JP2008067673A - 紙製農業用被覆材 - Google Patents

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Abstract

【課題】農業用被覆材としての機能を損なうことなく、かつ安全性が高く、かつ機械展張が可能な強度を有する紙製農業用被覆材を提供する。
【解決手段】乾性油、半乾性油、常温で固体かつ融点が100℃未満のワックスを含み、その配合比(質量比)が乾性油:半乾性油:ワックス=1.0:1.0以下:0.3以下である油脂組成物を、土中で分解可能な紙の一部又は全体に含有させることにより紙製農業用被覆材を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、紙製農業用被覆材に関し、特に、農作物育成に必要な機能を有しながら、かつ機械による展張が可能な強度を有する、紙を骨材とする紙製農業用被覆材に関するものである。
農業用資材として被覆材は大きな市場を形成している。これは、光を遮ることで雑草の生長を抑制したり、地温を調整したり、土壌水分の保持、土壌浸食の防止、肥料の流亡防止、病害虫の発生抑制などの効果を発揮することで、作物の生育を助けることを目的としている。
現在ではポリエチレンフィルム等のポリオレフィン系フィルムが主流となっており、透明、黒、緑など用途に応じて着色されたフィルムが広く使われている。ポリオレフィン系のフィルムは、安価で軽量、保管時の劣化が少ないなどの利点があり、また、作物の生育に関しては問題が少なく、農家にとっては必要不可欠な資材とまでなっている。
しかし、このポリエチレンフィルム等のポリオレフィン系フィルムの最大の欠点は、土中で分解されないことにある。つまり、使用後には機械あるいは手で巻き取り、回収することが必要であり、この回収作業の負担は肉体的にも金銭的にも大きなものとなっている。
また、これらの回収作業において、どうしても切れ端は土中に残ってしまい、これらは永久に農地に残ることとなる。回収後の被覆材の扱いとしてこれまで許されてきた焼却処分も、法律改正に伴い野焼きが禁止となったことで、回収した使用済フィルムは適正に処理しなければならないことになっている。これは処分場の問題もあり、その処理費用は農家の経営を直撃する大きな問題となっている。
さらに、これを解決するべく土を落として再利用する方法も提案されているが、完全に土を除去できないことや、この被覆材を機械で展張させるためには、きちんと巻き取らなければ次年度使用することができない、という大きな問題を抱えており、再利用についてはなかなか進んでいないのが実情である。
これを解決する方法として、生分解高分子を利用した被覆材の開発が進められている。実際に、でんぷん系、ポリ乳酸系など多くの生分解高分子による農業用被覆材が上市されており、特に夏場に回収作業を進めなければならないとうもろこし栽培においては、そのまま土中に鋤きこめるこれらの商材は一部利用が始まっている。
しかしながら、生分解高分子製被覆材は、価格が高いことがネックとなり市場ではまだまだ浸透していない。また、生分解高分子の場合には、保存期間中に劣化が進行するため、流通上在庫が持てないという大きな課題を抱えており、この実用化にはまだまだ大きなハードルがあると言わざるを得ない状況である。
同じく土中で容易に分解する素材として、紙を使った被覆材の開発も数多く進められている。特に、紙の場合には流通上倉庫に保管している間も経時で劣化することがないため、商品としての価値は生分解性高分子よりも非常に有利である。実際、紙を使った農業用被覆材はすでに各地の農業試験場において実用化試験に供されたことがある(紙製農業用被覆材は、一般的には、紙マルチシート又はマルチング紙と呼ばれることがある)。
しかしながら、紙の最大の欠点は、日照に伴う紫外線、熱などや雨、風による劣化が速く、また、土と接触する場所での崩壊が激しく、農作物の生育を待つ前に劣化・崩壊が進んでしまうことにある。また、欠損があると容易に裂けてしまうため、機械による展張が難しい面もあり、実際の農家における利用には耐えられる状態ではないのが実情であった。
