(1) 遊技領域(遊技領域7)に設けられ遊技媒体(遊技球、パチンコ玉)が進入したときに所定の始動条件(S131でYES)が成立する始動領域(可変入賞球装置15)と、前記始動条件が成立したことを条件として各々が識別可能な複数種類の識別情報(「0」〜「9」の飾り図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する変動表示装置(変動表示装置9)とを備え、前記変動表示装置における前記識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(大当り図柄の組合せ)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記変動表示の表示結果を導出表示する前(たとえば、変動表示開始前)に、当該表示結果として前記特定表示結果を導出表示させて前記特定遊技状態に制御するか否かを決定する事前決定手段(図16のS24〜S31)と、
前記始動条件が成立したことを条件として、前記変動表示装置において前記変動表示を行ない前記事前決定手段による決定結果に基づく表示結果を導出表示させる導出表示手段(S400〜S403)と、
該導出表示手段により前記特定表示結果が導出表示された後に、所定の終了条件(15ラウンド終了)が成立するまで前記特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段(S144〜S147)と、
前記特定遊技状態が終了した後に前記導出表示手段により前記変動表示が所定の終了回数行なわれるまで(S154でYESと判定されるまで)、通常状態より前記始動領域へ遊技媒体が進入しやすい高進入状態(高ベース状態、時短状態)に制御する高進入状態制御手段(S147、S141、S107)と、
前記特定遊技状態が終了した後に所定の高確率終了条件が成立するまで(S158でYESと判定されるまで)、前記導出表示手段による変動表示の表示結果が前記特定表示結果となる確率が前記通常状態よりも向上した高確率状態(高確率状態、確変状態)に制御する高確率状態制御手段(S147、S140)とを備え、
前記事前決定手段は、前記特定遊技状態に制御すると決定したことを条件として、予め複数種類定められた回数(30回、100回、500回)から一の回数を前記終了回数としてさらに決定する手段であって、前記特定遊技状態に制御すると決定したときの遊技状態が前記通常状態であるときの方が前記高確率状態であるときよりも高い割合で前記複数種類定められた回数のうち多い回数を前記終了回数として決定する(S31、図8の高確率状態と低確率状態との振分を参照)。
このような構成によれば、複数種類定められた回数から一の回数が終了回数として決定されるため、遊技性を向上させることができる。また、通常状態で特定遊技状態になれば、高確率状態で特定遊技状態になった場合よりも、多い回数が決定される割合が高くなり、特定遊技状態終了後に高進入状態に長く制御される可能性が高くなる。このため、通常状態に高確率状態であるときより有利な点を付与することができ、通常状態における遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前記事前決定手段は、前記特定遊技状態に制御すると決定したときの遊技状態が前記高確率状態でありかつ前記高進入状態であるとき(高確高ベース状態)と前記高確率状態でありかつ前記高進入状態でないとき(高確低ベース状態)とで、前記複数種類定められた回数から異なる割合に従って一の回数を前記終了回数として決定する(図8の高確高ベース状態と高確低ベース状態との振分を参照)。
このような構成によれば、高確率状態でありかつ高進入状態であるときと高確率状態でありかつ高進入状態でないときとで、異なる割合に従って終了回数が決定される。このため、終了回数が何回に決定されるかについて、高確率状態でありかつ高進入状態であるときと高確率状態でありかつ高進入状態でないときとで異なる期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 前記高確率終了条件は、前記高確率状態制御手段により前記高確率状態に制御されているときに前記導出表示手段により前記変動表示が高確率終了回数(確変回数)行なわれることにより成立し、
前記事前決定手段は、さらに、前記特定遊技状態に制御すると決定したことを条件として、予め複数種類定められた回数(100回、300回、500回)から一の回数を前記高確率終了回数として決定する(S543、S544)。
このような構成によれば、複数種類定められた回数から一の回数が高確率終了回数として決定されるため、遊技性を向上させることができる。また、高確率状態に制御される期間が変化し、通常状態に制御させる時期を変化させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 前記事前決定手段は、前記特定遊技状態に制御すると決定したときの遊技状態が前記通常状態であるときに前記複数種類定められた回数のうち最も多い回数(500回)を前記終了回数として決定する(図30(b)参照)。
このような構成によれば、現在の遊技状態が高確率状態であるのかまたは通常状態であるのかを認識しながら遊技者は遊技を行なうことができるため、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、遊技領域に設けられ遊技媒体が進入したときに所定の始動条件が成立する始動領域と、前記始動条件が成立したことを条件として各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なって表示結果を導出表示する変動表示装置とを備え、前記変動表示装置における前記識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御される遊技機であればどのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には遊技媒体としての遊技球(打球)を貯留する打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を変動表示する複数の変動表示領域を含む変動表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。また、変動表示装置9の上部には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。変動表示装置9には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の変動表示を行なう。変動表示装置9は、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ800(図4参照)によって制御される。特別図柄表示器8は表示部が小型であるので、変動表示の態様および変動表示の表示結果が変動表示装置9と比べて見づらいため、遊技者は主として変動表示装置9の方に注目する。
特別図柄表示器8は、たとえば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に大当りの種類を把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を変動表示するように構成されていてもよい。また、変動表示装置9は、液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されている。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、飾り図柄の変動表示を行なう。
なお、本実施の形態においては、変動表示装置9は、液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、変動表示装置9は、CRT、プラズマ表示やエレクトロルミネセンスあるいはドットマトリックス表示を利用したもの等、その他の画像表示式の表示装置であってもよい。
変動表示装置9の下部には、始動入賞口14に入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、始動入賞口14に始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。なお、この例では、始動入賞口14への入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上の値にしてもよく、4個よりも少ない値にしてもよい。
変動表示装置9の下方には、始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15には、開閉動作をすることが可能な態様で左右一対の可動片が設けられている。可変入賞球装置15の可動片は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されて所定期間開状態とされる。可変入賞球装置15の可動片が開状態となることにより、遊技球が始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、可変入賞球装置15の可動片が閉状態となることにより、遊技球が始動入賞口14に入賞しにくくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。
可変入賞球装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となったときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞した入賞球は、カウントスイッチ23で検出される。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15の開放条件が成立し、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられる。遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。賞球ランプ51、球切れランプ52、装飾ランプ25、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28c等の各種発光手段は、後述するランプドライバ基板35によって点灯制御(ランプ制御)される。また、スピーカ27からの音発生制御(音制御)は、後述する音声出力基板70によって行なわれる。
カードユニット50には、たとえば、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、および、カード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠が設けられている。
遊技者の操作により打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、所定の開放終了条件が成立するまで開放する。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値に達するまで繰返される。このように特別可変入賞球装置20の開放が繰返し継続される制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。継続権が発生する開放回数の上限値は、たとえば15ラウンドのような所定回数に設定されている。
この実施の形態の場合は、特定表示結果としての大当り図柄となったときに移行される第15ラウンドを最終ラウンドとして第15ラウンドとなるまで無条件で継続権が成立する第1特定遊技状態としての15ラウンド大当り(以下、大当りという)が設けられている。これにより、大当りの場合は、特別可変入賞球装置20が必ず15回開放される制御が行なわれることとなる。ただし、大当りのときの開放終了条件は、開放してから30秒間(所定時間)経過するまで、または、10個(所定個数)の遊技球が入賞するまでという2つの条件のうちいずれかが成立したときに成立する。
特別図柄表示器8での変動表示の停止時における特別図柄の表示結果が、大当り図柄である場合には、大当り遊技状態が終了してから変動表示装置9において変動表示が後述するように決定される確変回数行なわれるまでの間、大当りになる確率が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態(後述する低確低ベース状態)よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態、高確率状態、または高確状態と呼ぶ場合もある)という遊技者にとって有利な状態になる。また、確変状態以外の非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
また、特別図柄表示器8での変動表示の停止時における特別図柄の表示結果が、大当り図柄である場合には、大当り遊技状態が終了してから変動表示装置9において変動表示が後述するように決定される時短回数行なわれるまでの間、変動時間短縮状態である時短状態に制御される。時短状態とは、通常遊技状態(後述する低ベース状態)に比べて、特別図柄表示器8、変動表示装置9、および、普通図柄表示器10のそれぞれの変動時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。
さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率を高める普通図柄確変制御、普通図柄表示器10における変動時間を短縮する普通図柄時短制御、可変入賞球装置15の開放時間を長くする開放延長制御、および開放回数を増加する回数増加制御が行なわれる。時短状態中では、図柄の変動時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
また、入賞に応じた遊技球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における可変入賞球装置15の開放時間が長くされ、当り時における可変入賞球装置15の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて可変入賞球装置15が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、始動入賞口14への入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだ遊技球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出される遊技球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。たとえば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施の形態の場合では、たとえば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
前述したように、大当り遊技状態終了後に制御される確変状態は、変動表示装置9において確変回数変動表示が行なわれたときに終了する。よって、大当りとなり確変状態に制御され高確率状態となった後、変動表示装置9において確変回数変動表示が行なわれたときに、低確率状態に制御される。
また、前述したように、大当り遊技状態終了後に制御される時短状態は、変動表示装置9において時短回数変動表示が行なわれたときに終了する。よって、大当りとなり時短状態に制御され高ベース状態となった後、変動表示装置9において時短回数変動表示が行なわれたときに、低ベース状態に制御される。
すなわち、この実施の形態においては、大当り遊技状態終了後に高確率状態かつ高ベース状態である高確高ベース状態に制御される。そして、変動表示装置9において変動表示が、時短回数行なわれることにより低ベース状態に制御され、確変回数行なわれることにより低確率状態に制御される。
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。これら確変フラグおよび時短フラグのセット状態により、現在制御されている遊技状態が特定され、現在の遊技状態である現遊技状態が特定される。
変動表示装置9において変動表示される飾り図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始する関係、および、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに飾り図柄の表示結果が導出表示されて飾り図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。特別図柄表示器8により大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、変動表示装置9により後述する大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。特別図柄表示器8と変動表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
