本発明に係る遊技機は、所定の演出パターンに沿って演出画像表示を行う演出画像表示手段と、この演出画像表示手段に表示するための複数の画像情報を記憶した画像情報記憶手段と、所定の抽選開始条件が満たされたことを契機に、特別遊技を実行するか否かを抽選する抽選手段と、抽選手段による抽選結果に応じて、演出パターンを決定する演出パターン決定手段と、この演出パターン決定手段により決定された演出パターンに基づいて、画像情報記憶手段に記憶されている複数の画像情報の中から画像情報を選択し、選択した画像情報に基づいて演出画像を生成して、演出画像表示手段に演出画像表示を行わせる演出画像表示制御手段とを備えている。
また、演出パターンは、通常演出パターンと特別演出パターンとからなり、特に、特別演出パターンは、複数の画像情報により演出画像における演出表示内容の中途までを構成する序盤演出画像と、演出表示内容の終盤を示す第1の終盤演出画像とからなる第1の特別演出パターンと、上記序盤演出画像と、第1の終盤演出画像とは演出内容が異なる第2の終盤演出画像とからなる第2の特別演出パターンと、第1の特別演出パターンの第1の終盤演出画像に続けて、さらに第3の終盤演出画像を付加した第3の特別演出パターンとを備えている。
さらに、この遊技機は、画像情報を用いて画像処理を行う作業領域用の記憶領域内に、演出画像表示手段に表示した演出画像に対応する画像情報を一時記的に記憶する画像情報一時記憶手段として機能する記憶領域を備えている。
そして、演出画像表示制御手段は、演出画像表示手段に、上記第1〜3のいずれかの特別演出パターンに沿う演出画像を表示させた場合に、表示させた演出画像に対応する序盤演出画像と、終盤演出画像とを、次回特別演出パターンに沿う演出画像を生成するときまでの間、この画像情報一時記憶手段に一時的に記憶させる。
また、演出画像表示制御手段は、演出画像表示手段に表示する演出画像が、上記した特別演出パターンに沿うものである場合、前回選択した画像情報が前記特別演出パターンを構成するものであれば、前記複数の序盤演出画像を表示するための画像情報を流用して今回の特別演出パターンに沿った演出画像を生成する。
すなわち、この演出表示制御手段は、今回演出パターン決定手段により決定された演出パターンが、上記第1〜3のいずれかの特別演出パターンであると判断した場合に、画像情報一時記憶手段を参照して、前回演出画像表示手段に表示させた演出画像の序盤演出画像を構成する画像情報と、今回演出画像表示手段に表示させる予定の演出画像における序盤演出画像を構成する画像情報とが同一であれば、この画像情報一時記憶手段に一時記憶されている序盤演出画像を表示するための画像情報を用いて、今回表示する演出画像の序盤演出画像を生成して、演出画像表示手段に表示させるのである。
このように、演出画像表示手段は、前回選択した序盤演出画像を表示するための画像情報を流用して、今回演出画像表示手段に表示させる特別演出パターンに沿った演出画像を生成するため、画像情報記憶手段から序盤演出画像を表示させるための画像情報を読み出して、所定の作業領域に書き込む処理を行う必要がないので、演出画像表示手段に演出画像を表示させるまでに要する処理時間を短縮することができ、演出画像を表示させるための処理負荷が軽減できる。
また、ここで演出画像表示制御手段は、序盤演出画像だけを流用するようにしているが、画像情報一時記憶手段を参照して、今回表示予定の終盤演出画像と、前回選択した終盤演出画像とが同一である場合に、終盤演出画像についても画像情報一時記憶手段に一時記憶している終盤演出画像を流用して、今回演出画像表示手段に表示させる特別演出パターンに沿った演出画像を生成することもできる。
こうすることにより、演出画像表示手段に演出画像を表示させるまでに要する処理時間をより一層短縮することができ、演出画像を表示させるための処理負荷を大きく軽減できる。
また、演出画像表示制御手段は、画像情報一時記憶手段を参照して、今回表示予定の序盤及び終盤演出画像と、前回選択した序盤及び終盤演出画像とが同一である場合に、いずれか一方の演出画像についてのみ流用し、他方の演出画像については、前回の特別演出パターンに沿った演出画像を構成するものと演出内容の異なる画像情報を用いて、今回演出画像表示手段に表示させる特別演出パターンに沿った演出画像を生成することもできる。
こうすることにより、特別演出パターンに沿った演出画像が単調化することを防止することができ、遊技性を向上させることができる。
また、演出画像表示制御手段は、演出画像表示手段に表示する演出画像が、第3の特別演出パターンに沿うものである場合、前回選択した序盤演出画像を表示するための画像情報を流用すると共に、第3の終盤演出画像を表示するための画像情報を用いて今回の第3の特別演出パターンに沿った演出画像を生成する。
すなわち、この演出画像表示制御手段は、今回演出画像表示手段に表示させる予定の演出画像が第3特別演出パターンに沿うものである場合には、今回表示予定の序盤演出画像の種類と、画像情報一時記憶手段に記憶している序盤演出画像の種類とが同一であるか否かにかかわらず、画像情報一時記憶手段に記憶している序盤演出画像に対応する画像情報を流用して序盤演出画像を生成し、第3の終盤演出画像に関しては、今回選択した第3の終盤演出画像に対応する画像情報を用いて生成する。
これにより、第1及び第2の特別演出パターンに比べて情報量が多い第3の特別演出パターンに沿った演出画像を生成する際の処理負荷を低減することができる。
また、この遊技機では、特別演出パターンを、異なる演出テーマ毎に複数種設定するとともに、各第3の特別演出パターンの第3の終盤演出画像を共通化するようにしている。
このように、異なる各演出テーマ毎に、複数種類の特別演出パターンを設けたことにより、演出画像のバリエーションが拡大して遊技性が向上すると共に、第3の終盤演出画像を共通化したことによって、画像情報記憶手段に記憶させる画像情報が増加することを抑制することができる。
また、この遊技機では、序盤演出画像、第1の終盤演出画像、第2の終盤演出画像の各表示時間の長さを等しくなるようにしている。
これにより、たとえば、第1及び第2の特別演出パターンに沿った演出画像を、遊技の勝敗を示唆する演出画像として用いた場合に、遊技者は、単純に演出画像の表示時間から遊技機の勝敗に関する内容を知ることができないため、遊技が単調化することを防止することができ、遊技性を向上させることができる。
以下、本発明に係る遊技機の好適な実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下では本発明に係る遊技機の一例として、パチンコ遊技機を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチスロ遊技機や、ビデオゲーム機等、所定の演出パターンに沿って演出画像表示を行う演出画像表示手段と、この演出画像表示手段に表示するための複数の画像情報を記憶した画像情報記憶手段と、所定の抽選開始条件が満たされたことを契機に、特別遊技を実行するか否かを抽選する抽選手段と、抽選手段による抽選結果に応じて、演出パターンを決定する演出パターン決定手段と、この演出パターン決定手段により決定された演出パターンに基いて、画像情報記憶手段に記憶されている複数の画像情報の中から画像情報を選択し、選択した画像情報に基づいて演出画像を生成して、演出画像表示手段に演出画像表示を行わせる演出画像表示制御手段とを備えた任意の遊技機に対して適用することができるものである。
[遊技機の構成]
遊技機の概観について図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す斜視図、図2は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す分解斜視図である。
