JP2008070277A - 電流−電圧変換アンプの検査回路及びそれを用いた光ピックアップ装置 - Google Patents

電流−電圧変換アンプの検査回路及びそれを用いた光ピックアップ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電流−電圧変換アンプの実動作時のハイゲインの周波数特性を劣化させること無く電流−電圧変換アンプの検査を行うことが可能な電流−電圧変換アンプの検査回路を提供する。
【解決手段】フォトダイオード101で生じた光電流を電圧変換する電流−電圧変換アンプ107を検査する回路であって、入力側がテスト端子105に接続され、出力側が電流−電圧変換アンプ107に接続されたカレントミラー回路106を備え、カレントミラー回路106は、電流−電圧変換アンプ107の入力に接続されてミラー電流を生成する出力側NPNトランジスタ130、131と、出力側NPNトランジスタ131と電流−電圧変換アンプ107の入力との間に挿入され、出力側NPNトランジスタ131を流れるミラー電流を電流−電圧変換アンプ107から引き抜くことを断続するアナログスイッチ108とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電流−電圧変換アンプの検査回路に関し、特に光ディスク用ピックアップ装置や各種光センサー等に使用される電流−電圧変換アンプの検査回路に関する。
電流−電圧変換アンプは、光ディスク用ピックアップ装置、カメラ用オートフォーカス装置、光電スイッチ等の各種センサーとして使用されるようになり、テスト容易化の要望に伴って、電流−電圧変換アンプの検査回路が多数提案されている。
以下、図4の回路ブロック図を参照しながら、特許文献1に示される電流−電圧変換アンプの検査回路について説明する。
この電流−電圧変換アンプの検査回路は、図4に示されるように、オペアンプ502及びゲイン抵抗509から構成され、フォトダイオード501と接続された電流−電圧変換アンプ507の検査を行う回路であり、検査用のテスト端子505と、テスト端子505に入力側が接続されたカレントミラー回路506から構成される。
このとき、フォトダイオード501のアノード端子は接地され、カソード端子はオペアンプ502の反転入力端子に接続される。抵抗値Rfのゲイン抵抗509は、オペアンプ502の反転入力端子と出力端子503との間に接続される。オペアンプ502の非反転入力端子は基準電圧Vrefを発生する基準電圧源504に接続される。テスト端子505はカレントミラー回路506を介してオペアンプ502の反転入力端子に接続される。
上記構成を有する回路において、電流−電圧変換アンプ507を実動作させる場合、フォトダイオード501に入射した光によって発生した光電流Ipdがゲイン抵抗509に流れることにより電圧降下が生じ、オペアンプ502の非反転入力端子に接続された基準電圧源504によって与えられる基準電圧Vrefに対して
Vo=Ipd×Rf
で示される出力電圧値Vo、つまりVref+Voが電流−電圧変換アンプ507の出力端子503に出力される。
一方、電流−電圧変換アンプ507の検査を行う場合、フォトダイオード501にテスト光を照射することで上記と同様な実動作を実現し、電流−電圧変換アンプ507を検査することができる。しかし、実際にテスト光をフォトダイオード501に照射して検査する場合、テスト光を照射するためのテスト装置が複雑かつ高価であり、テスト時間も長くなることからテストコストが高くなる。よって、図4の検査回路では、フォトダイオード501にテスト光を照射する代わりに、テスト端子505に電圧を印加して電流−電圧変換アンプ507の検査が行われる。テスト端子505に電圧を印加すると、光電流Ipdと同等のテスト電流Itが電流−電圧変換アンプ507からカレントミラー回路506へ引き抜かれる。電流−電圧変換アンプ507が正常に動作した場合、フォトダイオード501に光を照射した時と同様に、電流−電圧変換アンプ507の出力端子503に基準電圧Vrefに対して
Vot=It×Rf
で与えられる出力電圧値Vot、つまりVref+Votが発生する。従って、光電流Ipdとテスト電流Itとが同一であれば
Vo=Vot
となり、フォトダイオード501に光を照射したときの電流−電圧変換アンプ507の検査と同等の検査をテスト端子505からの電圧印加により行うことができる。
特開平8−129046号公報
