JP2008072079A - ポリアニリン/多孔性炭素複合体及びそれを用いた電気二重層キャパシタ - Google Patents

ポリアニリン/多孔性炭素複合体及びそれを用いた電気二重層キャパシタ Download PDF

Info

Publication number
JP2008072079A
JP2008072079A JP2007038266A JP2007038266A JP2008072079A JP 2008072079 A JP2008072079 A JP 2008072079A JP 2007038266 A JP2007038266 A JP 2007038266A JP 2007038266 A JP2007038266 A JP 2007038266A JP 2008072079 A JP2008072079 A JP 2008072079A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyaniline
porous carbon
carbon composite
electrode
derivative
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007038266A
Other languages
English (en)
Inventor
Ayumi Kamakura
歩 鎌倉
Tsukasa Maruyama
司 丸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2007038266A priority Critical patent/JP2008072079A/ja
Priority to US11/838,986 priority patent/US20080042110A1/en
Priority to DE102007038893A priority patent/DE102007038893A1/de
Publication of JP2008072079A publication Critical patent/JP2008072079A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L79/00Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing nitrogen with or without oxygen or carbon only, not provided for in groups C08L61/00 - C08L77/00
    • C08L79/02Polyamines
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G11/00Hybrid capacitors, i.e. capacitors having different positive and negative electrodes; Electric double-layer [EDL] capacitors; Processes for the manufacture thereof or of parts thereof
    • H01G11/22Electrodes
    • H01G11/30Electrodes characterised by their material
    • H01G11/32Carbon-based
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G11/00Hybrid capacitors, i.e. capacitors having different positive and negative electrodes; Electric double-layer [EDL] capacitors; Processes for the manufacture thereof or of parts thereof
    • H01G11/22Electrodes
    • H01G11/30Electrodes characterised by their material
    • H01G11/48Conductive polymers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/13Energy storage using capacitors

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】結着剤を使用することなく、導電性に優れ、高静電容量の電気二重層キャパシタを与えることができるポリアニリン/多孔性炭素複合体の提供。
【解決手段】非極性有機溶媒中にドープされた状態で分散した導電性ポリアニリン又はその誘導体を多孔性炭素材料に複合化させてなるポリアニリン/多孔性炭素複合体及びそれを用いた電気二重層キャパシタ。
【選択図】なし

