JP2008068763A - サスペンション - Google Patents

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Abstract

【課題】車両に発生するハーシュネスの低減とブルブル振動の低減を両立する。
【解決手段】ばね下が上下にストロークした際にリアタイヤ3からばね下に入力される車両前後方向の力Fxt(v)と、ばね下が上下にストロークした際のばね下の瞬間中心Mとリアタイヤ3のスピンドルセンター7とを通る車両前後方向の基準線Sに平行な成分の剛性Kxによってばね下に入力される車両前後方向の反力Fxaとが相殺されるように、基準線Sに平行な成分の剛性Kxと、車両前後方向における車両前後方向線Hに対して基準線Sがなす角αとを設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のサスペンションに関する。
従来、車両の乗り心地を向上させるためのサスペンションとして、特許文献1に記載のサスペンションが知られている。このサスペンションは、トレーリングアーム式リアサスペンションにおいて、アクスルの瞬間回転中心がホイールセンターよりも前方且つ上方の位置になるように設定することで、サスペンションに入力される前後力を低減し、ブッシュの剛性を低くすることなくハーシュネスの低減を図っている。
特開2001−270313号公報
しかし、車両には、ハーシュネスだけでなく、タイヤやサスペンション等のばね下が共振することによるブルブル振動も生じる。突起等を乗り越えると、ハーシュネスとブルブル振動によりばね下が前後方向に振動し、乗り心地が悪化する。このハーシュネスとブルブル振動とは周波数帯が異なるため、一般的なばね・マス系で考えた場合、サスペンションの前後方向の剛性を変更しても、ハーシュネスの低減とブルブル振動の低減を両立させることが難しい。特許文献1に記載のサスペンションでは、ハーシュネスの低減のみを目的としており、ブルブル振動の低減とハーシュネスの低減を両立させることができない。
そこで、本発明の目的は、車両に発生するハーシュネスの低減とブルブル振動の低減を両立するサスペンションを提供することにある。
本発明に係るサスペンションは、ばね下が上下にストロークした際にタイヤからばね下に入力される車両前後方向の力と、ばね下が上下にストロークした際のばね下の瞬間中心とタイヤのスピンドルセンターとを通る車両前後方向の基準線に平行な成分の剛性によってばね下に入力される車両前後方向の反力とが相殺されるように、基準線に平行な成分の剛性と、車両前後方向における車両前後方向線に対して基準線がなす角とを設定することを特徴とする。
サスペンションでは、一般的に、突起を乗り越える等してばね下が上下にストロークした際に、タイヤからばね下に車両前後方向の力が入力される。また、ばね下が上下にスクロールした際に、ばね下の車両前後方向には基準線に平行な成分の剛性と車両前後方向線に対して基準線がなす角により反力が作用する。車両前後方向線とは、車両の前後方向における基準となる線であり、例えば、車両が水平面上に位置し、前後のばね下の高さが同じ場合には、水平方向の線が車両前後方向線となり、車両が傾斜面上に位置し、前後のばね下の高さが同じ場合には、傾斜面に平行な線が車両前後方向線となり、車両が水平面上に位置し、後ろのばね下の方が高い場合には、その前後のばね下の高さに応じた車両の傾斜方向の線が車両前後方向線となる。基準線とは、ばね下が上下にストロークした際、車両を側面から見たとき(以下「車両側面視」という)に、ばね下の瞬間中心とタイヤのスピンドルセンターとを通る線をいう。瞬間中心とは、ばね下が上下にストロークした際、車両側面視において、サスペンションのアームの連結によりばね下(スピンドルセンター、ひいてはタイヤ)が回転する回転中心をいう。なお、サスペンションのアームが複数あるときは、その複数のアームの位置、形状、長さ等から決まるばね下の回転中心が瞬間中心となる。
そこで、このサスペンションでは、ばね下の共振周波数近傍で車両前後方向の力と車両前後方向の反力とが相殺するように、基準線に平行な成分の剛性と、車両前後方向線に対して基準線がなす角を設定する。タイヤからばね下に車両前後方向の力が入力されると、ばね下の共振周波数近傍でばね下が共振してブルブル振動が発生する。しかし、車両前後方向の反力によって車両前後方向の力が相殺されるため、ばね下の共振が小さくなり、ブルブル振動が低減する。特に、剛性となす角を設定する際に、剛性を小さく設定することによって、ハーシュネスの振動レベルを小さくすることができる。そして、この設定された剛性に基づき、車両前後方向の力と車両前後方向の反力とが相殺されるように、なす角を設定することで、ブルブル振動を低減することができる。このようにして、このサスペンションでは、ハーシュネスの低減とブルブル振動の低減とを両立することが可能となる。
