JP2008065105A - 光モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体レーザと光ファイバが直接光結合され半導体レーザと光ファイバの間を透明樹脂により埋めてある状態で、半導体レーザの出射光を光ファイバへ導くための光結合効率を高めることができる光モジュールを提供する。
【解決手段】半導体レーザ10と光ファイバ30を直接光結合している光モジュールであり、半導体レーザ10と光ファイバ30の間を透明樹脂20により埋めて、室温よりも低温で半導体レーザ10を駆動して半導体レーザ10から出射光を発生することで、透明樹脂20の半導体レーザ10の光出射部近傍の屈折率を、透明樹脂20の光出射部近傍以外の部分の屈折率よりも高めることで半導体レーザ10の出射光を光ファイバ30に導く光導波路200が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、光モジュールに関し、特に半導体レーザと光ファイバが直接光結合され半導体レーザと光ファイバの間を透明樹脂により埋めてあり、半導体レーザの出射光を光ファイバへ導くための光結合効率を高めることができる光モジュールに関する。
半導体レーザと光ファイバを用いた光モジュールが、例えば光信号伝送用に開発されている。
(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−308358号公報
特許文献1に記載されている光モジュールでは、半導体レーザの発生する光が光ファイバの端部に対して、例えばレンズを介して入射できるようになっている。
ところで、本発明者は、半導体レーザが発生する光を光ファイバの端部に対してレンズを介さずに、半導体レーザと光ファイバを直接光結合して、半導体レーザと光ファイバの間を透明樹脂で埋めることを提案している。しかし、半導体レーザと光ファイバの間を単に透明樹脂で埋める構成であると、次のような現象が生じることがある。
本発明者は、半導体レーザの出力端での出射光出力が一定になるように半導体レーザを動作させた場合に、動作環境温度が−20℃では出射光出力が時間の経過とともに増大していくことを見いだした。このように出射光出力が時間の経過とともに増大するのは、半導体レーザに供給する入力電流値と出射光の波長は一定であり、半導体レーザ自体の劣化ではないことから、半導体レーザと光ファイバの間に配置された透明樹脂が、半導体レーザの出射光を光ファイバへ導くための光結合状態の変化による可能性が高い。
そこで、本発明は上記課題を解消するために、半導体レーザと光ファイバが直接光結合され半導体レーザと光ファイバの間を透明樹脂により埋めてある状態で、半導体レーザの出射光を光ファイバへ導くための光結合効率を高めることができる光モジュールを提供することを目的とする。
上記課題を解消するために、本発明の光モジュールは、半導体レーザと光ファイバが直接光結合する光モジュールであって、
前記半導体レーザと前記光ファイバの間を透明樹脂により埋めて、室温よりも低温の雰囲気で前記半導体レーザを駆動して前記半導体レーザから出射光を発生することで、前記透明樹脂の前記半導体レーザの光出射部近傍の第1部分の屈折率を、前記透明樹脂の前記光出射部近傍以外の第2部分の屈折率よりも高めることで前記半導体レーザの前記出射光を前記光ファイバに導く光導波路が形成されていることを特徴とする。本発明においては、室温は25℃である。
本発明の光モジュールは、好ましくは前記透明樹脂は、シリコーン樹脂であることを特徴とする。
本発明によれば、半導体レーザと光ファイバが直接光結合され半導体レーザと光ファイバの間を透明樹脂により埋めてある状態で、半導体レーザの出射光を光ファイバへ導くための光結合効率を高めることができる。
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の光モジュールの好ましい実施形態を示す断面図である。図1に示す光モジュールは、一例として光送受信モジュールであり、図1の例では出力光信号L1を送信し、入力光信号L2を受信することができる。
図1に示す光モジュール1は、概略的には本体部2とフェルール部3を有している。まず、本体部2の構造について説明する。
図1に示す本体部2は、基板5と、半導体レーザ10と、モニター用受光素子11と、受光部12と、透明樹脂20と、光ファイバ30などを有している。
基板5は、例えば金属リードフレーム材であり、基板5は絶縁性を有するベース部材6の上に配置されている。基板5の上には、発光部基板7と、受光した光信号処理部8が搭載されている。発光部基板7は例えばシリコン基板である。
発光部基板7の上には、半導体レーザ10とモニター用受光素子11が搭載されており、半導体レーザ10とモニター用受光素子11は、外部接続端子9を介して外部の回路に対して電気的に接続されている。
半導体レーザ10は、例えばFPLD(Fabry−Perot Laser Diode)、端面発光レーザ(Edge Emitting Laser)などのレーザダイオード(LD)チップを用いることができ、例えば1310nmの波長を有する出力光信号(上り信号)L1を出力する。モニター用受光素子11は、半導体レーザ10の発生する出力光信号L1の光出力をモニターしており、モニター用受光素子11は例えばフォトダイオードである。
