JP2008078355A - 薄膜製造装置及び太陽電池の製造方法 - Google Patents

薄膜製造装置及び太陽電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】整合器での電力の損失をより小さくし、放電電極へ投入される電力をより大きくすることが可能な薄膜製造装置を提供する。
【解決手段】薄膜製造装置は、対向電極5、放電電極3、給電線12、14、整合器13、第1温度センサ、制御部40を具備する。対向電極5は接地されている。放電電極3は表側を対向電極5に対向する。給電線12、14は高周波電源60から供給される高周波電力を放電電極3に供給する。整合器13は給電線12、14の途中に接続され放電電極3のインピーダンスを調整する。第1温度センサは、整合器13に関する温度を計測する。制御部40は、第1温度センサで計測される温度に基づいて、放電電極3に対する給電効率及び整合器13での電力損失の少なくとも一方を算出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、薄膜製造装置及び太陽電池の製造方法に関し、特にプラズマを用いて処理を行う薄膜製造装置及び太陽電池の製造方法に関する。
アモルファスシリコン太陽電池や微結晶シリコン太陽電池、TFT(Thin Film Transistor)などで用いる薄膜を製造する薄膜製造装置では、生産効率の向上等の面から基板の大面積化が進められている。そのような大面積基板(例示:1m×1m以上)での製膜を行う場合、高周波プラズマを用いる方法が有用である。高周波プラズマを用いる場合、単なる平行平板型の製膜装置ではなく、梯子型電極を用いた製膜方法が有効である。そのよう製膜方法の従来技術として、例えば、特開2002−322563号公報がある。放電電極を用いた薄膜製造装置では、放電電極と対向電極との間にガスを供給し、両電極間で当該ガスの高周波プラズマを発生させる。それにより、対向電極にセットされた基板上に所望の膜が形成される。
微結晶シリコン太陽電池を含む多接合型(タンデム型)シリコン太陽電池のコストダウンのためには、発電層である微結晶シリコンi層が数μmとアモルファスシリコンi層の5〜10倍の膜厚と厚いため、微結晶シリコンi層を高速で製膜することが有効である。高速製膜のためには、例えば、製膜時に放電電極に供給する電力を大きくする方法が考えられる。そのような大電力の供給には、高周波電源から放電電極までの伝送路上での給電損失を出来るだけ小さくすることが重要である。
図1は、従来の薄膜製造装置の構成を示す概略側面図である。薄膜製造装置は、製膜室102、放電電極103、対向電極105、防着板104、高周波給電伝送路112、114、整合器113、高周波電源160を具備する。なお、本図において、ガスの供給・排気に関する構成は省略している。放電電極103は、梯子状に設けられた複数の開口部から放電電極103と対向電極105との間に製膜ガスを放出する。そして、高周波電源160が高周波給電伝送路114、整合器113及び高周波給電伝送路112を介して放電電極103に高周波電力を供給することにより、製膜ガスのプラズマが生成される。これにより、対向電極105上の基板108に所望の膜が製膜される(例えば、特許文献1参照)。
一般に、上記伝送路上に設けられる整合器113は、高周波電源160に向う反射電力(反射波)171を最小にするように放電電極3のインピーダンスを調整する。このとき、整合器113は、整合器本体での損失を考慮せずに調整を行っている。すなわち、整合器113における高周波電力の損失の大きさは不明である。したがって、高周波電源160から供給される高周波電力(進行波)170のうち、反射電力(反射波)171と給電ケーブル損失(主に高周波給電伝送路112、114での損失)を除いた電力が、全て放電電極103に供給されているか否かは不明である。整合器での電力の損失量を把握することが可能な技術が望まれる。整合器での電力の損失を最小にし、放電電極へ投入される電力を最大にすることが可能な技術が求められている。そして、給電効率を高め高速製膜を可能とする技術が望まれる。
関連する技術として特開2005−150260号公報にプラズマCVD装置の給電システム及び給電方法が開示されている。このプラズマCVD装置の給電システムは、高周波電源と、高周波電源に接続された電力分配部と、電力分配部に接続された制御部とを備える。電力分配部は、入力部と、複数の出力部と、監視部とを備える。高周波電源は、高周波電力を入力部に供給する。電力分配部は、供給された高周波電力を複数の出力部に分配する。監視部は、高周波電力が複数の出力部に不均一に分配されたことを知らせる第一信号を制御部に出力する。前記電力分配部の有する複数の分配器の各々はバランス抵抗を備えていても良い。その場合、前記監視部は、複数の前記バランス抵抗の温度をそれぞれ監視する複数の温度スイッチを備える。前記複数の温度スイッチの各々は、対応する前記バランス抵抗の温度が所定の値を超えた場合、前記第一信号を前記制御部に出力する。
特開2002−322563号公報 特開2005−150260号公報
本発明の目的は、整合器での電力の損失量を把握することが可能な薄膜製造装置及び太陽電池の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、整合器での電力の損失をより小さくし、放電電極へ投入される電力をより大きくすることが可能な薄膜製造装置及び太陽電池の製造方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、整合器での電力の損失を最小にし、放電電極へ投入される電力をより大きくし、所望の膜をより高速に製膜することが可能な薄膜製造装置及び太陽電池の製造方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、整合器での電力の損失を最小にし、放電電極へ投入される電力をより大きくし、所望の膜をより均一に製膜することが可能な薄膜製造装置及び太陽電池の製造方法を提供することにある。
以下に、発明を実施するための最良の形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明の薄膜製造装置は、対向電極(5)と、放電電極(3)と、給電線(12、14)と、整合器(13)と、第1温度センサ(33〜36)と、制御部(40)とを具備する。対向電極(5)は、接地されている。放電電極(3)は、表側を対向電極(5)に対向する。給電線(12、14)は、高周波電源(60)から供給される高周波電力を放電電極(3)に供給する。整合器(13)は、給電線(12、14)の途中に接続され、放電電極(3)のインピーダンスを調整する。第1温度センサ(33〜36)は、整合器(13)に関する温度を計測する。制御部(40)は、第1温度センサ(33〜36)で計測される温度に基づいて、放電電極(3)に対する給電効率及び整合器(13)での電力損失の少なくとも一方を算出する。
本発明では、第1温度センサ(33〜36)で計測される整合器(13)に関する温度(例示:整合器(13)を冷却する冷却水の温度)の変化により、制御部(40)が整合器(13)で発生する熱エネルギーを算出する。整合器(13)で発生する熱エネルギーは、整合器(13)で消費される高周波電力、すなわち高周波電力の電力損失に相当する。したがって、制御部(40)は、上記温度の変化により、整合器(13)での電力損失を算出することが出来る。ここで、供給される高周波電力(設定値)、及び給電ケーブルによる損失(薄膜製造装置での等価回路から理論計算値)から、放電電極(3)に供給される電極到達電力は、(高周波電力)−(整合器(13)での電力損失)−(給電ケーブルによる損失)で算出できる。したがって、給電効率として、(電極到達電力)/(高周波電力)×100%として算出できる。
