JP2008069841A - 転がり軸受装置 - Google Patents

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英夫 芝田
Tadashi Fukao
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Abstract

【課題】振動の制振性に優れる転がり軸受装置を提供すること。
【解決手段】外輪6の外周面に制振材料からなる制振部材2を外嵌して固定する。上記制振部材2の軸方向の寸法を、外輪6の軸方向の寸法よりも大きくする。制振部材2における外輪6の軸方向の一方の側の端面よりも軸方向の外方に位置する軸方向外方部分11に、第1端面としての軸方向の端面23と、端面23よりも軸方向の外方に位置する第2端面としての軸方向の端面24とを形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、転がり軸受と、制振部材とを備える転がり軸受装置に関する。
従来、転がり軸受装置としては、特開2004−108539号公報(特許文献1)に記載されているものがある。
この転がり軸受装置は、玉軸受と、第1および第2の制振部材とからなる。上記第1および第2の制振部材は、玉軸受の軸方向の断面において、断面コ字状の形状をしている。上記第1の制振部材は、外輪の外周面と、外輪の軸方向の両端の端面とに当接するように、上記外輪に嵌め込み固定されている一方、第2の制振部材は、内輪の内周面と、内輪の軸方向の両側の端面とに当接するように、上記内輪に嵌め込み固定されている。
上記従来の転がり軸受装置は、上記第1および第2の制振部材を、断面コ字状の形状にすることにより、制振部材を、玉軸受の軌道輪に容易に組み付けできるようにしている。
しかしながら、上記従来の転がり軸受装置では、制振部材の変位の自由度が小さくて、振動を制振部材の内部組織の熱エネルギーに変換しにくい構成をしているから、制振効果が小さいという問題がある。また、上記従来の転がり軸受装置では、制振部材が変位しにくい構造をしていて、制振部材が歪みを生じ易い構造であるから、制振部材を、歪みが大きくなると制振性が失われる強磁性型制振合金材料で構成している場合、制振部材に生じる歪みによって、制振部材の制振性が失われるという問題がある。
特開2004−108539号公報(第2図)
そこで、本発明の課題は、振動の制振性に優れる転がり軸受装置を提供することにある。また、本発明は、転がり軸受装置の制振部材として、強磁性型制振合金製の制振部材を採用したとしても、振動を制振できる転がり軸受装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の転がり軸受装置は、
内輪、外輪および転動体を有する転がり軸受と、
上記外輪の外周面に当接する内周面を有すると共に、制振材料からなる制振部材と
を備え、
上記制振部材は、上記外輪の軸方向の一方の側の端面よりも上記軸方向の外方に位置する軸方向外方部分を有し、
上記軸方向外方部分は、
上記軸方向の第1端面と、
上記第1端面よりも上記軸方向の外方に位置する上記軸方向の第2端面と
を有していることを特徴としている。
また、この発明の転がり軸受装置は、
内輪、外輪および転動体を有する転がり軸受と、
上記内輪の内周面に当接する外周面を有すると共に、制振材料からなる制振部材と
を備え、
上記制振部材は、上記内輪の軸方向の一方の側の端面よりも上記軸方向の外方に位置する軸方向外方部分を有し、
上記軸方向外方部分は、
上記軸方向の第1端面と
上記第1端面よりも上記軸方向の外方に位置する上記軸方向の第2端面と
を有していることを特徴としている。
本発明によれば、制振部材が、外輪(または内輪)の軸方向の一方の側の端面よりも軸方向の外方に位置する軸方向外方部分を有するから、制振部材が、転がり軸受の外輪(または内輪)の軸方向の端面よりも軸方向の外方に位置する部分を有さない構成と比較して、軸方向外方部分の質量だけ、質量を大きくすることができる。したがって、マス効果、すなわち、制振部材の質量が大きくなるにしたがって制振部材の制振性が増大する効果によって、制振性を向上させることができる。
また、本発明によれば、軸方向外方部分が、軸方向の第1端面と、第1端面よりも軸方向の外方に位置する第2端面とを有しているから、例えば、第2端面が軸方向の最外方に位置する端面である場合、第2端面を転がり軸受装置の軸方向に隣接する部分に当接する面として使用できて、第2端面を、転がり軸受装置の軸方向の位置決めの基準として使用できる。
一方、第1端面は、上記軸方向に隣接する部分に当接することがないから、軸方向外方部分における第1端面に軸方向に対応する部分の軸方向の変形の自由度を大きくすることができる。したがって、振動が制振部材に伝わった際に生じる制振部材の変位を大きくすることができるから、上記振動のエネルギーを、制振部材の内部組織の摩擦に起因する熱エネルギーに効率良く変換できて、制振部材の制振性を向上させることができる。
また、本発明によれば、軸方向外方部分における第1端面に軸方向に対応する部分において軸方向の変位が許容される構成であって、制振部材に歪みが生じにくい構成であるから、制振部材として、歪みが大きくなると制振性が失われる強磁性型制振合金材料からなる制振部材を採用したとしても、振動を制振することができる。
