次に、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1乃至図3は、本発明をテレビ受信機(映像音声再生装置、受信手段)1、オーディオ機器(音声再生装置、音声再生手段)2、レコーダ(番組記録再生装置、映像音声再生装置、受信手段)3〜5などを、HDMI(High Definition Multimedia Interface)端子10〜17を備えたHDMIケーブル6〜9、及び光ケーブル18で接続して、AV信号や番組情報信号の授受を行い、映像や音声の再生を行う第1〜第3の実施の形態を示している。
図1はテレビ受信機1とオーディオ機器2をHDMIケーブル6と光ケーブル18で接続した第1の実施の形態であり、図2はテレビ受信機1と2台のレコーダ3、4をHDMIケーブル7及びHDMIケーブル8で接続した第2の実施の形態であり、図3はテレビ受信機1とオーディオ機器2をHDMIケーブル6と光ケーブル18で接続し更にオーディオ機器2とレコーダ5をHDMIケーブル9で接続した第3の実施の形態である。テレビ受信機1は映像音声再生装置、あるいは受信手段であり、放送番組を直接受信して再生することができると共に、HDMIケーブル6〜9を介して外部機器から入力されたAV信号(オーディオ・ビジュアル信号;映像信号と音声信号を含む)を基に番組を再生することができる。また、オーディオ機器2は音声再生装置、音声再生手段であり、HDMIケーブル6〜9、光ケーブル18を介して入力された音声信号を基に音声を再生することができる。またレコーダ3〜5は番組記録再生装置、映像音声再生装置、あるいは受信手段であり、放送番組のAV信号を直接受信して記録、再生することができると共に、再生されたAV信号をHDMIケーブル6〜9を介して外部に出力することができる。図示はしていないがレコーダ3〜5は外部からAV信号を入力して記録、再生することもできる。
HDMI端子10〜17は、ディスプレイ接続技術のDVI(Digital Visual Interface)端子をAV(オーディオ・ビジュアル)関連機器向けにアレンジして開発されたもので、次世代テレビ向けのインターフェース規格に基づいた接続端子である。HDMI端子では1本のケーブルで映像信号、音声信号、制御信号を合わせて送ることができ、制御信号は双方向にも伝送させることができるため、機器間をシンプルに接続でき、1台のリモコンで複数のAV機器(オーディオ・ビジュアル機器)を制御することができるようになる。
図1乃至図3におけるHDMIケーブル6〜9部分の詳細な接続関係を図4に示す。
図4において、21は映像データと音声データの送り側であるHDMIソース、22は映像データと音声データの受け側のHDMIシンクを示している。例えば図2で言えばレコーダ3とレコーダ4がHDMIソース21に相当し、テレビ受信機1がHDMIシンク22に相当している。HDMIソース21にはHDMI送信機23が備わり、HDMIシンク22にはHDMI受信機24が備わっている。25は両端にHDMI端子26、27を備えたHDMIケーブルである。
HDMI送信機23に入力された映像信号、音声信号、及び制御状態信号がTMDSチャンネル28(TMDSチャンネル0〜2とTMDSクロックチャンネル)を通してHDMIシンク22にシリアル伝送される。HDMIシンク22ではTMDSクロックチャンネルを通して送られたクロック信号を基に、TMDSチャンネル28を通して送られた映像信号、音声信号、制御状態信号を再生する。なお、音声信号と制御状態信号は映像信号のブランキング期間を利用して伝送される。
また、HDMIケーブル25にはCEC(Consumer Electronics Control)ライン29とDDC(Display Data Channel)ライン30も配置されている。CECライン29とDDCライン30は双方向ラインであり、これらの信号ラインを通じ機器間で制御信号のやり取りが行われる。
例えば、後述するように、テレビ受信機1やオーディオ機器2の音場モードを切り替えるため、テレビ受信機1、オーディオ機器2、及びレコーダ3〜5の間で、番組ジャンル情報やチャンネル数(コンテンツに関する付加情報)に応じた制御信号がCECライン29を通してやり取りされる。また例えば、テレビ受信機1やレコーダ3〜5は、自己に直接的又は間接的に外部接続された機器の映像表示仕様や音声出力仕様などを、EDID(Extended Display Identification)−ROM31からDDCライン30を通して読み取り、接続されている機器の仕様にあった映像信号と音声信号を送信するようになっている。
図5は、図3の第3の実施の形態を、概略の制御ブロック図で示したものである。
図5において、41〜43はホストCPUである。また、44はモニタマイコン、45、46はフロントマイコンである。47〜49はインターフェース回路である。また、50、51はHDMI受信用LSIである。また、52、53はHDMI送信用LSIである。インターフェース47、48、49間はCECラインで接続されている。HDMI受信用LSIはHDMI受信機24をLSI化したもの、HDMI送信用LSI52、53はHDMI送信機23をLSI化したものである。
HDMI送信用LSI53には送信先としてHDMI受信用LSI50が接続されている。またHDMI送信用LSI52には送信先としてHDMI受信用LSI51が接続されている。またHDMI送信用LSI53は、HDMI受信用LSI51がHDMI送信用LSI52から受信したデータを受け取ることができるように、HDMI受信用LSI51に接続されている。
ホストCPU41〜43は、モニターマイコン44、フロントマイコン45、46、インターフェース回路47〜49、CECラインを介して相互に通信することができる。また、ホストCPU41〜43は、HDMI送信用LSI52、53を制御し、TMDSチャンネルを介して映像信号、音声信号、制御状態信号を送信することができる。また、HDMI受信用LSI50、51を制御し、TMDSチャンネルを介して映像信号、音声信号、制御状態信号を受信することができる。
HDMIケーブル6は、映像信号、音声信号、制御状態信号の伝送方向が一方向のみ可能なので、テレビ受信機1が放送局から受信した番組の音声をオーディオ機器2のスピーカで再生する場合には、テレビ受信機1からオーディオ機器2へ音声データを送る光ケーブル18が設けられる。54,55は光ケーブル用インターフェースである。
例えば、ユーザによって操作されるリモコン(図示なし)からの指令により、テレビ受信機1がレコーダ5の映像信号、音声信号を受信して映像表示及び音声出力する場合には、テレビ受信機1のホストCPU41はレコーダ5のホストCPU43に対して映像信号と音声信号を送信するよう制御信号を送る。
この制御信号はモニタマイコン44、インターフェース回路47、CECライン、インターフェース回路49、フロントマイコン46を介してホストCPU43に伝達される。ホストCPU41からの制御信号を受け取ったホストCPU43はHDMI送信用LSI52を制御してテレビ受信機1に向けて映像信号と音声信号を送信する。HDMI送信用LSI52から送信された映像信号と音声信号は一旦オーディオ機器2のHDMI受信用LSI51で受信される。このときホストCPU42は受信された信号が自己向けでないと判断し、再びHDMI送信用LSI53からテレビ受信機1に向けて映像信号と音声信号を送信する。HDMI送信用LSI53から送信された映像信号と音声信号はテレビ受信機1のHDMI受信用LSI50で受信され、ホストCPU41が自己向けに送信された信号と判断したら受信したデータを取り込む。
テレビ受信機1はこのようにしてレコーダ5からの映像信号と音声信号を基に映像表示、音声出力を行うことができる。また、レコーダ5で再生された番組ジャンル情報やチャンネル数(コンテンツに関する付加情報)をレコーダ5のホストCPU43からテレビ受信機1のホストCPU41に、フロントマイコン46、インターフェース回路49、CECライン、インターフェース回路47、モニタマイコン44を介して送信する。テレビ受信機1は、上記番組ジャンル情報やチャンネル数(コンテンツに関する付加情報)に応じてスピーカ出力モードを番組に適した構成に制御する。別の手段として、レコーダ5から再生された番組ジャンル情報やチャンネル数(コンテンツに関する付加情報)そのものを送るのではなく、この情報をもとにスピーカ出力モードが番組に適したものになるような「番組情報に基づく制御情報」(ここでの番組情報に基づく制御情報とは、複数の音場モードの中から番組に適した音場モードを選択するための情報であり、例えば音場モード(後述の「VSモード」など)を指定するコマンドや、番組情報に対応したコードなどを使用することができる)を送っても良い。
