JP2000317069A - 遊技機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】識別情報を変動表示しうる可変表示装置を備え
たパチンコ機等の遊技機において、興趣の飛躍的な向上
を図る。 【解決手段】パチンコ機１の遊技盤２には作動口３及び
大入賞口４が設けられ、遊技盤２の中央部分には表示部
１３ａを備えた表示装置１３が組込まれている。表示部
１３ａには複数の図柄列が表示され、図柄列は複数種類
の図柄によって構成されている。制御装置２４は、図柄
が特定表示態様となって最終的に停止表示されることを
必要条件に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させ
る。特定表示態様として価値を異にする複数の種類が設
定されており、図柄の再変動に際しては、制御装置２４
は、一旦停止表示された特定表示態様の有する価値以上
の価値を有する特定表示態様となって図柄が最終的に停
止表示されるように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、識別情報を変動表
示しうる可変表示装置を備えたパチンコ機等の遊技機に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、遊技機の一種として、複数種類の
図柄等を、予め定められた配列で変動表示するための特
別図柄表示装置（可変表示装置）を備えたパチンコ機が
知られている。

【０００３】この種のパチンコ機では、表示装置での変
動表示停止時の表示図柄（停止図柄）に応じて、リーチ
状態を経た後に遊技者に有利な状態となる「特別遊技状
態（大当たり状態）」、リーチ状態を経た後に特別遊技
状態とはならない「外れリーチ状態」、又は、リーチ状
態を経ず、かつ、特別遊技状態ともならない「外れ状
態」が発生させられる。停止図柄には、特別遊技状態を
発生させるための特別遊技図柄（大当たり図柄）、外れ
リーチを発生させるための外れリーチ図柄、及び、外れ
状態を発生させるための外れ図柄がある。

【０００４】前記のようなパチンコ機では、遊技者の操
作に応じて変化する遊技状況が、所定の条件を満たすこ
と（例えば、遊技球が作動口に入賞すること等）によっ
て、特別図柄表示装置において、図柄の変動表示が開始
される。また、上記特別遊技図柄、外れリーチ図柄、及
び、外れ図柄の中から、遊技状況に応じた停止図柄が選
択され、その選択された停止図柄で前記変動表示が停止
させられる。そして、大当たり図柄で停止した場合に
は、特別変動入賞装置が遊技者にとって有利な状態（大
当たり状態）となるように切換えられる。より詳しく
は、大入賞口が開放される等によって、遊技者は大量の
景品球を獲得することが可能となる。

【０００５】ところで、近年、この種のパチンコ機にお
いては、別途設けられた普通図柄始動口（又はゲート）
の通過に基づき、普通図柄表示装置による補助可変表示
制御（例えば７セグ表示制御）が行われる。そして、そ
の表示結果が予め定められた所定の停止状態となった場
合（例えば「７」で停止した場合）に、普通図柄当たり
となって、作動口を兼ねた普通変動入賞装置が開放され
て、作動口への入賞率が高められる。

【０００６】また、最近では、確率変動モード（高確率
モード）の設定されてなるパチンコ機が知られるように
なってきている。当該確率変動モードというのは、一般
に、大当たり図柄が、例えば「３」「３」「３」、
「７」「７」「７」の如き特定の図柄であった場合に、
その大当たり状態の終了後、次回の大当たり状態が１回
（又は２回）発生するまで、大当たり状態の発生確率が
高められるものである。

【０００７】そして、このように確率変動モードが発生
した場合には、大当たり状態の発生確率が高められるの
みならず、これに加えて、特別図柄表示装置の変動時間
が短縮されたり、或いは、普通図柄表示装置における普
通図柄当たりとなる確率が高められたりする機種も知ら
れている。

【０００８】さらに近年、特別図柄表示装置における再
変動を行う機種も知られている。当該機種においては、
ゾロ目で揃った状態で一旦停止した図柄が、前記特定の
図柄以外の図柄（通常図柄）であった場合でも、その揃
った状態で再度変動し、前記特定の図柄にて最終的に停
止されることが行われる。例えば、「２」「２」「２」
の如き大当たり図柄で一旦大当たり状態が発生したかの
ようにみえて、その後再変動によって、「７」「７」
「７」にて最終的に停止するような制御が行われる。か
かる制御が行われることで、通常図柄で大当たり状態と
なったと思った遊技者は、再変動が行われることに伴
い、確率変動モードの発生をわくわくしながら期待す
る。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術における、再変動が行われるタイプのパチンコ機にお
いては次に記すような課題があった。すなわち、確率変
動モードが付与される図柄で一旦停止した場合でも、上
記再変動が行われた場合、通常図柄にて最終的に停止し
てしまうおそれがある。このため、遊技者は、折角確率
変動モードが付与されると思ったにもかかわらず、当該
確率変動モードが付与されないという結果に陥ってしま
うおそれがあった。その結果、興趣の低下を招いてしま
うおそれがあった。

【００１０】本発明は、上述した問題に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、識別情報を変動表示しうる
可変表示装置を備えたパチンコ機等の遊技機において、
興趣の飛躍的な向上を図ることのできる遊技機を提供す
ることにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じてその
作用等についても説明する。

【００１２】手段１．遊技者の操作に応じて変化する遊
技状況を検出する遊技状況検出手段と、前記遊技状況検
出手段による検出結果に基づき識別情報を変動表示しう
る可変表示装置と、前記識別情報が特定表示態様となっ
て最終的に停止表示されることを必要条件に、遊技者に
有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段
とを備え、前記特定表示態様として価値を異にする複数
の種類が設定された遊技機において、前記可変表示装置
の前記識別情報が一旦特定表示態様となって停止表示さ
れた後、前記識別情報が再度変動し、前記一旦停止表示
された特定表示態様と異なる又は同一の特定表示態様と
なって停止表示されるよう構成するとともに、当該再変
動に際しては、前記一旦停止表示された特定表示態様の
有する価値以上の価値を有する特定表示態様となって前
記識別情報が最終的に停止表示されるようにしたことを
特徴とする遊技機。

【００１３】上記手段によれば、遊技状況検出手段によ
って、遊技者の操作に応じて変化する遊技状況が検出さ
れ、その検出結果に基づき、可変表示装置では、識別情
報が変動表示されうる。そして、前記識別情報が特定表
示態様となって最終的に停止表示されることを必要条件
に、特別遊技状態発生手段では、遊技者に有利な特別遊
技状態が発生させられる。前記特定表示態様としては、
価値を異にする複数の種類が設定されており、同じ特別
遊技状態が発生させられたとしても、その価値に応じ
て、つまりは表示された特定表示態様に応じて、遊技者
は一喜一憂する。さて、上記手段では、可変表示装置の
前記識別情報が一旦特定表示態様となって停止表示され
た後、前記識別情報が再度変動し、前記一旦停止表示さ
れた特定表示態様と異なる又は同一の特定表示態様とな
って停止表示されうる。そのため、一旦停止表示された
特定表示態様の有する価値が比較的低かったとしても、
前記再変動により、遊技者は、より高い価値を有する特
定表示態様となって前記識別情報が最終的に停止表示さ
れることを望みうる。しかも、当該再変動に際しては、
確実に、前記一旦停止表示された特定表示態様の有する
価値以上の価値を有する特定表示態様となって前記識別
情報が最終的に停止表示されるため、一旦停止表示され
た特定表示態様の有する価値を下回った価値が付与され
ることがない。そのため、再変動が行われた場合、遊技
者は、不安感を抱くことなく、かつ、所定の期待感をい
だきつつ再変動動作を堪能しうる。

【００１４】手段２．手段１において、前記識別情報は
複数の図柄を含むことを特徴とする遊技機。

【００１５】手段３．手段２において、少なくとも前記
再変動に際しては、遊技者が視認できる程度に前記図柄
が１コマずつ変動表示されるようにしたことを特徴とす
る遊技機。上記手段によれば、１コマずつ変動表示され
る図柄を視認しつつ、さらに変動してほしいと考えた
り、或いは、そこで停止して欲しいと考えたりして、わ
くわくどきどきしながら再変動を堪能しうる。

【００１６】手段４．手段３において、前記再変動に際
しては、所定の上限コマ数を超えて変動表示されないよ
うにしたことを特徴とする遊技機。上記手段によれば、
再変動に際しては、所定の上限コマ数を超えて変動表示
されないため、上限コマ数を知っている遊技者にとって
は、上限コマ数の再変動があった時点で、最終的に停止
することを察知しうる。

【００１７】手段５．手段４において、前記上限コマ数
は、一旦停止表示された特定表示態様毎に異なっている
ことを特徴とする遊技機。上記手段によれば、さらに遊
技内容に厚みが増す。

【００１８】手段６．手段３〜５のいずれかにおいて、
前記一旦停止表示された特定表示態様が所定の条件を満
たすとき、前記再変動に際しては、一定コマ数以上の変
動があった場合、必ず前記一旦停止表示された特定表示
態様の有する価値よりも高い価値を有する特定表示態様
となって前記識別情報が最終的に停止表示されるように
したことを特徴とする遊技機。上記手段によれば、再変
動の初期段階においては、一定コマ数以上の変動がある
ことを強く望むとともに、実際に一定コマ数以上の変動
があることによって喜びと、安心感とを覚える。

【００１９】手段７．手段６において、前記所定の条件
は、前記一旦停止表示された特定表示態様の価値が最低
であることを特徴とする遊技機。

【００２０】手段８．手段３〜７のいずれかにおいて、
前記再変動に際しては、特定コマ数以上の変動があった
場合には、変動コマ数が多くなるほど、前記識別情報が
最終的に停止表示されるときの特定表示態様の有する価
値が高められるようにしたことを特徴とする遊技機。上
記手段によれば、さらに多くのコマ数の変動があること
を望み、面白味が増す。

【００２１】手段９．手段１〜８のいずれかにおいて、
少なくとも前記特別遊技状態終了後における遊技モード
を、通常モード、又は、該通常モードに比べて前記識別
態様が特定表示態様となって最終的に停止表示される確
率の高い高確率モードに設定する遊技モード設定手段を
設けるとともに、前記特定表示態様の有する価値は、前
記遊技モードに関連するものであることを特徴とする遊
技機。上記手段によれば、特定表示態様によって、少な
くとも特別遊技状態終了後における遊技モードが、通常
モードか高確率モードかに設定される。

【００２２】手段１０．手段９において、前記遊技モー
ドが高確率モードに設定された場合、前記識別情報の変
動表示が所定回数行われることを必要条件に通常モード
に切換えられるよう構成したことを特徴とする遊技機。
上記手段によれば、遊技モードが高確率モードに設定さ
れた場合、遊技者は、所定回数内に特別遊技状態が発生
することを強く希望する。

【００２３】手段１１．手段１０において、前記特定表
示態様の有する価値の相異は、前記所定回数の相異であ
ることを特徴とする遊技機。上記手段によれば、より多
くの所定回数が付与されるほど遊技者にとっての喜びは
増大する。

【００２４】手段１２．手段１〜１１において、前記特
別遊技状態が発生した場合、多量の遊技媒体を獲得でき
るよう構成するとともに、前記識別情報が所定の特定表
示態様となって最終的に停止表示された場合、前記特別
遊技状態終了後に獲得した遊技媒体を景品と交換させる
システムに対応可能な遊技機であって、前記特定表示態
様の有する価値の相異は、少なくとも前記交換及び前記
獲得した遊技媒体での継続遊技間の価値の相異を含んで
いることを特徴とする遊技機。上記手段によれば、特定
表示態様によって、獲得した遊技媒体を景品と交換せざ
るを得ない場合と、そのまま継続遊技を行うことができ
る場合とが生じ、興趣のさらなる向上が図られる。

【００２５】手段１３．手段１２において、さらに、前
記特定表示態様に応じた特定表示態様の有する価値を表
示説明する表示説明手段を設けたことを特徴とする遊技
機。上記手段によれば、表示説明手段を視認することに
より、遊技者は、特定表示態様の有する価値を把握しう
る。また、遊技者にとっての遊技に関する理解が深めら
れる。

【００２６】手段１４．手段１２又は１３において、さ
らに、前記特定表示態様に応じた特定表示態様の有する
価値に関する信号を導出する信号導出手段を設けたこと
を特徴とする遊技機。上記手段によれば、信号導出手段
によって、特定表示態様に応じた特定表示態様の有する
価値に関する信号が導出され、これにより、当該信号に
基づく各種の制御が行われうる。

