JP5539539B2 - 高強度焼結成形体の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

高強度焼結成形体の製造方法およびその製造装置 Download PDF

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Description

混合粉末を2回加圧により密度の高い圧粉成形体を成形し、この圧粉成形体に焼結処理を施して機械的強度を一段と高めた焼結成形体を製造する高強度焼結成形体の製造方法とその製造装置に関する。
一般的に、粉末冶金技術は、金属粉末を加圧(圧縮)して所定形状の圧粉成形体に成形処理し、次いで圧粉成形体を当該金属粉末の融点近傍温度に加熱して粒子間結合(固化)を促す焼結処理を行う一連の技術である。これにより、形状複雑で寸法高精度の焼結成形体(機械部品等)を低コストで製造することができる。
また、機械部品の一段の小型軽量化要請に伴い、圧粉成形体の機械的強度の向上が求められる。機械的強度は、圧粉成形体の密度を高めるにしたがって大幅(双曲線的)に高まるとされている。代表的な高強度化方法としては、金属粉末に潤滑剤を混合させることで摩擦抵抗力の低減を図りつつ加圧成形する方法が提案(例えば、特許文献1:特開平1−219101号公報)されている。さらなる高密度化を目指した幾多の提案もされている。これら提案は、潤滑剤自体の改善と、加圧成形・焼結処理に係るプロセスの改善に大別される。
前者に属するものとしては、潤滑剤をボール状炭素分子と板状炭素分子を組み合わせた炭素分子複合体とする提案(特許文献2:特開2009−280908号公報)、25℃における針入度が0.3〜10mmである潤滑剤とする提案(特許文献3:特開2010−37632号公報)を挙げることができる。いずれも金属粉末と金型との摩擦抵抗力を低減する考え方である。
後者に属するものとしては、温間成形・焼結粉末冶金方法(特許文献4:特開平2−156002号公報)、2回プレス−2回焼結粉末冶金方法(特許文献5:特開平4−231404号公報)および1回成形−焼結粉末冶金方法(特許文献6:特開2001−181701号公報)が知られている。
最初の温間成形・焼結粉末冶金方法は、固体潤滑剤および液体潤滑剤を混合した金属粉末を予熱することで潤滑剤の一部(または、全部)を溶融させかつ粒子間に潤滑剤を分散させる。これにより、粒子間および粒子・金型間の摩擦抵抗力を下げることで、成形性を向上しようとするものである。2回プレス−2回焼結粉末冶金方法は、合金化成分を含む鉄粉末混合物をダイ(金型)内で加圧しつつ生の圧粉成形体を生成し、この圧粉成形体を870℃で5分間だけ予備焼結して予備焼結体を生成し、この予備焼結体を加圧することで2回プレス済の予備焼結体を生成し、しかる後に2回プレス済の予備焼結体を1000℃で5分間焼結することにより焼結部品を生成する方法である。最後の1回成形−焼結粉末冶金方法は、金型を予め予熱しかつ内面に潤滑剤を帯電付着しておく、次いでこの金型内に加熱された鉄基粉末混合物(鉄基粉末+潤滑剤粉末)を充填し、所定温度で加圧成形して鉄基粉末成形体となし、次いで鉄基粉末成形体に焼結処理を施し、さらに光輝焼入れを行い、その後に焼き戻し処理を施して鉄基焼結体を製造する方法である。
このように、潤滑剤や加圧成形・焼結処理プロセスに関するいずれの従来改善策も、複雑でコスト高となる虞が強い。取扱いも面倒である。しかも、かかる多大な不利不都合を忍受したとしても、圧粉成形体の密度は最高でも7.4g/cm(真密度の94%)程度である。しかも、潤滑剤燃焼に起因する残渣発生があると、加圧成形した圧粉成形体の品質の劣化を招く。したがって、実際製造上の密度は7.3g/cm以下である。つまり、機械的強度が不十分である。
特に、電磁機器(モータやトランス等)用の磁心(磁芯)を圧粉成形体から作製することを考えると、この程度の密度(7.3g/cm以下)では、極めて不満足との指摘が強い。損失(鉄損、ヒステリス損)量を減少し、磁束密度を高くするには圧粉成形体の一層の高密度化が必要であること、例えば平成21年度粉体粉末冶金協会秋季大会での発表資料(株式会社豊田中央研究所殿提供)からしても、明白である。
なお、磁心用圧粉成形体の製造に関しては、2回成形−1回焼結(1回焼鈍)粉末冶金方法(特許文献7:特開2002−343657号公報)が提案されている。この提案粉末冶金方法は、表面がシリコーン樹脂と顔料とを含む被膜で被覆された磁性粉末を予備成形して予備成形体を成形し、この予備成形体に500℃以上の温度で熱処理を施して熱処理体とし、次いでこの熱処理体に圧縮成形を施すことを特徴とする。熱処理用の温度は、500℃以下ではその後の圧縮成形時に破断が生じやすく、1000℃以上では絶縁被膜が分解して絶縁性が焼失するので、500〜1000℃の範囲内とする。この高温処理は、予備成形体の酸化を防止する観点から、真空中、不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気中で行われる。したがって、他の提案方法に比較して、ますます複雑化、個別化されるとともに、具現化と実施化が難しく、製造コストの大幅高を招く。大量生産には不向きである。
ところで、上記したいずれの提案方法・装置(特許文献1〜7)においても、機械的強度の高い焼結成形体を低コストで確実に製造したいという産業界の要請に応えられない。しかも、機械的強度は、最終の焼結処理に依存するが如き考え方が多い。このことは、高温雰囲気内での焼鈍処理や焼結処理についての実施可能な記述はあるが加圧成形工程に関する詳細は定かでなく、加圧成形機の仕様・機能、加圧力と密度の関係やその限界に関する分析も新たな改善についての記載がないことからも、明らかである。
ここに、小型軽量化に伴う一段の機械的強度が求められる点からも、高強度焼結成形体を確実・安定かつ低コストで製造できる方法・装置の開発が急務とされている。
本発明の目的は、機械的強度の高い焼結成形体を低コストでかつ確実・安定して製造することができる高強度焼結成形体の製造方法およびその製造装置を提供することにある。
従来、加圧成形処理は混合粉末を具体的形態として確立するものであり、高温焼結処理の前段階(予備)的な機械的処理として考えられ、そのように取り扱われてきた。つまり、高強度化は最終工程である焼結処理に委ねられていたと考えられる。
しかし、前段階(予備)的な機械的処理とされていた加圧成形処理の工夫により圧粉成形体の密度を大幅に高めることができるならば、その後の焼結処理を従前のままとしておいても、結果として焼結成形体の機械的強度を大幅に高めることができる筈である。
本発明は、加圧時の潤滑剤の有効性、潤滑剤粉末を含む圧縮限界性、潤滑剤粉末の混合粉末内での空間的占有性、基金属粉末と潤滑剤粉末の空間的配置状態やそれらの挙動性、残渣(潤滑剤の凝固粒)の残留状態、潤滑剤の気化に伴う金属粒同士の部分的拡散および潤滑剤の最終処分態様についての研究、並びに一般的な加圧成形機の特性、圧縮限界性および圧粉成形体の密度(強度)に及ぼす影響度についての分析に基づき、創出したものである。
具体的には、従来方法によると、図8A及び図8Bに示すように圧粉成形体115内に大量の不要物(残渣等)108あるいは大きな空孔109が残っている。この状態では、加圧力を著しくあるいは限りなく大きくしても、圧粉成形体の密度(強度)を一定以上に高めることができないことを突き止めた。本発明は、この原因を解消しつつ圧粉成形体の密度を高めかつこれを土台として焼結による高強度化を積み重ね、結果として最終的な焼結成形体の強度を大幅に高めるものである。
本発明は、潤滑剤の粉末状態を維持しつつ第1の加圧により1次圧粉成形体を成形し、次いで潤滑剤を加熱して液化させることにより1次圧粉成形体内の潤滑様相の改変をなし、この1次圧粉成形体に第2の加圧を施して密度を高めた2次圧粉成形体を成形し、しかる後に2次圧粉成形体に焼結を施して高強度の焼結成形体を成形するものである。すなわち、前段階(予備)的な機械的処理とされていた加圧成形において、焼結処理による高密度化のベースとなる圧粉成形体の密度を積極的かつ限界的に高めておくことにより、結果として高強度焼結成形体を確実に安定してかつ低コストで製造することのできる画期的な方法と装置を提供するものである。
(1)本発明の一実施形態に係る高強度焼結成形体の製造方法は、基金属粉末である鉄粉末と潤滑剤粉末との混合物である混合粉末であって、該混合粉末全量の0.02〜0.12重量%が潤滑剤粉末である混合粉末を加圧して圧粉成形体を成形する加圧成形工程と、圧粉成形体を焼結して機械的強度の高い焼結成形体を成形する焼結成形工程と、を含み、加圧成形工程が加熱昇温工程を挟む第1の加圧成形工程と第2の加圧成形工程とから形成され、第1の加圧成形工程が第1の金型内で潤滑剤粉末の融点未満の常温において混合粉末に第1の加圧力を加えて密度が7.0〜7.5g/cm 1次圧粉成形体を成形するものとされ、加熱昇温工程が1次圧粉成形体を加熱して当該1次圧粉成形体に含まれる潤滑剤粉末を液化するものとされ、第2の加圧成形工程が昇温された1次圧粉成形体を暖機された第2の金型にセットして液化した潤滑剤の再固形化を防止しつつ、前記第2の金
型内で1次圧粉成形体に第2の加圧力を加えて密度を高めた2次圧粉成形体を成形するものとされている、ことを特徴とする。
(2)上記高強度焼結成形体の製造方法において、潤滑剤粉末の融点が90〜190℃の温度範囲内に属する低融点とすることができる。
(3)上記高強度焼結成形体の製造方法において、前記粉末純鉄粉末であり、前記潤滑剤粉末が0.03〜0.10重量%のステアリン酸亜鉛粉末であり、前記第2の加圧力が前記2次圧粉成形体の密度を7.75g/cmに圧縮できるものと選択されている。
(4)上記高強度焼結成形体の製造方法において、第2の加圧力が第1の加圧力と等しくすることができる
(5)上記高強度焼結成形体の製造方法において、Fe−Si合金粉末と潤滑剤粉末との混合物である混合粉末であって、該混合粉末全量の0.02〜0.12重量%が潤滑剤粉末である混合粉末を加圧して圧粉成形体を成形する加圧成形工程と、圧粉成形体を焼結して機械的強度の高い焼結成形体を成形する焼結成形工程と、を含み、
前記加圧成形工程が加熱昇温工程を挟む第1の加圧成形工程と第2の加圧成形工程とから形成され、
前記第1の加圧成形工程が第1の金型内で前記潤滑剤粉末の融点未満の常温において前記混合粉末に第1の加圧力を加えて密度が真密度比70〜85%の1次圧粉成形体を成形するものとされ、
前記加熱昇温工程が1次圧粉成形体を加熱して当該1次圧粉成形体に含まれる潤滑剤粉末を液化するものとされ、
前記第2の加圧成形工程が昇温された1次圧粉成形体を暖機された第2の金型にセットして液化した潤滑剤の再固形化を防止しつつ、前記第2の金型内で1次圧粉成形体に第2の加圧力を加えて密度を高めた2次圧粉成形体を成形するものとされている、ことを特徴とする
(6)本発明の一実施形態に係る高強度焼結成形体の製造装置は、粉末と低融点の潤滑剤粉末との混合物である混合粉末であって、該混合粉末全量の0.02〜0.12重量%が潤滑剤粉末である混合粉末を外部に供給充填可能な混合粉末供給機と、この混合粉末
供給機を用いて第1の金型に充填された混合粉末に第1の加圧力を加えて密度が7.0〜7.5g/cm 1次圧粉成形体を成形する第1の加圧成形機と、第1の金型から取出された1次圧粉成形体の温度を昇温して1次圧粉成形体に含まれる潤滑剤粉末を液化させるための加熱昇温機と、昇温された1次圧粉成形体を暖機済の第2の金型にセットして液化した潤滑剤の再固形化を防止しつつ、該1次圧粉成形体に第2の加圧力を加えて密度を高めた2次圧粉成形体を成形する第2の加圧成形機と、2次圧粉成形体に焼結処理を施して機械的強度を高めた焼結成形体を製造する焼結処理機と、を具備する。
(7)上記高強度焼結成形体の製造装置において、前記加熱昇温機と前記第2の加圧成形機とをこれら機能を一体的に組み込んだ加熱加圧成形機から形成するとともに、加熱加圧成形機を複数台の加熱加圧成形子機から形成し、前記第1の加圧成形機で成形された1次圧粉成形体を該1次圧粉成形体の成形サイクル毎に前記複数台の加熱加圧成形子機の中から選択した1台に導入し、前記複数台の加熱加圧成形子機順次密度を高めた2次圧粉成形体を成形するように形成することができる。
上記(1)の実施形態によれば、高強度焼結成形体を確実・安定して製造できかつ製造コストを大幅に低減することができる。
上記(2)の実施形態によれば、第1の加圧工程中における潤滑剤の十分な潤滑作用を担保できる。しかも、潤滑剤の種類に関する選択性が広い。
上記(3)の実施形態によれば、従来成形方法による焼結成形体と比較して機械的強度の高い焼結成形体を能率よく製造できる。上記(4)の実施形態によれば、加圧成形機の設備経済を低減でき、加圧成形工程の実施およびその取扱いが容易である。間接的に圧粉成形体の製造コストを一段と低減できる。
上記(5)の実施形態によれば、従来成形方法による焼結成形体と比較して機械的強度の高い焼結成形体を能率よく成形できる
上記(6)の実施形態によれば、上記(1)〜(5)に係る高強度焼結成形体の製造方法を確実に実施することができるとともに具現化が容易で、取扱いが簡単である。
上記(7)の実施形態によれば、上記(6)の実施形態の場合に比較して装置簡素化を図れる。製造ラインの単純化も促進でき、取扱いも一段と容易になる。また、第1の加工成形工程、加熱昇温工程、及び第2の加圧成形工程のタクトタイムを合わせることが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係る高強度焼結成形体の製造方法を説明するための図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係る高密度焼結成形体の製造装置およびその動作を説明するための正面図である。 図3Aは、本発明の第1の実施形態に係る高密度焼結成形体の製造装置における混合粉末の成形動作を説明するための図であって、第1の金型で1次圧粉成形体を成形している状態を示す。 図3Bは、本発明の第1の実施形態に係る高密度焼結成形体の製造装置における混合粉末の成形動作を説明するための図であって、第1の金型内に次の混合粉末を充填している状態を示す。 図4は、本発明の第1の実施形態に係る高密度焼結成形体の製造装置における加圧力と当該加圧力で得られる密度との関係を説明するためのグラフであり、破線Aは第1の金型での成形状態を、実線Bは第2の金型での成形状態を示す。 図5は、本発明の第1の実施形態に係る高密度焼結成形体の製造装置における2次圧粉成形体の断面内部状態を説明するための部分断面拡大図である。 図6Aは、本発明の第1の実施形態に係る高密度焼結成形体の製造装置におけるリング形状の焼結成形体(および2次圧粉成形体、1次圧粉成形体)を説明するための外観斜視図である。 図6Bは、本発明の第1の実施形態に係る高密度焼結成形体の製造装置における細長丸軸形状の焼結成形体(および2次圧粉成形体、1次圧粉成形体)を説明するための外観斜視図である。 図7は、本発明の第2の実施形態に係る高強度焼結成形体の製造装置およびその動作を説明するための正面図である。 図8Aは、従来方法による熱処理後の予備圧粉成形体の断面内部状態とその問題点を説明するための部分断面拡大図であって、500〜700℃で熱処理した場合を示す。 図8Bは、従来方法による熱処理後の予備圧粉成形体の断面内部状態とその問題点を説明するための部分断面拡大図であって、700〜1000℃で熱処理した場合を示す。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
本高強度焼結成形体の製造装置1は、図1〜図6Bに示す如く、混合粉末供給機10と第1の加圧成形機20と加熱昇温機30と第2の加圧成形機40と焼結処理機80とを具備し、基金属粉末と潤滑剤粉末との混合物である混合粉末100であって、該混合粉末全量の0.02〜0.12重量%が潤滑剤粉末である混合粉末100を加圧して圧粉成形体110、115を成形する加圧成形工程と圧粉成形体115を焼結処理して機械的強度の高い焼結成形体120を成形する焼結成形工程とを含む高強度焼結成形体の製造方法を安
定・確実に実施することができる。
本高強度焼結成形体の製造方法の技術的特徴は、加圧成形工程が加熱昇温工程(図1のPR3)を挟む第1の加圧成形工程(PR2)と第2の加圧成形工程(PR5)との2工程から形成され、第1の加圧成形工程(PR2)が第1の金型(下型21)内で潤滑剤粉末の融点未満の常温において混合粉末100に第1の加圧力P1を加えて1次圧粉成形体110を成形可能とされ、加熱昇温工程(PR3)が1次圧粉成形体110に含まれる潤滑剤粉末を液化するものとされ、第2の加圧成形工程(PR5)が昇温された1次圧粉成形体を暖機された第2の金型(下型41)にセットして液化した潤滑剤の再固形化を防止しつつ、前記第2の金型(下型41)内で1次圧粉成形体110に第2の加圧力P2を加えて密度を高めた2次圧粉成形体115を成形可能とされている、ことである。
この実施形態における全体的流れとしては、図1に示す如く、調製工程(PR0)で調製された混合粉末100を第1の金型に充填する混合粉末充填工程(PR1)、1次圧粉成形工程(PR2)、1次圧粉成形体110の温度を当該潤滑剤粉末の融点相当温度に積極的に昇温する加熱昇温工程(PR3)、加熱された1次圧粉成形体110を第2の金型内にセットする工程(PR4)、2次圧粉成形工程(PR5)および2次圧粉成形体115に焼結処理を施して高強度の焼結成形体120を成形する焼結処理工程(PR6)がこの順で実行される。
本願明細書中でいう混合粉末100とは、基金属粉末と低融点の潤滑剤粉末との混合物を意味する。基金属粉末が鉄粉末の場合には1次圧粉成形体の密度は7.0〜7.5g/cm であり、基金属粉末が磁心用Fe−Si合金粉末の場合には1次圧粉成形体の密度は真密度比70〜85%である。なお、特に断らない限り、以下の説明において1次圧粉成形体の具体的な密度は鉄粉末について説明する。また、基金属粉末としては、1種の主金属粉末だけからなる場合と、1種の主金属粉末およびこれに1または複数の合金化成分粉末を混合してなる場合とがあるが、いずれの場合も適応できる。低融点とは、基金属粉末の融点(温度)に比較して温度(融点)が著しく低い温度(融点)でかつ基金属粉末の酸化を大幅に抑制できる温度(温度)であることを意味する。具体的詳細は後記する。
高強度焼結成形体の製造装置1を示す図2において、高強度成形ラインの一番左側(上流側)に配置された混合粉末供給機10は、混合粉末100を第1の加圧成形機20の一部を構成する第1の金型(下型21)に充填する手段である。一定量の混合粉末100を保留する機能および定量供給機能を有し、全体として初期位置(図2、図3A、図3Bに実線で示した位置)と第1の金型(下型21)の上方位置(図3A、図3Bに破線で示した位置)との間を選択的に往復移動可能である。
第1の金型(下型21)内の何処にも混合粉末100を均一かつ十分に充填させることが重要であるから、混合粉末100はサラサラ状態でなければならない。つまり、第1の金型(下型21)の内部空間(キャビティ)の形態は製品形態に応じた形態であるから、製品形態が複雑であるいは狭小部分を有する形態であっても、1次圧粉成形体110の寸法精度保証上、不均一充填や不十分充填は許されない。
この実施の形態における1次圧粉成形体110(2次圧粉成形体115)は、図6Aに示すリング形状であり、第1の金型の内部空間(キャビティ)22の形態はこれに対応する形態に仕上げられている。
ここに、基金属粉末の粒子間の摩擦抵抗力および基金属粉末と金型内面との摩擦抵抗力を軽減するための潤滑剤は、常温においてサラサラ状態の固形状(非常に小さな粒状)であるものを選択する。例えば液状の潤滑剤を採用すると、混合粉末100の粘度が高くかつ流動性が低くなるので、均一充填や十分充填ができない。
次いで、常温下の第1の金型(21)内でかつ第1の加圧力P1を加えつつ実行される1次圧粉成形体110の成形中、潤滑剤は固形状で所定の潤滑作用を安定維持できなければならない。第1の加圧力P1の加圧により多少の温度上昇が生じる場合があったとしても、同様に安定維持されるべきである。
一方において、1次圧粉成形体110の成形後に実行される加熱昇温工程(PR3)との関係および基金属粉末の酸化抑制の観点から、潤滑剤粉末の融点は当該基金属粉末の融点に比較して非常に低い融点(低融点)とする必要がある。
この実施の形態では、潤滑剤粉末の融点は、90〜190℃の温度範囲内に属する低融点として選択されている。下側温度(90℃)は、1次圧粉成形体成形中にある程度の温度上昇が発生したとしても、この温度には到達しないであろう値(70〜80℃)の上限温度(80℃)に対して余裕をもたせた値(90℃)とし、さらに他の金属石鹸の融点(例えば、110℃)に着目して選択してある。つまり、1次圧粉成形体の加圧成形中に潤滑油粉末が溶解(液化)して流れ出てしまう心配を一掃する。
上側温度(190℃)は、潤滑剤粉末の種類に関する選択性の拡大の観点からは最小値で、特に加熱昇温工程(PR3)に際する基金属粉末の酸化抑制の観点からは最大値として選択してある。つまり、この温度範囲(90〜190℃)の下側温度と上側温度は、限界値ではなく境界値として理解されたい。
かくして、金属石鹸に属する多くの物質(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等)を潤滑剤粉末として選択的に採用することができる。なお、潤滑剤は粉末状態でなければならないので、粘性のある液体のオクチル酸亜鉛等は採用できない。
この実施の形態では、融点120℃のステアリン酸亜鉛粉末を潤滑剤粉末として実施した。なお、本発明においては、特許文献6の発明のように加圧成形時の金型温度よりも低い温度(融点)の潤滑剤を用いかつ最初から潤滑剤を溶解(液化)させつつ加圧成形を実行する考え方は否定する。1次圧粉成形体110の成形終了以前に溶解した潤滑剤が流出してしまったのでは、途中で潤滑不足の部位が発生し易いので十分な加圧成形を確実かつ安定して行えないからである。
また、潤滑剤粉末の量は、試験研究を通じた経験則から選択した値(混合粉末全量の0.02〜0.12重量%)とする。好ましくは、0.03〜0.10重量%である。0.03重量%は1次圧粉成形体110の成形終了まで最良の潤滑作用を担保できる値であり、0.10重量%は混合粉末100から1次圧粉成形体110とする際に期待する圧縮比を得るための最良の値である。下記する各実施例はこれら値を採用して実施した。
第1の加圧成形機20は、混合粉末供給機10を用いて第1の金型21に充填された混合粉末100に第1の加圧力P1を加えて1次圧粉成形体110を成形する手段であり、この実施の形態ではプレス機械構造である。
図2において、金型はボルスタ側の下型21とスライド5側の上型25とからなる。下型21のキャビティ22は、1次圧粉成形体110の形態(リング形状)に対応する形状(円環筒形状)とされている。上型25は下型21(22)内に押込み可能な形態とされ、スライド5により昇降運動される。キャビティ22の下方には、可動部材23が上下方向に変位可能に嵌装されている。
可動部材23は、グランドレベルGL以下に設けられた貫通穴24を通して突き上がるノックアウトピン(図示省略)によって上方に変位される。つまり、金型[21(22)]内の1次圧粉成形体110を、移送レベルHLまで押し上げることができる。外部からみれば、金型[21(22)]内の1次圧粉成形体110を外部(HL)に取出すための第1の取出手段として働く。1次圧粉成形体110が加熱昇温機30側に移送された後に、可動部材23はノックアウトピンとともに初期位置に戻る。もっとも、他の格別の手段から第1の取出手段を形成してもよい。
第1の加圧成形機20における加圧力P(第1の加圧力P1)とこれに対応して得られる1次圧粉成形体110の密度ρとの関係を、図4を参照して説明する。横軸は加圧力Pを指数で示してある。この実施形態における最大能力(加圧力P)は10Ton/cmあり、これを横軸指数100とする。Pbは金型破損圧力で、横軸指数140(14Ton/cm)である。縦軸は密度ρを指数で示している。縦軸指数(100)は密度ρ(7.6g/cm)である。
因みに、縦軸指数102は密度ρ(7.75g/cm)に当たる。密度ρ(7.0g/cm、7.5g/cm)は縦軸指数(92、98)に相当する。
第1の加圧力P1を上げて行くと、第1の加圧成形機20で得られる密度ρは、破線Aで示す曲線に従って高くなる。第1の加圧力P1(横軸指数100)で、密度ρが7.6g/cmとなる。第1の加圧力P1をこれ以上の値に上昇させても、密度ρの向上は極微である。金型破損の虞が強い。
従来方法では、加圧成形機(プレス機械)の最大能力で加圧して得られた密度ρに満足できない場合には、一段と大型のプレス機械を装備しなければならなかった。しかし、最大能力を例えば1.5倍に大型化しても、密度ρの向上は軽微である。かくして、現在プレス機械で得られるが低い密度ρ(例えば、7.5g/cm)で妥協していたのが実状であった。
ここに、現在プレス機械をそのまま利用して、縦軸指数100(7.6g/cm)から102(7.75g/cm)まで向上できることになれば、画期的であると理解できる。つまり、密度ρを2%向上できるなら、機械的強度を大幅に向上できる。
以上を実現化するために、第1の加圧成形機20で成形した1次圧粉成形体110を加熱することで潤滑剤の溶解(液化)を促し、しかる後に第2の加圧成形機40で2回目の加圧成形処理を施すように形成されている。第2の加圧成形機40おいて1次圧粉成形体110を加圧すると、図4に実線Bで示すように縦軸指数102に相当する高密度(7.75g/cm)を達成できる。詳細は、第2の加圧成形機40の説明において、追記する。
加熱昇温機30は、第1の金型21から取出された1次圧粉成形体110を加熱して当該1次圧粉成形体110の温度を当該潤滑剤粉末の融点相当温度に積極的に昇温する手段である。図2において、加熱昇温機30は、図示しない温風発生源と、吹付けフード31、排気循環フード33等を含み、金網状保持部材32に位置づけされた1次圧粉成形体110に温風を吹付けて加熱し、その温度を潤滑剤粉末の融点相当温度(120℃)に昇温する。下記する各実施例の場合も、ステアリン酸亜鉛融点120℃である。
この低温加熱処理の技術的意義を第1の加圧成形処理との関係において説明する。下型21(22)内に充填された混合粉体100を観察してみると、基金属粉末との関係において潤滑剤粉末の存在が比較的に疎である部分(疎部分)と密である部分(密部分)とが認められる。密部分は、基金属粉末の粒子間の摩擦抵抗力および基金属粉末と金型内面との摩擦抵抗力が小さい。疎部分は、これら摩擦抵抗力が大きくなる筈である。
第1の加圧成形機20での加圧中において、密部分は低摩擦なので圧縮性が勝り、圧縮化進行し易い。疎部分は高摩擦なので圧縮性が劣り、圧縮化が遅れる。いずれにしても、予め設定された第1の加圧力P1の値に応じた圧縮進行困難化現象が発生する。つまり、圧縮限界が生じる。この状態下で金型21から取出した1次圧粉成形体110の破断面を拡大観察すると、上記密部分であった部分は基金属粉末が一体的様相で圧接されている。しかし、潤滑剤粉末も紛れ込んでいる。疎部分であった部分は、圧接された基金属粉末間に僅かな隙間(空孔)が残っている。潤滑剤粉末は殆ど見当たらない。
かくして、密部分であった部分から潤滑剤粉末を除去すれば、圧縮可能な隙間が生まれる。疎部分であった部分の隙間に潤滑剤を補給することができれば、その部分の圧縮性を高められる筈である。
すなわち、第1の加圧成形終了後の1次圧粉成形体110を加熱して潤滑剤粉末の融点相当温度(120℃)に昇温することで、潤滑剤粉末を溶解(液化)させその流動性を高める。密部分であった部分から溶け出した潤滑剤はその周辺に浸み込みかつ疎部分であった部分に補給される。したがって、基金属粉末の粒子間の摩擦抵抗力を小さくでき、潤滑剤粉末が占めていた空孔も圧縮できることになるわけである。基金属粉末の粒子と金型内面との摩擦抵抗力も小さくできる。
特筆すべきは、従来方法(例えば、上記特許文献5、上記特許文献7)と本発明の技術的思想が全く異なる点にある。
圧粉成形を焼結成形の単なる予備(前段階)的な処理と考える従来方法においては、予備成形体(1次圧粉成形体110相当)を高温雰囲気(500〜1000℃)で熱処理(歪除去)するものとされている。実に、この従来熱処理が圧粉成形体の品質劣悪化および強度向上阻止化の根源と推察される。
試験研究によると、圧粉成形体を上記した500〜1000℃に関する低温側範囲(500〜700℃)で熱処理すると潤滑剤が溶融する。その後常温に戻すと潤滑剤が凝固して金属粒子同士を結合する。すると、圧粉成形体には、図8Aに示すように、空孔内や金属粒子(101)間の空隙部に潤滑剤の凝固粒が残渣(不要物108)が多く残る。
一方の高温側範囲(700〜1000℃)の熱処理では、温度が高くなるにつれて、潤滑剤が溶融・気化する過程を経る。このため、分解凝固分(108)が少なくなる傾向となるが、今度は金属粒(101)同士の接触面で拡散が始まり、一部粒界で部分的に焼結が進む。例えば、鉄粉の場合は、750〜760℃で金属粒同士の接触面での部分拡散が始まる。つまり、このような高温で熱処理を行うと、図8Bに示すように、潤滑剤が気化した部分が空孔109として残り、また金属粉同士の一部に部分拡散接合部(部分焼結)128が存在した状態となる。
かくして、熱処理後の圧粉成形体を再び圧縮処理(常温加圧処理)すると、低温側範囲の場合は、内部の残留物をその成形体の外部に排出することはできず、不要物(残渣等)108がそのまま圧粉成形体内に残る(図8A)。高温側範囲の場合は、低温側範囲の場合に較べ不要物(残渣等)108は少ないものの、金属粒界の部分焼結箇所128が発生している(図8B)ので、その焼結箇所を破壊して空孔109を減少させ、密度を上げる加工になる。部分焼結(128)が生じている場合は、2回目の加圧成形圧力が非常に高くなり、金型の強度上の限界から、圧粉成形体の密度向上には限界がある。この結果、高温雰囲気(500〜1000℃)で熱処理した場合は、2回目加圧成形後の成形体は、非常にもろく機械的強度は低い。しかも、2回目の加圧成形圧力を高くしなければならないことは、加圧能力の高いプレス機および耐高圧金型が必要になるので、設備経済上、非常に不利である。
しかるに、本発明の場合は、圧粉成形体を潤滑剤融点相当に昇温しかつ当該温度が維持された状態の圧粉成形体110に対して、2回目の圧粉成形加工が行なわれる。この温度に保たれた圧粉成形体110の内部において、炭化は発生ぜず、潤滑剤が溶融して流動可能な状態になっている。その状態で、プレス機械等の加圧成形加工を施すと、内部に存在している溶融状態の潤滑剤が搾り出されて圧粉成形体110から外部に流出する。その結果、当該加圧成形加工終了後の圧粉成形体(2次圧粉成形体115)の内部には、図5に示すように、不要物(残渣等)108が殆んど残らない。つまり、極めて密度が高く、機械的強度が高い圧粉成形体115を成形できる。
この2回目の圧粉成形加工を実行するための第2の加圧成形機40は、予め融点相当温度に暖機可能な第2の金型41を有し、暖機済の第2の金型41にセットされた昇温済の1次圧粉成形体110に、第2の加圧力P2を加えて密度の高い2次圧粉成形体115を成形するための手段である。
なお、この実施形態における第2の加圧成形機40の最大能力(加圧力P)は、第1の加圧成形機20の場合と同じ10Ton/cmである。かくして、第1の加圧成形機20と第2の加圧成形機40とは1台のプレス機械として構成され、図2に示す共通のスライド5により各上型25、45を同期昇降できる。この点からも、装置経済が有利で、2次圧粉成形体115の成形コストを低減できる。
なお、第2の加圧力P2の値は第1の加圧力の値以上であればよい。例えば、第1の加圧成形機20と第2の加圧成形機40とを2台のプレス機械から構成し、第2の加圧成形機40の最大能力(加圧力P)と第1の加圧成形機20の最大能力(加圧力P)とを異なるものとしてもよい。
図2において、金型はボルスタ側の下型41とスライド5側の上型45とからなる。下型41のキャビティ42は、下部は加圧成形体115の形態(リング状形態)に対応する形状(円環筒形状)とされ、上部が1次圧粉成形体110を受入れ可能に僅かに大きい形態とされている。上型45は下型41(42)内に押込み可能な形態とされ、スライド5により昇降運動される。キャビティ42の下方には、可動部材43が上下方向に変位可能に嵌装されている。なお、金型(41)と上記金型(21)とは、圧縮対象(110と115)との上下方向寸法差に相当する高さ(位置)調整がされている。
可動部材43は、グランドレベルGL以下に設けられた貫通穴44を通して突き上がるノックアウトピン(図示省略)によって上方に変位される。つまり、第2の金型[41(42)]内の2次圧粉成形体115を、移送レベルHLまで押し上げることができる。外部からみれば、金型[41(42)]内の2次圧粉成形体115を外部(HL)に取出すための第2の取出手段として働く。なお、他の格別の手段から第2の取出手段を形成してもよい。2次圧粉成形体115が排出シュータ59に排出され、加熱昇温機30から新たな1次圧粉成形体110を受けた後に、可動部材43はノックアウトピンとともに初期位置に戻る。
第2の金型[41(42)]には、設定温度変更可能な暖機手段47が設けられている。この暖機手段47は、1次圧粉成形体110を受入れる(セットされる)までに、潤滑剤粉末(ステアリン酸亜鉛)の融点相当温度(120℃)に第2の金型[41(42)]を暖める(暖機する)。昇温済の1次圧粉成形体110を冷やすこと無く受入れることができる。これにより、先に溶解(液化)した潤滑剤の再固形化を防止しつつ潤滑作用を担保することができる。
この意味において、暖機手段47は、2次圧粉成形体115が加圧成形完了となるまで、加熱可能とされている。かくすれば、加圧成形中における溶解させた潤滑剤の全方向への流動性を一段と高められるから、粒子間のみならず粒子と金型41(42)との間の摩擦抵抗力を大幅に軽減維持できる。
なお、暖機手段47は、電熱加熱方式とされているが、温油や温水の循環方式などでも実施することができる。
第2の加圧成形機40における加圧力(第2の加圧力P2)とこれに対応して得られる2次圧粉成形体115の密度ρとの関係を、図4を用いて説明する。
第2の加圧成形機40で得られる密度ρは、実線Bで示す直線に従う。すなわち、第1の加圧成形機20の場合(破線A)とは異なり、第2の加圧力P2を上げて行くに従って次第に密度ρが高まるわけでない。つまり、第1の加圧成形工程における最終の第1の加圧力P1(例えば、横軸指数50、75あるいは85)を越えるまでは密度ρは高くならない。第2の加圧力P2が最終の第1の加圧力P1を超えると、一気に密度ρが高まる。第2の加圧成形は、あたかも第1の加圧成形を連続的に引き継いで行われるものと理解される。