また、一実施形態の転がり軸受装置は、上記軸方向外方部分が、環状形状を有し、上記第1端面および第2端面が、上記外輪の中心軸に垂直であり、上記軸方向外方部分の上記軸方向の端面が、上記第1端面と上記第2端面とからなり、上記第1端面が、上記軸方向外方部分の周方向に間隔をおいて配置されると共に、同一の形状を有する複数の周方向離間部分からなり、上記第1端面の径方向の寸法が、上記第2端面の径方向の寸法よりも大きくなっている。
上記実施形態によれば、第1端面における上記第2端面よりも径方向の内方または外方に突出している部分の周方向の変形の自由度を大きくすることができる。したがって、振動が制振部材に伝わった際に生じる制振部材の変位を更に大きくすることができるから、制振部材の制振性を更に向上させることができる。
本発明の転がり軸受装置によれば、制振部材が、外輪(または内輪)の軸方向の一方の側の端面よりも軸方向の外方に位置する軸方向外方部分を有するから、制振部材の質量を、軸方向外方部分の質量だけ大きくすることができる。したがって、マス効果によって制振部材の制振性を向上させることができる。
また、本発明の転がり軸受装置によれば、第1端面が、転がり軸受装置に軸方向に隣接する部分に当接することがないから、軸方向外方部分における第1端面に軸方向に対応する部分の軸方向の変形の自由度を大きくすることができる。したがって、振動が制振部材に伝わった際に生じる制振部材の変位を大きくすることができるから、上記振動のエネルギーを、制振部材の内部組織の摩擦に起因する熱エネルギーに効率良く変換できて、制振部材の制振性を向上させることができる。
また、本発明の転がり軸受装置によれば、軸方向外方部分における第1端面に軸方向に対応する部分において軸方向の変位が許容される構成であって、制振部材に歪みが生じにくい構成であるから、制振部材として、歪みが大きくなると制振性が失われる強磁性型制振合金材料からなる制振部材を採用したとしても、振動を制振することができる。
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の転がり軸受装置の軸方向の断面図である。
この転がり軸受装置は、玉軸受1と、制振部材2とを備える。
上記玉軸受1は、内輪5と、外輪6と、転動体の一例としての玉7とを有する。内輪5、外輪6および玉7は、軸受鋼、肌焼鋼または工具鋼等の鋼材からなっている。上記内輪5は、この転がり軸受装置が設置されている自動車のディファレンシャルギヤ装置や工作機械等の装置の回転軸(図示せず)に外嵌されて固定されている。また、上記玉7は、内輪5の軌道溝と外輪6の軌道溝との間に、保持器(図示しない)によって保持された状態で、周方向に所定の間隔を隔てられて複数配置されている。
上記制振部材2は、強磁性型制振合金材料、双晶型制振合金材料、または、防振ゴムからなっている。ここで、強磁性型制振合金材料としては、例えば、Fe−Al系合金材料、Fe−Cr系合金材料(例えば、サイレンタロイ(登録商標)やジェンタロイ(登録商標)等)、または、Co−Ni系合金等がある。また、強磁性型制振合金材料としては、例えば、特開昭52−73118号公報、特開平04−99148号公報および特開平06−220583号公報に記載されている強磁性型制振合金材料等がある。また、双晶型制振合金材料としては、例えば、Mn−Cu系合金、Cu−Al−Ni系合金、Ti−Ni系合金等がある。尚、この発明の制振部材の材料として、如何なる強磁性型制振合金材料、如何なる双晶型制振合金材料、または、如何なる防振ゴム材料を採用しても良いことは言うまでもない。
上記制振部材2は、環状であり、図1に示す断面において、断面矩形状の形状を有している。上記制振部材2は、径方向外方部分10と、第1の軸方向外方部分11と、第2の軸方向外方部分12とを有する。上記径方向外方部分10は、外輪6の径方向の外方に位置している。上記径方向外方部分10の軸方向の幅は、外輪6の軸方向の幅と略同一になっている。上記径方向外方部分10の内周面は、外輪6の外周面に締まり嵌めされている一方、径方向外方部分10の外周面は、上記工作機械等の装置のハウジング14の内周面に隙間嵌めされている。
上記第1の軸方向外方部分11は、径方向外方部分10の軸方向の一端に連なっている一方、第2の軸方向外方部分12は、径方向外方部分10の軸方向の他端に連なっている。上記第1の軸方向外方部分11は、玉軸受1の軸方向の一方の側の端面よりも軸方向の外方に位置している一方、第2の軸方向外方部分12は、玉軸受1の軸方向の他方の側の端面よりも軸方向の外方に位置している。
上記第1の軸方向外方部分11の外周面および第2の軸方向外方部分12の外周面は、ハウジング14の内周面に隙間嵌めされている。
図2は、制振部材2を、外輪6の中心軸を含む一平面に射影した投影図である。尚、図2においては、制振部材2と、外輪6の軌道溝との位置関係を明確にするため、制振部材2の位置に加えて、外輪6の位置を点線で示している。
図2において、点線20は、外輪6を、上記一平面に投影した場合における外輪6の縁を示している。また、矢印Aは、軸方向を示している。また、円弧状の点線部分33は、外輪6の軌道溝を示す図である。
図2に示すように、第1の軸方向外方部分11は、径方向外方部分10の軸方向の一方の側の端面22から軸方向に突出する同一形状の複数の第1突出部27と、径方向外方部分10の軸方向の一方の側の端面22から軸方向に突出する同一形状の複数の第2突出部28とからなる。
上記複数の第1突出部27および第2突出部28の夫々は、周方向に互いに間隔をおいて配置されている。また、第1突出部27と第2突出部28の個数は、同一であり、第1突出部27と第2突出部28は、周方向に交互に配置されている。また、上記第1突出部27と、第2突出部28とは、隙間を介して周方向に隣接している。言い換えると、第1突出部27と第2突出部28との間には、軸方向に延在していると共に、径方向の外方および内方に開口している切欠き30が形成されている。
また、上記第1突出部27の軸方向の外方の端面23は、第2突出部28の軸方向の外方の端面24よりも軸方向の内方に位置している。ハウジング14は、ハウジング14における制振部材2が当接している内周面から径方向の内方に突出する突出部36を有している。図1に示すように、上記第2突出部28の上記端面24は、ハウジング14の突出部36に軸方向に当接している。上記第1突出部27の軸方向の外方の端面23は、軸方向外方部分の第1端面を構成し、第2突出部28の軸方向の外方の端面24は、軸方向外方部分の第2端面を構成している。
一方、第2の軸方向外方部分12は、径方向外方部分10の軸方向の他方の側の端面32から軸方向に突出する同一形状の複数の第3突出部38からなっている。
上記複数の第3突出部38は、周方向に互いに間隔をおいて配置されている。周方向に隣接する第3突出部38の間には、軸方向に延在すると共に、径方向の外方および内方に開口する切欠き39が形成されている。
上記第1実施形態の転がり軸受装置によれば、制振部材2が、外輪6の軸方向の一方の側の端面よりも軸方向の外方に位置する軸方向外方部分11,12を有するから、制振部材が、転がり軸受の外輪の軸方向の端面よりも軸方向の外方に位置する部分を有さない構成と比較して、軸方向外方部分11,12の質量だけ、質量を大きくすることができる。したがって、マス効果、すなわち、制振部材の質量が大きくなるにしたがって制振部材の制振性が増大する効果によって、制振性を向上させることができる。
また、上記第1実施形態の転がり軸受装置によれば、軸方向外方部分11が、端面23と、この端面23よりも軸方向の外方に位置する端面24とを有し、かつ、端面24は、軸方向の最外方に位置しているから、端面24を転がり軸受装置の軸方向に隣接する部分(第1実施形態では、ハウジング14の突出部36に相当)に当接する面として使用できて、端面24を、転がり軸受装置の軸方向の位置決めの基準として使用できる。
一方、第1突出部27の端面23は、上記軸方向に隣接する部分に当接することがないから、軸方向外方部分11における端面23に軸方向に対応する部分(第1実施形態では第1突出部27に相当)の軸方向の変形の自由度を大きくすることができる。したがって、振動が制振部材2に伝わった際に生じる制振部材2の変位を大きくすることができるから、上記振動のエネルギーを、制振部材2の内部組織の摩擦に起因する熱エネルギーに効率良く変換できて、制振部材2の制振性を向上させることができる。
また、上記第1実施形態の転がり軸受装置によれば、軸方向外方部分11における端面23に軸方向に対応する部分(第1実施形態では第1突出部27に相当)において軸方向の変位が許容される構成であって、制振部材2に歪みが生じにくい構成であるから、制振部材2として、歪みが大きくなると制振性が失われる強磁性型制振合金材料からなる制振部材を採用したとしても、振動を制振することができる。
尚、上記第1実施形態の転がり軸受装置は、玉軸受1を含む構成であったが、この発明の転がり軸受装置は、ころ軸受(円筒ころ軸受、円錐ころ軸受)等、玉軸受以外の転がり軸受を含む構成であっても良い。
また、上記第1実施形態の転がり軸受装置では、図1に示すように、玉軸受1の軸方向の両側において、内輪5と外輪6との間の開口が、シールされていない構造であるが、この発明では、軸方向の少なくとも一方の開口が、金属製の板からなるシール部材(シールド板)、または、金属製の芯金部とゴム製のシールリップとを有するシール部材でシールされていても良い。また、少なくとも一方の開口をシール部材でシールする場合、シール部材は、回転輪に対して接触して摺動する構造であっても良く、回転輪に対して非接触なラビリンス構造であっても良い。
また、上記第1実施形態の転がり軸受装置では、玉7を保持する保持器を使用したが、この発明の転がり軸受装置が玉軸受を含む構成である場合、保持器として、冠形保持器を使用しても良く、二つの環状部の間を複数の柱部で連結してなる構造の保持器を使用しても良い。また、この発明の転がり軸受装置は、保持器を有さない構造であっても良く、この発明の転がり軸受装置は、所謂総玉軸受を含む構成であっても良い。
また、上記第1実施形態の転がり軸受装置では、制振部材2の外周面を、ハウジング14の内周面に隙間嵌めしたが、この発明では、制振部材の外周面を、ハウジングの内周面に、中間嵌めあるいは締まり嵌めしても良い。また、上記第1実施形態の転がり軸受装置では、径方向外方部分10の内周面を、外輪6の外周面に締まり嵌めしたが、この発明では、径方向外方部分を、外輪の外周面に中間嵌めあるいは隙間嵌めしても良い。