また、他の例として、例えば、ユーザによって操作されるリモコン(図示なし)からの指令により、レコーダ5の映像信号を基にテレビ受信機1で映像表示し、レコーダ5の音声信号を基にオーディオ機器2で音声出力する場合には、ホストCPU41はレコーダ5のホストCPU43に対して、映像信号をテレビ受信機1に送信し音声信号をオーディオ機器2に送信するよう制御信号を送る。
この制御信号はモニタマイコン44、インターフェース回路47、CECライン、インターフェース回路49、フロントマイコン46を介してホストCPU43に伝達される。ホストCPU41からの制御信号を受け取ったホストCPU43はHDMI送信用LSI52を制御してテレビ受信機1に向けて映像信号を送信し、オーディオ機器2に向けて音声信号を送信する。HDMI送信用LSI52から送信された映像信号と音声信号は一旦オーディオ機器2のHDMI受信用LSI51で受信される。このときホストCPU42は受信された信号の内映像信号は自己向けでないと判断し、映像信号を再びHDMI送信用LSI53からテレビ受信機1のHDMI受信用LSI50に向けて映像信号を送信する。HDMI送信用LSI53から送信された映像信号はテレビ受信機1のHDMI受信用LSI50で受信される。このときホストCPU41は自己向けに送信された映像信号と判断し、受信したデータを取り込む。
このようにしてテレビ受信機1は自己の映像表部に映像を表示する。
一方ホストCPU42は音声信号が自己向けであると判断するので自己向け音声データとして取り込み、オーディオ機器2は取り込んだ音声データを基に自己のスピーカから音声を出力する。また、レコーダ5で再生された番組ジャンル情報やチャンネル数(コンテンツに関する付加情報)をレコーダ5のホストCPU43からオーディオ機器2のホストCPU42に、フロントマイコン46、インターフェース回路49、CECライン、インターフェース回路48、フロントマイコン45を介して送信する。オーディオ機器2は、上記番組ジャンル情報やチャンネル数(コンテンツに関する付加情報)に応じてスピーカ出力モードを番組に適した構成に制御する。別の手段として、レコーダ5から再生された番組ジャンル情報やチャンネル数(コンテンツに関する付加情報)そのものを送るのではなく、この情報をもとにスピーカ出力モードが番組に適したものになるような番組情報に基づく制御情報を送っても良い。
このようにレコーダ5の映像信号、音声信号を基に、テレビ受信機1で映像表示し、オーディオ機器2で音声を出力することができる。また、ホストCPU43はHDMIケーブル9のCECラインを介して番組ジャンル情報やチャンネル数(コンテンツに関する付加情報)もしくは、この情報をもとにスピーカ出力モードが番組に適したものになるような番組情報に基づく制御情報を送る。これらの情報を受信して、オーディオ機器2はスピーカ出力モードを番組に適した構成に制御する。
また、更に他の例として、例えば、テレビ受信機1のホストCPUが、ユーザによって操作されるリモコン(図示なし)からの指令により、テレビ受信機1が放送局からの放送番組を受信して映像をテレビ受信機1で表示し、音声をオーディオ機器2から出力する場合には、テレビ受信機1の通常の処理でテレビ受信機1の表示部に映像を表示し、音声はテレビ受信機に備わるスピーカからの出力を停止し、代わりに光ケーブル18を通して音声データをオーディオ機器2へ送る。
また、ホストCPU41は番組ジャンル情報やチャンネル数(コンテンツに関する付加情報)をテレビ受信機1のホストCPU41からオーディオ機器2のホストCPU42に、モニタマイコン44、インターフェース回路47、CECライン、インターフェース回路48、フロントマイコン45を介して送信する。オーディオ機器2は、上記番組ジャンル情報やチャンネル数(コンテンツに関する付加情報)に応じてスピーカ出力モードを番組に適した構成に制御する。別の手段として、テレビ受信機1は番組ジャンル情報やチャンネル数(コンテンツに関する付加情報)そのものを送るのではなく、この情報をもとにスピーカ出力モードが番組に適したものになるような番組情報に基づく制御情報を送っても良い。
これにより、テレビ受信機1が受信した放送番組の映像をテレビ受信機1の表示機により表示し、放送番組内容に対応した音場モードでオーディオ機器2のスピーカから音声を出力することができるようになる。
このように、HDMIケーブルと光ケーブルにより相互接続されたテレビ受信機1、オーディオ機器2、レコーダ5は、リモコンでテレビ受信機1に操作信号を送ることにより種々の再生モードを実現できるようになる。上記再生モードの例の他にも種々の再生モードが考えられ、この場合、種々の再生モードを実現するに当たり音声データを双方向に送受信することが必要な箇所には光ケーブルが追加的に備えられる。
図6は、図3に示した第3の実施の形態における、テレビ受信機1、オーディオ機器2、レコーダ5の制御構成を更に詳細に示した図である。
図6を参照すると、本実施の形態のテレビジョン受信装置1は、アンテナ104と、チューナ105と、多重化復元部106と、映像復号部107と、音声復号部120と、コンテンツ情報復号部111と、表示部109と、オーディオ制御部121と、システムコントローラ115と、左右のフロントスピーカ129、130と、センタスピーカ131と、サブウーファ132と、リモコン受光部116と、リモコン117と、アンプ125〜128と、ボリューム124と、メモリ118と、操作部119と、セレクタ108、112と、HDMI受信LSI110と、デジタルオーディオインターフェース変調部113と、発光素子114と、双方向インターフェース回路133と、EDID−ROM134を具備している。
チューナ105は、アンテナ104によって受信された放送信号から所望の周波数のチャンネルを選局し、復調処理を行う。なお、アンテナ104によって受信される放送信号は、地上デジタル放送、BSデジタル放送、110度CSデジタル放送等であり、チューナ105によって復調される信号は、コンテンツの映像信号と音声信号および当該コンテンツに関する付加情報が時分割複合化された多重化信号として多重化復元部106に出力される。また、コンテンツとは、放送局からの放送信号によって供給される番組に限らず、インターネット等のネットワークを介して得られる番組を含むものとし、この場合には、ネットワークからコンテンツの映像信号と音声信号および当該コンテンツに関する付加情報が時分割複合化された多重化信号が多重化復元部106に出力される。
多重化復元部106は、チューナ105(もしくはネットワーク、記録媒体の再生装置)から入力された多重化信号を基に、視聴したい番組の映像信号、音声信号、付加情報を分離する。分離した映像信号は映像復号部107に出力され、分離した音声信号は音声復号部120に出力され、分離した付加情報はコンテンツ情報復号部111に出力される。なお、付加情報は、入力信号に多重されているジャンルコードや、EPG(Electronic Programming Guide)等の情報であり、コンテンツのジャンル(「映画」、「ドラマ」、「音楽」、「ドキュメンタリ」、「ニュース」等)が含まれているものとする。
映像復号部107は、多重化復元部106から入力された映像信号を復号化し、復号化された映像信号はセレクタ108を介して表示部109に出力され映像表示される。表示部109としては、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRT等の表示手段が用いられる。
音声復号部120は、セレクタ112を介して多重化復元部106から入力された音声信号を復号化し、復号化された音声信号は、オーディオ制御部121によって加工された後、ボリューム124を介してアンプ125〜128で増幅され、左右のフロントスピーカ129、130と、センタスピーカ131と、サブウーファ132とから音声出力される。
コンテンツ情報復号部111は、多重化復元部106から入力された付加情報を復号化すると共に、復号化された付加情報からジャンルを抽出し、抽出したジャンルがコンテンツ情報としてシステムコントローラ115に出力される。なお、同一のコンテンツに複数のジャンルが設定されている場合、すなわち付加情報として同一のコンテンツに複数のジャンルが含まれている場合には、抽出した複数のジャンルがシステムコントローラ115に出力される。