かくして、第1の加圧成形工程において、第1の加圧力P1を何時でも最大能力に対応する値(横軸指数100)まで上昇させた運転をしなくてもよいことになる。つまり、圧縮限界以降に第1の加圧成形を続行した場合の無駄な時間、消費エネルギーを排斥できる。製造コスト低減に繋がる。また、横軸指数100を越える過負荷運転を回避し易くなるので、金型破損の心配がない。全体として、運転取扱いが容易で安全かつ安定運用ができる。
下記する各実施例の場合、第1の加圧力P1を、密度ρを7.0〜7.5g/cmまで高めることができる相当圧力(縦軸指数92〜98のいずれかの値)に選択設定して、成形処理されている。7.5g/cm(縦軸指数98)は縦軸指数100を超えた危険領域に突入させない上側値とし、7.0g/cm(縦軸指数92)は上側値に対して幅をもたせた下側値として選択してある。取扱い(加圧設定等)および運転容易化のためである。第2の加圧力P2は、縦軸指数92(〜98)〜100に相当するものとされ、縦軸指数102に対応する密度ρ(7.75g/cm)の2次圧粉成形体115を成形することができる。なお、実施例2の場合は、混合比の問題から真密度比で表した。
図2において、焼結処理機80は、この実施の形態では、連続式焼結炉から形成され、シュータ59を介して導入された2次圧粉成形体115をコンベヤ(図示省略)で低速連続移動させつつ、所定の温度で所定時間だけ焼結処理を行える。複数の2次圧粉成形体115を能率よくかつ均一に焼結処理できる。つまり、一段と高強度化した焼結成形体120を製造することができる。図3では、焼結処理機80は図示省略されている。なお、焼結処理機80は、バッチ式焼結炉から形成してもよい。
焼結温度は、通常、鉄系では1120℃位で、高温焼結で1250℃程度である。温度の上昇過程でも焼結が進行するので、最高温度の保持時間は30分程度で十分である。この実施の形態では、焼結温度および焼結時間(コンベヤ速度)の値は設定変更可能に形成してある。
第2圧粉成形体115は、図5に示すように不要物(残渣等)108が殆ど無い状態(高密度)であるから、金属粒(101)と金属粒(101)の接触面積が大きい。これは、従来方法の場合と比較して短い焼結時間で、従来方法と同じ面積の拡散結合を期待できることを意味する。換言すれば、接触面積が大きいが故により広い面積で拡散結合を促進できるので、機械的性質(強度)の大幅な向上が期待できるわけである。
さらに、最終工程の焼結処理により内部(歪)応力を除去できるので、焼鈍処理は不要である。
図3Bにおいて、ワーク移送手段50は、図3Aにおける第1の取出手段(23、24)によって第1の金型21から取出された1次圧粉成形体110を加熱昇温機30内の所定位置に移送可能で、昇温後の1次圧粉成形体110を加熱昇温機30内の所定位置から第2の金型41まで移送可能で、第2の取出手段(43、44)によって第2の金型41から取出された2次圧粉成形体115を排出シュータ59に移送可能に形成されている。
この実施の形態のワーク移送手段50は、図3Bに示す同期運転される3つの送りバー51、52、53から構成されている。送りバー51、52、53は、移送要求時に図3Aの紙面奥行き側から手前(図3B)の移送ラインに進行され、左から右へ移動させた後に元の位置に退行する。セット手段(52、43、44)は、昇温された1次圧粉成形体110を該融点相当温度に暖機された第2の金型42にセットする。
なお、ワーク移送手段は、2次元あるいは3次元方向に駆動されるフィンガー等を含み、各金型等にワークを順次移送するトランスファー装置などから形成してもよい。また、2次圧粉成形体115を焼結処理機80まで移送可能に形成することもできる。
かかる実施の形態に高強度焼結成形体120の製造装置1では、次のようにして高強度焼結成形方法が実施される。
(混合粉末の調達)
基金属粉末と0.03(〜0.10)重量%の潤滑剤粉末(ステアリン酸亜鉛粉末)を混合してサラサラ状態の混合粉末100を調達する。所定量だけ混合粉末供給機10に補給する(図1の工程PR0)。
(混合粉末の充填)
所定タイミングにおいて、混合粉末供給機10が図3Bに示すように所定位置(実線)から補給位置(破線)に移動される。次いで、混合粉末供給機10の供給口が開放され、第1の加圧成形機20の空の下型21(22)内に定量の混合粉末100が充填される(図1の工程PR1)。例えば2秒間で充填できる。充填後に供給口が閉鎖され、混合粉末供給機10は所定位置(実線)に戻る。
(1次圧粉成形体の成形)
図2のスライド5とともに第1の加圧成形機20の上型25が下降して下型21(22)内の混合粉末100を第1の加圧力P1で加圧する第1の加圧成形処理がはじまる。固形状の潤滑剤は十分な潤滑作用を営む。圧縮された1次圧粉成形体110の密度ρは、図4の破線Aにしたがって高くなる。第1の加圧力P1が横軸指数(例えば、95)相当の圧力(9.5Ton/cm)になると、密度ρが7.25g/cm(縦軸指数95相当)に高まる。例えば8秒間の加圧成形が終了すると、図3Aに示すように金型(21)内に1次圧粉成形体110が成形されている(図1の工程PR2)。その後、スライド5により上型25が上昇する。なお、第2の加圧成形機40では、先の1次圧粉成形体110に関する第2の加圧成形処理が同期して行われている。
(1次圧粉成形体の取出し)
第1の取出手段(23)が働き、1次圧粉成形体110が移送レベルHLに突き上げられる。つまり、下型21から取出される。すると、図3Bに示すように、ワーク移送手段50が働き、その移送バー51により1次圧粉成形体110は加熱昇温機30へ向けて移送される。この段階で、可動部材23が下方の初期位置に戻される。移送後の1次圧粉成形体110は、図3Aに示す如く金網状保持部材(32)上に位置決めされている。
(加熱昇温)
図3Aにおいて、加熱昇温機30が起動する。吹付けフード31から温風が吹付けられ1次圧粉成形体110は、潤滑剤粉末の融点相当温度(120℃)に昇温される(図1の工程PR3)。つまり、潤滑剤が溶解され、その流動により1次圧粉成形体110内の潤滑剤分布を均一的に改変する。加熱昇温時間は例えば8〜10秒である。なお、温風は金網状保持部材32、排気循環フード33を通して再循環利用される。
(昇温済の1次圧粉成形体のセット)
昇温された1次圧粉成形体110は、図3Bに示すように、ワーク移送手段50(移送バー52)により第2の加圧成形機40へ移送され、下型41の上方に位置決めさられ、下型41(42)内の可動部材43上にセットされる(図1の工程PR4)。
(金型の暖機)
第2の加圧成形機40において、暖機手段47が働き、1次圧粉成形体110を受入れる(セットされる)以前に、金型[41(42)]を潤滑剤粉末の融点相当温度(120℃)に暖める。その後に受入れた昇温済み1次圧粉成形体110内の潤滑剤の再固形化を防止することができる。
(2次圧粉成形体の成形)
