JP2008076447A - ポジ型レジスト組成物 - Google Patents

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一正 武志
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Abstract

【課題】所望の高感度・高解像度およびレジスト膜の環境安定性を持ちつつ、エッチング耐性、現像液に対する溶解速度、感度を向上させることのできるポジ型レジスト組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のレジスト組成物は、(1)簡便に高収率で得ることが出来る、(2)汎用レジスト溶剤および現像液に可溶である、(3)電子線、EUV光あるいはX線の照射によって2次電子を放出しやすい、といった特性を持つフラーレン誘導体を用いることを特徴とする。これにより、2次電子を放出しやすいため、高感度が達成される。また、溶解速度が著しく向上することから高解像度なパターンが得られ、現像不良などの基板欠陥形成を防止できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、微細なパターン形成に用いるポジ型レジスト組成物に関するものである。
近年、種々のポジ型レジスト組成物が提案されている(特許文献1参照)。中でも、電子線、EUV光又はX線を用いたパターン形成プロセスは、I線、エキシマレーザー等の放射線を光源として利用したプロセスに比べ、高解像度化が可能であるとして、次世代の256メガ、1ギガ、4ギガ等の超高集積度半導体素子の製造にその適用が検討されている。
電子線、EUV光又はX線を用いたパターン形成は、I線、エキシマレーザーなどの光源を用いたパターン形成とは、露光メカニズムが異なる。
露光される電子線、EUV光又はX線は、ほとんどがレジスト膜中を通過し、パターン形成に必要とされる化学反応に寄与するエネルギーに変換されにくい。
また、電子線又はX線露光においては、真空中での露光となるためレジスト組成物膜の安定性が求められる。
このため、化学増幅型ポジレジストの場合、光酸発生剤の含有量を多くし、酸解離性樹脂の構造を嵩高い構造を持つものなどを導入して性能を達成している。しかしながら、光酸発生剤の含有量を多くすることでアルカリ現像溶液への溶解抑止効果が働き、さらに酸解離性樹脂の構造を嵩高くすることで親水性が低下する。そして、レジスト組成物膜のアルカリ現像液に対する溶解速度が低下し、現像工程の裕度がなくなり微細化が進むパターン寸法の制御が困難になっている。さらに、レジストのエッチング耐性が向上すれば、レジスト膜の薄膜化ができ、エッチングの際のプロセス裕度が広くなり今後の微細化に有利になる。以上のことから、電子線又はX線を利用したパターン形成プロセスを実用化させるためには、現状の性能を保持しつつ感度およびアルカリ現像液に対する溶解速度を向上し、エッチング耐性を高めることが必須であった。
この課題を解決する一つの解として、フラーレンを用いたレジスト材料が提案されてきた。一般的に、高エッチング耐性を実現するには、大西パラメータ、リングパラーメーターを算出し、化合物の分子設計を行なうことが古くから知られている。これらのパラメータから、ヘテロ原子を含まない環状構造を持つ有機化合物が有利であり、レジストを構成する樹脂等は、これらの構造を採用することが多い。フラーレン類は、炭素のみからなる環状分子であるため高エッチング耐性を示すことが期待できる。
また、フラーレンを用いることによって、そのフラーレンの持つ電子リッチな構造がもたらす次のような利点もある。一般的に化学増幅型レジストにおいて、感度、解像度が達成される機構は、エネルギー照射した際の酸発生剤からの酸の発生が重要である。紫外線照射の場合は、酸発生剤の紫外線吸収による化学的分解により酸が発生する。一方、電子線、EUV光およびX線照射の場合、ほとんどの放射線は、レジストフィルムを付きぬける上、酸発生剤自身の吸収は少なく、レジスト中に含まれる高分子化合物等が2次電子を放出し、イオン化する。そして、そのイオンが、酸発生剤に寄与することによって酸が発生する(非特許文献2参照)。よって、電子、EUV光およびX線用化学増幅型レジストにおいて、高感度化、高解像度化を目指すには、2次電子を放出し、イオン化しやすいフラーレン誘導体が優れている。
ところが、フラーレンはレジスト用溶剤あるいは現像液への溶解性が低く、限定された材料選択、プロセス方法でしか用いることができない。そこで、様々な置換基によって修飾されたフラーレン誘導体が合成され、レジスト材料への適用が検討された(特許文献2〜5参照)。
一方、フラーレン酸化物を出発物質としてフラーレン誘導体を温和な条件下で収率良く得られる合成方法が報告されている。この方法は、フラーレンの酸化物であるエポキシ化フラーレンとアルデヒドあるいはケトンとのアセタール化反応によって、75℃、1時間の反応でほぼ100%近い収率でフラーレン誘導体を得ることができる(非特許文献2)。
特開2002−258483号公報 特開平7―33751号公報 特開平9−211862号公報 特開平11−143074号公報 特開2005−266798号公報 Jpn.Appl. Phys.,31、1992、4301 Chem.Lett.Vol.33、No.12、2004、1604