図1及び図2に示すように、パチンコ遊技機10は、前面に開口12aが形成された本体枠12と、その本体枠12における開口12aの内部に配設される各種の部品と、本体枠12の前方に開閉自在に軸着された扉11とから構成されている。この扉11は、図1に示すように、開口12aを前面から閉鎖するためのものであり、通常閉鎖した状態で遊技が行われる。また、本体枠12の前面には、上皿20、下皿22、発射ハンドル26等が配設されている。
本体枠12の開口12a内部には、演出画像を表示する演出画像表示手段としての液晶表示装置32と、スペーサー31、遊技盤14等が配設されている。なお、遊技盤14、スペーサー31、液晶表示装置32以外の各種の部品(図示せず)については、理解を容易にするために説明を省略する。
遊技盤14は、その全部が透光性を有する板形状の樹脂(透過性を有する部材)によって形成されている。この透過性を有する部材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。また、遊技盤14は、その前面側に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、ガイドレール30に囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。また、遊技盤14における遊技領域15には複数の障害釘13が打ちこまれている。
遊技に関する演出画像を表示する演出画像表示手段の一例である液晶表示装置32は、スペーサー31を挟んで、遊技盤14の背後に設けられている。すなわち、液晶表示装置32は、遊技盤14の透光性を有する部材の背後に配置されている。この液晶表示装置32は、遊技に関する画像の表示を可能とする表示領域32aを有している。この表示領域32aは、遊技盤14の全部又は一部に、スペーサー31を挟んで、背面側から重なるように配設される。具体的には、液晶表示装置32は、その表示領域32aが遊技領域15の全部又は一部と、遊技領域外域16の全部又は一部とに重なるように遊技盤14の後方に配設される。この液晶表示装置32における表示領域32aには、演出用の演出画像、装飾用の装飾図柄等、各種の画像が表示される。以下、これら液晶表示装置32の表示領域32aに表示させる各種画像を総称して演出画像と呼ぶことがある。
また、本実施形態において、遊技盤14における透光性領域の背後に液晶表示装置32などの表示手段を設けることにより、例えば、障害釘の植設領域や役物、装飾部材といった遊技部材を設ける領域を大きくし、レイアウトの自由度も更に大きくすることが可能である。
スペーサー31は、遊技盤14の後方(背面側)に配設されるとともに、液晶表示装置32の前方(前面側)に配設される。つまり、スペーサー31は、遊技盤14と液晶表示装置32によって挟持される。このスペーサー31は、透光性を有した材料で形成されており、中央に大きな貫通穴31aが設けられている。貫通穴31aには、電飾ユニット53が設けられている。
図3によって、特別図柄表示器33、普通図柄表示器35、特別図柄保留ランプ34a〜34d及び普通図柄保留ランプ50a〜50dを説明する。図3は、電飾ユニット53の拡大図である。
図3に示すように、表示器ケース37に収容される特別図柄表示器33は、7セグメントLED41で構成されている。この7セグメントLED41は、所定の特別図柄の変動表示開始条件の成立により、点灯・消灯を繰り返す。7セグメントLED41の点灯・消灯によって、“0”から“9”までの10個の数字図柄が、特別図柄として変動表示される。
本実施形態においては、パチンコ遊技機10の遊技状態は、大別して一般遊技状態(大当たりの抽選を行いながら遊技球を消費する、所謂遊技者に不利な状態)と大当たり遊技状態(遊技者にとって短時間で大量の遊技球の獲得が期待できる、所謂遊技者にとって有利な状態)に分かれる。なお、以下、この大当たり遊技状態において実行する遊技を特別遊技と呼ぶ。そして、前記一般遊技状態においては、詳細は後述するが、パチンコ遊技機10の遊技状態の変化に応じて、通常モード、確変モードまたは時短モードに分かれる。さらに、前記大当たり遊技状態においては、後述の特別図柄制御処理において抽選された、前記特別図柄表示器33に変動停止表示される特定の数字図柄により、15R確変大当たり遊技状態、2R確変大当たり遊技状態又は15R通常大当たり遊技状態の、3種類の大当たり遊技状態が決定する。そして、それぞれの大当たり遊技状態が終了後、前記一般遊技状態も、確変モード又は時短モードと異なる状態の一般遊技状態へ移行する。
つまり、前記特別図柄として、特定の数字図柄(例えば、“7”の数字図柄)が停止表示された場合は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大15回継続して行われる15R確変大当たり遊技状態に移行する。また、特定の数字図柄(例えば、“3”の数字図柄)が停止表示された場合は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大2回継続して行われる2R確変大当たり遊技状態に移行する。そして、大当たり遊技状態の終了後は、大当たり遊技状態に移行する確率が通常より高い一般遊技状態である確変モードに移行する。特定の数字図柄(例えば、“5”の数字図柄)が停止表示された場合は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大15回継続して行われる15R通常大当たり遊技状態に移行する。そして、大当たり遊技状態の終了後は、時短モードの下での一般遊技状態に移行する。
ここで、時短モードとは、前記特別図柄が変動表示を開始して停止表示されるまでの変動時間と、後述する普通図柄ゲームにおける普通図柄の変動時間とを通常の遊技モードよりも短縮し、同じく後述する始動口25に付設された羽根部材(普通電動役物)23の開放時間を通常モードよりも長くしたモードであり、単位時間当たりの大当たり抽選回数が著しく増加する、遊技者にとって極めて有利なモードである。本実施形態では、前記特別図柄の変動回数(例えば100回)を消化すると、時短モードは通常の遊技モード(通常モード)の下での一般遊技状態(パチンコ遊技機10において最も基本的な一般遊技状態)に移行するようにしている。また、確変モードとは、大当たり抽選において、当選確率が通常の遊技モードよりも高められたモードである。具体的には、図6に示す大当たり抽選テーブルによって当選確率が定められる。そして、大当たり遊技状態終了後、この確変モードによる一般遊技状態に移行する大当たり遊技を「確変大当たり」と呼んでいる。
一方、特別図柄として、特定の数字図柄以外の数字図柄(例えば、“3”、“5”、又は“7”以外の数字図柄)が停止表示された場合は、基本的に一般遊技状態は移行しない。但し、詳細は後述の特別図柄制御処理で説明するが、一般遊技状態が時短モードの場合は、特別図柄の変動回数が所定の変動回数(例えば100回)に達したと判断すると、一般遊技状態を時短モードから通常モードへ移行する。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームを「特別図柄ゲーム」という。
表示器ケース37の左右の両側には、特別図柄保留ランプ34a〜34dが設けられている。この特別図柄保留ランプ34a〜34dは、点灯又は消灯によって保留されている特別図柄の変動表示の実行回数(所謂、「特別図柄の保留球数」)を表示する。
特別図柄表示器33の右側には、普通図柄表示器35が設けられている。普通図柄表示器35は、2つの表示用ランプ(図示せず)で構成されており、これら表示用ランプが交互に点灯・消灯を繰り返すことによって、例えば“○”、“×”等の記号が普通図柄として変動表示される。