【００２７】手段１５．手段１２〜１４のいずれかにお
いて、特定表示態様の有する価値の１つとして、前記獲
得した遊技媒体での継続遊技が終日可能であることを含
んでいることを特徴とする遊技機。上記手段によれば、
獲得した遊技媒体での継続遊技が終日可能であるという
特定表示態様の有する価値を獲得した遊技者にとっての
喜びは非常に大きなものとなる。

【００２８】手段１６．手段１〜１５のいずれかにおい
て、前記特定表示態様の有する価値として、少なくとも
３種類用意されていることを特徴とする遊技機。

【００２９】手段１７．手段１〜１６のいずれかにおい
て、前記再変動に際しては、前記可変表示装置及びその
他の報知手段の少なくとも一方において、演出報知を行
うようにしたことを特徴とする遊技機。上記手段によれ
ば、演出報知によって、再変動に際してのわくわくどき
どき感に拍車がかけられることとなる。

【００３０】手段１８．手段１７において、前記その他
の報知手段は、ランプ、別途設けられた表示装置及び音
声報知手段の少なくとも１つを含んでいることを特徴と
する遊技機。

【００３１】

【発明の実施の形態】（第１の実施の形態）以下に、パ
チンコ遊技機（以下、単に「パチンコ機」という）を具
体化した第１の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説
明する。

【００３２】なお、周知のように、パチンコ機１は、外
枠と、該外枠の前部に設けられ外枠の一側部にて開閉可
能に設けられた前面枠とを備えている。また、その前面
枠の前面側にはガラス扉枠が開閉自在に設けられてい
る。前面枠の後側（ガラス扉枠の奥、外枠の内側）に
は、遊技盤２が着脱可能に装着されている。この遊技盤
２は内レール、外レール等を備え、これらのレールは、
遊技球発射装置によって発射された遊技球５を、遊技盤
２の上部に案内する。また、ガラス扉枠の下側におい
て、前面枠には前飾枠が開閉可能に設けられ、前飾枠に
は、上受皿が設けられている。一方、前面枠の下部に
は、前記上受皿よりも下方位置にて下受皿が設けられて
いるとともに、遊技球発射装置を構成するハンドルが設
けられている。

【００３３】図１に示すように、パチンコ機１の遊技盤
２には、作動口３及び大入賞口４が設けられている。作
動口３は、遊技球５の通路を備えており、その通路入口
には羽根６が開閉可能に支持されている。大入賞口４の
奥の右側にはＶゾーンが、左側には入賞通路が設けられ
ている（図示略。また、左右逆でもよい）。そして、大
入賞口４に入賞した遊技球５は、Ｖゾーン又は入賞通路
のいずれか一方を通って図示しない入賞球処理装置の方
へと導かれる。また、大入賞口４の前には、シャッタ１
１が設けられている。このシャッタ１１は、大入賞口４
の側部に設けられた大入賞口用ソレノイド１２により作
動させられ、大入賞口４を開閉する。詳しくは、当該ソ
レノイド１２が励磁状態となることにより、シャッタ１
１が略水平に傾き、これにより大入賞口４が開かれる。
また、ソレノイド１２が非励磁状態となることにより、
シャッタ１１が略垂直状態となり、これにより大入賞口
４は閉鎖される。

【００３４】遊技盤２の中央部分には、特別図柄表示装
置１３が組込まれている。この特別図柄表示装置１３
は、液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）よりなる表示部１３ａ
を備えており、ここに複数の図柄列が表示される。図２
に示すように、本実施の形態では、これらの図柄列とし
て左図柄列１４、中図柄列１５及び右図柄列１６の３つ
の図柄列が表示されるが、それ以外の数の図柄列が表示
されてもよい。

【００３５】図２，３に示すように、各図柄列１４〜１
６は、それぞれ複数種類で複数個の図柄１７Ａ〜１７Ｌ
と、１種類で複数個の図柄１７Ｍとによって構成されて
いる。各図柄１７Ａ〜１７Ｌは、それぞれ「１」〜「１
２」の数字によって構成され、これらの数字は順に配列
されている。これらの図柄１７Ａ〜１７Ｌは、特別遊技
図柄としての大当たり図柄、外れリーチ図柄及び外れ図
柄のいずれかになり得る。また、図柄１７Ｍは「菱形」
のマークによって構成されており、前記各図柄１７Ａ〜
１７Ｌ間に配置されている。当該図柄１７Ｍは、外れ図
柄にのみなりうる。

【００３６】各々の図柄列１４〜１６においては、各図
柄１７Ａ〜１７Ｍが例えば上から下へとスクロールする
ことにより変動表示される。

【００３７】本実施の形態では、図２に示すように、中
央の１本の横ライン、その上下の２本の横ライン、及び
斜めの２本のラインによって大当たりラインＬが構成さ
れている（５ラインと称される）。但し、上記態様に何
ら限定されるものではなく、いわゆる１ライン、２ライ
ン等であっても何ら差し支えない。

【００３８】また、図１に示すように、特別図柄表示装
置１３の上部には普通図柄表示装置５１が併設されてい
る。普通図柄表示装置５１は、発光ダイオード（ＬＥ
Ｄ）よりなる４つの保留ランプ５２と、普通図柄表示部
たるＬＥＤよりなる７セグ表示部５３とを有している。

【００３９】さらに、前記特別図柄表示装置１３の左右
両側方には一対の通過ゲート５４が配設されている。同
通過ゲート５４を遊技球５が通過すると前記普通図柄表
示装置５１が作動する。本実施の形態では、普通図柄表
示装置５１は、「０」から「９」までの数字を可変表示
して７セグ表示部５３にセグメント表示させ、その数字
が所定値（本実施の形態では「７」）で停止した場合
に、作動口３の羽根６を所定秒数開放させる。この開放
により、作動口３への入賞が比較的容易なものとなる。
普通図柄表示装置５１は、遊技球５の通過ゲート５４の
通過回数を４回まで記憶することができ、保留ランプ５
２でその保留数を表示する。従って、４つの保留ランプ
５２が点灯している状態で遊技球５が通過ゲート５４を
通過しても保留球としてカウントされず、保留ランプ５
２が点灯している限り、遊技球５が通過ゲート５４を通
過しなくとも保留数に応じた回数だけ普通図柄表示装置
５１は作動するようになっている。

【００４０】図２（ａ），（ｂ）等に示すように、特別
図柄表示装置１３の表示部１３ａでは、各図柄列１４〜
１６の図柄変動（回転変動）が、遊技球５の作動口３へ
の入賞に基づいて開始させられる。また、大当たり図
柄、外れリーチ図柄、外れ図柄の中から１つが選択さ
れ、これが停止図柄として設定される。停止図柄とは、
各図柄列１４〜１６が図柄変動を停止したときに表示さ
れる図柄である。本実施の形態では、図柄変動は、左図
柄列１４、右図柄列１６、中図柄列１５の順に停止させ
られるが、これはあくまでも１例にすぎず、別の順序で
停止させられるようにしてもよい。

【００４１】大当たり図柄は、リーチ状態を経た後、遊
技者に有利な特別遊技状態としての大当たり状態を発生
させるための図柄である。詳しくは、図２（ｅ），
（ｆ）に示すように、全ての図柄列１４〜１６の変動が
最終的に停止させられたとき、表示されている図柄１７
Ａ〜１７Ｌの組合せが、予め定められた大当たりの組合
せとなる場合がある。すなわち、同一種類の図柄１７Ａ
〜１７Ｌが大当たりラインＬに沿って並んだときに、同
一図柄１７Ａ〜１７Ｌの組合せ（例えば、図２（ｅ）で
は「４」、「４」、「４」の図柄１７Ｄ、図２（ｆ）で
は「３」、「３」、「３」の図柄１７Ｃ）となる場合が
ある。この組合せを構成する図柄が「大当たり図柄」で
ある。大当たりの組合せが成立すると、特別電動役物が
作動し（大入賞口４が開かれ）、遊技者にとって有利な
大当たり状態が発生させられる。すなわち、より多くの
景品球を獲得することが可能となる。

【００４２】また、リーチ状態とは、例えば図２
（ｃ），（ｄ）に示すように、大当たり直前の状態をい
う。リーチ状態には、右図柄列１６の図柄変動が、大当
たりラインＬ上において左図柄列１４の停止図柄と同一
種類の図柄で停止する状態が含まれる。図２（ｃ）に示
す例では、大当たりラインＬが、表示部１３ａの下部に
おいて横方向へ延びるように位置しており、かつ、同ラ
イン上で停止している左・右両図柄列１４，１６の図柄
１７Ａ〜１７Ｌが共に「４」の付された図柄１７Ｄとな
っている。また、図２（ｄ）に示す例では、大当たりラ
インＬが、表示部１３ａにおいて斜めにクロスするよう
に位置しており、かつ、各ラインＬ上で停止している左
・右両図柄列１４，１６の図柄１７Ａ〜１７Ｌが共に
「４（右下がりのライン）」、「３（右上がりのライ
ン）」の付された図柄１７Ｄ，１７Ｃとなっている（い
わゆるダブルリーチと称される）。

【００４３】上記のリーチ状態には、中図柄列１５の図
柄変動が、最終的に左・右両図柄列１４，１６の停止図
柄と同一種類の図柄（大当たり図柄）で停止して大当た
り状態になるもの以外にも、異なる種類の図柄（これを
「外れリーチ図柄」という）で停止して、大当たり状態
とならないもの（以下、「外れリーチ状態」という）が
含まれる。さらには、中図柄列１５の図柄変動が一旦停
止した後、大当たり図柄が大当たりラインＬに沿って並
んだ状態で、再度全図柄列１４〜１６が変動し（又は中
図柄１５のみが変動し）、その後変動していた図柄列１
４〜１６の図柄１７Ａ〜１７Ｌが停止するような場合
（再変動リーチとも称される）もリーチ状態に含まれる
こととしてもよい。

【００４４】上記リーチ状態においては、種々のリーチ
パターンが設定されている。リーチパターンとしては、
「ノーマルリーチ」、「フラッシュリーチ」、「高速リ
ーチ」、「コマ送りリーチ」、「拡大リーチ」等の種々
のリーチパターンが設定されている。これらリーチパタ
ーンのうち、「ノーマルリーチ」以外のリーチパターン
は、いわゆる「スーパーリーチ」と称されるものであ
る。「スーパーリーチ」の動作が開始された場合には、
「ノーマルリーチ」の場合に比べて、大当たり状態が発
生する期待値（大当たり期待値）が高くなるようになっ
ている。また、「スーパーリーチ」においても、各リー
チパターンによって大当たり期待値が異なったものとな
っている。なお、本実施の形態では特に図示はしない
が、別途背景やキャラクタを表示することとしてもよ
い。

【００４５】遊技球５の作動口３への入賞に基づいて各
図柄列１４〜１６の図柄変動が開始させられることはす
でに説明したが、この変動表示中にさらに遊技球５が作
動口３に入賞した場合には、通過ゲート５４を通過した
場合と同様、その分の変動表示は、現在行われている変
動表示の終了後に行われる。つまり、変動表示が待機
（保留）される。この保留される変動表示の最大回数
は、パチンコ機の機種毎に決められている。本実施の形
態では保留最大回数が４回に設定されているが、これに
限られるものではない。

【００４６】図１に示すように、特別図柄表示装置１３
において、表示部１３ａの上方には、発光ダイオード
（ＬＥＤ）からなる保留ランプ１８ａ，１８ｂ，１８
ｃ，１８ｄが組み込まれている。当該保留ランプ１８ａ
〜１８ｄの数は、前述した保留最大回数と同じ（この場
合４個）である。保留ランプ１８ａ〜１８ｄは、変動表
示の保留毎に点灯させられ、その保留に対応した変動表
示の実行に伴い消灯させられる。

【００４７】なお、このほかにも、パチンコ機１の複数
箇所には、遊技効果を高めるための他の各種ランプや電
飾部材が取付けられている。これらの電飾部材等は、遊
技の進行に応じて点灯状態（消灯、点灯、点滅等）が変
えられる。さらに、パチンコ機１には、遊技の進行に応
じて効果音を発生する図示しないスピーカが設けられて
いる。

【００４８】遊技者の操作に応じて変化するパチンコ機
１の遊技状態を検出するべく、本実施の形態では、遊技
盤２には、スルースイッチ２０、作動口用スイッチ２
１、Ｖゾーン用スイッチ２２及びカウントスイッチ２３
等がそれぞれ取付けられている。スルースイッチ２０
は、遊技球の通過ゲート５４の通過を検出し、作動口用
スイッチ２１は、遊技球５の作動口３への入賞を検出す
る。また、Ｖゾーン用スイッチ２２は遊技球５の大入賞
口４のうちのＶゾーン８への入賞を検出し、カウントス
イッチ２３は、遊技球５の大入賞口４への入賞を検出す
る。