たとえば、変動表示装置9において、図柄が停止することで大当りとなる有効ライン(本実施の形態の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(たとえば、変動表示装置9における左,中,右の変動表示領域のうち左,右の表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、変動表示装置9における左,中,右の表示領域のすべてに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、飾り図柄の背面側に表示される背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、はずれ時より大当り時に選択されやすいリーチがある。当該リーチが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、変動表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなることを報知する予告演出である大当り予告が行なわれる場合がある。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図3を参照して説明する。図3は、パチンコ遊技機1を裏面から見た背面図である。
図3に示すように、パチンコ遊技機1の裏面側では、変動表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、ランプドライバ基板(図示省略)、および、球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。
さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板91Aが設けられている。電源基板910は、大部分が主基板31と重なっているが、主基板31に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分がある。この露出部分には、パチンコ遊技機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置970、変動表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行なうことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)36が設置されている。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レール(図示せず)を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置に至る。球払出装置の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞に基づく景品としての遊技球や球貸し要求に基づく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示せず)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図4は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、パチンコ遊技機1に搭載されている払出制御基板37、ランプドライバ基板35、音声出力基板70、インタフェース基板66、中継基板77、および、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)となる遊技制御用マイクロコンピュータ560と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、クリア信号、および電源断信号が遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59と、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって各種の情報信号をホールコンピュータ等のパチンコ遊技機1の外部に設けられた装置に出力する情報出力回路53とが搭載されている。
なお、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行なう始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの各スイッチは、入賞領域への遊技球の入賞を検出する入賞検出手段でもある。
なお、ゲート32のような通過ゲートであっても、賞球の払出しが行なわれるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(たとえばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。また、大入賞口に入賞した遊技球数は、カウントスイッチ23により検出される。よって、大入賞口に入賞した遊技球数は、カウントスイッチ23による検出数に相当する。
前述したクリア信号は、電源基板910からのRAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示す信号をいう。クリア信号は、主基板31において分岐され、払出制御基板37にも供給される。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が入力ポートを介して入力したクリア信号の状態を、出力ポートを介して払出制御基板37に出力してもよい。また、電源断信号は、払出制御基板37を経由して電源基板910からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す信号をいう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56、および、I/Oポート506を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、CPU56の他に少なくともRAM55が内蔵されていればよい。また、ROM54およびI/Oポート506は、外付けであっても内蔵されていてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ560で実現されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(後述する特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ、確変カウンタ、時短カウンタ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを、遊技の進行状態を示すデータと定義する。この実施の形態では、RAM55の全部の記憶領域が、電源バックアップされているものとする。
主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前述したROM54、RAM55、CPU56、I/Oポート506の他に、所定の範囲において乱数を発生させる乱数回路を搭載する。乱数回路は、16ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、16ビット乱数回路ともいう)である。乱数回路は、16ビットで発生できる範囲(すなわち、0から65535までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。
乱数回路は、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かを判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。この乱数回路は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新させていき、始動入賞が発生したことに基づいて読出される数値データを乱数値とする乱数発生機能を有する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞口14への始動入賞が生じたときに乱数回路から数値データを乱数値R1として読出し、その数値データに基づいて、表示結果を大当り図柄にするか否か、すなわち、大当りとするか否かの大当り判定を行なう。そして、大当り判定により、大当りとすると判定したときに遊技状態を遊技者にとって有利な大当り遊技状態に移行させる。
乱数回路は、ユーザによる数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および、数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能により、乱数回路は、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。なお、本実施形態においては、ハードウェア回路である乱数回路により発生される乱数値であるR1を用いて大当り判定を行なう例について説明するが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するソフトウェアにより更新される数値を用いて大当り判定を行なうものであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板910からのリセット信号が入力される。また、払出制御用マイクロコンピュータのリセット端子にも、電源基板910からのリセット信号が入力される。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータは動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータは動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータの動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータの動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(主基板31を含む)に搭載してもよいし、複数の電気部品制御基板のうち一つまたは複数にリセット回路を搭載し、そこからリセット信号を他の電気部品制御基板に供給するようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御基板80に表示制御、音制御、および、ランプ制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御基板80には、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、変動表示装置9での表示制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータ800等の電気部品制御手段が搭載されている。
演出制御用マイクロコンピュータ800は、表示制御用のプログラム等を記憶するROM84と、ワークメモリとして使用されるRAM85と、プログラムにしたがって表示制御動作を行なうCPU86と、I/Oポート87とを含む。この演出制御用マイクロコンピュータ800は、演出制御コマンドに応じて、変動表示装置9の変動表示等の各種表示の演出に関する制御と、賞球ランプ51、球切れランプ52、装飾ランプ25、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cの制御(ランプ制御)と、スピーカ27を用いた遊技音発生制御(音制御)とを含む各種演出に関する制御を行なう。
演出制御基板80には、演出制御用マイクロコンピュータ800の他に、VDP、キャラクタROM、および、VRAM(図示省略)が搭載されている。VDPは、画像表示を行なう表示制御機能および高速描画機能を有する処理装置であり、変動表示装置9の表示制御を行なう。CPU86は、受信した演出制御コマンドに従って、VDPに、表示制御用のコマンドに応じた画像表示をするための制御データを送信する。そして、そのように送信された制御データに従った画像表示をするために、VDPがキャラクタROMから必要なデータを読出す。キャラクタROMは、変動表示装置9に表示する画像データを予め格納しておくためのものである。
VDPは、CPU86とは独立した二次元のアドレス空間を持つVRAMにマッピングしている。VDPは、キャラクタROMの画像データに従って、変動表示装置9に表示するための画像データを生成し、VDPはVRAMに画像データを展開する。VRAMはVDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。VRAMに展開された画像データは、変動表示装置9に出力される。
演出制御用マイクロコンピュータ800は、音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力することにより、スピーカ27から効果音等の音声を出力させる制御を行なう。また、演出制御用マイクロコンピュータ800は、ランプドライバ基板35に各種発光手段の駆動信号を出力することにより、前述のような発光手段の制御を行なう。これにより、変動表示装置9での演出表示に対応して(同期して)、音の制御および発光制御が行なわれる。
主基板31と演出制御基板80との間には、演出制御コマンドを送信するための8本の信号線と、ストローブ信号を送信するための演出制御INT信号の信号線とが設けられている。
演出制御用マイクロコンピュータ800では、演出制御INT信号により示された取込みタイミングで、8本の信号線から演出制御コマンドを受信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ800では、受信した演出制御コマンドが示す演出に対応して行なうべき表示制御、音制御およびランプ制御をするために、変動表示装置9の表示制御を行なうとともに、スピーカ27の駆動信号および各種ランプの駆動信号を出力する。このような構成においては、演出制御コマンドに基づいて演出制御が行なわれるときに、演出制御用マイクロコンピュータ800により、変動表示装置9の表示制御に合わせて、音制御およびランプ制御が行なわれる。つまり、演出制御用マイクロコンピュータにおいて、演出制御コマンドに基づいて変動表示装置9の表示制御を行なうとともに、その表示制御内容に対応する音制御およびランプ制御を行なうことにより、変動表示装置9の表示制御の演出に合わせた(同期した)音制御およびランプ制御が行なわれるのである。
次に、この実施の形態のパチンコ遊技機1での制御に用いられる乱数を発生させるためにソフトウェアを用いて数値データを更新する数値更新手段としてのランダムカウンタについて説明する。図5(a)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が遊技制御に用いる乱数を発生させるために用いるランダムカウンタを説明するための図であり、図5(b)は、演出制御用マイクロコンピュータ800が演出制御に用いる乱数を発生させるために用いるランダムカウンタを説明するための図である。まず、図5(a)には、ランダムカウンタの一例として、ランダムカウンタR2〜R6が示されている。
大当りとするか否かの判定(大当り判定)は、ハードウェア回路である乱数回路により発生される乱数値であるR1を用いて行なわれるが、大当り判定以外の各種制御に用いられる乱数値は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するソフトウェアにより更新される数値を用いて生成される。
始動口スイッチ14aにより有効な始動入賞(保留記憶数が上限数に達していない状態での始動入賞)が検出されると、それに応じて、R1および後述するR2のそれぞれが抽出されて保留記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、R1については、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、そのようにRAM55に記憶されたR1の抽出値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かが判断される。この判断において、大当り判定値と一致した場合には、変動表示の表示結果を大当り図柄として大当りを発生させることが決定され、前述した大当り遊技状態の制御が行なわれる。大当り判定値と一致しない場合には、変動表示の表示結果を大当りとしないことが決定される。
R2は、R1を用いた大当り判定により大当りを発生させることが事前決定されているときに、予め複数種類定められている大当り図柄のうちのどの大当り図柄を停止表示させるかの決定を行なうために用いられる乱数を発生させるための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R2は、「0」からその上限である「99」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR2は、2msecごとに1ずつ加算更新されることとなる。