上述したように、様々な置換基によって修飾されたフラーレン誘導体が合成され、レジスト材料への適用が検討されてきた。
しかしながら、フラーレンは、それ自身が安定な化合物であるため、有機物付加体によって修飾を行おうとすると、フラーレンの活性化の為に、高温、高圧環境下あるいは強アルカリを触媒に用いたりしなくてはならなかった。さらに、反応によっては様々な異性体あるいは付加数の違う誘導体が生成し、その為、付加反応をコントロール、あるいは合成後に分離・精製しなくてはならず、その為、収率が低い問題があった。
そこで、本発明は、実用化を鑑み、温和な反応を用い高収率で合成できるフラーレン誘導体を用いて、所望の高感度・高解像度およびレジスト膜の環境安定性を持ちつつ、アルカリ現像液に対する溶解速度を向上させることのできるポジ型レジスト組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記知見を元に、課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、フラーレン酸化物を出発物質として得られたフラーレン誘導体であってもレジスト組成物として好適に利用できることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明は下記の構成である。
請求項1に記載の本発明は、下記一般式で表される構造を有する化合物を含むことを特徴とするポジ型レジスト組成物である。
Figure 2008076447
請求項2に記載の本発明は、下記一般式で表される構造を有する化合物を含むことを特徴とするポジ型レジスト組成物である。
Figure 2008076447
請求項3に記載の本発明は、請求項1または2のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物であって、電子線、EUV光(極端紫外光)又はX線の照射により、酸を発生する化合物と、酸解離性基で保護されたアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂であり、該酸解離性基が解離したときにアルカリ可溶性となる樹脂と、を含むことを特徴とするポジ型レジスト組成物である。
請求項4に記載の本発明は、請求項1から3のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物であって、含窒素塩基性化合物を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物である。
請求項5に記載の本発明は、請求項1から4のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物であって、界面活性剤を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物である。
請求項6に記載の本発明は、請求項1から5のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物を用いて形成されたレジストパターンである。
本発明のポジ型レジスト組成物は化1または化2で示されるフラーレン誘導体を含むことを特徴とする。
これらの化合物は、汎用レジスト溶媒およびアルカリ現像液に可溶な置換基を持つアルデヒドあるいはケトンと酸化フラーレンを反応させることにより合成することが出来る。このため、温和な反応を用い高収率で合成すること出来アルカリ現像液に対し溶解度を向上させることが可能である。
また、出発物質である酸化フラーレンのエポキシ環の数によって、修飾基の数がコントロール出来るため、用いるアルデヒドあるいはケトンの構造の選択肢を広くすることが出来る。
また、フラーレン構造を有するため、2次電子を放出し、イオン化しやすい。このため、特に、電子線、EUV光又はX線を用いたパターン形成において高感度化、高解像度化を実現することが可能となる。
以上説明したように、本発明のレジスト組成物は、(1)簡便に高収率で得ることが出来る、(2)汎用レジスト溶剤および現像液に可溶である、(3)電子線、EUV光あるいはX線の照射によって2次電子を放出しやすい、といった特性を持つフラーレン誘導体を用いることを特徴とする。
これにより、2次電子を放出しやすいため、高感度が達成される。また、溶解速度が著しく向上することから高解像度なパターンが得られ、現像不良などの基板欠陥形成を防止できる。また、本発明のレジスト組成物から形成されたレジスト膜は、ドライエッチング耐性、耐熱性、機械的強度にも優れており、更なる薄膜化進めることができるため、今後ますます微細化が進行すると予想される半導体デバイスおよび半導体デバイス用フォトマスク製造用の化学増幅型レジストとして極めて有用である。
以下、本発明のポジ型レジスト組成物に使用する化合物について詳細を説明する。
本発明のポジ型レジスト組成物は化1、化2のような一般式で表される構造を有する化合物を含むことを特徴とする。
<フラーレン誘導体>
フラーレン誘導体としては、酸化物フラーレンを原材料にしてアルデヒドあるいはケトンとのアセチル化反応により得られる化合物が挙げられる。