Description

本発明はポリアニリン/多孔性炭素複合体及びそれを用いた電気二重層キャパシタに関し、更に詳しくは結着剤を使用することなく、導電性に優れかつ高静電容量の電気二重層キャパシタを与えることができるポリアニリン/多孔性炭素複合体及びそれを用いた電気二重層キャパシタに関する。
従来は、電気二重層キャパシタの分極性電極として、通常、活性炭又は繊維状活性炭を用いているが、これは放電容量が小さく、そのため実用に際して長時間にわたる放電を維持することができないという問題がある。
かかる問題を解決するために、特許文献1及び特許文献2は導電性高分子/多孔性炭素複合体を電解重合法により作成して電気二重層キャパシタの分極性電極とすることを提案し、ポリアニリン/多孔性炭素複合体を電極として実施に用いている。これによれば、従来の分極性電極を使用した場合よりも静電容量が大きく、かつ内部抵抗も小さくなる利点がある。しかし、電解重合法は、得られる電極面積が限定されるために、大面積での重合が難しく工業的でないという問題がある。また、特許文献3は多孔性炭素存在下においてアニリンを水溶液中で化学重合させることによってポリアニリン/多孔性炭素複合体を得、これを分極性電極として用いることを提案しているが、得られるポリアニリン/多孔性炭素複合体を水洗する必要があるため、操作が煩雑になるという問題がある。また、特許文献4によればポリアニリンスルホン酸類と多孔性炭素材料を水中で混合した後、混合溶媒である水を真空留去することによりポリアニリン/多孔性炭素複合体を得、これを分極性電極として用いることを提案しているが、ポリアニリンスルホン酸類が水溶性であるため、水系電解液では電極からポリアニリンスルホン酸類が溶出しやすく、有機溶媒系電解液では電極の電解液に対する親和性が低いこと、さらには電極製造時に用いた水が電極中から完全に除去できない為、水系及び有機溶媒系電解液を用いた電気二重層キャパシタの電極としては、長期安定性に劣るという問題がある。また、ポリアニリンスルホン酸類は側鎖にスルホン酸基を有しているため、選択した電解液によっては電極の耐電圧が低くなるという問題もある。
また、特許文献5によればN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)に可溶な脱ドープ状態のポリアニリンと多孔性炭素材料とをNMP中で混合した後、NMPを除去することにより脱ドープポリアニリン/多孔性炭素複合体を得、これを分極性電極として用いることが提案されているが、脱ドープ状態のポリアニリンは非導電体であるため、電極の内部抵抗を高め、静電容量を向上させることは困難である。そこで、特許文献6によれば脱ドープポリアニリン/多孔性炭素複合体から形成した電極をドーピング処理することにより導電性を付与させることが提案されているが、電極のドーピング処理は煩雑であり、電極内部に存在するポリアニリンを完全に導電化させることは困難である。
一方、本来、粉末状態である電極活物質を電極として形成するためには従来は、結着剤が必要不可欠である。しかしながら、結着剤は通常高分子を用いるために、基本的に絶縁体で、電極の内部抵抗を高め静電容量を低下させてしまうという問題があった。この様な問題を克服する為に導電性高分子を用いた導電結着剤が提案されている。例えば、特許文献4には、ポリアニリンスルホン酸類を、特許文献5には、溶媒に溶解する導電性高分子を、導電性結着剤として用いることが提案されているが、前述のような問題がある。また、特許文献6では結着剤として脱ドープ状態の導電性高分子を用いた電極をドーピング処理し、導電性を付与させた後にキャパシタ電極として用いることが提案されているが、前述のように、電極のドーピング処理は煩雑であり、電極内部に存在するポリアニリンを完全に導電化させることは困難である、という問題があった。
特開平7−201676号公報 特開2002−25868号公報 特開2002−25865号公報 特開2003−17370号公報 特開2003−92104号公報 特開2006−128150号公報
従って、本発明は、前述の従来技術の問題点を排除して、導電性高分子化合物を分極性電極として使用する電気二重層キャパシタにおいて、より簡易に、結着剤を使用することなく、導電性に優れ、かつ高静電容量の電気二重層キャパシタを与えるポリアニリン/多孔性炭素複合体を得ることを目的とする。
本発明に従えば、非極性有機溶媒中にドープされた状態で分散した導電性ポリアニリン又はその誘導体を多孔性炭素材料に複合化させてなるポリアニリン/多孔性炭素複合体、並びにそれを活物質として用いた分極性電極及び電気二重層キャパシタが提供される。
本発明に従えば、前記導電性ポリアニリン又はその誘導体が、水及び非極性有機溶媒からなる混合溶媒において、分子量調整剤及び、必要に応じ、相間移動触媒の存在下に、スルホン酸とアニリン又はその誘導体とを酸化重合することにより得られる、非極性有機溶媒中に安定に分散したものである前記ポリアニリン/多孔性炭素複合体が提供される。
本発明によれば、導電性ポリアニリンがドープされた状態で分散された非極性有機溶媒を用いることによって、結着剤を用いることなく、内部抵抗が小さい複合電極を簡易な方法で得ることができる。
本発明者らは前記課題を解決すべく研究を進めた結果、ポリアニリンが非極性有機溶媒中にドープされた状態で分散したポリアニリン分散液を作製し、このポリアニリン分散液を多孔性炭素系材料に、結着剤を用いることなく、複合化することによって電極活物質として調製し、それを集電体に接着させることによって分極性電極を構成することによって前記目的を達成することに成功した。
本発明では、ポリアニリンを非極性有機溶媒中で化学重合させることによってドープされた状態のポリアニリン分散液を、大量に、効率的に製造することができ、また結着剤を用いることなく、容易に多孔性炭素と複合化させてポリアニリン/多孔性炭素複合体を得ることができる。
本発明者らは、導電性高分子は導電性の高いドープ状態では溶媒に溶けにくいために加工性が悪く、さらに凝集を起こすことにより電極活物質と均一に混合させることができないため、結着能力に劣るので、導電性高分子を均一に混合させることができれば、結着力と電子伝導度の両立が可能になると考え、ドープ状態で非極性有機溶媒中に分散しているポリアニリンを用いることによって、簡便な方法で導電性高分子であるポリアニリンと電極活物質を均一に混合させる事によって、導電性ポリアニリン又はその誘導体が多孔性炭素材料などの電極活物質の結着剤として作用することができることを見出した。
本発明において使用されるポリアニリン又はその誘導体は、通常、アニリンもしくはその誘導体又はこれらの任意の混合物を酸化重合することによって得られる。アニリン誘導体としては、アニリンの4位以外の位置に、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基を置換基として少なくとも一つ有するアニリン誘導体が例示できる。好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、好ましくは炭素数6〜10のアリール基を置換基として少なくとも一つ有するアニリン誘導体が例示できる。
本発明において使用するドーパントは、非極性溶媒中にポリアニリンを分散させるものができる任意の有機酸化合物とすることができ、具体的には一つ又は複数のスルホン酸基を有する脂肪族又は芳香族スルホン酸及びこれらの塩であり、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、高級脂肪族エステルのスルホン酸、(ジ)アルキルスルホコハク酸、高級脂肪族アミドのスルホン酸、カンファースルホン酸及びこれらの塩類を挙げることができ、好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸及びその塩等が挙げられる。これらのドーパントの使用量は、特に限定はないが、アニリン又はその誘導体1モル当り、0.01〜5モル使用するのが望ましく、0.1〜3モル使用するのが更に好ましい。
アニリンの酸化重合のための酸化剤としては、上記アニリン又はその誘導体を重合し得うるものであれば特に限定はなく、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸類、過酸化水素、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、重クロム酸カリウム、過マンガン酸カリウム、過酸化水素−第一鉄塩等のレドックス開始剤等が好ましく用いられる。これら酸化剤は単独で使用しても2種以上併用してもよい。これら酸化剤の使用量としては、上記アニリン又はその誘導体を酸化重合し得る量であれば特に限定はないが、アニリン又はその誘導体1モルに対して、好ましくは0.01〜10モル、より好ましくは0.1〜5モルである。