R3は、特別図柄表示器8の変動表示のパターンである変動パターンをランダムに選択決定するために用いられる乱数を発生するための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R3は、「0」からカウントアップしてその上限である「99」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msecごとおよび割込処理余り時間に1ずつ加算更新される。ここで、R3のランダムカウンタにおいて行なわれる割込み処理余り時間におけるカウントアップ動作について説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、定期的な割込み処理の実行により、各種制御を行なうが、ある割込み処理について、割込み処理が実行された後に、その割込み処理の次回の実行開始までの期間は割込み処理待ち状態となる。そのような割込み処理待ち状態である割込み処理の余り時間において、無限ループを利用してランダムカウンタの加算更新処理を繰返し実行することを割込み処理余り時間におけるカウントアップという。
特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングでR3から抽出されたカウンタの値に基づいて、予め定められた複数種類の変動パターンの中から、変動表示に用いる変動パターンが選択決定される。各変動パターンには、変動表示を開始してから表示結果が導出表示されるまでの変動時間が予め定められており、変動パターンを選択決定することにより、変動時間が選択決定されることとなる。このようなR3のカウント値と複数種類の変動パターンとの関係を定めたデータは、ROM54に格納されている変動パターンテーブル(図11参照)に設定されている。
R4は、普通図柄表示器10の変動表示について当りを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R4は、「0」等の初期値からカウントアップしてその上限である「250」までカウントアップし、再度「0」等の初期値からカウントアップし直すように構成されており、2msecごとに1ずつ加算更新される。ゲートスイッチ32aにより有効な始動通過が検出されると、それに応じて、このR4の乱数が抽出されて通過記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、普通図柄の変動表示を開始する前の段階で、その抽出値が予め定められた当り判定値と一致するか否かが判断され、一致した場合には普通図柄の当りを発生させることが決定されて前述のような制御が行なわれ、不一致の場合にははずれとすることが決定されて前述のような制御が行なわれない。本実施形態における普通図柄の当り判定値は、低ベース状態であるときに0〜49が、高ベース状態であるときに0〜249が、各々セットされる。
R5は、R1を用いた大当り判定により大当りを発生させることが事前決定されているときに、大当り遊技状態が終了した後に制御される時短状態の終了条件に関わる時短回数の決定を行なうために用いられる乱数を発生させるための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R5は、「0」からその上限である「9」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR5は、2msecごとに1ずつ加算更新されることとなる。
R6は、R1を用いた大当り判定により大当りを発生させることが事前決定されているときに、大当り遊技状態が終了した後に制御される確変状態の終了条件に関わる確変回数の決定を行なうために用いられる乱数を発生させるための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R6は、「0」からその上限である「19」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR6は、2msecごとに1ずつ加算更新されることとなる。
図5(b)は、演出制御用マイクロコンピュータ800が演出制御に用いる各種ランダムカウンタの一例を説明するための図である。図5(b)には、ランダムカウンタの一例として、演出内容決定用のランダムカウンタRS1、および飾り図柄の停止図柄決定用のランダムカウンタRS2−1〜RS2−3が示されている。
RS1は、変動表示装置9で行なわれる各種演出の内容をランダムに決定するために用いられる乱数を発生させる演出内容決定用の数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。RS1は、「0」からカウントアップしてその上限である「99」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、33msecごとに1ずつ加算更新される。RS1は、所定タイミングでカウンタの値が抽出され、抽出されたカウンタの値により、予め定められたカウンタの値と演出内容との関係に基づいて、演出内容が選択決定される。
RS2−1〜RS2−3は、変動表示装置9について、飾り図柄の停止図柄を事前にランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるための飾り図柄停止図柄決定用の数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。RS2−1は、左図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RS2−2は、中図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RS2−3は、右図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RS2−1〜RS2−3のそれぞれについては、RS2−1が33msecごと、RS2−2がRS2−1の桁上げごと、RS2−3がRS2−2の桁上げごとにそれぞれ加算更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。
飾り図柄は、予め定められた図柄の配列順序に従って変動(更新)表示される。予め定められたはずれ図柄決定用データテーブルにおいて、複数種類の飾り図柄のそれぞれには飾り図柄停止図柄決定用の数値データが対応付けられており、遊技制御用マイクロコンピュータ560により、大当り判定(R1による判定)で大当りとしないとする判定がされたことによりはずれとすることが決定された場合であってかつリーチ状態としないこと、すなわち、非リーチはずれとすることが判定された場合には、所定のタイミングでRS2−1〜RS2−3のそれぞれから抽出された乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の飾り図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。はずれとする場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、非リーチはずれとする場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、はずれとする場合であってかつリーチ状態とする場合には、前述したタイミングで抽出された乱数のうち、RS2−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各飾り図柄の停止図柄として決定され、RS2−2から抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560による大当り判定で大当りとすることが決定された場合には、所定のタイミングでRS2−1から抽出された乱数に基づいて、左,中,右の各飾り図柄の変動表示結果が、飾り図柄の3つ揃いとなる大当り図柄の組合せとしてランダムに決定される。RS2−1の値と大当り図柄との関係については、大当り図柄決定用データテーブルに記憶されている。
次に、前述した大当り、およびはずれ各々について、特別図柄表示結果、および飾り図柄表示結果を説明する。図6は、大当りおよびはずれ各々に対応する特別図柄表示結果および飾り図柄表示結果を表形式で示す図である。
大当り図柄については、特別図柄の表示結果を「4」または「5」とすることが決定され、飾り図柄の表示結果の組合せを「0」〜「9」のうちのいずれかの3つ揃いとすることが決定される。はずれ図柄については、特別図柄の表示結果を「0」、「1」、「2」、「3」、「6」、「7」のうちから決定され、3つ揃い以外の飾り図柄の組合せから飾り図柄の表示結果が決定される。
次に、大当り判定に用いる大当り判定テーブルを説明する。図7は、非確変状態において用いられる非確変時大当り判定用テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定用テーブルとを説明するための図である。非確変時大当り判定用テーブルおよび確変時大当り判定用テーブルは、ROM54に記憶されている。
まず、非確変時大当り判定用テーブルは、ランダムR1から抽出され得る値が、通常時にルックアップされる値として大当りにする判定を行なう値とはずれにする判定を行なう値とに予め振分けられており、該振分けに対応して図柄内容を特定可能に構成されている。非確変時大当り判定用テーブルは、ランダムR1からの値が、「0〜262」のいずれかであるときに大当りにする判定を行ない、「0〜262」以外の値であるときにはずれにする判定を行なうように、振分が設定されている。
また、確変時大当り判定用テーブルは、ランダムR1から抽出され得る値が、確変時にルックアップされる値として大当りにする判定を行なう値とはずれにする判定を行なう値とに予め振分けられており、該振分けに対応して図柄内容を特定可能に構成されている。確変時大当り判定用テーブルは、ランダムR1からの値が、「0〜263」のいずれかであるときに大当りにする判定を行ない、「0〜263」以外の値であるときにはずれにする判定を行なうように、振分が設定されている。
本実施の形態における大当り判定は、0〜65535の間で更新されるランダムR1から抽出された値と、図7に示す大当り判定値とが一致するか否かにより行なわれる。このため、通常遊技状態における大当り確率は、263/65536≒1/249となる。また、高確率状態における大当り確率は、264/65536≒1/248となる。大当りにする判定がされたときには、図8に示す時短回数決定用テーブルおよび図9に示す確変回数決定用テーブルが参照されて、時短回数および確変回数が決定される。
図8は、時短回数を決定するために用いる時短回数決定用テーブルを説明するための図である。本実施の形態における時短回数決定テーブルは、パチンコ遊技機1において制御され得る遊技状態毎に対応するテーブルが各々設定されている。時短回数決定用テーブルは、ROM54に記憶されている。
大当りにする決定がされたときの遊技状態が高確高ベース状態であるときは、高確高ベース状態時テーブルが参照される。高確高ベース状態時テーブルは、ランダムR5からの値が、「0〜5」であるときに「30回」が、「6〜8」であるときに「100回」が、「9」であるときに「500回」が、時短回数として決定されるように振分けが設定されている。よって、大当りにする決定がされたときの遊技状態が高確高ベース状態であるときは、60%の確率で「30回」が、30%の確率で「100回」が、10%の確率で「500回」が、時短回数として決定される。
大当りにする決定がされたときの遊技状態が高確低ベース状態であるときは、高確低ベース状態時テーブルが参照される。高確低ベース状態時テーブルは、ランダムR5からの値が、「0〜2」であるときに「30回」が、「3〜8」であるときに「100回」が、「9」であるときに「500回」が、時短回数として決定されるように振分けが設定されている。よって、大当りにする決定がされたときの遊技状態が高確低ベース状態であるときは、30%の確率で「30回」が、60%の確率で「100回」が、10%の確率で「500回」が、時短回数として決定される。
大当りにする決定がされたときの遊技状態が通常状態としての低確低ベース状態であるときは、低確低ベース状態時テーブルが参照される。低確低ベース状態時テーブルは、ランダムR5からの値が、「0〜2」であるときに「30回」が、「3〜5」であるときに「100回」が、「6〜9」であるときに「500回」が、時短回数として決定されるように振分けが設定されている。よって、大当りにする決定がされたときの遊技状態が低確低ベース状態であるときは、30%の確率で「30回」が、30%の確率で「100回」が、40%の確率で「500回」が、時短回数として決定される。
以上のように、本実施の形態においては、大当りにする決定がされたときの遊技状態に応じて異なる割合に従って時短回数が特定されるように設定されている。また、時短回数決定用テーブルは、大当りにする決定がされたときの遊技状態が高確率状態であるときより低確率状態であるときの方が、より多い回数が時短回数として特定される割合が高くなるように構成されている。さらに、時短回数決定用テーブルは、大当りにする決定がされたときの遊技状態が高ベース状態であるときより低ベース状態であるときの方が、より多い回数が時短回数として特定される割合が高くなるように構成されている。
図9は、確変回数を決定するために用いる確変回数決定用テーブルを説明するための図である。本実施の形態における確変回数決定用テーブルは、図8で示した時短回数決定用テーブルを参照して決定された時短回数に対応するテーブルが設定されている。確変回数決定用テーブルは、ROM54に記憶されている。
図9(a)は、時短回数として「30回」または「100回」が決定されたときに参照される決定用テーブル1を説明するための図である。決定用テーブル1は、ランダムR6からの値が、「0」であるときに「100回」が、「1〜3」であるときに「300回」が、「4〜19」であるときに「500回」が、確変回数として決定されるように振分けが設定されている。よって、時短回数として「30回」または「100回」が決定されたときには、5%の確率で「100回」が、15%の確率で「300回」が、80%の確率で「500回」が、確変回数として決定される。
図9(b)は、時短回数として「500回」が決定されたときに参照される決定用テーブル2を説明するための図である。決定用テーブル2は、ランダムR6からの値が、「0〜19」の全範囲において「500回」が、確変回数として決定されるように振分けが設定されている。よって、時短回数として「500回」が決定されたときには、100%の確率で「500回」が、確変回数として決定される。
なお、前述した確変回数決定用テーブルは、決定された時短回数以上の回数が確変回数として決定されるように振分けが設定されている。たとえば、時短回数として「100回」が決定されているときには、「100回」以上の回数が確変回数として決定される。また、時短回数として「500回」が決定されているときには、「500回」が確変回数として決定される。このため、遊技状態が、低確率状態であって高ベース状態である低確高ベース状態に制御される場合が無いように構成されている。
なお、遊技状態が低確高ベース状態に制御されるように、振分けが設定されているものであってもよい。たとえば、決定用テーブル1は、確変回数として「0回」が所定の割合で特定されるように構成してもよい。また、決定用テーブル2は、「500回」より少ない回数が所定の割合で特定されるように構成してもよい。低確高ベース状態に制御されているときに大当りにすると決定されたときには、低確低ベース状態に制御されているときと同様に、時短回数および確変回数を決定するように構成してもよい。
図10は、変動パターンコマンドの上位バイトを特定するために用いる上位バイト特定用テーブルを説明するための図である。本実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在制御されている遊技状態に対応する上位バイトを特定し、別途特定される下位バイトと組合せたコマンドを変動パターンコマンドとして、演出制御用マイクロコンピュータ800に送信する。演出制御用マイクロコンピュータ800は、受信した変動パターンコマンドの上位バイトから、現在制御されている遊技状態を特定し、該特定した遊技状態に対応する演出内容を実行する処理を行なう。
本実施の形態においては、保留記憶数が3以上であるときは、保留記憶数が3未満のときと比較して変動時間を短縮させる制御が行なわれる。このため、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前述した保留記憶数が3以上であるか否かに応じて、異なる上位バイトを特定する。具体的には、保留記憶数が3未満であるときには、図10に示す通常変動時に対応する上位バイトが特定される。一方、保留記憶数が3以上であるときには、図10に示す短縮変動時に対応する上位バイトが特定される。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ800は、受信した変動パターンコマンドの上位バイトから、変動時間を短縮させる制御を行なう状態であるか否かを特定することができる。
図10を参照し、まず、通常変動時の変動パターンコマンドの上位バイトについて説明する。通常変動時の変動パターンコマンドの上位バイトとしては、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるときに「70」が、高確低ベース状態であるときに「71」が、高確高ベース状態であるときに「72」が、各々特定される。