【００４９】本実施の形態では、各スイッチ２０〜２３
の検出結果に基づきソレノイド１０，１２、特別図柄表
示装置１３、各保留ランプ１８ａ〜１８ｄ、普通図柄表
示装置５１（７セグ表示部５３及び保留ランプ５２）、
羽根６等をそれぞれ駆動制御するために制御装置２４が
設けられている。制御装置２４は、読み出し専用メモリ
（ＲＯＭ）、中央処理装置（ＣＰＵ）、ランダムアクセ
スメモリ（ＲＡＭ）等を備えている。ＲＯＭは所定の制
御プログラムや初期データを予め記憶しており、ＣＰＵ
はＲＯＭの制御プログラム等に従って各種演算処理を実
行する。ＲＡＭは、ＣＰＵによる演算結果を、図４に示
す図柄乱数バッファ３１〜３６、図５に示す図柄乱数エ
リア４１（ｉ）〜４５（ｉ）、図６に示す停止図柄エリ
ア４６〜４８等に一時的に記憶する。

【００５０】図４に示すように、図柄乱数バッファは、
左・中・右の３つの外れ図柄乱数バッファ３１，３２，
３３と、左・中・右の３つの外れリーチ図柄乱数バッフ
ァ３４，３５，３６とによって構成されている。図５に
示すように、図柄乱数エリアは、５つの内部乱数エリア
４１（ｉ）と、５つの外れリーチ乱数エリア４２（ｉ）
と、５つの左外れ図柄乱数エリア４３（ｉ）と、５つの
中外れ図柄乱数エリア４４（ｉ）と、５つの右外れ図柄
乱数エリア４５（ｉ）とによって構成されている。ｉ
は、５つずつ存在する各図柄乱数エリアを区別するため
のものであり、「０」、「１」、「２」、「３」、
「４」の値をとる。ｉの各値は、保留されている変動表
示の回数に対応している。また、図６に示すように、停
止図柄エリアは、左・中・右の各停止図柄乱数エリア４
６，４７，４８によって構成されている。

【００５１】また、本実施の形態においては、ＣＰＵ
（制御装置２４）による制御の１つとして、モード切換
制御がある。本実施の形態では、遊技モード（遊技状
態）として通常モード及び確率変動モード（＝高確率モ
ード。以下、「確変モード」と称する）が用意されてい
る。すなわち、例えば３００分の１程度の比較的低確率
で大当たり遊技状態を発生させる通常モードと、その約
５倍である６０分の１程度の高確率で大当たり遊技状態
を発生させる確変モードとがある。

【００５２】なお、一般的に、確変モードの概念として
は、（１）７セグ表示部５３に「７」が表示される確率
を通常時に比べて高め、作動口３の羽根６を開放させる
機会を増やすこと、（２）７セグ表示部５３における数
字の変動時間を短くすること、（３）羽根６の開放時間
を長くすること（及び／又は入賞個数を多くするこ
と）、（４）特別図柄表示装置１３の表示部１３ａの図
柄１７Ａ〜１７Ｍの変動時間を短くすること、（５）大
当たり確率が通常モードに比べて高くなること等が挙げ
られるが、本実施の形態における確変モードにおいて
は、これら（１）〜（５）のうち、（５）のみ、すなわ
ち、大当たり確率が単に高められることのみが実行され
る。

【００５３】本実施の形態では、パチンコ機１の電源投
入時においては、通常モードに設定される。また、その
後は、大当たり遊技状態となった際に、確変モード又は
通常モードのいずれかが選択される。そして、大当たり
状態終了後において、当該選択されたモードが実行され
る。より詳しくは、本実施の形態では、大当たり遊技状
態となったときの停止図柄１７Ａ〜１７Ｌ（大当たり図
柄）が奇数（「１」、「３」、「５」、「７」）の場合
には、大当たり状態終了後の遊技モードが確変モードに
設定され、大当たり遊技状態となったときの停止図柄１
７Ａ〜１７Ｌ（大当たり図柄）が偶数（「２」、
「４」、「６」、「８」）の場合に、大当たり状態終了
後の遊技モードが通常モードに設定される。

【００５４】但し、本実施の形態では、遊技モードが確
変モードに設定された場合であっても、必ずしも次回の
大当たり状態の発生まで確変モードが継続されるわけで
はなく、図柄１７Ａ〜１７Ｍの変動停止（始動変動）が
所定回数（Ｎ回）行われることを必要条件に通常モード
に切換えられるようになっている。より詳しくは、図１
８に示すように、大当たり図柄が「３」又は「７」の場
合には前記所定回数Ｎが「１００回」に、大当たり図柄
が「１」、「５」、「９」、「１１」の場合には前記所
定回数Ｎが「５０回」にそれぞれ設定される（もちろ
ん、大当たり図柄が偶数の場合には所定回数Ｎは「０」
回）。そして、当該設定された所定回数だけ図柄１７Ａ
〜１７Ｍの変動停止が行われたにもかかわらず大当たり
状態が発生しない場合には、原則として遊技モードがそ
れまでの確変モードから通常モードへと切換えられてし
まうのである。

【００５５】さらに、本実施の形態では、上記大当たり
状態が発生するに際しては、必ず再変動処理が実行され
ることとなっている。すなわち、一旦停止表示された図
柄１７Ａ〜１７Ｌが大当たり図柄であって、かつ、その
数字が確変モードに設定されることのない偶数であった
としても、再変動処理が行われることにより、奇数の図
柄１７Ａ〜１７Ｌで最終的に停止する場合が生じ、結果
的に確変モードが付与される場合が生じうるようになっ
ている。

【００５６】次に、前記のように構成されたパチンコ機
１の作用及び効果について説明する。図８から図１５の
フローチャートは、制御装置２４によって実行される各
種ルーチンを示している。これらのルーチンの処理は、
カウンタ群及び入賞判定フラグＦＥ等に基づいて実行さ
れる。カウンタ群は、ラウンドカウンタＣＲ、保留カウ
ンタＣＨ、入賞カウンタＣＥ、内部乱数カウンタＣＩ、
外れリーチ乱数カウンタＣＯ、大当たり図柄乱数カウン
タＣＢ、左・中・右の各図柄乱数カウンタＣＤＬ，ＣＤ
Ｃ，ＣＤＲ、リーチ種別決定カウンタＣＶ等よりなって
いる。

【００５７】なお、ラウンドカウンタＣＲは、ラウンド
回数をカウントするためのものであり、入賞カウンタＣ
Ｅは大入賞口４への遊技球５の入賞個数をカウントする
ためのものである。また、保留カウンタＣＨは変動表示
の保留回数をカウントするためのものであり、「０」，
「１」，「２」，「３」，「４」の値を順にとる。これ
らの値は、前述した図柄乱数エリア４１（ｉ）〜４５
（ｉ）の「（ｉ）」に対応している。従って、ＣＨ＝０
は、保留されていない状態を意味する。

【００５８】図７（ａ）に示すように、内部乱数カウン
タＣＩは、特別図柄表示装置１３での大当たり状態等を
決定するためのものである。また、外れリーチ乱数カウ
ンタＣＯは外れリーチ状態時の表示を行うか否かを決定
するためのものである。さらに、大当たり図柄乱数カウ
ンタＣＢは、最終的に停止される大当たり図柄（確定図
柄）を決定するためのものである。これらのカウンタＣ
Ｉ，ＣＯ，ＣＢはそれぞれ所定時間（例えば「２ｍ
ｓ」）毎に値を所定範囲内で更新する。各値は、所定の
条件に従って乱数として読み出される。また、各カウン
タＣＩ，ＣＯ，ＣＢは、各値がそれぞれ特定の値になっ
た場合に、初期値に戻すようになっている。

【００５９】左・中・右の各図柄乱数カウンタＣＤＬ，
ＣＤＣ，ＣＤＲは、停止図柄等を決定するためのもので
ある。左図柄乱数カウンタＣＤＬは、所定時間（例えば
「２ｍｓ」）毎に値を所定範囲内で更新し、特定の値に
なると初期値に戻す。中図柄乱数カウンタＣＤＣは、左
図柄乱数カウンタＣＤＬが一巡する毎に値を所定範囲内
で更新し、特定の値になると初期値に戻す。右図柄乱数
カウンタＣＤＲは、中図柄乱数カウンタＣＤＣが一巡す
る毎に値を所定範囲内で更新し、特定の値になると初期
値に戻す。

【００６０】また、図７（ｂ）に示すリーチ種別決定カ
ウンタＣＶは、上述した複数種類のリーチパターンのう
ちの１つを選択するために用いられるものであり、例え
ば左図柄乱数カウンタＣＤＬが一巡する毎に値（乱数
値）を更新し、特定の値になると初期値に戻す。ただ
し、各リーチパターンには重み付けがなされており、各
リーチパターンの選択される確率は個々に異なったもの
となっている。また、本実施の形態においては、大当た
りとなる場合（大当たり時）と、外れとなる場合（外れ
リーチ時）とで各リーチパターンの選択される確率は個
々に異なったものとなっている。

【００６１】さらに、これらのカウンタ群は、通常モー
ド用と確変モード用とでそれぞれ用意されている。つま
り、これらの各カウンタ群は、通常モード用カウンタテ
ーブルと確変モード用カウンタテーブルとにおいてそれ
ぞれ用意されている（但し、同一のカウンタテーブルを
用いてもよい）。そして、通常モード時においては通常
モード用カウンタテーブルのカウンタ群の更新、振り分
け等が適宜行われ、確変モード時においては確変モード
用カウンタテーブルのカウンタ群の更新、振り分け等が
適宜行われる。上述のとおり、内部乱数カウンタＣＩに
関しては、確変モード時においては、通常モード時に比
べて、大当たり値が５倍多く設定されている（又は大当
たり値は同じで内部乱数カウンタＣＩの総カウンタ数が
５分の１程度に少なく設定されていてもよい）。また、
本実施の形態では大当たりラインＬが５つあるため、ど
のラインでリーチ状態を発生させ、どのラインで大当た
り状態を発生させるのかを決定するためのラインカウン
タ（図示せず）等も別途用意されている。

【００６２】なお、入賞判定フラグＦＥは、Ｖゾーンへ
の入賞の有無を判定するために用いられるものである。
同フラグＦＥは、入賞なしの場合に「０」に設定され、
入賞ありの場合に「１」に設定される。

【００６３】さて、図８のフローチャートは、上述した
各カウンタＣＩ，ＣＯ，ＣＢ，ＣＤＬ，ＣＤＣ，ＣＤ
Ｒ，ＣＶの更新後に、図柄乱数カウンタＣＤＬ，ＣＤ
Ｃ，ＣＤＲの値（乱数）の組合せを分別し（振分け）、
その振分けられた値を対応する図柄乱数バッファ３１〜
３６に格納するための「乱数振分けルーチン」を示して
いる。このルーチンは、パチンコ機１の電源投入後、所
定時間（２ｍｓ）毎に実行される。このルーチンが開始
されると、制御装置２４はまずステップＳ１において、
内部乱数カウンタＣＩ、外れリーチ乱数カウンタＣＯ、
大当たり図柄乱数カウンタＣＢにそれぞれ「１」を加算
する（更新する）。

【００６４】また、ステップＳ２において、左図柄乱数
カウンタＣＤＬに「１」を加算する。中・右図柄乱数カ
ウンタＣＤＣ，ＣＤＲに関しては、それぞれ左・中図柄
乱数カウンタＣＤＬ，ＣＤＣの値に応じて更新処理を行
う。詳しくは、左図柄乱数カウンタＣＤＬが初期値に戻
されるタイミングであれば中図柄乱数カウンタＣＤＣに
「１」を加算し、それ以外のタイミングであれば同カウ
ンタＣＤＣの値を維持する。また、中図柄乱数カウンタ
ＣＤＣが初期値に戻されるタイミングであれば右図柄乱
数カウンタＣＤＲに「１」を加算し、それ以外のタイミ
ングであれば同カウンタＣＤＲの値を維持する。さら
に、ステップＳ３において、制御装置２４は、リーチ種
別決定カウンタＣＶを更新する。

【００６５】次に、ステップＳ４において、図柄乱数カ
ウンタＣＤＬ，ＣＤＣ，ＣＤＲの値の組合せが、予め定
められた「外れ図柄の組合せ」であるか否かを判断す
る。そして、この条件が満たされていると、ステップＳ
５において各図柄乱数カウンタＣＤＬ，ＣＤＣ，ＣＤＲ
の値を、対応する外れ図柄乱数バッファ３１，３２，３
３に格納する。ここで、対応する外れ図柄乱数バッファ
３１〜３３とは、具体的には左図柄乱数カウンタＣＤＬ
に関しては左外れ図柄乱数バッファ３１を指し、中図柄
乱数カウンタＣＤＣに関しては中外れ図柄乱数バッファ
３２を指し、右図柄乱数カウンタＣＤＲに関しては右外
れ図柄乱数バッファ３３を指すものとする（後述するス
テップＳ７に関しても同様）。そして、制御装置２４
は、ステップＳ５の処理を実行した後、その後の処理を
一旦終了する。

【００６６】一方、前記ステップＳ４の条件が満たされ
ていない場合には、ステップＳ６において、図柄乱数カ
ウンタＣＤＬ，ＣＤＣ，ＣＤＲの値の組合せが、予め定
められた「外れリーチ図柄の組合せ」であるか否かを判
断する。そして、この条件が満たされていると、ステッ
プＳ７において各図柄乱数カウンタＣＤＬ，ＣＤＣ，Ｃ
ＤＲの値を、対応する外れリーチ図柄乱数バッファ３
４，３５，３６に格納し、その後の処理を一旦終了す
る。

【００６７】なお、ステップＳ６の条件が満たされてい
ない場合には、前記ステップＳ５，７のいずれの処理を
も行うことなく、「乱数振分けルーチン」を終了する。
この場合とは、各図柄乱数カウンタＣＤＬ，ＣＤＣ，Ｃ
ＤＲの値の組合せが、外れ図柄、外れリーチ図柄のいず
れの組合せでもない場合、すなわち、大当たり図柄の組
合せの場合である。

【００６８】このように、「乱数振分けルーチン」で
は、所定時間毎に３つの図柄乱数カウンタＣＤＬ，ＣＤ
Ｃ，ＣＤＲの値の組合せがチェックされる。そして、外
れ図柄の組合せの場合には、外れ図柄乱数バッファ３１
〜３３に乱数が格納され、外れリーチ図柄の場合には、
外れリーチ図柄乱数バッファ３４〜３５に乱数が格納さ
れる。また、大当たり図柄の組合せの場合には、乱数は
どの図柄乱数バッファ３１〜３６にも格納されない。

【００６９】次に、図９のフローチャートに示す「格納
処理ルーチン」について説明する。このルーチンの主な
機能は、遊技球５が作動口３に入賞する毎に、原則とし
て乱数カウンタＣＩ，ＣＯ，ＣＤＬ，ＣＤＣ，ＣＤＲの
値を図柄乱数エリア４１（ｉ）〜４５（ｉ）に格納する
ことである。

【００７０】当該「格納処理ルーチン」が開始される
と、制御装置２４は、ステップＳ１０において、作動口
用スイッチ２１の検出結果に基づき、遊技球５が作動口
３に入賞したか否かを判定する。そして、この判定条件
が満たされていない場合には、その後の処理を一旦終了
し、満たされている場合には、ステップＳ１１におい
て、保留カウンタＣＨの値が最大保留回数（この場合
「４」）よりも小さいか否かを判定する。

【００７１】保留カウンタＣＨの値が最大保留回数より
も小さい場合には、ステップＳ１２において、保留カウ
ンタＣＨに「１」を加算する。また、続くステップＳ１
３において、制御装置２４は対応する保留ランプ（１８
ａから１８ｄのうちの１つ）を点灯させ、ステップＳ１
４へ移行する。一方、前記ステップＳ１１の判定条件が
満たされていない場合には、前述したステップＳ１２以
降の処理を行うことなくその後の処理を一旦終了する。
従って、図柄変動表示は、４回までしか保留されず、そ
れ以上の入賞があっても保留は記憶されない。

【００７２】ステップＳ１４において、制御装置２４
は、内部乱数カウンタＣＩの値を内部乱数エリア４１
（ｉ）に格納する。また、次のステップＳ１５におい
て、外れリーチ乱数カウンタＣＯの値を、外れリーチ乱
数エリア４２（ｉ）に格納する。

【００７３】さらに、ステップＳ１６において、制御装
置２４は、左・中・右の各外れ図柄乱数バッファ３１〜
３３の値（ＣＤＬ，ＣＤＣ，ＣＤＲ）を、対応する左・
中・右の各外れ図柄乱数エリア４３（ｉ）〜４５（ｉ）
に格納し、その後の処理を一旦終了する。

【００７４】このように、「格納処理ルーチン」におい
ては、乱数カウンタＣＩ，ＣＯ，ＣＤＬ，ＣＤＣ，ＣＤ
Ｒの値が各図柄乱数エリア４１（ｉ）〜４５（ｉ）に格
納される。なお、ステップＳ１４〜１６では、例えばス
テップＳ１２での更新後の保留カウンタＣＨの値が
「３」であれば、内部乱数エリア４１（ｉ＝３）、外れ
リーチ乱数エリア４２（ｉ＝３）、左外れ図柄乱数エリ
ア４３（ｉ＝３）、中外れ図柄乱数エリア４４（ｉ＝
３）、右外れ図柄乱数エリア４５（ｉ＝３）が、今回制
御周期での格納場所となる。

【００７５】次に、図１０、図１１のフローチャートに
示す「特別電動役物制御ルーチン」について説明する。
このルーチンは、前述した「乱数振分けルーチン」、
「格納処理ルーチン」等の演算結果を用いて特別電動役
物や、特別図柄表示装置１３等を制御するためのもので
あり、パチンコ機１の電源投入後、所定時間毎に実行さ
れる。

【００７６】この「特別電動役物制御ルーチン」が開始
されると、制御装置２４はまずステップＳ２０におい
て、保留カウンタＣＨの値が「０」でないか否かを判定
する。そして、否定判定された場合、つまり、保留カウ
ンタＣＨの値が「０」の場合には、ステップＳ２６０へ
移行する（但し、この場合、特にこれといった処理が行
われることなく、その後の処理が一旦終了されることと
なる）。これに対し、前記判定条件が満たされている
（ＣＨ＝１，２，３，４）場合には、ステップＳ３０に
おいて、「ｉ」を「０」に設定し、次のステップＳ４０
において保留カウンタＣＨが「ｉ」と同一でないか否か
を判定する。

【００７７】そして、この判定条件が満たされている場
合（ＣＨ≠ｉ）には、ステップＳ５０において、内部乱
数エリア４１（ｉ＋１）、外れリーチ乱数エリア４２
（ｉ＋１）、外れ図柄乱数エリア４３（ｉ＋１）〜４５
（ｉ＋１）の各データを、１つ前のエリア４１（ｉ）〜
４５（ｉ）にそれぞれシフトする。次いで、ステップＳ
６０において、制御装置２４は、「ｉ」に「１」を加算
し、ステップＳ４０へ戻る。

【００７８】一方、ステップＳ４０の判定条件が満たさ
れない場合（ＣＨ＝ｉ）には、ステップＳ７０へ移行
し、保留ランプ１８ａ〜１８ｄのうち前記保留カウンタ
ＣＨに対応するものを消灯させる。また、次のステップ
Ｓ８０において保留カウンタＣＨから「１」を減算す
る。

【００７９】次に、制御装置２４は、ステップＳ９０に
おいて、図柄の変動開始処理を実行する。詳しくは、図
１１の「変動開始処理ルーチン」に示すように、ステッ
プＳ９０１において、内部乱数カウンタＣＩの値が大当
たり値であるか否かを判定する。そして、内部乱数カウ
ンタＣＩの値が大当たり値の場合には、ステップＳ９０
２において、大当たり図柄乱数カウンタＣＢに基づく大
当たり図柄を、最終停止図柄（確定図柄）としてメモリ
に記憶する。また、これとともに、本実施の形態では再
変動処理が行われるため、上記確定図柄に基づいて、一
旦停止図柄を決定し、それを一時的な停止図柄としてメ
モリに記憶する。

【００８０】より詳しくは、制御装置２４は、図１６に
示すテーブルを参酌して、そのときどきの確定図柄に基
づいて一旦停止図柄を決定しておく。例えば、確定図柄
が「１」の図柄１７Ａの場合には、一旦停止図柄とし
て、「１」の図柄１７Ａ（１６分の２）、「４」の図柄
１７Ｄ（１６分の２）、「６」の図柄１７Ｆ（１６分の
２）、「８」の図柄１７Ｈ（１６分の２）、「９」の図
柄１７Ｉ（１６分の２）、「１０」の図柄１７Ｊ（１６
分の２）、「１１」の図柄１７Ｋ（１６分の２）、又
は、「１２」の図柄１７Ｌ（１６分の２）が決定されう
る。また、例えば確定図柄が「４」の図柄１７Ｄの場合
には、一旦停止図柄として、「１０」の図柄１７Ｊ（１
６分の１６）のみが決定されうる。さらに、例えば確定
図柄が「７」の図柄１７Ｇの場合には、一旦停止図柄と
して、「１」の図柄１７Ａ（１６分の１）、「２」の図
柄１７Ｂ（１６分の１）、「３」の図柄１７Ｃ（１６分
の１）、「４」の図柄１７Ｄ（１６分の１）、「５」の
図柄１７Ｅ（１６分の１）、「６」の図柄１７Ｆ（１６
分の１）、「７」の図柄１７Ｇ（１６分の４）、「８」
の図柄１７Ｈ（１６分の２）、「９」の図柄１７Ｉ（１
６分の１）、「１０」の図柄１７Ｊ（１６分の１）、
「１１」の図柄１７Ｋ（１６分の１）、又は、「１２」
の図柄１７Ｌ（１６分の１）が決定されうる。換言すれ
ば、一旦停止図柄が、どの図柄１７Ａ〜１７Ｌであった
としても、再変動によって遊技者にとって最も喜ばしい
「７」の図柄１７Ｇで最終的に停止しうることとなる。

【００８１】また、本実施の形態では、再変動に際して
は、最大変動コマ数として「１３コマ」に上限が設定さ
れている。例えば、一旦停止図柄が「２」の図柄１７Ｂ
であったとすると、再変動は、「３（１コマ目）」→
「４」→「５」→「６」→「７」→「８」→「９」→
「１０」→「１１」→「１２」→「１」→「２」→「３
（１３コマ目）」までを上限として変動しうるようにな
っている。但し、テーブル上の空欄に相当する「４」、
「１０」、「１２」、「１」、「２」の図柄では確定表
示されないようになっている。

【００８２】さらに、本実施の形態では、再変動が行わ
れた場合、最終停止図柄（確定図柄）の有する価値が、
一旦停止図柄の有する価値よりも低下しないように一旦
停止図柄が決定される。例えば、一旦停止図柄が「５」
の図柄１７Ｅ（当該図柄１７Ｅは所定回数Ｎとして５０
回が付与される）であったとすると、再変動が行われる
と、所定回数Ｎとして１００回の付与される「７」の図
柄１７Ｇ→所定回数Ｎとして「５」と同等の５０回の付
与される「９」の図柄１７Ｉ→同じく所定回数Ｎとして
５０回の付与される「１１」の図柄１７Ｋ→所定回数Ｎ
として１００回の付与される「３」の図柄１７Ｃのいず
れかが最終停止図柄となって、一旦停止図柄よりも価値
が下がってしまうことがない。

【００８３】併せて、本実施の形態では、一旦停止図柄
が所定の条件を満たすとき（偶数の場合）、再変動に際
して、所定コマ数以上（７コマ以上）の再変動が行われ
た場合、最終停止図柄（確定図柄）の有する価値が、必
ず高められるようになっている（必ず奇数で最終停止す
るようになっている）。

【００８４】加えて、本実施の形態では、再変動に際し
て、所定コマ数以上（７コマ以上）の再変動が行われた
場合、最終停止図柄（確定図柄）の有する価値が、それ
以降低下しないように一旦停止図柄が決定される。例え
ば、一旦停止図柄が「６」の図柄１７Ｆ（当該図柄１７
Ｆは確変モードが付与されない）であったとすると、再
変動が行われると、７コマ目の「１」の図柄１７Ａは、
所定回数Ｎとして５０回が付与される。また、図１６に
示すように、次に停止しうるのは「３」の図柄１７Ｃで
あるが、当該図柄１７Ｃは所定回数Ｎとして１００回が
付与される。さらに、その次に停止しうるのは「７」の
図柄１７Ｇであるが、当該図柄１７Ｇも所定回数Ｎとし
て１００回が付与される。従って、７コマ以上の再変動
が行われた場合、最終停止図柄（確定図柄）の有する価
値が、それ以降低下することがなく（同じか又は増大す
る）、遊技者にとって望ましい状態となる。

【００８５】但し、本実施の形態では、最大変動コマ数
である「１３コマ」の再変動が行われてしまうと、価値
が低下してしまう場合が生じてしまうため、そのような
ことが起こらないよう、図柄に応じて、最大変動コマ数
が異なっている。例えば、一旦停止図柄が「８」の図柄
１７Ｈ（当該図柄１７Ｈは確変モードが付与されない）
であったとすると、再変動が行われると、７コマ目の
「３」の図柄１７Ｃは、所定回数Ｎとして１００回が付
与され、また、次に停止しうる「７」の図柄１７Ｇも所
定回数Ｎとして１００回が付与される。しかし、１３コ
マ目の「９」の図柄１７Ｉは、所定回数Ｎとして５０回
しか付与されない。このため、この場合（最終停止図柄
として「９」の図柄１７Ｉが採択され、一旦停止図柄と
して「８」の図柄１７Ｈが採択された場合）には、１３
コマの再変動を行わずに、１コマのみの再変動が行われ
るように設定されている（一旦停止図柄が「４」、「１
０」、「１２」の場合も同様に１３コマの再変動を行わ
ずに、１コマのみの再変動が行われるように設定されて
いる）。

【００８６】さて、上記ステップＳ９０２において、大
当たり図柄及び一旦停止図柄を記憶した後、制御装置２
４は、ステップＳ９０５へと移行する。

【００８７】一方、前記ステップＳ９０１における判定
条件が満たされていない（内部乱数カウンタＣＩの値が
大当たり値でない）場合には、制御装置２４は、ステッ
プＳ９０３において、外れリーチ乱数カウンタＣＯの値
が予め定められた外れリーチ値と同じであるか否かを判
定する。そして、外れリーチ乱数カウンタＣＯの値が外
れリーチ値と同一である場合には、ステップＳ９０４に
おいて、外れリーチ値に対応する図柄（外れリーチ図
柄）を停止図柄としてメモリに記憶し、ステップＳ９０
５へ移行する。

【００８８】また、ステップＳ９０３の判定条件が満た
されていない場合には、ステップＳ９０６において、ス
テップＳ１６での外れ図柄を停止図柄としてメモリに記
憶し、ステップＳ９０７へ移行する。

【００８９】さて、ステップＳ９０２又はステップＳ９
０４から移行して、ステップＳ９０５においては、リー
チパターンを取得する。すなわち、現在が通常モードで
ある場合には、上述した「ノーマルリーチ」、「フラッ
シュリーチ」、「高速リーチ」の種々のリーチパターン
のうちのいずれかをリーチ種別決定カウンタＣＶに基づ
いて決定する。また、現在が確変モードである場合に
は、「ノーマルリーチ」、「コマ送りリーチ」、「拡大
リーチ」の種々のリーチパターンのうちのいずれかをリ
ーチ種別決定カウンタＣＶに基づいて決定する。

【００９０】そして、ステップＳ９０５又はステップＳ
９０６から移行して、ステップＳ９０７においては、特
別図柄表示装置１３の図柄変動を開始させる。さらに、
続くステップＳ９０８において、現在確変モード中であ
る場合には、残り回数Ｎを「１」ずつデクリメントし、
現在通常モードである場合には、何らの処理をも行うこ
となく、それぞれ「変動開始処理ルーチン」を終了す
る。なお、現在の遊技モードが確変モードである場合に
は、表示部１３ａの一部に、変動中の図柄１７Ａ〜１７
Ｍとともに、残り回数（前述した所定回数から図柄１７
Ａ〜１７Ｍの変動停止が行われる毎に１ずつ減算された
値）が表示される（図１７（ａ）等参照）。

【００９１】さて、上記のように、ステップＳ９０
（「変動開始処理ルーチン」）の処理を実行した後、制
御装置２４は、図１０のステップＳ１１０において、左
右両図柄列１４，１６（中図柄列１５以外）における図
柄１７Ａ〜１７Ｍを、前記ステップＳ９０２，Ｓ９０
４，Ｓ９０６のいずれかの処理で記憶した停止図柄に差
替える（但し、後述する全回転再変動処理が行われる場
合は一旦停止図柄に差替える）。また、左右両図柄列１
４，１６での図柄変動を停止させ、差替え後の図柄１７
Ａ〜１７Ｍを左右両図柄列１４，１６に表示する。

【００９２】次に、ステップＳ１２０において、制御装
置２４は、リーチ動作処理を行う。例えば、前記ステッ
プＳ９０５で取得したリーチパターンが、「ノーマルリ
ーチ」の場合には、中図柄列１５の図柄１７Ａ〜１７Ｍ
が通常のスクロール動作を行うよう動作処理を実行す
る。また、リーチパターンが「フラッシュリーチ」の場
合には、中図柄列１５の図柄１７Ａ〜１７Ｍが煌めきな
がらゆっくりとスクロール動作を行うよう動作処理を実
行する。さらに、リーチパターンが「高速リーチ」の場
合には、遊技者が視認できないほど高速で、中図柄列１
５の図柄１７Ａ〜１７Ｍがスクロール動作を行うよう動
作処理を実行する。加えて、リーチパターンが「コマ送
りリーチ」の場合には、中図柄列１５の図柄１７Ａ〜１
７Ｍが１コマ１コマ区切るようにスクロール動作を行う
べく動作処理を実行する。さらにまた、リーチパターン
が「拡大リーチ」の場合には、中図柄列１５の図柄１７
Ａ〜１７Ｍが通常時よりも拡大表示された状態でスクロ
ール動作を行うよう動作処理を実行する。

【００９３】上記のように、ステップＳ１２０（「リー
チ動作処理ルーチン」）の処理を実行した後、制御装置
２４は、ステップＳ１３０において、中図柄列１５での
図柄変動を停止させる。

【００９４】続いて、制御装置２４は、ステップＳ１３
５において、再変動処理を実行する。詳しくは、再変動
処理を実行する条件（本実施の形態では大当たり条件）
が成立しているか否かを判定し、再変動処理実行条件が
成立している場合には、前記リーチ動作処理における各
リーチ動作と同じ背景で、全図柄列１４〜１６の図柄１
７Ａ〜１７Ｍを図柄が揃った状態で一斉に１コマずつ再
変動させる。そして、前記ステップＳ９０２で記憶して
おいた最終停止図柄にて全図柄列１４〜１６の図柄再変
動を停止させる。一方、再変動処理を実行する条件が成
立していない場合には、何らの処理をも実行しない。な
お、上述したステップＳ１３０の直後に、中図柄列１５
のみの図柄１７Ａ〜１７Ｍの再変動を行うこととしても
よい。

【００９５】さて、上記再変動処理を行った後、制御装
置２４は、次に、ステップＳ１４０において、図柄１７
Ａ〜１７Ｌの組合せが大当たりの組合せであるか否かを
判定する。なお、この際には、停止図柄の差替えが正し
く行われたか否かの確認も行われる。そして、この判定
条件が満たされていない場合には、後述する「残り回数
報知処理ルーチン（ステップＳ２６０）」へ移行し、そ
の後「特別電動役物制御ルーチン」を終了する。また、
図柄１７Ａ〜１７Ｍの組合せが大当たりの組合せである
場合には、ステップＳ１５０において、ラウンドカウン
タＣＲを「０」にクリヤする。なお、このとき、制御装
置２４によって大当たり報知表示がなされる。さらに
は、前記残り回数Ｎについて、クリヤ処理が実行され
る。

【００９６】次に、制御装置２４は、ステップＳ１５５
において、モード判定処理を実行する。より詳しくは、
図１３の「モード判定処理ルーチン」に示すように、ス
テップＳ１５５１において、大当たり図柄（最終停止図
柄）が「３」又は「７」のゾロ目（図柄１７Ｃ又は１７
Ｇのゾロ目）であるか否かを判定する。そして、大当た
り図柄が「３」又は「７」のゾロ目の場合には、ステッ
プＳ１５５２に移行し、大当たり終了後において、遊技
モードを、所定（残り）回数Ｎとして「１００回」の付
与された確変モードとするべく遊技モードフラグＸＫＨ
を「２」に設定し、その後の処理を一旦終了する。ま
た、ステップＳ１５５１において否定判定された場合に
は、ステップＳ１５５３において、大当たり図柄が
「１」、「５」、「９」又は「１１」のゾロ目（図柄１
７Ａ，１７Ｅ，１７Ｉ又は１７Ｋのゾロ目）であるか否
かを判定する。そして、大当たり図柄が「１」、
「５」、「９」又は「１１」のゾロ目の場合には、ステ
ップＳ１５５４に移行し、大当たり終了後において、遊
技モードを、所定回数Ｎとして「５０回」の付与された
確変モードとするべく遊技モードフラグＸＫＨを「１」
に設定し、その後の処理を一旦終了する。

【００９７】さらに、ステップＳ１５５３において否定
判定された場合には、ステップＳ１５５５に移行する。
ステップＳ１５５において、制御装置２４は、大当たり
図柄が偶数、つまり、「２」、「４」、「６」、
「８」、「１０」又は「１２」のゾロ目（図柄１７Ｂ，
１７Ｄ，１７Ｆ，１７Ｈ，１７Ｊ又は１７Ｌのゾロ目）
であるものとして、大当たり終了後において遊技モード
を通常モードとするべく遊技モードフラグＸＫＨを
「０」に設定し、その後の処理を一旦終了する。

【００９８】このように、「モード判定処理ルーチン」
では、大当たり図柄に応じて次回の遊技モードとして、
通常モード又は確変モードのいずれかが選択される。但
し、確変モードにおいては、大当たり図柄に応じて付与
される所定回数Ｎが異なっている。

【００９９】さて、モード判定を行った後、制御装置２
４は、ステップＳ１６０（図１１参照）において、入賞
カウンタＣＥを「０」にクリヤするとともに、入賞判定
フラグＦＥを「０」に設定する。また、続くステップＳ
１７０においては、ラウンドカウンタＣＲを「１」ずつ
インクリメントする。さらに、ステップＳ１７５におい
て、制御装置２４は、表示部１３ａに表示されるラウン
ド数をラウンドカウンタＣＲに基づいて更新して表示す
るとともに、その他の表示事項（例えばカウント数）を
初期化（「０」に初期化）して表示する。

【０１００】さらに、ステップＳ１８０において、制御
装置２４は、大入賞口用ソレノイド１２を励磁させる。
すると、シャッタ１１が倒れて略水平状態となり、大入
賞口４が開放される。この開放により、遊技球５のＶゾ
ーン８及び入賞通路９への入賞が可能となる。

【０１０１】次に、ステップＳ１９０において、制御装
置２４は、入賞カウンタＣＥの値が予め定められた所定
値ＣＥｍａｘよりも小さいか否かを判定する。そして、
この判定条件が満たされている場合には、ステップＳ２
００において、未だ大入賞口４の閉鎖予定時期が到来し
ていないか否かを判定する。この閉鎖予定時期が到来し
ていない場合には、処理をステップＳ１９０へ戻す。そ
の結果、大入賞口４の開放開始後に所定値ＣＥｍａｘ個
以上の遊技球５が入賞するか、閉鎖予定時期が到来する
かしない限りは、大入賞口４が開放され続ける。これに
対し、ステップＳ１９０又はステップＳ２００のいずれ
か一方が満たされていないと、ステップＳ２１０におい
て、制御装置２４は、大入賞口用ソレノイド１２を消磁
する。すると、シャッタ１１が起こされて略垂直状態と
なり、大入賞口４が閉鎖される。

【０１０２】続いて、ステップＳ２２０において、制御
装置２４は、ラウンドカウンタＣＲの値が予め定められ
た所定値ＣＲｍａｘよりも小さいか否かを判定する。そ
して、ラウンドカウンタＣＲの値が所定値ＣＲｍａｘ未
満の場合には、続くステップＳ２３０において入賞判定
フラグＦＥが「１」であるか否かを判定する。入賞判定
フラグＦＥが「１」の場合には、処理をステップＳ１６
０へと戻す。従って、一旦大当たり遊技状態が発生する
と、遊技球５がＶゾーン８に入賞することによる継続条
件が、所定値ＣＲｍａｘ回数満たされるまでは、大入賞
口４が開閉のサイクルを繰り返す。例えば所定値ＣＥｍ
ａｘが「１０」に設定され、大入賞口４の開放時間が
「約２９．５秒」に設定され、所定値ＣＲｍａｘが「１
６」に設定されている場合には、大入賞口４の開放後、
（１）遊技球５が大入賞口４へ１０個入賞すること、
（２）約２９．５秒が経過すること、のいずれか一方の
条件が満たされた時点で大入賞口４が閉鎖される。この
大入賞口４の開閉のサイクルが遊技球５のＶゾーン８へ
の入賞を条件に最大で１６回（１６ラウンド）繰り返さ
れることとなる。