図2のスライド5とともに上型45が、図3Aに示すように下降して下型41(42)内の1次圧粉成形体110を第2の加圧力P2で加圧し始める。液状の潤滑剤が十分な潤滑作用を営む。特に、加圧成形の進行に伴い潤滑剤が全方向に流出するので、粒子間のみならず粒子と金型との摩擦抵抗力を効率よく軽減できる。圧縮された1次圧粉成形体110の密度ρは、図4の実線Bにしたがって高くなる。つまり、第2の加圧力P2が横軸指数(例えば、95…加圧力9.5Ton/cm)を超えると、密度ρが7.25g/cmから急激に縦軸指数102相当の密度ρ(7.75g/cm)に高まる。第2の加圧力P2を横軸指数100(10Ton/cm)まで上げると、密度ρ(7.75g/cm)は全体的に均一となる。ここで、例えば8秒間の第2の加圧成形処理が終了すると、金型(41)内に2次圧粉成形体115が成形されている(図1の工程PR5)。その後、スライド5により上型45が上昇する。なお、第1の加圧成形機20では、後の1次圧粉成形体110に関する第1の加圧成形処理が同期して行われている。
(2次圧粉成形体の取り出し)
第2の取出手段(43)が働き、2次圧粉成形体115が移送レベルHLに突き上げられる。つまり、下型41から取出される。すると、図3B示すように、ワーク移送手段50が働き、その移送バー53により2次圧粉成形体115は排出シュート59に向けて移送される。この段階で、可動部材43が下方の初期位置に戻される。
(成形サイクル)
以上の2つの成形工程による圧粉成形方法によれば、順番に供給充填される金属粉末100についての第1の加圧成形処理、加熱昇温処理および第2の加圧成形処理を同期実行できるので、最長の加熱昇温処理時間(10秒)にワーク移送時間(例えば、2〜4秒)を加えた12〜14秒のサイクル時間で2次圧粉成形体115を成形することができる。
(焼結成形体の成形)
排出シュート59から導入された2次圧粉成形体115は、焼結処理機80において、焼結処理される。図5に示す圧粉成形体115は、焼結により一段と高強度化された焼結成形体120となる。焼結成形体120(例えば、小型軽量複雑形状で機械的強度の高い自動車用部品や機器用部品)の供給を安定化でき、それらの生産コストの低減にも大きく貢献できる。
(実施例1)
混合粉末100を、基金属粉末(機械部品用の純鉄粉末)に潤滑剤粉末(ステアリン酸亜鉛粉末)を0.03(〜0.10)重量%だけ混合して調製した。第1の加圧力P1により加圧成形して密度7.0(〜7.5)g/cmの1次圧粉成形体110を成形した。混合量が0.03重量%とした場合に、第1の加圧成形工程を最も円滑に行うことができた。120℃に加熱昇温された1次圧粉成形体110を第2の加圧力P2により加圧成形して縦軸指数102に当たる密度ρ7.75g/cmの2次圧粉成形体115を成形した。しかる後に、2次圧粉成形体115に1150℃で30分の焼結処理を施して機械的強度を高めた焼結成形体120を得た。機械的強度(例えば、引張力)は密度の高さに応じて増大する。すなわち、焼結処理の前段階の第2の加圧成形工程で密度を従来方法の場合に比較して高められているので、焼結により機械的強度を一段と高めた機械部品を能率よく製造することができた。なお、基金属粉末に合金形成用金属粉末を添加した場合も同様に成形できることを確認した。かくして、図6Bに示す細長丸軸形状でも高強度仕上げできる。
(実施例2)
混合粉末100を、基金属粉末(Fe−Si合金粉末)に潤滑剤粉末(ステアリン酸亜鉛粉末)を0.03(〜0.10)重量%だけ混合して調製した。第1の加圧力P1により加圧成形して真密度比70〜85%の1次圧粉成形体110を成形した。混合量が0.03重量%とした場合に、第1の加圧成形工程を最も円滑に行うことができた。120℃に加熱昇温された1次圧粉成形体110を第2の加圧力P2により加圧成形して縦軸指数102に当たる真密度比85〜95%の2次圧粉成形体115を成形した。しかる後に、2次圧粉成形体115に1150℃で30分の焼結処理を施して機械的強度を一段と高めた焼結成形体120を得た。すなわち、従来成形方法による焼結成形体と比較して機械的強度の高い焼結成形体を能率よく製造できた。
しかして、この実施の形態によれば、第1の加圧成形工程(第1の金型内)でかつ潤滑剤粉末の融点未満の常温において混合粉末100に第1の加圧力P1を加えて1次圧粉成形体110を成形し、加熱昇温工程において1次圧粉成形体110を潤滑剤粉末の融点相当温度に昇温し、次いで第2の加圧成形工程において暖機された第2の金型内でかつ当該融点相当温度で1次圧粉成形体110に第2の加圧力P2を加えて密度を高めた2次圧粉成形体115を成形し、しかる後に2次圧粉成形体115に焼結処理を施して焼結成形体を形成する高強度焼結成形体の製造方法であるから、高強度焼結成形体120を確実・安定して製造できかつ製造コストを大幅に低減することができる。
また、潤滑剤粉末の融点が90〜190℃の温度範囲内に属する低融点であるから、酸化抑制を助長しつつ潤滑剤の選択性を拡大できる。
また、基金属粉末を純鉄粉末やFe−Si合金粉末のいずれに変更しても、他の条件を同一としても、基金属粉末の種類に対応する優れた機械的強度の高い焼結成形体120を能率よくかつ安定して低コストで製造できる。
また、第2の加圧力P2を第1の加圧力P1と等しい値とすることができるから、加圧成形工程の実施およびその取扱いが容易で、間接的に圧粉成形体の製造コストの一層の低減にも寄与できるとともに、装置具現化に際しては例えば1台のプレス機械をベースとして簡単に構築することができる。
顧みて、従来装置(例えば、プレス機械)の能力(図4の横軸指数100)では縦軸指数100に相当する密度以上に高めることが不可能であったのに対して、本発明によれば同一装置で縦軸指数102に相当する密度まで高めることができる。この事実は、当該技術分野において画期的なことと賞賛され得る。
さらに、製造装置1が、混合粉末供給機10と第1の加圧成形機20と加熱昇温機30と第2の加圧成形機40と焼結処理機80とから構成されているので、上記の高強度焼結成形体120の製造方法を確実かつ安定して実施することができる。
(第2の実施の形態)
この実施の形態は、図7に示されている。第1の実施の形態の場合に比較して、混合粉末供給機10、第1の加圧成形機20および焼結処理機80はそのままとし、加熱昇温機30と第2の加圧成形機40とを一体的に形成したことを特徴とする。
すなわち、製造装置1は、第1の実施の形態の場合における加熱昇温機30と第2の加圧成形機40とを、これら機能を一体的に組み込んだ加熱加圧成形機70から形成してある。加熱加圧成形機70は、複数台(この実施形態では、2台)の加熱加圧成形子機70A、70Bから形成され、各加熱加圧成形子機70A、70Bは図示しない制御手段によって製造サイクル毎に選択順次動作可能とされている。
各加熱加圧成形子機70A(70B)は、基本構造が第1の実施の形態における第2の加圧成形機40に相当するものとされている。また、各加熱加圧成形子機70A(70B)には、第1の実施形態の場合における加熱昇温機30および暖機手段47の各機能に対応する複合機能をもたせた複合機能型加熱手段48を設けてある。