オーディオ制御部121は、音声復号部120によって復号化された音声信号に加工を施す音質調整手段であり、チャンネル数変換処理部191と、音場変更処理部192と、強調処理部193と、イコライザ処理部194とからなる。
チャンネル数変換処理部191は、音声復号部120によって復号化された音声信号の入力チャンネル数を変換する機能を有し、チャンネル数変換処理として、例えば、5.1chの音声信号を3.1ch又は1chに、2chの音声信号を1chに、3.1chの音声信号を1chにそれぞれ変換するダウンミックス処理、5.1chの音声信号を3.1ch又は2chに変換するバーチャルサラウンド処理、2chの音声信号を3.1ch又は5.1chに変換するマトリクスデコード処理、1chの音声信号を2chに変換するステレオ変換処理が行われる。
音場変更処理部192は、音場、すなわちリスニング環境を変更する機能を有し、例えば、後方にスピーカが存在しないにもかかわらず、あたかも後方に音源があるかのように感じるバーチャルサラウンド処理、仮想的なスピーカ位置をスピーカの外側に移動させるスピーカ位置変更処理などを行なう。
チャンネル数変換処理部191と音場変更処理部192による処理はバーチャルサラウンドやプロロジック2(登録商法)などの各音場モードを実現する処理であり、以下バーチャルサラウンドにより実現される音場モードを「VSモード」、プロロジック2により実現される音場モードを「PL2モード」と言うことにする。
強調処理部193は、センタスピーカ131からの音声出力を他のスピーカからの音声出力よりも強調する機能を有し、例えば、センタスピーカ131から出力される音声信号のみを増幅するセンタ強調処理、センタスピーカ131から出力される音声信号を増幅すると共に、他のスピーカから出力される音声信号を減幅するバランス調整処理が行われる。このセンタスピーカ131からの音声出力を他のスピーカから音声出力よりも強調する音場モードを「声強調モード」と言うことにする。
イコライザ処理部194は、周波数帯域毎に、ゲインを増減して音質をコントロールする機能を有し、フロントスピーカ129、130の指向性による周波数特性を補正する指向性補正処理を行うと共に、低音を増幅する低音増強処理を行う。
ボリューム124はシステムコントローラ115の指示にしたがって各スピーカの音圧(音量)を制御する。
リモコン受光部116は、リモコン117からの操作信号(赤外線)を受信し、受信した操作信号を電気信号に変換してシステムコントローラ115に出力する。
メモリ118は、コンテンツ情報復号部111によって抽出されたコンテンツ情報が記憶されると共に、コンテンツのジャンルおよびチャンネル数に応じた音場モードが定義されている音場モードテーブルが記憶されている(後述の図9参照)。
HDMI受信用LSI110はHDMIケーブル6を介して受信した信号から映像信号と映像信号を分離再生し、映像信号をセレクタ108へ出力し、音声信号をセレクタ112へ出力する。
セレクタ108はシステムコントローラ115からの指示により映像復号部107からの映像信号、又はHDMI受信用LSI110からの映像信号のいずれか一方を選択して表示部109へ出力する。またセレクタ112はシステムコントローラ115からの指示により多重化復元部106からの音声信号、又はHDMI受信用LSI110からの音声信号のいずれか一方を選択して音声復号部120とデジタルオーディオインターフェース変調部113へ出力する。
デジタルオーディオインターフェース変調部113はセレクタ112から入力した音声データを光ケーブル伝送用信号に変調して発光素子114に出力する。発光素子114はデジタルオーディオインターフェース変調部113からの信号に応じて発光し、この光は光ケーブル18によりオーディオ機器2に向けて伝送される。
また、双方向インターフェース回路133がシステムコントローラ115とHDMIケーブル6のCECラインとの間に備わり、送受信される信号の双方向バッファ回路を構成する。
EDID−ROM134には、テレビ受信機1の映像表示仕様や音声出力仕様が記憶されており、HDMIケーブル6、9のDDCラインを介してオーディオ機器2やレコーダ5にこれらの映像表示仕様又は音声出力仕様情報を伝達する。図示はしていないが、HDMI端子にはホットプラグ検出端子が備わっているので、HDMI端子が接続されたときにホットプラグ検出機能を使用してこれらの映像表示仕様又は音声出力仕様情報がオーディオ機器2あるいはレコーダ5に伝達される。
また、本実施の形態のオーディオ機器2は、システムコントローラ156と、セレクタ142と、音声復調部143と、オーディオ制御部144と、ボリューム147と、アンプ148〜151と、左右のフロントスピーカ152、153と、センタスピーカ154と、サブウーファ155と、HDMI受信用LSI150と、HDMI送信用LSI160と、受光素子140と、デジタルオーディオインターフェース復調部141と、双方向インターフェース回路157と、EDID−ROM158を具備している。
光ケーブル18を介して発光素子114からの音声信号がオーディオ機器2の受光素子140に入力されると、受光素子140は光信号を電気信号に変換して、デジタルオーディオインターフェース復調部141に出力する。デジタルオーディオインターフェース復調部141は光伝送用に変調された信号を復調し、該復調された信号はセレクタ142を介して音声復調部143に入力されて音声信号として復調される。復調された音声信号はオーディオ制御部144に入力される。
オーディオ制御部144に入力された音声信号はオーディオ制御部144によって加工された後、ボリューム147を介してアンプ148〜151で増幅され、左右のフロントスピーカ152、153と、センタスピーカ154と、サブウーファ155とから音声出力される。ボリューム147はシステムコントローラ156の指示にしたがって各スピーカの音圧を制御する。
オーディオ制御部144は、音声復調部143によって復調された音声信号に加工を施す音質調整手段であり、チャンネル数変換処理部181と、音場変更処理部182と、強調処理部183と、イコライザ処理部184とからなる。
チャンネル数変換処理部181は、音声復調部143によって復調された音声信号のチャンネル数を変換する機能を有し、チャンネル数変換処理として、例えば、5.1chの音声信号を3.1ch又は1chに、2chの音声信号を1chに、3.1chの音声信号を1chにそれぞれ変換するダウンミックス処理、5.1chの音声信号を3.1ch又は2chに変換するバーチャルサラウンド処理、2chの音声信号を3.1ch又は5.1chに変換するマトリクスデコード処理、1chの音声信号を2chに変換するステレオ変換処理を行う。
音場変更処理部182は、音場、すなわちリスニング環境を変更する機能を有し、例えば、後方にスピーカが存在しないにもかかわらず、あたかも後方に音源があるかのように感じるバーチャルサラウンド処理、仮想的なスピーカ位置をスピーカの外側に移動させるスピーカ位置変更処理などを行う。
チャンネル数変換処理部181と音場変更処理部182による処理は、前述のチャンネル数変換処理部191、音場変更処理部192と同様に「VSモード」、「PL2モード」などの各音場モードを実現するための処理である。
強調処理部183による処理は、強調処理部193と同様に「声強調モード」を実現するための処理である。
イコライザ処理部184は、イコライザ処理部194と同様に、周波数帯域毎に、ゲインを増減して音質をコントロールする機能を有し、フロントスピーカ152、153の指向性による周波数特性を補正する指向性補正処理を行うと共に、低音を増幅する低音増強処理を行う。
また、双方向インターフェース回路157がシステムコントローラ156とHDMIケーブル6、9のCECラインとの間に備わり、送受信される信号の双方向バッファ回路を構成する。
また、EDID−ROM158には、オーディオ機器2の音声出力仕様が記憶されており、HDMIケーブル6、9のDDCラインを介してテレビ受信機1やレコーダ5にこの音声出力仕様情報を伝達する。図示はしていないが、HDMI端子にはホットプラグ検出端子が備わっているので、HDMI端子が接続されたときにホットプラグ検出機能を使用してこれらの映像表示仕様や音声出力仕様情報がテレビ受信機1あるいはレコーダ5に伝達される。
HDMI受信用LSI159は、HDMIケーブルを介して受信したレコーダ5からの映像信号と映像信号を分離再生し、映像信号をHDMI送信用LSI160へ出力し、音声信号をHDMI送信用LSI160とセレクタ142へ出力する。