【０１０３】そして、ステップＳ２２０又はステップＳ
２３０の判定条件のいずれか一方が満たされていない場
合には、大当たり状態が終了したものとして、ステップ
Ｓ２４０においてその旨を表示部１３ａに表示する。ま
た、ステップＳ２５０において、次回の遊技モードを報
知する処理（モード報知処理）を実行し、本ルーチンを
終了する。

【０１０４】より詳しくは、図１４の「モード報知処理
ルーチン」に示すように、ステップＳ２５０１におい
て、制御装置２４は、現在の遊技モードフラグＸＫＨが
「０」でないか、つまり「１」又は「２」であるか否か
を判定し、肯定判定された場合には、遊技モードが確変
モードとなった旨の表示を行うべくステップＳ２５０２
へ移行する。ステップＳ２５０２においては、表示部１
３ａにおいて、遊技モードが確変モードである旨の画面
を表示し、遊技者にそれを報知する。また、これととも
に、ステップＳ２５０３において、表示部１３ａ上部に
おいて、所定（残り）回数Ｎを表示し、その後の処理を
一旦終了する。例えば、遊技モードフラグＸＫＨが
「２」の場合には、残り回数Ｎとして「１００回」の表
示がなされ、遊技モードフラグＸＫＨが「１」の場合に
は、残り回転数として「５０回」の表示がなされる。

【０１０５】一方、ステップＳ２５０１において、否定
判定された場合には、遊技モードが通常モードとなった
旨の表示を行うべくステップＳ２５０４へ移行する。ス
テップＳ２５０４においては、表示部１３ａにおいて、
遊技モードが通常モードである旨の画面を表示し、遊技
者にそれを報知する。但し、この場合には、上記残り回
数Ｎの表示は行われない。そして、制御装置２４は、そ
の後の処理を一旦終了する。

【０１０６】さて、次に、上記ステップＳ２６０の残り
回数報知処理について説明する。すなわち、図１５は、
残り回数報知処理を示すフローチャートである。処理が
このルーチンに移行すると、制御装置２４はまずステッ
プＳ２６０１において、現在の遊技モードフラグＸＫＨ
が「０」でないか、つまり「１」又は「２」である（確
変モード中である）か否かを判定する。そして、否定判
定された場合（通常モードの場合）には、何らの処理を
も行うことなくその後の処理を一旦終了する。また、肯
定判定された場合には、ステップＳ２６０２において、
現在の残り回数Ｎが「０」となっているか否かを判定す
る。そして、残り回数Ｎが未だ「０」になっていない場
合には、ステップＳ２６０３において、ステップＳ９０
８でデクリメントされた残り回数Ｎを表示部１３ａの一
部に表示し、その後の処理を一旦終了する。

【０１０７】また、ステップＳ２６０３において、現在
の残り回数Ｎが「０」となった場合（図１７（ｂ）参
照）には、ステップＳ２６０４において、遊技モードを
確変モードから通常モードへと切り換えるべく、遊技モ
ードフラグＸＫＨを「０」に設定するとともに、ステッ
プＳ２６０５において、遊技者に確変モードの終了を報
知するべく、その旨を表示部１３ａに表示し（図１７
（ｃ）参照）、その後の処理を一旦終了する。

【０１０８】以上詳述したように、本実施の形態によれ
ば、遊技モードが、確変モードに設定されたとしても、
図柄１７Ａ〜１７Ｍの始動変動が所定回数行われること
を必要条件に、遊技モードが通常モードに切り換えられ
る。従って、遊技者は、図柄１７Ａ〜１７Ｍの変動停止
が所定回数行われるまでの間に大当たり状態が発生する
ことを強く望むとともに、所定回数の図柄１７Ｍの始動
変動が行われてしまわないかを危惧しつつ、はらはらど
きどきしながら遊技を行いうる。その結果、興趣の飛躍
的な向上を図ることができる。

【０１０９】また、単に次回の大当たり状態の発生まで
遊技モードが確変モードに継続される従来の場合に比べ
て、本実施の形態では遊技モードが確変モードに設定さ
れたにもかかわらず、当該モード中に大当たり状態が発
生しない場合も生じうる。従って、その分だけ、通常モ
ードにおける大当たり確率を高めたとしても遊技場側に
とって不利益がさほど及ばない。そのため、このように
確率を甘くすることによって、通常モードにおいて、比
較的少ない投資で大当たり状態が発生するのを期待する
ことが可能となる。その結果、遊技者にとって遊技を行
いやすくなり、楽しみが増大する。

【０１１０】さらに、上記所定回数としては、予め複数
の回数パターンが用意されており、大当たり状態の発生
に際し、所定回数が決定される。そのため、大当たり状
態の発生以外にも遊技者にとっての興味の対象が存在す
ることとなり、遊技者は、前記所定回数が何回に決定さ
れるのかについても、わくわくどきどきする。その結
果、さらなる興趣の向上が図られる。

【０１１１】また、本実施の形態では、決定された回数
が遊技者に報知されるため、報知された回数に基づき、
遊技者は一喜一憂しうる。特に、本実施の形態では、大
当たり図柄が「３」や「７」の場合には、前記所定回数
Ｎとして「１００回」といった回数が付与される。ここ
で、確変モード下においては、「１００回」も図柄１７
Ａ〜１７Ｍの始動変動を繰り返せば、かなりの確率で大
当たり状態が発生しうる。そのため、今回の大当たり図
柄が「３」又は「７」の場合には、遊技者は、確変モー
ド中における次回の大当たり状態の発生を大きく期待す
ることができる。その結果、遊技者にとってはらはらど
きどき感のみならず、ある程度の期待感も付与される場
合が生じるとともに、遊技に際しては前記所定回数Ｎと
して「１００回」が付与されることを切望することにな
り、より一層遊技内容に厚みが増す。

【０１１２】さらに、本実施の形態では、大当たり図柄
が「１」、「５」、「９」又は「１１」の場合には、前
記所定回数Ｎとして「５０回」が付与される。ここで、
確変モード下において、「５０回」の図柄１７Ａ〜１７
Ｍの始動変動を繰り返すまでの間に、大当たり状態が発
生することなく通常モードに切り換えられてしまうケー
スも相当程度の確率で存在することとなり、遊技者にと
ってのわくわく感、はらはらどきどき感、緊張感がバラ
ンスのとれたちょうどよいものとなる。

【０１１３】併せて、上記のように設定される遊技モー
ド及び所定回数は、大当たり図柄に関連している。この
ため、遊技者にとっては遊技内容を理解しやすく、
「３」又は「７」の図柄で大当たり状態が発生すること
をより一層強く願うとともに、「３」又は「７」の図柄
でリーチ状態になった場合には、タイミングの図柄でリ
ーチ状態になった場合と比較して、より一層わくわくど
きどきしうる。

【０１１４】さらにまた、本実施の形態では、前記所定
回数を初期カウント値として、前記図柄１７Ａ〜１７Ｍ
の始動変動が行われる毎に、事実上の残り回数Ｎのデク
リメント処理を行うとともに、当該残り回数Ｎに関する
情報を表示部１３ａに表示して遊技者に報知することと
した。そのため、報知される情報に応じて遊技者の心情
が変動し、さらに面白味が増す。すなわち、一般には、
残り回数Ｎが未だ十分な場合には、遊技者は比較的余裕
をもって遊技を行うことができるのに対し、残り回数Ｎ
が少なくなるに従って、あせり、はらはら感が増し、さ
らに面白味が増す。

【０１１５】さらにまた、本実施の形態では、表示装置
１３において、一旦大当たり図柄が停止表示された後、
前記図柄１７Ａ〜１７Ｌが再変動し、前記一旦停止図柄
とは異なる又は同一の図柄１７Ａ〜１７Ｌとなって最終
的に停止表示されうる。そのため、一旦停止表示された
図柄１７Ａ〜１７Ｌの有する価値が比較的低かったとし
ても（つまり、通常モードしか付与されない偶数図柄や
確変モードであって所定回数Ｎの少ない図柄であったと
しても）、前記再変動により、遊技者は、より高い価値
を有する図柄となって最終的に停止表示されることを望
む。しかも、当該再変動に際しては、確実に、一旦停止
表示された大当たり図柄の有する価値以上の価値を有す
る図柄となって最終的に停止表示されるため、一旦停止
表示された大当たり図柄の有する価値を下回った価値が
付与されることがない。そのため、再変動が行われた場
合、遊技者は、不安感を抱くことなく、かつ、所定の期
待感をいだきつつ再変動動作を堪能しうる。その結果、
飛躍的な興趣の向上を図ることができる。

【０１１６】さらに、本実施の形態では、前記再変動に
際しては、遊技者が視認できる程度に図柄１７Ａ〜１７
Ｌが１コマずつ変動表示される。このため、１コマずつ
変動表示される図柄１７Ａ〜１７Ｌを視認しつつ、さら
に変動してほしいと考えたり、或いは、そこで停止して
欲しいと考えたりして、わくわくどきどきしながら再変
動を堪能しうる。

【０１１７】併せて、本実施の形態では、再変動に際し
ては、所定の上限コマ数を超えて変動表示されないた
め、上限コマ数を知っている遊技者にとっては、上限コ
マ数の再変動があった時点で、最終的に停止することを
察知しうる。また、その上限コマ数は、一旦停止表示さ
れた図柄１７Ａ〜１７Ｌ毎に異なっているため、さらに
遊技内容に厚みが増す。

【０１１８】加えて、本実施の形態では、再変動に際し
ては、特定コマ数以上（７コマ以上）の変動があった場
合には、最終停止図柄（確定図柄）の有する価値が、そ
れ以降低下しない。従って、７コマ以上の再変動が行わ
れた場合、最終停止図柄（確定図柄）の有する価値が、
それ以降低下することがなく、換言すれば、変動コマ数
が多くなるほど、大当たり図柄の有する価値が高められ
ることとなり、遊技者にとって望ましい状態となる。そ
の結果、遊技者は、さらに多くのコマ数の変動があるこ
とを望み、面白味が増し、さらなる興趣の向上を図るこ
とができる。

【０１１９】さらにまた、本実施の形態では、大当たり
図柄の有する価値として、３種類用意されているため、
バリエーションに富んだ遊技を堪能することができる。

【０１２０】（第２の実施の形態）次に、第２の実施の
形態について説明する。但し、上述した第１の実施の形
態と重複する部材等については、同一の符号、名称等を
用いて説明を省略するとともに、以下には第１の実施の
形態と相異する点を中心に説明することとする。

【０１２１】本実施の形態では、大当たり図柄１７Ａ〜
１７Ｌの有する価値という点において、上述した第１の
実施の形態では異なっている。すなわち、本実施の形態
では、大当たり図柄１７Ａ〜１７Ｌが奇数（「１」、
「３」、「５」、「７」）の場合には、大当たり状態終
了後の遊技モードが次回の大当たり状態の発生まで確変
モードに設定され、大当たり図柄１７Ａ〜１７Ｌが偶数
（「２」、「４」、「６」、「８」）の場合には、大当
たり状態終了後の遊技モードが通常モードに設定され
る。また、大当たり状態が発生した場合、多量の景品球
（遊技球５）を獲得可能となっているのであるが、本実
施の形態のパチンコ機１は、大当たり図柄１７Ａ〜１７
Ｌの種類に応じて、大当たり状態終了後に獲得した景品
球を景品と交換させるシステムに対応できるようになっ
ている。当該システムをより詳しく説明すると、図１９
に示すように、大当たり図柄（確定図柄）が「３」又は
「７」の場合には、終日、獲得した景品球を景品と交換
することなく継続遊技が可能となる。また、大当たり図
柄（確定図柄）が「１」、「５」、「９」又は「１１」
の場合には、とりあえず獲得した景品球を景品と交換す
ることなく継続遊技が可能となるが、後述する交換条件
が満たされた場合には、景品と交換しなければならな
い。さらに、大当たり図柄（確定図柄）が「２」、
「６」、「８」又は「１２」の場合には、上記終日継続
遊技可能中又は条件付継続遊技可能中の場合には、交換
しなくてもよいが、それ以外の場合には、景品と交換し
なければならない。また、大当たり図柄（確定図柄）が
「４」又は「１０」の場合には、上記終日継続遊技可能
中の場合には、交換しなくてもよいが、それ以外の場合
には、景品と交換しなければならない（上記交換条件に
相当）。つまり、遊技者にとっては、「３」又は「７」
の図柄１７Ｃ又は１７Ｇが最も価値が高く、次いで、
「１」、「５」、「９」又は「１１」の図柄１７Ａ、１
７Ｅ、１７Ｉ又は１７Ｋ、次に、「２」、「６」、
「８」又は「１２」の図柄１７Ｂ、１７Ｆ、１７Ｈ又は
１７Ｌ、そして、「４」又は「１０」の図柄１７Ｄ又は
１７Ｊの順で価値が低下してゆく。