表示器ケース37の下側には、普通図柄保留ランプ50a〜50dが設けられている。この普通図柄保留ランプ50a〜50dは、後述するように、点灯又は消灯によって保留されている普通図柄の変動表示の実行回数(所謂、「普通図柄の保留球数」)を表示する。
パチンコ遊技機10の概観の説明を続ける。図1及び図2に示すように、遊技盤14の透光性領域の外側には、発光表示手段としての装飾ランプ133a,133bが配設されており、遊技状態に合わせた所定の発光態様の表示を行う。
扉11には、透光性を有する保護板19が配設されている。この保護板19は、扉11が閉鎖された状態で遊技盤14の前面に対面するように配設されている。
発射ハンドル26は本体枠12に対して回動自在に設けられている。また、発射ハンドル26の裏側には、駆動装置である発射ソレノイド(図示せず)が設けられている。さらに、発射ハンドル26の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。このタッチセンサが遊技者により触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持されたと検知される。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射され、遊技が進められる。
また、遊技盤14の後方(背面側)に配設されている液晶表示装置32の表示領域32aでは、前述した特別図柄表示器33において表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。
例えば、特別図柄表示器33で表示される特別図柄の変動表示中においては、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて、一列の図柄列に数字や記号等からなる装飾図柄(演出用の識別情報でもある。例えば、“0”から“9”までの数字)が変動表示される。また、特別図柄表示器33において変動表示されていた特別図柄が停止表示されるとともに、液晶表示装置32の表示領域32aでも演出用の装飾図柄が停止表示される。
また、このとき、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて、装飾図柄以外の領域には、背景画像等も表示される。
また、特別図柄表示器33において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、大当たりであることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される。具体的には、特別図柄表示器33において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される演出用の装飾図柄の組合せが特定の表示態様(例えば、“1”から“9”のいずれかが全て揃った状態で停止表示される態様)となる。
この演出用の装飾図柄の組合せとして、特定の“奇数”の数字図柄が全て揃った状態で停止表示された場合(例えば、“111”〜“999” の数字図柄)は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大15回継続して行われる15R確変大当たり遊技状態に移行する。この場合は、前記特別図柄表示器33に表示される特定図柄は“7”である。また、特定の数字図柄が連番で停止表示された場合(例えば、“1”“2”“3”の数字図柄)は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大2回継続して行われる2R確変大当たり遊技状態に移行する。この場合は、前記特別図柄表示器33に表示される特定図柄は“3”である。さらに、特定の“偶数”の数字図柄が全て揃った状態で停止表示された場合(例えば、“222”〜“888” の数字図柄)は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大15回継続して行われる15R通常大当たり遊技状態に移行する。この場合は、前記特別図柄表示器33に表示される特定図柄は“5”である。このように、前述した、特別図柄表示器33に停止表示される特定図柄に対応した装飾図柄の組み合わせが、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて停止表示される。
このように、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される演出用の装飾図柄の組合せが特定の表示態様となった後には、更に、「大当たり!!」などの文字画像とともに、喜んでいるキャラクタ画像が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される。
このように、本実施形態に係るパチンコ遊技機10では、一般遊技状態において、大当たり遊技状態へ移行するか否かの大当たり抽選と、特別図柄ゲームとが行われ、抽選結果に基いて、前記特別図柄表示器33に停止表示される特定図柄に対応した装飾図柄の組み合わせが液晶表示装置32の表示領域32aに停止表示されるとともに、抽選結果に伴う演出画像についても液晶表示装置32の表示領域32aに表示されることになる。そして、抽選結果に当選すれば、前述した大当たり遊技状態に移行するのである。
なお、本実施形態における遊技は、始動口25に遊技球が入球したことを所定の抽選開始条件として、遊技者にとって有利な特別遊技を実行するか否かの抽選が行われ、特別図柄表示器33において特別図柄の変動表示が行われ、液晶表示装置32において演出としての装飾図柄の変動表示を含む演出画像の表示が行われる遊技である。
また、本実施形態では、演出画像の表示を行う際に、所定の演出パターンに沿って演出画像を液晶表示装置32に表示するようにしている。
ここで、所定の演出パターンとは、一回の特別図柄ゲームにおいて、特別図柄の変動表示開始から停止表示の前までを所定の演出画像(以下、「序盤演出画像」という。)の表示により演出し、停止表示された特別図柄に対応した抽選結果を序盤演出画像とは演出内容の異なる他の演出画像(以下、「終盤演出画像」という。)の表示により演出するといった、予め定めた演出表示態様のことである。
そして、このパチンコ遊技機10では、上記特別図柄ゲームが開始されると同時に、序盤演出画像として、表示領域32aにおいて装飾図柄を変動表示させると共に、表示領域32aにおいて装飾図柄を変動表示させている領域を除く領域に、所定のキャラクタ画像や背景画像等を表示させる。
その後、このパチンコ遊技機10では、特別図柄が変動している間、動画によってこの序盤演出画像の表示を継続し、特別図柄が停止表示されると同時に、終盤演出画像として、抽選結果を示す停止表示された特別図柄に対応する装飾図柄の組み合わせを表示させると共に、抽選結果に対応する所定のキャラクタ画像や背景画像等を表示させることによって、特別図柄の変動開始から変動停止までをストーリーのある動画表示によって演出するようにしている。
また、このパチンコ遊技機10が備える演出パターンは、通常演出パターンと、特別演出パターンとからなる。ここで、通常演出パターンと特別演出パターンについて具体的に説明する。なお、以下の説明では、同じ図柄の装飾図柄が三つそろって停止表示された終盤演出画像を特別図柄ゲームにおける「大当たり」に対応した終盤演出画像として説明する。
本実施形態における通常演出パターンは、特別図柄ゲームにおける「はずれ」を演出するものであり、具体的には、装飾図柄を変動表示させた後、図柄の異なる二つの装飾図柄を順次停止表示させる序盤演出画像と、先に停止表示させた装飾図柄と異なる図柄の装飾図柄を停止表示させることにより、図柄の異なる三つの装飾図柄を停止表示させる終盤演出画像と、これらの演出画像の背景を構成する背景演出画像とから構成されるものである。