すなわち、本発明では、整合器(13)での電力損失を把握することが出来る。それにより、例えば、当該電力損失を低減するように、整合器(13)内や放電電極(3)、給電線等に対して電気素子(例示:インダクタ、コンデンサ)等の付加、削除、転換を行うことが出来る。その結果、整合器(13)について、高周波電源への反射波を低減するだけでなく、その電力損失を低減し、給電効率の低減やコスト削減を図ることが可能となる。
上記の薄膜製造装置において、放電電極(3)に関する温度を計測する第2温度センサ(31、32)を更に具備することが好ましい。制御部(40)は、第1温度センサ(33〜36)及び第2温度センサ(31、32)で計測される温度に基づいて、給電効率を算出することが好ましい。
本発明では、第2温度センサ(31、32)で計測される放電電極(3)に関する温度(例示:放電電極(3)を冷却する熱媒体の温度)の変化により、制御部(40)が放電電極(3)で発生する熱エネルギーを算出する。放電電極(3)で発生する熱エネルギーは、放電電極(3)で消費される高周波電力、すなわち電極到達電力に相当する。したがって、制御部(40)は、上記温度の変化により、実測値として電極到達電力を算出することが出来る。それにより、より正確に給電効率を算出できる。これにより、整合器での電力の損失をより小さくし、放電電極へ投入される電力をより大きくすることができる。
上記の薄膜製造装置において、放電電極(3)は、内部を冷却する第2熱媒体を供給する第2配管(15)を備えることが好ましい。第2温度センサ(31、32)は、第2配管(15)における放電電極(3)の出口近傍での第2熱媒体の温度を計測することが好ましい。
本発明では、第2温度センサ(31、32)で計測される放電電極(3)に関する温度としては、放電電極(3)の内部を冷却する第2熱媒体を用いることが出来る。それにより、電極到達電力を容易に算出することが出来る。それにより、より正確に給電効率を算出できる。これにより、整合器での電力の損失をより小さくし、放電電極へ投入される電力をより大きくすることができる。
上記の薄膜製造装置において、整合器(13)は、内部を冷却する第1冷却水を供給する第1配管(16)を備えることが好ましい。第1温度センサ(33〜36)は、第1配管(16)における整合器(13)の出口近傍での冷却水の温度を計測することが好ましい。
本発明では、第1温度センサ(33〜36)で計測される整合器(13)に関する温度としては、整合器(13)の内部(例示:内部のインダクタ)を冷却する第1冷却水を用いることが出来る。それにより、整合器(13)での損失電力を容易に算出することが出来る。それにより、より正確に給電効率を算出できる。これにより、整合器での電力の損失をより小さくし、放電電極へ投入される電力をより大きくすることができる。
上記の薄膜製造装置において、放電電極(3)の裏側に接続され、放電電極(3)の放電を調整するように設けられた第1放電調整部(6)を更に具備することが好ましい。第1放電調整部(6)は、給電効率が高くなるように、又は電力損失が低くなるように設定されていることが好ましい。
本発明では、整合器(13)での損失電力及び給電効率を算出できるので、それらの値を用いて、少なくとも第1放電調整部(6)を取り付ける前に比較して、給電効率がより高くになるように(より好ましくは、80%以上)、又は電力損失がより低くなるように第1放電調整部(6)を設定することが出来る。それにより、整合器での電力の損失をより小さくし、放電電極へ投入される電力をより大きくすることができる。
上記の薄膜製造装置において、給電線(12、14)における放電電極(3)と整合器(13)との間に並列に接続され、放電電極(3)のインピーダンスを調整する第2放電調整部(50)を更に具備することが好ましい。制御部(40)は、給電効率が高くなるように、又は電力損失が低くなるように第2放電調整部(50)を調整することが好ましい。
本発明により、整合器(13)での損失電力及び給電効率を算出できるので、それらの値を用いて、少なくとも第1放電調整部(6)を取り付ける前に比較して、給電効率がより高くになるように(より好ましくは、80%以上)、又は電力損失が低くなるように第2放電調整部(50)を調整することで、放電電極(3)のインピーダンスを調整することが出来る。それにより、整合器での電力の損失をより小さくし、放電電極へ投入される電力をより大きくすることができる。
上記の薄膜製造装置において、放電電極(3)は、複数ある。整合器(13)は、複数の放電電極の各々に対応して複数設けられていることが好ましい。制御部(40)は、複数の放電電極(3)の各々に対する給電効率が互いに等しくなるように、又は複数の整合器(13)の各々での電力損失が互いに等しくなるように第2放電調整部(50)を調整することが好ましい。
本発明では、複数の放電電極(3)の各々に対する給電効率が互いに等しくなるように、又は複数の整合器(13)の各々での電力損失が互いに等しくなるように第2放電調整部(50)を調整するので、大面積基板に製膜するとき、複数の放電電極(3)を用いる場合でも、各放電電極(3)での放電状況を等しくすることが出来る。それにより、大面積基板上により均一な膜を製膜することが出来る。
上記の薄膜製造装置において、給電線(12)は、放電電極(3)の一端側に第1電力を供給する第1給電線(12a)と、放電電極(3)の他端側に第2電力を供給する第2給電線(12b)とを備えることが好ましい。第1給電線(12a)と第2給電線(12b)とを電気的に接続するループ伝送路(7)をさらに具備することが好ましい。
本発明では、ループ伝送路(7)を有しているので、放電電極(3)の両端からの反射波をループ伝送路(7)へ導き、相殺することが出来る。それにより、整合器(13)に対する反射波を低減することができる。
本発明は、薄膜製造装置を用いた太陽電池の製造方法である。ここで、薄膜製造装置は、接地された対向電極(5)と、表側を対向電極(5)に対向する放電電極(3)と、高周波電源(60)から供給される高周波電力を放電電極(3)に供給する給電線(12、14)と、給電線(12、14)の途中に接続され、放電電極(3)のインピーダンスを調整する整合器(13)と、整合器(13)に関する温度を計測する第1温度センサ(33〜36)と、放電電極(3)に関する温度を計測する第2温度センサ(31、32)と、第1温度センサ(33〜35)及び第2温度センサ(31、32)で計測される温度に基づいて放電電極(3)に対する給電効率及び整合器(13)での電力損失の少なくとも一方を算出する制御部(40)とを具備する。太陽電池の製造方法は、(a)対向電極に基板を保持する工程と、(b)製膜用のガスを導入する工程と、(c)給電線を介して放電電極に高周波電力を供給して、基板上に太陽電池用の薄膜を形成する工程と、(d)第1温度センサ(33〜36)及び第2温度センサ(31、32)で計測される温度に基づいて、給電効率及び電力損失の少なくとも一方を算出する工程とを具備する。
上記の太陽電池の製造方法において、放電電極(3)は、複数ある。整合器(13)は、複数の放電電極の各々に対応して複数設けられていることが好ましい。(d)ステップは、(d1)複数の放電電極(3)の各々に対する給電効率が互いに等しくなるように、又は複数の整合器(13)の各々での電力損失が互いに等しくなるように第2放電調整部(50)を制御部(40)で調整する工程を備えることが好ましい。
本発明により、整合器での電力の損失量を把握し、整合器での電力の損失をより小さくし、放電電極へ投入される電力をより大きくすることが可能となる。そして、膜厚分布や膜質分布の発生を抑制することが可能となる。