ところで、前述した従来の電流−電圧変換アンプの検査回路では、電流−電圧変換アンプがゲイン切り替え機能を有し、ローゲイン(抵抗値が小さいゲイン)のDレンジやリニアリティを測定する場合、mAオーダのテスト電流を電流−電圧変換アンプから引き抜く必要がある。よって、このようなテスト電流引き抜きを目的として、カレントミラー回路のミラー電流を生成する出力側トランジスタの電流能力を増強し、かつ高hfeを保つために、カレントミラー回路の出力側トランジスタの並列数は増やされる。その結果、電流−電圧変換アンプの入力に対して寄生容量が大きくなり実動作時のハイゲイン(抵抗値が大きいゲイン)の周波数特性が劣化するという問題が起きる。
例えば図5の回路ブロック図に示されるように、電流−電圧変換アンプ507が抵抗値Rf1のゲイン抵抗609a、抵抗値Rf2のゲイン抵抗609b及びスイッチ610を有する場合には、ローゲイン(スイッチ610=ON)のDレンジやリニアリティを測定するために、カレントミラー回路506の出力側トランジスタ(Tr1、Tr2)の並列数は増やされる。このようにカレントミラー回路の出力側トランジスタの並列数が増やされた場合、電流−電圧変換アンプ507の入力に対して寄生容量が大きくなるため、図6に示されるように、実動作時のハイゲイン(スイッチ610=OFF)の周波数特性の波形が波形1(出力側トランジスタの並列数が少ないときの波形)から波形2(出力側トランジスタの並列数が多いときの波形)に変化し、周波数特性がfc1からfc2へ劣化する。
また近年、BD(Blu-ray Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等では高周波特性が要求されるため、本特性劣化を補うことが困難となってきている。さらにローゲインとハイゲインとでは供給するテスト電流のオーダが異なることがあるため、ゲインを変更する毎に、テスト端子505に供給する電圧の値(テスターの電圧レンジ)を再設定する必要があるため、検査時のテスト時間も増加する。
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、電流−電圧変換アンプの実動作時のハイゲインの周波数特性を劣化させること無く電流−電圧変換アンプの検査を行うことが可能な電流−電圧変換アンプの検査回路を提供することを第1の目的とする。
また、検査時の時間を削減することが可能な電流−電圧変換アンプの検査回路を提供することを第2の目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る電流−電圧変換アンプの検査回路は、フォトダイオードで生じた光電流を電圧変換する電流−電圧変換アンプを検査する回路であって、入力側が検査端子に接続され、出力側が電流−電圧変換アンプに接続されたカレントミラー回路を備え、前記カレントミラー回路は、前記電流−電圧変換アンプの入力に接続されてミラー電流を生成する第1トランジスタ及び第2トランジスタと、前記第2トランジスタと前記電流−電圧変換アンプの入力との間に挿入され、前記第2トランジスタを流れるミラー電流を前記電流−電圧変換アンプから引き抜くことを断続する第1スイッチとを有することを特徴とする。
これにより、カレントミラー回路の電流−電圧変換アンプの入力と接続される出力側トランジスタの数を第1スイッチにより適切に切り替えることができる。つまり、ローゲイン時は電流能力が必要となるため第1トランジスタ及び第2トランジスタを電流−電圧変換アンプの入力と接続し、ハイゲイン時は第1トランジスタのみを電流−電圧変換アンプの入力と接続することができる。従って、従来の電流−電圧変換アンプの検査回路に比べて、ハイゲイン時の寄生容量を低減することができるため、電流−電圧変換アンプの実動作時のハイゲインの周波数特性劣化を回避できる。
ここで、前記電流−電圧変換アンプは、第1ゲイン抵抗と、前記第1ゲイン抵抗に並列に接続された直列接続の第2ゲイン抵抗、及び第2スイッチとを備え、前記第1スイッチの制御信号を出力する制御端子は、前記第2スイッチの制御信号を出力する制御端子と共用されてもよい。
これにより、ゲイン切り替えに連動して、カレントミラー回路の出力側トランジスタの数を切り替えることができ、第1スイッチ及び第2スイッチの制御端子(回路面積)のいずれかを削減できる。
また、前記カレントミラー回路は、さらに前記第1トランジスタのエミッタに接続された第1抵抗と、前記第2トランジスタのエミッタに接続された第2抵抗とを備え、前記第1抵抗及び第2抵抗の抵抗比は、前記第1ゲイン抵抗及び第2ゲイン抵抗の抵抗比と等しくてもよい。
これにより、電流−電圧変換アンプの各ゲインモード(ハイゲイン及びローゲイン)の検査をする場合、検査端子から供給する電圧の値(テスターの電圧レンジ)又は電流の値(テスターの電流レンジ)を切り替えることなく一定にして、各ゲインモードで必要となる電流をカレントミラー回路の出力側から引き抜くことができる。その結果、検査時の時間を短縮することができる。