また、本実施形態における特別演出パターンは、特別図柄ゲームにおける「はずれ」と「大当たり」との両方を演出するものであり、特に、第1の特別演出パターンと、第2の特別演出パターンと、第3の特別演出パターンとを含んでいる。
この特別演出パターンに含まれる第1の演出パターンは、特別図柄ゲームにおける「はずれ」を演出するものであり、複数の画像情報により演出表示内容の中途までを構成する序盤演出画像と、演出表示内容の終盤を示す第1の終盤演出画像とからなる。
ここで、図4を参照して、第1の特別演出パターンに沿った演出画像の一例について説明する。第1の特別演出パターンでは、図4(a)に示す序盤演出画像A1を表示した後に、図4(b)に示す第1の終盤演出画像A2を表示する。
序盤演出画像A1は、図4(a)に示すように、表示領域32aにおいて装飾図柄を変動表示させた後、二つの図柄の同じ(ここでは数字の「7」を示す)装飾図柄80aを順次停止表示させる共に、停止表示させた二つの装飾図柄80bの間で装飾図柄80bを変動表示させ、これら装飾図柄80a、80b表示の背景に、海81とクジラのキャラクタ82と、ヨット83に乗った人のキャラクタ84とを表示させる演出画像である。
すなわち、この序盤演出画像A1は、図柄が同じ二つの装飾図柄80aが停止表示された状態で、残り一つの装飾図柄80bだけを変動表示させる所謂リーチ演出画像である。
また、第1の終盤演出画像A2は、図4(b)に示すように、序盤演出画像A1において唯一変動表示していた装飾図柄80bを停止表示させて、先に停止表示させた二つの装飾図柄80aとは図柄の異なる(ここでは、数字の「8」を示す)装飾図柄80cを停止表示し、これら装飾図柄80a、80c表示の背景に、ヨット83から海81へ落ちる人のキャラクタ84と、海81へ潜るクジラのキャラクタ82とを表示する演出画像である。
すなわち、この第1の終盤演出画像A2は、停止表示した三つの装飾図柄80a80a、80cの中に、一つだけ図柄の異なる装飾図柄80cが含まれている所謂はずれ演出画像である。
このように、第1の特別演出パターンでは、特別図柄ゲームの結果が「はずれ」である場合でも、特別図柄ゲームの結果が「大当たり」であるかのような抽選結果を示唆する所謂リーチ演出画像を表示することによって、遊技者に期待感を持たせ、遊技意欲を高めるようにしている。
また、第2の特別演出パターンは、複数の画像情報により演出表示内容の中途までを構成する序盤演出画像と、上記第1の終盤演出画像とは演出内容が異なる第2の終盤演出画像とからなる。
この第2の特別演出パターンでは、図4(a)に示す序盤演出画像A1を表示した後に、図4(c)に示す第2の終盤演出画像A3を表示する。
この第2の終盤演出画像A3は、図4(c)に示すように、表示領域32aにおいて、図柄が同じ(ここでは、数字の「7」を示す)三つの装飾図柄80a、80a、80aを停止表示させ、これら装飾図柄80a、80a、80a表示の背景に、クジラのキャラクタ82に乗った人のキャラクタ84を表示させる演出画像である。
すなわち、この第2の終盤演出画像A3は、停止表示した三つの装飾図柄80a、80a、80aが、全て同じ図柄となる所謂大当たり演出画像である。
このように、第1の特別演出パターンでは、特別図柄ゲームの結果が「大当たり」である場合に、その結果を示す第2の終盤演出画像A3を表示する前に、抽選結果を示唆する所謂リーチ演出画像を表示させることにより、遊技者に期待感を持たせ、遊技意欲を高めるようにしている。
また、第3の特別演出パターンは、上記第1の演出パターンの第1の終盤演出画像A2に続けて、さらに第3の終盤演出パターンを付加したものである。
この第3の特別演出パターンでは、図4(a)に示す序盤演出画像A1を表示した後、図4(b)に示す第1の終盤演出画像A2を表示し、その後、図5に示す第3の終盤演出画像Cを表示するようにしている。
この第3の終盤演出画像Cは、図5に示すように、表示領域32aにおいて、図柄が同じ(ここでは、数字の「7」を示す)三つの装飾図柄80a、80a、80aを停止表示させ、これら装飾図柄80a、80a、80a表示の背景に、UFO84によって引き上げられる人のキャラクタ84を表示させる演出画像である。
すなわち、この第3の終盤演出画像Cは、所謂はずれ演出画像である第1の終盤演出画像A2を表示させ、その後、再び装飾図柄を変動表示させた後、大当たりを示す装飾図柄80a、80a、80aの組み合わせを表示する所謂再変動大当たり演出画像である。
このように、第3の特別演出パターンでは、特別図柄ゲームの結果が「大当たり」であることを、単純に遊技者に報知するのではなく、一旦、所謂はずれ演出画像を表示させて遊技者を落胆させた後、所謂再変動大当たり演出画像を表示させることによって、特別図柄ゲームの結果が「大当たり」であったことを遊技者により効果的に報知して遊技性の向上を図るようにしている。
また、本実施形態では、上記特別演出パターンを異なる演出テーマ毎に複数種類設定するようにしており、具体的には、図4に示した海を演出テーマにした特別演出パターンの他に、空を演出テーマにした特別演出パターンを設定することができる。
この空を演出テーマにした特別演出パターンでは、図6(a)に示す序盤演出画像B1と、図6(b)に示す第1の終盤演出画像B2とにより、第1の特別演出パターンを構成し、図6(a)に示す序盤演出画像B1と、図6(c)に示す第2の終盤演出画像B3とにより、第2の特別演出パターンを構成する。
この空を演出テーマにした特別演出パターンにおいて、各演出画像中の装飾図柄80a〜80cの変動表示態様及び停止表示態様に関しては、図4に示した各演出画像中の装飾図柄80a〜80cの変動表示態様及び停止表示態様と同様であるが、各演出画像における背景の画像が異なる。
すなわち、図6(a)に示すように、所謂リーチ演出画像である序盤演出画像B1の背景には、飛行機86に乗っている人のキャラクタ84を表示するようにしており、図6(b)に示すように、所謂はずれ演出画像である第1の終盤演出画像B2の背景には、墜落する飛行機86と落下する人のキャラクタ84を表示するようにしており、図6(c)に示すように、所謂大当たり演出画像である第2の終盤演出画像の背景には、無事空港に到着した人のキャラクタ84を表示するようにしている。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、特別演出パターンを異なる演出テーマ毎に複数種類設定することにより、遊技が単調化することを防止して、遊技性の向上を図るようにしている。
さらに、本実施形態において、第3の特別演出パターンの第3の終盤演出画像に関しては、演出テーマの種類とは無関係に共通化した第3の終盤演出画像(図5参照。)を用いるようにしている。
これにより、予めパチンコ遊技機10に記憶させておく画像情報が増大することを抑制することができる。なお、パチンコ遊技機10が、記憶する画像情報の情報量を考慮する必要がない程、記憶容量の大きな画像情報記憶手段を備えている場合には、上記のように第3の終盤演出画像を共通化する必要はなく、異なる演出テーマ毎に複数の第3の終盤演出画像を設けることができる。
次に、図7を用いて、パチンコ遊技機10の概観について、さらに詳細に説明する。図7は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す正面図である。なお、図7を用いたパチンコ遊技機10の概観の説明では、図1及び図2を用いたパチンコ遊技機10の概観の説明と重複する部分を省略することがある。また、図7においては、遊技盤14に打ち込まれている複数の障害釘13の記載を省略している。