【０１２２】さて、かかるシステム下において、上記ス
テップＳ９０２に相当する処理内容を説明する。制御装
置２４は、大当たり図柄乱数カウンタＣＢに基づく大当
たり図柄を、最終停止図柄（確定図柄）としてメモリに
記憶するともに、上記確定図柄に基づいて、一旦停止図
柄を決定し、それを一時的な停止図柄としてメモリに記
憶する。このとき、制御装置２４は、図２０に示すテー
ブルを参酌して、そのときどきの確定図柄に基づいて一
旦停止図柄を決定しておく。例えば、確定図柄が「１」
の図柄１７Ａの場合には、一旦停止図柄として、「１」
の図柄１７Ａ（１６分の２）、「４」の図柄１７Ｄ（１
６分の２）、「６」の図柄１７Ｆ（１６分の２）、
「８」の図柄１７Ｈ（１６分の２）、「９」の図柄１７
Ｉ（１６分の２）、「１０」の図柄１７Ｊ（１６分の
２）、「１１」の図柄１７Ｋ（１６分の２）、又は、
「１２」の図柄１７Ｌ（１６分の２）が決定されうる。
また、例えば確定図柄が「４」の図柄１７Ｄの場合に
は、一旦停止図柄として、「１０」の図柄１７Ｊ（１６
分の１６）のみが決定されうる。さらに、例えば確定図
柄が「７」の図柄１７Ｇの場合には、一旦停止図柄とし
て、「１」の図柄１７Ａ（１６分の１）、「２」の図柄
１７Ｂ（１６分の１）、「３」の図柄１７Ｃ（１６分の
１）、「４」の図柄１７Ｄ（１６分の１）、「５」の図
柄１７Ｅ（１６分の１）、「６」の図柄１７Ｆ（１６分
の１）、「７」の図柄１７Ｇ（１６分の４）、「８」の
図柄１７Ｈ（１６分の２）、「９」の図柄１７Ｉ（１６
分の１）、「１０」の図柄１７Ｊ（１６分の１）、「１
１」の図柄１７Ｋ（１６分の１）、又は、「１２」の図
柄１７Ｌ（１６分の１）が決定されうる。換言すれば、
一旦停止図柄が、どの図柄１７Ａ〜１７Ｌであったとし
ても、再変動によって遊技者にとって最も喜ばしい
「７」の図柄１７Ｇで最終的に停止しうることとなる。
併せて、例えば確定図柄が「８」の図柄１７Ｈの場合に
は、一旦停止図柄として、「２」の図柄１７Ｂ（１６分
の５）、「４」の図柄１７Ｄ（１６分の５）、又は、
「６」の図柄１７Ｆ（１６分の６）が決定されうる。

【０１２３】本実施の形態によれば、第１の実施の形態
と同様、表示装置１３において、一旦大当たり図柄が停
止表示された後、前記図柄１７Ａ〜１７Ｌが再変動し、
前記一旦停止図柄とは異なる又は同一の図柄１７Ａ〜１
７Ｌとなって最終的に停止表示されうる。そのため、一
旦停止表示された図柄１７Ａ〜１７Ｌの有する価値が比
較的低かったとしても（つまり、通常モードしか付与さ
れず、しかも景品と交換しなければならない偶数図柄等
であったとしても）、前記再変動により、遊技者は、よ
り高い価値を有する図柄となって最終的に停止表示され
ることを望む。しかも、第１の実施の形態と同様、当該
再変動に際しては、確実に、一旦停止表示された大当た
り図柄の有する価値以上の価値を有する図柄となって最
終的に停止表示されるため、一旦停止表示された大当た
り図柄の有する価値を下回った価値が付与されることが
ない。そのため、再変動が行われた場合、遊技者は、不
安感を抱くことなく、かつ、所定の期待感をいだきつつ
再変動動作を堪能しうる。その結果、飛躍的な興趣の向
上を図ることができる。

【０１２４】また、本実施の形態では、再変動に際して
は、遊技者が視認できる程度に図柄１７Ａ〜１７Ｌが１
コマずつ変動表示されること、所定の上限コマ数を超え
て変動表示されないこと、特定コマ数以上（７コマ以
上）の変動があった場合には、最終停止図柄（確定図
柄）の有する価値が、それ以降低下しないこと等から、
上述した第１の実施の形態と同様の作用効果が奏され
る。

【０１２５】さらに、本実施の形態では、再変動に際し
ては、一定コマ数以上（７コマ以上）の変動があった場
合には、必ず一旦停止表示された図柄１７Ａ〜１７Ｌの
有する価値よりも高い価値を有する図柄１７Ａ〜１７Ｌ
となって最終的に停止表示される（但し、一旦停止図柄
が奇数の場合は除かれる）。例えば、一旦停止図柄が偶
数の「４」の図柄１７Ｄであったとすると、７コマ目
（「１１」の図柄１７Ｋ）以降は、「１」の図柄１７Ａ
か、又は「３」の図柄１７Ｃかのみで最終的に停止しう
ることとなり、一旦停止図柄たる「４」の図柄１７Ｄの
有する価値よりも必ず高い価値を有する図柄で最終的に
停止することとなる。このため、再変動の初期段階にお
いては、前記一定コマ数以上の変動があることを強く望
むとともに、実際に一定コマ数以上の変動があることに
よって喜びと、安心感とを覚える。その結果、さらなる
興趣の向上を図ることができる。

【０１２６】尚、上記実施の形態の記載内容に限定され
ず、例えば次のように実施してもよい。

【０１２７】１．上記実施の形態では、確変モードの概
念として、（１）７セグ表示部５３に「７」が表示され
る確率を通常時に比べて高め、作動口３の羽根６を開放
させる機会を増やすこと、（２）７セグ表示部５３にお
ける数字の変動時間を短くすること、（３）羽根６の開
放時間を長くすること（及び／又は入賞個数を多くする
こと）、（４）特別図柄表示装置１３の表示部１３ａの
図柄１７Ａ〜１７Ｍの変動時間を短くすること、（５）
大当たり期待値が通常モードに比べて高くなることのう
ち、（５）のみ、すなわち、大当たり確率が単に高めら
れることのみが実行されることとした。

【０１２８】これに対し、（５）を含む（１）〜（４）
のうちの少なくとも１つを満たすことを、確変モードと
してとらえてもよい。すなわち、（１）〜（４）の任意
の組合せ（例えば（１）と（２）、（１）と（３）、
（１）と（４）、（２）と（３）、（２）と（４）、
（３）と（４）、（１）と（２）と（３）、（１）と
（２）と（４）、（１）と（３）と（４）、（２）と
（３）と（４）、（１）と（２）と（３）と（４））と
（５）を組み合わせたものを確変モードとしてとらえて
もよい。

【０１２９】２．図柄１７Ａ〜１７Ｌの有する価値とし
て、確変モードか通常モードのいずれかが付与されるの
みのパチンコ機にも適用できる。また、次々回の大当た
り時まで確変モードが継続されるものにも適用できる。
さらに、確変モードの付与されないタイプのパチンコ機
にも適用できる。

【０１３０】３．上記第１の実施の形態における所定回
数Ｎについてはあくまでも例示であって、上記数値に何
ら限定されるものではない。例えば、確変モード時の大
当たり確率がＸ分の１である場合には、Ｘ／１０回でも
よいし、Ｘ／２回でもよいし、Ｘ回でもよいし、２Ｘ回
でもよいし、１０Ｘ回でもよいし、それ以上でもよい。
また、所定回数Ｎについては、大当たり図柄以外の識別
情報に基づいて決定することとしてもよい。例えば、大
当たり図柄の色彩や模様等の態様により決定してもよい
し、また、「１」「１」「１」で大当たりとなった場合
には「１０回」、「３」「３」「３」で大当たりとなっ
た場合には「３０回」といった具合に図柄１７Ａ〜１７
Ｌの意味する数値に基づいて決定することとしてもよ
い。

【０１３１】４．上記実施の形態では、図柄１７Ａ〜１
７Ｍの始動変動が所定回数Ｎ回行われた場合に、確変モ
ードから通常モードへと切り換えられることとしたが、
それ以外の所定条件の成立を必要条件に確変モードから
通常モードへと切り換えられることとしてもよい。当該
所定条件としては、例えば、（１）遊技球５がある入賞
口に入賞したり、ある領域を通過したりすること、
（２）図柄が大当たり以外のある停止態様で最終的に停
止すること、（３）確変モードとなってから所定時間が
経過すること、（４）非遊技状態が所定時間経過するこ
と、（５）所定のリーチ状態の発生等が挙げられる。

【０１３２】５．さらに、上記実施の形態では、確変モ
ードが選択される確率を一律に「５０％」としたが、こ
の確率は任意に変更しうる。例えば「約３３％」の確率
で確変モードが選択されるようにしてもよい。また、確
率が複数パターン用意されているような構成としてもよ
い。さらに、確変モード中に適宜切り換えられるような
構成としてもよい。

【０１３３】６．上記実施の形態では特に言及しなかっ
たが、いわゆるリミッタ制御を行いうるパチンコ機に具
体化してもよい。このリミッタ制御は、遊技者にとって
の射幸心を抑制するために実行されるものであって、予
め定められた所定連続回数を超えて確変モードでの大当
たり状態発生が継続しないように制御するものである。
より詳しくは、ＣＰＵは、所定回数（例えば４回）続け
て確変モードで大当たりとなった場合には、５回目の大
当たり時（リミッタ時）においては、確変モード以外の
モード、つまり、通常モードで大当たりとなるように制
御するのである。すなわち、リミッタ時においては、通
常モードが強制的に選択されるように制御するようにし
てもよい。

【０１３４】７．上記第１の実施の形態では、最大変動
コマ数である「１３コマ」の再変動が行われてしまう
と、価値が低下してしまう場合が生じてしまうため、例
えば、最終停止図柄として「９」の図柄１７Ｉが採択さ
れ、一旦停止図柄として「８」の図柄１７Ｈが採択され
た場合には、１３コマの再変動を行わずに、１コマのみ
の再変動が行われるように設定されていた。これに対
し、例えば、図２１に示すようなテーブルを参酌すれ
ば、１コマのみの変動で最終的に停止してしまうといっ
た事態を回避することができる。

【０１３５】８．特別図柄表示装置１３としては、上述
した液晶ディスプレイ以外にも、ＣＲＴ、ドットマトリ
ックス、ＬＥＤ、エレクトロルミネセンス（ＥＬ）、蛍
光表示菅、ドラム等を用いてもよい。

【０１３６】９．上記実施の形態とは異なるタイプのパ
チンコ機等にも具体化できる。例えば上記実施の形態に
おける普通図柄表示装置５１を省略した構成としてもよ
い。また、普通図柄表示装置及び特別図柄表示装置の少
なくとも一方が複数設けられているタイプのパチンコ機
にも具体化できる。さらに、大当たり図柄が表示された
後に所定の領域に遊技球を入賞させることを必要条件と
して特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよ
い。

【０１３７】１０．また、図柄１７Ａ〜１７Ｌ以外の識
別情報を表示しうる表示装置を有するタイプのパチンコ
機にも適用可能である。例えば、ランプの点灯、点滅状
態によって大当たり状態が発生しうるタイプのパチンコ
機等が挙げられる。

【０１３８】１１．また、パチンコ機以外にも、アレパ
チ、雀球、スロットマシン等の各種遊技機として実施す
ることも可能である。なお、スロットマシンは、例えば
コインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操
作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストッ
プボタンを操作等することで図柄が停止されて確定され
る周知のものである。従って、スロットマシンの基本概
念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示し
た後に確定図柄を表示する図柄表示手段を備え、始動用
操作手段（例えば操作レバー）の操作に起因して図柄変
動が開始され、停止用操作手段（例えばストップボタ
ン）の操作に起因して或いは所定時間が経過することに
より図柄変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定
図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊
技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたス
ロットマシン」となる。