また、前記電流−電圧変換アンプの検査回路は、さらに前記第1トランジスタ及び第2トランジスタと前記電流−電圧変換アンプの入力との間に挿入され、前記第1トランジスタ及び第2トランジスタを流れるミラー電流を前記電流−電圧変換アンプから引き抜くことを断続する第3スイッチを備えてもよい。
これにより、実動作時には負荷として作用するカレントミラー回路を電流−電圧変換アンプから切り離し、電流−電圧変換アンプの入力に対する寄生容量を低減することができる。その結果、全ゲインモードにおいて電流−電圧変換アンプの実動作時の周波数特性劣化を回避できる。
また、前記第1スイッチ、第2スイッチ及び第3スイッチはCMOSスイッチであってもよい。
これにより、スイッチ切り替えの制御が簡単で、スイッチ回路の面積が小さく、低消費電力のスイッチを実現するこができる。
また本発明は、上記電流−電圧変換アンプ及びその検査回路を備えることを特徴とする光ピックアップ装置とすることもできる。
これにより、電流−電圧変換アンプの実動作時の周波数特性劣化がなくなる。また、電流−電圧変換アンプの検査を光ピックアップ装置の組み立て前に行える。その結果、品質が高く、かつ特性のよい光ピックアップ装置を実現することができる。
本発明の電流−電圧変換アンプの検査回路によれば、ゲイン切り替え機能を有する電流−電圧変換アンプの検査回路において、ゲイン切り替えに連動してカレントミラー回路の出力側トランジスタの並列数(電流能力)を変更できる。従って、並列数を変更できない従来の電流−電圧変換アンプと比較して、ハイゲイン時の電流−電圧変換アンプの入力に対する寄生容量を低減することができるため、実動作時の周波数特性を劣化させることなく電流−電圧変換アンプの検査を行うことができる。また、電流−電圧変換アンプの検査時に、カレントミラー回路の入力側から供給する電圧の値(テスターの電圧レンジ)又は電流の値(テスターの電流レンジ)を切り替える必要がなくなるため、検査時の時間も削減できる。
以下、本発明の実施の形態における電流−電圧変換アンプの検査回路及び光ピックアップ装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。
(第1の実施の形態)
以下、本実施の形態の電流−電圧変換アンプの検査回路を説明する。図1は同電流−電圧変換アンプ及びその検査回路の一例を示す回路ブロック図である。
電流−電圧変換アンプの検査回路は、図1に示されるように、フォトダイオード101で生じた光電流を電圧変換する電流−電圧変換アンプ107の検査を行う回路である。同回路は、検査用のテスト端子105と、テスト端子105に入力側が接続され、電流−電圧変換アンプ107にテスト電流を供給するカレントミラー回路106から構成される。
電流−電圧変換アンプ107は、オペアンプ102、アナログスイッチ110及びゲイン抵抗109a、109bから構成され、ハイゲイン及びローゲインのゲイン切り替え機能を有する。抵抗値Rf1のゲイン抵抗109aは、オペアンプ102の反転入力端子と出力端子103との間に接続される。抵抗値Rf2のゲイン抵抗109bは、ゲイン抵抗109aと並列に接続され、その一端がオペアンプ102の反転入力端子に接続され、他端がアナログスイッチ110を介して出力端子103に接続される。アナログスイッチ110は、ゲイン抵抗109bと出力端子103との電気的な接続を断続し、ゲイン抵抗109bを選択するか否かを決定する。オペアンプ102の非反転入力端子は基準電圧源104に接続される。
なお、アナログスイッチ110は、本発明の第2スイッチの一例である。
フォトダイオード101のアノード端子は接地され、カソード端子はオペアンプ102の反転入力端子に接続される。
テスト端子105は、カレントミラー回路106を介してオペアンプ102の反転入力端子に接続される。カレントミラー回路106は、並列数がm1の出力側NPNトランジスタ130、並列数がm2の出力側NPNトランジスタ131、電流が入力される入力側NPNトランジスタ132、133、抵抗値R1の抵抗121、抵抗値R2の抵抗122、抵抗値Rbの抵抗123、及びアナログスイッチ108で構成される。出力側NPNトランジスタ130、131は、フォトダイオード101から電流−電圧変換アンプ107への電流経路、つまり電流−電圧変換アンプ107の入力に接続される。抵抗121は出力側NPNトランジスタ130に直列に接続され、抵抗122は出力側NPNトランジスタ131に直列に接続される。アナログスイッチ108は、出力側NPNトランジスタ131のコレクタを介してオペアンプ102の反転入力端子に接続される。アナログスイッチ108は、出力側NPNトランジスタ131と電流−電圧変換アンプ107の入力との間に挿入され、出力側NPNトランジスタ131を流れるミラー電流を電流−電圧変換アンプ107から引き抜くことを断続する。