図7に示すように、遊技盤14には、2つのガイドレール30(30a及び30b)、障害物55、57、通過ゲート54、始動口25、大入賞口39、が設けられている。なお、遊技盤14の上部では、特別図柄表示器33、普通図柄表示器35等の電飾ユニット53(図3参照)が視認可能となっている。
遊技盤14の上部には障害物55が設けられ、遊技盤14の略中央には障害物57が設けられている。この障害物57下部には、始動口25が設けられている。この始動口25への遊技球の入賞が、特別図柄ゲーム及び特別遊技を実行するか否かを抽選する契機となる。
遊技盤14の左側に設けられている2つのガイドレール30は、遊技領域15を区画(画定)する外レール30aと、その外レール30aの内側に配設された内レール30bとから構成される。発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて、遊技盤14の上部に移動し、電飾ユニット53上を通過して、前述した複数の障害釘13(図2参照)、遊技盤14上に設けられた障害物55、57等との衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって流下する。
前記始動口25に遊技球が入賞した場合には、特別図柄表示器33による特別図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動口25へ入賞した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、始動口25への遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示された後に、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。つまり、前記電飾ユニット53に設けられた、特別図柄保留ランプ34a〜34d(図3参照)は、保留された特別図柄の変動表示の実行回数に対応して、左から順番に点灯され、特別図柄の変動表示が一旦停止表示され、次の保留されていた特別図柄の変動表示が開始されると、それに対応した特別図柄保留ランプは消灯される。なお、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回(個)を上限として特別図柄の変動表示は保留される。
また、液晶表示装置32の表示領域32aにおいても、前述した始動口25に遊技球が入賞した場合には、前記特別図柄の変動表示の開始にあわせて、演出用の装飾図柄の変動表示を含む演出画像の表示が開始される。また、特別図柄に関する変動表示中に遊技球が始動口25へ入賞した場合には、変動表示中の演出用の識別情報が停止表示されるまで、始動口25への遊技球の入賞に基づく演出用の装飾図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた演出用の装飾図柄が停止表示された場合には、保留されていた演出用の装飾図柄の変動表示が開始される。
なお、本実施形態においては、始動口25に遊技球が入賞したこと等を、所定の特別図柄の変動表示開始条件又は所定の演出用の装飾図柄の変動表示開始条件又は特別遊技を実行するか否かを抽選する抽選開始条件としたが、これに限らず、別の態様であってもよい。
遊技盤14の略中央の左側には通過ゲート54が設けられている。この通過ゲート54には、後述する通過球センサ114(図8参照)が設けられている。通過球センサ114は、遊技球が通過ゲート54を通過したことを検出する。そして、通過球センサ114によって遊技球の通過が検出されたときには、普通図柄表示器35において普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示が停止する。前述したように、この普通図柄は、“○”、“×”等の記号である。
この普通図柄が所定の図柄、例えば“○”として停止表示されたときには、始動口25の左右の両側に設けられている羽根部材(所謂、普通電動役物)23が閉鎖状態から開放状態となり、始動口25に遊技球が入りやすくなる。また、羽根部材23を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材23を閉鎖状態として、始動口25に遊技球が入りにくくなるようにする。以上のように、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって羽根部材23の開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
また、特別図柄の変動表示と同じように、普通図柄の変動表示中において通過ゲート54を遊技球が通過した場合には、変動表示中の普通図柄が停止表示されるまで、通過ゲート54への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。つまり、前記電飾ユニット53に設けられた、普通図柄保留ランプ50a〜50d(図3参照)は、保留された普通図柄の変動表示の実行回数に対応して、左から順番に点灯され、変動が停止表示されると、次の保留されていた普通図柄の変動表示が開始され、それに対応した普通図柄保留ランプは消灯される。なお、普通図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回(個)を上限として保留される。
大入賞口39には、その前面側(前方)に開閉自在なシャッタ40が設けられている。このシャッタ40は、特別図柄表示器33において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示され、遊技状態が前記の大当たり遊技状態(つまり、15R確変大当たり、2R確変大当たり及び15R通常大当たり状態)に移行された場合は、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れやすい開放状態となる。
一方、シャッタ40の背面側(後方)に設けられた大入賞口39には、V・カウントセンサ102(図8参照)を有する特定領域(図示せず)と、カウントセンサ104(図8参照)を有する一般領域(図示せず)とがあり、それらの領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。そして、開放状態において大入賞口39への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタ40は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態になるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる。
なお、大入賞口39が遊技球を受け入れやすい状態となっている開放状態から大入賞口39が遊技球を受け入れ難い状態となっている閉鎖状態までの遊技をラウンドゲームという。したがって、シャッタ40は、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖することになる。また、ラウンドゲームは、“1”ラウンド、“2”ラウンド等のラウンド数として計数されるため、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド、2回目を第2ラウンドと呼称する場合がある。
続いて、開放状態から閉鎖状態に駆動されたシャッタ40は、開放状態において大入賞口39に受け入れられた遊技球がV・カウントセンサ102を通過したことを条件に、再度開放状態に駆動される。つまり、シャッタ40の開放状態において大入賞口39に受け入れられた遊技球がV・カウントセンサ102を通過したことを条件に、次のラウンドゲームへ継続して進むことができる。なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、次のラウンドゲームに継続して進むことができない(最終の)ラウンドゲームが終了するまでの遊技を大当たり遊技状態という。すなわち、大当たり遊技状態は遊技者にとって有利な遊技状態である。
また、前述した始動口25、一般入賞口56a〜56d、大入賞口39における特定領域及び一般領域に遊技球が入賞又は通過したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22に払い出される。
ここで、本実施形態においては、役物の一例として、大入賞口39の役物が記載されているが、本発明はこれに限定されず、遊技盤上に2つ以上のいかなる数の役物が設けられてもよい。
また、本実施形態では、大当たり遊技状態の実行中において、最初のラウンド数から最もラウンドゲームが継続された場合の最後のラウンドゲームまでのラウンド数(最大継続ラウンド数)は、15ラウンド又は2ラウンドである。なお、大当たり遊技状態の実行中における最大継続ラウンド数は限定されるものではない。例えば、最大継続ラウンド数は、ラウンド数抽選手段(後述するメインCPU66を含む主制御回路60(図8参照))による抽選により、“1”ラウンドから“15”ラウンドまでの間から選択されるなど、任意のラウンド数であってもよい。
なお、本実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットLED、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであってもよい。また、本実施形態においては、液晶表示装置32とは別に特別図柄表示器33及び普通図柄表示器35を備えるように構成したが、これに限らず、液晶表示装置32に特別図柄及び普通図柄を変動表示させるように構成してもよい。
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路について図8を用いて説明する。図8は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図である。
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路は、主に、遊技制御手段としての主制御回路60と、演出制御手段としての副制御回路200とから構成される。主制御回路60は、遊技の制御を行うものであり、副制御回路200は、遊技の進行に応じた演出の制御(例えば、画像表示制御、音声出音制御、装飾ランプ制御等)を行うものである。
主制御回路60は、図8に示すように、制御手段であるメインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU66は、例えば、特別遊技を実行するための特別遊技実行手段や、所定の抽選開始条件が満たされたことを契機に、特別遊技を実行するか否かを抽選する抽選手段や、抽選手段による抽選結果に応じて、演出パターンを決定する演出パターン決定手段として機能するなど、後述する各種の手段として機能することとなる。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当たり判定をする際に参照される大当たり抽選テーブル(図9参照)等の各種のテーブルが記憶されている。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。なお、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。尚、このシリアル通信用IC72は、各種のコマンドを副制御回路200(副制御回路200に含まれる各種の手段)へ送信する送信手段に相当する。
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されており、例えば、図8に示すように、V・カウントセンサ102、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、110、112、通過球センサ114、始動入賞球センサ116、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120、シーソーソレノイド122、バックアップクリアスイッチ124が接続されている。
V・カウントセンサ102は、大入賞口39における特定領域に設けられている。このV・カウントセンサ102は、大入賞口39における特定領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
カウントセンサ104は、大入賞口39における特定領域とは異なる一般領域に設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口39における一般領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
一般入賞球センサ106、108、110、112は、一般入賞口56a〜56dにそれぞれ設けられている。この一般入賞球センサ106、108、110、112は、各一般入賞口56a〜56dへ遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
通過球センサ114は、通過ゲート54に設けられている。この通過球センサ114は、通過ゲート54を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
遊技球検出手段である始動入賞球センサ116は、始動口25に設けられている。始動入賞球センサ116は、始動口25に遊技球が入賞したことを検出して、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して羽根部材23に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材23を開放状態又は閉鎖状態とする。
大入賞口ソレノイド120は、図7に示すシャッタ40に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態又は閉鎖状態とする。
シーソーソレノイド122は、板形状でシャッタ40内部に設けられているシーソー(図示せず)に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シーソーを変位させ、そのシーソーの傾斜を変更する。このシーソーが傾斜された結果、特定領域を通過しやすくなるように又は一般領域を通過しやすくなるように切り替えることとなる。
バックアップクリアスイッチ124は、パチンコ遊技機10に内蔵されており、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行なう払出装置128、遊技球の発射を行なう発射装置130、カードユニット150が接続されている。
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行なう。
また、発射装置130には、前述した発射ソレノイド、タッチセンサ等の遊技球を発射させるための装置が備えられている。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が発射ソレノイドにより遊技盤14に順次発射される。
さらに、主制御回路60には、ランプ制御回路76が接続されており、このランプ制御回路76は、メインCPU66からの指示に従い、特別図柄保留ランプ34a〜34d、普通図柄保留ランプ50a〜50d、特別図柄表示器33(7セグメントLED41)、普通図柄表示器35(表示用ランプ)等を制御する。
このように構成した主制御回路60において、メインCPU66は、始動入賞球センサ116から、始動口25に遊技球が入賞したことを示す信号を受信すると、それを契機としてメインROM68に記憶している乱数抽選用のプログラムを実行することにより抽選手段として機能し、メインROM68に記憶している大当たり抽選テーブルを参照して、特別遊技を実行するか否かを乱数抽選する。
この乱数抽選が終了すると、次にメインCPU66は、メインROM68に記憶している演出パターン決定用のプログラムを実行することにより演出パターン決定手段として機能し、予め設定している複数種類の演出パターンの中から、乱数抽選の結果に対応した演出パターンを選択し、この選択した演出パターンを今回実行する特別図柄ゲームの演出に用いる演出パターンとして決定する。
そして、メインCPU66は、ここで決定した演出パターンに沿った演出画像を液晶表示装置32に表示させるための表示コマンドを、シリアル通信用IC72を介して副制御回路200へ送信する。
このとき副制御回路200へ送信する表示コマンドには、今回の乱数抽選の結果に対応した演出パターンの種類を示すコマンド、今回液晶表示装置32に表示させる演出画像を生成するために用いる複数の画像情報を選択するためコマンド、演出画像を表示する際に再生する音データを選択するためのコマンド等が含まれている。
一方、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ133a,133bの制御等を行なう。
なお、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
副制御回路200は、演出画像表示制御手段、音発生制御手段としてのサブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、装飾ランプなどのランプ133a,133bの制御を行うランプ制御回路240から構成されている。副制御回路200は、主制御回路60から受信する各種コマンドによる指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、後述するように、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行い、後述する各種の手段として機能することとなる。
プログラムROM208には、液晶表示装置32に表示する複数種類の演出用の画像情報や、大当たり(特別)遊技中のラウンドゲームを演出する演出用の画像情報等が記憶されており、画像情報記憶手段として機能するものである。
特に、このプログラムROM208内の所定領域には、図10に示すように、特別演出パターンに沿った各演出画像を生成するために用いる複数種類の序盤演出画像A1、B1、第1の終盤演出画像A2、B2、第2の終盤演出画像A3、B3、第3の終盤演出画像Cにそれぞれ対応する各画像情報が記憶されている。なお、この図10では、各序盤演出画像A1、B1、各終盤演出画像A2、A3、B2、B3、Cに対応する各画像情報をそれぞれ符号A1、B1、A2、A3、B2、B3、Cにより示すようにしている。
ここでは、プログラムROM208に記憶させる情報量を低減するために、第3の終盤演出画像Cに対応する画像情報Cを、演出テーマの種類にかかわらず、共通化して一種類のみ記憶させるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第3の終盤演出画像Cに対応する画像情報を演出テーマ毎に複数設けることもできる。
また、この図10では、各序盤演出画像A1、B1、各終盤演出画像A2、A3、B2、B3、Cを表示する際の表示時間を、各画像情報を示す符号A1、B1、A2、A3、B2、B3、Cを囲む四角形の面積により示すようにしている。
すなわち、この図10から明らかなように、本実施形態では、各序盤演出画像A1、B1、各終盤演出画像A2、A3、B2、B3、Cを表示する際の表示時間が全て等しくなるように設定している。
また、このプログラムROM208には、上記画像情報の他、リーチ演出の表示期間を定めたリーチ時間テーブル等各種のテーブルも記憶されている。
さらに、このプログラムROM208には、サブCPU206が表示制御回路250、音声制御回路230、ランプ制御回路240等の周辺回路を動作させるための複数の動作制御プログラム等が記憶されている。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、リーチ演出時間を制御するためのタイマ変数、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等、各種の変数等が位置付けられている。
また、このワークRAM210には、主制御回路60から副制御回路200へ演出画像の表示を行わせるための表示コマンド送信がされると、その表示コマンドに応じて、サブCPU206がプログラムROM208から読み出した演出画像用の画像情報を書き込む(記憶させる)ようにしている。
すなわち、サブCPU206は、主制御回路60から表示コマンドを受信すると、受信した表示コマンドを解析して、図10に示すように、プログラムROM208に記憶している複数の画像情報A1、B1、A2、A3、B2、B3、Cの中から、今回液晶表示装置32に表示する演出画像を生成するために用いる画像情報を選択して読み出し、ワークRAM210内の序盤演出用領域(a)に選択した序盤演出画像に対応する画像情報を、終盤演出用領域(b)、(c)に選択した終盤演出画像に対応する画像情報をそれぞれ書き込む。
特に、本実施形態では、ワークRAM210において、今回表示する演出画像が特別演出パターンに沿うものであるか否かによって、画像情報を書き込む領域を区別するようにしており、今回表示する演出画像が特別演出パターンに沿うものである場合には、図10に示すワークRAM210内の序盤演出用領域(a)と終盤演出用領域(b)、(c)とに画像情報を書き込むようにしており、今回表示する演出画像が通常演出パターンに沿うものである場合には、ワークRAM210内の図示しない他の記憶領域に書き込むようにしている。
なお、図10では、表示する演出画像が第3の特別演出パターンに沿うものであった場合にワークRAM210に書き込まれる画像情報の一例を示しており、具体的には、ワークRAM210の序盤演出用領域(a)に、序盤演出画像A1に対応する画像情報A1が書き込まれ、終盤演出用領域(b)、(c)に、それぞれ第1の終盤演出画像A2に対応する画像情報A2、第3の終盤演出画像Cに対応する画像情報Cが書き込まれた状態を示している。
そして、サブCPU206は、このワークRAM210に書き込んだ各画像情報を用いて各種演出画像を生成し、液晶表示装置32に表示する処理を行うのである。
特に、このときサブCPU206は、特別演出パターンに沿った演出画像を生成して液晶表示装置32に表示した後、ワークRAM210内の序盤演出用領域(a)及び終盤演出用領域(b)、(c)に書き込んだ画像情報に限り、次回特別演出パターンに沿った演出画像を生成するときまで、その画像情報を消去することなく保持させておくようにしている。
すなわち、この序盤演出用領域(a)及び終盤演出用領域(b)、(c)は、画像情報を一時的に記憶する画像情報一時記憶領域として機能するのである。
表示制御回路250は、サブCPU206から供給される、特別図柄の変動表示に関連して実行される演出画像の表示の進行に伴う複数種類の演出パターンや、大当たり遊技中のラウンドゲームに関連して実行される複数種類の演出パターン等の演出用の画像情報等を、液晶表示装置32に表示させる制御を行うものである。