次に、短縮変動時の変動パターンコマンドの上位バイトについて説明する。短縮変動時の変動パターンコマンドの上位バイトとしては、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるときに「73」が、高確低ベース状態であるときに「74」が、高確高ベース状態であるときに「75」が、各々特定される。
次に、図11を用いて、ROM54に記憶されている変動パターン決定用テーブルについて説明する。本実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り判定により大当りにすると判定されたときにセットされる大当りフラグの状態およびランダムR3の値に基づいて1の変動パターンを決定するとともに、当該変動パターンに対応する下位バイトを特定し、図10で説明した上位バイトと組合せたコマンドを変動パターンコマンドとして、演出制御用マイクロコンピュータ800に送信する。演出制御用マイクロコンピュータ800は、受信した変動パターンコマンドの下位バイトから、遊技制御用マイクロコンピュータ560により決定された変動パターンを特定するとともに、上位バイトから変動時間を短縮させる状態であるか否かに応じた飾り変動パターンを決定する処理を行なう。
図11(a)は、大当りフラグがセットされているときにルックアップされる大当り時テーブルを示す図である。大当り時テーブルは、ランダムR3の値が、「0〜9」の範囲内のときに変動時間が「20秒」のノーマルリーチ当り1変動パターンが実行する変動パターンとして決定され、「10〜19」の範囲内のときに変動時間が「25秒」のノーマルリーチ当り2変動パターンが実行する変動パターンとして決定され、「20〜39」の範囲内のときに変動時間が「35秒」のスーパーリーチ当り1変動パターンが実行する変動パターンとして決定され、「40〜99」の範囲内のときに変動時間が「45秒」のスーパーリーチ当り2変動パターンが実行する変動パターンとして決定されるように、振分が設定されている。このように大当り時テーブルは、ノーマルリーチ当り1変動パターンが決定される割合よりも、ノーマルリーチ当り2変動パターン,スーパーリーチ当り1変動パターン,スーパーリーチ当り2変動パターンの順で、実行される変動パターンとして決定される割合が高くなるように振分が設定されている。
図11(b)は、はずれフラグがセットされているときにルックアップされるはずれ時テーブルを示す図である。はずれ時テーブルは、ランダムR3の値が、「0〜79」の範囲内のときに変動時間が「15秒」のノーマルはずれ変動パターンが実行する変動パターンとして決定され、「80〜87」の範囲内のときに変動時間が「20秒」のノーマルリーチはずれ1変動パターンが実行する変動パターンとして決定され、「88〜92」の範囲内のときに変動時間が「25秒」のノーマルリーチはずれ2変動パターンが実行する変動パターンとして決定され、「93〜96」の範囲内のときに変動時間が「35秒」のスーパーリーチはずれ1変動パターンが実行する変動パターンとして決定され、「97〜99」の範囲内のときに変動時間が「45秒」のスーパーリーチはずれ2変動パターンが実行する変動パターンとして決定されるように、振分が設定されている。このようにはずれ時テーブルは、ノーマルはずれ変動パターンが決定される割合が最も高く、ノーマルリーチはずれ1変動パターン,ノーマルリーチはずれ2変動パターン,スーパーリーチはずれ1変動パターン,スーパーリーチはずれ2変動パターンの順で、実行される変動パターンとして決定される割合が低くなるように振分が設定されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、はずれ時テーブルが用いられ、変動パターンとして、ノーマルはずれ変動パターンが決定されたときに変動パターンコマンドの下位バイトとして「00」が、ノーマルリーチはずれ1変動パターンが決定されたときに変動パターンコマンドの下位バイトとして「01」が、ノーマルリーチはずれ2変動パターンが決定されたときに変動パターンコマンドの下位バイトとして「02」が、スーパーリーチはずれ1変動パターンが決定されたときに変動パターンコマンドの下位バイトとして「03」が、スーパーリーチはずれ2変動パターンが決定されたときに変動パターンコマンドの下位バイトとして「04」が、各々特定される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り時テーブルが用いられ、変動パターンとして、ノーマルリーチ当り1変動パターンが決定されたときに変動パターンコマンドの下位バイトとして「10」が、ノーマルリーチ当り2変動パターンが決定されたときに変動パターンコマンドの下位バイトとして「11」が、スーパーリーチ当り1変動パターンが決定されたときに変動パターンコマンドの下位バイトとして「12」が、スーパーリーチ当り2変動パターンが決定されたときに変動パターンコマンドの下位バイトとして「13」が、各々特定される。
なお、高ベース状態(時短状態)に制御されているとき、および保留記憶数が3以上あるときに変動時間を短縮させる状態である短縮変動時には、特別図柄表示器8等における変動表示の変動時間を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御が行なわれる。この場合、変動時間として括弧内に示す時間が設定されるように構成することにより、早期に表示結果を導出表示させる制御が行なわれる。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図12および図13は、パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。なお、S2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードとなるように設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行なう(S4)。S4の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。
次に、入力ポート1のビット0の状態によって電源断信号がオフ状態になっているか否か確認する(S5)。パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに、+5V電源などの各種電源の出力電圧は徐々に規定値に達するのであるが、S5の処理によって、すなわち、電源断信号が出力されていない(ハイレベルになっている)ことを確認することにより遊技制御用マイクロコンピュータ560は電源電圧が安定したことを確認することができる。
電源断信号がオン状態である場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定期間(たとえば、0.1秒)の遅延時間の後に(S80)、再度、電源断信号がオフ状態になっているか否か確認する。電源断信号がオフ状態になっている場合には、RAM55をアクセス可能状態に設定する(S6)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、クリア信号のチェック処理に移行し、クリアスイッチオンフラグがセットされているか否か確認する(S7)。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。たとえば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(たとえば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
クリアスイッチオンフラグがセットされていない場合には、パチンコ遊技機1への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S8)。電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行なわれている。そのような電力供給停止時処理が行なわれていたことを確認した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電力供給停止時処理が行なわれた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行なわれていないことを確認した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行なわれていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(たとえば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、S8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行なわれたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(S9)。クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。S9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(S10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態とを電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S93)、S15に移行する。
初期化処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、確変フラグ、時短フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。確変フラグおよび時短フラグ等は、たとえば、リセット状態に設定される。また、出力ポートバッファにおける接続確認信号を出力する出力ポートに対応するビットがセット(接続確認信号のオン状態に対応)される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S13)、その内容にしたがってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(S14)。初期化コマンドとして、変動表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。
以上のように、遊技店員等は、クリアスイッチをオン状態してクリア信号が出力される状態にしながらパチンコ遊技機1に対する電力供給を開始する(たとえば電源スイッチをオンする)ことによって、容易に初期化処理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア等を行なうことができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S15)。具体的には、前述したように、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバを用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路が更新する数値データの初期値として設定する。この場合、CPU56は、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路にR1の値を更新させるための設定を行なう。さらに、前述したユーザによる数値データの更新範囲の選択設定機能、数値データの更新規則の選択設定機能、および、数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能のそれぞれの設定が、S15により行なわれる。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定時間(たとえば2msec)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(S16)。すなわち、初期値としてたとえば2msecに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2msecごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、表示用乱数更新処理(S18)を繰返し実行する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして(S17)、表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする(S19)。なお、表示用乱数とは、特別図柄および飾り図柄の変動表示の制御のために用いる乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。具体的に、表示用乱数更新処理では、前述のR3の値が更新される。なお、本実施形態において、2msecごとの割込処理が実行された後次回の割込処理が実行されるまでの割込待ち処理余り時間に、S18の表示用乱数更新処理が繰返し行なわれることとなる。
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、S18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、S18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、遊技制御処理について説明する。図14は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、図12のS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理において遊技制御処理を実行する。このタイマ割込処理は、たとえば2msecごとに1回実行される。
タイマ割込処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(S101)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S102)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を1加算する。各スイッチタイマは、各タイマの値が所定値以上となったとき、すなわち、各スイッチが所定時間継続してオン状態となったときに、各スイッチが正常にオン状態となったと判断するために用いられる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、S15の乱数回路設定処理において所定の最終値までカウント値が更新されたときに初期値を更新する旨の設定がされているかを確認し、乱数回路に入力する初期値を更新する処理を行なう(初期値更新処理:S103)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技制御に用いる乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(乱数更新処理:S104)。具体的に、S104における乱数更新処理では、前述のR2〜R6の値が更新される。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセス処理を行なう(S106)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示器8および特別可変入賞球装置20等を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行なう(S107)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動に同期する飾り図柄に関するコマンドを含む各種演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S108)。なお、飾り図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間が同じであることを意味する。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動中情報、および時短中情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(S109)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(S110)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等がオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す賞球個数信号等の払出指令信号を出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ(図示省略)は、賞球個数を示す賞球個数信号の受信に応じて球払出装置970を駆動する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(S111)。また、パチンコ遊技機1の制御状態をパチンコ遊技機1外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(S112)。さらに、所定の条件が成立したときに出力回路59に各種ソレノイドについての駆動指令を行なうソレノイド出力処理(S113)を実行する。可変入賞球装置15、特別可変入賞球装置20を開状態または閉状態とするために、出力回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21を駆動する。
次に、特別図柄表示制御処理が行なわれる(S114)。特別図柄表示制御処理では、特別図柄表示器8の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。また、普通図柄表示制御処理が行なわれる(S115)。普通図柄表示制御処理では、普通図柄表示器10の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。
次に、状態表示灯表示処理が行なわれる(S116)。状態表示灯表示処理では、状態表示灯を制御するための状態表示灯表示処理が行なわれる。本実施の形態における状態表示灯表示処理においては、遊技状態が確変状態または時短状態であるときに、状態表示灯タイマの更新、状態表示灯の点滅設定、および、状態表示灯の点滅速度等を設定する処理が行なわれる。その後、割込許可状態に設定する(S117)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は定期的(たとえば2msecごと)に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はフラグがセットされたことに基づいてメイン処理において実行されるようにしてもよい。また、S102〜S116の処理(S109およびS112を除く)が、遊技の進行を制御する遊技制御処理に相当する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込処理を実行した回数をカウントする処理を実行する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込処理を実行するごとに、タイマ割込処理を実行した回数を示す割込回数カウンタをカウントアップする。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、S113においてソレノイド出力処理を完了すると、タイマ割込処理を実行した回数を示す割込回数カウンタの値を1加算する。この割込回数カウンタは、たとえば、乱数回路から乱数値を読出す条件が成立したか否かを判断するために用いられる。
また、たとえば、タイマ割込処理では、遊技制御処理のうちスイッチ処理(S102)、演出制御コマンド制御処理(S108)、および、割込回数カウント処理(前述したタイマ割込処理を実行した回数をカウントする処理)のみを実行するようにし、遊技制御処理のうちの他の処理をメイン処理において実行するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、メイン処理におけるS17からS19までのループ処理において、遊技制御処理のうち、S103からS107、および、S110からS116(S112を除く)の処理を実行する(前述の割込回数カウント処理は含まない)。
また、CPU56は、タイマ割込処理において、始動口スイッチ14aからの入力信号がオン状態であるときにタイマ割込回数が所定回数(たとえば、3回)に達したことを検出すると、乱数回路から乱数値を読出す条件が成立したと判断し、乱数値の読出し条件が成立した旨を示す乱数読出フラグをセットする。CPU56は、メイン処理において、特別図柄プロセス処理(S106)における後述の始動口スイッチ通過処理(S132)の実行の際に、乱数読出フラグがセットされているか否かを判断し、乱数読出フラグがセットされていると判断すると、乱数回路に出力制御信号を出力し、更新されているR1の値を読出す。そして、CPU56は、メイン処理において、特別図柄プロセス処理(S106)における後述の特別図柄通常処理(S140)の実行の際に、読出した乱数値に基づいて大当り判定が行なわれる。
次に、メイン処理における特別図柄プロセス処理(S106)を説明する。図15は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムを示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aが、タイマ割込回数が所定回数に達する間オン状態であるときに、遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していると判定し(S131でYES)、始動口スイッチ通過処理(S132)を行なった後に、内部状態に応じて、S140〜S147のうちのいずれかの処理を行なう。
S132の始動口スイッチ通過処理では、始動口スイッチ14aがオンしたときに、RAM55の保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達しているかどうか確認し、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が最大値に達していなければ、前述した乱数読出フラグがセットされているか否かの判定を行ない、セットされていれば、保留記憶数を示す保留記憶カウンタのカウント値を1増やす。そして、乱数回路からR1の数値データ、特別図柄決定用のランダムカウンタからR2の数値データをそれぞれ抽出し、それらを保留記憶バッファの抽出順番に対応する(保留記憶カウンタの値に対応する)保存領域に格納する処理が実行される。ここで乱数回路からのR1の数値データの抽出は、乱数回路に出力制御信号を入力し、乱数回路で更新された乱数値として記憶されているR1の数値データを読出すことにより行なわれる。このように始動口スイッチ14aがオンし、かつ、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達していないときに、数値データを抽出する条件が成立し、変動表示を実行するための実行条件、すなわち、変動表示の始動条件が成立することとなる。
特別図柄通常処理(S140):特別図柄の変動表示を実行開始できる状態(たとえば、特別図柄表示器8において図柄の変動がなされておらず、特別図柄表示器8における前回の図柄変動が終了してから所定期間が経過しており、かつ、大当り遊技中でもない状態)になるのを待つ。特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、変動表示の開始条件が成立し、特別図柄についての保留記憶カウンタのカウント値を確認することにより保留記憶数を確認する。そして、保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄表示器8の変動表示の結果として大当り判定を行なう。大当り判定により大当りとする場合には、大当り図柄を決定し対応する大当りフラグをセットする。そして、特別図柄プロセスフラグをS141に移行するように更新する。
変動パターン設定処理(S141):大当り判定の判定結果に基づいて、変動パターンテーブルを選択するともに、変動パターン決定用のランダムカウンタR3の値を抽出し、R3の値に応じて変動パターンテーブルに設定された複数種類の変動パターンの中から、実行する変動パターンを選択決定することにより、特別図柄表示器8および変動表示装置9での変動表示の変動パターンを選択決定する。
また、選択決定された変動パターンに基づいて、特別図柄表示器8での変動表示について、変動時間を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。また、特別図柄の変動表示を開始させるための駆動信号がセットされる。ここでセットされた駆動信号は、図14のS114において出力される。また、飾り図柄の変動時間を特定するための情報を含む変動パターンを指令するコマンドである変動パターンコマンドがセットされる。ここでセットされた変動パターンコマンドは、図14のS108において演出制御基板80に対して出力される。そして、特別図柄プロセスフラグをS142に移行するように更新する。
特別図柄変動処理(S142):変動パターン設定処理で選択決定された変動パターンでの変動時間が経過(S141でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、特別図柄プロセスフラグをS143に移行するように更新する。
特別図柄停止処理(S143):特別図柄表示器8および変動表示装置9のそれぞれにおいて変動表示される図柄が停止されるように制御する。具体的には、特別図柄を停止する駆動信号がセットされる。ここでセットされた駆動信号は、図14のS114において出力される。そして、飾り図柄を停止させるための図柄停止コマンドがセットされる。ここでセットされた図柄停止コマンドは、図14のS108において演出制御基板80に対して出力される。そして、大当りフラグがセットされている場合には、特別図柄プロセスフラグをS144に移行するように更新する。そうでない場合には、特別図柄プロセスフラグをS140に移行するように更新する。
大入賞口開放前処理(S144):大当りとなったときに、特別図柄プロセスタイマに大入賞口開放中処理の実行時間を設定する等、大当り遊技状態の制御に関するデータを設定し、特別図柄プロセスフラグをS145に移行するように更新する。より具体的には、S144では、大当り遊技状態における開放回数(ラウンド回数)の設定、大入賞口の開放時間の上限値の設定、各開放状態(ラウンド)間のインターバル期間の設定等の大当り遊技状態の制御に必要となるデータの設定を行なう。
大入賞口開放中処理(S145):大当り遊技状態中の各開放状態の開始条件の成立(大当り開始時から所定時間経過(1回目の開放)時、前の開放終了時からインターバル時間経過(1回目以降の開放)時)を確認して大入賞口を開放する各開放状態の開始時処理を行なうとともに、各開放状態の開始を指定(特定)するためのラウンド開始コマンド等の各開放状態についての表示を行なうための演出制御コマンドを演出制御基板80に送信するための処理を行なう。そして、各開放状態中は、大入賞口への入賞個数の管理等の開放状態中処理を行なう。その後、各ラウンドの開放終了条件の成立を確認し、開放終了条件が成立したら、各開放状態の終了を指定(特定)するためのラウンド終了コマンドを演出制御基板80に送信するための処理を行ない、特別図柄プロセスフラグをS146に移行するように更新する。
大入賞口開放後処理(S146):まだ開放状態の残り回数があるか否かの判定を行ない、残り回数がある場合には特別図柄プロセスフラグをS145に移行するように更新し次の開放状態に移行させる。一方、開放状態の残り回数がない場合は、エンディング表示の実行時間を管理するための大当り終了タイマをセットし、特別図柄プロセスフラグをS147に移行するように更新する。
大当り終了処理(S147):大当り遊技状態の終了時の表示を指定(特定)するためのエンディング表示コマンドを送信するための処理を行なう。そして、大当り終了タイマ(減算更新されるタイマ)によりエンディング表示の実行時間が経過したときに、特別図柄プロセスフラグをS140に移行するように更新する。大当り終了処理では、確変フラグおよび時短フラグがセットされる。また、大当り終了処理では、後述する大当り後確変カウンタおよび大当り後時短カウンタの値に基づき、確変カウンタおよび時短カウンタがセットされる。
図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S140)を示すフローチャートである。遊技制御マイクロコンピュータ560は、特別図柄通常処理において、以下のような処理を行なう。
まず、保留記憶カウンタの値を確認して保留記憶数が「0」であるか否かを判別する(S21)。なお、特別図柄通常処理は、特別図柄表示器8において特別図柄の変動処理が行なわれておらず、かつ、大当り遊技状態中でもない場合に実行される。保留記憶数が0であればそのまま特別図柄通常処理を終了する。
一方、保留記憶数が0でなければ、RAM55の保留記憶バッファにおける保留記憶数=1に対応する保留記憶バッファに格納されている各乱数(数値データ)を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(S22)、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S23)。すなわち、RAM55の保留記憶バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数が抽出された順番は、常に保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、変動表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数が抽出された順番を特定することができる。
次に、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(R1の抽出データ)を読出し(S24)、大当り判定処理を実行する(S25)。大当り判定処理においては、次のような処理を行なう。まず、確変フラグがセットされているか否かを判別する。確変フラグがセットされているとき(大当り終了処理においてセットされる)には、大当り判定に用いる大当り判定値に高確率状態時の大当り判定値(図7参照)をセットし、確変フラグがセットされていないときには、大当り判定に用いる大当り判定値に低確率状態時の大当り判定値(図7参照)を設定する。そして、S24で読出した大当り判定用乱数と大当り判定値とを比較し、大当り判定用乱数と大当り判定値とが一致するときに大当りとする決定を行なう。
大当り判定処理の結果、大当りにしないと決定された場合には(S26においてNO)、ランダムR2の値に基づき図6で示したはずれ図柄から停止表示するはずれ図柄が決定される(S27)。なお、はずれ図柄が決定された場合に、はずれフラグがセットされる。
一方、大当り判定処理の結果、大当りとすることに決定した場合には(S26においてYES)、ランダムR2の値に基づき図6で示した大当り図柄から停止表示する大当り図柄が決定され(S29)、大当りフラグがセットされる(S30)。そして、前述した時短回数および確変回数を決定するための時短・確変回数決定処理が行なわれる(S31)。
ここで、時短・確変回数決定処理について説明する。図17は、特別図柄通常処理における時短・確変回数決定処理(S31)を示すフローチャートである。時短・確変回数決定処理においては、まず、図8で示した現在の遊技状態に応じた時短回数決定用テーブルをルックアップし(S541)、ランダムR5から抽出した値に基づき時短回数を決定する(S542)。
S542において時短回数として「30回」または「100回」が決定されたときには、図9(a)で示した決定用テーブル1をルックアップして、ランダムR6から抽出した値に基づき確変回数を決定する(S543)。また、S542において時短回数として「500回」が決定されたときには、図9(b)で示した決定用テーブル2をルックアップして、ランダムR6から抽出した値に基づき確変回数を決定する(S544)。
そして、S542〜S544で決定された時短回数および確変回数に基づき、大当り遊技終了後に当該時短回数および確変回数に対応する時短カウンタおよび確変カウンタの値をセットするための大当り後時短カウンタおよび大当り後確変カウンタの値をセットし(S545)、時短・確変回数決定処理を終了する。
図16に戻り、S32では、送信する結果コマンドを選択する処理を行なう(S32)。ここで、結果コマンドについて具体的に説明する。図18は、結果コマンドを特定するために用いる結果コマンド特定用テーブルを説明するための図である。本実施の形態における結果コマンドは、大当りとなるか否かを特定するための情報、および大当りとなる場合に時短・確変回数決定処理において決定された時短・確変回数を特定するための情報を含むマルチコマンドである。
大当りにする決定がされたときであって、時短回数および確変回数が、「30回、100回」のときに「8100」が、「30回、300回」のときに「8101」が、「30回、500回」のときに「8102」が、「100回、100回」のときに「8103」が、「100回、300回」のときに「8104」が、「100回、500回」のときに「8105」が、「500回、500回」のときに「8106」が、各々結果コマンドとして特定される。一方、はずれにする決定がされたときには、「8107」が結果コマンドとして特定される。図16のS32においては、このようにして特定される結果コマンドが選択される。
S33においては、S32において選択された結果コマンドを、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ800へ送信する処理が行なわれる。そして、S34において、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S141)に対応した値に更新し、リターンする。
図19は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S141)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理において、以下のような処理を行なう。
まず、S30でセットされる大当りフラグがセットされているか否かを判断することにより、変動表示について大当りとする決定がされているか否かを判断する(S61)。
S61において、大当りとする決定がされていると判断されたときは、図11(a)で説明した大当り時テーブルをルックアップし(S62)、R3から値を読出し該読み出した抽出値に応じて大当り時テーブルの振分けにしたがって変動パターンを決定する処理が行なわれる(S63)。
一方、S61において、大当りフラグがセットされていないと判断されたときは、図11(b)で説明したはずれ時テーブルをルックアップし(S64)、R3から値を読出し該読み出した抽出値に応じてはずれ時テーブルの振分けにしたがって変動パターンを決定する処理が行なわれる(S65)。
S66においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ800に送信される変動パターンコマンドの上位バイトを特定する処理が行なわれる。具体的には、図10で説明した上位バイト特定用テーブルをルックアップし、現在の遊技状態に対応する変動パターンコマンドの上位バイトを特定する処理が行なわれる。
S67においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ800に送信される変動パターンコマンドの下位バイトを特定する処理が行なわれる。具体的には、S63、またはS65において決定された変動パターンに対応する変動パターンコマンドの下位バイトを特定する処理が行なわれる。
S68においては、S66において特定した上位バイトとS67において特定した下位バイトとに基づき、2バイトの変動パターンコマンドを特定し、セットする処理が行なわれる。S68において変動パターンコマンドをセットするとは、具体的には、RAM55のバッファに変動パターンコマンドのデータをセットする処理をいう。セットされた変動パターンコマンドは、演出制御コマンドとして、図14のS108において遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ800へ出力される。なお、S68により設定された変動パターンコマンドは、現在の遊技状態、および決定された変動パターンの種類を特定するマルチコマンドである。
そして、特別図柄表示器8において、特別図柄の変動表示を開始させるための処理を行なう(S69)。具体的には、特別図柄表示器8で特別図柄の変動表示を開始させる駆動信号がセットされ、その駆動信号が図14のS114で出力される。選択決定された変動パターンに基づいて、特別図柄表示器8において変動時間を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる(S70)。なお、高ベース状態に制御されているとき、および短縮変動時には、短縮変動時間を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。特別図柄プロセスタイマは、変動時間を管理するために用いられるタイマである。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理(S142)に対応した値に更新し(S71)、リターンする。
図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S143)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、次のような処理を行なう。
まず、特別図柄の変動表示を停止させるための処理を行なう(S150)。具体的には、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示を停止させる駆動信号がセットされ、その駆動信号が図14のS114で出力される。これにより、特別図柄が前述のように決定された停止図柄で停止表示される。さらに、図柄停止コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(S151)。図柄停止コマンドは、変動表示装置9における飾り図柄の変動表示を停止させる旨を指定(特定)するコマンドである。S151でセットされた図柄停止コマンドは、図14のS108において演出制御基板80に送信される。演出制御用マイクロコンピュータ800は、図柄停止コマンドを受信すると、変動表示装置9における飾り図柄の変動表示を停止して表示結果を導出表示させる制御を実行する。
次に、時短状態に制御されているか否かを判断するために、時短フラグがセット状態であるか否かを判断する(S152)。時短フラグがセットされている状態ではないとき、すなわち、低ベース状態であるときには、後述するS156に進む。一方、時短フラグがセットされている状態であるとき、すなわち、高ベース状態であるときには、時短カウンタから「1」を減算する(S153)。ここで、時短カウンタとは、時短状態の継続期間を管理するために用いられる計数手段である。時短カウンタは、前述した大当り後時短カウンタの値に基づき、図15の大当り終了処理においてセットされ、特別図柄および飾り図柄の変動表示が1回行なわれるごとにS153により1ずつ減算更新される。
次に、時短カウンタの値が「0」になっているか否かを判断する(S154)。時短カウンタの値が「0」になっていないときには、後述するS156に進む。一方、時短カウンタの値が「0」になっているときには、時短状態の終了条件が成立したので、時短状態を終了させるために、時短フラグをリセットし(S155)、S156に進む。
次に、確変状態に制御されているか否かを判断するために、確変フラグがセット状態であるか否かを判断する(S156)。確変フラグがセットされている状態ではないとき、すなわち、低確率状態であるときには、後述するS160に進む。一方、確変フラグがセットされている状態であるとき、すなわち、高確率状態であるときには、確変カウンタから「1」を減算する(S157)。ここで、確変カウンタとは、確変状態の継続期間を管理するために用いられる計数手段である。確変カウンタは、前述した大当り後確変カウンタの値に基づき、図15の大当り終了処理においてセットされ、特別図柄および飾り図柄の変動表示が1回行なわれるごとにS157により1ずつ減算更新される。
次に、確変カウンタの値が「0」になっているか否かを判断する(S158)。確変カウンタの値が「0」になっていないときには、後述するS160に進む。一方、確変カウンタの値が「0」になっているときには、確変状態の終了条件が成立したので、確変状態を終了させるために、確変フラグをリセットし(S159)、S160に進む。
S160では、大当りフラグがセットされているか否かを確認する。S160で大当りフラグがセットされているときには、時短フラグおよび確変フラグをリセットし(S161)、大当りが開始されることを示す大当り開始コマンドを送信するための設定(コマンドのセット)をし(S162)、S163に進み特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S144)に対応した値に更新し、リターンする。
S162でセットされた大当り開始コマンドは、図14のS108により演出制御基板80に送信される。演出制御用マイクロコンピュータ800は、大当り開始コマンドを受信すると、変動表示装置9で受信した大当り開始コマンドに応じた表示制御を行なう。
また、S160で大当りフラグがセットされていないときには、変動表示結果がはずれとなるときであるので、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S140)に対応した値に更新し(S164)、リターンする。
次に、メイン処理における普通図柄プロセス処理(S107)を説明する。図21は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセス処理を行なう際に、遊技盤6に設けられているゲート32を遊技球が通過したことを検出するためのゲートスイッチ32aがオンしていたら、すなわち遊技球がゲート32を通過していたら(S450)、ゲートスイッチ通過処理(S451)を行なった後に、内部状態に応じて、S452〜S455のうちのいずれかの処理を行なう。
ゲートスイッチ通過処理においては、ゲートスイッチ32aを通過した遊技球のうち未だに普通図柄表示器10における普通図柄の変動表示に用いられていないものを保留記憶するゲート通過記憶カウンタの値がその上限である「4」以上になっているか否か判断する。そして、「4」未満の場合に、ゲート通過記憶カウンタを「1」加算更新し、普通図柄表示器10における停止図柄を当り図柄にするか否かを判定するための普通図柄判定用のランダムカウンタからカウント値を抽出し、加算したゲート通過記憶カウンタに対応する乱数記憶エリアに記憶する処理が行なわれる。
S452においては、普通図柄通常処理が行なわれる。普通図柄通常処理において、普通図柄判定用のランダムカウンタから抽出したカウント値に基づき、当り判定処理が行なわれる。当り判定処理により、当りと判定されたときには当りフラグがオン状態にセットされる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を、S453の普通図柄変動処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。当り判定処理においては、低ベース状態であるときより、高ベース状態であるときの方が、当りと判定する割合が高くなるように処理が行なわれる。当りと判定する割合が高くなるように処理としては、たとえば、当りと判定する当り判定値の数を、低ベース状態であるときより、高ベース状態であるときに、多く設定することにより行なわれるように構成してもよい。これにより、前述した普通図柄確変制御を行なうことができる。
S453においては、普通図柄変動処理が行なわれる。普通図柄変動処理において、予め定められた変動時間が経過すると、普通図柄プロセスフラグの値を、普通図柄停止処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。変動時間は、低ベース状態であるときより、高ベース状態であるときの方が、短くなるよう設定する処理が行なわれる。これにより、前述した普通図柄時短制御を行なうことができる。
S454においては、普通図柄停止処理が行なわれる。普通図柄停止処理において、普通図柄表示器10において普通図柄が停止されるように制御する処理が行なわれる。そして、当りフラグがオン状態にセットされているときには、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。一方、当りフラグがオン状態にセットされていないときには、普通図柄プロセスフラグの値を、普通図柄通常処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。
S455においては、普通電動役物作動処理が行なわれる。普通電動役物作動処理においては、可変入賞球装置15を開成させるとともに、可変入賞球装置15の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。閉成条件が成立しているときには、普通可変入賞球装置58の閉成状態に制御するとともに、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。閉成条件は、低ベース状態であるときより、高ベース状態であるときの方が、開放回数が多くかつ1開放当りの開放時間が長くなるよう設定されている。これにより、前述した開放延長制御および回数増加制御を行なうことができる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ800の動作を説明する。図22は、演出制御用マイクロコンピュータ800が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S201)。初期化処理が終了すると、演出制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込フラグの監視を行なう(S202)。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグの値として「1」をセットする。S202において、タイマ割込フラグの値として「1」がセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込フラグの値をクリアし(S203)、以下の演出制御処理を実行する。
タイマ割込は、たとえば33msecごとに発生する。すなわち、演出制御処理は、たとえば33msecごとに起動される。また、この実施の形態におけるタイマ割込処理では、タイマ割込フラグの値として「1」をセットする処理のみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理においては、まず、電源断信号が出力されたか否かを監視する電源断処理を実行する(S204)。次に、受信した演出制御コマンドを解析するコマンド解析処理を実行する(S205)。次いで、演出制御プロセス処理を行なう(S206)。演出制御プロセス処理の内容については、図25を用いて後述する。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して変動表示装置9の表示制御を含む演出制御を実行する。
次に、所定のランダムカウンタを更新する乱数更新処理を実行する(S207)。乱数更新処理においては、たとえば、演出内容決定用のランダムカウンタRS1、および飾り図柄の停止図柄決定用のランダムカウンタRS2−1〜RS2−3等の各種ランダムカウンタが更新される。その後、S202のタイマ割込フラグの確認を行なう処理に戻る。主基板31からの演出制御用のINT信号は、演出制御用マイクロコンピュータ800の割込端子に入力されている。たとえば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、演出制御用マイクロコンピュータ800においてINT割込が発生する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ800は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用マイクロコンピュータ800は、受信した演出制御コマンドデータを、RAM85に設けられたコマンド受信バッファに格納する。
次に、図22のS205によるコマンド解析処理を説明する。図23は、コマンド解析処理を示すフローチャートである。
コマンド解析処理においては、コマンド受信バッファに受信コマンドがあるか否かを判断し(S211)、受信コマンドがないときには、リターンする。一方、受信コマンドがあるときには、受信コマンドを読出す(S212)。ここで読出されたコマンドのデータは、コマンド受信バッファにおいて消去される。そして、読出した受信コマンドが前述の結果コマンドであるか否かを判断する(S213)。結果コマンドであるときには、結果コマンドが示す決定結果(大当りか否か、および時短・確変回数)を特定可能な受信フラグである決定結果受信フラグ等(たとえば、サブ側大当りフラグ、サブ側はずれフラグ、サブ側時短カウンタ、サブ側確変カウンタ)をセットする(S216)。そして、S211に戻る。
S213で結果コマンドではないと判断したときは、読出した受信コマンドが変動パターンコマンドであるか否かを判断する(S217)。変動パターンコマンドであるときには、変動パターンコマンドの下位バイトが示す変動パターンを特定可能な受信フラグである変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S219)。
次に、変動パターンコマンドの上位バイトが示す遊技状態が、受信前の遊技状態と比較し、変化しているか否かを判断する(S220)。なお、S220では、具体的には、変動パターンコマンドの上位バイトが示す遊技状態を特定し、該特定した遊技状態と受信前の遊技状態を示す遊技状態フラグから特定される遊技状態とを比較することにより、変化しているか否かを判断する。変化していないと判断されたときは、そのままS211に戻る。一方、変化していると判断されたときは、現在セットされている遊技状態フラグの値を、変動パターンコマンドの上位バイトが示す遊技状態に対応する遊技状態フラグに更新し(S221)、S211に戻る。具体的には、低確低ベース状態に対応して低確低ベースフラグが、高確低ベース状態に対応して高確低ベースフラグが、高確高ベース状態に対応して高確高ベースフラグが、遊技状態フラグとしてセットされる。なお、通常変動時である場合には、短縮変動フラグがリセットされ、短縮変動時である場合には短縮変動フラグがセットされる。短縮変動フラグがセットされているときには、後述する飾り変動パターンの変動時間として短縮変動時間がセットされる。
本実施の形態においては、遊技状態フラグに基づく演出の種類が特定される。具体的には、遊技状態フラグに基づき、飾り図柄の背景として表示させる背景画像の種類や、前述した発光手段による点灯パターン・点灯色等の種類や、スピーカ27による音演出の種類等が特定される。図24は、演出態様としての背景画像の種類を説明するための図である。図24(a)は、遊技状態フラグとして、高確低ベース状態または高確高ベース状態に対応する遊技状態フラグがセットされているときの背景画像であり、「山」をイメージした画像が表示される。図24(b)は、遊技状態フラグとして、低確低ベース状態に対応する遊技状態フラグがセットされているときの背景画像であり、「宇宙」をイメージした画像が表示される。