これを解決するべく、土と接触する部分に防黴剤および/または抗菌剤を含有させる方法(特許文献1参照)や、フルート加工またはエンボス加工をすることで土との接触面積を減らして分解を遅らせる試み(特許文献2参照)等が検討されている。また、耐水・撥水効果が高く、取り扱いが比較的容易な乾性油を紙製被覆材に含有させることにより、農作物育成中の被覆材の分解・劣化を遅らせる発案もなされている(特許文献3参照)。
特開平9−205901号公報 特開平10−94335号公報 特開2000−116249号公報
しかしながら、従来の紙製農業用被覆材によれば、コスト・安全性・強度の点で問題を有している。例えば、特許文献1や特許文献2によれば、いずれもコストアップにつながるうえに、そのコストに見合う強度が得られず、また、特許文献3によれば、コスト面はクリアされても、依然として強度が得られないために、実用化がなされていない状況にある。
従って、本発明の目的は、農業用被覆材としての機能を損なうことなく、かつ安全性が高く、かつ機械展張が可能な強度を有する紙製農業用被覆材を提供することである。
本発明は、上記目的を達成するために、乾性油、半乾性油、常温で固体かつ融点が100℃未満のワックスを含み、その配合比(質量比)が乾性油:半乾性油:ワックス=1.0:1.0以下:0.3以下である油脂組成物を土中で分解可能な紙の一部又は全体に含有させてなる紙製農業用被覆材を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するために、土中で分解可能な紙の一部又は全体の任意の部位に、乾性油、半乾性油および常温で固体かつ融点が100℃未満のワックスを含有し、その含有質量比が乾性油:半乾性油:ワックス=1.0:1.0以下:0.3以下であることを特徴とする紙製農業用被覆材を提供する。
本発明によると、農業用被覆材としての機能を損なうことなく、かつ安全性が高く、かつ機械展張が可能な強度を有する紙製農業用被覆材を提供することができる。
〔本発明の実施の形態に係る紙製農業用被覆材〕
本発明の実施の形態に係る紙製農業用被覆材は、乾性油、半乾性油、常温で固体かつ融点が100℃未満のワックスを含み、その配合比(質量比)が乾性油:半乾性油:ワックス=1.0:1.0以下:0.3以下である油脂組成物を土中で分解可能な紙の一部又は全体に含有させてなる。配合比(質量比)が乾性油:半乾性油=1.0:1.0以下である乾性油と半乾性油を含む油脂組成物を土中で分解可能な紙の一部又は全体に含有させた後、乾性油との質量比が1.0:0.3以下となるようにワックスを当該紙の油脂組成物含有部分に含有させてもよい。
これにより、土中で分解可能な紙の一部又は全体の任意の部位に、乾性油、半乾性油および常温で固体かつ融点が100℃未満のワックスを含有し、その含有質量比が乾性油:半乾性油:ワックス=1.0:1.0以下:0.3以下である紙製農業用被覆材を得ることができる。
(紙製農業用被覆材)
本発明における紙製農業用被覆材とは、土中で分解可能な紙で作製した農業用被覆材のことを意味する。本発明における農業用被覆材とは、農作物の栽培において、農作物以外の部分の土壌表面を、被覆することのできる資材のことを意味する。農業用被覆材は、農作物以外の部分の土壌表面を覆うことで、雑草の生長抑制、地温調整、土壌水分の保持、土壌浸食の防止、肥料の流亡防止、病害虫の発生抑制等の効果を有するため、農作物の生育を助けるために使用される。また、本発明における農業用被覆材は、マルチシート又はマルチングと呼ばれることがある。
(乾性油)
乾性油とは、塗料、インキ用に植物油を使用する場合、酸化重合のしやすいものとして分類したものを示している。定義としてはヨウ素価が130以上のものを示し、一般的には亜麻仁油、サフラワー油、大豆油、桐油、グレープシード油、胡桃油、月見草油、芥子油、麻実油などがあり、学術的にはうるし核油、ざくろ種子油、タバコ種子油などもこれに該当する。これらの乾性油は、1種又は2種以上を使用することができる。
(半乾性油)
半乾性油とは、同じく塗料分野において、乾性油ほど容易に酸化重合して被膜を形成しないものの、経時とともに重合が進むものとして、通常まったく乾燥しない不乾性油とは明確に分けているものである。定義としては、ヨウ素価が100以上130未満のものを示し、ゴマ油、綿実油、コーン油、菜種油、米油、アーモンド油などがあり、学術的にはあんず核油、オレンジ種子油などがこれに該当する。これらの半乾性油は、1種又は2種以上を使用することができる。