また、上記第1実施形態の転がり軸受装置では、制振部材2を外輪6に固定した転がり軸受装置を、回転部材である回転軸と、静止部材であるハウジング14との間に配置したが、この発明では、制振部材を外輪に固定した転がり軸受装置を、静止部材である軸と、回転部材であるハウジング(スリーブ)との間に配置しても良い。
また、上記第1実施形態の転がり軸受装置では、制振部材2の軸方向の一方の側の第1の軸方向外方部分11のみが、端面23と、端面23よりも軸方向の外方に位置する端面24とを有していた。しかしながら、この発明では、例えば、ハウジングの内周面が、転がり軸受装置の軸方向の両側に、径方向の内方に延在する突出部を有して、転がり軸受装置を、転がり軸受装置の軸方向の両側の突出部で挟むことによって、転がり軸受装置の軸方向の移動を制限する場合に、制振部材の軸方向の両方の側の軸方向外方部分の夫々が、第1端面と、第1端面よりも軸方向の外方に位置する第2端面とを有していても良い。
また、上記第1実施形態の転がり軸受装置では、制振部材2が、環状であり、制振部材2の軸方向外方部分11,12が、環状であったが、この発明では、制振部材の軸方向外方部分は、その軸方向外方部分が、第1端面とこの第1端面よりも軸方向の外方に位置する第2端面を有する場合でも、第1端面とこの第1端面よりも軸方向の外方に位置する第2端面を有さない場合でもどちらでも、環状であっても環状でなくてもどちらでも良い。
また、第1実施形態の転がり軸受装置では、第1の軸方向外方部分11が、軸方向の存在位置が異なる二つの端面23および24を有していたが、この発明では、軸方向外方部分は、軸方向の存在位置が互いに異なる三つ以上の端面を有していても良い。この場合、最外方に位置する端面を、転がり軸受装置の軸方向の位置決めとして使用しても良いことは、言うまでもない。
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態の転がり軸受装置の軸方向の断面図である。
第2実施形態の転がり軸受装置では、第1実施形態の転がり軸受装置の構成部と同一構成部には同一参照番号を付して説明を省略することにする。また、第2実施形態の転がり軸受装置では、第1実施形態の転がり軸受装置と共通の作用効果および変形例については説明を省略することにし、第1実施形態の転がり軸受装置と異なる構成、作用効果についてのみ説明を行うことにする。
図3に示すように、第2実施形態の転がり軸受装置では、第1実施形態と異なり、軸方向の存在位置が異なる二つの軸方向の端面53,54を有する軸方向外方部分51が、外輪6の軸方向の端面に当接する部分を有している。
図4は、図3のB矢視図であり、図3に矢印Bで示す軸方向から軸方向外方部分51を見たときの図である。図4において、参照番号6は、外輪を示している。
図4に示すように、制振部材42の軸方向外方部分51は、環状形状を有している。上記軸方向外方部分51は、外輪6の端面58に当接する複数の突出部からなっている。図4に示すように、各突出部は、径方向外方部分10の軸方向の外方の端面59に軸方向に連なると共に、径方向外方部分10の上記端面59から外輪6と内輪5との間の開口に軸方向に対向する部分まで径方向に延在している。
上記複数の突出部は、同一形状の複数の第1突出部55と、同一形状の複数の第2突出部56とからなる。図4に示す矢視図において、第1および第2突出部55,56の夫々は、矩形状において幅方向の一方の辺が円弧に取り換えられた形状をしている。第1突出部55の軸方向の肉厚は、第2突出部56の軸方向の肉厚よりも薄くなっている。いいかえると、第1突出部55の端面53は、第2突出部56の端面54よりも軸方向の内方に位置している。第1突出部55の端面53は、第1端面を構成し、第2突出部56の端面54は、第2端面を構成している。図4に示すように、第1突出部55と、第2突出部56は、軸方向外方部分51の周方向に、互い違いに配置されている。また、周方向に隣接する第1突出部55と第2突出部56とは、周方向に離間されて配置されている。
上記第2実施形態の転がり軸受装置によれば、軸方向外方部分51が有する2つの端面53,54のうちで軸方向の内方に位置する端面53を有する第1突出部55が、ハウジング14の内周面から外輪6の径方向の内端を超えて外輪6と内輪5との間の開口に軸方向に対向する部分まで径方向の内方に延在する構成であって、第1突出部55が、軸方向に拘束(束縛)されない部分を有する構成であるから、第1突出部55の軸方向の変位を大きくすることができる。したがって、制振部材42の制振性を向上させることができる。
尚、上記第2実施形態の転がり軸受装置では、第1突出部55と、第1突出部55よりも軸方向の肉厚が厚い第2突出部56とを、周方向に交互に配置したが、この発明では、第1突出部と、第1突出部よりも軸方向の肉厚が厚い第2突出部との数は、同一でなくて良く、また、第1突出部と、第1突出部よりも軸方向の肉厚が厚い第2突出部とを周方向に交互に配置しなくても良い。
また、上記第2実施形態の転がり軸受装置では、第1突出部55と、この第1突出部55よりも軸方向の肉厚が厚い第2突出部56の両方は、外輪6の軸方向の端面158に当接すると共に、外輪6と内輪5との間の開口に軸方向に対向する部分を有していたが、この発明では、第1突出部と、この第1突出部よりも軸方向の肉厚が厚い第2突出部のうちの少なくとも一方は、外輪の軸方向の端面に当接すると共に、外輪と内輪との間の開口に軸方向に対向する部分を有していなくても良い。