図23に戻り、前述のS217において受信コマンドが変動パターンコマンドではないと判断されたときには、その他の受信コマンドがいかなるコマンドか判断し、受信コマンドに対応したコマンド受信フラグをセットし(S222)、S211に戻る。
次に、図22のS206による演出制御プロセス処理について説明する。図25は、演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値に応じてS400〜S406のうちのいずれかの処理を実行する。各処理において、以下のような処理が実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S400):変動パターンコマンドを受信したか否かを確認し、変動パターンコマンドが受信されたことを確認したときには、演出制御プロセスフラグの値をS401に応じた値に更新する。
図柄変動開始処理(S401):飾り図柄の変動表示について、はずれ図柄の組合せ、および、大当り図柄の組合せ等の変動表示における飾り図柄の表示結果を決定する。そして、変動パターンコマンドに応じて、画像表示可能な変動パターンとして複数予め定められている飾り変動パターンから、実際に変動表示装置9での変動表示に使用する飾り変動パターンを決定する。また、決定した飾り変動パターンに応じて変動時間を設定し、変動表示装置9における飾り図柄(左,中,右図柄)の変動を開始させる。その後、演出制御プロセスフラグの値をS402に応じた値に更新する。図柄変動開始処理の内容については、図27を用いて後述する。
図柄変動中処理(S402):変動表示装置9での飾り図柄の変動パターンを構成する各変動状態(変動速度等)の切替えタイミングを制御するとともに、設定された変動時間の終了を監視する。そして、設定された変動時間が終了したときに、飾り図柄の左,中,右図柄を仮停止させ、表示結果が確定せずに図柄が揺れている揺れ変動状態とする制御を行なう。その後、演出制御プロセスフラグの値をS403に応じた値に更新する。
図柄停止待ち処理(S403):変動パターンコマンドにより指定された変動時間が経過して飾り図柄の全図柄停止を指定する図柄停止コマンドを受信していたら、変動表示装置9での飾り図柄の変動を停止(前述の揺れ変動状態を停止)し、変動表示結果としての停止図柄を表示する制御を行なう。その後、変動表示装置9での飾り図柄の停止図柄が大当り表示結果となるときは、演出制御プロセスフラグの値をS404に応じた値に更新し、変動表示装置9での飾り図柄の停止図柄がはずれ表示結果となるときは、演出制御プロセスフラグの値をS400に応じた値に更新する。
大当り表示処理(S404):大当りとなったときには、変動表示装置9での飾り図柄の変動時間の終了後、大当り開始時における表示を行なう。その後、演出制御プロセスフラグの値をS405に応じた値に更新する。
大当り遊技中処理(S405):特定遊技状態としての大当り遊技状態中における演出を含む大当り遊技状態中の処理を行なう。たとえば、大当り遊技状態においては、大当り遊技状態における各開放状態中の各種演出、および、各開放状態間のインターバル期間中の各種演出等の大当り遊技状態中における装飾された演出をするための表示が実行される。そして、大当り遊技中処理が終了すると、演出制御プロセスフラグの値をS406に応じた値に更新する。大当り表示処理が終了するときには、エンディング表示を行なうために、エンディング表示の実行時間を管理するための終了表示タイマにエンディング表示の実行時間に対応する終了表示時間をセットし、終了表示タイマをスタートさせる。
大当り遊技終了処理(S406):大当り遊技状態を終了させるときの演出としてのエンディング表示を行なう。その後、演出制御プロセスフラグの値をS400に応じた値に更新する。エンディング表示の表示時間は、大当り遊技中処理において時間がセットされる終了表示タイマを用いて管理する。
なお、S216でサブ側時短カウンタおよびサブ側確変カウンタがセットされている場合には、S403〜S406のうちいずれかにおいて当該サブ側時短カウンタおよびサブ側確変カウンタの値に基づき、時短回数および確変回数を報知する処理が行なわれるように構成してもよい。具体的には、大当り図柄が停止表示されるときや、大当り遊技状態中や、大当り遊技状態が終了するとき等に、サブ側時短カウンタおよびサブ側確変カウンタに基づき、時短回数および確変回数を報知してもよい。
次に、図25のS400による変動パターンコマンド受信待ち処理について説明する。図26は、図25の変動パターンコマンド受信待ち処理(S400)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。
まず、図23のS219において変動パターンコマンドを受信したことに伴い変動パターンコマンド受信フラグがセットされたか否かを判断する(S225)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていないときは、そのまま変動パターンコマンド受信待ち処理を終了する。
一方、S225において変動パターンコマンド受信フラグがセットされていると判断されたときには、S226において現在セットされている遊技状態フラグに対応する種類の演出を行なうための演出態様表示データを設定する処理が行なわれる。より具体的に、遊技状態フラグが高確率状態を示す場合には、図24(a)に示す背景画像を表示するための演出態様表示データを設定し、遊技状態フラグが低確率状態を示す場合には、図24(b)に示す背景画像を表示するための演出態様表示データを設定する処理が行なわれる。これにより、以降実行される飾り図柄の変動表示において、遊技状態フラグに対応する種類の背景画像が表示される。また、本実施の形態においては、遊技状態フラグに対応する種類の画像(背景画像)を変動表示装置9に表示する制御を行なうとともに、遊技状態フラグに対応する種類の点灯パターン・点灯色で前述した発光手段を発光させる制御や、遊技状態フラグに対応する種類の音色をスピーカ27から発生させる制御が行なわれる。S227においては、演出制御プロセスフラグを図柄変動開始処理(S401)に対応した値に更新し、リターンする。
次に、図25のS401による図柄変動開始処理について説明する。図27は、図25の図柄変動開始処理(S401)を示すフローチャートである。図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。
まず、飾り図柄の変動表示における演出内容(飾り変動パターン、飾り図柄の表示結果)を決定し、該決定した演出内容に対応するデータを設定する飾り変動演出決定処理を行なう(S231)。飾り変動演出決定処理の処理内容については、図28を用いて後述する。飾り変動演出決定処理で設定された飾り変動パターンに対応する変動時間が、変動表示装置9での変動時間を計時するための変動時間タイマにセットされ、変動時間タイマによる変動時間の計時がスタートされる(S236)。そして、飾り変動演出決定処理で設定された飾り変動パターンで、変動表示装置9において表示結果を導出表示するための飾り図柄の変動表示を開始する(S237)。そして演出制御プロセスフラグを図柄変動中処理(S402)に対応した値に更新し(S238)、リターンする。
図28は、図柄変動開始処理における飾り変動演出決定処理(S231)を示すフローチャートである。
まず、S241においては、大当りに対応する決定結果受信フラグがセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。すなわち、S241においては、大当りとなるか否かを判別する処理が行なわれる。S241において大当りとすると判別されたときには、S252において飾り図柄の変動表示結果として図6で示した大当り図柄の組合せからランダムに決定してRAM85に記憶する処理が行なわれる。具体的には、まず、RS2−1の値を抽出する。そして、RS2−1の値と大当り図柄との関係が予め定められた大当り図柄決定用データテーブルを用いて、RS2−1の抽出値から、対応する大当り図柄の組合せを選択し、その大当り図柄の組合せを飾り図柄の変動表示結果として決定する。
S257においては、短縮変動フラグ、変動パターンコマンド受信フラグに対応した飾り変動パターンの表示データを設定する処理を行ない、飾り変動演出決定処理を終了する。なお、前述したように短縮変動フラグがセットされている場合には、変動パターンコマンド受信フラグに対応する変動パターンであって短縮変動時間の変動パターンを飾り変動パターンとして設定する処理が行なわれる。
一方、S241において大当りとしないと判定されたときには、S244においてリーチはずれに対応する変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。すなわち、S244においては、リーチはずれとなるか否かを判別する処理が行なわれる。
S244においてリーチはずれとすると判断されたときには、S245において変動表示結果としてリーチはずれ図柄をランダムに決定してRAM85に記憶する処理が行なわれる。具体的には、まず、飾り図柄決定用のランダムカウンタRS2−1〜3の値を抽出する。そして、RS2−1の値とリーチ図柄との関係が予め定められたリーチ図柄決定用データテーブルを用いて、RS2−1の抽出値から対応するリーチ図柄を選択し、そのリーチ図柄の組合せを左,右図柄の停止図柄の組合せ(リーチ図柄)として決定する。そして、RS2−2と中図柄との関係が予め定められた中図柄決定用データテーブルを用いて、RS2−2の抽出値から対応する中図柄を選択する。ただし、RS2−2の抽出値に対応する中図柄がリーチ図柄と一致するときには、リーチ図柄と一致しないように中図柄を変更する補正を行なう。
S247においては、短縮変動フラグ、変動パターンコマンド受信フラグに対応した飾り変動パターンの表示データを設定する処理を行ない、飾り変動演出決定処理を終了する。
一方、S244においてリーチはずれとしないと判断されたときには、S248において変動表示結果としてリーチはずれ図柄以外のはずれ図柄の組合せをランダムに決定してRAM85に記憶する処理が行なわれる。具体的には、まず、飾り図柄決定用のランダムカウンタRS2−1〜3の値を抽出する。そして、RS2−1の値と左図柄との関係が予め定められた左図柄決定用データテーブル、前述の中図柄決定用データテーブル、および、RS2−3の値と右図柄との関係が予め定められた右図柄決定用データテーブルを用いて、RS2−1〜3のそれぞれの抽出値から、対応する飾り図柄を選択し、その飾り図柄の組合せを飾り図柄の停止図柄の組合せとして決定する。ただし、RS2−1〜3のそれぞれの抽出値に対応する飾り図柄の組合せが大当り図柄の組合せ、および、リーチはずれ図柄の組合せと一致するときには、一致しないように、予め定められた位置の図柄(たとえば、中図柄または右図柄)を変更する補正を行なう。S249においては、短縮変動フラグおよび変動パターンコマンド受信フラグに対応した飾り変動パターンの表示データを設定する処理を行ない、飾り変動演出決定処理を終了する。
図29は、図25の図柄変動中処理(S402)を示すフローチャートである。図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。
まず、前述の変動時間タイマと、図柄変動中処理における表示制御を管理するために用いられるプロセスタイマとを更新する(S291)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し(S292)、タイムアウトしていれば演出制御実行データの切替えを行ない(S293)、S294に進む。タイムアウトしていなければ、そのままS294に進む。この実施の形態では、飾り図柄の変動態様を示すプロセスデータが飾り変動パターンごとに設けられている(記憶されている)。プロセスデータは、プロセスタイマのデータと演出制御実行データとの組合せが複数集まったデータで構成される。演出制御用マイクロコンピュータ800は、飾り変動演出決定処理において設定された飾り変動パターンの表示データとしてのプロセスデータを設定する。そして、該プロセスデータを参照してプロセスタイマに設定されている時間だけ演出制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を変動表示させる制御を行なう。これにより、図26のS226において設定された演出態様表示データに基づく演出態様で、変動表示を開始させた後、所定時間後に表示結果を導出表示する変動表示を行なうことができる。
そして、変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを判断する(S294)。変動時間タイマがタイムアウトしていなければ、リターンする。一方、変動時間タイマがタイムアウトしていれば、図柄停止コマンドの受信期間を監視するための監視タイマをセットしてスタートさせ(S295)、演出制御プロセスフラグを図柄停止待ち処理(S403)に対応した値に更新し(S296)、リターンする。
次に、前述した実施形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、時短・確変回数決定処理により、図8で示す30回、100回、500回から時短回数が決定される。このため、大当りになると時短回数が何回に決定されるかといった期待感を遊技者に対し抱かせることができるため、遊技性を向上させることができる。また、大当りにする決定がされたときの遊技状態が、通常状態としての低確低ベース状態であるときの方が、高確低ベース状態であるときや高確高ベース状態であるときよりも、時短回数としてより多い回数が決定される割合が高くなり、大当り遊技終了後に高ベース状態(時短状態)に長く制御される可能性が高くなる。このため、低確低ベース状態であるときに、高確低ベース状態であるときや高確高ベース状態であるときより、遊技者にとって有利となる遊技内容を付与することができ、低確低ベース状態における遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前述した実施の形態においては、大当りにする決定がされたときの遊技状態に応じて異なる割合に従って時短回数が特定されるように振分けが設定されている時短回数決定用テーブルをルックアップして、時短・確変回数決定処理により決定される。このため、大当りになると時短回数が何回に決定されるかについて、遊技状態に応じて異なる期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 前述した実施の形態においては、時短・確変回数決定処理により、図9で示す100回、300回、500回から確変回数が決定される。このため、大当りになると、時短回数と同様に、確変回数が何回に決定されるかといった期待感を遊技者に対し抱かせることができるため、遊技性を向上させることができる。また、決定された確変回数に応じて、高確率状態に制御される期間が変化するため、大当りになることにより時短回数として多い回数が決定される割合が高い低確低ベース状態に制御される時期を変化させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 前述した実施の形態においては、図24(a)および(b)で示したように、低確率状態であるか高確率状態であるかに応じて、異なる背景画像が表示される。これにより、現在の遊技状態が低確率状態であるのか高確率状態であるのかを認識しながら遊技者は遊技を行なうことができるため、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
(5) 図10、図11、図19のS66〜S68で説明したように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在制御されている遊技状態に対応する上位バイトと決定された変動パターンに対応する下位バイトと組合せたコマンドを変動パターンコマンドとして、演出制御用マイクロコンピュータ800に送信する。また、図23のS217〜S221、図26のS226、図28のS249、S247、S257で説明したように、演出制御用マイクロコンピュータ800は、受信した変動パターンコマンドの上位バイトから、現在制御されている遊技状態を特定するとともに、受信した変動パターンコマンドの下位バイトから、遊技制御用マイクロコンピュータ560により決定された変動パターンを特定するとともに、上位バイトから変動時間を短縮させる状態であるか否かに応じた飾り変動パターンを決定する処理を行なう。これにより、変動パターンを特定するための変動パターンコマンドに、現遊技状態を特定する情報を含めることができ、現遊技状態を特定するためのコマンドを別コマンドとして送信する必要がないため、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ800へ送信するコマンドの種類を極力低減することができる。
次に前述した実施の形態の変形例を挙げる。
(1) 前述した実施の形態においては、時短回数決定用テーブルの一例として、図8を用いて説明した。しかし、時短回数決定用テーブルとしては、このようなものに限らず、大当りにする決定がされたときの遊技状態が高確率状態であるときより低確率状態であるときの方が、より多い回数が時短回数として特定される割合が高くなるように振分けが設定されているテーブルであればどのようなものであってもよい。