また、HDMI送信用LSI160はHDMI受信用LSI159から入力した映像信号と音声信号をHDMIケーブル6のTMDSチャンネル167を介してテレビ受信機1のHDMI受信用LSI110に出力する。HDMI送信用LSI160からHDMI受信用LSI110に出力される信号は、図4に示したようにHDMI規格に基づいた信号(TMDSリンクといわれる映像、音声、クロック信号)とされて送信される。
セレクタ142はシステムコントローラ156からの指示によりデジタルオーディオインターフェース復調部141からの音声信号、又はHDMI受信用LSI159からの音声信号のいずれか一方を選択して音声複合部143へ出力する。
また、本実施の形態のレコーダ5は、システムコントローラ172と、HDMI送信用LSI171を具備している。HDMI送信用LSI171はシステムコントローラ172の指示に従い、レコーダ5内部の記憶手段に記憶した映像データ、HDMI送信用LSI171からオーディオ機器2のHDMI受信用LSI159に向けて映像信号と音声データを送信する。また、システムコントローラ172は、図示されていないホットプラグ検出機能を使用して、テレビ受信機1のEDID−ROMに記憶された映像表示仕様、音声出力仕様、あるいはオーディオ機器2のEDID−ROMに記憶された音声出力仕様のデータをDDCライン166を通して読み取ることができる。また、システムコントローラ172はCECライン165を通してテレビ受信機1又はオーディオ機器2のシステムコントローラ115、156と制御信号の授受ができるようになっている。図示していないがレコーダ内部では、CECラインには双方向バッファ、DDCラインにはEDIDーROMがテレビ受信機1の双方向インターフェイス回路133やEDIDーROM134と同様の構成で接続されている。
次に、ユーザによって操作されるリモコン117からの指令により、テレビ受信機1が放送局からの放送番組を受信してテレビ受信機1の表示部109で映像表示し、オーディオ機器2のスピーカ152〜155から音声出力する場合の、映像信号、音声信号、及び制御信号の流れを、図7にしたがって説明する。図7は図6に示した構成図と同じである。
オーディオ機器2の音声出力仕様は、テレビ受信機1がオーディオ機器2にHDMIケーブル6を介して接続された際、システムコントローラ115によりEDID−ROM158の音声出力仕様データが読み取られて、予めメモリ118に記憶されている。
まず、テレビ受信機1はアンテナ104からの放送番組を受信できる状態にあるとする。
ユーザがリモコンを操作して、テレビ受信機1が放送局からの放送番組を受信して映像をテレビ受信機1の表示部109で表示し、音声をオーディオ機器2のスピーカ152〜155から出力するように切り替えるよう指示すると、リモコン117からの指令を受け取ったシステムコントローラ115は、映像復号部107の信号を選択するようにセレクタ108を切り替える。また、多重化復元部106からの信号を選択するようにセレクタ112を切り替える。また、ボリューム124のゲインを0として音声出力がスピーカ129〜132から出力されないように処理する。なお、このときオーディオ制御部121は動作を停止するとよい。
また、システムコントローラ115は、CECラインを通してシステムコントローラ156に音声をオーディオ機器2のスピーカ152〜155から出力するよう指示する。この指令を受け取ったシステムコントローラ156はセレクタ142をデジタルオーディオインターフェース復調部141の信号を選択するように切り替え、また、システムコントローラ115からCECライン169を通して送られてくる放送番組のジャンルと入力チャンネル数に応じて、最適な音場モードになるようにオーディオ制御部144の処理構成を切り替える。
したがって、映像復号部107で復号された映像信号はセレクタ108により選択されて表示部109に送られ、これにより表示部109は放送番組の映像を表示する。この映像信号は図7の実線(イ)で示した信号の流れで示される。
また、コンテンツ情報復号部111で抽出されたジャンルがシステムコントローラ115に出力される。コンテンツ情報復号部111は、多重化復元部106から入力された付加情報を復号化すると共に、復号化された付加情報からジャンルを抽出してシステムコントローラ115に出力される。また、多重化復元部106からの音声信号はセレクタ112により選択されて音声復号部120とデジタルオーディオインターフェース変調部113に出力される。
そして音声復号部120によって音声信号の入力チャンネル数が復号化される。システムコントローラ115は、放送番組のジャンルをコンテンツ情報復号部111から読み取り、また、チャンネル数を音声復号部120から読み取る。システムコントローラ115は、読み取った放送番組のジャンルと入力チャンネル数に応じた信号をオーディオ機器2のシステムコントローラ156に送る。この指令は図7の一点鎖線(ロ)で示した信号の流れで示される。
この放送番組のジャンルと入力チャンネル数に応じた信号を受けたシステムコントローラ156は、オーディオ制御部144に対して、放送番組のジャンルと入力チャンネル数に最適な音場モードを実現するように、オーディオ機器2の出力チャンネル数と音場モードの変更処理を行う。
セレクタ112から出力された音声信号はデジタルオーディオインターフェース変調部113にも出力されているので、この音声信号は、デジタルオーディオインターフェース変調部113、発光素子114、光ケーブル18、受光素子140、デジタルオーディオインターフェース復調部141に伝送される。セレクタ142はデジタルオーディオインターフェース復調部141からの信号を選択し音声復調部143に送る。オーディオ制御部144は既に放送番組のジャンルと入力チャンネル数に最適な音場モードを実現する処理構成に切り替えられているので、オーディオ制御部144により加工が施された音声信号を基にスピーカ152〜155から出力される。この音声信号は図7の点線(ハ)で示した信号の流れで示される。
スピーカ152〜155から出力される音声は、放送番組のジャンルと入力チャンネル数に応じた最適な音場モードを実現する。
次に、ユーザによって操作されるリモコン117からの指令により、レコーダ5の録画番組の映像信号を基にテレビ受信機1で映像表示し、レコーダ5の録画番組の音声信号を基にオーディオ機器2で音声出力する場合の、映像信号、音声信号、及び制御信号の流れを、図8にしたがって説明する。図8は図6に示した構成図と同じである。
オーディオ機器2の音声出力仕様は、レコーダ5がオーディオ機器2にHDMIケーブル9を介して接続された際、システムコントローラ172によりEDID−ROM158の音声出力仕様データが読み取られて、予めシステムコントローラ172の記憶手段に記憶されている。
まず、レコーダ5は放送番組を録画しているとする。このとき、録画情報として放送番組のジャンル情報も記録されている。
ユーザがリモコンを操作して、レコーダ5の映像信号を基にテレビ受信機1で映像表示し、レコーダ5の音声信号を基にオーディオ機器2で音声出力するように切り替えるようシステムコントローラ115に指示すると、リモコン117からの指令を受け取ったシステムコントローラ115は、HDMI受信用LSI110の映像信号を選択するようにセレクタ108を切り替える。また、ボリューム124のゲインを0として音声出力がスピーカ129〜132から出力されないように処理する。
なお、このときテレビ受信機1の放送受信部(チューナ105と、多重化復元部106と、映像復号部107、コンテンツ情報復号部111、)、音声処理部(音声復号部120、オーディオ制御部121、デジタルオーディオインターフェース変調部113、発光素子114)は動作を停止するとよい。
また、システムコントローラ115は、HDMIケーブル6のCECライン169を通してシステムコントローラ156にレコーダ5からの音声信号をオーディオ機器2のスピーカ152〜155で再生するよう指示する。この指令を受け取ったシステムコントローラ156はHDMI受信用LSI159の音声信号を選択するようにセレクタ142を切り替える。また、レコーダ5からHDMIケーブル9のCECライン165を通して送られてくる放送番組のジャンルと入力チャンネル数に応じて、最適な音場モードになるようにオーディオ制御部144の処理構成を切り替える。
