JP2008076551A - 電子線硬化のレジスト下層膜形成組成物 - Google Patents
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Abstract
半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいて用いられるレジスト下層膜形成組成物を提供する。
【解決手段】 半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいてフォトレジストの下層に使用される下層膜を電子線照射によって硬化する組成物であって、重合性物質を含むレジスト下層膜形成組成物。前記重合性物質が電子線照射により重合可能な反応性基を少なくとも一つ有する化合物である。電子線照射による重合可能な反応性基が、炭素と炭素の不飽和多重結合を有する反応性基である。炭素と炭素の不飽和多重結合を有する反応性基が、アクリレート基、メタクリレート基、又はビニルエーテル基である。
【選択図】 図1
Description
第2観点として、前記重合性物質が電子線照射により重合可能な反応性基を少なくとも一つ有する化合物である第1観点に記載のレジスト下層膜形成組成物、
第3観点として、電子線照射による重合可能な反応性基が、炭素と炭素の不飽和多重結合を有する反応性基である第2観点に記載のレジスト下層膜形成組成物、
第4観点として、炭素と炭素の不飽和多重結合を有する反応性基が、アクリレート基、メタクリレート基、又はビニルエーテル基である第3観点に記載のレジスト下層膜形成組成物、
第5観点として、前記重合性物質が、分子内に1個乃至4個のアクリレート基、メタクリレート基、又はビニルエーテル基を有する化合物である第1観点に記載のレジスト下層膜形成組成物、
第6観点として、前記重合性物質が、分子内に1個乃至4個のアクリレート基、又はメタクリレート基を有するポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂である第1観点に記載のレジスト下層膜形成組成物、
第7観点として、第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布してレジスト下層膜を形成する工程、及び上記レジスト下層膜に電子線照射することによってレジスト下層膜を硬化する工程を含む半導体装置の製造方法、
第8観点として、第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布してレジスト下層膜を形成する工程、及び上記レジスト下層膜に電子線照射することによってレジスト下層膜を硬化する工程、上記レジスト下層膜上にフォトレジスト組成物を塗布し加熱することによってフォトレジスト層を形成する工程、及び上記レジスト下層膜及びフォトレジスト層で被覆された半導体基板を露光する工程、露光後にフォトレジストを現像しレジストパターンを得る工程、レジストパターンによりレジスト下層膜をエッチングする工程、及びパターン化されたレジスト下層膜により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法、
第9観点として、第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布してレジスト下層膜を形成する工程、及び上記レジスト下層膜に電子線照射することによってレジスト下層膜を硬化する工程、その上にハードマスクを形成する工程、更にその上にレジスト膜を形成する工程、露光と現像によりレジストパターンを形成する工程、レジストパターンによりハードマスクをエッチングする工程、パターン化されたハードマスクによりレジスト下層膜をエッチングする工程、及びパターン化されたレジスト下層膜により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法、
第10観点として、上記半導体基板が高さ/直径で示されるアスペクト比が1以上のホールを有する半導体基板である第7観点乃至第9観点のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法、及び
第11観点として、上記電子線照射が、吸収線量として1〜300kGyの範囲で行われる第7観点乃至第10観点のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法である。
また、高温での加熱を必要としないので、低分子量の成分をレジスト下層膜形成組成物に使用しても昇華等の懸念がなく、比較的多量の低分子量の成分をレジスト下層膜形成組成物に使用することができる。そのため、比較的低粘度のレジスト下層膜形成組成物を用いてレジスト下層膜を形成することができる。そして、ホールの充填性や半導体基板の平坦化性に優れたレジスト下層膜を形成することができる。
式(1)中のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、1−メチル−シクロプロピル、2−メチル−シクロプロピル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、1,2−ジメチル−n−プロピル、2,2−ジメチル−n−プロピル、1−エチル−n−プロピル、シクロペンチル、1−メチル−シクロブチル、2−メチル−シクロブチル、3−メチル−シクロブチル、1,2−ジメチル−シクロプロピル、2,3−ジメチル−シクロプロピル、1−エチル−シクロプロピル、2−エチル−シクロプロピル、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル、2−メチル−n−ペンチル、3−メチル−n−ペンチル、4−メチル−n−ペンチル、1,1−ジメチル−n−ブチル、1,2−ジメチル−n−ブチル、1,3−ジメチル−n−ブチル、2,2−ジメチル−n−ブチル、2,3−ジメチル−n−ブチル、3,3−ジメチル−n−ブチル、1−エチル−n−ブチル、2−エチル−n−ブチル、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、1,2,2−トリメチル−n−プロピル、1−エチル−1−メチル−n−プロピル、1−エチル−2−メチル−n−プロピル、シクロヘキシル、1−メチル−シクロペンチル、2−メチル−シクロペンチル、3−メチル−シクロペンチル、1−エチル−シクロブチル、2−エチル−シクロブチル、3−エチル−シクロブチル、1,2−ジメチル−シクロブチル、1,3−ジメチル−シクロブチル、2,2−ジメチル−シクロブチル、2,3−ジメチル−シクロブチル、2,4−ジメチル−シクロブチル、3,3−ジメチル−シクロブチル、1−n−プロピル−シクロプロピル、2−n−プロピル−シクロプロピル、1−i−プロピル−シクロプロピル、2−i−プロピル−シクロプロピル、1,2,2−トリメチル−シクロプロピル、1,2,3−トリメチル−シクロプロピル、2,2,3−トリメチル−シクロプロピル、1−エチル−2−メチル−シクロプロピル、2−エチル−1−メチル−シクロプロピル、2−エチル−2−メチル−シクロプロピル及び2−エチル−3−メチル−シクロプロピル等が挙げられる。これらのアルキル基はハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、アクリレート基、メタクリレート基等で置換されていても良い。
重合性物質として分子内に1個乃至4個のビニルエーテル基を有する化合物(化合物2)としては例えば以下の化合物が例示される。ビニル−2−クロロエチルエーテル、ビニル−ノルマルブチルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、ビス(4−(ビニロキシメチル)シクロヘキシルメチル)グルタレート、トリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、アジピン酸ジビニルエステル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリス(4−ビニロキシ)ブチルトリメリレート、ビス(4−(ビニロキシ)ブチル)テレフタレート、ビス(4−(ビニロキシ)ブチルイソフタレート、エチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、テトラメチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル及びシクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等を挙げることができる。
R2はイソシアネート基であり、式(5):
上記乾燥工程は、例えば、ホットプレート上、基板を50〜100℃で0.1〜10分間加熱することによって行うことができる。また、例えば、室温(20℃程度)で風乾することで行うことができる。
プロピレングリコールモノメチルエーテル40gに、ベンジルアクリレート2.5g、ヒドロキシプロピルアクリレート7.5gを溶解させ、反応液中に窒素を30分流した後、70℃に昇温した。反応溶液を70℃に保ちながらアゾビスイソブチロニトリル0.3gを添加し、窒素雰囲気下、70℃で24時間撹拌することにより、ベンジルアクリレートとヒドロキシプロピルアクリレートのコポリマー溶液を得た。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、重量平均分子量は9800であった。
カラムは、ガードカラムとして、Shodex Asahipak GF1G7Bを使用し、Shodex Asahipak GF710HQ、GF510HQ,及びGF310HQを用い、カラム温度を40℃に設定した。