たとえば、図30に示すテーブルをルックアップして、時短回数を決定するように構成してもよい。図30は、時短回数決定用テーブルの変形例を説明するための図である。
まず、図30(a)に示す時短回数決定用テーブルについて説明する。大当りにする決定がされたときの遊技状態が高確高ベース状態であるときは、図30(a)に示す高確高ベース状態時テーブルが参照される。高確高ベース状態時テーブルは、ランダムR5からの値が、「0〜2」であるときに「30回」が、「3〜8」であるときに「100回」が、「9」であるときに「500回」が、時短回数として決定されるように振分けが設定されている。よって、大当りにする決定がされたときの遊技状態が高確高ベース状態であるときは、30%の確率で「30回」が、60%の確率で「100回」が、10%の確率で「500回」が、時短回数として決定される。
また、大当りにする決定がされたときの遊技状態が高確低ベース状態であるときは、図30(a)に示す高確低ベース状態時テーブルが参照される。高確低ベース状態時テーブルは、ランダムR5からの値が、「0〜5」であるときに「30回」が、「6〜8」であるときに「100回」が、「9」であるときに「500回」が、時短回数として決定されるように振分けが設定されている。よって、大当りにする決定がされたときの遊技状態が高確低ベース状態であるときは、60%の確率で「30回」が、30%の確率で「100回」が、10%の確率で「500回」が、時短回数として決定される。
また、大当りにする決定がされたときの遊技状態が低確低ベース状態であるときは、図30(a)に示す低確低ベース状態時テーブルが参照される。図30(a)に示す低確低ベース状態時テーブルは、ランダムR5からの値が、「0〜2」であるときに「30回」が、「3〜5」であるときに「100回」が、「6〜9」であるときに「500回」が、時短回数として決定されるように振分けが設定されている。よって、大当りにする決定がされたときの遊技状態が低確低ベース状態であるときであって図30(a)に示す低確低ベース状態時テーブルが参照された場合には、30%の確率で「30回」が、30%の確率で「100回」が、40%の確率で「500回」が、時短回数として決定される。
図17のS541においては、図30(a)に示す時短回数決定用テーブルをルックアップして、S542において時短回数を決定するように構成してもよい。
次に、図30(b)に示す時短回数決定用テーブルについて説明する。図30(b)に示す高確高ベース状態時テーブルおよび高確低ベース状態時テーブルは、図30(a)と同様のため、説明を繰返さない。
図30(b)に示す低確低ベース状態時テーブルは、ランダムR5からの値が、「0〜9」の全範囲において「500回」が、時短回数として決定されるように振分けが設定されている。よって、大当りにする決定がされたときの遊技状態が低確低ベース状態であるときであって図30(b)に示す低確低ベース状態時テーブルが参照された場合には、100%の確率で「500回」が、時短回数として決定される。
図17のS541においては、図30(b)に示す時短回数決定用テーブルをルックアップして、S542において時短回数を決定するように構成してもよい。図30(b)に示す時短回数決定用テーブルをルックアップして時短回数を決定する場合、低確低ベース状態で大当りになると決定され得る回数のうち最も多い回数である「500回」が100%の割合で時短回数として決定されるため、低確低ベース状態であるときの有利度合いを高めることができ、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
(2) 前述した実施の形態においては、一種類の時短回数決定用テーブルをルックアップして時短回数を決定する例について説明した。しかし、これに限らず、振分けが異なる複数種類の時短回数決定用テーブルから一の時短回数決定用テーブルを選択し、該選択した時短回数決定用テーブルをルックアップして時短回数を決定するように構成してもよい。たとえば、図8で示した時短回数決定用テーブルおよび図30で示した時短回数決定用テーブルの計3種類から、時短回数を決定する際にルックアップする時短回数決定用テーブルを乱数等を用いてランダムに選択するように構成してもよい。また、複数種類の時短回数決定用テーブルは、各々、異なる回数を時短回数として決定されるように構成されているものであってもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、図24(a)および(b)、図26のS226等で説明したように、遊技状態フラグに対応する種類の背景画像を変動表示装置9に表示する制御を行なうとともに、遊技状態フラグに対応する種類の点灯パターン・点灯色で前述した発光手段を発光させる制御や、遊技状態フラグに対応する種類の音色をスピーカ27から発生させる制御が行なわれる例について説明した。しかし、これに限らず、遊技状態フラグに対応する種類の飾り変動パターンにより、変動表示装置9において飾り図柄を変動表示する制御を行なうように構成してもよい。たとえば、図28のS257、S247、およびS249において、短縮変動フラグおよび変動パターンコマンド受信フラグのみならず、さらに遊技状態フラグにも対応した飾り変動パターンの表示データを設定する処理を行なうように構成してもよい。これにより、変動表示装置9において行なわれる飾り図柄の変動態様から、現在の遊技状態を認識することができる。なお、遊技の進行に応じて可動する可動部材を備える遊技機においては、遊技状態フラグに対応して予め定められた動作パターンに従って可動させるように可動部材の動作を制御するように構成してもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、大当り遊技状態終了後に、必ず高確高ベース状態に制御される遊技機を例に説明した。しかし、これに限らず、乱数等を用いてランダムに、大当り遊技状態終了後に高確率状態に制御するか否か、および大当り遊技状態終了後に高ベース状態に制御するか否かを決定するように構成してもよい。そして、高ベース状態に制御すると決定されたときに時短回数を決定し、高確率状態に制御すると決定されたときに確変回数を決定するように構成してもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、高確率状態の終了条件として、大当り遊技状態終了後から変動表示が確変回数行なわれることを例に説明した。しかし、高確率状態の終了条件としては、これに限らず、さらに、高確率状態中、変動表示が行なわれる毎に、当該高確率状態を終了するか否かを乱数等を用いてランダムに抽選し、当該抽選に所定の割合(たとえば1/300)で当選することにより成立するものであってもよい。これにより、確変回数分変動表示が行なわれるまでに低確高ベース状態に制御される。低確高ベース状態では、前述したように低確低ベース状態に制御されているときと同様に、時短回数および確変回数が決定される。このため、大当りとなったときにより多い回数が時短回数として決定される割合が高い遊技状態に早期に制御されるため、遊技の興趣を向上させることができる。このように構成した場合、確変回数として予め定められた一定回数(たとえば500回)をセットするように構成してもよい。また、高確高ベース状態であるときに大当り遊技状態終了後から所定回数(たとえば100回)変動表示が行なわれる以前に当選した場合には、当該所定回数変動表示が行なわれるまで低確高ベース状態に制御し、その後低確低ベース状態に制御するように構成してもよい。また、高確高ベース状態であるときに大当り遊技状態終了後から所定回数(たとえば100回)変動表示がすでに行なわれているときに当選した場合には、当該変動表示が終了したときに低確低ベース状態に制御するように構成してもよい。
(6) 前述した実施の形態においては、大当りの種類として、第15ラウンドを最終ラウンドとして第15ラウンドとなるまで無条件で継続権が成立する15ラウンド大当りが設けられている例について説明した。しかし、これに限らず、ラウンド数が異なる他の種類の大当りが設けられているものであってもよい。たとえば、特別可変入賞球装置20が必ず2回開放される制御が行なわれ、第2ラウンドを最終ラウンドとして第2ラウンドとなるまで無条件で継続権が成立する2ラウンド大当りがさらに設けられているものであってもよい。また、2R大当りのときの開放終了条件は、開放してから1秒間(所定時間)経過するまで、または、10個(所定個数)の遊技球が入賞するまでという2つの条件のうちいずれかが成立したときに成立するように構成してもよい。また、2R大当りには、大当り終了後に時短回数「100回」および確変回数「1回」の高確高ベース状態に制御されるように構成してもよい。これにより、高確率状態に制御されているときに、2ラウンド大当りになると、当該大当り遊技状態が終了してから変動表示が1回行なわれることにより低確高ベース状態に制御される。低確高ベース状態では、前述したように低確低ベース状態に制御されているときと同様に、時短回数および確変回数が決定される。このため、大当りとなったときにより多い回数が時短回数として決定される割合が高い遊技状態に早期に制御されるため、遊技の興趣を向上させることができる。
(7) 前述した実施の形態において低確率状態であるときは、高確率状態であるときよりも、大当りとなると決定されたときにより多い回数が時短回数として決定される割合が高くなる点で有利となる例について説明した。しかし、これに限らず、低確率状態であるときは、高確率状態であるときよりも、大当りとなると決定されたときにより高いベースが決定される割合が高くなる点でも有利となるように構成してもよい。たとえば、時短・確変回数決定処理においては、複数種類の時短回数から一の時短回数を決定する処理を行なうことに加えて、複数種類のベース(高ベース、低ベース、および低ベースよりもベースが高く遊技者にとって有利であるが高ベース状態よりもベースが低く遊技者にとって有利な程度の低い中ベース)から一のベースを決定する処理を行ない、決定されたベースの時短状態に決定された時短回数分だけ変動表示が行なわれるまで制御するように構成してもよい。この場合、ベースを決定する処理においては、低確率状態であるときの方が高確率状態であるときよりも、大当りとなると決定されたときにより高いベースが決定される割合が高くなるテーブルをルックアップするように構成する。これにより、低確率状態であるときに高確率状態であるときより、遊技者にとって有利となる遊技内容を付与することができ、低確率状態における遊技の興趣を向上させることができる。なお、遊技状態に関わらず時短回数を一定回数にして、低確率状態であるときは、高確率状態であるときよりも、大当りとなると決定されたときにより高いベースが決定される割合が高くなる点のみにおいて有利となるように構成してもよい。
(8) 前述した実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図8および図30で示した時短回数決定用テーブルをルックアップし時短回数を決定する例について説明した。しかし、図8および図30で示した時短回数決定用テーブルをルックアップして決定するものに限らず、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、低確率状態であるときの方が高確率状態であるときよりも大当りとなると決定されたときに遊技者にとって有利な状態(時短回数が多い、ベースが高い等)が決定される割合が高くなるように、大当り遊技状態終了後の状態を決定するための決定用演算処理を行なうことにより決定するように構成してもよい。
(9) 前述した実施の形態では、高ベース状態として、特別図柄の変動時間短縮状態を伴う例を示したが、これに限らず、高ベース状態としては、特別図柄の変動時間短縮状態を伴わない高ベース状態(たとえば、普通図柄確変制御、普通図柄時短制御、開放延長制御、および回数増加制御のみを行なう状態)であってもよい。
(10) 前述した実施の形態では、変動表示部について、変動表示装置9で構成される例を説明した。しかし、これに限らず、変動表示部は、特別図柄を表示する特別図柄表示装置のみで構成されるようにしてもよい。その場合には、変動表示装置9と同様の画像が表示可能な表示装置により特別図柄表示装置を構成し、当該特別図柄表示装置で表示する特別図柄として、前述した飾り図柄と同様の図柄を表示するとともに、前述した背景画像等の飾り図柄以外の各種画像を同様に表示するように制御する。
(11) 前述した実施の形態においては、制御信号に基づいて変動表示装置9を含む演出装置の制御(遊技の演出の制御)を行なう演出制御手段として、表示制御と音制御とランプ制御とを統括的に制御可能な演出制御用マイクロコンピュータ800を設けた。しかし、これに限らず、次のような構成を採用してもよい。表示制御を行なうマイクロコンピュータと、音制御を行なうマイクロコンピュータと、ランプ制御を行なうマイクロコンピュータとを設け、遊技制御用マイクロコンピュータが、これらのマイクロコンピュータのそれぞれに、表示制御コマンド、音制御コマンド、および、ランプ制御コマンドを与え、そのコマンドに応じて各マイクロコンピュータが各制御を個別に実行するような構成を採用してもよい。
(12) 変動表示装置9を含む演出装置の制御(遊技の演出の制御)を行なう演出制御手段としては、変動表示装置9の表示制御を行なう表示制御用マイクロコンピュータ(表示制御基板に設けられる)と、たとえば音制御およびランプ制御のような表示制御以外の演出制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータ(演出制御基板に設けられる)とを設け、遊技制御用マイクロコンピュータが、演出制御用マイクロコンピュータへ表示制御、音制御、および、ランプ制御を含む演出制御用のコマンドを与え、その演出制御用のコマンドに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータから表示制御用マイクロコンピュータへ表示制御コマンドを与えるようにしてもよい。演出制御用マイクロコンピュータから表示制御用マイクロコンピュータへの表示制御コマンドの与え方としては、遊技制御用マイクロコンピュータからの演出制御コマンドにより指定(特定)された表示制御の内容に応じて表示制御用コマンドを作成して出力する(加工して出力する)ようにしてもよく、遊技制御用マイクロコンピュータからの演出制御コマンドのうち、表示制御を対象とするコマンドをそのまま表示制御用マイクロコンピュータへ出力する(加工せずに出力する)ようにしてもよい。演出制御コマンドにより指定された表示制御の内容に応じて表示制御用コマンドを作成して出力する構成を採用したときには、演出制御手段側で演出に関する制御内容を決定することができ、その決定にしたがった処理を、ランプ、音、および、表示で統一させることができる。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ側から演出制御コマンドを受ける演出制御用マイクロコンピュータで演出制御手段側での演出に関する決定を行ない、さらに、その決定結果を、遊技制御用マイクロコンピュータ側で決定されて演出制御コマンドにより示された演出に関する制御内容の決定結果に合わせて、制御内容をまとめて示す表示制御用コマンドにより表示制御用マイクロコンピュータへ出力することができるので、演出制御用マイクロコンピュータから表示制御用マイクロコンピュータへ制御内容に関する各種決定事項を出力するための処理回数を増やさずに済むようになる。
また、変動表示装置9の表示制御を行なう表示制御用マイクロコンピュータを設けた表示制御基板と、たとえば音制御およびランプ制御を行なう音・ランプ用マイクロコンピュータを設けた音・ランプ制御基板とを設け、主基板31に設けた遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを表示制御用マイクロコンピュータが受信し、その受信したコマンドに基づいて、表示制御用マイクロコンピュータが、表示制御を行なうとともに、音・ランプ制御用マイクロコンピュータに音制御およびランプ制御を指令するための音・ランプ制御コマンドを送信し、音・ランプ制御用マイクロコンピュータが、その音・ランプ制御コマンドを受信して音制御およびランプ制御を行なうようにしてもよい。なお、この場合の音・ランプ制御用マイクロコンピュータは、音制御を行なう音制御用マイクロコンピュータ(音制御基板に設ける)と、ランプ制御を行なうランプ制御用マイクロコンピュータ(ランプ制御基板に設ける)とに分けて設け、音制御用マイクロコンピュータには音制御を指令するための音制御コマンドを送信し、ランプ制御を指令するためのランプ制御コマンドを送信するようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(14) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(15) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
9 変動表示装置、1 パチンコ遊技機、560 遊技制御用マイクロコンピュータ、800 演出制御用マイクロコンピュータ、 7 遊技領域、15 可変入賞球装置、31 主基板、80 演出制御基板。