ここで、アナログスイッチ108、110は、制御回路111から出力される制御信号を共用し、ゲイン切り替え信号(電流切り替え信号)でON・OFF制御される。また、アナログスイッチ108、110は、例えばCMOSから構成される。さらに、出力側NPNトランジスタ130のエミッタに接続される抵抗121と出力側NPNトランジスタ131のエミッタに接続される抵抗122との抵抗比は、ゲイン抵抗109aとゲイン抵抗109bとの抵抗比に等しい(Rf1:Rf2=R1:R2)。
なお、アナログスイッチ108は本発明の第1スイッチの一例である。また、出力側NPNトランジスタ130は本発明の第1トランジスタの一例であり、出力側NPNトランジスタ131は本発明の第2トランジスタの一例である。また、抵抗121は本発明の第1抵抗の一例であり、抵抗122は本発明の第2抵抗の一例である。
次に、上記構成を有する回路の動作を詳細に説明する。
上記構成を有する回路では、電流−電圧変換アンプ107のローゲイン(ゲイン抵抗の抵抗値=Rf1//Rf2、アナログスイッチ110=ON)の検査をする場合、Dレンジやリニアリティを測定する際にmAオーダの電流を引き抜く必要があるために、カレントミラー回路106の出力側トランジスタの電流能力を増強し、かつ高hfeを保つ必要がある。よって、アナログスイッチ110がONにされるのに連動してカレントミラー回路106の電流切り替え用のアナログスイッチ108をONにし、カレントミラー回路106の出力側トランジスタの並列数が増やされる(並列数=m1+m2)。続いて、テスト端子105から所定値の電流Iをカレントミラー回路106の入力側に供給すると、その電流と一定の関係にある電流Iloがカレントミラー回路106の出力側から引き抜かれ、出力が得られる。ここで、オペアンプ102の入力インピーダンスは非常に大きく、電流Iloはゲイン抵抗109a、109bを介して引き抜かれるため、結果として出力端子103は、基準電圧源104によって与えられた基準電圧Vrefに対して、(Rf1//Rf2)×Iloで与えられる電圧値Vloを示す。
従って、出力端子103から所望の電圧値Vref+Vloが出力されているかを測定することで、電流−電圧変換アンプ107のローゲインの動作確認検査を行うことができる。
例えば、Rf1=40kΩ、Rf2=1kΩ、R1=20kΩ、R2=500Ω、Rb=1kΩとすると、ローゲインのゲイン抵抗の抵抗値Rloは、
Rlo=Rf1//Rf2=40/41kΩ
となる。ローゲインのDレンジ(=2V:Vref基準)を測定する際、テスト端子105から所定値の電流I(=1mA)をカレントミラー回路106の入力側から供給して、カレントミラー回路106の出力側から、電流
Ilo=I×Rb/(R1//R2)=2.05mA
を引き抜くと、出力端子103は、基準電圧源104によって与えられた基準電圧Vrefに対して、電圧値
Vlo=Rlo×Ilo=2V
を示す。従って、出力端子103から所望の出力電圧値4Vが出力されているかを測定することでローゲインのDレンジを検査することができる。
また、電流−電圧変換アンプ107のハイゲイン(ゲイン抵抗の抵抗値=Rf1、アナログスイッチ110=OFF)の検査をする場合、Dレンジやリニアリティを測定する際にローゲイン時と比較してカレントミラー回路106の出力側トランジスタの電流能力を小さくできる。よって、アナログスイッチ110がOFFにされるのに連動してカレントミラー回路106の電流切り替え用のアナログスイッチ108をOFFにし、カレントミラー回路106の出力側トランジスタの並列数が減らされる(並列数=m1)。続いて、テスト端子105から所定値の電流Iをカレントミラー回路106の入力側から供給すると、その電流と一定の関係にある電流Ihiがカレントミラー回路106の出力側から引き抜かれるため、出力端子103は、基準電圧源104によって与えられた基準電圧Vrefに対して、Rf1×Ihiで与えられる電圧値Vhiを示す。
従って、出力端子103から所望の電圧値Vref+Vhiが出力されているかを測定することで、電流−電圧変換アンプ107のハイゲインの動作確認検査を行うことができる。
例えば、Rf1=40kΩ、Rf2=1kΩ、R1=20kΩ、R2=500Ω、Rb=1kΩとすると、ハイゲインのゲイン抵抗の抵抗値Rhiは、
Rhi=Rf1=40kΩ
となる。ハイゲインのDレンジ(=2V:Vref基準)を測定する際も、テスト端子105からローゲイン時と同様の所定値の電流I(=1mA)をカレントミラー回路106の入力側から供給して、カレントミラー回路106の出力側から、電流
Ihi=I×Rb/R1=50μA
を引き抜くと、出力端子103は、基準電圧源104によって与えられた基準電圧Vrefに対して、電圧値