したがって、レコーダ5のHDMI送信用LSI171、オーディオ機器2のHDMI受信用LSI159、HDMI送信用LSI160、テレビ受信機1のHDMI受信用LSI110を介して送られた映像信号はセレクタ108により選択されて表示部109に送られ、これにより表示部109は放送番組の映像を表示する。この映像信号の流れは図8の実線(ニ)で示される。
また、システムコントローラ172で抽出されたジャンルとチャンネル数の情報がオーディオ機器2のシステムコントローラ156に出力される。この制御信号の流れは図8の一点鎖線(ホ)で示される。この放送番組のジャンルと入力チャンネル数に応じた信号を受けたシステムコントローラ156は、オーディオ機器2の出力チャンネル数と音場モードの変更処理を行い、録画番組のジャンルと入力チャンネル数に最適な音場モードを実現するように処理構成を切り替える。
レコーダ5のHDMI送信用LSI171、オーディオ機器2のHDMI受信用LSI159を介してセレクタ142に入力された音声信号は、セレクタ142で選択されて音声復調部143に送られる。オーディオ制御部144は既に放送番組のジャンルと入力チャンネル数に最適な音場モードを実現する処理構成に切り替えられているので、オーディオ制御部144により加工が施された音声信号を基にスピーカ152〜155から出力される。この音声信号の流れは図8の点線(ヘ)で示される。スピーカ152〜155から出力される音声は、録画番組のジャンルと入力チャンネル数に応じた最適な音場モードを実現する。
次に、処理構成を、ジャンルと入力チャンネル数に応じた最適な音場モードを実現するためのオーディオ制御部121、144の処理構成、及びその処理変更について説明する。
図9は、入力チャンネル数とジャンルにより音場モードを決めるための音場モードテーブルである。
図9に示したように、入力チャンネル数が5.1chでジャンルが映画、スポーツ、アニメ/特撮のときには音場モードが「VSモード」となり、入力チャンネル数が5.1chでジャンルが音楽、劇場/公演、ドラマ、バラエティのときには「ピュア再生モード」となり、入力チャンネル数が5.1chでジャンルがニュース/報道、情報/ワイドショー、ドキュメンタリ/教養、趣味/教育、福祉のときには「声強調モード」となり、入力チャンネル数が2chでジャンルが映画のときには音場モードが「PL2→VSモード」(→印はPL2処理の後にVS処理が行われることを示す)となり、入力チャンネル数が2chでジャンルがドラマ、バラエティ、スポーツ、アニメ/特撮のときには音場モードが「PL2モード」となり、入力チャンネル数が2chでジャンルが音楽、劇場/公演のときには音場モードが「ピュア再生」又は「OFFモード」となり、入力チャンネル数が2chでジャンルがニュース/報道、情報/ワイドショー、ドキュメンタリ/教養、趣味/教育、福祉のときには音場モードが「声強調モード」となり、入力チャンネル数が1chでジャンルが音楽、劇場/公演のときには音場モードが「ピュア再生モード」となり、入力チャンネル数が1chでジャンルが映画、ドラマ、バラエティ、スポーツ、アニメ/特撮、ニュース/報道、情報/ワイドショー、ドキュメンタリ/教養、趣味/教育、福祉のときには音場モードが「声強調モード」となる。図9で示した音場モードテーブルは、一例であって、その他の対応関係とすることもできる。5.1ch、1chのOFFモードでジャンルが空欄になっている部分にもジャンルを割り振ることは可能である。
本実施の形態では、この音場モードテーブルがメモリ118に記憶されており、再生する番組のコンテンツ情報からジャンルと入力チャンネル数を抽出し、この音場モードテーブルを参照して、抽出されたジャンルと入力チャンネル数に応じた音場モードが実現されるようにオーディオ制御部121あるいは144の処理構成が切り替えられる。
図10、図11は、図9の各音場モードを実現するオーディオ制御部121あるいは144の処理を概念的にブロックで示したもので、入力チャンネル信号(LS、L、R、C、RS)入力部から出力チャンネル信号(L、R、C、LFE)出力部までの音声信号変換処理が示されている。図10は5.1ch入力時、図11は2ch又は1ch入力時の処理概念図である。図10、図11に示したオーディオ制御部121(あるいは144)は入力チャンネル数に応じて内部の構成が制御的に変更されるものであり、ハードウェア的には同じものである。
図10、図11において、LSは左サラウンドチャンネルの音声信号、Lは左チャンネルの音声信号、Cはセンタチャンネルの音声信号、Rは右チャンネルの音声信号、RSは右サラウンドチャンネルの音声信号、LFEは低音(20Hz〜120Hz)の効果音の音声信号である。以下の説明で、符号LS、L、R、C、RSを各処理ブロックの入出力に共通に使用するが、各処理ブロックに入力される各音声信号をLS入力信号、L入力信号、R入力信号、C入力信号、RS入力信号と記載し、各処理ブロックから出力される各音声信号をLS出力信号、L出力信号、R出力信号、C出力信号、RS出力信号と記載する。また、音声出力用スピーカとしてオーディオ制御部121(あるいは144)のL出力信号が入力される左スピーカ、オーディオ制御部121(あるいは144)のR出力信号が入力される右スピーカ、オーディオ制御部121(あるいは144)のC出力信号が入力されるセンタスピーカの3チャンネル、及び付加的にオーディオ制御部121(あるいは144)のLFE出力信号が入力される低音用サブウーハスピーカを想定している。
図10において、201はバーチャルサラウンド処理ブロック(以下、VS処理ブロックという)である。また、203は低音の音声信号を合成する処理ブロック(以下、BASS処理ブロックという)である。208、209は信号遅延回路(delay)であり、LS、L、R、C、RSの各信号が直接信号遅延回路208の入力部に達するタイミングに対し、VS処理ブロック201を通過したL、R、Cの各信号が信号遅延回路209の入力部に達するタイミングは時間的にずれがあるので、これらの信号タイミングが合うように調整して出力する信号遅延回路である。また、206は音声信号を所定のゲインで混合する処理ブロック(以下、Mixer処理ブロックという)である。
Mixer処理ブロック206は、信号の大きさを調整するゲイン調整部L1〜L8、C1〜C8、R1〜R8と、ゲイン調整部L1〜L8から出力された信号の和をとる加算器212、ゲイン調整部C1〜C8から出力された信号の和をとる加算器213、ゲイン調整部R1〜R8から出力された信号の和をとる加算器214を備えている。
BASS処理ブロック203は、加算器212、213、214の出力信号の和をとる加算器215を備えている。
図11は、2ch入力時及び1ch入力時の処理を示したもので、2ch入力時はL信号とR信号が入力され、1ch入力時はC信号(点線で示す)が入力される。
図11において、207はプロロジック2処理ブロック(以下、PL2処理ブロックという)、202はVS処理ブロックである。また、205はセレクタであり、PL2処理ブロック207のL、C、R出力信号、又はVS処理ブロック202のL、C、R出力信号のいずれか一方を選択して通過させる。すなわち、「PL2モード」のときセレクタ205はPL2処理ブロック207からの音声信号を通過させVS処理ブロック202からの音声信号を遮断する。また「PL2→VSモード」のときセレクタ205はVS処理ブロック202からの音声信号を通過させPL2処理ブロック207からの音声信号を遮断する。なお、「PL2→VSモード」のときはPL2処理ブロック207においてプロロジック2のLS、L、C、R、RS出力信号が生成され、更VS処理ブロック202でバーチャルサラウンドL、C、R出力信号が生成されるようにオーディオ制御部121(又は144)が構成される。
また、210、211は信号遅延回路(delay)であり、L、R、又はCの各信号が直接信号遅延回路210の入力部に達するタイミングに対し、PL2処理ブロック207及びセレクタ205を通過したL、R、Cの各信号、あるいはPL2処理ブロック207、VS処理ブロック202及びセレクタ205を通過したL、R、Cの各信号が信号遅延回路211の入力部に達するタイミングは時間的にずれがあるので、これらの信号タイミングが合うように調整して出力する信号遅延回路である。その他、図10と同じ符号は同じものを示している。
なお、VS処理ブロック201、VS処理ブロック202、PL2処理207ブロックは内部の処理について図示を省略してある。例えば、VS処理ブロック201、202のバーチャルサラウンド処理はクロストークキャンセル処理を行うので入力信号LS、L、R、C、RSを複雑に組み合わせて処理するが、これらについては表現されていない。VS処理ブロック201、202はバーチャルサラウンドの音場モードを実現する処理ブロックであり、従来より提案されている種々の方式(例えば特開平8−146974号公報、特開平9−46800号公報、特開平10−66198号公報などを参照)を適用することができる。また、PL2処理ブロック207はドルビー・サラウンド・プロロジック2(登録商標)の音場モードを実現する処理ブロックである。これらVS処理ブロック、PL2処理ブロックの処理内容は既知の技術なので詳細説明は省略する。
図12、図13、図14は各入力チャンネル数で実現される各音場モードにおける、Mixer処理ブロック206のゲイン調整部L1〜L8、C1〜C8、R1〜R8の各ゲインを示している。
図12は5.1ch入力時のVSモード、ピュア再生モード/声強調モード、OFFモードにおけるゲイン調整部L1〜L8、C1〜C8、R1〜R8の各ゲインを示している。
5.1ch入力時VSモードのときは、Mixer処理ブロック206のゲイン調整部のゲインがL6=1、C7=1、R8=1でありその他は全て0である。このとき、ゲイン調整部L1〜L5、C1〜C5、R1〜R5のゲインが全て0であるから、信号遅延回路208からの信号はMixer処理ブロック206を通過しない。
また、信号遅延回路209から出力されたL出力信号に対しMixer処理ブロック206のゲイン調整部のゲインがL6=1、C6=0、R6=0となっているので、VS処理ブロック201のL出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部L6(ゲイン1)、加算器212を通り、オーディオ制御部121(あるいは144)のL出力信号となる。
また、信号遅延回路209から出力されたC出力信号に対しMixer処理ブロック206のゲイン調整部のゲインがL7=0、C7=1、R7=0となっているので、VS処理ブロック201のC出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部C7(ゲイン1)、加算器213を通り、オーディオ制御部121(あるいは144)のC出力信号となる。
また、信号遅延回路209から出力されたR出力信号に対しMixer処理ブロック206のゲイン調整部のゲインがL8=0、C8=0、R8=1となっているので、VS処理ブロック201のR出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部R8(ゲイン1)、加算器214を通り、オーディオ制御部121(あるいは144)のR出力信号となる。
このように、オーディオ制御部121(あるいは144)の構成が調整されることにより、オーディオ制御部121(あるいは144)に入力されたLS、L、R、C、RSの各音声信号は、VS処理ブロック201によりバーチャルサラウンドの処理をされてオーディオ制御部121(あるいは144)から3.1chのバーチャルサラウンドL、R、C、及びLFEの各音声信号として出力される。
5.1ch入力時ピュア再生モードのときは、Mixer処理ブロック206のゲイン調整部のゲインがL1=1/√2、L2=1、C3=1、R4=1、R5=1/√2でありその他は全て0である。このとき、ゲイン調整部L6〜L8、C6〜C8、R6〜R8のゲインが全て0であるから、信号遅延回路209からの信号はMixer処理ブロック206を通過しない。
また、信号遅延回路208のLS出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部L1に入力されて1/√2倍され、信号遅延回路208のL出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部L2に入力されて1倍され、その後ゲイン調整部L1とL2の信号は加算器212で加算されオーディオ制御部121(あるいは144)のL出力信号となる。
また、信号遅延回路208のC出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部C3に入力されて1倍された後加算器213を通りオーディオ制御部121(あるいは144)のC出力信号となる。
また、信号遅延回路208のRS出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部R5に入力されて1/√2倍され、信号遅延回路208のR出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部R4に入力されて1倍され、その後ゲイン調整部R5とR4の信号は加算器214で加算されオーディオ制御部121(あるいは144)のR出力信号となる。
5.1ch入力時声強調モードのときは、Mixer処理ブロック206のゲイン調整部のゲインがL1=1/√2*1/√2、L2=1*1/√2、C3=1、R4=1*1/√2、R5=1/√2*1/√2でありその他は全て0である。このとき、ゲイン調整部L6〜L8、C6〜C8、R6〜R8のゲインが全て0であるから、信号遅延回路209からの信号はMixer処理ブロック206を通過しない。
また、信号遅延回路208のLS出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部L1で1/√2*1/√2倍され、信号遅延回路208のL出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部L2で1/√2倍され、その後ゲイン調整部L1とL2の信号は加算器212で加算されてオーディオ制御部121(あるいは144)のL出力信号が得られる。
また、信号遅延回路208のC出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部C3(ゲイン1)、加算器213を通ることによりオーディオ制御部121(あるいは144)のC出力信号が得られる。
また、信号遅延回路208のRS出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部R5で1/√2*1/√2倍され、信号遅延回路208のR出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部R4で1/√2倍され、その後ゲイン調整部R5とR4の信号は加算器214で加算されてオーディオ制御部121(あるいは144)のR出力信号が得られる。
5.1ch入力時OFFモードのときは、Mixer処理ブロック206のゲイン調整部のゲインがL1=1/√2*1/√2、L2=1、L3=1*1/√2、R3=1/√2、R4=1R、5=1/√2でありその他は全て0である。このとき、ゲイン調整部L6〜L8、C6〜C8、R6〜R8のゲインが全て0であるから、信号遅延回路209からの信号はMixer処理ブロック206を通過しない。
また、信号遅延回路208のLS出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部L1で1/√2倍され、信号遅延回路208のL出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部L2で1倍され、信号遅延回路208のC出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部L3で1/√2倍され、その後ゲイン調整部L1、L2及びL3の信号は加算器212で加算されてオーディオ制御部121(あるいは144)のL出力信号が得られる。
また、信号遅延回路208のRS出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部R5で1/√2倍され、信号遅延回路208のR出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部R4で1倍され、信号遅延回路208のC出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部R3で1/√2倍され、その後ゲイン調整部R5、R4及びR3の信号は加算器214で加算されてオーディオ制御部121(あるいは144)のR出力信号が得られる。
図13は2ch入力時の声強調モード、PL2モード、ピュア再生モード、PL2→VSモードにおけるゲイン調整部L1〜L8、C1〜C8、R1〜R8の各ゲインを示している。