以下、本発明の薄膜製造装置及び太陽電池の製造方法の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の薄膜製造装置の第1の実施の形態の構成について説明する。図2は、本発明の薄膜製造装置の実施の形態の構成を示す概略側面図である。薄膜製造装置1は、製膜室2、放電電極3、防着板4、対向電極5、アースバー6、ループ伝送路7、高周波給電伝送路12、14、整合器13、制御装置40、スタブ50、高周波電源60を具備する。図中に矢印でXYZ方向を示す。なお、本図において、ガス供給・排気に関する構成は省略している。
製膜室2は、真空容器であり、その内部で基板8に膜が製膜される。接地用配線により接地されている。対向電極5は、基板8を保持可能な保持手段(図示されず)を有する金属製の板である。対向電極5は、製膜時、放電電極3に対向する電極(例示:接地側)となる。製膜室2を介して接地されている。
放電電極3は、梯子状の電極である。複数の梯子電極を有していても良い。放電電極3は、一方の端部の給電点53aに高周波給電伝送路12aが、他方の端部の給電点53bに高周波給電伝送路12bがそれぞれ接続されている。製膜又はクリーニング時、高周波給電伝送路12aと給電点53a、及び、高周波給電伝送路12bと給電点53bを介して、高周波電力を供給される。
また、放電電極3は、その裏側の給電点53a近傍及び給電点53b近傍にそれぞれガス供給管(図示されず、後述)が接続されている。製膜又はクリーニング時、ガス供給管を介して、ガス(製膜の場合には原料ガス、クリーニングの場合にはクリーニングガス)を供給される。供給されたガスは放電電極中のガス流路を経由して、梯子状に設けられた複数の開口孔から対向電極5へ向って放出される。
このように、放電電極3に高周波電力及びガスが供給されることにより、対向電極2(例示:接地側)とそれに対向する電極(例示:高周波電力投入側)としての放電電極3との間にプラズマ(プラズマ領域)が発生する。このプラズマにより、製膜時には基板8に膜が製膜され、クリーニング時には製膜室2内がクリーニングされる。
防着板4は、接地されている。それにより、プラズマの広がる範囲を抑えて、膜が製膜される範囲を制限する。図2の場合、製膜室2における防着板4の後ろ側(基板8と反対の側)の内壁に膜が製膜されないようにしている。
アースバー6は、放電電極3の裏側に接続され、放電電極3の放電を調整し、より均一化するように設けられている。アースバー6は、接地部材6aと、複数の接続部材6bとを備える。接地部材6aは、放電電極3の裏側の面に略平行に設けられた、略棒状の導電体である。両端を防着板4に接続され、防着板4を介して接地されている。接続部材6bは、放電電極3と接地部材6aとの間に接続された、略棒状の導電体である。放電電極3と接地部材6aとに略垂直、かつ互いに並列に接続されている。これら複数の接続部材6bは、それぞれ放電電極3に対して等間隔に配置されているが、本発明はその例に限定されるものではない。接地部材6a及び接続部材6bは、放電に磁気的な影響を与えず、クリーニングガスに対して耐食性を有する必要があることから、非磁性の耐食性金属であることが好ましい。例えば、SUS304やSUS316製の棒である。
アースバー6は、放電電極3に対する高周波電力の給電効率が高くなるように、又は整合器13における電力損失が低くなるように設定されている。すなわち、アースバー6の接続部材6bは、その給電効率が高くなるような、又はその電力損失が低くなるような放電電極3の裏側の位置、数、長さ及び材質で接続されている。接続部材6bを放電電極3の裏側の適切な位置に、適切な数、長さ及び材質で接続、配置することにより、放電電極3の放電状態を調整し、プラズマ領域をより均一化できる。また、放電電極3に高周波電力が印加されているとき、放電電極3における電圧定在波分布を制御することができる。これにより、放電電極3に大電力の高周波電力を入射しようとする場合でも、放電電極3の給電点53における高周波電力の反射を抑制し、高周波電力の跳ね返りによる高周波電源60の故障を未然に防止できる。また、これにより、生成されるプラズマ密度を均一化させるために変動させていた高周波電力の電圧位相変動幅(後述)を小さくすることが出来る。そして、電極における高周波電力の電圧位相制御が容易になる。そして、大面積基板に対しても、その製膜速度を向上させることが出来る他、生成された膜厚の均一化が実現できる。
ここで、給電効率が高くなる、又は電力損失が低くなるというのは、少なくともアースバー6を有しない場合と比較して、給電効率が高くなる、又は、電力損失が低くなるということである。特に、高周波電力の給電効率が高いとは、少なくともアースバー6を取り付ける前に比較して、給電効率がより高くになる状態であることが好ましい。より好ましくは、80%以上である。薄膜製造装置1では、初期コスト・ランニングコストの両観点から電力効率(給電効率)は重要なファクタとなる。図9は、高周波電源60の電源容量と発生可能なプラズマ電力との関係を示すグラフである。縦軸は高周波電源60の発生可能なプラズマ電力、横軸は高周波電源60の装置の電源容量である。丸印は100の電力効率、四角印は90%の電力効率、三角印は80%の電力効率をそれぞれ示す。ただし、プラズマ電力と電源容量は、所定の値で規格化されている。ここで、太陽電池用の薄膜として、必要な製膜速度を得るのに必要なプラズマ電力は4〜5(規格値)である。ここで、電源容量はステップ状に大きくなるので、4〜5(規格値)の範囲については、給電効率80〜100%の範囲では電源容量は最低の4でよく(破線A部)、給電効率に関係なくイニシャルコストは変わらない。すなわち、80%以上の電力効率により、コストを低減することができる。
高周波電源60(高周波給電伝送路14aに接続する方を高周波電源60a、高周波給電伝送路14bに接続する方を高周波電源60b)は、高周波給電伝送路14、整合器13及び高周波給電伝送路12を介して、放電電極3へ高周波電力を供給する。高周波電源12a及び12bの出力する高周波電力うち、一方の周波数及び位相を一定とし、他方の位相を変調させる。これにより、給電点53aと53bとの間に発生する定在波を、給電点53aと53bとの間で振動させて、基板8上に製膜される膜の均一性を向上させる。この動作及び効果の詳細は、特開2002−322563号公報のとおりである。
整合器13(高周波給電伝送路14aに接続する方を整合器13a、高周波給電伝送路14bに接続する方を整合器13b)は、出力側のインピーダンスを整合(調整)する。そして、高周波電源60から高周波給電伝送路14を介して高周波電力を供給され、高周波給電伝送路12(整合器13aに接続する方を高周波給電伝送路12a、整合器13bに接続する方を高周波給電伝送路12b)を介して放電電極3へ送電する。
高周波給電伝送路12(給電点53aに接続する方を高周波給電伝送路12a、給電点53bに接続する方を高周波給電伝送路12b)は、外部から製膜室2内に伸び、一方を放電電極3に、他方を整合器13に、それぞれ電気的に接続されている。整合器13から供給される高周波電力を放電電極3へ供給する。その外側を製膜室2の壁面との間でOリング等を用いて真空シールをする。
ループ伝送路7は、製膜室2の外において、高周波給電伝送路12a上の接続点Aと高周波給電伝送路12b上の接続点Bとを接続している。接続点Aと接続点Bの位置は、それぞれ高周波給電伝送路12a及び高周波給電伝送路12b上の任意位置で良い。ループ伝送路7は、高周波電源60から出力される高周波電力の波長の整数倍の長さを有する。ただし、ループ伝送路7と接続点A及び接続点Bとの間に、それぞれインダクタンス成分としてのインダクタ9(接続点A側はインダクタ9a、接続点B側はインダクタ9b)を接続していても良い。図2はその例を示している。更に、インダクタ9の替わり、又はインダクタ9と直列/並列にキャパシタンス成分としてのコンデンサ(図示されず)を接続していても良い。
放電電極3の給電点53a及び53bで反射される高周波電力のみを引き込むように、当該ループ伝送路7に備えられるインダクタ9a、9bのインダクタンスの容量、あるいはコンデンサのキャパシタンスの容量を設定する。これにより構成される閉ループ経路(ループ伝送路7−インダクタ9a−高周波給電伝送路12a−放電電極3−高周波給電伝送路12b−インダクタ9b−ループ伝送路7)により、放電電極3で反射された高周波電力のみを、高周波電源60に戻さずに当該ループ伝送路7に導入させることが出来る。そして、接続点A及びBのそれぞれから導入されてきた反射電力同士を、ループ伝送路7において相殺させて反射電力を最小化することが出来る。これにより、放電電極3におけるプラズマ発生効率(放電電極3に対する給電効率)を向上させ、基板8上における製膜速度を向上させると共に、高周波電源60の故障を未然に防止することができる。加えて、整合器13に戻る反射波が低減されるので、整合器13での給電損失を低減することができる。
スタブ50(高周波給電伝送路12a上はスタブ50a、高周波給電伝送路12b上はスタブ50b)は、高周波給電伝送路12上の任意位置に、高周波給電伝送路12と並列に接続されている。スタブ50には、インダクタ、可変コンデンサ、任意のインピーダンスを形成することができるインダクタと可変コンデンサと同軸ケーブルの組み合わせ等が適用される。スタブ50の伝送線路に接続されていない端部は接地される。
スタブ50のインピーダンスの値及び位置は、制御装置40(後述)により制御される。例えば、スタブ50が、可変コンデンサの場合(図2)、そのキャパシタンスの容量が制御装置40により適宜変更される。
スタブ50の接続位置、接続するスタブ50のインダクタのインダクタンスの容量又はコンデンサのキャパシタンスの容量を最適化することにより、放電電極3における高周波電力の電圧位相変調特性を調整し、プラズマ密度が均一となる電圧位相変調角度の最小化、および放電電極3端部における反射電力の最小化を実現することが出来る。加えて、放電電極3のインピーダンスを調整できるので、整合器13へ戻る反射波が低減され、整合器13での損失を低減することができる。
制御装置40は、整合器13に関する温度(後述)、及び整合器13に関する温度(後述)と放電電極3に関する温度(後述)の少なくとも一方に基づいて、放電電極3に対する給電効率及び整合器13での電力損失の少なくとも一方を算出する(後述)。そして、制御装置40は、その給電効率が高くなるように、又はその電力損失が低くなるようにスタブ50を調整する。
図3は、本発明の薄膜製造装置の実施の形態の構成の一部を示す部分斜視図である。図中に矢印でXYZ方向を示す。本実施の形態では8個の梯子状電極としての放電電極3−1〜3−8を備える。ただし、梯子状電極の数は、この数に限定されるものではなく、高周波を均一に給電してプラズマを均一化できることと、製作が容易であることから適切な数を選定できる。また放電電極3を1個の梯子状電極で構成しても良い。
放電電極3−1〜3−8の各々は、互いに略平行にX方向へ伸びる二本の横電極3Aと、二本の横電極3Aの間に設けられ、互いに略平行にY方向(X方向へ垂直)へ伸びる複数の縦電極3Bとを備える。横電極3Aと縦電極3B内部にはガスが流通可能な流路(図示されず)が設けられている。縦電極3Bの表面には行列状に並んだ複数の開口孔(図示されず)が設けられている。そして、ガス供給管16から供給されて流路を流れてきたガスは、その開口孔から図中の矢印に示す方向、すなわち基板8(対向電極5)の方向へ放出される。
放電電極3−1〜3−8の各々に対して、整合器13a、高周波給電伝送路14a、高周波給電伝送路12a、熱媒体供給管15a及び原料ガス配管16aが給電点53a側にそれぞれ設けられている。一方、整合器13b、高周波給電伝送路14b、高周波給電伝送路12b、熱媒体供給管15b及び原料ガス配管16bが給電点53b側にそれぞれ設けられている。アースバー6は、放電電極3の裏側に、放電電極3と略平行に伸び、接続部材(図示されず)で放電電極3に接続されている。ただし、図3では、放電電極3aに関する構成についてのみ示している。
薄膜製造装置1は、図2に加えて、更に、図3に示すように熱媒体供給管15及び原料ガス配管16を具備している。
熱媒体供給管15(例示:熱媒体供給管15b)は、熱媒体供給装置(後述)から冷却用の熱媒体(以下、「熱媒体」という)を供給され、整合器13(例示:整合器13b)及び高周波給電伝送路12(例示:高周波給電伝送路12b)を介して放電電極3(例示:給電点53b側)へ供給する。その後、熱媒体供給管15(例示:熱媒体供給管15a)は、放電電極3(給電点53a側)から高周波給電伝送路12(例示:高周波給電伝送路12a)及び整合器13(例示:整合器13a)を介して熱媒体を受け取り、制御装置40へ送出する。この場合、下側の整合器13bから上側の整合器13aへ向って熱媒体を流すことが好ましい。滞留箇所や未到達の箇所が発生することなく、熱媒体を放電電極3内に行き渡らせることができる。
熱媒体供給管15から熱媒体を放電電極3へ流すことにより、放電電極3が放電により発熱したとき、その熱を奪い、放電電極3を所望の温度に保つことが出来る。また、そのとき奪う熱エネルギーの大きさから、放電電極3における電極到達電力の大きさを見積もることが出来る。
ガス供給管16(給電点53a側がガス供給管16a、給電点53b側がガス供給管16b)は、製膜又はクリーニング時、ガス供給装置(図示されず)からガス(製膜の場合には原料ガス、クリーニングの場合にはクリーニングガス)を供給される。そして、そのガスを放電電極3へ送出する。そのガスは、放電電極3のガス流路を経由して、放電電極3に設けられた複数の開口孔から対向電極5へ向って放出される。
図4は、本発明の薄膜製造装置の実施の形態における整合器と高周波給電伝送路と放電電極との関係を示す図である。この図では、放電電極3の一方の給電点53付近を示しているが、他方の給電点53付近も同様である。
整合器13は、熱媒体供給部17と、整合部18とを備える。熱媒体供給部17(例示:整合器13b内)は、熱媒体供給管15(例示:熱媒体供給管15b)から熱媒体を供給される。供給された熱媒体を高周波給電伝送路12(例示:高周波給電伝送路12b)の熱媒体供給管20を介して、放電電極3(熱媒体流通管25)へ供給する。熱媒体流通管25は、放電電極3の横電極3A及び縦電極3B内で、ガス流路と概ね平行に設けられている。また、熱媒体供給部17(例示:整合器13a)は、放電電極3(熱媒体流通管25)から高周波給電伝送路12(例示:高周波給電伝送路12a)の熱媒体供給管20を介して熱媒体を受け取る。受け取った熱媒体を熱媒体供給管15(例示:熱媒体供給管15a)へ送出する。熱媒体が放電電極3の横電極3A及び縦電極3B内の流路を通過することにより、放電電極3の放電により発生する熱を奪い、放電電極3を所望の温度に保つことが出来る。また、そのとき奪う熱エネルギーの大きさから、放電電極3における電極到達電力の大きさを見積もることが出来る。
整合部18は、制御装置40の制御に基づいて、高周波電源12側への反射波を出来るだけ小さくするように出力側(放電電極3側)のインピーダンスを調整する。それと共に、高周波給電伝送路14を介して電力を供給され、高周波給電伝送路12を介して放電電極3へ電力を供給する。放電電極3は、供給された電力により対向電極2との間Pにプラズマを形成する。整合部18は、可変コンデンサ26、27、インダクタ28を備える。
可変コンデンサ26は、高周波給電伝送路14側に、高周波給電伝送路に対して並列に接続されている。可変コンデンサ27は、高周波給電伝送路12側に、高周波給電伝送路に対して直列に接続されている。可変コンデンサ26、27は、制御装置40からの指令により、そのキャパシタンスの容量を変更する。
インダクタ28は、高周波給電伝送路14と可変コンデンサ27との間に、高周波給電伝送路に対して直列に接続されている。インダクタ28は、例えば、らせん状に形成された導体(例示:銅)製のパイプである。当該パイプは、冷却水供給管19(整合器13aに接続される方を冷却水供給管19a、整合器13bに接続される方を冷却水供給管19b)に接続されている。インダクタ28を冷却するための冷却水が内部を流通する。それにより、インダクタ28は、制御装置40からの指令により、高周波給電伝送路の接続位置を変えることで、そのインダクタンスの容量を変更する。冷却水がインダクタ28内の流路を通過することにより、インダクタ28の発熱による熱を奪い、インダクタ28を所望の温度に保つことが出来る。また、そのとき奪う熱エネルギーの大きさから、整合器13における給電損失の大きさを見積もることが出来る。
ここで、可変コンデンサ26、27は、インダクタ28の近傍に設けられているので、発熱があっても、その熱は熱勾配により冷却されたインダクタ28へ流入する。したがって、インダクタ28での発熱による熱エネルギーを見積もることで、概ね整合器13での給電損失とすることが出来る。
なお、ここではインダクタ28のみを冷却しているが、本発明がこれに限定されるものではなく、可変コンデンサ26、27を水冷するようにしても良い。
高周波給電伝送路12は、外部導体23と、絶縁体22と、内部導体21と、熱媒体供給管20とを備える。外部導体23は、フレキシブルでない硬い導体(例示:銅)製の円筒である。絶縁体22は、外部導体23の内周面から離れて、外部導体23の内部に設けられた絶縁体(例示:アルミナ)製の円筒である。内部導体21は、絶縁体22の内周面から離れて、絶縁体22の内部に設けられた金属(例示:銅)製の円筒である。熱媒体供給管20は、内部導体21の内部に設けらた金属(例示:ステンレス)製の円筒である。熱媒体供給管20=内部導体21でも良い。線形は例えば30mmφである。
この高周波給電伝送路12は、外部導体23が硬い管状の導体であるため、ケーブルの形がほとんど変形することが無く概ね一体である。そのため、特性インピーダンスのような電気的特性を一定に保つことができる。それにより、適切な特性を有する高周波給電伝送路12を用いれば、高周波電力の給電を安定的に行うことが可能となる。
図5は、本発明の薄膜製造装置における放電電極の温度の安定化に関わる構成を示す図である。薄膜製造装置は、放電電極の温度の安定化に関わる構成として、放電電極3及び制御装置40に加えて、更に、温度センサ30、31、32、を備える。
放電電極3は、既述のように内部に熱媒体を流通する熱媒体流通管25を備えている。
温度センサ30は、放電電極3の温度を計測する。例えば、放電電極3−1における中心部付近の1箇所である。これにより、放電電極3上の温度を計測することが出来る。
温度センサ31、32は、放電電極3近傍における放電電極3用の熱媒体の温度を計測する。例えば、温度センサ31は、整合器13b中、又は放電電極3−1の給電点53b直前での放電電極3用の熱媒体の温度を計測する。一方、温度センサ32は、整合器13a中、又は給電点53a直後での熱媒体の温度を計測する。すなわち、熱媒体供給管15、20、熱媒体供給部17のいずれかにおいて熱媒体の温度を計測する。温度センサ31、32で計測された温度差に基づいて、熱媒体が放電電極3−1の熱媒体流通管25を流れる間に上昇した温度を計測することが出来る。なお、熱媒体流通管25に供給される熱媒体の温度が予め設定されている場合には、入口側(整合器13b側)の温度センサ31は無くても良い。
他の放電電極3(3−2〜3−8)も同様である。ただし、放電電極3−1〜3−8の各々における更に多くの箇所を計測するように温度センサを増やしても良い。温度センサ30〜32は、例えば熱電対である。温度の計測結果は、制御装置40の行う制御に用いられる。
制御装置40は、処理部41と、温度調節部42と、送液ポンプ43とを備える。
送液ポンプ43は、処理部41の制御に基づいて、内部に有するポンプ機能(図示されず)を用いて、熱媒体が所定の流量で流れるように熱媒体供給管15bに熱媒体を吐出する。それにより、熱媒体は、熱媒体供給管15b、整合器13bの熱媒体供給部17、高周波給電伝送路12bの熱媒体供給管20、放電電極3の熱媒体流通管25、高周波給電伝送路12aの熱媒体供給管20、整合器13aの熱媒体供給部17、熱媒体供給管15a、及び温度調節部42の経路を循環する。
温度調節部42は、処理部41の制御に基づいて、内部に有する冷却装置(図示されず)を用いて、熱媒体供給管15aから供給される熱媒体を所定の温度に降温する。そして、熱媒体供給管15bへ送出する。
処理部41は、温度センサ30の計測温度と設定温度(既知)との温度差に基づいて、温度センサ30の温度が所望の温度になるように、温度調節部42において熱媒体の温度を制御し、及び送液ポンプ43において熱媒体の流量を制御する。制御方法は、例えば、計測温度と設定値との差に基づくPID制御である。熱媒体は、ガルテンに例示される。
本発明では放電電極の温度を安定化する機構を有しているので、放電電極3の温度上昇を抑制でき、その温度を安定化することができる。それにより、基板8の温度上昇、基板8の面内温度分布を最小化することができる。従って、面内温度分布に伴う基板8の反り等の発生がなくなる。そして、反りの回復に必要な待ち時間がなくなり、生産性を向上することが可能となる。また、放電電極3の温度安定化は、膜の性能面からも有効である。このような膜を用いた太陽電池では、電池性能を向上することができる。
処理部41は、更に、温度センサ31の計測温度又は温度調節部42から送出される熱媒体の温度(既知)と、温度センサ32の計測温度との差に基づいて、熱媒体が放電電極3−1の熱媒体流通管25を流れる間に上昇した温度を計測することが出来る。その温度(温度差)と、熱媒体の流量(既知)と、熱媒体の比熱(既知)とにより、放電電極3において放電で消費された熱エネルギーを見積もることが出来る。加えて、温度センサ31の計測温度と、製膜圧力でのガスの比熱(既知)と、ガスの流量(既知)とにより、放電電極3においてガスの加熱で使用された熱エネルギー(ガスの顕熱)を見積もることが出来る。以上から、放電で消費された熱エネルギーとガスの加熱で使用された熱エネルギー(ガスの顕熱)とにより、放電電極3において消費された熱エネルギーを算出することが出来る。
上記のように算出された熱エネルギーは、高周波電源60から出力された高周波電力のうち、放電電極3に到達した高周波電力が変換されたものと考えることが出来る。したがって、放電電極3に到達した高周波電力としての電極到達電力は、上記放電で消費された熱エネルギーとガスの加熱で使用された熱エネルギー(ガスの顕熱)との和として算出することが出来る。
図6は、本発明の薄膜製造装置における整合器での給電損失の計測に関わる構成を示す図である。薄膜製造装置は、整合器での給電損失の計測に関わる構成として、整合器13及び制御装置40に加えて、温度センサ33〜36、を備える。
整合器13は、既述のように内部に冷却水を流通するインダクタ28を備える。
温度センサ33〜36は、整合器13又はその近傍におけるインダクタ28用の冷却水の温度を計測する。例えば、温度センサ33、35は、整合器13の直前、又は整合器13中のインダクタ28の直前でのインダクタ28用の冷却水温度を計測する。一方、温度センサ34、36は、インダクタ28の直後、又は、整合器13の直後でのインダクタ28用の冷却水温度を計測する。すなわち、冷却水供給管19において冷却水の温度を計測する。温度センサ33、34で計測された温度差により、冷却水が整合器13bのインダクタ28を流れる間に上昇した温度を計測することが出来る。同様に、温度センサ35、36で計測された温度差により、冷却水が整合器13aのインダクタ28を流れる間に上昇した温度を計測することが出来る。なお、インダクタ28に供給される冷却水の温度が予め設定されている場合には、入口側(インダクタ28の直前近傍)の温度センサ33、35は無くても良い。