本発明において使用される分子量調整剤としては、4位に置換基を有するアニリン誘導体、チオール化合物、ジスルフィド化合物及び/又はα−メチルスチレンダイマーが挙げられる。4位に置換基Xを有するアニリン誘導体としては、式(I):
Figure 2008072079
で示される化合物をあげることができる。式(I)において、Xはアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基、ハロゲン基を表し、Yは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基、ハロゲン基を表し、nは0〜4の整数を表し、nが2〜4の整数の場合、Yは同一であっても異なっていても良い。好ましい置換基Xは、炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、炭素数6〜10のアリール基であり、好ましい置換基Yは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、炭素数6〜10のアリール基である。
本発明において使用するチオール化合物及び/又はジスルフィド化合物としては、ブチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、ヘキサデシルメルカプタン、テトラデシルメルカプタン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−メチレンチオールなどのチオール化合物、ジエチルジスルフィド、ジブチルジスルフィド等のアルキルジスルフィド類、ジフェニルジスルフィド、ジベンジルジスルフィド等の芳香族ジスルフィド類、ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィドなどのキサントゲンジスルフィド類、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィドなどのチウラムジスルフィド類などのジスルフィド化合物をあげることができる。これらは公知の化合物であり、その多くは一般に市販されている。分子量調整剤の使用量にも特に限定はないが、アニリン又はその誘導体1モル当り5.0×10-5〜5.0×10-1モル使用するのが好ましく、2.0×10-4〜2.0×10-1モル使用するのが更に好ましい。
本発明の好ましい態様において使用する相間移動触媒としては、一般に相間移動触媒として用いられているものであれば特に限定されないが、具体的には、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムアイオダイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド等のテトラアルキルアンモニウムハライド類;テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド等のテトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイド類;メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド等のテトラアルキルホスホニウムハライド類;12−クラウン4,15−クラウン−5,18−クラウン−6等のクラウンエーテル類等が挙げられ、このうち反応後の触媒の除去等の取り扱い易さの点でテトラアルキルアンモニウムハライド類が好ましく、特には工業的に安価に入手できるテトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド又はテトラ−n−ブチルアンモニウムクロライドが好ましい。本発明において、必要に応じ、使用する相間移動触媒の量は、特に限定されないが、酸化剤に対して、好ましくは、0.0001モル倍量以上、更に好ましくは0.005モル倍量以上用いられるが、相間移動触媒を過剰に用いすぎると反応終了後の単離、精製工程が困難になるため、使用する場合には、好ましくは5モル倍量以下、更に好ましくは、等モル量以下の範囲で用いられる。
本発明に従ってアニリン又はその誘導体を酸化重合させる方法については、前記反応成分を使用することを必須の要件とする以外は従来通りの方法を採用することができ、その他の汎用添加剤も本発明の目的を損なわない限り、従来通りとすることができる。本発明の重合媒体は、水及び有機溶媒といった2種類の液体媒体を溶媒として用いる。上記有機溶媒としては、アニリン又はその誘導体を溶解し、非水溶性であれば特に限定されず、その具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ジクロロエタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル等のエステル類が挙げられ、このうち好ましくは、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類及びハロゲン化炭化水素類であり、特に好ましくは、安価で毒性の低いトルエン及びキシレンである。上記有機溶媒は、2種以上を混合して用いても良い。液体媒体の使用量としては撹拌可能な量であれば良く、通常は、アニリン又はその誘導体に対して、1〜500重量倍量用いられ、好ましくは2〜300重量倍量である。ここで、有機溶剤の使用量は、水に対して、0.05〜30重量倍量用いられ、好ましくは、0.1〜10重量倍量用いられる。
反応温度には特に制限はないが、好ましくは−10〜80℃である。本発明に従って酸化重合されたポリアニリンは収率が非常に高く、通常は80%以上であり、またその電気伝導度は10-9Scm-1以上である。
本発明に従えば、前記ポリアニリン又はその誘導体は前記の二種類の液体溶媒、即ち水及び有機溶媒(例えばトルエン、キシレン)からなる混合溶媒において、前記の分子量調節剤及び、必要に応じ、相間移動触媒の存在下に、前記のドーパント(例えばドデシルベンゼンスルホン酸)と化学重合させることによって得られる。得られたポリアニリン又はその誘導体はドーパントの立体効果及びドーパントの非極性溶媒との親和性によって、ドープされた状態で非極性有機溶媒中に安定に分散されている。
本発明によれば、非極性有機溶媒中にドープされた状態で分散したポリアニリン又はその誘導体を多孔性炭素材料に混合させて乾燥又はろ過・乾燥することにより複合化させてポリアニリン/多孔性炭素複合体を得ることができる。
本発明のポリアニリン/多孔性炭素複合体の調製方法は、特に限定されないが、以下の方法が例示できる。非極性有機溶媒中にドープされた状態で分散したポリアニリン又はその誘導体と多孔性炭素材料を混合させて乾燥又はろ過・乾燥することによりポリアニリン/多孔性炭素複合体を得る方法、非極性有機溶媒中にドープされた状態で分散したポリアニリン又はその誘導体と多孔性炭素材料を混合させて乾燥又はろ過・乾燥させた混合物を溶媒中に分散させる方法、非極性有機溶媒中にドープされた状態で分散したポリアニリン又はその誘導体と多孔性炭素材料を混合させる方法、非極性有機溶媒中にドープされた状態で分散したポリアニリン又はその誘導体と多孔性炭素材料を混合させた混合物と溶媒を混合させる方法を例示できる。
混合の手段としては、例えばボールミル、サンドミル、ビーズミル、三本ロール、高速ディスパーザー、ヘンシェルミキサー、遊星ボールミル、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサーなどの混合機器が挙げられる。
本発明のポリアニリン/多孔性炭素複合体の形態は、特に限定されないが、好ましくは粉末状態又は溶媒中に分散したスラリー状態であることが好ましい。
溶媒としては、水;メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム等のエーテル類;ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPということがある。)、ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類;ジメチルスルホキサイド、スルホラン等のイオウ系溶剤などが挙げられる。