また、本発明に係る上記サスペンションでは、サスペンションの各アームはブッシュを介して車体に取り付けられ、基準線に平行な成分の剛性は、ブッシュの剛性により決まることが好適である。このサスペンションでは、サスペンションの各アームと車体との間に一般的に使われているブッシュを設けることで、簡易かつ安価に基準線に平行な成分の剛性を設定することが可能となる。なお、アームは、サスペンション形式によって一つでも複数でも良い。基準線に平行な成分の剛性は、アームが一つの場合、このアームに設けられるブッシュのばね定数により決まり、アームが複数の場合、複数のアームに設けられるそれぞれのブッシュのばね定数を合成した値により決まる。
また、本発明に係る上記サスペンションでは、上記ブッシュには、すぐりが形成され、すぐりは、基準線がなす角の変化に応じてブッシュの合成が変化するように形成されていることが好適である。このサスペンションでは、基準線がなす角の変化に応じて、ブッシュに形成されたすぐりの形状や位置等に基づきブッシュのばね定数が変化する。そのため、乗車人数や積載重量の増減等により基準線がなす角が変動しても、この変動した基準線がなす角に応じて基準線に平行な成分の剛性を調整することができ、車両前後方向の力を車両前後方向の反力によって適切に相殺することが可能となる。
また、本発明に係る上記サスペンションでは、車両の車速に応じて基準線に平行な成分の剛性が可変される剛性可変手段が設けられていることが好適である。このサスペンションでは、車両の車速が変化すると、剛性可変手段によって基準線に平行な成分の剛性を変化させる。そのため、車両の車速が変化して、車両前後方向の力が変化しても、基準線に平行な成分の剛性を調整することができ、その変化する車両前後方向の力を車両前後方向の反力によって適切に相殺することが可能となる。
本発明によれば、車両に発生するハーシュネスの低減とブルブル振動の低減を両立することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明に係るサスペンションの実施の形態を説明する。本実施の形態には2つの実施の形態があり、本発明に係るサスペンション1,21を、車両2のリアサスペンションに適用する。なお、本実施の形態では、説明を容易にするため、1本のアームで構成されるサスペンションを適用した場合とする。また、サスペンション1,21で、同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図1及び図2を参照して、第1実施形態に係るサスペンション1について説明する。図1は、本実施形態に係るサスペンションを適用した車両を模式的に示した図である。図2は、第1実施形態に係るサスペンションを拡大して模式的に示した図である。
サスペンション1は、リアタイヤ3からばね下に入力される車両の前後方向の振動を吸収する。そのため、サスペンション1は、アーム4、コンプライアンスブッシュ5を備える。なお、ばね下は、サスペンション1のほか、リアタイヤ3やハブ(不図示)などを備える。
アーム4は、車体6とリアタイヤ3との間で連結されており、リアタイヤ3の動きをコントロールする部材である。アーム4の一端は、リアタイヤ3を回動自在に支持するハブ(不図示)に対して、リアタイヤ3のスピンドルセンター7が軸となるように揺動自在に連結されている。アーム4の他端は、車体6の下部に固定されているコンプライアンスブッシュ5に対して揺動自在に連結されている。そのため、アーム4と車体6とが連結される位置が、ばね下の瞬間中心Mとなる。瞬間中心Mとは、ばね下が上下にストロークした際に、車両側面視において、ばね下(スピンドルセンター7)が回転する回転中心をいう。そして、車両側面視において、スピンドルセンター7と瞬間中心Mを通る線を、基準線Sという。本実施形態では、アーム4が1本であるため、ばね下は車体6とアーム4が連結される連結点を中心に回転する。そのため、車両側面視において、車体6とアーム4が連結される連結点が瞬間中心となり、アーム4と基準線Sとが一致する。そして、アーム4の傾斜角αが基準線Sの車両前後方向線Hとのなす角となる。車両前後方向線Hとは、車両の前後方向における基準となる線であり、図1においては、車両が水平路面上に位置し、前後のばね下の高さが同じであるため、水平方向の線が車両前後方向線Hとなる。