また、フェノール性水酸基、ヘキサフルオロブチルアルコール基もしくはカルボキシル基等の酸性官能基に酸の存在下で解離しうる1種以上の置換基(以下、「酸解離性置換基」という。)を導入した化合物を挙げることができる。 このような酸解離性置換基としては、例えば、後述する酸解離性含有樹脂について挙げる置換メチル基、1−置換エチル基、シリル基、1−分岐アルキル基、ゲルミル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、環式酸解離性基等の酸解離性基と同様の基を挙げることができる。
フラーレン誘導体は、電子リッチな構造を持ち、照射された電子線、EUV光あるいはX線の高いエネルギーを吸収しさらに2次電子を放出してイオン化し、酸発生剤へエネルギー移動をしやすくする。これらの骨格に、後述する酸解離性基を持たせたものが、本発明のポジ型レジスト組成物に用いられるフラーレン誘導体である。
また、レジスト溶剤に可溶なフラーレン誘導体は、アルコールおよびカルボン酸基を酸解離性置換基で保護したものが好ましい。
上記フラーレン誘導体の具体例として、化1および化2にその一般式を示す。
化1および化2で示す置換基RおよびRは、アセチル化反応を疎外しないものであれば特に規定されるものではなく、材料設計上任意のものが使用できる。好ましくは、炭層数1〜15のアルキル基、フェニル基またはナフチル基等が挙げられる。また、これらのアルキル基、フェニル基またナフチル基等には置換基が導入されていてもよい。
また、Aは単結合、−O−、−C(CFO−、および−COO−である。また、複数存在するAは、相互に同一でも異なっても良い。
置換基Rは、水素原子または後述する酸解離性含有樹脂について挙げる置換メチル基、1−置換エチル基、シリル基、1−分岐アルキル基、ゲルミル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、環式酸解離性基等の酸解離性基と同様の基を挙げることができる。また、複数存在するRは、相互に同一でも異なっても良い。
また、化1および化2で示すnで表される修飾基の数は、1〜3が望ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物を化学増幅型レジストとして用いる場合には、光酸発生剤と、酸解離性基含有樹脂とを含むことが好ましい。
<光酸発生剤>
本発明で使用される光酸発生剤として、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいは半導体レジスト等に使用されている公知の光(400〜200nmの紫外線、遠紫外線、特に好ましくは、g線、h線、I線、KrFエキシマレーザー光)、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームにより酸を発生する化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
また、本発明に用いられる光酸発生剤としては、例えばジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、有機金属/有機ハロゲン化物、O−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、イミノスルフォネート等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、ジスルホン化合物、ジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物等を挙げることができる。また、これらの光により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物を用いることができる。
また、上述した光酸発生剤は、単独、又は必要に応じて2種以上混合して使用することができる。以下、具体的に、光酸発生剤として用いることが出来る化合物を例示する。
(1) ヨードニウム塩化合物
ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェートビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネートなど。
(2) スルホニウム塩化合物
シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムパーフルオロオクタンスルホネート、メチルジフェニルスルホニウムパーフルオロオクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチルフェニルジフェニルスルホニウムメタンスルホネート、4−メチルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロオクタンスルホネート、4−メチルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、2,4,6−トリメチルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネートなど。
(3) 有機ハロゲン化合物
2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシ−1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソラン−5−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3,4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ブトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなど。
(4) スルホネート化合物
1−ベンゾイル−1−フェニルメチルp−トルエンスルホネート(通称ベンゾイントシレート)、2−ベンゾイル−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチルp−トルエンスルホネート(通称α−メチロールベンゾイントシレート)、1,2,3−ベンゼントリイルトリスメタンスルホネート、2,6−ジニトロベンジルp−トルエンスルホネート、2−ニトロベンジルp−トルエンスルホネート、4−ニトロベンジルp−トルエンスルホネートなど。
(5) ジスルホン化合物
ジフェニルジスルホン、ジ−p−トリルジスルホンなど。
(6) ジアゾメタン化合物
ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−キシリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、(ベンゾイル)(フェニルスルホニル)ジアゾメタンなど。
(7) N−スルホニルオキシイミド化合物
N−(エチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(イソプロピルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ブチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(フェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフタルイミドなど。
後述する本発明に好適な酸解離性基含有樹脂との組合せで好ましい酸発生剤としては、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムパーフルオロオクタンスルホネート、メチルジフェニルスルホニウムパーフルオロオクタンスルホネート、4−メチルフェニルジフェニルスルホニウムメタンスルホネート、4−メチルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロオクタンスルホネート、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタンなどを挙げることができる。
これらの光酸発生剤の添加量は、組成物中の固形分を基準として、通常0.001〜40重量%の範囲で用いられ、好ましくは5〜30重量%の範囲で使用される。光酸発生剤の添加量が、5重量%より少ないと感度が低くなり、また添加量が40重量%より多いと溶解抑止効果が働き、プロファイルの悪化や、プロセス(特にベーク)マージンが狭くなり好ましくない。
<酸解離性基含有樹脂>
酸解離性基含有樹脂は、酸解離性基で保護されたアルカリ不溶性またはアルカリ可溶性の樹脂であって、該酸解離性基が解離したときにアルカリ可溶性となる樹脂(酸解離性基という)である。
本発明で用いる酸解離性基含有樹脂としては、特に制限はなく、従来の電子線、EUV光又はX線ポジ型レジスト組成物において周知のものを用いることができる。
例えば、本発明に用いる酸解離性基含有樹脂として、(1)フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノ−ル、トリメチルフェノールなどのフェノール類とホルムアルデヒドなどのアルデヒド類とを酸性触媒下に縮合させて得られたノボラック樹脂、(2)ヒドロキシスチレンの単独重合体やヒドロキシスチレンと他のスチレン系単量体との共重合体、ヒドロキシスチレンとアクリル酸又はメタクリル酸あるいはその誘導体との共重合体などのポリヒドロキシスチレン系樹脂、(3)アクリル酸又はメタクリル酸とその誘導体との共重合体であるアクリル酸又はメタクリル酸系樹脂などのアルカリ可溶性樹脂に、水酸基あるいはカルボン酸基の一部を酸解離性置換基で保護されたもの、などが挙げられる。
上記のヒドロキシスチレンと共重合させるスチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、о−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p―クロロスチレン、ビニルナフタレン、ビニルフルオレン、ビニルフェナントレン、ビニルアントラセンなどが挙げられる。
また、上記アクリル酸又はメタクリル酸の誘導体としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシルプロピル、アクリルアミド、アクリロニトリル及び対応するメタクリル酸誘導体を挙げることができる。
また、上記酸解離性置換基としては、例えば、置換メチル基、1−置換エチル基、1−分岐アルキル基、シリル基、ゲルミル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、環式酸解離性基等を挙げることができる。
前記置換メチル基としては、例えば、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル基、エチルチオメチル基、メトキシエトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、フェナシル基、ブロモフェナシル基、メトキシフェナシル基、メチルチオフェナシル基、α−メチルフェナシル基、シクロプロピルメチル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、ブロモベンジル基、ニトロベンジル基、メトキシベンジル基、メチルチオベンジル基、エトキシベンジル基、エチルチオベンジル基、ピペロニル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、イソプロポキシカルボニルメチル基、n−ブトキシカルボニルメチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基等を挙げることができる。また、前記1−置換エチル基としては、例えば、1−メトキシエチル基、1−メチルチオエチル基、1,1−ジメトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−エチルチオエチル基、1,1−ジエトキシエチル基、1−フェノキシエチル基、1−フェニルチオエチル基、1,1−ジフェノキシエチル基、1−ベンジルオキシエチル基、1−ベンジルチオエチル基、1−シクロプロピルエチル基、1−フェニルエチル基、1,1−ジフェニルエチル基、1−メトキシカルボニルエチル基、1−エトキシカルボニルエチル基、1−n−プロポキシカルボニルエチル基、1−イソプロポキシカルボニルエチル基、1−n−ブトキシカルボニルエチル基、1−t−ブトキシカルボニルエチル基等を挙げることができる。また、前記1−分岐アルキル基として、例えば、イソプロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基等を挙げることができる。
また、前記シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、メチルジイソプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、メチルジ−t−ブチルシリル基、トリ−t−ブチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。また、前記ゲルミル基としては、例えば、トリメチルゲルミル基、エチルジメチルゲルミル基、メチルジエチルゲルミル基、トリエチルゲルミル基、イソプロピルジメチルゲルミル基、メチルジイソプロピルゲルミル基、トリイソプロピルゲルミル基、t−ブチルジメチルゲルミル基、メチルジ−t−ブチルゲルミル基、トリ−t−ブチルゲルミル基、フェニルジメチルゲルミル基、メチルジフェニルゲルミル基、トリフェニルゲルミル基等を挙げることができる。また、前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。前記アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピペロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、オレオイル基、マレオイル基、フマロイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、p−トルエンスルホニル基、メシル基等を挙げることができる。
また、前記環式酸解離性基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、4−メトキシシクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基、3−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド基等を挙げることができる。これらの酸解離性基のうち、t−ブチル基、ベンジル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、トリメチルシリル基、t−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基等が特に好ましい。
本発明で用いる酸解離性基含有樹脂としては、特に、ポリ(ヒドロキシスチレン)中の水酸基の水素原子の一部を前記酸解離性基で置換した樹脂、ヒドロキシスチレンおよび/または多環式芳香族ビニルと(メタ)アクリル酸との共重合体中の水酸基の水素原子および/またはカルボキシル基の水素原子の一部あるいは全部を前記酸解離性基で置換した樹脂等が好ましい。また、酸解離性基含有樹脂は、単独または2種以上を混合して使用することができる。
酸解離性基含有樹脂中における酸解離性基の導入率(酸解離性基含有樹脂中の酸性官能基と酸解離性基との合計数に対する酸解離性基の数の割合)は、酸解離性基や該基が導入されるアルカリ可溶性樹脂の種類により一概には規定できないが、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは15〜100%である。また、酸解離性基含有樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量分子量(以下、「Mw」という。)は、好ましくは1,000〜150,000、さらに好ましくは3,000〜100,000である。酸解離性基含有樹脂は、例えば、予め製造したアルカリ可溶性樹脂に1種以上の酸解離性基を導入することによって製造することができ、また酸解離性基を有する1種以上の単量体の(共)重合、酸解離性基を有する1種以上の重縮合成分の(共)重縮合等によって製造することができる。
<含窒素塩基性化合物>
化学増幅型のレジスト組成物を用いたリソグラフィーでは一般に、露光により発生した酸を触媒として連鎖的に化学反応を進行させるために露光後ベーク(ポスト・エクスポージャ・ベーク)を行うが、露光から露光後ベークまでの時間が長くなると、酸の失活に伴う性能劣化を引き起こすことが知られている。さらに、発生した酸がレジスト塗膜中で必要以上に拡散することにより、未露光部にまで化学反応が広がり、パターン形状等の性能が劣化することがある。このような露光後の引き置きに伴う酸の失活による性能劣化を防止し、あるいは、酸の拡散を制御し、未露光部での反応を抑えるために、塩基性化合物、特に塩基性含窒素有機化合物、例えばアミン類をクェンチャーとして少量配合するのが有効であることが知られており、本発明においても、このような塩基性含窒素有機化合物をクェンチャーとして含有するのが好ましい。
クェンチャーに用いる含窒素有機化合物は、1級アミン、2級アミン、3級アミン、不飽和環状アミン、4級アンモニウム塩などであることができ、より具体的には、以下のような化合物が例示される。
(1) 1級アミン
ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、アニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、1−又は2−ナフチルアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4′−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジエチルジフェニルメタンなど。
(2) 2級アミン
ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、N−メチルアニリン、ピペリジン、ジフェニルアミン、N−ベンジルイソプロピルアミンなど。
(3) 3級アミン
トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジイソプロピルアニリンなど。
(4) 不飽和環状アミン
イミダゾール、ピリジン、4−メチルピリジン、4−メチルイミダゾール、ビピリジン、2,2′−ジピリジルアミン、ジ−2−ピリジルケトン、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(2−ピリジル)エチレン、1,2−ジ(4−ピリジル)エチレン、1,2−ビス(4−ピリジルオキシ)エタン、4,4′−ジピリジルスルフィド、4,4′−ジピリジルジスルフィド、2,2′−ジピコリルアミン、3,3′−ジピコリルアミンなど。
(5) 4級アンモニウム塩
水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトライソプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウムなど。
これらのなかでも、2級アミン、3級アミン、4級アンモニウムが好ましく、N−ベンジルイソプロピルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジイソプロピルアニリン、水酸化テトラメチルアンモニウムが好ましい。また、クェンチャーとして用いる塩基性含窒素有機化合物は、基板上に形成されたレジスト膜のプリベーク後も、レジスト膜中に残存して効果を発揮するよう、プリベークの温度で蒸発しにくいものが好ましく、具体的には150℃以上の沸点を有する化合物が好ましい。
<界面活性剤>
本発明のポジ型レジスト組成物に下地基板との塗れ性をよくする目的で使用できる界面活性剤は、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤が好適に用いられ、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤およびフッ素原子とケイ素原子の両方を含有する界面活性剤のいずれか、あるいは2種以上を含有することができる。
これらの界面活性剤の配合量は、本発明の組成物中の固形分を基準として、通常0.001重量%〜2重量%、好ましくは0.01重量%〜1重量%である。これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
以下、本発明のポジ型レジスト組成物の調整の一例について説明する。
<レジスト組成物>
本発明のレジスト組成物は通常、光酸発生剤(A)を5〜30重量%、酸解離性基含有樹脂(B)を60〜90重量%、そしてフラーレン誘導体を5〜20重量%の範囲で含有する。中でも樹脂成分を70〜80重量%、酸発生剤を5〜10重量%そして溶解促進剤を5〜10%の範囲とするのが好ましい。また、クェンチャーを含有させる場合は、同じくレジスト組成物の全固形分量を基準に、0.01〜1.0重量%の範囲で用いるのが好ましい。また本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、増感剤、界面活性剤、安定剤、染料など、各種の添加物を少量含有することもできる。
このレジスト組成物は通常、全固形分濃度が10〜50重量%となるよう、上記各成分を溶剤に混合してレジスト溶液とし、シリコンウェハまたはマスク用石英の基板上に塗布される。ここで用いる溶剤は、各成分を溶解し、適当な乾燥速度を有するものであればよく、この分野で通常用いられているものが使用できる。例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなグリコールモノ又はジエーテル類、乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ピルビン酸エチル、γ−ブチロラクトンのようなエステル類、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、キシレンのような芳香族炭化水素類、N−メチル−2−ピロリドンのようなラクタム類などが挙げられる。これらの溶剤は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明のレジスト組成物は、例えば以下のようにして用いることができる。すなわち、上記のように溶剤に溶解したレジスト溶液を、スピンコーティングなどの常法によって基板上に塗布し、乾燥(プリベーク)し、パターニングのための露光処理を施し、次いで化学反応を促進するための加熱処理を行った後、アルカリ現像液で現像することにより、レジストパターンを形成することができる。ここで用いるアルカリ現像液は、この分野で通常用いられているものでありうる。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシドの1〜10重量%水溶液などが挙げられる。またこれらのアルカリ水溶液に、メタノールやエタノールのような水溶性有機溶剤、ある種の界面活性剤などを適当量添加して用いることも可能である。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、下記のレジスト組成物の割合は、一例を示したものであって、本発明は下記の値に限定されるものではなく、プロセス条件等によって調整できる。
<レジスト膜の経時安定性評価>
(比較例1)
ヒドロキシスチレン・スチレン共重合体(共重合モル比:20:80)を20質量部ふくむプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下PEGMEAと略す)溶液50gに、フラーレンの1,2,4−トリメチルベンゼン溶液(1質量部)50gを加えた溶液を調整した。その溶液を、1インチウエハ上に回転塗布し、その後110℃、10分間ベーク処理して厚さ約2μmのフィルムを作成した。そして、ウエハケースに入れ常温、常圧下15日間放置した。その間に光学顕微鏡(ライカ社製、倍率1000倍)にて目視で凝集物、結晶化物等がフィルム上あるいはフィルム内に発生していないか確認した。
(実施例1)
ヒドロキシスチレン・スチレン共重合体(共重合モル比:20:80)を20質量部ふくむジグライム溶液50gに、化3に示すフラーレン誘導体(FLOX株式会社製)のジグライム溶液(1質量部)50gを加えた溶液を調整した。そして比較例1と同様にフィルム作成および安定性確認を行った。
Figure 2008076447
(実施例2)
市販のポジ型化学増幅型レジストFEP171(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ株式会社製)の固形分100質量部を含むレジスト溶液に、化3に示すフラーレン誘導体が5質量部になるように、フラーレン誘導体1質量部のジグライム溶液を加え調整した。そして、比較例1と同様にフィルム作成および安定性確認を行った。
その結果を表1に示す。フラーレンを添加した系(比較例1)においては、フィルム作成後からフラーレンと思われる凝集物が発生し、時間が経つにつれ凝集物が析出する結果となった。それに対し、実施例1,2で調整したフラーレン誘導体含有フィルムは、良好なフィルム安定性を示し、15日間放置しても凝集物、結晶化物は観察されなかった。以上より、本発明のポジ型レジスト組成物は溶解性が良好であることが示された。
Figure 2008076447
<レジスト膜のエッチング耐性評価>