図1に示す受光部12は、光ファイバ30を通じて入力された入力光信号L2を受光し、受光部12は例えばフォトダイオードである。光ファイバ30の途中には、WDM(波長分割多重)フィルタ21が配置されており、光ファイバ30を通じて入射されてきた入力光信号L2は、このフィルタ21により反射されて受光部12に入る。このフィルタ21は、出力光信号L1を通過させて、入力光信号L2を選択的に反射する機能を有する。入力光信号(下り信号)L2は、例えば1550nmあるいは1490nmの波長を有する。
図1に示す光ファイバ30は、光モジュール1内において光導波路を形成しており、例えば一心双方向通信用のシングルモード光ファイバ(SMF)の端部30Tに対して、別のハイデルタシングルモード光ファイバ39を融着して接続した構成である。
光ファイバ30のインデックス型マルチモード光ファイバ39の光入射端部31は、半導体レーザ10の光出射出部に対応して配置されている。光ファイバ30は、コア32とこのコア32の周囲を覆うクラッド33を有している。光ファイバ30は、樹脂成形体19のΩ型断面を有する溝部34内にはめ込まれており、光ファイバ30の光入射端部31は半導体レーザ10の光出射出部に対して高精度に位置決めして保持されている。
図1に示す透明樹脂20としては、例えばシリコーン樹脂を用いることができる。このシリコーン樹脂は、シロキサン結合を骨格とした高分子有機化合物(ポリマー)の総称であり、無色・無臭で撥水性がある。
図1に示すように、半導体レーザ10とモニター用受光素子11と光ファイバ30の一部分と受光部12は、透明樹脂20により、封止して保護されている。透明樹脂20にはさらに樹脂成形体19が配置されている。本体部2のホルダ50は、光ファイバ30の途中の部分とフェルール部3を保持している。フェルール部3は、2つのフェルール41,42とスリーブ43を有している。フェルール41は光ファイバ30の他端部36と、別の接続用の光ファイバ55の端部37を直接光接続している。
図1に示すように、光モジュール1は、発光部60と、光ファイバ保持部61と、出力端部62の各領域に分けることができる。発光部60は、半導体レーザ10とモニター用受光素子11を含む領域であり、光ファイバ保持部62は、光ファイバ30を透明樹脂20で保持している領域である。出力端部62は、ホルダ50とフェルール部3を含む領域である。
図2は、図1の光モジュール1の回路例を示している。
図2は、光ファイバ30と、半導体レーザ10とモニター用受光素子11と、受光部12と、入力光信号L2の処理部8と、レーザダイオードドライバ回路70を示している。
レーザダイオードドライバ回路70が半導体レーザ10に駆動用の電流を供給して半導体レーザ10を駆動すると、半導体レーザ10は出力光信号L1を発生して、光ファイバ30を通じて相手側に送られる。半導体レーザ10も発生した出力光信号L1は、モニター用受光素子11により受光されており、出力光信号L1の光信号出力をモニターすることで、レーザダイオードドライバ回路70は一定の光信号出力を有する出力光信号L1を出力する。
一方、受光側の入力光信号L2は、相手側から光ファイバ30を通じて送られてきて、フィルタ21により反射されてバンドパスフィルタ75を通った後に受光部12に入る。受光された入力光信号L2は、光信号処理部8により所定の処理が行われる。このバンドパスフィルタ75は、1480nm〜1500nmのみの波長を有する入力光信号を通す。
図3は、図1の部分Xを示す模式的な図である。部分Xは、半導体レーザ10と光ファイバ30のハイデルタシングルモード光ファイバ39の光入射端部31および透明樹脂20の一部分を示している。半導体レーザ10と光ファイバ30の間は透明樹脂20により埋めてあり、半導体レーザ10と光ファイバ30は透明樹脂20により封止されている。
図1に示す光モジュール1では、室温よりも低温の環境雰囲気下において、半導体レーザ10が駆動されて半導体レーザ10から出射光である出力光信号L1を発生することで、透明樹脂20の半導体レーザ10の光出射部100の近傍の第1部分120が変質して、Siの架橋密度が上がって硬くなる。
この第1部分120の樹脂密度の増加により、透明樹脂20の光出射部近傍の第1部分120の屈折率を、透明樹脂20の光出射部近傍100以外の第2部分130の屈折率よりも高めて、半導体レーザ10の出射光を光ファイバ30のハイデルタシングルモード光ファイバ39の光入射端部31に導く光導波路200が形成されている。本実施形態においては、室温は25℃である。
これにより、半導体レーザ10と光ファイバ30の光入射端部31のコア32の端面が透明樹脂20の光導波路200を通じて直接光結合されて、半導体レーザ10の出射光を光ファイバ30のハイデルタシングルモード光ファイバ39の光入射端部31へ導くための光結合効率を高めることができる。
すなわち、透明樹脂20の半導体レーザ10の光出射部100の近傍の第1部分120の樹脂密度を増加させることで、透明樹脂20の光出射部近傍の第1部分120は、光信号L1により変質された透明樹脂20の変質部と呼ぶことができるとともに、透明樹脂20の光出射部近傍100以外の第2部分130は透明樹脂20の未変質部と呼ぶことができる。この変質部の光の屈折率は未変質部の光の屈折率に比べて高く、この変質部と未変質部との間には光の屈折率差があることから、透明樹脂20は、この屈折率差を利用して半導体レーザ10の光出射部100と光ファイバ30の光入射端部31のコア32の端面の間に光導波路200を形成できる。
このように透明樹脂20では、半導体レーザ10の光出射部100と光ファイバ30の光入射端部31のコア32の端面の間の変質部の第1部分120が、それ以外の第2部分130に比べて高屈折率化が可能になるので、光モジュール1の置かれた雰囲気が室温よりも低温であれば、変質部(第1部分120)と未変質部(第2部分130)との屈折率差が大きくなり、透明樹脂20における光導波路を形成できる効果がある。
室温よりも低温で半導体レーザ10を駆動して、透明樹脂20に対して半導体レーザ10から出射光を発生することで、透明樹脂20が変質して、Siの架橋密度が上がって硬くなり光導波路効果が得られる。
図3における、半導体レーザ10と光ファイバ30の光入射端部31の距離Mは、例えば15μmである。半導体レーザ10の出力光信号L1の光出力は、例えば10mWである。
図4は、半導体レーザ10の光出射部100から出力される光信号L1のパワーが、時間が経過するのに伴って上昇していく例を示している。図4では、雰囲気温度(環境温度ともいう)が0℃、―20℃、−40℃の場合を示している。
本発明の実施形態の光モジュールは、半導体レーザ10と光ファイバ30を直接光結合している光モジュールである。半導体レーザ10と光ファイバ30の間を透明樹脂20により埋めて、室温よりも低温の雰囲気で半導体レーザ10を駆動して半導体レーザ10から出射光を発生することで、透明樹脂20の半導体レーザ10の光出射部近傍の樹脂密度を増加させて透明樹脂20の光出射部近傍の屈折率を、透明樹脂20の光出射部近傍以外の部分の屈折率よりも高めることで半導体レーザ10の出射光を光ファイバ30に導く光導波路が形成されている。室温よりも低温の雰囲気は、特に氷点下であると好ましい。
これにより、半導体レーザ10と光ファイバ30が直接光結合されて半導体レーザ10の出射光(出力光信号L1)を、光ファイバ30の光入射端部31のコア32の端面へ導くための光結合効率を高めることができる。
そして、本発明の光モジュールの透明樹脂は、シリコーン樹脂である。これにより透明樹脂は入手し易く、半導体レーザ10と光ファイバ30の間を容易に確実に埋めて封止できる。
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されず種々の変形例を採用できる。
例えば、図1に示す光モジュールの例では、光信号の送信と受信が可能な光送受信モジュールであるが、これに限らず、光モジュールは光信号を送信できる光送信モジュールであってもよい。
図1に示すに示す光モジュール1は、出力光信号L1を発生して光ファイバ30を通じて出力し、光ファイバ30を通じて入力された入力光信号L2を受光できる。しかし、これに限らず、図5に示すように、半導体レーザ10と光導波路としての光ファイバ30Aを備えており、半導体レーザ10と光ファイバ30を直接光結合していて、半導体レーザ10と光ファイバ30の間が透明樹脂20により埋めてあれば、本発明は適用できる。
また、透明樹脂20の種類は、シリコーンに限らず、他の種類を採用できる。
本発明の光モジュールの好ましい実施形態を示す断面図である。 図1の光モジュールの回路例を示す図である。 図1の部分Xを模式的に示す図である。 半導体レーザの光出射部から出力される光信号L1のパワーが、時間が経過するのに伴って上昇していく例を示す図である。 本発明の光モジュールの好ましい別の実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1 光モジュール
2 本体部
3 フェルール部
10 半導体レーザ
20 透明樹脂
30 光ファイバ
120 第1部分(透明樹脂の変質部)
130 第2部分(透明樹脂の未変質部)
200 光導波路

Claims (2)

  1. 半導体レーザと光ファイバが直接光結合する光モジュールであって、
    前記半導体レーザと前記光ファイバの間を透明樹脂により埋めて、室温よりも低温の雰囲気で前記半導体レーザを駆動して前記半導体レーザから出射光を発生することで、前記透明樹脂の前記半導体レーザの光出射部近傍の第1部分の屈折率を、前記透明樹脂の前記光出射部近傍以外の第2部分の屈折率よりも高めることで前記半導体レーザの前記出射光を前記光ファイバに導く光導波路が形成されていることを特徴とする光モジュール。
  2. 前記透明樹脂は、シリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。

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