なお、アームが複数本あるサスペンションの回転中心は、その複数のアームの位置、形状、長さ等から決まるばね下の回転中心が瞬間中心となる。そのため、基準線は、この瞬間中心とスピンドルセンターを通る線となる。また、瞬間中心は、サスペンションの形式や、アームの本数、長さ、取り付け位置などによって決まり、例えば、ダブルウィッシュボーン式サスペンションの場合は、ばね下が上下にストロークした際の瞬間において、アッパーアームとロアアームの2本のアームの車体側ピボット軸の延長線の交点が瞬間中心となる。
コンプライアンスブッシュ5は、車体6とアーム4とを弾力的に連結すると共に、車両前後方向の振動を吸収する部材である。そして、サスペンション1の基準線における剛性は、コンプライアンスブッシュ5のばね定数Kxにより決まる。また、コンプライアンスブッシュ5は、車体6の下部に設けられたブッシュ取り付け穴11に圧入され、車体6に固定されている。コンプライアンスブッシュ5は、略厚肉円筒状に形成されており、車体6に固定されてゴムなどの弾性材で形成される弾性部8と、弾性部8の半径方向内側に位置してアーム4を軸回り方向に揺動自在に取り付けるアーム取り付け部9とを備えている。
アーム取り付け部9には、コンプライアンスブッシュ5の軸周りに回転するベアリング(不図示)が回転自在に保持されている。アーム取り付け部9の外周面は弾性部8に固定され、アーム取り付け部9の内周面はアーム4に固定されている。そして、ベアリングがコンプライアンスブッシュ5の軸周りに回転することで、アーム4は車体6に対してスムーズに揺動する。
弾性部8には、すぐり(弾性部8に設けられる穴)10が形成されている。この例では、すぐり10は、アーム取り付け部9を挟んで車両上下方向に1箇所ずつ形成されている。そして、図3に示すように、車両前後方向線Hに対するアーム4の傾斜角α(基準線Sのなす角)が変動すると、すぐり10に対するアーム4の位置が変動する。そのため、そのアーム4の傾斜角αの変動に伴い、コンプライアンスブッシュ5における基準線S方向のばね定数が変動する。すなわち、基準線のなす角αの変動に伴い、サスペンション1における基準線Sと平行な成分の剛性が変動する。
図3(a)は、乗車重量が小さく車体が沈み込んでいない状態を示しており、アーム4の傾斜角α1は比較的大きくなっている。図3(a)に示すように、車両側面視において、アーム4とすぐり10の一部が重なっていると、すぐり10の空間によって基準線S方向のばね定数を決定する弾性部8の密度が小さくなり、基準線S方向のばね定数が小さくなる。図3(b)は、乗車重量が小さく車体が沈み込んでいる状態を示しており、アーム4の傾斜角α2は比較的小さくなっている。図3(b)に示すように、車両側面視において、アーム4とすぐり10が重なっていないと、基準線S方向のばね定数はすぐり10の影響を殆ど受けないため、基準線S方向のばね定数が大きくなる。
ここで、アーム4の傾斜角αとコンプライアンスブッシュ5のばね定数の設定方法について説明する。
まず、ばね下が上下にストロークした際に、リアタイヤ3からばね下に対して入力される車両前後方向の力をFxt(v)(以下「前後力Fxt(v)」という)とする。前後力Fxt(v)は、車速(v)により変化する関数である。また、前後力Fxt(v)は、車速、ばね下の重量、慣性モーメント、タイヤ特性が決まればほぼ一定の値となる。
一方、サスペンション1の基準線Sにおけるばねのばね定数をKxとし、ばね下が上下に所定量ストロークした際に生じる車両前後方向線Hに対する基準線Sのなす角をαとする。そして、図4に示すように、瞬間中心Mがスピンドルセンター7から十分遠い位置にあるとして、ばね下が上下にストロークしてスピンドルセンター7が上下方向にZだけ変位すると、ばね定数KxのばねはZ×sinαだけ縮む。そのため、ばね定数Kxのばねは、基準線S上でKx×Z×sinαの反力を発生する。そして、ばね下が上下にストロークした際に、ばね定数Kxの作用によってばね下に入力される車両前後方向の反力Fxa(以下「反力Fxa」という)は、Fxa=Kx×Z×sinα×cosαとなる。
そして、ばね下の共振周波数近傍で前後力Fxt(v)が反力Fxaにより相殺されるように、Kx=Fxt(v)/(cosα×sinα)…(1)の関係を満たすように、ばね定数Kx及び基準線Sがなす角αを設定する。つまり、ばね下の共振周波数近傍で前後力Fxt(v)と反力Fxaとが相殺されるように、式(1)の関係を満たす剛性Kxと基準線がなす角αを求め、アーム4の傾斜角をαとし、コンプライアンスブッシュ5のばね定数がKxとなるように設定する。