【０１３９】１２．上記実施の形態では特に言及しなか
ったが、再変動に際し、前記表示装置１３や、その他の
報知手段等において、演出報知を行うようにしてもよ
い。上記構成を採用することにより、演出報知によっ
て、再変動に際してのわくわくどきどき感に拍車がかけ
られることとなる。なお、その他の報知手段は、ラン
プ、別途設けられた表示装置及び音声報知手段等が挙げ
られる。

【０１４０】１３．大当たり図柄１７Ａ〜１７Ｌに応じ
た価値を表示説明する表示説明手段を設けたこととして
もよい。例えば、ガラス扉枠に設けられた前後一対のガ
ラス板の間に、図１８や図１９の内容を示す表示プレー
トを配設するようにしてもよい。当該表示プレートの記
載例としては、３，７…終日継続遊技可能、１，５，
９，１１…継続遊技可能、４，１１…交換等が挙げられ
る。このような構成を採用することで、遊技者が表示プ
レート等を視認することにより、図柄１７Ａ〜１７Ｌの
有する価値を容易に把握しうる。また、遊技者にとって
の遊技に関する理解が深められる。

【０１４１】さらに、前記図柄１７Ａ〜１７Ｌの有する
価値に関する信号を導出する信号導出手段を設け、当該
信号に基づく各種の制御を行うこととしてもよい。例え
ば、「３」の図柄１７Ｃで大当たり状態が発生した場合
には、表示装置１３において、「終日継続遊技可能」と
いった表示制御を行ったり、「４」の図柄１７Ｄで大当
たり状態が発生した場合には、表示装置１３において、
「これで交換して下さい」といった表示制御を行ったり
することが考えられる。

【０１４２】１４．また、上記実施の形態では、表示部
１３ａにおいてモードの報知を行うこととしたが、モー
ド報知ランプ等を用いて遊技モードの表示を行うことと
してもよい。さらに、効果音等を用いてモードの報知を
行うこととしてもよい。例えば、遊技モードが確変モー
ドである間は、遊技モードが通常モードである場合に対
して効果音を異ならせるようにしてもよい。これによ
り、聴覚的にも遊技モードを把握することができる。

【０１４３】１５．また、残り回数Ｎに応じて、報知の
方法を異ならせるようにしてもよい。例えば、残り回数
Ｎが５０回以上ある場合と、５０回を下回った場合とで
効果音を異ならせたり、ランプの点灯・点滅方法を異な
らせたり、表示部１３ａの色彩・背景・キャラクタの表
示方法、表示テンポ等や、効果音等のテンポ等を異なら
せたりすること等が考えられる。また、残り回数Ｎが残
り少なくなった場合（例えば１０回以下）には、カラー
タイマーが点滅する等して、どきどき感を促すこととし
てもよい。上記のような構成とすることにより、報知方
法が変動したことに基づいて、遊技者は残り回数Ｎがあ
る値を下回ったことを知りうるため、より一層面白味が
増し、興趣の向上に拍車がかけられる。

【０１４４】また、実際の残り回数Ｎを数値にて報知し
ないこととしてもよい。当該構成及び上記報知方法を異
ならせる構成を採用することで、つまり、実際の残り回
数Ｎが数値として報知されない場合には、残り回数Ｎに
関し、上記異なった報知方法（報知方法の切換）が謎め
いた部分を含んだものとなったり、遊技者があれこれ予
想する機会が付与されたりして、さらに面白味が増す。

【０１４５】１６．乱数に関するカウンタ（内部乱数カ
ウンタＣＩ、外れリーチ乱数カウンタＣＯ、大当たり図
柄乱数カウンタＣＢ、左・中・右の各図柄乱数カウンタ
ＣＤＬ，ＣＤＣ，ＣＤＲ、リーチ種別決定カウンタＣＶ
等）を適宜変更してもよい。例えば、１つの乱数カウン
タを用い、その値に基づき大当たり状態、外れリーチ状
態等を決定してもよい。

【０１４６】１７．上記実施の形態では、遊技モードが
確変モードである場合に、大当たり状態が発生すると、
残り回数Ｎがクリヤされてしまうようになっていた。特
に、今回の大当たり状態の発生に際し設定された遊技モ
ードが通常モードの場合には、折角残り回数Ｎが多く残
っていたとしても、それが意味のないものになってしま
うおそれがあった。これに対し、そのときに設定された
モードが通常モードであったとしても、大当たり状態が
発生した時点での残り回転数については、遊技モードが
確変モードに維持されるようにしてもよい。このように
することで、大当たり状態の発生に際し、遊技モードが
通常モードに設定されてしまったとしても、残りの回転
数が比較的多くある場合には、再度遊技モードが確変モ
ードに設定されたかの如き感覚を覚える。また、一旦確
変モードに設定され、かつ、残り回転数が多く残されて
いる場合には、遊技モードは、とにかくできるだけ早期
に大当たり状態が発生することを望み、従来にはない感
覚を堪能することができ、より一層遊技内容に厚みが増
す。

【０１４７】１８．また、遊技モードが確変モードであ
る場合に、大当たり状態が発生し、そのときに設定され
たモードが再度確変モードであった場合には、前記所定
回数Ｎに対し、少なくとも残り回数Ｎを加算した分を新
たな所定回数Ｎとするようにしてもよい。このようにす
ることで、遊技者は、遊技モードが確変モードに設定さ
れることをより一層切望するとともに、加算された結果
たる新たな所定回数は、そのときどきの遊技毎に、ま
た、パチンコ機毎に、また遊技者毎に特有の回数となる
ことから、遊技自体がより一層個性的なものとなりう
る。

【０１４８】１９．さらにまた、遊技モードが確変モー
ドである場合において、特別の条件が満たされることを
必要条件に、残り回数Ｎが増大するようにしてもよい。
このような構成とすることにより、大当たり状態が発生
することとは別に、遊技者にとっての楽しみが増えるこ
ととなり、さらに面白味が増す。また、残り回転数が少
なくなって、遊技者が大当たり状態の発生を諦めかけた
頃に、上記特別の条件が満たされた場合には、喜びもひ
としおとなる。

【０１４９】なお、特別の条件としては、例えば、入賞
が困難な入賞口に遊技球５が入賞したり、通過困難な領
域を遊技球５が通過したりすること、或いは、図柄１７
Ａ〜１７Ｌが大当たり図柄とは異なる特別の図柄（例え
ば「３」「４」「１」等の予め定められた出目）にて最
終的に停止されること、普通図柄表示装置５１の表示態
様が特定の表示態様となること、普通図柄表示装置５１
の変動表示が規定回数行われること、所定のリーチパタ
ーンが演出されること、規定回数の所定のリーチパター
ンが演出されること、表示部１３ａ等において所定の演
出が行われること、等が挙げられる。特に後者の場合に
は、図柄１７Ａ〜１７Ｌが大当たり図柄で停止せずと
も、特別の図柄にて最終的に停止することによっても遊
技者にとっては望ましいこととなる。従って、図柄変動
中におけるわくわく感が増大する。

【０１５０】２０．併せて、上記１９とは逆に、遊技モ
ードが確変モードである場合に、特殊条件（上記例参
照）が満たされることを必要条件に、残り回数Ｎが減少
するようにしてもよい。このような構成とすることによ
り、大当たり状態の発生とは別の興味対象が付け加えら
れることとなり、遊技者は、特殊条件が満たされないこ
とを願いつつ遊技を行う。

【０１５１】なお、特殊条件としては、例えば、上記同
様、入賞が困難な入賞口に遊技球５が入賞したり、通過
困難な領域を遊技球５が通過したりすること、或いは、
図柄１７Ａ〜１７Ｌが大当たり図柄とは異なる特殊な図
柄（例えば「１」「１」「９」等の予め定められた出
目）にて最終的に停止されること、等が挙げられる。

【０１５２】２１．上記１９，２０において、残り回数
Ｎが増加したり、減少したりする程度は、そのときどき
によって異なることとしてもよい。例えば、ある出目で
図柄１７Ａ〜１７Ｌが停止した場合には、「３０回」加
算（又は減算）されるのに対し、別の出目で図柄１７Ａ
〜１７Ｌが停止した場合には、「１００回」加算（又は
減算）されることとしてもよい。

【０１５３】２２．確変モード中における表示装置１３
の表示態様を、通常モード中におけるそれと異ならせる
こととしてもよい。表示態様としては、例えば図柄１７
Ａ〜１７Ｌの色彩、形状、大きさ、変動方法、変動方
向、変動速度、変動開始順序等の変動開始態様、変動停
止順序等の変動停止態様、種類、或いは、背景（背景の
種類、色彩、キャラクタの種類、キャラクタの色彩）等
が挙げられる。また、上記実施の形態では、確変モード
中におけるスーパーリーチのリーチパターンと、通常モ
ード中におけるそれとを異ならせることとしたが、同じ
ものとしてもよい。また、確変モード中においては、ス
ーパーリーチのみを演出することとしてもよいし、リー
チ演出を一切行わないこととしてもよい。

【０１５４】２３．確変モード中における大当たり確率
が複数パターン用意されているような構成としてもよ
い。そして、この場合、大当たり図柄等に基づいて確率
が設定されるような構成としてもよい。また、確変モー
ド中に大当たり確率が切換えられるような構成としても
よい。

【０１５５】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
識別情報を変動表示しうる可変表示装置を備えたパチン
コ機等の遊技機ににおいて、興趣の飛躍的な向上を図る
ことができるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図
である。

【図２】表示部の表示状態の例を示す模式図である。

【図３】図柄の配列構成等を説明する図である。

【図４】図柄乱数バッファの概念を説明する図表であ
る。

【図５】図柄乱数エリアの概念を説明する図表である。

【図６】停止図柄エリアの概念を説明する図表である。

【図７】（ａ）は乱数カウンタの概念を説明する図表で
あり、（ｂ）はリーチ種別決定カウンタの概念を説明す
る図表である。

【図８】制御装置により実行される「乱数振分けルーチ
ン」を示すフローチャートである。

【図９】「格納処理ルーチン」を示すフローチャートで
ある。

【図１０】「特別電動役物制御ルーチン」の一部を示す
フローチャートである。

【図１１】「特別電動役物制御ルーチン」の一部であっ
て、図１０の続きを示すフローチャートである。

【図１２】「変動開始処理ルーチン」を示すフローチャ
ートである。

【図１３】「モード判定処理ルーチン」を示すフローチ
ャートである。

【図１４】「モード報知処理ルーチン」を示すフローチ
ャートである。

【図１５】「残り回数報知処理ルーチン」を示すフロー
チャートである。

【図１６】一旦停止図柄と確定図柄との関係を示すテー
ブルである。

【図１７】確変モードにおける表示部の表示状態の例を
示す模式図である。

【図１８】確定図柄に対する所定回数の関係を示す図表
である。

【図１９】第２の実施の形態における確定図柄に対する
システムの関係を示す図表である。

【図２０】一旦停止図柄と確定図柄との関係を示すテー
ブルである。

【図２１】別の実施の形態における一旦停止図柄と確定
図柄との関係を示すテーブルである。

【符号の説明】

１…パチンコ機、２…遊技盤、３…作動口、４…大入賞
口、５…遊技球、１３…特別図柄表示装置、１３ａ…表
示部、１４…左図柄列、１５…中図柄列、１６…右図柄
列、１７Ａ〜１７Ｍ…図柄、２４…制御装置、Ｌ…大当
たりライン。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 遊技者の操作に応じて変化する遊技状況
   を検出する遊技状況検出手段と、 前記遊技状況検出手段による検出結果に基づき識別情報
   を変動表示しうる可変表示装置と、 前記識別情報が特定表示態様となって最終的に停止表示
   されることを必要条件に、遊技者に有利な特別遊技状態
   を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、前記特定
   表示態様として価値を異にする複数の種類が設定された
   遊技機において、 前記可変表示装置の前記識別情報が一旦特定表示態様と
   なって停止表示された後、前記識別情報が再度変動し、
   前記一旦停止表示された特定表示態様と異なる又は同一
   の特定表示態様となって停止表示されるよう構成すると
   ともに、当該再変動に際しては、前記一旦停止表示され
   た特定表示態様の有する価値以上の価値を有する特定表
   示態様となって前記識別情報が最終的に停止表示される
   ようにしたことを特徴とする遊技機。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の遊技機において、前記
   識別情報は複数の図柄を含むことを特徴とする遊技機。