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態の転がり軸受装置における図4に対応する図である。
第3実施形態の転がり軸受装置では、第2実施形態の転がり軸受装置の構成部と同一構成部には同一参照番号を付して説明を省略することにする。また、第3実施形態の転がり軸受装置では、第1、第2実施形態の転がり軸受装置と共通の作用効果および変形例については説明を省略することにし、第1、第2実施形態の転がり軸受装置と異なる構成、作用効果についてのみ説明を行うことにする。
第3実施形態の転がり軸受装置では、軸方向外方部分71は、複数の突出部60と、複数の円弧状部63とからなる。上記突出部60は、ハウジングの内周面から外輪6と内輪との間の開口に軸方向に対向する部分まで径方向に延在している。上記突出部60は、外輪6の端面68に当接する部分と、外輪6と内輪との間の開口に軸方向に対向する部分とを有している。隣接する突出部60は、周方向に間隔をおいて配置されている。上記突出部60の端面62は、軸方向外方部分71の周方向に間隔をおいて配置されると共に、同一の形状を有する複数の周方向離間部分からなっている。
上記円弧状部63は、円筒の一部からなる。上記円弧状部63は、周方向において隣接する突出部60の間に位置している。上記円弧状部63の軸方向の肉厚は、突出部60の軸方向の肉厚よりも厚くなっている。上記円弧状部63の端面64は、突出部60の端面62よりも軸方向の外方に位置している。上記突出部60の端面62は、第1端面を構成し、円弧状部63の端面64は、第2端面を構成している。
第3実施形態の転がり軸受装置によれば、端面62が、軸方向外方部分71の周方向に間隔をおいて配置されると共に、同一の形状を有する複数の周方向離間部分からなり、端面62の径方向の寸法が、端面64の径方向の寸法よりも大きくなっているから、端面62における端面64よりも径方向の内方に突出している部分の周方向の変形の自由度を大きくすることができる。したがって、振動が制振部材に伝わった際に生じる制振部材72の変位を更に大きくすることができるから、制振部材72の制振性を更に向上させることができる。
尚、第3実施形態の転がり軸受装置では、各円弧状部63は、周方向において隣接する突出部60の間に位置していて、円筒の一部からなる構造をしていた。しかしながら、この発明では、軸方向外方部分が、一つの円筒部と、複数の突出部とからなり、上記突出部が、円筒部の内周面における上記突出部の軸方向の外方の端面よりも軸方向の内方に位置する部分から突出し、かつ、複数の上記突出部が、互いに周方向に間隔をおいた状態で周方向に所定間隔に配置されていても良い。
(第4実施形態)
図6は、本発明の第4実施形態の転がり軸受装置の軸方向の断面図である。
第4実施形態の転がり軸受装置では、第1実施形態の転がり軸受装置の構成部と同一構成部には同一参照番号を付して説明を省略することにする。また、第4実施形態の転がり軸受装置では、第1実施形態の転がり軸受装置と共通の作用効果および変形例については説明を省略することにし、第1実施形態の転がり軸受装置と異なる構成、作用効果についてのみ説明を行うことにする。
この転がり軸受装置は、玉軸受1と、制振部材102とを備える。
上記玉軸受1は、内輪5と、外輪6と、転動体の一例としての玉7とを有する。上記外輪6は、この転がり軸受装置が設置されている自動車のディファレンシャルギヤ装置や工作機械等の装置のハウジング14に内嵌されて固定されている。
上記制振部材102は、強磁性型制振合金材料、双晶型制振合金材料、または、防振ゴムからなっている。ここで、強磁性型制振合金材料としては、例えば、Fe−Al系合金材料、Fe−Cr系合金材料(例えば、サイレンタロイ(登録商標)やジェンタロイ(登録商標)等)、または、Co−Ni系合金等がある。また、強磁性型制振合金材料としては、例えば、特開昭52−73118号公報、特開平04−99148号公報および特開平06−220583号公報に記載されている強磁性型制振合金材料等がある。また、双晶型制振合金材料としては、例えば、Mn−Cu系合金、Cu−Al−Ni系合金、Ti−Ni系合金等がある。尚、この発明の制振部材の材料として、如何なる強磁性型制振合金材料、如何なる双晶型制振合金材料、または、如何なる防振ゴム材料を採用しても良いことは言うまでもない。
上記制振部材102は、環状であり、図6に示す断面において、断面矩形状の形状を有している。上記制振部材102は、径方向内方部分110と、第1の軸方向外方部分111と、第2の軸方向外方部分112とを有する。上記径方向内方部分110は、内輪5の径方向の内方に位置している。上記径方向内方部分110の軸方向の幅は、内輪5の軸方向の幅と略同一になっている。上記径方向内方部分110の外周面は、内輪5の内周面に締まり嵌めされている一方、径方向内方部分110の内周面は、上記工作機械等の装置の回転軸104の外周面に締まり嵌めされている。
上記第1の軸方向外方部分111は、径方向内方部分110の軸方向の一端に連なっている一方、第2の軸方向外方部分112は、径方向内方部分110の軸方向の他端に連なっている。上記第1の軸方向外方部分111は、玉軸受1の軸方向の一方の側の端面よりも軸方向の外方に位置している一方、第2の軸方向外方部分112は、玉軸受1の軸方向の他方の側の端面よりも軸方向の外方に位置している。上記第1の軸方向外方部分111の外周面および第2の軸方向外方部分112の外周面は、回転軸104の外周面に締まり嵌めされている。