すなわち、複合機能型加熱手段48は、設定温度切換機能を有する電熱方式とされている。予め(1次圧粉成形体110を受入れる以前に)、下型41を潤滑剤融点相当温度(120℃)に暖機することができる。1次圧粉成形体110を受入れた後は、1次圧粉成形体110の全体を潤滑剤融点相当温度(120℃)に加熱昇温可能に発熱量を大きく切換える。加熱部位を選択切換えすることもできる。この加熱昇温終了後に第1の実施の形態における第2の加圧成形機40の場合と同じ第2の加熱成形処理を行う。複合機能型加熱手段48は、第2の加熱成形処理中に1次圧粉成形体110の温度を潤滑剤融点相当温度(120℃)以上に保持可能に働く。
図7に示すように、各加熱加圧成形子機20、70A、70Bは、独立プレス機械構造とされ、各スライド5、5A、5Bは各機用モータの回転制御によりそれぞれに昇降駆動される。つまり、各加熱加圧成形子機70A、70Bの一方(他方)が加圧成形動作する場合は他方(一方)は予熱であり加圧成形動作はしない。加熱加圧成形機70を製造サイクルタイムとの関係から3台以上の加熱加圧成形子機から形成する場合も同様である。
かかる実施の形態の装置では、第1の加熱成形機20で第3番目の1次圧粉成形体110を加圧成形中に、一方加熱加圧成形子機70A(または、70B)で第2番目の1次圧粉成形体110を加熱昇温しかつ他方加熱加圧成形子機70B(または、70A)で第1番目の1次圧粉成形体110を2次圧粉成形体115とすべく加圧成形している。また、この期間中に焼結処理機80では、それ以前に導入された複数の2次圧粉成形体115に焼結処理を施して焼結成形体120とするように成形中である。
しかして、この実施の形態によれば、加熱加圧成形機70を同一構造の複数台の加圧成形子機70A、70Bから構築すればよいから、第1の実施形態の場合に比較して装置簡素化を図れる。製造ラインの単純化も促進でき、取扱いも一段と容易になる。また、この実施の形態によれば、第1の加圧工程、加熱昇温工程、及び第2の加圧工程のタクトタイムを合わせることができる。
なお、第1の加圧成形機20と加熱加圧成形子機70A(または、70B)あるいは第1の加圧成形機20および各加熱加圧成形子機70A、70Bを、1台のプレス機械構造として構築することも可能である。
上記のように、本発明の実施形態について説明したが、本発明の新規事項及び効果から実態的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できよう。したがって、このような変形例はすべて、本発明の範囲に含まれるものとする。
1 高強度焼結成形体の製造装置、10 混合粉末供給機、20 第1の加圧成形機、30 加熱昇温機、40 第2の加圧成形機、47 暖機手段、48 複合機能型加熱手段、50 ワーク移送手段、70 加熱加圧成形機、70A,70B 加熱加圧成形子機、80 焼結処理機、100 混合粉末、101 鉄粉、108 不要物(残渣)、109 空孔、110 1次圧粉成形体、115 2次圧粉成形体、120 焼結成形体、128 部分焼結

Claims (7)

  1. 粉末と潤滑剤粉末との混合物である混合粉末であって、該混合粉末全量の0.02〜0.12重量%が潤滑剤粉末である混合粉末を加圧して圧粉成形体を成形する加圧成形工程と、圧粉成形体を焼結して機械的強度の高い焼結成形体を成形する焼結成形工程と、を含み、
    前記加圧成形工程が加熱昇温工程を挟む第1の加圧成形工程と第2の加圧成形工程とから形成され、
    前記第1の加圧成形工程が第1の金型内で前記潤滑剤粉末の融点未満の常温において前記混合粉末に第1の加圧力を加えて密度が7.0〜7.5g/cm 1次圧粉成形体を成形するものとされ、
    前記加熱昇温工程が1次圧粉成形体を加熱して当該1次圧粉成形体に含まれる潤滑剤粉末を液化するものとされ、
    前記第2の加圧成形工程が昇温された1次圧粉成形体を暖機された第2の金型にセットして液化した潤滑剤の再固形化を防止しつつ、前記第2の金型内で1次圧粉成形体に第2の加圧力を加えて密度を高めた2次圧粉成形体を成形するものとされている、高強度焼結成形体の製造方法。
  2. 前記潤滑剤粉末の融点が90〜190℃の温度範囲内に属する低融点とされている、請求項1記載の高強度焼結成形体の製造方法。
  3. 前記粉末純鉄粉末であり、前記潤滑剤粉末が0.03〜0.10重量%のステアリン酸亜鉛粉末であり、前記第2の加圧力が前記2次圧粉成形体の密度を7.75g/cmに圧縮できるものと選択されている、請求項1または2記載の高強度焼結成形体の製造方法。
  4. 前記第2の加圧力が前記第1の加圧力と等しい値に選択されている、請求項1、3のいずれか1項に記載された高強度焼結成形体の製造方法。
  5. e−Si合金粉末と潤滑剤粉末との混合物である混合粉末であって、該混合粉末全量
    の0.02〜0.12重量%が潤滑剤粉末である混合粉末を加圧して圧粉成形体を成形する加圧成形工程と、圧粉成形体を焼結して機械的強度の高い焼結成形体を成形する焼結成形工程と、を含み、
    前記加圧成形工程が加熱昇温工程を挟む第1の加圧成形工程と第2の加圧成形工程とから形成され、
    前記第1の加圧成形工程が第1の金型内で前記潤滑剤粉末の融点未満の常温において前記混合粉末に第1の加圧力を加えて密度真密度比70〜85%の1次圧粉成形体を成形するものとされ、
    前記加熱昇温工程が1次圧粉成形体を加熱して当該1次圧粉成形体に含まれる潤滑剤粉末を液化するものとされ、
    前記第2の加圧成形工程が昇温された1次圧粉成形体を暖機された第2の金型にセットして液化した潤滑剤の再固形化を防止しつつ、前記第2の金型内で1次圧粉成形体に第2の加圧力を加えて密度を高めた2次圧粉成形体を成形するものとされている、高強度焼結成形体の製造方法。
  6. 粉末と低融点の潤滑剤粉末との混合物である混合粉末であって、該混合粉末全量の0.02〜0.12重量%が潤滑剤粉末である混合粉末を外部に供給充填可能な混合粉末供給機と、
    この混合粉末供給機を用いて第1の金型に充填された混合粉末に第1の加圧力を加えて密度が7.0〜7.5g/cm 1次圧粉成形体を成形する第1の加圧成形機と、
    前記第1の金型から取出された1次圧粉成形体の温度を昇温して1次圧粉成形体に含まれる潤滑剤粉末を液化させるための加熱昇温機と、
    昇温された1次圧粉成形体を暖機済の第2の金型にセットして液化した潤滑剤の再固形化を防止しつつ、該1次圧粉成形体に第2の加圧力を加えて密度を高めた2次圧粉成形体を成形する第2の加圧成形機と、
    2次圧粉成形体に焼結処理を施して機械的強度を高めた焼結成形体を製造する焼結処理機と、を具備する高強度焼結成形体の製造装置。
  7. 前記加熱昇温機と前記第2の加圧成形機とをこれら機能を一体的に組み込んだ加熱加圧成形機から形成するとともに、加熱加圧成形機を複数台の加熱加圧成形子機から形成し
    前記第1の加圧成形機で成形された1次圧粉成形体を該1次圧粉成形体の成形サイクル毎に前記複数台の加熱加圧成形子機の中から選択した1台に導入し、前記複数台の加熱加圧成形子機順次密度を高めた2次圧粉成形体を成形するように形成されている請求項6記載の高強度焼結成形体の製造装置。
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