多孔性炭素材料としては、電気二重層キャパシタに一般に用いられる炭素材料が用いられ、要求される特性としては、比表面積の大きいものが好ましい。具体的には、比表面積が100m2/g以上であるものが好ましい。具体例としては、活性炭、ポリアセン、カーボンウィスカ及びグラファイト等が挙げられ、これらの粉末または繊維を使用することができる。好ましい多孔性炭素材料としては、活性炭であり、具体的にはフェノール系、レーヨン系、アクリル系、ピッチ系、又はヤシガラ系等の活性炭を挙げることができる。これら多孔性炭素材料は、単独でまたは二種類以上を組み合わせて使用することができる。多孔性炭素材料を組み合わせて使用する場合は、平均粒径又は粒径分布の異なる二種類以上の炭素材料を組み合わせて使用してもよい。その他の多孔性炭素材料としては、例えばシーエムシー出版発行、「大容量キャパシタ技術と材料」、1998年、日刊工業新聞社発行、「電気二重層キャパシタと蓄電システム」、1999年、B.E.Conway著、「Electrochemical Super Capacitors」,Kluwer Academic/Plenum Publishers,NY,1999年にも記載されている。かかる多孔性炭素材料は公知であり、例えばライオン(株)製ケッチェンブラックEC300J、ケッチェンブラックEC600JD、クラレケミカル(株)製ファイン活性炭RP、ファイン活性炭YPなどとして市販されている。
本発明の好ましい態様では、前記多孔性炭素材料100重量部当り、導電性ポリアニリン又はその誘導体を0.05〜150重量部、好ましくは0.5〜100重量部導電性ポリアニリン又はその誘導体が多孔性炭素材料の結着剤として作用した導電性ポリアニリン/多孔性炭素複合体を得ることができる。導電性ポリアニリン又はその誘導体の配合量が少ないと、目的とする静電容量の増加が困難であり、逆に多いと多孔性炭素材料の表面を被覆し、静電容量を低下させる可能性がある。
本発明によれば、前記ポリアニリン/多孔性炭素複合体を活物質とした電極材料を用いて、これと集電体から分極性電極を構成することができる。集電体としては、特に制限はなく、通常電気二重層キャパシタの集電体として用いられる公知のものが好適に用いられる。白金、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン、ニッケル等の金属、アルミニウム等の合金、黒鉛などの炭素材料や、導電材を混入させた導電性ゴムなどが挙げられる。
分極性電極の具体的な製造方法として、例えばポリアニリン/多孔性炭素複合体をディスク状またはシート状の比較的厚めの電極として形成させる場合、前記手法で形成された粉末状及び/又は溶媒中に分散したスラリー状のポリアニリン/多孔性炭素複合体を、常温または加熱下で錠剤成形機やロールプレス機を用いて必要とされる形状に成型する方法が好ましく用いることができる。この場合、集電体とポリアニリン/多孔性炭素複合体電極との接合は、圧接法、接着法、溶射法のいずれを用いてもよい。
また、ポリアニリン/多孔性炭素複合体を、厚さ10〜750μm程度以下の比較的薄い電極として形成させる場合、前記手法で得られた溶媒中に分散したスラリー状態のポリアニリン/多孔性炭素複合体を集電体上に塗工・乾燥する方法が好ましい。また乾燥後、常温または加熱してプレスすることによってポリアニリン/多孔性炭素複合体の充填密度を大きくすることも可能である。ただし、電極の作製方法は、上記例示の方法に限られることなく、他の方法によることもできる。
また、本発明においては、前述の如く高分子化合物であるポリアニリンを用いているため、結着剤は必ずしも必要ではないが、前記ポリアニリン/多孔性炭素複合体を調製する際及び/又は前記分極性電極を作製する際に用いてもよい。使用できる結着剤には特に限定はなく、例えば、ポリビニリデンフロライド、ポリテトラフロロエチレン、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリ三フッ化塩化エチレン、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸及びその共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル及びその共重合体、ポリイミドなどが挙げられる。
また、本発明においては、多孔性炭素材料と複合化させるポリアニリンが、導電性ポリアニリンであるため、導電剤は必ずしも必要でないが、前記ポリアニリン/多孔性炭素複合体を調製する際及び/又は前記分極性電極を作製する際に用いてもよい。使用できる導電剤には特に限定はなく、例えばカーボンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛、炭素繊維、金属ファイバ、酸化チタン、酸化ルテニウム等が使用できる。特にカーボンブラックの一種であるケッチェンブラック又はアセチレンブラック等や炭素繊維の一種である気相法炭素繊維(昭和電工製、商品名VGCF)やカーボンナノチューブ(GSIクレオス製、商品名カルベール)等は、少量でも効果が大きく好ましい。
本発明によれば、上述の如く、導電性が高く、高静電容量の電気二重層キャパシタを得ることができる。前記分極性電極及び電気二重層キャパシタはポリアニリン/多孔性炭素複合体を用いる以外は一般的な方法で作成することができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
実施例1〜3及び比較例1〜4
ポリアニリン/トルエン分散液の調製
トルエン150gに3gのアニリン、ドデシルベンゼンスルホン酸6.3g、2,4,6−トリメチルアニリン0.15gを溶解させた後、6N塩酸5.36mlを溶解した蒸留水75gを加えた。この混合溶媒にテトラブチルアンモニウムブロマイド0.9gを加え、5℃以下に冷却した後、過硫酸アンモニウム8.1gを溶解させた蒸留水45gを加えた。5℃以下の状態で6時間酸化重合を行った後、トルエン100g、ついでメタノール/水混合溶媒(メタノール:水=2:3(重量比))を加え攪拌を行った。攪拌終了後、トルエン層と水層に分離した反応溶液のうち、水層のみを除去することによりポリアニリン/トルエン分散液を得た。ポリアニリン/トルエン分散液を一部採取し、トルエンを真空留去したところ分散液中に固形分3.1重量%(ポリアニリン含有量1.2重量%)が含まれていた。また、この分散液を孔径1.0μmのフィルターでろ過したところ目詰まりすることはなかった。さらに、この分散液を室温で1年間経過した後も凝集、沈殿することなく安定なままであった。元素分析からドデシルベンゼンスルホン酸のアニオンモノマーユニット当りのモル比は0.45であった。得られたポリアニリンの収率は96%であった。
ポリアニリン/多孔性炭素複合体1の調製
活性炭(比表面積2000m2/g、平均粒子径10μm)10gとポリアニリン/トルエン分散液32.3g(導電性ポリアニリン1g)を5時間攪拌混合し、ついで120℃で5時間加熱乾燥することでトルエンを除去し、ポリアニリン/多孔性炭素複合体1を得た。
ポリアニリン/多孔性炭素複合体2の調製
ポリアニリン/トルエン分散液を64.5g(導電性ポリアニリン2g)に替える以外はポリアニリン/多孔性炭素複合体1を調製する方法と同じ方法で、ポリアニリン/多孔性炭素複合体2を得た。
ポリアニリン/多孔性炭素複合体3の調製
ポリアニリン/トルエン分散液を129.0g(導電性ポリアニリン4g)に替える以外はポリアニリン/多孔性炭素複合体1を調製する方法と同じ方法でポリアニリン/多孔性炭素複合体3を得た。
ポリアニリン/多孔性炭素複合体4の調製
活性炭(比表面積2000m2/g、平均粒子径10μm)10gとポリアニリン/トルエン分散液32.3g(導電性ポリアニリン1g)を5時間攪拌混合し、ついで120℃で5時間乾燥することにより、粉末状の混合物を得た。得られた粉末にN−メチルピロリドンを加え混練することによりスラリー状のポリアニリン/多孔性炭素複合体4を得た。
ポリアニリン/多孔性炭素複合体5の調製
活性炭(比表面積2000m2/g、平均粒子径10μm)10g、ポリアニリンスルホン酸水溶液(三菱レイヨン社製、5質量%水溶液、aquaPASS)40g(ポリアニリンスルホン酸2g)を5時間攪拌混合し、ついで120℃で加熱乾燥することにより水を除去し、ポリアニリン/多孔性炭素複合体5を得た。
ポリアニリン/多孔性炭素複合体6の調製
活性炭(比表面積2000m2/g、平均粒子径10μm)10g、エメラルディン塩基型ポリアニリン2g(アルドリッチ(株)製、Mw=10,000),N−メチル−2−ピロリドン(NMP)60gを5時間攪拌混合し、ついで120℃で5時間加熱乾燥した後、120℃で1時間真空乾燥することでNMPを除去し、ポリアニリン/多孔性炭素複合体6を得た。
ポリアニリン/多孔性炭素複合体7の調製
活性炭(比表面積2000m2/g、平均粒子径10μm)10g、エメラルディン塩型ポリアニリン2g(アルドリッチ(株)製、Mw>15,000)を乳鉢で攪拌混合し、ポリアニリン/多孔性炭素複合体7を得た。
多孔性炭素複合体1の調製
活性炭(比表面積2000m2/g、平均粒子径10μm)10g、導電剤(ライオン(株)製、ケッチェンブラックEC300J)1g、結着剤(アルドリッチ(株)製、ポリフッ化ビニリデン、Mw=530,000)1g、NMP50gを5時間攪拌混合し、ついで120℃で5時間加熱乾燥した後、120℃で1時間真空乾燥することでNMPを除去し、多孔性炭素複合体を得た。
多孔性炭素複合体2の調製
活性炭(比表面積2000m2/g、平均粒子径10μm)10g、導電剤(ライオン(株)製ケッチェンブラックEC300J)1g、結着剤(アルドリッチ(株)製ポリフッ化ビニリデン、Mw=530,000)1g、NMP50gを混練することによりスラリー状の多孔性炭素複合体2を得た。
実施例1
粉末状のポリアニリン/多孔性炭素複合体1を、IR成型器を用いて錠剤型に加圧成型した(圧力10MPa、直径10mm)。得られた成型体を正負両極として使用した。正極、負極の間にポリプロピレン製セパレーターを配置し、2mol/L硫酸水溶液を含浸させることにより電気二重層キャパシタを作製した。このキャパシタの充放電測定は、北斗電工製HJ201Bを使用し、定電流(電極重量あたり100mA/g)─電圧規制にて行なった。充電は、0.7Vまで、放電は、0Vまで行なった。充放電測定は、室温下で行なった。
キャパシタの静電容量は、初期の定電流放電曲線から「電気二重層キャパシタと蓄電システム、第3版、岡村廸夫著、2005、日刊工業新聞」p102に記載のエネルギー換算法に基づいて算出した。キャパシタの内部抵抗rは、定電流放電開始時の、いわゆるirドロップ電圧から求めた。また、キャパシタのサイクル特性は、上記充放電条件で5000サイクルまで充放電を繰り返した後、5000サイクル後の放電容量と初期放電容量から式:
放電容量維持率=5000サイクル後の放電容量/初期放電容量×100(%)
により放電容量維持率を算出し、キャパシタのサイクル特性とした。
ポリアニリン/多孔性炭素複合体1を電極としたキャパシタの放電容量、内部抵抗、サイクル特性を表Iに示す。
実施例2
ポリアニリン/多孔性炭素複合体1の替わりにポリアニリン/多孔性炭素複合体2を用いる以外は、実施例1と同じ方法で、ポリアニリン/多孔性炭素複合体2の電極、キャパシタを作製し、キャパシタの放電容量、内部抵抗、サイクル特性を表Iに示す。
実施例3
ポリアニリン/多孔性炭素複合体1の替わりにポリアニリン/多孔性炭素複合体3を用いる以外は、実施例1と同じ方法で、ポリアニリン/多孔性炭素複合体3の電極、キャパシタを作製し、キャパシタの放電容量、内部抵抗、サイクル特性を表Iに示す。
比較例1
ポリアニリン/多孔性炭素複合体1の替わりにポリアニリン/多孔性炭素複合体5を用いる以外は、実施例1と同じ方法で、ポリアニリン/多孔性炭素複合体5の電極、キャパシタを作製し、キャパシタの放電容量、内部抵抗、サイクル特性を表Iに示す。
比較例2
ポリアニリン/多孔性炭素複合体1の替わりにポリアニリン/多孔性炭素複合体6を用いる以外は、実施例1と同じ方法で、ポリアニリン/多孔性炭素複合体6の電極、キャパシタを作製し、キャパシタの放電容量、内部抵抗、サイクル特性を表Iに示す。
比較例3
粉末状のポリアニリン/多孔性炭素複合体7を、IR成型器を用いて加圧成型を試みたが(圧力10MPa、直径10mm)、錠剤成型できなかった。
比較例4
ポリアニリン/多孔性炭素複合体1の替わりに多孔性炭素複合体を用いる以外は、実施例1と同じ方法で、多孔性炭素複合体の電極、キャパシタを作製し、キャパシタの放電容量、内部抵抗、サイクル特性を表Iに示す。
Figure 2008072079
実施例4〜7及び比較例5〜8
実施例4
粉末状のポリアニリン/多孔性炭素複合体1を、IR成型器を用いて錠剤型に加圧成型した(圧力10MPa、直径10mm)。得られた成型体を正負両極として使用した。正極、負極の間にポリプロピレン製セパレーターを配置し、1mol/L[N(C244]BF4のプロピレンカーボネート溶液を含浸させることにより電気二重層キャパシタを作製した。このキャパシタの充放電測定は、北斗電工製HJ201Bを使用し、定電流(電極重量あたり100mA/g)─電圧規制にて行なった。充電は、2.7Vまで、放電は、0Vまで行なった。充放電測定は、室温下で行なった。
キャパシタの静電容量は、定電流放電曲線から日刊工業新聞社発行、「電気二重層キャパシタと蓄電システム」、第3版、2005,p102に記載のエネルギー換算法に基づいて算出した。キャパシタの内部抵抗rは、定電流放電開始時の、いわゆるirドロップ電圧から求めた。また、キャパシタのサイクル特性は、上記充放電条件で5000サイクルまで充放電を繰り返した後、5000サイクル後の放電容量と初期放電容量から次式:
放電容量維持率=5000サイクル後の放電容量/初期放電容量×100(%)
により放電容量維持率を算出し、キャパシタのサイクル特性とした。
ポリアニリン/多孔性炭素複合体1を電極としたキャパシタの放電容量、内部抵抗、サイクル特性を表IIに示す。
実施例5
ポリアニリン/多孔性炭素複合体1の替わりにポリアニリン/多孔性炭素複合体2を用いる以外は、実施例4と同じ方法で、ポリアニリン/多孔性炭素複合体2の電極、キャパシタを作製し、キャパシタの放電容量、内部抵抗、サイクル特性を表IIに示す。
実施例6
ポリアニリン/多孔性炭素複合体1の替わりにポリアニリン/多孔性炭素複合体3を用いる以外は、実施例4と同じ方法で、ポリアニリン/多孔性炭素複合体3の電極、キャパシタを作製し、キャパシタの放電容量、内部抵抗、サイクル特性を表IIに示す。
実施例7
スラリー状のポリアニリン/多孔性炭素複合体4をアルミニウム箔(厚さ20μm)上にバーコーダー法を用いて塗布、乾燥し、ロールプレスでプレスして成型体を作製した。この成型体を直径10mmの円盤状に打ち抜いて、電気二重層キャパシタの正負両極として使用した。電気二重層キャパシタの作製方法及び評価方法は実施例4と同じ方法で行なった。キャパシタの放電容量、内部抵抗、サイクル特性を表IIに示す。
比較例5
ポリアニリン/多孔性炭素複合体1の替わりにポリアニリン/多孔性炭素複合体5を用いる以外は、実施例4と同じ方法で、ポリアニリン/多孔性炭素複合体5の電極、キャパシタを作製し、キャパシタの放電容量、内部抵抗、サイクル特性を表IIに示す。
比較例6
ポリアニリン/多孔性炭素複合体1の替わりにポリアニリン/多孔性炭素複合体6を用いる以外は、実施例4と同じ方法で、ポリアニリン/多孔性炭素複合体6の電極、キャパシタを作製し、キャパシタの放電容量、内部抵抗、サイクル特性を表IIに示す。
比較例7
ポリアニリン/多孔性炭素複合体1の替わりに多孔性炭素複合体1を用いる以外は、実施例4と同じ方法で、多孔性炭素複合体1の電極、キャパシタを作製し、キャパシタの放電容量、内部抵抗、サイクル特性を表IIに示す。
比較例8
ポリアニリン/多孔性炭素複合体4の替わりに多孔性炭素複合体2を用いる以外は実施例7と同じ方法で、多孔性炭素複合体2の電極、キャパシタを作製し、キャパシタの放電容量、内部抵抗、サイクル特性を表IIに示す。
Figure 2008072079
本発明のポリアニリン/多孔性炭素複合体1〜4を電極として用いた電気二重層キャパシタ(実施例1〜7)は、多孔性炭素複合体1,2を電極として用いた電気二重層キャパシタ(比較例4,7,8)と比較して、キャパシタの内部抵抗が小さく、電極重量当りの静電容量が大きいことがわかる。また、本発明のポリアニリン/多孔性炭素複合体1〜4を電極として用いた電気二重層キャパシタ(実施例1〜7)は、結着剤としてポリアニリンスルホン酸、脱ドープ状態ポリアニリン粉末、ドープ状態ポリアニリン粉末を用いたポリアニリン/多孔性炭素複合体5〜7を電極として用いた電気二重層キャパシタ(比較例1〜3,5〜6)と比較して、電極重量当りの静電容量が大きく、サイクル特性が良好であることがわかる。
以上の通り、本発明のポリアニリン/多孔性炭素複合体1〜4は、導電性ポリアニリン分散液と多孔性炭素材料から簡便に調製可能である。本発明のポリアニリン/多孔性炭素複合体1〜4を電極として用いた電気二重層キャパシタは、内部抵抗が低減し、静電容量を向上させることができる。以上の結果から本発明のポリアニリン/多孔性炭素複合体1〜4中に分散している導電性ポリアニリンは、複合体中を凝集することなく均一に分散し、結着剤、導電剤、電極活物質として機能している。
以上の通り、本発明のポリアニリン/多孔性炭素複合体は、結着剤を使用することなく、導電性に優れ、高静電容量の電気二重層キャパシタを得ることができ、例えば携帯電話等のメモリバックアップ用電源・コンピュータ等における非常用電源・ソーラー発電システム等におけるエネルギー蓄積デバイス・電気−ガソリンハイブリッド自動車等における回生制動エネルギーの蓄積用デバイス等に使用するのに好適である。