図7は、制振部材102を、内輪5の中心軸を含む一平面に射影した投影図である。尚、図7においては、制振部材102と、内輪5の軌道溝との位置関係を明確にするため、制振部材102の位置に加えて、内輪5の位置を点線で示している。
図7において、点線120は、内輪5を、上記一平面に投影した場合における内輪5の縁を示している。また、円弧状の点線部分133は、内輪5の軌道溝を示している。また、矢印Cは、軸方向を示している。
図7に示すように、第1の軸方向外方部分111は、径方向内方部110の軸方向の一方の側の端面122から軸方向に突出する同一形状の複数の第1突出部127と、径方向内方部110の軸方向の一方の側の端面122から軸方向に突出する同一形状の複数の第2突出部128とからなる。
上記複数の第1突出部127および第2突出部128の夫々は、周方向に互いに間隔をおいて配置されている。また、第1突出部127と第2突出部128の個数は、同一であり、第1突出部127と第2突出部128は、周方向に交互に配置されている。また、上記第1突出部127と、第2突出部128とは、隙間を介して周方向に隣接している。第1突出部127と第2突出部128との間には、軸方向に延在していると共に、径方向の外方および内方に開口している切欠き130が形成されている。
また、上記第1突出部127の軸方向の外方の端面123は、第2突出部128の軸方向の外方の端面124よりも軸方向の内方に位置している。
回転軸104は、回転軸104における制振部材102が当接している外周面から径方向の外方に突出する突出部136(図6参照)を有している。図6に示すように、上記第2突出部128の上記端面124は、回転軸104の突出部136に軸方向に当接している。上記第1突出部127の軸方向の外方の端面123は、軸方向外方部分111の第1端面を構成し、第2突出部128の軸方向の外方の端面124は、軸方向外方部分の第2端面を構成している。
一方、第2の軸方向外方部分112は、径方向内方部110の軸方向の他方の側の端面132から軸方向に突出する同一形状の複数の第3突出部138からなっている。
上記複数の第3突出部138は、周方向に互いに間隔をおいて配置されている。周方向に隣接する第3突出部138の間には、軸方向に延在すると共に、径方向の外方および内方に開口する切欠き139が形成されている。
上記第4実施形態の転がり軸受装置によれば、制振部材102が、内輪5の軸方向の一方の側の端面よりも軸方向の外方に位置する軸方向外方部分111,112を有するから、制振部材が、転がり軸受の内輪の軸方向の端面よりも軸方向の外方に位置する部分を有さない構成と比較して、軸方向外方部分111,112の質量だけ、質量を大きくすることができる。したがって、マス効果、すなわち、制振部材の質量が大きくなるにしたがって制振部材の制振性が増大する効果によって、制振性を向上させることができる。
また、上記第4実施形態の転がり軸受装置によれば、軸方向外方部分111が、第1突出部127の端面123と、この端面123よりも軸方向の外方に位置する第2突出部128の端面124とを有しているから、端面124を転がり軸受装置の軸方向に隣接する部分(第4実施形態では、回転軸104の突出部136に相当)に当接する面として使用できて、端面124を、転がり軸受装置の軸方向の位置決めの基準として使用できる。
一方、第1突出部127の端面123は、上記軸方向に隣接する部分に当接することがないから、第1の軸方向外方部分111における端面123に軸方向に対応する部分(第4実施形態では第1突出部127に相当)の軸方向の変形の自由度を大きくすることができる。したがって、振動が制振部材102に伝わった際に生じる制振部材102の変位を大きくすることができるから、上記振動のエネルギーを、制振部材102の内部組織の摩擦に起因する熱エネルギーに効率良く変換できて、制振部材102の制振性を向上させることができる。
また、上記第4実施形態の転がり軸受装置によれば、第1の軸方向外方部分111における端面123に軸方向に対応する部分(第4実施形態では第1突出部127に相当)において軸方向の変位が許容される構成であって、制振部材102に歪みが生じにくい構成であるから、制振部材102として、歪みが大きくなると制振性が失われる強磁性型制振合金材料からなる制振部材を採用したとしても、振動を制振することができる。
また、上記第4実施形態の転がり軸受装置では、制振部材102の内周面を、回転軸104の外周面に締まり嵌めしたが、この発明では、制振部材の内周面を、回転軸104の外周面に、隙間嵌めあるいは中間嵌めしても良い。また、上記第4実施形態の転がり軸受装置では、径方向内方部110の外周面を、内輪5の内周面に締まり嵌めしたが、この発明では、径方向外方部分を、内輪の内周面に隙間嵌めあるいは中間嵌めしても良い。
また、上記第4実施形態の転がり軸受装置では、制振部材102を内輪5に固定した転がり軸受装置を、回転部材である回転軸と、静止部材であるハウジング14との間に配置したが、この発明では、制振部材を内輪に固定した転がり軸受装置を、静止部材である軸と、回転部材であるハウジング(スリーブ)との間に配置しても良い。
