JP3075577U - 紙製マルチシート - Google Patents
紙製マルチシートInfo
- Publication number
- JP3075577U JP3075577U JP2000005770U JP2000005770U JP3075577U JP 3075577 U JP3075577 U JP 3075577U JP 2000005770 U JP2000005770 U JP 2000005770U JP 2000005770 U JP2000005770 U JP 2000005770U JP 3075577 U JP3075577 U JP 3075577U
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- paper
- sheet
- paraffin wax
- coating layer
- pigment
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Protection Of Plants (AREA)
- Paper (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】製造が容易であり、防湿性、地温調整、除草な
どの効果がより優れ、環境保護のための有機栽培に適し
た紙製マルチシートを提供する。 【解決手段】紙を基材とするシートの片面に、着色顔料
およびパラフィンワックスを含有する被覆層を有するこ
とを特徴とする紙製マルチシートであり、前記被覆層は
着色顔料分散されたパラフィンワックス溶融液を塗工し
て形成される。
どの効果がより優れ、環境保護のための有機栽培に適し
た紙製マルチシートを提供する。 【解決手段】紙を基材とするシートの片面に、着色顔料
およびパラフィンワックスを含有する被覆層を有するこ
とを特徴とする紙製マルチシートであり、前記被覆層は
着色顔料分散されたパラフィンワックス溶融液を塗工し
て形成される。
Description
【0001】
本考案は、紙製マルチシート、さらに詳しくは着色顔料とパラフィンワックス のマスターバッチを塗工してなる被覆層を有する紙製マルチシートに関する。
【0002】
マルチ農法は、農作物を栽培するときに根元の地表面を覆うこと(マルチング )により雑草抑制効果、地温抑制または維持効果、土中の水分保持効果等を意図 とする栽培方法である。マルチングは、古くは稲わらを敷いたり籾殻をまくなど の方法で行なわれてきたが、近年ではポリオレフィン系のプラスチックフィルが 使用されてきている。ポリエチレンフィルムがその代表的なものであり、薄くて も強度があり作業性がよく、比較的安価なことからマルチシートの主流となって いる。
【0003】 しかしながら、ポリエチレンフィルムは、生分解されない材質であることから 、栽培後のマルチシートはなるべく速やかに回収する必要があり農業従事者にと って大きな負担となっている。しかも、回収されたポリエチレンフィルムは最終 的には焼却処分するほかはなくそのための費用が発生し、また当然のことながら 大気汚染ガスや毒性残留物の発生防止をはかる必要がある。最近は、多方面から 地球環境を護ることが世界的な共通認識となっており、ポリエチレンフィルムの 回収と焼却処分もこの面からの徹底した配慮が要求される。
【0004】 一方、紙製マルチシートは、土壌微生物により生分解されて回収作業不要であ ることからその実用化が期待されつつある。例えば、実用新案登録番号第302 4124号の登録実用新案公報には、マルチング部材のシート素材として全面に エンボス加工により形成した多数の凹凸を有する紙シート素材が提案されている 。この凹凸により乾湿の繰り返しによる紙の収縮を吸収し柔軟性を付与すること ができるとされている。また、特開平9−205901号公報には、紙製マルチ シートの少なくともシートの土中に埋没する部分およびその近傍の部分に相当す るシートの長手方向に沿う両端部に、膨黴剤および/または抗菌剤を含有させて 、使用中のシートに耐生分解性、耐候性などを付与することが提案されている。
【0005】
紙製マルチシートは、生分解されるという長所を有するものの、紙材をそのま まマルチシートとして使用するには品質や製造コスト等の面から解決すべき問題 点が残されている。 本考案の目的は、紙を基材としそれに防湿性、耐候性と着色性を同時に付与し 、品質向上と製造コストが低減された紙製マルチシートを提供しようとするもの である。
【0006】