2ch入力時声強調モードのときは、Mixer処理ブロック206のゲイン調整部のゲインがL2=0.25、C2=0.5、C4=0.5、R4=0.25でありその他は全て0である。このとき、ゲイン調整部L6〜L8、C6〜C8、R6〜R8のゲインが全て0であるから、信号遅延回路211からの信号はMixer処理ブロック206を通過しない。
また、信号遅延回路210のL出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部L2に入力され0.25倍された後加算器212を通りオーディオ制御部121(あるいは144)のL出力信号となる。
また、信号遅延回路210のL出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部C2に入力されて0.5倍され、信号遅延回路210のR出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部C4に入力されて0.5倍され、その後ゲイン調整部C2とC4の信号は加算器213で加算されオーディオ制御部121(あるいは144)のC出力信号となる。
また、信号遅延回路210のR出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部R4に入力され0.25倍された後加算器214を通りオーディオ制御部121(あるいは144)のR出力信号となる。
2ch入力時PL2モードのときは、選択回路205がPL2処理ブロック207のL、C、R出力信号を選択し、VS処理ブロック202のL、C、R出力信号を遮断する。また、Mixer処理ブロック206のゲイン調整部のゲインがL6=1、C7=1、R8=1でありその他は全て0である。このとき、ゲイン調整部L1〜L5、C1〜C5、R1〜R5のゲインが全て0であるから、信号遅延回路210からの信号はMixer処理ブロック206を通過しない。
また、信号遅延回路211から出力されたL出力信号に対しMixer処理ブロック206のゲイン調整部のゲインがL6=1、C6=0、R6=0となっているので、PL2処理ブロック207のL出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部L6(ゲイン1)、加算器212を通り、オーディオ制御部121(あるいは144)のL出力信号となる。
また、信号遅延回路211から出力されたC出力信号に対しMixer処理ブロック206のゲイン調整部のゲインがL7=0、C7=1、R7=0となっているので、PL2処理ブロック207のC出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部C7(ゲイン1)、加算器213を通り、オーディオ制御部121(あるいは144)のC出力信号となる。
また、信号遅延回路211から出力されたR出力信号に対しMixer処理ブロック206のゲイン調整部のゲインがL8=0、C8=0、R8=1となっているので、PL2処理ブロック207のR出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部R8(ゲイン1)、加算器214を通り、オーディオ制御部121(あるいは144)のR出力信号となる。
2ch入力時PL2モードのときは、このようにオーディオ制御部121(あるいは144)の構成が調整されることにより、オーディオ制御部121(あるいは144)に入力された2chのL、R入力信号が、PL2処理ブロック207によりプロロジック2のサラウンド処理がなされてオーディオ制御部121(あるいは144)からドルビー・サラウンド・プロロジック2の音場を実現する3.1chのL、R、C、及びLFE信号として出力される。
2ch入力時ピュア再生モードのときは、Mixer処理ブロック206のゲイン調整部のゲインがL2=1、R4=1でありその他は全て0である。このとき、ゲイン調整部L6〜L8、C6〜C8、R6〜R8のゲインが全て0であるから、信号遅延回路211からの信号はMixer処理ブロック206を通過しない。
また、信号遅延回路210から出力されたL出力信号がゲイン調整部L2(ゲイン1)、加算器212を通り、オーディオ制御部121(あるいは144)のL出力信号となる。
また、信号遅延回路210から出力されたR出力信号がゲイン調整部R4(ゲイン1)、加算器214を通り、オーディオ制御部121(あるいは144)のR出力信号となる。
2ch入力時PL2→VSモードのときは選択回路205がVS処理ブロック202のL、C、R出力信号を選択し、PL2処理ブロック207のL、C、R出力信号を遮断する。また、L6=1、C7=1、R8=1でありその他は全て0である。このとき、Mixer処理ブロック206のゲイン調整部L1〜L5、C1〜C5、R1〜R5のゲインが全て0であるから、信号遅延回路210からの信号はMixer処理ブロック206を通過しない。
また、信号遅延回路211から出力されたL出力信号に対しL6=1、C6=0、R6=0となっているので、VS処理ブロック202のL出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部L6(ゲイン1)、加算器212を通り、オーディオ制御部121(あるいは144)のL出力信号となる。
また、信号遅延回路211から出力されたC出力信号に対しL7=0、C7=1、R7=0となっているので、VS処理ブロック202のC出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部C7(ゲイン1)、加算器213を通り、オーディオ制御部121(あるいは144)のC出力信号となる。
また、信号遅延回路211から出力されたR出力信号に対しL8=0、C8=0、R8=1となっているので、VS処理ブロック201のR出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部R8(ゲイン1)、加算器214を通り、オーディオ制御部121(あるいは144)のR出力信号となる。
2ch入力時PL2→VSモードのときは、このようにオーディオ制御部121(あるいは144)の構成が調整されることにより、オーディオ制御部121(あるいは144)に入力された2chのL、R入力信号が、PL2処理ブロック207によりプロロジック2のサラウンド処理がなされてVS処理ブロック202に入力され、更にVS処理ブロック202によりバーチャルサラウンドの処理がなされてオーディオ制御部121(あるいは144)から3.1chのバーチャルサラウンドL、R、C、及びLFE信号として出力される。
図14は1ch入力時の声強調モード、ピュア再生モード、OFFモードにおけるゲイン調整部L1〜L8、C1〜C8、R1〜R8の各ゲインを示している。
1ch入力時声強調モードのときは、Mixer処理ブロック206のゲイン調整部のゲインがL3=0.25、C3=1、R3=0.25でありその他は全て0である。このとき、ゲイン調整部L6〜L8、C6〜C8、R6〜R8のゲインが全て0であるから、信号遅延回路211からの信号はMixer処理ブロック206を通過しない。
また、信号遅延回路210から出力されたC出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部L3を通り0.25倍されオーディオ制御部121(あるいは144)のL出力信号として得られる。
また、信号遅延回路210から出力されたC出力信号はゲイン調整部C3(ゲイン1)を通りオーディオ制御部121(あるいは144)のC出力信号として得られる。
また、信号遅延回路210から出力されたC出力信号はゲイン調整部R3を通り0.25倍されオーディオ制御部121(あるいは144)のR出力信号として得られる。
1ch入力時ピュア再生モードのときは、Mixer処理ブロック206のゲイン調整部のゲインがC3=1でありその他は全て0である。このとき、ゲイン調整部L6〜L8、C6〜C8、R6〜R8のゲインが全て0であるから、信号遅延回路211からの信号はMixer処理ブロック206を通過しない。
また、信号遅延回路210から出力されたC出力信号がゲイン調整部C3(ゲイン1)を通り、オーディオ制御部121(あるいは144)のC出力信号となる。
1ch入力時ピュア再生モードのときは、このようにオーディオ制御部121(あるいは144)の構成が調整されることにより、オーディオ制御部121(あるいは144)に入力された1chのC入力信号が、オーディオ制御部121(あるいは144)のC出力信号となる。