(ワックス)
ワックスとは、常温で固形なものであり、明確な定義は存在しないが、本実施の形態においては、常温(20〜35℃程度)で固体、かつ融点が100℃未満の有機化合物をワックスと定義する。これに該当するものとしては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、ホホバ油、木ロウ、ラノリン、ビーズワックス、モンタンワックス、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、硬化ひまし油などがある。これらのワックスは、1種又は2種以上を使用することができる。
(油脂組成物の組み合わせ)
乾性油、半乾性油、ワックスの組み合わせは特に限定されるものではなく、多数存在する。これらは天産物を出発原料としているため、価格が状況により大きく変動するため、そのときの情勢に応じて変更することが望ましい。なかでも、乾燥作業時の適性の点から、乾性油が亜麻仁油、半乾性油が菜種油、ワックスがパラフィンワックスの組み合わせであることが好ましい。
(油脂組成物の配合比)
機械展張が可能な強度を保つためには、紙に含有させる油脂組成物中の乾性油、半乾性油、ワックスの配合割合が重要である。すなわち、その配合比(質量比)を乾性油:半乾性油:ワックス=1.0:1.0以下:0.3以下とする。半乾性油とワックスの配合上限を超えると、乾燥工程においてひび割れ等の問題を引き起こす。乾性油:半乾性油:ワックス=1.0:1.0以下:0.2以下であることがより好ましく、さらに好ましくは、乾性油:半乾性油:ワックス=1.0:0.9以下:0.15以下である。
下限値は限定されるものではないが、その配合比(質量比)が乾性油:半乾性油:ワックス=1.0:0.6以上:0.03以上であることが好ましい。半乾性油とワックスの配合率が0に近づくほど機械的展張の強度が低下することから、実用に好適な下限値として上記のとおり設定することが好ましい。紙への塗布状況(含有量)によっても多少差異が出る。乾性油:半乾性油:ワックス=1.0:0.6以上:0.05以上であることがより好ましく、さらに好ましくは、乾性油:半乾性油:ワックス=1.0:0.7以上:0.07以上である。
以上より、乾性油100質量部に対して、半乾性油が60〜100質量部、ワックスは3〜30質量部の割合(質量比)とするとよい。その他、紙への着色として顔料などを若干使用してもよい。
(紙製農業用被覆材中の油脂組成物の含有量)
紙製農業用被覆材中の油脂組成物の含有量は、特に限定されるものではないが、紙の乾燥質量に対し2〜20質量%であることが好ましく、2〜10質量%であることがより好ましく、4〜8質量%であることが特に好ましい。紙製農業用被覆材中の油脂組成物の含有量が上記範囲にあると、被覆材が農作物の育成中に分解・劣化せずに被覆材としての機能を保持することができ、また、機械展張の作業性も良好なものとなる。厚く塗れば強度は向上するが、原紙そのものの質量が増大するため、作業性が悪くなってくる場合がある。
ここで、含有とは、紙の表面に塗布する場合に限られない。すなわち、紙製農業用被覆材に油脂組成物を含有させる方法としては、含浸、塗布(塗工)、スプレー、印刷等が挙げられる。工業的には印刷あるいは含浸後乾燥させる工程を採用することが好ましい。
油脂組成物は、紙の一部又は全体に含有させる。一部とは、特に土中に埋められる端部や土に接触する部分をいう。
(紙)
使用可能な紙としては、いわゆる木材パルプを原料とする紙(セルロースを主体とする紙)であり、土中で分解可能な紙である。すなわち、木材パルプを原料とし、これを水に分散させて脱水、乾燥を経て繊維を絡ませたものを使用できる。例えば、クラフト紙、新聞紙、コート紙、上質紙、ケント紙、和紙、ケナフ紙などがあげられる。古紙パルプを用いてもよい。土中で分解されない合成樹脂系の接着剤で圧着した不織布などは農地で分解されないため望ましくない。
〔本発明の実施の形態の効果〕
本発明の実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)農作物の育成中は分解・劣化しにくいため、農作物の育成中(例えば1ヶ月〜3ヶ月)は被覆材としての機能が保持できる。