これは、放電電極3−1〜3−8について共通である。ただし、放電電極3−1〜3−8の各々における更に多くの箇所を計測するように温度センサを増やしても良い。温度センサ33〜36は、例えば熱電対である。温度の計測結果は、制御装置40の行う制御に用いられる。
制御装置40は、更に、温度調節部44と、送液ポンプ45とを備える。
送液ポンプ45(冷却水供給管19aに接続される方は送液ポンプ45a、冷却水供給管19bに接続される方は送液ポンプ45b)は、処理部41の制御に基づいて、内部に有するポンプ機能(図示されず)を用いて、冷却水が所定の流量で流れるように冷却水供給管19に冷却水を送出する。それにより、冷却水は、冷却水供給管19(19a、19b)、整合器13(13a、13b)のインダクタ28、及び温度調節部44(44a、44b)の経路を循環する。
温度調節部44(冷却水供給管19aに接続される方は温度調節部44a、冷却水供給管19bに接続される方は温度調節部44b)は、処理部41の制御に基づいて、内部に有する冷却装置(図示されず)を用いて、冷却水供給管19から供給される冷却水を所定の温度に降温する。そして、冷却水供給管19へ送出する。
処理部41は、温度センサ34、36の計測温度と設定温度(既知)との温度差に基づいて、温度センサ34、36の温度が所望の温度以下になるように、温度調節部44において冷却水の温度を制御し、及び送液ポンプ45において冷却水の流量を制御する。制御方法は、例えば、計測温度と設定値との差に基づくPID制御である。冷却水は、他の冷却用の熱媒体であっても良い。
処理部41は、温度センサ33の計測温度又は温度調節部44bから送出される冷却水の温度(既知)と、温度センサ34の計測温度との差に基づいて、冷却水が整合器13bのインダクタ28を流れる間に上昇した温度を計測することが出来る。その温度(温度差)と、冷却水の流量(既知)と、冷却水の比熱(既知)とにより、整合器13bにおいて消費された熱エネルギーを見積もることが出来る。同様に、温度センサ35の計測温度又は温度調節部44aから送出される冷却水の温度(既知)と、温度センサ36の計測温度との差に基づいて、冷却水が整合器13aのインダクタ28を流れる間に上昇した温度を計測することが出来る。その温度と、冷却水の流量(既知)と、冷却水の比熱(既知)とにより、整合器13aにおいて消費された熱エネルギーを見積もることが出来る。以上から、整合器13aでの熱エネルギーと整合器13bで熱エネルギーとにより、両整合器13において消費された熱エネルギーを算出することが出来る。
上記のように算出された熱エネルギーは、高周波電源60から出力された高周波電力のうち、両整合器13を通過するとき高周波電力が変換されたものと考えることが出来る。したがって、整合器13で消費された高周波電力としての整合器損失は、上記両整合器13において消費された熱エネルギーとして算出することが出来る。
このように、本発明の薄膜製造装置では、図5及び図6に記載された構成を用いることで、高周波電源60a及び高周波電源60bから出力された高周波電力のうち、放電電極3に到達した高周波電力としての電極到達電力、及び整合器13a、13bで消費された高周波電力としての整合器損失を算出することが出来る。なお、整合器損失は、整合器13a、13bのそれぞれについて算出することも可能である。
処理部41は、更に、上記結果に基づいて、放電電極3に対する給電効率及び整合器13での整合器損失の少なくとも一方を算出する。ここで、例えば、(放電電極3に対する給電効率)=(電極到達電力)/(高周波電源60a、60bの供給する高周波電力)×100%である。整合器13での整合器損失は、上述の通りである。
そして、処理部41は、その給電効率が高くなるように50b、50aを調整する信号を出力する。又は整合器13bでの整合器損失が低くなるようにスタブ50bを調整する信号を出力し、整合器13aでの整合器損失が低くなるようにスタブ50aを調整する信号を出力する。
処理部41は、そのとき、同時に、放電電極3−1〜3−8の全てにおいて整合器13aの整合損失が概ね等しくなるよう、且つ、放電電極3−1〜3−8の全てにおいて整合器13bでの整合器損失が概ね等しくなるように、放電電極3−1〜3−8の各々においてスタブ50a、50bのインピーダンスを調整する。これにより、大面積基板に対する製膜において、給電効率を高めながら、膜厚分布をより均一にすることが出来る。
図7は、高周波電源60からプラズマ70までの電力消費に関わる構成を示す概念図である。高周波電力を供給する機器は、高周波電源60(60a、60b)である。一方、高周波電力を消費する機器は、各給電ケーブル、整合器13(13a、13b)及び放電電極3である。
給電ケーブルとしては、高周波給電伝送路12(12a、12b)、高周波給電伝送路14(14a、14b)、ループ伝送路7、インダクタ(コンデンサ)9(9a、9b)、スタブ50(50a、50b)、アースバー6(6a、6b)が挙げられる。高周波電力の供給時に、その一部がこれら給電ケーブル上で反射波やジュール熱等の形で失われる。この損失分を、以下、給電ケーブル損失ともいう。その給電ケーブル損失は、図2の構成の電気回路に対して従来知られた理論計算に基づいて算出することが出来る。
整合器13は、高周波電力の供給時に、既述のように高周波電源60への反射波をできるだけ小さくするように放電電極3側のインピーダンスを調整する。そのとき、高周波電力の一部が可変コンデンサ26、27及びインダクタ28上でジュール熱等の形で失われる。その熱は、主にインダクタ28を加熱する。したがって、インダクタ28を流れる冷却水の温度変化に基づいてその熱の大きさを見積もることが出来る。すなわち、冷却水の温度変化(温度センサ33〜36)、流量(送液ポンプ45での流量)及び比熱(冷却水で特定)に基づいて、インダクタ28で発生した(冷却水で奪った)熱エネルギーを算出することが出来る。これが、上述の整合器損失である。
放電電極3は、供給された高周波電力により対向電極5との間にプラズマ70を形成する。この高周波電力は、放電電極3の加熱及びプラズマの加熱に使用される。したがって、放電電極3の加熱分は、放電電極3を流れる熱媒体の温度変化に基づいてその熱の大きさを見積もることが出来る。すなわち、熱媒体の温度変化(温度センサ31、32)、流量(送液ポンプ43での流量)及び比熱(熱媒体で特定)に基づいて、その熱エネルギーを算出することが出来る。また、プラズマの加熱分については、ガスの種類、流量及び圧力に基づいて、ガスの顕熱として理論的に計算できる。これが上述の電極到達電力である。
図8は、高周波電源60からプラズマ70までの電力消費の実測値を示している。ここでは、高周波電源60の出力を100%とし、それを損失又は消費する事項として、整合器損失(冷却水吸熱量)、給電ケーブル損失(反射電力等)及び電極到達電力(プラズマによる消費)を示している。
ここで例示する実験例1〜実験例6は、放電電極3のインピーダンス、及びインダクタ28のインダクタンスの容量を変化させたときの電力損失・消費の割合を示している。ただし、整合器損失、給電ケーブル損失及び電極到達電力の値は、高周波電源の出力値(kW)で規格化している。また、整合器損失は、インダクタ28を流れる冷却水の温度変化に基づいて上記の方法で算出したものである。電極到達電力は、放電電極3を流れる熱媒体の温度変化及び放電電極3の温度に基づいて上記の方法で算出したものである。給電ケーブル損失は、図2の電気回路から理論計算により算出したものである。
これらの実験例では、アースバー6の接続部材6bの特性(位置、数、長さ及び材質)や位置を変更して放電電極3での放電に変化を与えること、及び、インダクタ28のターン数を変更してインダクタ28のインダクタンスの容量に変化を与えることで、条件を変更している。なお、スタブ50aは接続点A、スタブ50bは接続点Bにそれぞれ接続され、その値は最適に値に制御されている。