1ch入力時OFFモードのときは、Mixer処理ブロック206のゲイン調整部のゲインがL3=1/√2、R3=1/√2でありその他は全て0である。このとき、ゲイン調整部L6〜L8、C6〜C8、R6〜R8のゲインが全て0であるから、信号遅延回路211からの信号はMixer処理ブロック206を通過しない。
また、信号遅延回路210から出力されたC出力信号がMixer処理ブロック206のゲイン調整部L3を通り1/√2倍されオーディオ制御部121(あるいは144)のL出力信号として得られる。
また、信号遅延回路210から出力されたC出力信号はゲイン調整部R3を通り1/√2倍されオーディオ制御部121(あるいは144)のC出力信号として得られる。
次に、音場モードを切り替えるときの制御を図15〜図17を参照して説明する。
図15は、5.1ch入力時、VSモードからピュア再生モードへ切り替える例を示したもので、Mixer処理ブロック206のゲイン調整部L1〜L8、C1〜C8、R1〜R8のゲインの変化過程を示している。これら音場モードの切り替え処理は、オーディオ制御部121、あるいは144で実行される。特にMixer206のゲイン調整部L1〜L8、C1〜C8、R1〜R8のゲイン設定は音場変更処理部192、あるいは182が実行する。
また、図16は、2ch入力時、PL2→VSモードからピュア再生モードへ切り替える例を示したもので、Mixer処理ブロック206のゲイン調整部L1〜L8、C1〜C8、R1〜R8のゲインの変化過程を示している。
また、図17は、1ch入力時、声強調モードからピュア再生モードへ切り替える例を示したもので、Mixer処理ブロック206のゲイン調整部L1〜L8、C1〜C8、R1〜R8のゲインの変化過程を示している。
図15〜図17では、ゲイン調整部L1〜L8、C1〜C8、R1〜R8のゲインを4段階で変化させた例であるが、これは一例であり、4段階に限らず任意の複数の段階に分けてゲインを徐々に変化させるようにすることができる。
また、図15〜図17では、ゲイン調整部L1〜L8、C1〜C8、R1〜R8のゲインを、4段階に亘って直線的に変化させている(変化前と変化後の間を4分割して補間し、直線的に変化させている)が、これは、音量を滑らかに連続的に変化させるためであり、曲線的に変化させてもよく、直線的な変化に限定されることはない。これら補間処理は音場変更処理部192、あるいは182が実行する。
また、図15〜図17では、5.1ch、2ch、1chの入力チャンネル数に対して、それぞれ1例ずつ挙げているが、図12〜図14に両方向矢印で示したものは、Mixer処理ブロック206のゲイン調整部L1〜L8、C1〜C8、R1〜R8のゲインを同様に変化させることで他の音場モードに切り替えることができる。
但し、図13の両方向矢印に×印で示した2ch入力時のPL2→VSモードとPL2モード間の切り替えは、これらの間を直接的に切り替えることができない。これは、PL2処理ブロック207の出力とVS処理ブロック202の出力をセレクタ205で切り替える制御が伴う為である。しかしながら、PL2→VSモードとPL2モードの間の切り替えは他の音場モードを経由して間接的に切り替えることができる。例えば「PL2→VSモード」→「ピュア再生モード」→「PL2モード」のように切り替えると、経由する「ピュア再生モード」はゲイン調整部L6〜L8、C6〜C8、R6〜R8のゲインが全て0であるから、この「ピュア再生モード」になった時点でセレクタ205を切り替えれば、異音を発生する様なことはない。
5.1ch入力時における、VSモードとピュア再生モード間の切り替え例を図15にしたがって説明する。
切り替え前をVSモード、切り替え後をピュア再生モードとすると、切り替え前のVSモードは、Mixer処理ブロック206のゲイン調整部L1〜L8、C1〜C8、R1〜R8のゲインがL6=1、C7=1、R8=1、その他は0であり、切り替え後のピュア再生モードは、Mixer処理ブロック206のゲイン調整部L1〜L8、C1〜C8、R1〜R8のゲインがL1=1/√2、L2=1、C3=1、R4=1、R5=1/√2、その他は0となっている。
切り替えの過渡期(図15の(1)〜(3))における各段階のゲインは、切り替えを4段階に分けて、各段階のゲインを変化前のゲインと変化後のゲインから直線補間して求める。例えば、ゲイン調整部L1について言えば、切り替え前(図15の(0))はL1=0、切り替え後(図15の(4))はL1=1/√2なので、第1段階(図15の(1))のL1は1/√2*1/4、第2段階(図15の(2))のL1は1/√2*2/4、第3段階(図15の(3))のL1は1/√2*3/4、そして最終的な切り替え完了の第4段階(図15の(4))のL1は1/√2となる。このように、他のゲインも各段階を補間して求めることができる。これら補間処理は音場変更処理部192、あるいは182が実行する。
2ch入力時における、PL2→VSモードとピュア再生モード間の切り替え例を図16にしたがって説明する。
切り替え前をPL2→VSモード、切り替え後をピュア再生モードとすると、切り替え前のPL2→VSモードは、Mixer処理ブロック206のゲイン調整部L1〜L8、C1〜C8、R1〜R8のゲインがL6=1、C7=1、R8=1、その他は0であり、切り替え後のピュア再生モードは、Mixer処理ブロック206のゲイン調整部L1〜L8、C1〜C8、R1〜R8のゲインがL2=1、R4=1その他は0となっている。
切り替えの過渡期(図16の(1)〜(3))における各段階のゲインは、切り替えを4段階に分けて、各段階のゲインを変化前のゲインと変化後のゲインから直線補間して求める。例えば、ゲイン調整部L2について言えば、切り替え前(図16の(0))はL2=0、切り替え後(図16の(4))はL2=1なので、第1段階(図16の(1))のL2は1/4、第2段階(図16の(2))のL2は2/4、第3段階(図16の(3))のL2は3/4、そして最終的な切り替え完了の第4段階(図16の(4))のL2は1となる。このように、他のゲインも各段階を補間して求めることができる。
1ch入力時における、声強調モードとピュア再生モード間の切り替え例を図17にしたがって説明する。
切り替え前を声強調モード、切り替え後をピュア再生モードとすると、切り替え前の声強調モードは、Mixer処理ブロック206のゲイン調整部L1〜L8、C1〜C8、R1〜R8のゲインがL3=0.25、C3=1、R3=0.25、その他は0であり、切り替え後のピュア再生モードは、Mixer処理ブロック206のゲイン調整部L1〜L8、C1〜C8、R1〜R8のゲインがC3=1、その他は0となっている。
切り替えの過渡期(図17の(1)〜(3))における各段階のゲインは、切り替えを4段階に分けて、各段階のゲインを変化前のゲインと変化後のゲインから直線補間して求める。例えば、ゲイン調整部L3について言えば、切り替え前(図17の(0))はL3=0.25、切り替え後(図17の(4))はL3=0なので、第1段階(図17の(1))のL3は0.25*3/4、第2段階(図17の(2))のL3は0.25*2/4、第3段階(図17の(3))のL3は0.25*1/4、そして最終的な切り替え完了の第4段階(図17の(4))のL3は0となる。このように、他のゲインも各段階を補間して求めることができる。これら補間処理は音場変更処理部192、あるいは182が実行する。
以上の説明から明らかなように、各音場モード間の切り替えは、切り替えを複数の段階に分けて、変化前のゲインと変化後のゲインから各段階のゲインを補間(直線補間、曲線補完)して求め、設定することにより、実施することができる。上記実施の形態の音場モード切り替えによれば、切り替え前から切り替え後に亘って、各スピーカから出力される音量が滑らかに、且つ連続的に変化するようにできる。
以上の実施の形態の説明では、オーディオ制御部121、144の制御で実現する各音場モードを、図9に示すようにしたが、本発明はこれには限定されない。また、入力チャンネル数やジャンルの情報をCECラインを通して伝達する例を説明したが、HDMIケーブルのTMDSチャンネルを利用して伝達することもできる。この場合には伝送先の音声復号部あるいは音声復調部によりこれらの情報を抽出するようにすれば良い。
以上、本実施の形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されず、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することができる。