車両2が路面を走行し、突起等を乗り越えるときに、図5に示すように、車両2の前後方向には、周波数が8〜16Hz程度のブルブル振動(I)と、周波数が40Hzを中心として広い周波数帯域のハーシュネス(II)が発生する。このとき、破線Aに示すように、基準線におけるばね定数Kx(剛性)を大きくすると、ブルブル振動(I)の振動レベルが低くなるものの、ハーシュネス(II)の振動レベルが若干高くなる。細線Bに示すように、基準線におけるばね定数Kx(剛性)を小さくすると、ブルブル振動(I)の振動レベルは高くなるが、ハーシュネス(II)の振動レベルが低くなる。また、ブルブル振動(I)の8〜16Hzの周波数帯域はばね下の共振周波数であるため、ブルブル振動(I)の振動レベルはハーシュネス(II)の振動レベルに比べて大幅に高くなる。しかし、太線Cに示すように、サスペンション1により共振数端数域において反力Fxaでばね下の前後力Fxt(v)を相殺させることで、ブルブル振動(I)を大幅に小さくすることができる。
そこで、ハーシュネス(II)の振動レベルが小さくなるようにコンプライアンスブッシュ5のばね定数Kxを小さく設定すると共に、ブルブル振動(I)の振動レベルが小さくなるように上記式(1)の関係を満たすようなアーム4の傾斜角αとコンプライアンスブッシュ5のばね定数Kxを設定する。
このように、コンプライアンスブッシュ5のばね定数Kxを小さく設定することによって、ハーシュネス(II)の振動レベルを減少させることができる。そして、式(1)の関係を満たすようにコンプライアンスブッシュ5のばね定数Kxとアーム4の傾斜角αを設定することで、ばね下の共振周波数近傍で反力Fxaにより前後力Fxt(v)を相殺することができる。そのため、コンプライアンスブッシュ5のばね定数Kxを小さく設定することでブルブル振動(I)が増大するが、ばね下の共振を低減することができるため、ブルブル振動(I)を効果的に低減することができる。
すぐり10はコンプライアンスブッシュ5に設けられた穴であるため、車両側面視において、アーム4とすぐり10の位置が近くなるほど、コンプライアンスブッシュ5のばね定数に与える影響が大きくなる。そのため、傾斜角αに応じてばね定数を大きく変化させたい場合は、すぐり10の位置を、傾斜角αの変動範囲で、アーム4と重なる位置になるように設定することが望ましい。なお、すぐり10の位置、形状、大きさは、アームの傾斜角αが変化した場合に、式(1)の条件が常に満たされるように、実験等によって予め設定される。
サスペンション1によれば、前後力Fxt(v)と反力Fxaとが相殺するように、サスペンション1のばね定数Kxとアーム4の傾斜角αを設定することで、ばね下の共振が低減し、ブルブル振動の振動レベルを低減させることとができる。また、コンプライアンスブッシュ5のばね定数Kxを小さくすることで、ハーシュネスの振動レベルを減少させることができる。このため、ブルブル振動の低減とハーシュネスの振動レベルの低減とを両立することが可能となる。
また、サスペンション1によれば、アーム4と車体6との間に一般的に使われるコンプライアンスブッシュ5を設け、サスペンション1の基準線における剛性Kxをコンプライアンスブッシュ5のばね定数により設定でき、簡易かつ安価に剛性Kxを設定することが可能となる。
次に、図6及び図7を参照して、第2実施形態に係るサスペンション21について説明する。図6は、第2実施形態に係るサスペンションを拡大して模式的に示した図である。図7は、剛性可変装置の構成を示す図である。
サスペンション21は、第1実施形態に係るサスペンション1と基本的な構成が同じである。サスペンション21がサスペンション1と異なる点は、コンプライアンスブッシュ25が車体6に対して回転可能に取り付けられている点と、コンプライアンスブッシュ25を回転させる剛性可変装置22を備えている点である。
コンプライアンスブッシュ25は、第1実施形態に係るサスペンション1のコンプライアンスブッシュ5と同様のすぐり10が形成されている。コンプライアンスブッシュ25が車体6に対して回転することで、車体6及びアーム4に対するすぐり10の位置が変動する。そして、車体6及びアーム4に対するすぐり10の位置が変動すると、コンプライアンスブッシュ5のばね定数Kxが変動し、基準線に平行な成分の剛性が変動する。
剛性可変装置22は、車速に応じてコンプライアンスブッシュ25を回転させてコンプライアンスブッシュ25のばね定数を可変させる。そのために、剛性可変装置22は、車速センサ26、モータ27、ECU28を備えている。
車速センサ26は、車輪などに設けられており、車両の車速を検出するセンサである。そして、車速センサ26は、その検出値を車速信号としてECU28に送信する。