Claims (6)

  1. 非極性有機溶媒中にドープされた状態で分散した導電性ポリアニリン又はその誘導体を多孔性炭素材料に複合化させてなるポリアニリン/多孔性炭素複合体。
  2. 前記導電性ポリアニリン又はその誘導体が、水及び非極性有機溶媒からなる混合溶媒中において、分子量調整剤及び、必要に応じ、相間移動触媒の存在下に、スルホン酸とアニリン又はその誘導体とを酸化重合することにより得られる、非極性有機溶媒中に安定に分散したものである請求項1に記載のポリアニリン/多孔性炭素複合体。
  3. 前記導電性ポリアニリン/多孔性炭素複合体の形態が粉末状又は溶媒中に分散したスラリー状である請求項1に記載のポリアニリン/多孔性炭素複合体。
  4. 導電性ポリアニリン又はその誘導体の量が、多孔性炭素材料100重量部当り、0.05〜150重量部である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアニリン/多孔性炭素複合体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリアニリン/多孔性炭素複合体を活物質として用いた電極活物質、集電体及び、必要に応じ、結着剤を含んでなる分極性電極。
  6. 請求項5に記載の分極性電極を正極及び/又は負極に用いた電気二重層キャパシタ。
JP2007038266A 2006-08-18 2007-02-19 ポリアニリン/多孔性炭素複合体及びそれを用いた電気二重層キャパシタ Pending JP2008072079A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007038266A JP2008072079A (ja) 2006-08-18 2007-02-19 ポリアニリン/多孔性炭素複合体及びそれを用いた電気二重層キャパシタ
US11/838,986 US20080042110A1 (en) 2006-08-18 2007-08-15 Polyaniline/porous carbon composite and electric double layer capacitor using the same
DE102007038893A DE102007038893A1 (de) 2006-08-18 2007-08-17 Polyanilin/poröser Kohlenstoff-Komposit sowie elektrischer Doppelschicht-Kondensator unter Verwendung desselben