また、上記第4実施形態の転がり軸受装置では、制振部材102の軸方向の一方の側の軸方向外方部分111のみが、端面123と、端面123よりも軸方向の外方に位置する端面124とを有していた。しかしながら、この発明では、例えば、回転軸が、転がり軸受装置の軸方向の両側に、径方向に延在する突出部を有して、転がり軸受装置をその転がり軸受装置の軸方向の両側の突出部で挟むことによって、転がり軸受装置の軸方向の移動を制限する場合に、制振部材の軸方向の両方の側の軸方向外方部分の夫々が、第1端面と、第1端面よりも軸方向の外方に位置する第2端面とを有していても良い。
また、上記第4実施形態の転がり軸受装置では、制振部材102が、環状であり、制振部材102の軸方向外方部分111,112が、環状であったが、この発明では、制振部材の軸方向外方部分は、その軸方向外方部分が、第1端面とこの第1端面よりも軸方向の外方に位置する第2端面を有する場合でも、第1端面とこの第1端面よりも軸方向の外方に位置する第2端面を有さない場合でもどちらでも、環状であっても環状でなくてもどちらでも良い。
また、第4実施形態の転がり軸受装置では、軸方向外方部分111が、軸方向の存在位置が異なる二つの端面123および124を有していたが、この発明では、軸方向外方部分は、軸方向の存在位置が互いに異なる三つ以上の端面を有していても良い。この場合、最外方に位置する端面を、転がり軸受装置の軸方向の位置決めとして使用しても良いことは、言うまでもない。
(第5実施形態)
図8は、本発明の第5実施形態の転がり軸受装置の軸方向の断面図である。
第5実施形態の転がり軸受装置では、第4実施形態の転がり軸受装置の構成部と同一構成部には同一参照番号を付して説明を省略することにする。また、第5実施形態の転がり軸受装置では、第1、第4実施形態の転がり軸受装置と共通の作用効果および変形例については説明を省略することにし、第1、第4実施形態の転がり軸受装置と異なる構成、作用効果についてのみ説明を行うことにする。
図8に示すように、第5実施形態の転がり軸受装置では、第4実施形態と異なり、軸方向の存在位置が異なる二つの軸方向の端面153,154を有する軸方向外方部分151が、内輪5の軸方向の端面に当接する部分を有している。
図9は、図8のD矢視図であり、図8に矢印Dで示す軸方向から軸方向外方部分151を見たときの図である。図8において、参照番号5は、内輪を示している。
図9に示すように、制振部材142の軸方向外方部分151は、環状形状を有している。上記軸方向外方部分51は、内輪5の端面158に当接する複数の突出部からなっている。図9に示すように、各突出部は、径方向内方部分110の軸方向の外方の端面159に軸方向に連なると共に、径方向内方部分110の上記端面159から外輪6と内輪5との間の開口に軸方向に対向する部分まで径方向の外方に延在している。
上記複数の突出部は、同一形状の複数の第1突出部155と、同一形状の複数の第2突出部156とからなる。図9に示す矢視図において、第1および第2突出部155,156は、矩形状において幅方向の一方の辺が円弧に取り換えられた形状をしている。第1突出部155の軸方向の肉厚は、第2突出部156の軸方向の肉厚よりも薄くなっている。いいかえると、第1突出部155の端面153は、第2突出部156の端面154よりも軸方向の内方に位置している。第1突出部155の端面153は、第1端面を構成し、第2突出部156の端面154は、第2端面を構成している。図9に示すように、第1突出部155と、第2突出部156は、軸方向外方部分151の周方向に、互い違いに配置されている。また、周方向に隣接する第1突出部155と第2突出部156とは、周方向に離間されて配置されている。
上記第5実施形態の転がり軸受装置によれば、軸方向外方部分151が有する2つの端面153,154のうちで軸方向の内方に位置する端面153を有する第1突出部155が、回転軸104の外周面から内輪5の径方向の外端を超えて内輪5と外輪6との間の開口に軸方向に対向する部分まで径方向の外方に延在する構成であって、第1突出部155が、軸方向に拘束(束縛)されない部分を有する構成であるから、第1突出部155の軸方向の変位を大きくすることができる。したがって、制振部材142の制振性を向上させることができる。
尚、上記第5実施形態の転がり軸受装置では、第1突出部155と、第1突出部155よりも軸方向の肉厚が厚い第2突出部156とを、周方向に交互に配置したが、この発明では、第1突出部と、第1突出部よりも軸方向の肉厚が厚い第2突出部との数は、同一でなくて良く、また、第1突出部と、第1突出部よりも軸方向の肉厚が厚い第2突出部とを周方向に交互に配置しなくても良い。
また、上記第5実施形態の転がり軸受装置では、第1突出部155と、この第1突出部155よりも軸方向の肉厚が厚い第2突出部156の両方は、内輪5の軸方向の端面158に当接すると共に、内輪5と外輪6との間の開口に軸方向に対向する部分を有していたが、この発明では、第1突出部と、この第1突出部よりも軸方向の肉厚が厚い第2突出部のうちの少なくとも一方は、内輪の軸方向の端面に当接すると共に、内輪と外輪との間の開口に軸方向に対向する部分を有していなくても良い。
(第6実施形態)
図10は、第6実施形態の転がり軸受装置における図9に対応する図である。