プロピレングリコールモノメチルエーテル11.39gにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート11.39gを混合し、電子線による重合性物質としてウレタンアクリレート系化合物(三菱レイヨン(株)製)2.0g、電子線による重合性物質としてポリエステルアクリレート系化合物(三菱レイヨン(株)製)2.0g、及び界面活性剤(大日本インキ化学工業(株)製、商品名メガファックR30)0.020gを加え15質量%溶液とした。そして、孔径0.2μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
プロピレングリコールモノメチルエーテル11.39gにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート11.39gを混合し、電子線による重合性物質としてウレタンアクリレート系化合物(三菱レイヨン(株)製)2.0g、電子線による重合性物質としてジペンタエリスリトール ペンタ−/ヘキサ−アクリレート (シグマアルドリッチジャパン(株)製、分子量524.51)2.0g、及び界面活性剤(大日本インキ化学工業(株)製、商品名メガファックR30)0.020gを加え15質量%溶液とした。そして、孔径0.2μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、下層膜形成組成物の溶液を調製した。
上記電子線による重合性物質のウレタンアクリレートは式(7)と同じものを使用した。
ジペンタエリスリトール ペンタ−/ヘキサ−アクリレートは、式(9)と式(10):
プロピレングリコールモノメチルエーテル12.23gにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート12.23gを混合し、電子線による重合性物質としてポリエステルアクリレート系化合物(三菱レイヨン(株)製)2.0g、電子線による重合性物質としてジペンタエリスリトール ペンタ−/ヘキサ−アクリレート (シグマアルドリッチジャパン(株)製、分子量524.51)2.0g、及び合成例1で得たベンジルアクリレートとヒドロキシプロピルアクリレートのコポリマー溶液2.0g、界面活性剤(大日本インキ化学工業(株)製、商品名メガファックR30)0.020gを加え15質量%溶液とした。そして、孔径0.2μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、下層膜形成組成物の溶液を調製した。
プロピレングリコールモノメチルエーテル12.23gにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート12.23gを混合し、電子線による重合性物質としてペンタエリスリトール テトラアクリレート(三菱レイヨン(株)製)2.0g、電子線による重合性物質としてポリエステルアクリレート系化合物(三菱レイヨン(株)製)2.0g、及び合成例1で得たベンジルアクリレートとヒドロキシプロピルアクリレートのコポリマー溶液2.0g、界面活性剤(大日本インキ化学工業(株)製、商品名メガファックR30)0.020gを加え15質量%溶液とした。そして、孔径0.2μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、下層膜形成組成物の溶液を調製した。
電子線による重合性物質のペンタエリスリトールテトラアクリレートは式[2−11]で示され、電子線による重合性物質のポリエステルアクリレート系化合物は式(8)で示されるものであった。
プロピレングリコールモノメチルエーテル12.23gにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート12.23gを混合し、電子線による重合性物質としてペンタエリスリトールエトキシレーテッドテトラアクリレート(三菱レイヨン(株)製)2.0g、電子線による重合性物質としてウレタンアクリレート系化合物(三菱レイヨン(株)製)2.0g、及び合成例1で得たベンジルアクリレートとヒドロキシプロピルアクリレートのコポリマー溶液2.0g、界面活性剤(大日本インキ化学工業(株)製、商品名メガファックR30)0.020gを加え15質量%溶液とした。そして、孔径0.2μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、下層膜形成組成物の溶液を調製した。
電子線による重合性物質としてペンタエリスリトールエトキシレーテッドテトラアクリレートは式[2−12]で示され、電子線による重合性物質としてウレタンアクリレート系化合物は式(7)で示されるものであった。