(比較例2)
ヒドロキシスチレン・スチレン共重合体(共重合モル比:20:80)を20質量部ふくむジグライム溶液を調整し、その溶液を1インチウエハ上に回転塗布し、その後110℃、10分間ベーク処理を行い厚さ0.8μmのフィルムを作成した。そして、その基板を誘導結合プラズマエッチング装置にて、エッチングガス(混合比(体積比) 塩素/ヘリウム/酸素=60/80/9)、圧力7X10−3Torr、RIEパワー6W、ICPパワー250W、エッチング時間180秒の条件でエッチング処理した。そして、レジスト膜の時間あたりのエッチングレートを算出した。結果を表2に示す。
(比較例3)
市販のポジ型化学増幅型レジストFEP171を1インチウエハ上に回転塗布し、その後120℃、10分間ベーク処理を行い厚さ0.7μmのレジストフィルムを作成した。そして、比較例2と同様なエッチング条件にて、レジスト膜の時間あたりのエッチングレートを算出した。結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例1と同様に作成した基板を比較例2と同条件でエッチングを行い、エッチングレートを算出した。結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例2と同様に作成した基板を比較例2と同条件でエッチングを行い、エッチングレートを算出した。結果を表2に示す。
エッチングレートを算出した結果を表2に示す。フラーレン誘導体を導入したそれぞれ30%のエッチング耐性向上(比較例2と実施例3との対比)および24%のエッチング耐性向上(比較例3と実施例4との対比)が確認され、フラーレン誘導体を導入することによって、耐ドライエッチング性を向上させることができることが明らかになった。
Figure 2008076447
<パターニング評価>
(比較例4)
市販のポジ型化学増幅型レジストFEP171を用いて、以下のように、石英マスク基板上に微細パターンを形成した。
まず、図1(a)に示すように、マスク基板1上にレジスト溶液を回転塗布、ベーク処理し、マスク基板1上にレジスト膜2を300nm形成した。そして、図1(b)、(c)に示すように加速電圧50KVの電子線描画装置を用いて電子線3を照射した。
次に、露光後ベークを行ない、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド水溶液で、現像時間90秒で現像を行なった。そして、マスク基板上に100nmのライン&スペースパターン4aを形成し、そのとき、1:1のパターンが得られた感度を最適感度とした。なお、FEP171には、(A)光酸発生剤と(B)酸解離性基含有樹脂が主成分のポジ型化学増幅型レジストであり、(C)フラーレン誘導体は含まれていない。求めた最適感度を表3に示す。
(実施例5)
市販のポジ型化学増幅型レジストFEP171の固形分100質量部を含むレジスト溶液に、化4に示すフラーレン誘導体が5質量部になるように、フラーレン誘導体(FLOX株式会社製)1質量部のジグライム溶液を加え調整した。そして、比較例4と同様にマスク基板上にパターン形成を行い、最適感度を求めた。求めた最適感度を表3に示す。
Figure 2008076447
これらの結果を表3に示す。実施例5のフラーレン誘導体を添加した系において、比較例1より高感度化した結果が得られた。
Figure 2008076447
本発明のポジ型レジスト組成物は超高集積度半導体素子の製造や、その製造に用いられるフォトマスクの製造に用いられる電子線、EUV光又はX線用化学増幅型のポジ型レジストとして好適に用いることができる。
本発明のレジスト組成物を用いた微細パターン形成プロセスの一例を説明する図である。
符号の説明
1……マスク基板
2……レジスト膜
3……電子線
4a……ライン&スペースパターン
5……エッチング処理

Claims (6)

  1. 下記一般式で表される構造を有する化合物を含むことを特徴とするポジ型レジスト組成物。
    Figure 2008076447
  2. 下記一般式で表される構造を有する化合物を含むことを特徴とするポジ型レジスト組成物。
    Figure 2008076447
  3. 請求項1または2のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物であって、
    光酸発生剤と、酸解離性基含有樹脂と、を含むこと
    を特徴とするポジ型レジスト組成物。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物であって、
    含窒素塩基性化合物を含有すること
    を特徴とするポジ型レジスト組成物
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物であって、
    界面活性剤を含有すること
    を特徴とするポジ型レジスト組成物。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物を用いて形成されたレジストパターン。
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