モータ27は、ECU28からのモータ電流を受けて駆動し、回転軸(不図示)を回転させる。モータ27の回転は、減速機構などを介して、コンプライアンスブッシュ25に伝達され、コンプライアンスブッシュ25を回転させる。
ECU28は、車速センサ26及びモータ27と接続されており、車速に応じてモータ27を回転制御する。ECU28は、図8に示す車速とコンプライアンスブッシュの回転角の関係を示したモータ制御マップを保持している。
モータ制御マップは、車速に応じたコンプライアンスブッシュ25の回転角を示したマップであり、車速が高くなるにつれてコンプライアンスブッシュ25の回転角が増加するように設定されている。つまり、車速が変化すると前後力Fxt(v)が変化する。それに応じて、コンプライアンスブッシュ25のばね定数Kxを変化させて上記式(1)の関係を常に満たすようにする。そのために、コンプライアンスブッシュ25を回転させてすぐり10の位置を変えてコンプライアンスブッシュ25のばね定数を強制的に変更するために、車速に応じたコンプライアンスブッシュ25の回転角が示されたモータ制御マップが設けられている。なお、コンプライアンスブッシュ25の回転角は、車速に応じて、タイヤの特性、車両諸元、アーム4の傾斜角α、コンプライアンスブッシュ25のすぐり10の位置、大きさ、形状などを考慮して、実験によって予め設定される。
ECU28は、車速センサ26からの車速信号を受信して、モータ制御マップから車速に応じたコンプライアンスブッシュ25の回転角を求め、このコンプライアンスブッシュ25の回転角に応じたモータ電流を算出する。そして、ECU28は、そのモータ電流を発生し、このモータ電流をモータ27に供給することで、モータ27を回転制御する。
次に、動作について、図9を参照して説明する。図9は、ECUにおける処理の流れを示す図である。なお、図9の制御処理は、ECU28により繰り返し行われる。
車速センサ26は、車両2の車速を検出して、車速信号をECU28に送信している。ECU28は、一定時間ごとに、車速信号を受信して車速を取得する(S1)。そして、ECU28は、モータ制御マップから、取得した車速に応じたコンプライアンスブッシュ25の回転角を決定する(S2)。ECU28は、決定したコンプライアンスブッシュ25の回転角に必要なモータ電流を算出し、算出したモータ電力を発生させる。そして発生したモータ電力をモータ27に供給してモータ27を回転制御する(S3)。
モータ27は、ECU28からモータ電流を受けて駆動し、回転軸を回転させる。このモータ回転によってコンプライアンスブッシュ25が回転すると、すぐり10の位置が変化し(ひいては、傾斜角αのアーム4とすぐり10との位置関係が変化し)、コンプライアンスブッシュ25のばね定数Kxが変化する(ひいては、基準線における剛性Kxが変化する)。このコンプライアンスブッシュ25のばね定数Kxの変化によって車速が変化しても、反力Fxaにより前後力Fxt(v)を常に相殺することが可能となる。
このように、車速に応じてモータ27を回転制御してコンプライアンスブッシュ25を回転させ、車体6及びアーム4に対するすぐり10の位置を変動させることで、車速に応じて基準線におけるばね定数Kxを調整することが可能となる。リヤタイヤ3からばね下に入力される前後力Fxt(v)は車速に応じて変化するが、車速に応じてアーム4に対するすぐり10の位置を変化させることで、反力Fxaを調整することができる。
サスペンション21によれば、車両2の車速が変化して前後力Fxt(v)が変化しても、コンプライアンスブッシュ25を回転させることによって、ばね定数Kxを調整することにより、その変化する前後力Fxt(v)を反力Fxaによって常に相殺することが可能となり、ばね下の共振によって増大するブルブル振動をより効果的に低減することが可能となる。
なお、車速に応じて、コンプライアンスブッシュ25のばね定数Kxを大きくした場合、ハーシュネスの振動レベルは大きくなるが、その増大量は少なく、振動レベルが元々大きいブルブル振動の振動レベルを効果的に低減することができる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
例えば、上記実施の形態では、コンプライアンスブッシュにはすぐりを設けるものとして説明したが、必ずしもすぐりを設ける必要はない。前後力Fxt(v)は、車速、ばね下の重量、慣性モーメント、タイヤ特性が決まればほぼ一定の値となる。そのため、使用頻度の高い車速(v)と、使用頻度の高い乗車重量条件を想定し、そのときの前後力Fxt(v)を反力Fxaで相殺するように、ばね定数Kx及びアーム4の傾斜角αを設定しても良い。このようにばね定数Kx及びアーム4の傾斜角αを設定することで、使用頻度の高い車速や使用頻度の高い乗車重量条件において、ハーシュネスの低減とブルブル振動の低減を両立させることができ、低コストで効果的に乗り心地を向上させることが可能となる。