プロピレングリコールモノメチルエーテル12.23gにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート12.23gを混合し、電子線による重合性物質としてペンタエリスリトールプロポキシレートトリアクリレート (シグマアルドリッチジャパン(株)製、数平均分子量530)2.0g、電子線による重合性物質としてジペンタエリスリトール ペンタ−/ヘキサ−アクリレート (シグマアルドリッチジャパン(株)製、分子量524.51)2.0g、及び合成例1で得たベンジルアクリレートとヒドロキシプロピルアクリレートのコポリマー溶液2.0g、界面活性剤(大日本インキ化学工業(株)製、商品名メガファックR30)0.020gを加え15質量%溶液とした。そして、孔径0.2μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、下層膜形成組成物の溶液を調製した。
比較例1
乳酸エチル120gに、2−ヒドロキシエチルアクリレート30gを溶解させ、反応液中に窒素を30分流した後、70℃に昇温した。反応溶液を70℃に保ちながらアゾビスイソブチロニトリル0.3gを添加し、窒素雰囲気下、70℃で24時間撹拌することにより、ポリ(2−ヒドロキシエチル)アクリレートの溶液を得た。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、GPC曲線の面積比から得た全分子量ポリマー中における重量平均分子量3000以下ポリマーの割合は8%であり、重量平均分子量は9800であった。
次に合成したで得たポリ(2−ヒドロキシエチル)アクリレートを含む溶液20gに、テトラメトキシメチルグリコールウリル0.92g、ピリジウムp−トルエンスルホン酸0.0046g、プロピレングリコールモノメチルエーテル9.50g、及び乳酸エチル6.18gを加え、13.5%溶液とした後、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、リソグラフィー用熱硬化性ギャップフィル材形成組成物の溶液を調製した。
実施例1〜6で得たレジスト下層膜形成組成物の溶液をスピナーにより、それぞれ半導体基板(シリコンウエハ基板)上に塗布し塗布膜を形成した。そして、溶剤を除去して乾燥させるため、ホットプレート上、100℃で1分間加熱した。
実施例1〜6で得たレジスト下層膜形成組成物の溶液をスピナーにより、それぞれシリコンウエハ上に塗布し塗布膜を形成した。そして、溶剤を除去して乾燥させるため、ホットプレート上、100℃で1分間加熱した。次いで、塗布膜を電子線照射装置((株)アイ・エレクトロンビーム製、型式CB250/15/180L)を用い、加速電圧100kV、電流値3.52mA、K値14.6、照射線量50.0kGyの条件で照射し、レジスト下層膜(膜厚440nm)を形成した。これらのレジスト下層膜の上に、市販のフォトレジスト溶液(シプレー社製、商品名APEX−E)をスピナーにより塗布した。ホットプレート上、90℃で1分間加熱した。そして、フォトレジストを露光後、露光後加熱を90℃で1.5分間行った。フォトレジストを現像させた後、レジスト下層膜の膜厚を測定し、実施例1〜6より形成したレジスト下層膜とフォトレジストとのインターミキシングが起こっていないことを確認した。
実施例3〜6で得たレジスト下層膜形成組成物の溶液をスピナーにより、それぞれ、ホール(直径0.18μm、深さ1.0μm)を有する二酸化シリコン(SiO2ウエハー)基板上に塗布して塗布膜を形成した。使用した基板は図1に示すようなホールのIso(粗)とDense(密)パターンを有する基板である。Isoパターンは、ホール中心から隣のホール中心までの間隔が、当該ホールの直径の5倍であるパターンである。また、Denseパターンは、ホール中心から隣のホール中心までの間隔が、当該ホールの直径の1倍であるパターンである。ホールの深さは1.0μmであり、ホールの直径は0.18μmである。
また、ホール内部にボイド(隙間)の発生は観察されず、ホール内部が下層膜で充填されていることが観察された。
[表1]
表1
――――――――――――――――――――――――――――――――――
膜厚(nm) 平坦化率(%)
Iso Dense Bias Iso Dense Bias
――――――――――――――――――――――――――――――――――
実施例3 440 300 140 100 100 0
実施例4 450 250 200 100 100 0
実施例5 430 290 140 100 100 0
実施例6 440 380 60 100 100 0
――――――――――――――――――――――――――――――――――
実施例3〜6のレジスト下層膜のIso(粗)とDense(密)パターン上の膜厚差(Bias)は小さい。実施例3〜6の下層膜は、特に膜厚一定が困難である微細Denseホールパターン上での流動性に優れる。これは、ホール基板上の単位面積当たりのホール数(ホール密度)が、Iso部に比べ大きいDense部においても、それら多数の下層膜形成組成物の溶液がスムーズに流れ込み、一定の膜厚が得られるためであり、その結果、Iso部とDense部の膜厚差が小さく、かつ平坦化率が大きくなったものと考えられる。また、実施例1〜11の下層膜は、Iso部とDense部に関わらず平坦化できた。