実験例1及び実験例2は、インダクタ28のインダクタンスの容量は同じであるが、アースバー6の接続部材6bの特性を変化させた場合である。放電電極3での放電の状況が変化に対応して、給電ケーブル損失には大きな変化はないが、整合器損失及び電極到達電力に大きな変化が見られる。これは、整合器13内のインダクタ28に流れる電流が変化し、インダクタ28の抵抗成分によって生じるジュール損失(R×I)が変化したためと考えられる。この場合、電極到達電力は3割程度の差が見られ、明らかに実験例1のアースバー6の特性が好ましいことが分かる。
実験例3及び実験例4は、アースバー6の接続部材6bの特性は同じであるが、インダクタ28のインダクタンスの容量を変化させた場合である。整合器13の特性の変化に対応して、給電ケーブル損失には大きな変化はないが、整合器損失及び電極到達電力に大きな変化が見られる。これは、整合器13内のインダクタ28に流れる電流Iが変化し、インダクタ28の抵抗成分によって生じるジュール損失(R×I)が変化したためと考えられる。この場合、電極到達電力は5割程度の差が見られ、明らかに実験例3のインダクタ28のインダクタンスの容量が好ましいことが分かる。
なお、インダクタ28以外の部分にインダクタ、コンデンサ、抵抗等を挿入して給電効率が低減できるように調整することもできる。
また、高周波電力の出力値と、上記方法で算出された整合器損失、給電ケーブル損失及び電極到達電力の合計(いずれも、高周波電源の出力値(kW)で規格化された値)とは、概ね一致していることが分かる。
このように、本発明の薄膜製造装置は、整合器13及び放電電極3において高周波電力を消費(損失を含む)する割合を把握することが可能となる。これにより、整合器13の特性やアースバー6、スタブ50などの各電気回路素子の特性を決定するとき、従来考慮されていなかった整合器13での整合器損失を考慮して行うことが出来る。それにより、整合器13で整合器損失として無駄に消費される可能性があった高周波電力をより有効に放電電極3へ供給することが可能となる。したがって、給電効率を向上させ、所望の膜を高速に製膜することが可能となる。
次に、図2〜図7を参照して、本発明の太陽電池の製造方法の実施の形態について説明する。ここでは、上記に示した薄膜製造装置1を用いて、シリコン系薄膜の太陽電池を製造する場合を説明する。
ただし、シリコン系とは、シリコン(Si)やシリコンカーバイド(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む。ここでは、シリコン系薄膜として、微結晶シリコン又はアモルファスシリコンを例とする。
(1)ガラスのような透光性の基板20を薄膜製造装置1へ導入し、対向電極5にセットする。基板8は、例えば、1.4m×1.1m、板厚4mmのソーダフロートガラスである。基板8の表面には酸化錫膜を主成分とする透明導電膜を約500nmから800nmの膜厚となるよう熱CVD装置にて約500℃で形成されている。多接合型(タンデム型)太陽電池において微結晶シリコン層をボトム電池層として製膜する際は、基板8には透明導電膜とアモルファスシリコン太陽電池層(p層、i層、n層)が形成されている。その後、製膜室2を所定の真空度(例示:10−6Pa)にする。対向電極5の温度は、例えば200℃で一定となるように基板加熱装置(図示されず)で温度制御されている。基板20−放電電極3間距離は、2mmから15mmが例示され、例えば、5mmである。
(2)製膜用のガスを、ガス供給管16、放電電極3内部の流路(図示されず)及び開口孔(図示されず)を介して放電電極3と基板8との間に供給する。微結晶シリコン薄膜又はアモルファスシリコン薄膜を形成する場合、ガスは、例えば、H+SiH(SiH分圧:2〜20%)である。ただし、p層やn層を形成する場合には、更にドーパントを加えたガスとする。製膜圧力の範囲は、例えば、微結晶シリコン薄膜を形成する場合、800〜1800Paであり、アモルファスシリコン薄膜を形成する場合、200〜600Paである。
(3)アースバー6やインダクタ9は、予め理論的、実験的、経験的に適切な構成に設定されている。例えば、図8の実験例3の場合の構成である。これにより、後述のスタブ50で調整において、調整すべき範囲が限定されるので、より適切な制御が出来る。
高周波電源60は、高周波給電伝送路14、整合器13、高周波給電伝送路12及び給電点53を介して放電電極3へ所定の高周波電力を供給する。これにより、放電電極3と対向電極5との間にガスのプラズマが発生し、基板8上にシリコン薄膜が製膜される。このとき、整合器13a、13bは、それぞれ高周波電源60a、60bへの反射波が最小となるように、その出力側のインピーダンスが制御装置40により適宜調整(整合)される。例えば、可変コンデンサ16、27のキャパシタンスの容量を変更する。
製膜時に、制御装置40は、温度センサ30の計測温度に基づいて、放電電極3を所望の温度になるように熱媒体の温度及び流量を制御する。また、温度センサ34、36の計測温度に基づいて、整合器13のインダクタ28が所望の温度以下になるように冷却水の温度及び流量を制御する。更に、温度センサ30〜32の計測温度に基づいて、放電電極3における電極到達電力を算出する。加えて、温度センサ33〜36の計測温度に基づいて、整合器13における整合器損失を算出する。更に、算出された電極到達電力及び整合器損失と、理論計算で求まる給電ケーブル損失とから、給電効率を求めても良い。ただし、(給電効率)=(電極到達電力)/(電極到達電力+整合器損失(13a、13b)+給電ケーブル損失)×100%である。
制御装置40は、給電効率が最大、又は整合器損失(13a、13b)が最小になるように、スタブ50a、50bのインピーダンスを調整する。例えば、スタブ50a、50bのコンデンサのキャパシタンスの容量を変更する。このとき、同時に、同時に、放電電極3−1〜3−8の全てにおいて整合器13aの整合損失が概ね等しくなるよう、且つ、放電電極3−1〜3−8の全てにおいて整合器13bでの整合器損失が概ね等しくなるように、放電電極3−1〜3−8の各々においてスタブ50a、50bのインピーダンスを調整する。これにより、大面積基板に対する製膜において、給電効率を高めながら、膜厚分布をより均一にすることが出来る。
微結晶シリコン薄膜を形成する場合、高周波電力、基板温度及び膜厚は、例えば、1W/cm、200℃及び1.5μmから3μmである。アモルファスシリコン薄膜を形成する場合、高周波電力、基板温度及び膜厚は、例えば、0.2W/cm、200℃及び約300nmである。
(4)p層シリコン薄膜、i層シリコン薄膜、及びn層シリコン薄膜のそれぞれについて、上記の(1)から(3)を繰り返す。
(5)その後、n層上に銀やアルミニウムによる裏面導電膜をスパッタリング装置で形成して、太陽電池が製造される。
なお、p層シリコン薄膜、i層シリコン薄膜、及びn層シリコン薄膜をそれぞれ異なる製膜室2で形成しても良い。更には異なる薄膜製造装置で形成しても良い。また、必要に応じて各層の間に他の薄膜を形成しても良い。そのような他の膜や透明導電膜、裏面導電膜については、本発明の薄膜製造装置用いなくても良い。また、特に記載していないが、太陽電池として直列集積構造するために、途中工程にYAGレーザーなどを用いた膜のエッチング工程を実施する。
上記の太陽電池の製造方法では、アモルファスシリコン太陽電池、又は微結晶シリコン太陽電池を一つ製造する例を示している。しかし、本発明がこの例に限定されるものではなく、アモルファスシリコン太陽電池と微結晶シリコン太陽電池とを各1層〜複数層に積層させた多接合型太陽電池のような他の種類の薄膜太陽電池にも同様に適用可能である。