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006223130 2006-08-18
JP2007038266A JP2008072079A (ja) 2006-08-18 2007-02-19 ポリアニリン/多孔性炭素複合体及びそれを用いた電気二重層キャパシタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008072079A true JP2008072079A (ja) 2008-03-27

Family

ID=38955121

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007038266A Pending JP2008072079A (ja) 2006-08-18 2007-02-19 ポリアニリン/多孔性炭素複合体及びそれを用いた電気二重層キャパシタ

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20080042110A1 (ja)
JP (1) JP2008072079A (ja)
DE (1) DE102007038893A1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012089569A (ja) * 2010-10-15 2012-05-10 Yokohama Rubber Co Ltd:The 導電性高分子/多孔質炭素材料複合体
JP5136733B2 (ja) * 2011-04-11 2013-02-06 横浜ゴム株式会社 導電性高分子/多孔質炭素材料複合体およびそれを用いた電極材料
DE112011103474T5 (de) 2010-10-15 2013-08-01 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Leitfähiger Verbundwerkstoff aus Polymer/porösem Kohlenstoffmaterial und Elektrodenmaterial, das diesen verwendet
JP2018026341A (ja) * 2016-07-29 2018-02-15 日東電工株式会社 蓄電デバイス用正極および蓄電デバイス
KR20180105363A (ko) * 2017-03-15 2018-09-28 가천대학교 산학협력단 함침법에 의한 유기 전도체 제조방법 및 그에 따른 유기 전도체

