JP2008069416A - 焼結金属製フィルタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】空孔率を高めることで処理可能な流体の流量を増加させた焼結金属製フィルタを大量かつ低コストに生産する。
【解決手段】原料粉末1に、原料粉末1の焼結温度より低温で分解可能な樹脂粉末2を加えた混合粉末3を圧縮成形する。圧縮成形により得られた圧粉成形体4を樹脂粉末2の分解温度まで加熱して樹脂粉末2を気化除去する。その後、原料粉末1の焼結温度まで加熱して圧粉成形体4’を焼結することで、焼結金属製フィルタを得る。
【選択図】図1
【解決手段】原料粉末1に、原料粉末1の焼結温度より低温で分解可能な樹脂粉末2を加えた混合粉末3を圧縮成形する。圧縮成形により得られた圧粉成形体4を樹脂粉末2の分解温度まで加熱して樹脂粉末2を気化除去する。その後、原料粉末1の焼結温度まで加熱して圧粉成形体4’を焼結することで、焼結金属製フィルタを得る。
【選択図】図1
Description
本発明は、焼結金属製フィルタの製造方法に関する。
従来、気体や液体中の不純物を除去する目的で、種々のフィルタが使用されている。最も一般的なものとして、金属繊維を網目状に配し、これを層状に重ねることで形成される金属製フィルタが知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、最近では、フィルタの製造コストを低減する目的で、フィルタを焼結金属で形成したものも提案されている(特許文献2を参照)。
また、濾過対象となる流体の性質に合わせて、フィルタに特定の機能を付与したものが提案されている。例えば、フィルタに所要の耐腐食性や耐熱性などを付与する目的で、SUSやNi合金、Co合金、Cr合金等で形成したフィルタが提案されている。この場合、SUS粉末を焼結することで、あるいはSUS粉末を加圧成形することで得た粉末予備成形体を焼結することでフィルタを形成する方法が開示されている(例えば、特許文献3を参照)。
特開2002−204913号公報
特開平09−313836号公報
特開平08−309126号公報
ところで、この種のフィルタを低コスト化の目的で焼結形成する場合、当該フィルタのフィルタ機能は、一般に、内部空孔の割合(空孔率ともいう)や個々の孔の大きさに依存することが知られている。例えばフィルタを通過する流体の流量を実用的なレベルにまで引き上げるためには、フィルタ全体に対して内部空孔の占める割合を所要の値まで高める必要があるが、焼結金属製フィルタでそれを実行するのは容易ではない。
すなわち、なるべく内部空孔を多く残して焼結しようとする場合、例えば原料となる金属粉末を、完成品となるフィルタの形状に合わせた金型に充填し、これを加圧せずに焼結する方法が考えられる。しかしながら、この方法では、充填粉末を金型ごと焼結炉に入れて焼結する必要があるため、一度の製造プロセスでは当該金型の数しか製造することができない。これでは、生産性が悪く大量生産には不向きである。また、充填粉末の見かけ密度を充填毎に一定に保つことは難しいため、これを加圧せずに焼結したものの密度にばらつきが出易く、結果として均一な特性を有する量産品(フィルタ)を得ることが難しいという問題もある。
金型に充填した原料粉を一旦加圧成形した後、かかる圧粉成形体を金型から取り出して焼結するようにすれば、大量生産は可能である。しかしながら、この方法では、圧粉成形体の強度を確保するため(ハンドリング性を確保するため)に、ある程度高密度に加圧成形する必要が生じる。そのため、この方法では、フィルタとして必要となる大きさの空孔率を得ることが難しい。
ここで、特許文献2に開示の発明は、フィルタを構成する金属粒子の耐食性に着目してなされたものであり、生産性の向上、あるいは空孔率の改善といった上述の問題点に対して何ら解決のための手段を示唆していない。また、特許文献3に開示の発明は、金属粉末材料の焼結方法に着目してなされたものであるから、そもそも量産品としてのフィルタを対象としたものではない。また、同文献には、上述の金属粉末を加圧成形したものを熱間等方圧加圧焼結する旨が記載されているが、かかる方法では、上述の問題点(加圧成形により空孔率の上限が制限)を解決することにはならず、また解決のための手段について何ら示唆を与えるものでもない。
以上の事情に鑑み、本発明では、空孔率を高めることで処理可能な流体の流量を増加させた焼結金属製フィルタを大量かつ低コストに生産することを技術的課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、金属粉末からなる原料粉末を焼結して得られる焼結金属製フィルタの製造方法であって、原料粉末に樹脂粉末を加えたものを圧縮成形し、圧粉成形体中の樹脂粉末を除去した後に、圧粉成形体を焼結することを特徴とする焼結金属製フィルタの製造方法を提供する。
このように、最終的な製品を構成する原料粉末(主に金属粉末)とは別の粉末材料を一時的に加えることで、適度な圧粉成形を可能とし、これにより得られる圧粉成形体の強度を確保することができる。また、原料粉末に加える粉末材料として樹脂粉末を使用し、当該粉末を含む圧粉成形体中から樹脂粉末を除去し、その後に、樹脂粉末を除去した状態の圧粉成形体を原料粉末の焼結温度まで加熱すれば、樹脂粉末を空孔に置換した状態の焼結金属製フィルタを得ることができる。従って、上述の方法であれば、1つの金型に対して多数の焼結金属製フィルタを低コストに製造することができ、しかも、従来品に比べて空孔率を高めた焼結金属製フィルタを得ることができる。
前記樹脂粉末の除去方法としては、例えば溶剤を用いて行う方法の他、樹脂粉末として、原料粉末の焼結温度より低温で分解可能なものを使用し、かつ圧粉成形体を樹脂粉末の分解温度まで加熱することで行う方法が挙げられる。特に、後述のように、熱分解により樹脂粉末を気化除去する方法であれば、圧粉成形体中の樹脂粉末を漏れなく確実に除去することができる。また、溶剤を用いて樹脂粉末を除去する場合のように、樹脂粉末を除去するための工程、設備あるいは材料(溶剤など)などを別途必要としないため、コスト面でも好ましい。
原料粉末に加える樹脂粉末の配合量は2wt%以上10wt%以下とするのが好ましい。これは、少なくとも2wt%以上は樹脂粉末を加えないと、樹脂粉末の除去による空孔の増加作用が十分に得られないためである。また、配合量の上限値を10wt%としたのは、最終的に焼結される原料粉末同士の接触面積をある程度残しておくことで、焼結体の強度を確保するためである。なお、ここでいう樹脂粉末の配合量は、当該樹脂粉末を原料粉末に加えた粉末(混合粉末)全体に占める樹脂粉末の割合(重量比)を意味する。
以上より、本発明によれば、空孔率を高めることで処理可能な流体の流量を増加させた焼結金属製フィルタを大量かつ低コストに生産することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を図1に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る焼結金属製フィルタの製造方法の一例を概念的に示している。この製造方法は、原料粉末と樹脂粉末とを混合する工程(a)、混合粉末を成形金型内に充填し、圧粉成形する工程(b)、圧粉成形体中の樹脂粉末を除去する工程(c)、そして、樹脂粉末を除去した状態の圧粉成形体を焼結して原料粉末の焼結体を得る工程(d)とを含む。以下、各工程を時系列順に説明する。
(a)粉末混合工程
まず、図1(a)に示すように、最終的な製品(フィルタ)を構成し、金属粉末からなる原料粉末1と、樹脂粉末2とを混合する。この実施形態では、使用する樹脂粉末2としては、原料粉末1の焼結温度より低温で分解可能なものを使用する。また、この際、使用する原料粉末1としては、樹脂粉末2に比べて粒径の大きいものが好ましい。樹脂粉末2を除去した状態で、原料粉末1同士の接触面積をなるべく確保するためである。
まず、図1(a)に示すように、最終的な製品(フィルタ)を構成し、金属粉末からなる原料粉末1と、樹脂粉末2とを混合する。この実施形態では、使用する樹脂粉末2としては、原料粉末1の焼結温度より低温で分解可能なものを使用する。また、この際、使用する原料粉末1としては、樹脂粉末2に比べて粒径の大きいものが好ましい。樹脂粉末2を除去した状態で、原料粉末1同士の接触面積をなるべく確保するためである。
(b)圧粉成形工程
次に、工程(a)で得られた混合粉末3を、成形金型内部に充填し、これを圧縮成形することで圧粉成形体4を得る。成形金型は、この図示例では、図1(b)に示すように、混合粉末3の充填空間を形成するダイ5および下パンチ6と、ダイ5および下パンチ6に対して相対的に上下動が可能な上パンチ7とで構成される。この場合、ダイ5および下パンチ6とで区画形成される空間に充填された混合粉末3を上パンチ7により圧縮することで、成形金型(ここではダイ5および上下パンチ6、7)の区画空間に倣った形状の圧粉成形体4が得られる。この際、ダイ5に対する下パンチ6の相対位置を調整することで、混合粉末3の充填量が設定でき、また、下パンチ6に対する上パンチ7の近接量を調整することで、圧粉成形体4の圧縮比を適宜設定することが可能である。もちろん、圧粉成形体4の形状は、上記金型5〜7の形状、構成を変更することで適宜調整可能である。
次に、工程(a)で得られた混合粉末3を、成形金型内部に充填し、これを圧縮成形することで圧粉成形体4を得る。成形金型は、この図示例では、図1(b)に示すように、混合粉末3の充填空間を形成するダイ5および下パンチ6と、ダイ5および下パンチ6に対して相対的に上下動が可能な上パンチ7とで構成される。この場合、ダイ5および下パンチ6とで区画形成される空間に充填された混合粉末3を上パンチ7により圧縮することで、成形金型(ここではダイ5および上下パンチ6、7)の区画空間に倣った形状の圧粉成形体4が得られる。この際、ダイ5に対する下パンチ6の相対位置を調整することで、混合粉末3の充填量が設定でき、また、下パンチ6に対する上パンチ7の近接量を調整することで、圧粉成形体4の圧縮比を適宜設定することが可能である。もちろん、圧粉成形体4の形状は、上記金型5〜7の形状、構成を変更することで適宜調整可能である。
(c)樹脂粉末の除去工程
上述の工程(b)で得られた圧粉成形体4中の樹脂粉末2を除去する。この実施形態では、図1(c)に示すように、圧粉成形体4を炉8内に供給配置し、圧粉成形体4を樹脂粉末2の分解温度まで加熱する。これにより、圧粉成形体4内の樹脂粉末2が漏れなく分解、気化し、樹脂粉末2を空孔に置換した状態の圧粉成形体4(図1(d)に示す圧粉成形体4’)が得られる。
上述の工程(b)で得られた圧粉成形体4中の樹脂粉末2を除去する。この実施形態では、図1(c)に示すように、圧粉成形体4を炉8内に供給配置し、圧粉成形体4を樹脂粉末2の分解温度まで加熱する。これにより、圧粉成形体4内の樹脂粉末2が漏れなく分解、気化し、樹脂粉末2を空孔に置換した状態の圧粉成形体4(図1(d)に示す圧粉成形体4’)が得られる。
(d)焼結工程
最後に、上記工程(c)で樹脂粉末2を除去した圧粉成形体4’を、先の工程(c)より高い温度、具体的には原料粉末1をなす金属粉末が焼結可能な温度まで加熱することで、圧粉成形体4’を焼結する。これにより、原料粉末1の焼結体、すなわち、最終的な製品としての焼結金属製フィルタが形成される。なお、上述のように、樹脂粉末2を熱分解により除去する場合であれば、工程(c)と(d)とを図1に示すように、同一の炉8で行うこともできる。もちろん、各工程ごとに別の加熱装置を用いることも可能である。
最後に、上記工程(c)で樹脂粉末2を除去した圧粉成形体4’を、先の工程(c)より高い温度、具体的には原料粉末1をなす金属粉末が焼結可能な温度まで加熱することで、圧粉成形体4’を焼結する。これにより、原料粉末1の焼結体、すなわち、最終的な製品としての焼結金属製フィルタが形成される。なお、上述のように、樹脂粉末2を熱分解により除去する場合であれば、工程(c)と(d)とを図1に示すように、同一の炉8で行うこともできる。もちろん、各工程ごとに別の加熱装置を用いることも可能である。
このように、原料粉末1に樹脂粉末2を加えたものを圧縮成形し、この圧粉成形体4中の樹脂粉末2を除去した後に、原料粉末1(圧粉成形体4)を焼結することで、従来品に比べて高い空孔率を有する焼結金属製フィルタを得ることができる。同時に、上述の如く、一時的に原料粉末1とは別の粉末材料(樹脂粉末2)を加えることで、適度な加圧成形が可能となり、焼結工程に到るまでのハンドリング性を確保することができる。また、粉末状の樹脂を加えた混合粉末3であれば、金型への充填態様や、圧縮比など、原料粉末1単体で行う場合とそれほど仕様を大きく変えることなく設定することができ、調整も容易である。以上より、上述の方法であれば、高い空孔率を有する焼結金属製フィルタをばらつきなく大量にかつ低コストに生産することが可能となる。
また、上述のように、樹脂粉末2として、原料粉末1の焼結温度より低温で分解可能なものを使用し、熱分解により樹脂粉末2を気化除去すれば、圧粉成形体4の内部に分散する樹脂粉末2を漏れなく確実に除去することができる。また、上述の方法で除去するのであれば、例えば溶剤を用いて樹脂粉末2を除去する場合のように、樹脂粉末2を除去するための工程、設備あるいは材料(溶剤など)などを別途用意する必要もない。例えば、焼結のための炉8など、既設の設備だけで容易に処理を行うことができるので、製造コストが高騰することもなく経済的である。
当該フィルタの空孔率は樹脂粉末2の配合割合を変更することで、空孔の大きさは使用する原料粉末1や樹脂粉末2の粒径を適宜選択することで任意に調整可能である。また、上述の方法で製造された焼結金属製フィルタであれば、非常に高い空孔率を有する(内部空孔を多く有する)ので、例えば、当該フィルタの他部品への組付け性、あるいはフィルタ性能のさらなる向上を狙って、若干の再成形(サイジングともいう)を施すことも可能である。
なお、樹脂粉末2としては、分解温度が原料粉末1の焼結温度より低いものである限り特に問題なく使用できるが、その中でも使用する原料粉末1(主に金属粉末)との接着性に優れた材料であれば、圧粉成形時、樹脂粉末2が原料粉末1間のバインダとして機能するため好ましい。上記好適な樹脂材料の一例として、PVBやPEなどを挙げることができる。また、樹脂粉末2との間で上述の関係を満たすものであれば、任意の原料粉末1を使用することができるので、用途に応じて、あるいは必要とされる特性に合わせて適当な材料を選択することができる。例えば、腐食性ガスを濾過対象とする場合には、SUS粉末など防蝕性に優れた粉末を原料粉末1として使用することができる。
また、上記実施形態では、原料粉末1として金属粉末からなるものを使用した場合を説明したが、これ以外の材料を金属粉末に加えたものを原料粉末1として使用することも可能である。例えば、圧粉成形体4の成形金型5、6からの取出しを破損なくスムーズに行うために、若干の潤滑剤を混入することもできる。また、その潤滑剤としては、黒鉛等、焼結後も製品内に残存するものであっても構わないが、できることなら、樹脂粉末2の気化除去の際、共に除去されるものが好ましい。
もちろん、樹脂粉末2が圧粉成形時に原料粉末1と混合された状態で有り、かつ焼結時には、圧粉成形体4中から除去される限り、その除去方法は限定されない。上述の如く熱分解により除去する他にも、例えば溶剤を用いて、圧粉成形体4中の樹脂粉末2を溶かして除去する方法を使用することも可能である。
本発明の有効性を検証するため、以下の評価試験を行った。すなわち、従来の方法(原料粉末のみを圧縮成形したものを焼結する方法)で成形した焼結金属製フィルタ(以下、従来品)と、本発明に係る方法で成形した焼結金属製フィルタ(以下、実施品)について、各々を単位時間当たりに通過する流体の流量でもってその特性を(空孔率に代えて)評価、比較した。
ここで、上記の試験に使用される試験片(実施品、比較品)は、以下に示す材料および手順を経て作成した。
[材料]
原料粉末:SUS410L(大同特殊鋼株式会社製 DAP410L 使用粒径:42/60メッシュアンダー)
樹脂粉末:PVB(積水化学工業株式会社製 BX5)
潤滑剤:Ca−St(日本油脂株式会社製)
[手順 実施品]
(1)上記原料粉末に、上記樹脂粉末および潤滑剤を、原料粉末:樹脂粉末:潤滑剤=94.3wt%:5wt%:0.7wt%の割合で混合する。この場合、混合粉末の見かけ密度は2.14g/cm3である。
(2)手順(1)で得られた混合粉末を、所定形状(φ9×5の円柱形状)に圧縮成形する。かかる圧縮成形で得られた圧粉成形体の密度は4.55g/cm3である。
(3)手順(2)で得られた圧粉成形体を炉内に投入し、400℃まで加熱する。これにより樹脂粉末(ここではPVB粉末)が分解、気化し、圧粉成形体から樹脂粉末が除去される。
(5)樹脂粉末を除去した後、炉内を1000℃まで加熱することで、圧粉成形体を焼結し、実施品を得る。
[手順 比較品]
(1)上記粉末のうち、原料粉末のみを、所定形状(φ9×5の円柱形状)に圧縮成形する。かかる圧縮成形で得られた圧粉成形体の密度は6.19g/cm3である。
(2)手順(1)で得られた圧粉成形体を炉内に投入し、1200℃まで加熱することで焼結体としての比較品を得る。
[材料]
原料粉末:SUS410L(大同特殊鋼株式会社製 DAP410L 使用粒径:42/60メッシュアンダー)
樹脂粉末:PVB(積水化学工業株式会社製 BX5)
潤滑剤:Ca−St(日本油脂株式会社製)
[手順 実施品]
(1)上記原料粉末に、上記樹脂粉末および潤滑剤を、原料粉末:樹脂粉末:潤滑剤=94.3wt%:5wt%:0.7wt%の割合で混合する。この場合、混合粉末の見かけ密度は2.14g/cm3である。
(2)手順(1)で得られた混合粉末を、所定形状(φ9×5の円柱形状)に圧縮成形する。かかる圧縮成形で得られた圧粉成形体の密度は4.55g/cm3である。
(3)手順(2)で得られた圧粉成形体を炉内に投入し、400℃まで加熱する。これにより樹脂粉末(ここではPVB粉末)が分解、気化し、圧粉成形体から樹脂粉末が除去される。
(5)樹脂粉末を除去した後、炉内を1000℃まで加熱することで、圧粉成形体を焼結し、実施品を得る。
[手順 比較品]
(1)上記粉末のうち、原料粉末のみを、所定形状(φ9×5の円柱形状)に圧縮成形する。かかる圧縮成形で得られた圧粉成形体の密度は6.19g/cm3である。
(2)手順(1)で得られた圧粉成形体を炉内に投入し、1200℃まで加熱することで焼結体としての比較品を得る。
また流量の測定は、実施品、比較品共に以下の条件で行った。
(1)チューブ状の筒体の一端に、実施品あるいは比較品を圧入固定し、筒体の他端側から流体、ここでは水を注ぎ込む。
(2)そして、単位時間当たりに筒体の一端に取り付けたフィルタ(実施品あるいは比較品)を通過する水の重量を測定することで、これを流量(g/min)として評価した。
(1)チューブ状の筒体の一端に、実施品あるいは比較品を圧入固定し、筒体の他端側から流体、ここでは水を注ぎ込む。
(2)そして、単位時間当たりに筒体の一端に取り付けたフィルタ(実施品あるいは比較品)を通過する水の重量を測定することで、これを流量(g/min)として評価した。
図2に、実験結果を示す。同図より、本発明に係る方法で製造されたフィルタ(実施品)であれば、従来の製造方法で得たフィルタ(比較品)の2倍以上の流量を確保できることがわかった。
1 原料粉末
2 樹脂粉末
3 混合粉末
4 圧粉成形体
4’ 圧粉成形体(樹脂粉末除去後)
5 ダイ
6 下パンチ
7 上パンチ
8 炉
2 樹脂粉末
3 混合粉末
4 圧粉成形体
4’ 圧粉成形体(樹脂粉末除去後)
5 ダイ
6 下パンチ
7 上パンチ
8 炉
Claims (5)
- 金属粉末からなる原料粉末を焼結して得られる焼結金属製フィルタの製造方法であって、前記原料粉末に樹脂粉末を加えたものを圧縮成形し、該圧粉成形体中の前記樹脂粉末を除去した後に、前記圧粉成形体を焼結することを特徴とする焼結金属製フィルタの製造方法。
- 前記樹脂粉末として、前記原料粉末の焼結温度より低温で分解可能なものを使用し、かつ前記圧粉成形体を前記樹脂粉末の分解温度まで加熱することで、前記樹脂粉末の除去を行う請求項1記載の焼結金属製フィルタの製造方法。
- 前記樹脂粉末の除去を、溶剤を用いて行う請求項1記載の焼結金属製フィルタの製造方法。
- 前記樹脂粉末の配合量が2wt%以上10wt%以下である請求項1〜3の何れかに記載の焼結金属製フィルタの製造方法。
- 請求項1〜4の何れかに記載の焼結金属製フィルタの製造方法によって製造された焼結金属製フィルタ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006249842A JP2008069416A (ja) | 2006-09-14 | 2006-09-14 | 焼結金属製フィルタの製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2666614A1 (en) * | 2012-05-21 | 2013-11-27 | National Taipei University of Technology | Method for producing a three dimensional green article |
WO2015019436A1 (ja) * | 2013-08-07 | 2015-02-12 | 株式会社日立製作所 | 金属多孔質体とその製法 |
-
2006
- 2006-09-14 JP JP2006249842A patent/JP2008069416A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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WO2015019436A1 (ja) * | 2013-08-07 | 2015-02-12 | 株式会社日立製作所 | 金属多孔質体とその製法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20091201 |