光学パラメータの測定
実施例1〜6で調製した下層膜形成組成物の溶液をスピナーにより、シリコンウェハ上に塗布し塗布膜を形成した。そして、溶剤を除去して乾燥させるため、ホットプレート上、100℃で1分間加熱した。次いで、電子線照射装置((株)アイ・エレクトロンビーム製、型式CB250/15/180L)を用い、加速電圧100kV、電流値3.52mA、K値14.6、照射線量50.0kGyの条件で照射し、レジスト下層膜(膜厚320nm)を形成した。そして、これらのレジスト下層膜を分光エリプソメーターにより、波長193nmでの屈折率(n値)及び減衰係数(k値)を測定した。結果を表2に示す。
[表2]
表2
――――――――――――――――――――――――――
屈折率(n値) 減衰係数(k値)
――――――――――――――――――――――――――
実施例1 1.46 0.47
実施例2 1.72 0.11
実施例3 1.55 0.49
実施例4 1.72 0.10
実施例5 1.57 0.27
実施例6 1.49 0.15
――――――――――――――――――――――――――
ドライエッチング速度の試験
実施例1〜6で得たレジスト下層膜形成組成物の溶液をスピナーにより、それぞれ、半導体基板(シリコンウエハ基板)上に塗布し塗布膜を形成した。そして、溶剤を除去して乾燥させるため、ホットプレート上、100℃で1分間加熱した。次いで、電子線照射装置((株)アイ・エレクトロンビーム製、型式CB250/15/180L)を用い、加速電圧100kV、電流値3.52mA、K値14.6、照射線量50.0kGyの条件で照射し、レジスト下層膜を形成した。そして、これらのレジスト下層膜について、日本サイエンティフィック製RIEシステムES401を用い、ドライエッチングガスとしてCF4を使用した条件下でドライエッチング速度(単位時間当たりの膜厚の減少量)を測定した。結果を表2に示す。表中、選択性は、KrFレーザーリソグラフィー用のフォトレジスト(信越化学工業(株)製、商品名SEPR430)の同様の条件下でのドライエッチング速度を1.00とした時の、レジスト下層膜のドライエッチング速度を示したものである。
[表3]
表3
――――――――――――
選択性
――――――――――――
実施例1 1.75
実施例2 1.75
実施例3 1.95
実施例4 1.94
実施例5 1.93
実施例6 1.90
――――――――――――
実施例1〜6のレジスト下層膜形成組成物から得られたレジスト下層膜のエッチング速度は、フォトレジストに比較して大きいことが確認された。レジスト下層膜のドライエッチング速度がフォトレジストのドライエッチング速度よりも高いことの必要性は、レジスト下層膜上に形成されたフォトレジストを現像し、その後でドライエッチングにより基板の下地を露出させる工程で、レジスト下層膜のドライエッチング速度の方がフォトレジストのドライエッチング速度よりも高くなる事により、フォトレジストが削り取られる前に下層膜が除去されるので、現像されたフォトレジストのパターンを正確に基板に転写する事ができるためである。
(硬化時の昇華物の比較)
直径4インチのシリコンウエハー基板にスピンコーターにて、実施例1〜6のレジスト下層膜形成組成物を塗布した。そして、溶剤を除去して乾燥させるため、ホットプレート上、100℃で1分間加熱した。次いで、塗布膜を電子線照射装置((株)アイ・エレクトロンビーム製、型式CB250/15/180L)を用い、加速電圧100kV、電流値3.52mA、K値14.6、照射線量50.0kGyの条件で照射し、レジスト下層膜(膜厚440nm)を形成した。反射防止膜が塗膜されたウエハーを100℃に調整されたホットプレートが一体化した昇華物測定装置にセットして、120秒間ベークおよび昇華物をQCMセンサーに捕集した。
直径4インチのシリコンウエハー基板にスピンコーターにて、比較例1のレジスト下層膜形成組成物を塗布した。そして、溶剤を除去して乾燥させるため、ホットプレート上、205℃で1分間加熱した。
実施例1〜実施例6で得られたレジスト下層膜形成組成物の測定はホットプレートを100℃に昇温し、ポンプ流量が1m3/sに設定し、最初の60秒間はエージングのために放置する。その後直ちに、スライド口から速やかにレジスト下層膜が被覆されたウエハーをホットプレートに乗せ(測定物をインストール)、60秒の時点から180秒の時点(60秒間)の昇華物の捕集を行った。
比較例1で得られたレジスト下層膜形成組成物の測定はホットプレートを205℃に昇温し、ポンプ流量が1m3/sに設定し、最初の60秒間はエージングのために放置する。その後直ちに、スライド口から速やかにレジスト下層膜が被覆されたウエハーをホットプレートに乗せ(測定物をインストール)、60秒の時点から180秒の時点(60秒間)の昇華物の捕集を行った。