従来は、整合器13での整合器損失を知る手段が無かったため、高周波電源の反射電力が最小となるように整合器13での調整を行うのみであり、成り行きの給電効率になっていた。そのため、高周波電力の給電回路(高周波給電伝送路12、14、整合器13、ループ伝送路7等)や電極(放電電極3、アースバー6等)の変更(改良)に伴って給電効率が変化していたが、それを確認出来なかった。しかし、本発明では、整合器損失及び電極到達電力を把握することが出来るので、給電回路や電極を改良するとき、給電効率の良し悪しを正確に判定することが出来る。
また、本発明において、例えば、スタブ50のスタブ容量を調整することで整合器損失を調整し、損失低減分の電力を負荷側(プラズマ)へ給電できる。これにより、効率的な高速製膜を達成することが出来る。そして、初期コストを低減する(高周波電源60の電源容量を小さくする)ことが出来ると共に、ランニングコスト(電力)を低減する(電力量を抑制する)ことも可能となる。すなわち、給電効率の良い、低コスト製膜が可能な薄膜製造装置を得ることが出来る。
図1は、従来の薄膜製造装置の構成を示す概略側面図である。 図2は、本発明の薄膜製造装置の実施の形態の構成を示す概略側面図である。 図3は、本発明の薄膜製造装置の実施の形態の構成の一部を示す部分斜視図である。 図4は、本発明の薄膜製造装置の実施の形態における整合器と高周波給電伝送路と放電電極との関係を示す図である。 図5は、本発明の薄膜製造装置における放電電極の温度の安定化に関わる構成を示す図である。 図6は、本発明の薄膜製造装置における整合器での給電損失の計測に関わる構成を示す図である。 図7は、高周波電源からプラズマまでの電力消費に関わる構成を示す概念図である。 図8は、高周波電源からプラズマまでの電力消費の実測値を示している。 図9は、高周波電源60の電源容量と発生可能なプラズマ電力との関係を示すグラフである。
符号の説明
1、101 薄膜製造装置
2、102 製膜室
3(3a〜3h)、103 放電電極
4、104 防着板
5、105 対向電極
6 アースバー
6a 接地部材
6b 接続部材
7 ループ伝送路
8、108 基板
12(a、b)、14(a、b)、112(a、b)、114(a、b) 高周波給電伝送路
13(a、b)、113(a、b) 整合器
15(a、b) 熱媒体供給管
16(a、b) ガス供給管
17 熱媒体供給部
18 整合部
19 冷却水供給管
20 熱媒体供給管
21 内部導体
22 絶縁体
23 外部導体
26、27 可変コンデンサ
28 インダクタ
30、31、32、33、34、35、36 温度センサ
40 制御装置
41 処理部
42 温度調節部
43 送液ポンプ
44(a、b) 温度調節部
45(a、b) 送液ポンプ
50 スタブ
53(a、b) 給電点
60(a、b)、160(a、b) 高周波電源
70 プラズマ領域

Claims (10)

  1. 接地された対向電極と、
    表側を前記対向電極に対向する放電電極と、
    高周波電源から供給される高周波電力を前記放電電極に供給する給電線と、
    前記給電線の途中に接続され、前記放電電極のインピーダンスを調整する整合器と、
    前記整合器に関する温度を計測する第1温度センサと、
    前記第1温度センサで計測される温度に基づいて、前記放電電極に対する給電効率及び前記整合器での電力損失の少なくとも一方を算出する制御部と
    を具備する
    薄膜製造装置。
  2. 請求項1に記載の薄膜製造装置において、
    前記放電電極に関する温度を計測する第2温度センサを更に具備し、
    前記制御部は、前記第1温度センサ及び前記第2温度センサで計測される温度に基づいて、前記給電効率を算出する
    薄膜製造装置。
  3. 請求項2に記載の薄膜製造装置において、
    前記放電電極は、内部を冷却する第2熱媒体を供給する第2配管を備え、
    前記第2温度センサは、前記第2配管における前記放電電極の出口近傍での前記第2熱媒体の温度を計測する
    薄膜製造装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の薄膜製造装置において、
    前記整合器は、内部を冷却する第1冷却水を供給する第1配管を備え、
    前記第1温度センサは、前記第1配管における前記整合器の出口近傍での前記冷却水の温度を計測する
    薄膜製造装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の薄膜製造装置において、
    前記放電電極の裏側に接続され、前記放電電極の放電を調整するように設けられた第1放電調整部を更に具備し、
    前記第1放電調整部は、前記給電効率が高くなるように、又は前記電力損失が低くなるように設定されている
    薄膜製造装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の薄膜製造装置において、
    前記給電線における前記放電電極と前記整合器との間に並列に接続され、前記放電電極のインピーダンスを調整する第2放電調整部を更に具備し、
    前記制御部は、前記給電効率が高くなるように、又は前記電力損失が低くなるように前記第2放電調整部を調整する
    薄膜製造装置。
  7. 請求項6に記載の薄膜製造装置において、
    前記放電電極は、複数あり、
    前記整合器は、前記複数の放電電極の各々に対応して複数設けられ、
    前記制御部は、前記複数の放電電極の各々に対する給電効率が互いに等しくなるように、又は前記複数の整合器の各々での電力損失が互いに等しくなるように前記第2放電調整部を調整する
    薄膜製造装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の薄膜製造装置において、
    前記給電線は、
    前記放電電極の一端側に第1電力を供給する第1給電線と、
    前記放電電極の他端側に第2電力を供給する第2給電線と
    を備え、
    前記第1給電線と前記第2給電線とを電気的に接続するループ伝送路をさらに具備する
    薄膜製造装置。
  9. 薄膜製造装置を用いた太陽電池の製造方法であって、
    ここで、前記薄膜製造装置は、
    接地された対向電極と、
    表側を前記対向電極に対向する放電電極と、
    高周波電源から供給される高周波電力を前記放電電極に供給する給電線と、
    前記給電線の途中に接続され、前記放電電極のインピーダンスを調整する整合器と、
    前記整合器に関する温度を計測する第1温度センサと、
    前記放電電極に関する温度を計測する第2温度センサと、
    前記第1温度センサ及び前記第2温度センサで計測される温度に基づいて、前記放電電極に対する給電効率及び前記整合器での電力損失の少なくとも一方を算出する制御部と
    を具備し、
    前記太陽電池の製造方法は、
    (a)前記対向電極に基板を保持する工程と、
    (b)製膜用の前記ガスを導入する工程と、
    (c)前記給電線を介して前記放電電極に前記高周波電力を供給して、前記基板上に太陽電池用の薄膜を形成する工程と、
    (d)前記第1温度センサ及び前記第2温度センサで計測される温度に基づいて、前記給電効率及び前記電力損失の少なくとも一方を算出する工程と
    を具備する
    太陽電池の製造方法。
  10. 請求項9に記載の太陽電池の製造方法において、
    前記放電電極は、複数あり、
    前記整合器は、前記複数の放電電極の各々に対応して複数設けられ、
    前記(d)ステップは、
    (d1)前記複数の放電電極の各々に対する給電効率が互いに等しくなるように、又は前記複数の整合器の各々での電力損失が互いに等しくなるように前記第2放電調整部を前記制御部で調整する工程を備える
    太陽電池の製造方法。
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