本考案者らは、上述の状況に鑑みて、紙製マルチシートの構成を種々検討した 結果、本考案を完成したものである。 すなわち、本考案は、以下に記載の紙製マルチシートに関する。 1)紙を基材とするシートの片面に、着色顔料およびパラフィンワックスを含 有する被覆層を有することを特徴とする紙製マルチシート。
【0007】 2)前記被覆層が着色顔料を含有するパラフィンワックス溶融液を塗工して形 成されている請求項1記載の紙製マルチシート。 3)前記パラフィンワックス溶融液の一部が紙基材中に含浸してなる上記2) 項記載の紙製マルチシート。 4)着色顔料がカーボンブラックである上記1)項記載の紙製マルチシート。 5)栽培穴または播種穴を有する上記1)項記載の紙製マルチシート。
【0008】 本考案に係る紙製マルチシートは、紙シート基材上にパラフィンワックスと着 色顔料が混合分散された状態で含有する被覆層を有しており、パラフィンワック スによる防湿性、耐候性と、着色顔料による射光性または遮光性とが同一被覆層 で付与されている。このように混合状態の被覆層は、紙基材シート上に着色顔料 を塗布しその上にパラフィンワックスを塗布するという2層の塗布層を設けた場 合に比較して、意外にも防湿効果、地温調整効果、除草効果などがより優れてい る。また、パラフィンワックスに所望の着色顔料が混合された溶融物をマスター バッチとして調製しておくことにより、1回の塗布工程により被覆層が構成でき るので、製造作業が簡単でありコストを低減できる。
【0009】 本紙製マルチシートは生分解性であり、微生物(例えば、バクテリア、カビな ど)や酵素などの生化学活性物質の作用により分解され得る。例えば、生化学活 性物質を人為的に作用させたときに分解され得ることはもとより、分解微生物や 酵素が自然環境下で存在する状況において、土壌中、堆肥中、あるいは淡水・海 水中においても分解が進行する。従って、この紙製マルチシートは、栽培後は例 えば土中に鋤きこむことにより生分解されて土壌に還元される。
【0010】
以下、本考案の実施の形態を添付図面に基いて説明する。 図1は、本紙製マルチシート10の構成を示す模式断面図である。図中、1は紙 シート基材であり、その片面の全面には着色顔料およびパラフィンワックスを含 有する被覆層2が形成されている。 本考案においてシート基材として供する紙は、腰の強いものが好ましく、特性 的には引張強度(JIS P 8113)が約5〜12kg/15mm程度、単位重 量が約50〜150g/m2程度、また厚さが約80〜150μm程度であるのも のが適当である。その具体例としては、クラフト紙、更クラフト紙、純白紙ある いは模造紙が挙げられるが、なかでもクラフト紙が最も好ましい。
【0011】 前記着色顔料は、紙基材シートに遮光性または射光性を付与するものであり、 その機能に応じた顔料が選択される。例えば、黒色顔料により着色した紙製マル チシートは遮光性があり雑草を抑制する効果があリ、茶色顔料により着色した紙 製マルチシートは射光性があり保温効果を有する。そして、どの着色機能を付与 するかは、通常、栽培季節、栽培植物等に応じて選択する。具体的な顔料を例示 する。
【0012】 黒色顔料:カーボンブラック 茶色顔料:ウオッチング・レッドとジスアードイエローの混合 赤色顔料:ウオッング・レッド 紫色顔料:ウオッチング・レッドとフタルシアニン・ブルーの混合 青色顔料:フタルシアニン・ブルー 黄色顔料:ジスアド・イエロー 前記パラフィンワックスは、紙基材シートに防湿性を与えることによりその強 度を高めるために使用される。パラフィンワックスは、常法により石油から分離 され、精製された結晶性パラフィンを用いることができる。市販のパラフィンワ ックスとして、固形パラフィン含有率100%であって融点が45〜70℃の範 囲のものが入手可能であり、生分解性を助長する。
【0013】 本紙製マルチシートにおける被覆層は、パラフィンワックスと着色顔料の混合 物によって形成されているものであり、その通常の量比はパラフインワックス1 00重量部に対して着色顔料を5〜20重量部の割合である。また被覆層の厚さ は、一般に5〜30μm、好ましくは10〜20μmとする。 次に、本紙製マルチシートの製造法について説明する。 まず、パラフィンワックスを110〜130℃程度の温度で完全に溶融する。 その溶融パラフィンワックスに攪拌しながら着色顔料を前記の割合で加える。こ のときの温度の目安は約110℃であり、なるべく大きく攪拌し満遍なく混ぜる 。これによって、着色顔料が溶融パラフィンワックスに混合分散されたマスター バッチが得られる。