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101582302B (zh) * 2008-05-14 2011-12-21 清华大学 碳纳米管/导电聚合物复合材料
JP6084679B2 (ja) * 2013-02-20 2017-02-22 横浜ゴム株式会社 炭素材料およびそれを用いた電極材料
CN103087391A (zh) * 2013-03-11 2013-05-08 河南理工大学 抗静电聚合物共混组合物
JP6102678B2 (ja) * 2013-10-24 2017-03-29 横浜ゴム株式会社 黒鉛材料およびそれを用いた電極材料
US10510493B2 (en) 2016-02-04 2019-12-17 Tpr Co., Ltd. Core-shell composite, method for producing the same, electrode material, catalyst, electrode, secondary battery, and electric double-layer capacitor

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5498372A (en) * 1992-08-14 1996-03-12 Hexcel Corporation Electrically conductive polymeric compositions
CN100438142C (zh) * 2001-09-26 2008-11-26 三星Sdi株式会社 电极材料、制备电极材料方法、电极和包括该电极的电池
US20040232390A1 (en) * 2003-04-07 2004-11-25 Tito Viswanathan Highly conductive carbon/inherently conductive polymer composites
US7351359B2 (en) * 2003-10-08 2008-04-01 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Method for producing conductive polyaniline and organic polymer composition

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012089569A (ja) * 2010-10-15 2012-05-10 Yokohama Rubber Co Ltd:The 導電性高分子/多孔質炭素材料複合体
DE112011103474T5 (de) 2010-10-15 2013-08-01 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Leitfähiger Verbundwerkstoff aus Polymer/porösem Kohlenstoffmaterial und Elektrodenmaterial, das diesen verwendet
JP5136733B2 (ja) * 2011-04-11 2013-02-06 横浜ゴム株式会社 導電性高分子/多孔質炭素材料複合体およびそれを用いた電極材料
US9165720B2 (en) 2011-04-11 2015-10-20 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Conductive polymer/porous carbon material composite and electrode material using same
JP2018026341A (ja) * 2016-07-29 2018-02-15 日東電工株式会社 蓄電デバイス用正極および蓄電デバイス
KR20180105363A (ko) * 2017-03-15 2018-09-28 가천대학교 산학협력단 함침법에 의한 유기 전도체 제조방법 및 그에 따른 유기 전도체
KR101949932B1 (ko) 2017-03-15 2019-02-20 가천대학교 산학협력단 함침법에 의한 유기 전도체 제조방법 및 그에 따른 유기 전도체

Also Published As

Publication number Publication date
DE102007038893A1 (de) 2008-02-21
US20080042110A1 (en) 2008-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4294067B2 (ja) ポリアニリン/炭素複合体を用いた電気二重層キャパシタ
JP2008072079A (ja) ポリアニリン/多孔性炭素複合体及びそれを用いた電気二重層キャパシタ
Xu et al. Three-dimensional networked metal–organic frameworks with conductive polypyrrole tubes for flexible supercapacitors
JP2008300639A (ja) ポリアニリン/多孔性炭素複合体を用いた電気二重層キャパシタ
Kumar et al. Electrochemical supercapacitors from conducting polyaniline–graphene platforms
US7585433B2 (en) Polyaniline/carbon composite and electric double-layer capacitor using same
JP5136733B2 (ja) 導電性高分子/多孔質炭素材料複合体およびそれを用いた電極材料
Huang et al. Sewable and cuttable flexible zinc-ion hybrid supercapacitor using a polydopamine/carbon cloth-based cathode
Salleh et al. Electrode polymer binders for supercapacitor applications: A review
Balli et al. Graphene and polymer composites for supercapacitor applications
Salleh et al. Chitosan as biopolymer binder for graphene in supercapacitor electrode
JP5637858B2 (ja) 電気二重層キャパシタ
CN108335921B (zh) 一种聚吡咯纳米管/石墨烯纳米片复合材料、其制备和应用
JP4884710B2 (ja) 炭素材/導電性高分子複合材料及びこの製造方法
JP2012191162A (ja) 電気二重層キャパシタ用電解液
Ahmad et al. Facile synthesis of copper oxide nanoparticles‐decorated polyaniline nanofibers with enhanced electrochemical performance as supercapacitor electrode
Torvi et al. Development of supercapacitor systems based on binary and ternary nanocomposites using chitosan, graphene and polyaniline
EP3637450B1 (en) Negative electrode material for pseudocapacitor and method for manufacturing same
JP2012023196A (ja) 導電性高分子/多孔質炭素材料複合体
KR102220538B1 (ko) 유기 반도체 재료를 포함하는 전극, 전극의 제조 방법 및 상기 전극을 포함하는 슈퍼 커패시터
JP5365052B2 (ja) 電極材料とその製造方法、電気化学素子用電極及び電気化学素子
JP2014075415A (ja) 導電性組成物
JP2010186937A (ja) キャパシタ用電極材料およびそれを用いた電気二重層キャパシタ
JP5360740B2 (ja) 電極材料の製造方法
JP5110147B2 (ja) 導電性高分子/多孔質炭素材料複合体

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080115

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20080312

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20080317

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080415

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080715