(2)作物の収穫後には土中に埋めれば分解するため、農作物の収穫後の回収や廃棄が不要であり、回収作業の負担を減らせる。
(3)機械展張が可能な伸張性・強度を有する紙製農業用被覆材を提供できる。乾性油、半乾性油、ワックスの比率を調整することで、機械による展張の強度を調整でき、かつ使用中の土との接触においても一定の間、強度を持続できるため、実際の農業現場での使用に耐えられる。
(4)紙をベースに、乾性油、半乾性油およびワックスを含有させるものであるため、生分解性の被覆材を比較的安価に提供できる。
(5)安全性が高い乾性油、半乾性油、ワックスを使用し、これを紙の表面に塗布することで土との接触による分解を遅らせ、かつ雨を弾くことで雨滴による崩壊を防ぐ効果も得ることができる。
(6)流通上の在庫保管が容易な農業用被覆材を提供できる。
(実施例1〜4)
表1に示す配合の油脂組成物を含有させた実施例1〜4の紙製農業用被覆材を以下のとおり製造した。
表1の配合の油脂組成物(塗布油)をタンクにて調合し、それぞれのワックスの融点以上に加熱溶解後、均一となるまでよく混合した。乾性油、半乾性油、ワックスの配合比率はそれぞれ、乾性油100質量部に対し、半乾性油80質量部、ワックス10質量部とした。
この油脂組成物をクラフト紙の両面に含浸後、乾燥した。本実施例1〜4では、原紙に対して油脂組成物を5.0質量%(実施例1)、6.5質量%(実施例2)、4.8質量%(実施例3)、5.6質量%(実施例4)含ませるようにした。
(比較例1)
表1に示す配合の油脂組成物を含有させた比較例1の紙製農業用被覆材を以下のとおり製造した。
比較例1では、不乾性油である椿油とカルナウバワックスを混合したものをクラフト紙の両面に含浸後、乾燥した。椿油とマイクロクリスタリンワックスの配合比率は、椿油を180質量部、カルナウバワックスを10質量部とした。原紙に対して油脂組成物を58.7質量%含ませた。
しかしながら、比較例1の紙製農業用被覆材は、その後の処理工程においてまったく乾燥することはなく、紙の表面から油が滲み、そのまま巻き取られることで油が貼り付いてしまった。これでは展張用機械向けに巻き取ることもできず、とても使用に耐え得るものとはならなかった。
表1において、サフラワー油(日清オイリオグループ株式会社製,商品名:日清べに花油)、亜麻仁油(日清オイリオグループ株式会社製,商品名:N/Bアマニ油)、大豆油(日清オイリオグループ株式会社製,商品名:大豆白絞油(S))、桐油(コスモ油化株式会社製,商品名:桐油)、綿実油(日清オイリオグループ株式会社製,商品名:日清サラダ油クリーム綿実)、菜種油(日清オイリオグループ株式会社製,商品名:菜種白絞油(S))、コーン油(日清オイリオグループ株式会社製,商品名:日清コーン油)、米油(日清オイリオグループ株式会社製,商品名:日清こめ白絞油)、椿油(大島椿株式会社製,商品名:椿てんぷら油)を用いた。
(実施例5〜6、比較例2〜3)
次に、表1における実施例2の組み合わせ(乾性油:亜麻仁油、半乾性油:菜種油、ワックス:パラフィンワックス)において、その配合比率を表2に示すように変化させて、実施例5〜6及び比較例2〜3の紙製農業用被覆材を上記実施例及び比較例と同様にして製造した。
比較例2は、半乾性油とワックス配合率が不十分な例(ここでは不使用の例)であり、乾性油のみを含浸させた紙製農業用被覆材である。また、比較例3は、半乾性油とワックス配合率が多すぎる例である。
(強度の評価)
表3は、上記実施例及び比較例で製造した紙製農業用被覆材について、その強度を日本工業規格:Japan Industrial Standard(JIS法)に則り分析した結果である。強度は、引張強度(縦)(JIS P8113)、湿潤引張強度(縦)(JIS P8135)、引裂強度(縦)(JIS P8116)、破裂強度(JIS P8112)についてそれぞれ測定を行なった。
なお、原紙はすべて同じ紙を使用しているが、含有させた油脂組成物の量が異なるため、各強度は、坪量(単位面積あたりの質量)で換算した値とした。また、各強度は、原紙の生データの数値を100とし、これに対する数値で表している。