【0014】 次に、このマスターバッチ溶融液を用いて、前記紙基材シートの片面に均一に 塗工して被覆層を形成させる。このときの塗工温度は約100℃程度が好ましい 。塗布量は、被覆層の厚さが前記のとおりとなるように調整されるが、一般に1 5〜25g/m2とすればよい。この塗工の初期において、溶融液の一部は紙基 材中に含浸するが、それが飽和状態になった後も塗工を続けることにより被覆層 が形成される。
【0015】 前記マスターバッチ溶液中には、その機能を損なわない限りにおいて、種々の 目的で添加物を加えておくこともできる。たとえば、抗菌剤、防黴剤を含有させ ておいてもよい。 本考案の紙製マルチシートは、栽培穴または播種穴を設けて使用される。栽培 穴は、畝などの栽培地表面に展開する前に、通常、複数個複数条にわたり設ける が、その配置例を図2に示す。この例では、1010mm幅の紙製マルチシート において、直径60mmの栽培穴を240mm間隔で2条設けており、苗を栽培 するときの位置関係を考えて1条目と2条目の各栽培穴は互いに相手列の2個の 中間に位置し、重ならないような構成を採っている。栽培穴は、マルチ栽培の目 的に応じて穴の数および間隔を選択すればよく、個別農家が実際の使用時に設け てもよい。播種穴は、長尺の紙製マルチシートを栽培地表面に展開し、その上に 種を播いたあとにその種が通過可能な程度の大きさで設けられるものであり、個 別農家が常法により実施できる。
【0016】 本紙製マルチシートは、各種の農作物の栽培に適用可能であるが、例えばダイ コン、キューリ、レタス、チンゲン、ニンジンあるいはハクサイなどの野菜類、 サツマイモあるいはサトイモなどの芋類、イチゴなどの果物類、コーンなどの穀 類、キクなどの花き類などが挙げられる。 本紙製マルチシートは、常法どおり、栽培地表面に展開して使用できる。図3 は、平高畦3に本紙製マルチシート10を展開したときの使用例を示す。紙製マ ルチシートの両端4、4’は、土壌を盛ることによって風が吹いても容易に剥が れように固定されている。また、両端部4、4’は折り返しを設けることにより 強度を持たせている。
【0017】
【実施例】 本考案の紙製マルチシート作製例を次に挙げる。 ・紙基材シート:クラフト紙 (単位重量;100g/m2) ・塗工方法:片面塗工 (液温度:約90〜120℃) ・パラフインワックス/顔料 配合処方:表1に示す。 ・塗布量:表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
本考案の紙製マルチシートは、各種農作物のマルチングに使用することにより 、雑草の抑制に大きな効果を発揮し、雑草防止のための農薬散布が不要であり、 生産コストの削減と草取り作業を省力化できる。また、防湿性に優れ、土壌の適 度な水分を保持し野菜類の初期生育によい。さらに、着色顔料を適宜選択するこ とにより、射光性あるいは遮光性を付与できることから、それぞれの特性を活か した栽培方法が可能である。黒色系は、遮光性により地温を低下させる効果があ り、茶色系は射光性により地温を高める効果がある。とりわけ、日本の6〜10 月間の気象下すなわち高温、多日照の条件下ではその効果が顕著である。本紙製 マルチシートは、その使用目的を達したあとはそのまま放置、あるいは鋤込むこ とによって容易に生分解を受けて土中に還元されるので、回収作業の手間と費用 が不要である。本紙製マルチシートはまた、無公害であり環境保護のための有機 栽培に適している。
【図1】本考案の紙製マルチシートの構成を示す模式断
面図である。
面図である。
【図2】本考案の紙製マルチシートにおける栽培穴の配
置例を示す。
置例を示す。
【図3】本考案の紙製マルチシートを展開した平高畦の
断面図を示す。
断面図を示す。
1 紙基材シート 2 着色顔料およびパラフィンワックスを含有する被覆
層 3 高畝 4、4’ 紙製マルチシート両端部(折りかえしあり)
層 3 高畝 4、4’ 紙製マルチシート両端部(折りかえしあり)
Claims (5)
- 【請求項1】紙を基材とするシートの片面に、着色顔料
およびパラフィンワックスを含有する被覆層を有するこ
とを特徴とする紙製マルチシート。 - 【請求項2】前記被覆層が着色顔料を含有するパラフィ
ンワックス溶融液を塗工して形成されている請求項1記
載の紙製マルチシート。 - 【請求項3】前記パラフィンワックス溶融液の一部が紙
基材中に含浸してなる請求項2記載の紙製マルチシー
ト。 - 【請求項4】着色顔料がカーボンブラックである請求項
1記載の紙製マルチシート。 - 【請求項5】栽培穴または播種穴を有する請求項1記載