第6実施形態の転がり軸受装置では、第5実施形態の転がり軸受装置の構成部と同一構成部には同一参照番号を付して説明を省略することにする。また、第6実施形態の転がり軸受装置では、第1、第4、第5実施形態の転がり軸受装置と共通の作用効果および変形例については説明を省略することにし、第1、第4、第5実施形態の転がり軸受装置と異なる構成、作用効果についてのみ説明を行うことにする。
第6実施形態の転がり軸受装置では、軸方向外方部分171は、同一形状の複数の突出部160と、複数の円弧状部163とからなる。上記突出部160は、回転軸の外周面から内輪5と外輪との間の開口に軸方向に対向する部分まで径方向の外方に延在している。上記突出部160は、内輪5の端面168に当接する部分と、内輪5と外輪との間の開口に軸方向に対向する部分とを有している。隣接する突出部160は、周方向に間隔をおいて配置されている。また、図10に示すように、上記突出部160の端面162は、軸方向外方部分171の周方向に間隔をおいて配置されると共に、同一の形状を有する複数の周方向離間部分からなっている。
上記円弧状部163は、円筒の一部からなる。上記円弧状部163は、周方向において隣接する突出部160の間に位置している。上記円弧状部163の軸方向の肉厚は、突出部160の軸方向の肉厚よりも厚くなっている。すなわち、上記円弧状部163の端面164は、突出部160の端面162よりも軸方向の外方に位置している。上記突出部160の端面162は、第1端面を構成し、円弧状部163の端面164は、第2端面を構成している。
第6実施形態の転がり軸受装置によれば、端面162が、軸方向外方部分171の周方向に間隔をおいて配置されると共に、同一の形状を有する複数の周方向離間部分からなり、端面162の径方向の寸法が、端面164の径方向の寸法よりも大きくなっているから、端面162における端面164よりも径方向の内方に突出している部分の軸方向の変形の自由度を大きくすることができる。したがって、振動が制振部材に伝わった際に生じる制振部材172の変位を更に大きくすることができるから、制振部材172の制振性を更に向上させることができる。
尚、第6実施形態の転がり軸受装置では、各円弧状部163は、周方向において隣接する突出部160の間に位置していて、円筒の一部からなる構造をしていた。しかしながら、この発明では、軸方向外方部分が、一つの円筒部と、複数の突出部とからなり、上記突出部が、円筒部の外周面における上記突出部の軸方向の外方の端面よりも軸方向の内方に位置する部分から径方向の外方に突出し、かつ、複数の上記突出部が、互いに周方向に間隔をおいた状態で周方向に所定間隔に配置されていても良い。
本発明の第1実施形態の転がり軸受装置の軸方向の断面図である。 第1実施形態の転がり軸受装置の制振部材を、外輪の中心軸を含む一平面に射影した投影図である。 本発明の第2実施形態の転がり軸受装置の軸方向の断面図である。 図3のB矢視図である。 本発明の第3実施形態の転がり軸受装置における図4に対向する図である。 本発明の第4実施形態の転がり軸受装置の軸方向の断面図である。 第4実施形態の転がり軸受装置の制振部材を、内輪の中心軸を含む一平面に射影した投影図である。 本発明の第5実施形態の転がり軸受装置の軸方向の断面図である。 図8のD矢視図である。 本発明の第6実施形態の転がり軸受装置における図9に対向する図である。
符号の説明
1 玉軸受
2,42,72,102,142,172 制振部材
5 内輪
6 外輪
7 玉
11,12,51,71,111,112,151,171 軸方向外方部分
23,53,62,123,153,162 第1端面
24,54,64,124,154,164 第2端面

Claims (3)

  1. 内輪、外輪および転動体を有する転がり軸受と、
    上記外輪の外周面に当接する内周面を有すると共に、制振材料からなる制振部材と
    を備え、
    上記制振部材は、上記外輪の軸方向の一方の側の端面よりも上記軸方向の外方に位置する軸方向外方部分を有し、
    上記軸方向外方部分は、
    上記軸方向の第1端面と、
    上記第1端面よりも上記軸方向の外方に位置する上記軸方向の第2端面と
    を有していることを特徴とする転がり軸受装置。
  2. 内輪、外輪および転動体を有する転がり軸受と、
    上記内輪の内周面に当接する外周面を有すると共に、制振材料からなる制振部材と
    を備え、
    上記制振部材は、上記内輪の軸方向の一方の側の端面よりも上記軸方向の外方に位置する軸方向外方部分を有し、
    上記軸方向外方部分は、
    上記軸方向の第1端面と
    上記第1端面よりも上記軸方向の外方に位置する上記軸方向の第2端面と
    を有していることを特徴とする転がり軸受装置。
  3. 請求項1または2に記載の転がり軸受装置において、
    上記軸方向外方部分は、環状形状を有し、
    上記第1端面および第2端面は、上記外輪の中心軸に垂直であり、
    上記軸方向外方部分の上記軸方向の端面は、上記第1端面と上記第2端面とからなり、
    上記第1端面は、上記軸方向外方部分の周方向に間隔をおいて配置されると共に、同一の形状を有する複数の周方向離間部分からなり、
    上記第1端面の径方向の寸法は、上記第2端面の径方向の寸法よりも大きいことを特徴とする転がり軸受装置。
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