その結果、表3に示したとおり、実施例の紙製農業用被覆材は、屋外での栽培時における雨や風に対する耐久性の指標として重要である湿潤引張強度が、すべて原紙を上回り、5倍以上の数値になる紙製農業用被覆材もあった。また、その他の強度についても、実施例の紙製農業用被覆材は、原紙の強度を上回るか原紙の強度と同程度であり、農業用被覆材として用いるのに問題ない強度であった。
以上のことから、実施例の紙製農業用被覆材は、屋外の環境下で栽培する場合に極めて有用であることが分かる。
これに比べて、半乾性油とワックスを不使用の(配合率が不十分な)比較例2では、表3に示したとおり、引裂強度が著しく低下しており、原紙に比べて半分以下の数値しか得られなかった。引裂強度が低下すると、機械で展張ことができず、張れたとしても風の影響ですぐに全体が裂けてしまう大きな欠陥を呈することとなる。また、半乾性油とワックス配合率が多すぎる比較例3でも、引裂強度が著しく低下しており、機械で展張できず、さらに表面に形成された膜がしわが寄ったようになり、ひび割れも認められた。
(実地試験)
実際の大根畑おいて、実施例2(実施例6)で製造した被覆材を使い、展張試験、播種から収穫までの栽培試験、土中での分解試験を行った。
大根畑おいて、マルチャーによる実施例2(実施例6)の被覆材の展張を行なったが、100m展張において一度も破れることなく展張が可能であった。
また、実施例2(実施例6)の被覆材を使用し、播種から収穫まで60日間大根の栽培を行ったが、図1(写真)にあるように収穫時まで問題なく雑草の生長を抑制し、かつ被覆材が破損しない状態で利用することが可能であった。
さらに、秋に大根を収穫した後、実施例2(実施例6)の被覆材を土中に埋めたところ、被覆材は分解され、春にはきれいになくなった。
実地試験の結果を表す写真である。

Claims (8)

  1. 乾性油、半乾性油、常温で固体かつ融点が100℃未満のワックスを含み、その配合比(質量比)が乾性油:半乾性油:ワックス=1.0:1.0以下:0.3以下である油脂組成物を土中で分解可能な紙の一部又は全体に含有させてなる紙製農業用被覆材。
  2. 土中で分解可能な紙の一部又は全体の任意の部位に、乾性油、半乾性油および常温で固体かつ融点が100℃未満のワックスを含有し、その含有質量比が乾性油:半乾性油:ワックス=1.0:1.0以下:0.3以下であることを特徴とする紙製農業用被覆材。
  3. 前記配合比又は前記含有質量比が、乾性油:半乾性油:ワックス=1.0:0.6以上:0.03以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の紙製農業用被覆材。
  4. 前記乾性油が、亜麻仁油、サフラワー油、大豆油、桐油、グレープシード油、胡桃油、月見草油、芥子油、麻実油からなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の紙製農業用被覆材。
  5. 前記半乾性油が、ゴマ油、綿実油、コーン油、菜種油、米油、アーモンド油からなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の紙製農業用被覆材。
  6. 前記ワックスが、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、ホホバ油、木ロウ、ラノリン、ビーズワックス、モンタンワックス、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、硬化ひまし油からなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の紙製農業用被覆材。
  7. 前記紙は、前記油脂組成物を当該紙の乾燥質量に対し2〜20質量%含有することを特徴とする請求項1および請求項3乃至請求項6のいずれか1項に記載の紙製農業用被覆材。
  8. 前記紙は、前記乾性油、前記半乾性油および前記ワックスを当該紙の乾燥質量に対しそれらの総量で2〜20質量%含有することを特徴とする請求項2に記載の紙製農業用被覆材。
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