Vhi=Rf1×Ihi=2V
を示す。
従って、出力端子103から所望の出力電圧値4Vが出力されているかを測定することでハイゲインのDレンジを検査することができる。
一方、実動作の場合も、電流−電圧変換アンプ107の検査と同様に各ゲインモードに応じてカレントミラー回路106の電流切り替え用のアナログスイッチ108を切り替えることで、従来の電流−電圧変換アンプの検査回路に比べて、ハイゲイン時の寄生容量を低減することができるため、電流−電圧変換アンプの実動作時のハイゲインの交流特性劣化を回避できる。
以上のように本実施の形態の電流−電圧変換アンプの検査回路によれば、各ゲインモードに応じて、カレントミラー回路106の出力側トランジスタの並列数(電流能力)がアナログスイッチ108により適切に切り替えられる。つまり、ローゲイン時は電流能力が必要となるためカレントミラー回路106の出力側トランジスタの並列数が増やされ、ハイゲイン時はカレントミラー回路106の出力側トランジスタの並列数が減らされる。従って、従来の電流−電圧変換アンプの検査回路に比べて、ハイゲイン時の寄生容量を低減することができるため、電流−電圧変換アンプの実動作時のハイゲインの周波数特性劣化を回避できる。
また、本実施の形態の電流−電圧変換アンプの検査回路によれば、アナログスイッチ110及びアナログスイッチ108は制御信号を共用している。従って、ゲイン切り替えに連動して、カレントミラー回路106の出力側トランジスタの並列数(電流能力)を切り替えることができ、アナログスイッチの制御端子(回路面積)を削減できる。
また、本実施の形態の電流−電圧変換アンプの検査回路によれば、出力側NPNトランジスタ130のエミッタに接続される抵抗121と出力側NPNトランジスタ131のエミッタに接続される抵抗122との抵抗比は、ゲイン抵抗109aとゲイン抵抗109bとの抵抗比に等しくされる(Rf1:Rf2=R1:R2)。よって、電流−電圧変換アンプ107の各ゲインモード(ハイゲイン及びローゲイン)の検査をする場合、テスト端子105から供給する電流の値(テスターの電流レンジ)を切り替えることなく一定にして、各ゲインモードで必要となる電流をカレントミラー回路106の出力側から引き抜くことができる。その結果、検査時のテスト時間を短縮することができる。
(第2の実施の形態)
以下、本実施の形態の電流−電圧変換アンプの検査回路を説明する。図2は同電流−電圧変換アンプ及びその検査回路の一例を示す回路ブロック図である。
電流−電圧変換アンプの検査回路は、図2に示されるように、電流−電圧変換アンプ307とカレントミラー回路306との電気的な接続を断続するアナログスイッチ312を備えるという点で第1の実施の形態の検査回路と異なる。
電流−電圧変換アンプ307は、ハイゲイン及びローゲインのゲイン切り替え機能を有し、オペアンプ302、アナログスイッチ310及びゲイン抵抗309a、309bから構成される。抵抗値Rf1のゲイン抵抗309aは、オペアンプ302の反転入力端子と出力端子303との間に接続される。抵抗値Rf2のゲイン抵抗309bは、ゲイン抵抗309aと並列に接続され、その一端がオペアンプ302の反転入力端子に接続され、他端がアナログスイッチ310を介して出力端子303に接続される。アナログスイッチ310は、ゲイン抵抗309bと出力端子303との電気的な接続を断続し、ゲイン抵抗309bを選択するか否かを決定する。オペアンプ302の非反転入力端子は基準電圧源304に接続される。
なお、アナログスイッチ310は、本発明の第2スイッチの一例である。
フォトダイオード301のアノード端子は接地され、カソード端子はオペアンプ302の反転入力端子に接続される。
カレントミラー回路306は、並列数がm1の出力側NPNトランジスタ330、並列数がm2の出力側NPNトランジスタ331、入力側NPNトランジスタ332、333、抵抗値R1の抵抗321、抵抗値R2の抵抗322、抵抗値Rbの抵抗323及びアナログスイッチ308で構成される。抵抗321は出力側NPNトランジスタ330に直列に接続され、抵抗322は出力側NPNトランジスタ331に直列に接続される。出力側NPNトランジスタ330、331は、フォトダイオード301から電流−電圧変換アンプ307への電流経路、つまり電流−電圧変換アンプ307の入力に接続される。アナログスイッチ308は、出力側NPNトランジスタ331のコレクタを介してオペアンプ302の反転入力端子に接続される。アナログスイッチ308は、出力側NPNトランジスタ331と電流−電圧変換アンプ307の入力との間に挿入され、出力側NPNトランジスタ331を流れるミラー電流を電流−電圧変換アンプ307から引き抜くことを断続する。
アナログスイッチ312は、モード切り替え信号で制御され、一端がオペアンプ302の反転入力端子に接続され、他端がカレントミラー回路306を介してテスト端子305に接続される。アナログスイッチ312は、アナログスイッチ308と電流−電圧変換アンプ307の入力との間に挿入され、出力側NPNトランジスタ330及び出力側NPNトランジスタ331を流れるミラー電流を電流−電圧変換アンプ307から引き抜くことを断続する。
ここで、アナログスイッチ308、310は、制御回路311から出力される制御信号を共用し、ゲイン切り替え信号(電流切り替え信号)でON・OFF制御される。また、アナログスイッチ308、310、312はCMOSから構成される。さらに、出力側NPNトランジスタ330のエミッタに接続される抵抗321と出力側NPNトランジスタ331のエミッタに接続される抵抗322との抵抗比は、ゲイン抵抗309aとゲイン抵抗309bとの抵抗比に等しい(Rf1:Rf2=R1:R2)。
なお、アナログスイッチ312は本発明の第3スイッチの一例であり、アナログスイッチ308は本発明の第1スイッチの一例である。また、出力側NPNトランジスタ330は本発明の第1トランジスタの一例であり、出力側NPNトランジスタ331は本発明の第2トランジスタの一例である。また、抵抗321は本発明の第1抵抗の一例であり、抵抗322は本発明の第2抵抗の一例である。
次に、上記構成を有する回路の動作を詳細に説明する。
上記構成を有する回路では、電流−電圧変換アンプ307のローゲイン(ゲイン抵抗の抵抗値=Rf1//Rf2、アナログスイッチ310=ON)の検査をする場合、Dレンジやリニアリティを測定する際にmAオーダの電流を供給する必要があるために、カレントミラー回路306の出力側トランジスタの電流能力を増強し、かつ高hfeを保つ必要がある。よって、カレントミラー回路306のアナログスイッチ308をアナログスイッチ310に連動させてONにし、カレントミラー回路306の出力側トランジスタの並列数が増やされる(並列数=m1+m2)。また、モード切り替え用のアナログスイッチ312をONにし、電流−電圧変換アンプ307がカレントミラー回路306に接続される。続いて、テスト端子305から所定値の電流Iをカレントミラー回路306の入力側に供給すると、その電流と一定の関係にある電流Iloがカレントミラー回路306の出力側から引き抜かれ、出力が得られる。ここで、オペアンプ302の入力インピーダンスは非常に大きく、電流Iloはゲイン抵抗309a、309bを介して引き抜かれるため、結果として出力端子303は、基準電圧源304によって与えられた基準電圧Vrefに対して、(Rf1//Rf2)×Iloで与えられる電圧値Vloを示す。
従って、出力端子303から所望の出力電圧値Vref+Vloが出力されているかを測定することで、電流−電圧変換アンプ307のローゲインの動作確認検査を行うことができる。
また、電流−電圧変換アンプ307のハイゲイン(ゲイン抵抗の抵抗値=Rf1、アナログスイッチ310=OFF)の検査をする場合、Dレンジやリニアリティを測定する際にローゲイン時と比較してカレントミラー回路306の出力側トランジスタの電流能力を小さくできる。よって、カレントミラー回路306のアナログスイッチ308をアナログスイッチ310に連動させてOFFにし、カレントミラー回路306の出力側トランジスタの並列数が減らされる(並列数=m1)。また、モード切り替え用のアナログスイッチ312をONにし、カレントミラー回路306が電流−電圧変換アンプ307に接続される。続いて、テスト端子305から所定値の電流Iをカレントミラー回路306の入力側に供給すると、その電流と一定の関係にある電流Ihiがカレントミラー回路306の出力側から引き抜かれるため、出力端子303は、基準電圧源304によって与えられた基準電圧Vrefに対して、Rf1×Ihiで与えられる電圧値Vhiを示す。
従って、出力端子303から所望の電圧値Vref+Vhiが出力されているかを測定することで、電流−電圧変換アンプ307のハイゲインの動作確認検査を行うことができる。
一方、実動作の場合は、モード切り替え用のアナログスイッチ312をOFFにして、負荷として作用するカレントミラー回路306を切り離す。
以上のように本実施の形態の電流−電圧変換アンプの検査回路によれば、電流−電圧変換アンプの実動作時には負荷として作用するカレントミラー回路306を電流−電圧変換アンプ307から切り離し、電流−電圧変換アンプ307の入力に対する寄生容量を低減する。よって、全ゲインモードにおいて電流−電圧変換アンプの実動作時の周波数特性劣化を回避できる。
また、本実施の形態の電流−電圧変換アンプの検査回路によれば、アナログスイッチ310及びアナログスイッチ308は制御信号を共用している。従って、ゲイン切り替えに連動して、カレントミラー回路306の出力側トランジスタの並列数(電流能力)を切り替えることができ、アナログスイッチの制御端子(回路面積)を削減できる。
また、本実施の形態の電流−電圧変換アンプの検査回路によれば、出力側NPNトランジスタ330のエミッタに接続される抵抗321と出力側NPNトランジスタ331のエミッタに接続される抵抗322との抵抗比は、ゲイン抵抗309aとゲイン抵抗309bとの抵抗比に等しくされる(Rf1:Rf2=R1:R2)。よって、電流−電圧変換アンプ307の各ゲインモード(ハイゲイン及びローゲイン)の検査をする場合、テスト端子305から供給する電流の値(テスターの電流レンジ)を切り替えることなく一定にして、各ゲインモードで必要となる電流をカレントミラー回路306の出力側から引き抜くことができる。その結果、検査時のテスト時間を短縮することができる。
また、本実施の形態の電流−電圧変換アンプの検査回路によれば、アナログスイッチ308、310、312がCMOSスイッチである。従って、スイッチ切り替えの制御が簡単で、スイッチ回路の面積が小さく、低消費電力のスイッチを実現することができる。
(第3の実施の形態)
以下、本実施の形態の光ピックアップ装置を説明する。図3は同光ピックアップ装置の構成の一例を示す図である。
この光ピックアップ装置は、レーザ光を用いて光ディスク媒体405への情報の記録又は再生を行う装置であって、図3に示されるように、レーザ素子401と、第1又は第2の実施の形態の電流−電圧変換アンプ及びその検査回路、フォトダイオード、基準電圧源並びに制御回路を有する光電変換装置407と、光電変換装置407の上方に順に配置された集光レンズ406、ハーフミラー402、コリメートレンズ403及び対物レンズ404とから構成される。
以上のように本実施の形態の光ピックアップ装置は、第1又は第2の実施の形態の電流−電圧変換アンプの検査回路を有する光電変換装置407を備える。よって、電流−電圧変換アンプの実動作時の周波数特性劣化がない光ピックアップ装置を実現できる。また、電流−電圧変換アンプの検査を光ピックアップ装置の組み立て前に行えるため、品質が高く、かつ特性のよい光ピックアップ装置を実現できる。
以上、本発明の電流−電圧変換アンプの検査回路及びこれを用いた光ピックアップ装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。
例えば、上記実施の形態において、出力側トランジスタと接続された2つの抵抗の抵抗比は、2つのゲイン抵抗の抵抗比と異なってもよい。
また、上記実施の形態において、カレントミラー回路の電流切り替え用のアナログスイッチ及び電流−電圧変換アンプのゲイン切り替え用のアナログスイッチは別々の制御信号により制御されてもよい。この場合には、ゲインモードに関わらず、カレントミラー回路の電流切り替え用のアナログスイッチをOFFにすることで、全ゲインモード時の寄生容量を低減することができる。
また、上記実施の形態において、カレントミラー回路の共通ベースとグランド端子との間には抵抗が挿入されてもよい。これによって、実際にICを使用する場合にテスト端子が解放状態であっても、オペアンプの反転入力端子に不要な電流が流れ込むことが無くなり、誤出力を防止することができる。
また、上記実施の形態において、電流−電圧変換アンプは、2段のゲイン切り替えを有するとしたが、ゲインの段数が2段以上あってもよく、制御回路、ゲイン抵抗及びアナログスイッチで構成されるゲイン切り替え回路は他の構成であってもよい。
また、上記実施の形態では、アノードコモンのフォトダイオードに電流−電圧変換アンプを接続しているため、カレントミラー回路はNPNトランジスタにより構成されるとした。しかし、カソードコモンのフォトダイオードに電流−電圧変換アンプを接続し、カレントミラー回路をPNPトランジスタにより構成してもよい。
また、上記実施の形態において、カレントミラー回路をPNPトランジスタタイプとNPNトランジスタタイプの2段構成にし、テスト端子に入力する電流方向を反転させてもよく、入力端子に抵抗を挿入して電圧入力にしてもよい。
また、上記実施の形態において、カレントミラー回路は他の回路構成のものであってもよく、例えば使用する素子がCMOSトランジスタやJ−FETであってもよい。
