアモルファスであって、前記第1コート膜は50nm以下の厚さに形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の窒化物半導体発光素子。
  4. 前記コート膜は、前記光出射面における光出射部を少なくとも被覆していることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  5. 前記窒化物半導体発光素子は窒化物半導体レーザ素子であって、前記窒化物半導体レーザ素子の光出射側の共振器端面に前記コート膜が形成されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  6. 前記窒化物半導体発光素子は窒化物半導体発光ダイオード素子であって、前記窒化物半導体発光ダイオード素子の発光面に前記コート膜が形成されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
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