の紙製マルチシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000005770U JP3075577U (ja) | 2000-08-10 | 2000-08-10 | 紙製マルチシート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000005770U JP3075577U (ja) | 2000-08-10 | 2000-08-10 | 紙製マルチシート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3075577U true JP3075577U (ja) | 2001-02-23 |
Family
ID=43208689
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000005770U Expired - Lifetime JP3075577U (ja) | 2000-08-10 | 2000-08-10 | 紙製マルチシート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3075577U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014087284A (ja) * | 2012-10-30 | 2014-05-15 | Iwatani Materials Corp | 菜園又は農業用シート |
-
2000
- 2000-08-10 JP JP2000005770U patent/JP3075577U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014087284A (ja) * | 2012-10-30 | 2014-05-15 | Iwatani Materials Corp | 菜園又は農業用シート |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Haapala et al. | Feasibility of paper mulches in crop production—a review | |
DE60012006T2 (de) | Saatkeimmedium | |
KR102169864B1 (ko) | 친환경 비닐 멀칭액 조성물 및 그 제조방법 | |
JP2009153398A (ja) | 農業用シート、そのシートを使用した農作物の栽培・管理方法及び栽培した農作物 | |
KR101505936B1 (ko) | 다기능성 멀칭재 및 그 제조방법 | |
US20100229462A1 (en) | Degradable and Compostable Plastic Films for Agriculture | |
US4705816A (en) | Liquid mulch | |
KR101454576B1 (ko) | 농업용 토양보호 천연부직포 | |
CN104919942A (zh) | 农作物大田膜播栽培方法以及薄膜载种卷及其制备方法 | |
KR200403118Y1 (ko) | 종자가 부착된 직파용 멀칭재 | |
EP0177226B1 (en) | Liquid mulch | |
CA2267632C (en) | A novel apparatus for cultivating organovegetables | |
JP3075577U (ja) | 紙製マルチシート | |
MX2007013587A (es) | Lamina de uso agricola. | |
KR20190047184A (ko) | 농업용토양 피복지 및 그 제조방법 | |
JP4246883B2 (ja) | 農業用マルチとその製造方法並びに農業用マルチの使用方法 | |
JP3187788B2 (ja) | 農業用マルチシートの製造方法 | |
JP2886486B2 (ja) | 農業用有孔マルチング紙 | |
KR20230000570A (ko) | 친환경 액상 멀칭제 및 그 제조방법 | |
KR101522248B1 (ko) | 농업용 펼침 날개형 멀칭시트 | |
CN106962064A (zh) | 一种涂覆淀粉的可降解地膜 | |
JP2010239954A (ja) | 農業用紙マルチシート | |
JP4077686B2 (ja) | 生分解マルチフィルムを用いた栽培方法 | |
JPH11253061A (ja) | マルチシート | |
CN109644754A (zh) | 内蒙古东部地区玉米覆膜栽培技术用全降解生态配色地膜 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |