JP2008062876A - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コラムに対する凹部加工が不要で、所望の衝撃エネルギー吸収特性が容易に得られ、コラプス移動ストロークの途中で衝撃エネルギー吸収特性を変化させることが容易なステアリング装置を提供する。
【解決手段】車両が衝突して、運転者がステアリングホイール103に二次衝突すると、アッパーコラム4がロアーコラム3に対して、車体前方側にコラプス移動する。エネルギー吸収部材6A、6B、6Cの小振幅波形押圧面62は、周期と振幅が一定に形成されている。従って、エネルギー吸収部材6A、6B、6Cに対するアッパーコラム4の外周面41の摩擦抵抗によって、アッパーコラム4のコラプスストロークの全ての領域で、一定のコラプス荷重F1が生じる。
【選択図】図3

Description

本発明はステアリング装置、特に、二次衝突時に運転者に加わる衝撃力を緩和するための衝撃エネルギー吸収機構を備えたステアリング装置に関する。
二次衝突時に運転者に加わる衝撃力を緩和するために、コラムが二次衝突時の衝撃力で車体前方側にコラプス移動する時に、塑性変形して二次衝突時の衝撃荷重を緩和する衝撃エネルギー吸収機構を備えたステアリング装置がある。
このような衝撃エネルギー吸収機構を有するステアリング装置として、特許文献1のステアリング装置がある。特許文献1のステアリング装置は、ロアーコラム(インナーコラム)にコラプス移動可能に外嵌するアッパーコラム(アウターコラム)を、外周側から内周側に向かって凹ませ、ロアーコラムの外周にアッパーコラムの内周を圧接している。そして、二次衝突時のコラプス移動で、この圧接部を塑性変形させて、二次衝突時の衝撃エネルギーを吸収している。
従って、特許文献1のステアリング装置では、ロアーコラムにアッパーコラムを外嵌した後、アッパーコラムに対して凹部を加工することが必要となるが、所望の衝撃エネルギー吸収特性を有する凹部を加工するのは難しく、また、凹部の加工にも時間がかかる。さらに、コラプス移動ストロークの途中で衝撃エネルギー吸収特性を変化させると、運転者に加わる衝撃荷重をより効果的に緩和させることができるが、凹部加工によって実現することは困難であった。
実開平1−172965号公報
本発明は、コラムに対する凹部加工が不要で、所望の衝撃エネルギー吸収特性が容易に得られるとともに、コラプス移動ストロークの途中で衝撃エネルギー吸収特性を変化させることが容易なステアリング装置を提供することを課題とする。
上記課題は以下の手段によって解決される。すなわち、第1番目の発明は、車体後方側に配置され、所定値以上の衝撃荷重が作用した時に車体前方側に移動可能なアッパーコラム、上記アッパーコラムに回動可能に軸支され、車体後方側にステアリングホイールを装着可能なステアリングシャフト、車体前方側に配置され、車体後方側が上記アッパーコラムにコラプス移動可能に嵌合するロアーコラム、上記アッパーコラム及びロアーコラムの相対的にコラプス移動可能な嵌合部に形成され、コラプス移動範囲の形状が各々一定に形成された外周面及び内周面、上記外周面と内周面との間の嵌合隙間に介挿され、外周面及び内周面に交互に押圧される波形押圧面を有するとともに、アッパーコラムまたはロアーコラムのうちのいずれか一方に相対的にコラプス移動不能に取り付けられ、アッパーコラムとロアーコラムとの間の相対的なコラプス移動に伴う摩擦抵抗、塑性変形、または、弾性変形のうちの少なくともいずれか一方によって衝撃荷重を吸収するエネルギー吸収部材を備えたことを特徴とするステアリング装置である。
第2番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記エネルギー吸収部材の波形押圧面の振幅は、上記ロアーコラムに対するアッパーコラムのコラプス移動ストロークの始端から終端まで一定であることを特徴とするステアリング装置である。
第3番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記エネルギー吸収部材の波形押圧面の振幅は、上記ロアーコラムに対するアッパーコラムのコラプス移動ストロークの始端側よりも終端側が大きいことを特徴とするステアリング装置である。
第4番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記エネルギー吸収部材の波形押圧面の振幅は、上記ロアーコラムに対するアッパーコラムのコラプス移動ストロークの始端側から終端側に向かって徐々に増大することを特徴とするステアリング装置である。
第5番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記エネルギー吸収部材は、上記ロアーコラム及びアッパーコラムの中心軸線と同心で、単一の中空円筒状に形成されていることを特徴とするステアリング装置である。
第6番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記エネルギー吸収部材は、上記ロアーコラム及びアッパーコラムの中心軸線と同心の中空円筒の一部を構成する円弧状に形成され、上記外周面と内周面との間の嵌合隙間に、隣接するエネルギー吸収部材に対して円周方向に所定の隙間を有して複数介挿されていることを特徴とするステアリング装置である。
第7番目の発明は、第6番目の発明のステアリング装置において、上記複数のエネルギー吸収部材は、上記ロアーコラム及びアッパーコラムの中心軸線方向の端部が円環状の連結部材によって結合されていることを特徴とするステアリング装置である。
第8番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記エネルギー吸収部材は、上記ロアーコラム及びアッパーコラムの中心軸線と同心の中空円筒の一部を構成する円弧状に形成され、上記外周面と内周面との間の嵌合隙間に等角度間隔に複数介挿されていることを特徴とするステアリング装置である。
第9番目の発明は、第8番目の発明のステアリング装置において、上記複数のエネルギー吸収部材は、上記ロアーコラム及びアッパーコラムの中心軸線方向の端部が円環状の連結部材によって結合されていることを特徴とするステアリング装置である。
第10番目の発明は、第1番目から第9番目までのいずれかの発明のステアリング装置において、上記エネルギー吸収部材は、上記ロアーコラム及びアッパーコラムの中心軸線に対して直交する平面上の振幅が一定であることを特徴とするステアリング装置である。
第11番目の発明は、第1番目から第9番目までのいずれかの発明のステアリング装置において、上記エネルギー吸収部材は、上記ロアーコラム及びアッパーコラムの中心軸線に対して直交する平面に対して所定角度傾斜した平面上の振幅が一定であることを特徴とするステアリング装置である。
第12番目の発明は、第1番目から第9番目までのいずれかの発明のステアリング装置において、上記エネルギー吸収部材、上記外周面、または、上記内周面のうちの少なくともいずれか一方には低摩擦材が被覆されていることを特徴とするステアリング装置である。
本発明のステアリング装置では、アッパーコラム及びロアーコラムの相対的にコラプス移動可能な嵌合部には、コラプス移動範囲の形状が各々一定に形成された外周面及び内周面が形成されている。また、この外周面と内周面との間の嵌合隙間には、外周面及び内周面に交互に押圧される波形押圧面を有するとともに、アッパーコラムまたはロアーコラムのうちのいずれか一方に相対的にコラプス移動不能に取り付けられたエネルギー吸収部材を備えている。そして、このエネルギー吸収部材が、アッパーコラムとロアーコラムとの間の相対的なコラプス移動に伴う摩擦抵抗、塑性変形、または、弾性変形のうちの少なくともいずれか一方によって、衝撃荷重を吸収する。
従って、コラムの形状が簡単なため、コラムの加工コストが削減されるとともに、エネルギー吸収部材の波形押圧面の振幅の大きさを加減することで、所望の衝撃エネルギー吸収特性が得られる。また、コラプス移動ストロークの途中で波形押圧面の振幅を変えることで、コラプス移動ストロークの途中で衝撃エネルギー吸収特性を変化させて、運転者に加わる衝撃荷重をより効果的に緩和させることが可能となる。
以下の実施例では、ロアーコラムがアウターコラム、アッパーコラムがインナーコラムで構成され、アッパーコラムがロアーコラムに内嵌されて、所定値以上の衝撃荷重が作用した時に、アッパーコラムが車体前方側に移動可能なステアリング装置に本発明を適用した例について説明する。もちろん、本発明は、ロアーコラムがインナーコラムコラム、アッパーコラムがアウターコラムのステアリング装置に適用してもよい。
図1は本発明のステアリング装置101を車両に取り付けた状態を示す全体斜視図である。ステアリング装置101は、ステアリングシャフト102を回動自在に軸支している。ステアリングシャフト102には、その上端(車体後方側)にステアリングホイール103が装着され、ステアリングシャフト102の下端(車体前方側)には、ユニバーサルジョイント104を介して中間シャフト105が連結されている。
中間シャフト105には、その下端にユニバーサルジョイント106が連結され、ユニバーサルジョイント106には、ラックアンドピニオン機構等からなるステアリングギヤ107が連結されている。
運転者がステアリングホイール103を回転操作すると、ステアリングシャフト102、ユニバーサルジョイント104、中間シャフト105、ユニバーサルジョイント106を介して、その回転力がステアリングギヤ107に伝達され、ラックアンドピニオン機構を介して、タイロッド108を移動し、車輪の操舵角を変えることができる。
次に、本発明の実施例1から実施例6のステアリング装置の詳細な構造について説明する。
図2は本発明の実施例1のステアリング装置の要部を示す一部を断面した正面図である。図3は図2のP部拡大断面図である。図4は図3の変形例である。図5は図3のエネルギー吸収部材単体を示す部品図である。図6は図5のエネルギー吸収部材単体の変形例を示す部品図である。
図2に示すように、本発明のステアリング装置101は、車体取付けブラケット2、ロアーコラム(アウターコラム)3、アッパーコラム(インナーコラム)4等から構成されている。
ロアーコラム3に取り付けられた車体取付けブラケット2は、その上板21が車体11に固定されている。中空円筒状のロアーコラム3の内周面31には、中空円筒状のアッパーコラム4の外周面41がコラプス移動可能(ロアーコラム3の中心軸線32に平行に摺動)可能に嵌合している。ロアーコラム3を車体取付けブラケット2で、チルト位置調整可能に左右両側から挟持してもよい。アッパーコラム4の内周面42には、軸受43、44を介して、上部ステアリングシャフト102Aが回動可能に軸支され、上部ステアリングシャフト102Aの車体後方側(図2の右側)端部には、ステアリングホイール103が固定されている。
ロアーコラム3には、下部ステアリングシャフト102Bが回動可能に軸支され、下部ステアリングシャフト102Bは上部ステアリングシャフト102Aとスプライン嵌合している。従って、アッパーコラム4のコラプス位置(またはテレスコピック位置)に関わらず、上部ステアリングシャフト102Aの回転が下部ステアリングシャフト102Bに伝達される。
下部ステアリングシャフト102Bの車体前方側(図2の左側)は、ユニバーサルジョイント104(図1参照)を介してステアリングギヤ107(図1参照)に連結され、ステアリングホイール103を運転者が手で回すと、上部ステアリングシャフト102Aを介して下部ステアリングシャフト102Bが回動し、車輪の操舵角を変えることができる。
図2及び図3に示すように、ロアーコラム3の内周面31及びアッパーコラム4の外周面41は、ロアーコラム3の中心軸線32と同心の円筒形に形成され、コラプス移動範囲の形状が一定に形成されている。内周面31と外周面41との間の円筒状の嵌合隙間51には、中空円筒状のエネルギー吸収部材6Aが介挿されている。
図3は図2のP部拡大断面図、図5は図3のエネルギー吸収部材6A単体を示す部品図であり、(1)は正面図、(2)は(1)の右側面図である。図3及び図5に示すように、エネルギー吸収部材6Aは、ロアーコラム3の中心軸線32と同心の中空円筒状に形成されている。
エネルギー吸収部材6Aの車体後方側(図2、図3、図5の右側)端部には、ロアーコラム3の外周面34の外径寸法よりも若干大径で、円環状の大径フランジ部61が形成され、大径フランジ部61がロアーコラム3の車体後方側端面33に当接している。大径フランジ部61の外周には、ロアーコラム3の外周面34に沿って車体前方側に折り曲げた折り曲げ部611が形成されている。従って、エネルギー吸収部材6Aは、車体前方側への移動が阻止されて、ロアーコラム3に取り付けられている。
エネルギー吸収部材6Aには、周期と振幅が一定の小振幅波形押圧面62が全周に形成されている。この小振幅波形押圧面62は、ロアーコラム3の内周面31及びアッパーコラム4の外周面41に交互に押圧されるような振幅に形成されて、内周面31と外周面41との間の円筒状の嵌合隙間51に圧入されている。すなわち、小振幅波形押圧面62が自由状態の時の振幅(図3に二点鎖線で示す)の二倍の寸法β2が、嵌合隙間51の半径方向の寸法β1よりも若干大きく形成されている。
図4は図3の変形例であって、上記のエネルギー吸収部材6Aとは形状の異なるエネルギー吸収部材6Bを、車体後方側(ステアリングホイール103側)への移動を阻止して、アッパーコラム4に対して取り付けた例である。すなわち、エネルギー吸収部材6Bは、アッパーコラム4またはロアーコラム3のうちのいずれか一方に、相対的にコラプス移動不能に取り付ければよい。図4の変形例は、エネルギー吸収部材6Bの車体前方側(図4の左側)端部には、アッパーコラム4の内周面42の車体前方端の内径寸法よりも若干小径で、円環状の小径フランジ部63が形成され、小径フランジ部63がアッパーコラム4の車体前方側端面45に当接している。エネルギー吸収部材6Bには、エネルギー吸収部材6Aと同様に、周期と振幅が一定の小振幅波形押圧面62が形成されている。
小径フランジ部63の内周には、アッパーコラム4の内周面42の車体前方端に沿って車体後方側に折り曲げた折り曲げ部631が形成されている。従って、エネルギー吸収部材6Bは、車体後方側への移動が阻止されて、アッパーコラム4に取り付けられている。従って、図4の変形例は、エネルギー吸収部材6Bを取り付けるスペースを、ロアーコラム(アウターコラム)3側に確保するのが困難な場合に効果がある。
図3及び図5に示すエネルギー吸収部材6Aの小振幅波形押圧面62は、ロアーコラム3の中心軸線32に対して直交する平面(任意の平面)35上の振幅が、一定に形成されている。また、図6は図5のエネルギー吸収部材6Aの変形例のエネルギー吸収部材6Cであり、(1)は正面図、(2)は(1)の右側面図である。
すなわち、図6のエネルギー吸収部材6Cの小振幅波形押圧面62は、ロアーコラム3の中心軸線32に対して直交する平面(任意の平面)35に対して角度α傾斜した平面36上の振幅が一定に形成されている。図6のエネルギー吸収部材6Cのさらなる変形例として、図示はしないが、小振幅波形押圧面62を、雄ねじのように螺旋状に形成してもよい。
車両が衝突して、運転者がステアリングホイール103に二次衝突すると、アッパーコラム4がロアーコラム3に対して、車体前方側にコラプス移動する。図10(1)の衝撃エネルギー吸収特性図は、本発明の実施例1のエネルギー吸収部材6A、6B、6Cの場合の、コラプスストロークとコラプス荷重との関係を示す。横軸がロアーコラム3に対するアッパーコラム4のコラプスストロークである。縦軸が、アッパーコラム4のコラプスストローク時に、エネルギー吸収部材6A、6B、6Cに対するアッパーコラム4の相対移動で生じるコラプス荷重である。
本発明の実施例1のエネルギー吸収部材6A、6B、6Cの小振幅波形押圧面62は、周期と振幅が一定に形成されている。従って、エネルギー吸収部材6A、6B、6Cに対するアッパーコラム4の外周面41の摩擦抵抗によって、アッパーコラム4のコラプスストロークの全ての領域で、一定のコラプス荷重F1が生じる。
また、本発明の実施例1のエネルギー吸収部材6A、6B、6Cの小振幅波形押圧面62は、ロアーコラム3の中心軸線32に平行な方向に、アッパーコラム4及びロアーコラム3に対して複数の接触点がある。従って、通常の運転操作時や二次衝突の衝撃吸収時に、アッパーコラム4及びロアーコラム3の曲げ剛性が高い。
さらに、本発明の実施例1のエネルギー吸収部材6A、6B、6Cの小振幅波形押圧面62は、ロアーコラム3の内周面31及びアッパーコラム4の外周面41に線接触している。従って、二次衝突の衝撃吸収時の、コラプス荷重のバラツキが少なくなる。
図7は本発明の実施例2のステアリング装置の要部を示す拡大断面図であって、図3相当図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分と作用についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、上記実施例と同一部品には同一番号を付して説明する。実施例2は、コラプスストローク開始後、コラプス荷重を極めて短時間で増大させるようにした例である。
図7に示すように、実施例2のステアリング装置においても、ロアーコラム3の内周面31及びアッパーコラム4の外周面41は、ロアーコラム3の中心軸線32と同心の円筒形に形成され、コラプス移動範囲の形状が一定に形成されている。内周面31と外周面41との間の円筒状の嵌合隙間51には、中空円筒状のエネルギー吸収部材6Dが介挿されている。エネルギー吸収部材6Dは、ロアーコラム3の中心軸線32と同心の中空円筒状に形成されている。
また、上記したエネルギー吸収部材6A、6Cと同様に、エネルギー吸収部材6Dの車体後方側(図7の右側)端部には、円環状の大径フランジ部61、折り曲げ部611が形成され、大径フランジ部61がロアーコラム3の車体後方側端面33に当接して、車体前方側への移動が阻止されて、ロアーコラム3に対して取り付けられている。
エネルギー吸収部材6Dには、周期と振幅が一定で、かつ振幅の小さな小振幅波形押圧面62と、周期と振幅が一定で、かつ振幅の大きな大振幅波形押圧面64の二種類の波形押圧面が、全周に形成されている。小振幅波形押圧面62は、車体後方側端部の大径フランジ部61から車体前方側に向かって長さL1だけ延び、アッパーコラム4の車体前方側端面45近傍まで形成されている。大振幅波形押圧面64は、小振幅波形押圧面62の車体前方端から車体前方側に向かって、長さL2だけ延びて形成されている。
この小振幅波形押圧面62は、ロアーコラム3の内周面31及びアッパーコラム4の外周面41に交互に押圧されるような振幅に形成されて、内周面31と外周面41との間の円筒状の嵌合隙間51に圧入されている。すなわち、小振幅波形押圧面62が自由状態の時の振幅(図7に二点鎖線で示す)の二倍の寸法β2が、嵌合隙間51の半径方向の寸法β1よりも若干大きく形成されている。また、大振幅波形押圧面64の自由状態の時の振幅の二倍の寸法β3が、小振幅波形押圧面62が自由状態の時の二倍の寸法β2よりも大きく形成されている。
図10(2)の衝撃エネルギー吸収特性図は、本発明の実施例2のエネルギー吸収部材6Dの、コラプスストロークとコラプス荷重との関係を示す。車両が衝突して、運転者がステアリングホイール103に二次衝突すると、実施例1と同様に、アッパーコラム4がロアーコラム3に対して、車体前方側にコラプス移動する。
コラプスストロークの開始時のコラプス荷重は、小振幅波形押圧面62に対するアッパーコラム4の外周面41の摩擦抵抗によるコラプス荷重F1である。コラプスストロークの開始後、アッパーコラム4の車体前方側端面45が、大振幅波形押圧面64の車体後方端にすぐに当接する。
従って、大振幅波形押圧面64が、アッパーコラム4の車体前方側端面45及び外周面41によってしごかれて塑性変形する。その結果、この大振幅波形押圧面64の塑性変形荷重が加算されたコラプス荷重F2まで極めて短時間で増大し、その後のコラプス荷重は、コラプス荷重F2で一定になる。
他の例として、弾性係数の大きな材質のエネルギー吸収部材6Dを採用することも可能である。その場合、大振幅波形押圧面64が、アッパーコラム4の車体前方側端面45及び外周面41によってしごかれると、大振幅波形押圧面64が弾性変形する。その結果、この大振幅波形押圧面64の弾性変形荷重が加算されたコラプス荷重F2まで一気に増大し、その後のコラプス荷重は、コラプス荷重F2で一定になる。
図8は本発明の実施例3のステアリング装置の要部を示す拡大断面図であって、図3相当図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分と作用についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、上記実施例と同一部品には同一番号を付して説明する。実施例3は、コラプスストロークの途中でコラプス荷重が変化するようにした例であって、コラプス荷重が二段階(または複数段階)に変化するようにした例である。
図8に示すように、実施例3のステアリング装置においても、ロアーコラム3の内周面31及びアッパーコラム4の外周面41は、ロアーコラム3の中心軸線32と同心の円筒形に形成され、コラプス移動範囲の形状が一定に形成されている。内周面31と外周面41との間の円筒状の嵌合隙間51には、中空円筒状のエネルギー吸収部材6Eが介挿されている。エネルギー吸収部材6Eは、ロアーコラム3の中心軸線32と同心の中空円筒状に形成されている。
また、上記したエネルギー吸収部材6A、6Cと同様に、エネルギー吸収部材6Eの車体後方側(図8の右側)端部には、円環状の大径フランジ部61、折り曲げ部611が形成され、大径フランジ部61がロアーコラム3の車体後方側端面33に当接して、車体前方側への移動が阻止されて、ロアーコラム3に対して取り付けられている。
エネルギー吸収部材6Eには、周期と振幅が一定で、振幅の小さな小振幅波形押圧面62と、周期と振幅が一定で、振幅の大きな大振幅波形押圧面64の二種類の波形押圧面が形成されている。小振幅波形押圧面62は、車体後方側端部の大径フランジ部61から車体前方側に向かって長さL3だけ延び、アッパーコラム4の車体前方側端面45を大きく越えて形成されている。
すなわち、実施例3の小振幅波形押圧面62の長さL3は、実施例1から実施例2の小振幅波形押圧面62の長さL2よりも長く形成されている。大振幅波形押圧面64は、小振幅波形押圧面62の車体前方端から車体前方側に向かって長さL4だけ延びている。嵌合隙間51の半径方向の寸法β1、小振幅波形押圧面62が自由状態の時の振幅の二倍の寸法β2、大振幅波形押圧面64の自由状態の時の振幅の二倍の寸法β3は、実施例2と同一である。
図10(3)の衝撃エネルギー吸収特性図は、本発明の実施例3のエネルギー吸収部材6Eの、コラプスストロークとコラプス荷重との関係を示す。車両が衝突して、運転者がステアリングホイール103に二次衝突すると、上記実施例と同様に、アッパーコラム4がロアーコラム3に対して、車体前方側にコラプス移動する。
コラプスストロークの開始時のコラプス荷重は、小振幅波形押圧面62に対するアッパーコラム4の外周面41の摩擦抵抗によるコラプス荷重F1である。アッパーコラム4の車体前方側端面45が大振幅波形押圧面64に当接するまでは、一定のコラプス荷重F1が生じる。
アッパーコラム4がストロークS1(図8、図10(3)参照)だけ車体前方側にコラプス移動すると、アッパーコラム4の車体前方側端面45が大振幅波形押圧面64の車体後方端に当接する。従って、大振幅波形押圧面64が、アッパーコラム4の車体前方側端面45及び外周面41によってしごかれて塑性変形し、この大振幅波形押圧面64の塑性変形荷重が加算されたコラプス荷重F2まで、短時間で増加し、その後のコラプス荷重は、コラプス荷重F2で一定になる。
本発明の実施例3のエネルギー吸収部材6Eの大振幅波形押圧面64は、周期と振幅が一定に形成されている。変形例として、大振幅波形押圧面64の振幅を一定に形成し、周期を変更(例えば短く)しても良い。周期を短くすれば、コラプスストロークの後半で、コラプス荷重を増加させることができる。
図9は本発明の実施例4のステアリング装置の要部を示す拡大断面図であって、図3相当図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分と作用についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、上記実施例と同一部品には同一番号を付して説明する。実施例4は、コラプスストローク開始後、コラプス荷重を徐々に増大させるようにした例である。
図9に示すように、実施例4のステアリング装置においても、ロアーコラム3の内周面31及びアッパーコラム4の外周面41は、ロアーコラム3の中心軸線32と同心の円筒形に形成され、コラプス移動範囲の形状が一定に形成されている。内周面31と外周面41との間の円筒状の嵌合隙間51には、中空円筒状のエネルギー吸収部材6Fが介挿されている。エネルギー吸収部材6Fは、ロアーコラム3の中心軸線32と同心の中空円筒状に形成されている。
また、上記したエネルギー吸収部材6A、6Cと同様に、エネルギー吸収部材6Fの車体後方側(図9の右側)端部には、円環状の大径フランジ部61、折り曲げ部611が形成され、大径フランジ部61がロアーコラム3の車体後方側端面33に当接して、車体前方側への移動が阻止されて、ロアーコラム3に対して取り付けられている。
エネルギー吸収部材6Fには、周期と振幅が一定で振幅の小さな小振幅波形押圧面62と、車体前方側に向かって、角度θで振幅が徐々に増大する振幅漸増波形押圧面65の二種類の波形押圧面が形成されている。小振幅波形押圧面62は、車体後方側端部の大径フランジ部61から車体前方側に向かって長さL1だけ延び、アッパーコラム4の車体前方側端面45近傍まで形成されている。
振幅漸増波形押圧面65は、小振幅波形押圧面62の車体前方端から車体前方側に向かって長さL2だけ、かつ、ロアーコラム3の中心軸線32に向かって互いに接近するように、角度θで延びている。角度θは一定角度に限定されるものではない。例えば、振幅漸増波形押圧面65が車体前方側に向かうに従って、角度θが、複数の角度(θ1〜θn)で変化するようにすれば、さらに理想的なコラプス荷重を得ることができる。
嵌合隙間51の半径方向の寸法β1、小振幅波形押圧面62が自由状態の時の振幅の二倍の寸法β2は、上記実施例と同一である。振幅漸増波形押圧面65の自由状態の時の最大振幅(車体前方端の振幅)の二倍の寸法β4は、実施例2から実施例3よりも大きく設定している。
図10(4)の衝撃エネルギー吸収特性図は、本発明の実施例4のエネルギー吸収部材6Fの、コラプスストロークとコラプス荷重との関係を示す。車両が衝突して、運転者がステアリングホイール103に二次衝突すると、上記実施例と同様に、アッパーコラム4がロアーコラム3に対して、車体前方側にコラプス移動する。
コラプスストロークの開始時のコラプス荷重は、小振幅波形押圧面62に対するアッパーコラム4の外周面41の摩擦抵抗によるコラプス荷重F1である。コラプスストロークの開始後、アッパーコラム4の車体前方側端面45が振幅漸増波形押圧面65に極めて短時間で当接するため、振幅漸増波形押圧面65が、アッパーコラム4の車体前方側端面45及び外周面41によってしごかれて塑性変形する。
アッパーコラム4のコラプストロークが増加すると、振幅漸増波形押圧面65の振幅が徐々に増大するため、振幅漸増波形押圧面65の塑性変形量も増加する。その結果、この塑性変形荷重が加算されたコラプス荷重F3まで徐々に増大し、その後のコラプス荷重は、コラプス荷重F3で一定になる。
本発明の実施例4のエネルギー吸収部材6Fの振幅漸増波形押圧面65の振幅は、車体前方側に向かって徐々に増大している。変形例として、振幅漸増波形押圧面65の振幅を一定に形成し、周期を変更(例えば短く)しても良い。周期を短くすれば、コラプスストロークの後半で、コラプス荷重を増加させることができる。
図11は本発明の実施例5のステアリング装置の要部を示す拡大断面図であって、(1)は図3相当図、(2)は(1)のA−A断面図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分と作用についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、上記実施例と同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例5は、中空円筒の一部を構成する円弧状のエネルギー吸収部材を、内周面31と外周面41との間の円筒状の嵌合隙間51に、隣接するエネルギー吸収部材に対して円周方向に所定の隙間を有して、複数介挿した例である。
図11及び図12に示すように、実施例5のエネルギー吸収部材は、4個の同一形状のエネルギー吸収部材6G01、6G02、6G03、6G04で構成している。すなわち、個々のエネルギー吸収部材6G01から6G04は、ロアーコラム3の中心軸線32と同心の中空円筒の一部を構成する円弧状に形成されている。そして、個々のエネルギー吸収部材6G01から6G04は、内周面31と外周面41との間の円筒状の嵌合隙間51に介挿され、隣接するエネルギー吸収部材に対して円周方向に所定の隙間を有して、等角度間隔に介挿されている。
すなわち、実施例5のエネルギー吸収部材6G01から6G04は、実施例1の中空円筒状のエネルギー吸収部材6Aを、図11(2)で見て、ロアーコラム3の中心軸線32に対して平行で、中心軸線32を挟んで対称位置に配置され、間隔がWの、各々二個で一組の対称平面371、372、及び、381、382に沿って切り取った形状を有している。
従って、各々のエネルギー吸収部材6G01から6G04の車体後方側(図11(1)の右側)端部には、円環を幅Wで切り取った形状の部分フランジ部66が形成され、部分フランジ部66は、ロアーコラム3の外周面34よりも半径方向外側に若干突出している。また、部分フランジ部66はロアーコラム3の車体後方側端面33に当接している。
部分フランジ部66の半径方向外側には、ロアーコラム3の外周面34に沿って車体前方側に折り曲げた折り曲げ部661が形成されている。従って、各々のエネルギー吸収部材6G01から6G04は、車体前方側への移動が阻止されて、ロアーコラム3に取り付けられている。
各々のエネルギー吸収部材6G01から6G04には、周期と振幅が一定の小振幅波形押圧面62が全周に形成されている。この小振幅波形押圧面62は、ロアーコラム3の内周面31及びアッパーコラム4の外周面41に交互に押圧されるような振幅に形成されて、内周面31と外周面41との間の円筒状の嵌合隙間51に圧入されている。すなわち、小振幅波形押圧面62が自由状態の時の振幅(図11(1)に二点鎖線で示す)の二倍の寸法β2が、嵌合隙間51の半径方向の寸法β1よりも若干大きく形成されている。
図11(2)で見て、12時の位置に介挿されたエネルギー吸収部材6G01とその周辺は、側面視で表し、それ以外のエネルギー吸収部材6G02から6G04とその周辺は、小振幅波形押圧面62の位置で切断した状態で表している。図12は、エネルギー吸収部材6G01から6G04の詳細な形状を示し、エネルギー吸収部材6G01を代表として示した部品図である。すなわち、図12(1)は平面図、(2)は(1)の正面図、(3)は(2)の右側面図、(4)は(1)のB−B断面図、(5)は(4)のC−C断面図である。
図11及び図12に示すように、エネルギー吸収部材6G01から6G04の小振幅波形押圧面62は、ロアーコラム3の中心軸線32に対して直交する平面上の振幅が一定に形成されている。変形例として、図示はしないが、エネルギー吸収部材6G01から6G04の小振幅波形押圧面62は、ロアーコラム3の中心軸線32に対して直交する平面に対して、所定の角度だけ傾斜した平面上の振幅が一定になるように形成してもよい。
車両が衝突して、運転者がステアリングホイール103に二次衝突すると、アッパーコラム4がロアーコラム3に対して、車体前方側にコラプス移動する。本発明の実施例5のエネルギー吸収部材6G01から6G04の小振幅波形押圧面62は、周期と振幅が一定に形成されているため、エネルギー吸収部材6G01から6G04に対するアッパーコラム4の外周面41の摩擦抵抗によって、実施例1のエネルギー吸収部材6Aの場合と同様に、一定のコラプス荷重が生じる。
実施例5のエネルギー吸収部材6G01から6G04は、隣接するエネルギー吸収部材に対して円周方向に所定の隙間を有している。従って、図11(2)に示すように、ロックキー7等の突起物がロアーコラム3等にあっても、突起物を回避してエネルギー吸収部材を配置することが可能となるため、エネルギー吸収部材の配置の自由度が向上し、好ましい。また、実施例5では、エネルギー吸収部材6G01から6G04は、等角度間隔に介挿されているが、不等角度間隔でもよい。さらに、エネルギー吸収部材の数も任意の複数個あればよい。
実施例5のエネルギー吸収部材6G01から6G04の小振幅波形押圧面62は、周期と振幅が一定に形成されている。変形例として、実施例3及び実施例4の大振幅波形押圧面64及び振幅漸増波形押圧面65と同様に、小振幅波形押圧面62のコラプスストロークの後半の周期を変更(例えば短く)しても良い。周期を短くすれば、コラプスストロークの後半で、コラプス荷重を増加させることができる。
図13は本発明の実施例6のステアリング装置の要部を示す拡大断面図であって、(1)は図3相当図、(2)は(1)のD−D断面図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分と作用についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、上記実施例と同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例6は、実施例5の変形例であって、4個のエネルギー吸収部材6G01から6G04の端部を、連結部材で連結した例である。図13に示すように、実施例6のエネルギー吸収部材は、実施例5と同様に、4個の円弧状の同一形状のエネルギー吸収部材6G01、6G02、6G03、6G04で構成され、内周面31と外周面41との間の円筒状の嵌合隙間51に介挿され、隣接するエネルギー吸収部材に対して円周方向に所定の隙間を有して、等角度間隔に介挿されている。
各々のエネルギー吸収部材6G01から6G04の車体後方側(図13(1)の右側)端部は、実施例1と同一形状の大径フランジ部(円環状の連結部材)61によって一体的に連結されている。この大径フランジ部61は、ロアーコラム3の外周面34の外径寸法よりも若干大径で、ロアーコラム3の車体後方側端面33に当接している。
大径フランジ部61の外周には、ロアーコラム3の外周面34に沿って車体前方側に折り曲げた折り曲げ部611が形成されている。従って、エネルギー吸収部材6G01から6G04は、車体前方側への移動が阻止されて、ロアーコラム3に対して取り付けられている。
各々のエネルギー吸収部材6G01から6G04に形成された、周期と振幅が一定の小振幅波形押圧面62、小振幅波形押圧面62が自由状態の時の振幅(図13(1)に二点鎖線で示す)の二倍の寸法β2、嵌合隙間51の半径方向の寸法β1は、実施例5と同一である。
図13(2)で見て、12時の位置に介挿されたエネルギー吸収部材6G01とその周辺は、側面視で表し、それ以外のエネルギー吸収部材6G02から6G04とその周辺は、小振幅波形押圧面62の位置で切断した状態で表している。
車両が衝突して、運転者がステアリングホイール103に二次衝突すると、アッパーコラム4がロアーコラム3に対して、車体前方側にコラプス移動する。本発明の実施例6のエネルギー吸収部材6G01から6G04の小振幅波形押圧面62は、周期と振幅が一定に形成されている。従って、エネルギー吸収部材6G01から6G04に対するアッパーコラム4の外周面41の摩擦抵抗によって、実施例5のエネルギー吸収部材6G01から6G04の場合と同様に、一定のコラプス荷重が生じる。
実施例6のエネルギー吸収部材6G01から6G04は、車体後方側端部が、大径フランジ部(円環状の連結部材)61によって一体的に連結されている。従って、各々のエネルギー吸収部材6G01から6G04の間の間隔が正確に維持されると共に、部品個数が削減されるため、組み付け作業が容易になる。また、実施例5と同様に、隣接するエネルギー吸収部材に対して円周方向に所定の隙間を有している。従って、図13(2)に示すように、ロアーコラム3にロックキー7等の突起物があっても、突起物を回避してエネルギー吸収部材を配置することが可能となるため、エネルギー吸収部材の配置の自由度が向上し、好ましい。
本発明の上記実施例のステアリング装置では、ロアーコラム3の内周面31及びアッパーコラム4の外周面41は、コラプス移動範囲の形状が一定でよい。従って、ロアーコラム3及びアッパーコラム4の加工が容易となり、さらには、鋼管素材の内周面及び外周面を加工無しで使用することも可能となるため、製造コストを削減することが可能となる。
また、嵌合隙間51に介挿するエネルギー吸収部材の波形押圧面の振幅を変えることで、コラプス移動ストロークの途中で、コラプス荷重を変化させることが可能となる。従って、所望のコラプス荷重特性を備えたステアリング装置を得ることが容易となる。
上記実施例では、ロアーコラム3の内周面31及びアッパーコラム4の外周面41は、円筒形に形成されているが、円筒形に限定されるものではなく、正方形や矩形等、任意の断面の筒形状であればよい。
また、上記実施例のエネルギー吸収部材6Aから6F、6G01から6G04、上記ロアーコラム3の内周面31、上記アッパーコラム4の外周面41のうちの少なくともいずれか一方に低摩擦材を被覆すれば、摩擦係数が大きくなり、より大きな衝撃エネルギー吸収特性が得られるので好ましい。
さらに、上記実施例では、ロアーコラム3がアウターコラム、アッパーコラム4がインナーコラムで構成されているが、ロアーコラム3をインナ−コラム、アッパーコラム4をアウターコラムにしてもよい。
本発明のステアリング装置を車両に取り付けた状態を示す全体斜視図である。 本発明の実施例1のステアリング装置の要部を示す一部を断面した正面図である。 図2のP部拡大断面図である。 図3の変形例である。 図3のエネルギー吸収部材単体を示す部品図である。 図5のエネルギー吸収部材単体の変形例を示す部品図である。 本発明の実施例2のステアリング装置の要部を示す拡大断面図であって、図3相当図である。 本発明の実施例3のステアリング装置の要部を示す拡大断面図であって、図3相当図である。 本発明の実施例4のステアリング装置の要部を示す拡大断面図であって、図3相当図である。 本発明の実施例1から実施例4のエネルギー吸収部材の、コラプスストロークとコラプス荷重との関係を示す、衝撃エネルギー吸収特性図である。 本発明の実施例5のステアリング装置の要部を示す拡大断面図であって、(1)は図3相当図、(2)は(1)のA−A断面図である。 図11のエネルギー吸収部材単体を示す部品図であって、(1)は平面図、(2)は(1)の正面図、(3)は(2)の右側面図、(4)は(1)のB−B断面図、(5)は(4)のC−C断面図である。 本発明の実施例6のステアリング装置の要部を示す拡大断面図であって、(1)は図3相当図、(2)は(1)のD−D断面図である。
符号の説明
101 ステアリング装置
102 ステアリングシャフト
102A 上部ステアリングシャフト
102B 下部ステアリングシャフト
103 ステアリングホイール
104 ユニバーサルジョイント
105 中間シャフト
106 ユニバーサルジョイント
107 ステアリングギヤ
108 タイロッド
11 車体
2 車体取付けブラケット
21 上板
3 ロアーコラム
31 内周面
32 中心軸線
33 車体後方側端面
34 外周面
35 中心軸線に対して直交する平面(中心軸線に対して直交する任意の平面)
36 傾斜した平面
371、372、381、382 対称平面
4 アッパーコラム
41 外周面
42 内周面
43、44 軸受
45 車体前方側端面
51 嵌合隙間
6A、6B、6C、6D、6E、6F エネルギー吸収部材
6G01、6G02、6G03、6G04 エネルギー吸収部材
61 大径フランジ部(円環状の連結部材)
611 折り曲げ部
62 小振幅波形押圧面
63 小径フランジ部
631 折り曲げ部
64 大振幅波形押圧面
65 振幅漸増波形押圧面
66 部分フランジ部
661 折り曲げ部
7 ロックキー

Claims (12)

  1. 車体後方側に配置され、所定値以上の衝撃荷重が作用した時に車体前方側に移動可能なアッパーコラム、
    上記アッパーコラムに回動可能に軸支され、車体後方側にステアリングホイールを装着可能なステアリングシャフト、
    車体前方側に配置され、車体後方側が上記アッパーコラムにコラプス移動可能に嵌合するロアーコラム、
    上記アッパーコラム及びロアーコラムの相対的にコラプス移動可能な嵌合部に形成され、コラプス移動範囲の形状が各々一定に形成された外周面及び内周面、
    上記外周面と内周面との間の嵌合隙間に介挿され、外周面及び内周面に交互に押圧される波形押圧面を有するとともに、アッパーコラムまたはロアーコラムのうちのいずれか一方に相対的にコラプス移動不能に取り付けられ、アッパーコラムとロアーコラムとの間の相対的なコラプス移動に伴う摩擦抵抗、塑性変形、または、弾性変形のうちの少なくともいずれか一方によって衝撃荷重を吸収するエネルギー吸収部材を備えたこと
    を特徴とするステアリング装置。
  2. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記エネルギー吸収部材の波形押圧面の振幅は、上記ロアーコラムに対するアッパーコラムのコラプス移動ストロークの始端から終端まで一定であること
    を特徴とするステアリング装置。
  3. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記エネルギー吸収部材の波形押圧面の振幅は、上記ロアーコラムに対するアッパーコラムのコラプス移動ストロークの始端側よりも終端側が大きいこと
    を特徴とするステアリング装置。
  4. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記エネルギー吸収部材の波形押圧面の振幅は、上記ロアーコラムに対するアッパーコラムのコラプス移動ストロークの始端側から終端側に向かって徐々に増大すること
    を特徴とするステアリング装置。
  5. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記エネルギー吸収部材は、上記ロアーコラム及びアッパーコラムの中心軸線と同心で、単一の中空円筒状に形成されていること
    を特徴とするステアリング装置。
  6. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記エネルギー吸収部材は、上記ロアーコラム及びアッパーコラムの中心軸線と同心の中空円筒の一部を構成する円弧状に形成され、上記外周面と内周面との間の嵌合隙間に、隣接するエネルギー吸収部材に対して円周方向に所定の隙間を有して複数介挿されていること
    を特徴とするステアリング装置。
  7. 請求項6に記載されたステアリング装置において、
    上記複数のエネルギー吸収部材は、上記ロアーコラム及びアッパーコラムの中心軸線方向の端部が円環状の連結部材によって結合されていること
    を特徴とするステアリング装置。
  8. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記エネルギー吸収部材は、上記ロアーコラム及びアッパーコラムの中心軸線と同心の中空円筒の一部を構成する円弧状に形成され、上記外周面と内周面との間の嵌合隙間に等角度間隔に複数介挿されていること
    を特徴とするステアリング装置。
  9. 請求項8に記載されたステアリング装置において、
    上記複数のエネルギー吸収部材は、上記ロアーコラム及びアッパーコラムの中心軸線方向の端部が円環状の連結部材によって結合されていること
    を特徴とするステアリング装置。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれかに記載されたステアリング装置において、
    上記エネルギー吸収部材は、上記ロアーコラム及びアッパーコラムの中心軸線に対して直交する平面上の振幅が一定であること
    を特徴とするステアリング装置。
  11. 請求項1から請求項9までのいずれかに記載されたステアリング装置において、
    上記エネルギー吸収部材は、上記ロアーコラム及びアッパーコラムの中心軸線に対して直交する平面に対して所定角度傾斜した平面上の振幅が一定であること
    を特徴とするステアリング装置。
  12. 請求項1から請求項9までのいずれかに記載されたステアリング装置において、
    上記エネルギー吸収部材、上記外周面、または、上記内周面のうちの少なくともいずれか一方には低摩擦材が被覆されていること
    を特徴とするステアリング装置。
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