また、1本のアームで構成されるサスペンションについて説明したが、特にサスペンションの形式に限定されるものではなく、例えばダブルウィッシュボーン式サスペンションやマルチリンク式サスペンションなどのサスペンション形式であっても良い。アームが複数本ある場合、回転中心は、その複数のアームの位置、形状、長さ等から決まるばね下の回転中心となる。基準線は、この瞬間中心とスピンドルセンターを通る線となる。基準線がなす角は、車両前後方向線に対して基準線がなす角となる。サスペンションの剛性は、それぞれのアームに設けられるブッシュのばね定数を合成した値となる。
また、説明を分かりやすくするために、サスペンションの形状としてアーム4を基準線に一致させて連結するように説明したが、アーム4は基準線に一致させる必要は無く、基準線のなす角αと、基準線に平行な成分の剛性Kxとが上記式(1)を満たす関係になっていれば、如何なる形状、配置等のサスペンションであっても良い。
また、アームとコンプライアンスブッシュとの連結として、ベアリングを例として説明したが、アームをコンプライアンスブッシュに対して揺動自在に連結することができれば如何なる連結手段でもよく、例えばボールジョイントにより連結することとしても良い。
また、剛性可変装置として、スグリを有するコンプライアンスブッシュをモータで回転させる構成について説明したが、コンプライアンスブッシュのばね定数を可変することができるものであれば如何なる手段により行っても良く、例えば、図10に示すように、コンプライアンスブッシュ35に形成されるすぐり40に挿抜される円錐状のニードル41と、ニードル41を進退させるアクチュエータ42とを備え、車速に応じてニードル41を進退させ、すぐり40に挿入させる長さを変えることで、コンプライアンスブッシュ35のばね定数Kx(ひいては剛性Kx)を可変することとしても良い。
本実施形態に係るサスペンションを適用した車両を模式的に示した図である。 第1実施形態に係るサスペンションを拡大して模式的に示した図である。 ブッシュとアームの関係を示した図であり、(a)はアームの傾斜角が大きな場合を示し、(b)はアームの傾斜角が小さな場合を示している。 コンプライアンスブッシュによる車両前後方向の反力を説明するための図である。 車両に発生する振動の周波数に対する振動レベルを示した図である。 第2実施形態に係るサスペンションを拡大して模式的に示した図である。 剛性可変装置の構成を示した図である。 モータ制御マップを示した図である。 ECUにおける処理の流れを示した図である。 剛性可変装置の他の構成を示す図である。
符号の説明
1,21…サスペンション、2…車両、3…リアタイヤ、4…アーム、5,25,35…コンプライアンスブッシュ、6…車体、7…スピンドルセンター、10,40…すぐり、22…剛性可変装置、26…車速センサ、27…モータ、28…ECU、41…ニードル、42…アクチュエータ

Claims (4)

  1. ばね下が上下にストロークした際にタイヤからばね下に入力される車両前後方向の力と、ばね下が上下にストロークした際のばね下の瞬間中心とタイヤのスピンドルセンターとを通る車両前後方向の基準線に平行な成分の剛性によってばね下に入力される車両前後方向の反力とが相殺されるように、前記基準線に平行な成分の剛性と、車両前後方向における車両前後方向線に対して前記基準線がなす角とを設定することを特徴とするサスペンション。
  2. 前記サスペンションの各アームはブッシュを介して車体に取り付けられ、
    前記基準線に平行な成分の剛性は、前記ブッシュの剛性により決まることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション。
  3. 前記ブッシュには、すぐりが形成され、
    前記すぐりは、前記基準線がなす角の変化に応じて前記ブッシュの剛性が変化するように形成されていることを特徴とする請求項2に記載のサスペンション。
  4. 車両の車速に応じて前記基準線に平行な成分の剛性が可変される剛性可変手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のサスペンション。
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