また、フローアタッチメント(検出部分)にはノズルをつけず、そのため口径が32mmになり、センサーとの距離が30mmのチャンバーユニットとの流路から気流が絞られることなく流入する。また、QCMセンサーはアルミシリコン材質の電極を用い、水晶振動子の直径(センサー直径)が14mm、水晶振動子表面の電極直径が5mm、共振周波数が9MHzのものを用いた。
各測定において、QCMセンサーはリアルタイムで昇華物測定できるように、パソコンにデータを直接取り込めるようにシリアルケーブルからの接続と専用ソフトのインストールを行った。
表には、実施例1〜6及び比較例1における60秒の測定装置が示す昇華物量(単位はng:ナノグラム)を記載した。
〔表4〕
表4
―――――――――――――――――――――
測定装置が示す60秒後の昇華物量(ng)
―――――――――――――――――――――
実施例1 580
実施例2 430
実施例3 400
実施例4 530
実施例5 540
実施例6 320
比較例1 1100
―――――――――――――――――――――
実施例1〜6、比較例1のレジスト下層膜形成組成物から得られたレジスト下層膜の昇華物量は昇華物をQCMセンサーに捕集する昇華物測定装置を用いて測定し、実施例1〜6のそれらの量は比較例1のそれらの量に比べて非常に小さいことが明らかになった。
Claims (11)
- 半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいてフォトレジストの下層に使用される下層膜を電子線照射によって硬化する組成物であって、電子線照射による重合性物質を含むレジスト下層膜形成組成物。
- 前記重合性物質が電子線照射により重合可能な反応性基を少なくとも一つ有する化合物である請求項1に記載のレジスト下層膜形成組成物。
- 電子線照射による重合可能な反応性基が、炭素と炭素の不飽和多重結合を有する反応性基である請求項2に記載のレジスト下層膜形成組成物。
- 炭素と炭素の不飽和多重結合を有する反応性基が、アクリレート基、メタクリレート基、又はビニルエーテル基である請求項3に記載のレジスト下層膜形成組成物。
- 前記重合性物質が、分子内に1個乃至4個のアクリレート基、メタクリレート基、又はビニルエーテル基を有する化合物である請求項1に記載のレジスト下層膜形成組成物。
- 前記重合性物質が、分子内に1個乃至4個のアクリレート基、又はメタクリレート基を有するポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂である請求項1に記載のレジスト下層膜形成組成物。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布してレジスト下層膜を形成する工程、及び上記レジスト下層膜に電子線照射することによってレジスト下層膜を硬化する工程を含む半導体装置の製造方法。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布してレジスト下層膜を形成する工程、及び上記レジスト下層膜に電子線照射することによってレジスト下層膜を硬化する工程、上記レジスト下層膜上にフォトレジスト組成物を塗布し加熱することによってフォトレジスト層を形成する工程、及び上記レジスト下層膜及びフォトレジスト層で被覆された半導体基板を露光する工程、露光後にフォトレジストを現像しレジストパターンを得る工程、レジストパターンによりレジスト下層膜をエッチングする工程、及びパターン化されたレジスト下層膜により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布してレジスト下層膜を形成する工程、及び上記レジスト下層膜に電子線照射することによってレジスト下層膜を硬化する工程、その上にハードマスクを形成する工程、更にその上にレジスト膜を形成する工程、露光と現像によりレジストパターンを形成する工程、レジストパターンによりハードマスクをエッチングする工程、パターン化されたハードマスクによりレジスト下層膜をエッチングする工程、及びパターン化されたレジスト下層膜により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法。
- 上記半導体基板が高さ/直径で示されるアスペクト比が1以上のホールを有する半導体基板である請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 上記電子線照射が、吸収線量として1〜300kGyの範囲で行われる請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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