本発明は、電流−電圧変換アンプの検査回路及びこれを用いた光ピックアップ装置に利用でき、特にゲイン切り替え機能を有する電流−電圧変換アンプの検査回路等に利用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る電流−電圧変換アンプ及びその検査回路の一例を示す回路ブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る電流−電圧変換アンプ及びその検査回路の一例を示す回路ブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係る光ピックアップ装置の構成の一例を示す図である。 従来の電流−電圧変換アンプ及びその検査回路を示す回路ブロック図である。 従来の電流−電圧変換アンプ及びその検査回路を示す回路ブロック図である。 電流−電圧変換アンプにおける周波数特性劣化を説明するためのグラフである。
符号の説明
101、301、501 フォトダイオード
102、302、502 オペアンプ
103、303、503 出力端子
104、304、504 基準電圧源
105、305、505 テスト端子
106、306、506 カレントミラー回路
107、307、507 電流−電圧変換アンプ
108、110、308、310、312 アナログスイッチ
109a、109b、309a、309b、509、609a、609b ゲイン抵抗
111、311 制御回路
121、122、123、321、322、323 抵抗
130、131、330、331 出力側NPNトランジスタ
132、133、332、333 入力側NPNトランジスタ
401 レーザ素子
402 ハーフミラー
403 コリメートレンズ
404 対物レンズ
405 光ディスク媒体
406 集光レンズ
407 光電変換装置
610 スイッチ

Claims (7)

  1. フォトダイオードで生じた光電流を電圧変換する電流−電圧変換アンプを検査する回路であって、
    入力側が検査端子に接続され、出力側が電流−電圧変換アンプに接続されたカレントミラー回路を備え、
    前記カレントミラー回路は、前記電流−電圧変換アンプの入力に接続されてミラー電流を生成する第1トランジスタ及び第2トランジスタと、前記第2トランジスタと前記電流−電圧変換アンプの入力との間に挿入され、前記第2トランジスタを流れるミラー電流を前記電流−電圧変換アンプの入力から引き抜くことを断続する第1スイッチとを有する
    ことを特徴とする電流−電圧変換アンプの検査回路。
  2. 前記電流−電圧変換アンプは、第1ゲイン抵抗と、前記第1ゲイン抵抗に並列に接続された直列接続の第2ゲイン抵抗、及び第2スイッチとを備え、
    前記第1スイッチの制御信号を出力する制御端子は、前記第2スイッチの制御信号を出力する制御端子と共用される
    ことを特徴とする請求項1に記載の電流−電圧変換アンプの検査回路。
  3. 前記カレントミラー回路は、さらに前記第1トランジスタのエミッタに接続された第1抵抗と、前記第2トランジスタのエミッタに接続された第2抵抗とを備え、
    前記第1抵抗及び第2抵抗の抵抗比は、前記第1ゲイン抵抗及び第2ゲイン抵抗の抵抗比と等しい
    ことを特徴とする請求項2に記載の電流−電圧変換アンプの検査回路。
  4. 前記電流−電圧変換アンプの検査回路は、さらに前記第1トランジスタ及び第2トランジスタと前記電流−電圧変換アンプの入力との間に挿入され、前記第1トランジスタ及び第2トランジスタを流れるミラー電流を前記電流−電圧変換アンプの入力から引き抜くことを断続する第3スイッチを備える
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電流−電圧変換アンプの検査回路。
  5. 前記第1スイッチ、第2スイッチ及び第3スイッチはCMOSスイッチである
    ことを特徴とする請求項4に記載の電流−電圧変換アンプの検査回路。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電流−電圧変換アンプ及びその検査回路を備える
    ことを特徴とする光ピックアップ装置。
  7. ハイゲイン及びローゲインのゲイン切り替え機能を有し、フォトダイオードで生じた光電流を電圧変換する電流−電圧変換アンプを、ミラー電流を生成する複数のトランジスタを有し、入力側が検査端子に接続され、出力側が前記電流−電圧変換アンプの入力に接続されたカレントミラー回路を用いて検査する方法であって、
    前記ハイゲインの電流−電圧変換アンプを検査するときには、前記複数のトランジスタのうちの所定の数のトランジスタを流れるミラー電流を前記電流−電圧変換アンプの入力から引き抜き、前記ローゲインの電流−電圧変換アンプを検査するときには、前記複数のトランジスタのうちの前記所定の数より大きい数のトランジスタを流れるミラー電流を前記電流−電圧変換アンプの入力から引き抜く
    ことを特徴とする電流−電圧変換アンプの検査方法。
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