音声制御回路230は、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、スピーカ46から音声を発生させるものである。
ランプ制御回路240は、サブCPU206から供給されるプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、装飾ランプ133a,133bの発光制御を行うものである。
このように構成した副制御回路200において、サブCPU206は、上記のように、主制御回路60から送信される表示コマンドに応じて、プログラムROM208に記憶している動作制御プログラムを実行することにより演出画像表示制御手段として機能し、メインCPU66が演出パターン決定手段として機能して決定した演出パターンに基づいて、プログラムROM208に記憶されている複数の画像情報の中から画像情報を選択し、選択した画像情報を用いて演出画像を生成して、液晶表示装置32に表示させる。
特に、本実施形態の演出画像表示制御手段は、今回液晶表示装置32に表示予定の演出画像が特別演出パターンに沿うものである場合、前回選択した画像情報が今回表示予定の特別演出パターンを構成するものであれば、複数の序盤演出画像を表示するための画像情報を流用して今回の特別演出パターンに沿った演出画像を生成する処理を行う。
さらに、この演出画像表示制御手段は、今回液晶表示装置32に表示予定の演出画像が第3の特別演出パターンに沿うものである場合、前回選択した序盤演出画像を表示するための画像情報を流用すると共に、今回表示予定の第3の終盤演出画像を用いて今回の特別演出パターンに沿った演出画像を生成する処理を行う。
すなわち、この演出表示制御手段は、主制御回路60から受信した表示コマンドが、第1〜第3の特別演出パターンに沿った演出画像を表示させるためのコマンドであった場合に、ワークRAM210の序盤演出用領域(a)に保持している前回使用した画像情報が、今回表示予定の特別演出パターンに沿った序盤演出画像に対応するものであれば、この序盤演出用領域(a)に保持している画像情報を流用して、今回の第1の特別演出パターンに沿った序盤演出画像を生成する。
また、この演出表示制御手段は、主制御回路60から受信した表示コマンドが、第3の特別演出パターンに沿った演出画像を表示させるためのコマンドであった場合に、ワークRAM210の序盤演出用領域(a)に保持している前回使用した画像情報が第1〜第3のいずれの特別演出パターンに沿う序盤演出画像に対応するものであっても、この序盤演出用領域(a)に保持している画像情報を流用して、今回の第3の特別演出パターンに沿った序盤演出画像を生成する。
また、演出表示制御手段は、プログラムROM208に第3の終盤演出画像に対応する画像情報を複数種類記憶している場合には、第3の特別演出パターンに沿った演出画像を生成する際、ワークRAM210の終盤演出用領域(c)に保持している画像情報の種類にかかわらず、表示コマンドに基づいた今回表示予定の第3の終盤演出画像に対応する画像情報を用いて第3の特別演出パターンに沿った演出画像を生成するようにしている。
なお、本実施形態においては、パチンコ遊技機10の制御回路において、遊技制御手段としての主制御回路60と、演出制御手段としての副制御回路200を別々に構成しているが、主制御回路60と副制御回路200とを同じ基板で構成してもかまわない。
なお、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段として、主制御回路60ではメインROM68を、副制御回路200ではプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に、プログラム、テーブル等が記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、主制御回路60ではメインRAM70、副制御回路200ではワークRAM210等に記録されるものでもよい。なお、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
[遊技機の動作]
本実施形態では、遊技状態は大別して一般遊技状態(大当たりの抽選を行いながら遊技球を消費する、所謂遊技者に不利な状態)と大当たり遊技状態(遊技者にとって短時間で大量の遊技球の獲得が期待できる、所謂遊技者にとって有利な状態)に分かれる。さらに一般遊技状態においても、通常モード、確変モード、時短モードと3つの遊技状態が設けられている。以下に、パチンコ遊技機10で実行される処理を図11〜図20に示す。
[メイン処理]
最初に、図11に示すように、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS11)。そして、詳しくは図13を用いて後述するが、特別図柄ゲームの進行、液晶表示装置32、特別図柄表示器33に表示される特別図柄、装飾図柄に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS12)。そして、詳しくは、図15を用いて後述するが、普通図柄ゲームの進行、普通図柄表示器35に表示される普通図柄に関する普通図柄制御処理を実行する(ステップS13)。このように、メイン処理においては、ステップS11の初期設定処理が終了した後、ステップS12及びステップS13の処理を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図12を用いて説明する。
最初に、図12に示すように、メインCPU66は、大当たり抽選用乱数値等の各抽選値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS21)。そして、メインCPU66は、始動口25等への遊技球の入賞を検知する入力検出処理を実行する(ステップS22)。この処理においては、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、遊技球を払出す(賞球する)旨のデータをメインRAM70の所定領域に記憶することとなる。また、メインCPU66は、この入力検出処理(ステップS22)において、始動口25への遊技球の入賞を検出すると、その検出を抽選開始条件として大当たり抽選(特別遊技を実行するか否かの抽選)を行うようにしている。次に、メインCPU66は、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当たりが発生した際に開放する大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(ステップS23)。そして、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理を実行する(ステップS24)。この処理が終了した場合には、ステップS25に処理を移す。
ステップS25においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンドとしては、具体的には、デモ表示コマンド、導出表示される特別図柄の種類を示す導出図柄指定コマンド、今回の乱数抽選(大当たり抽選)の結果に対応した演出パターンの種類を示すコマンド、今回液晶表示装置32に表示させる演出画像を生成するために用いる複数の画像情報を選択するためコマンド、演出画像を表示する際に再生する音データを選択するためのコマンド等が含まれる。この処理が終了した場合には、ステップS26に処理を移す。
そして、ステップS26の処理において、メインCPU66は、払出装置128に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ送信する等の払出処理を実行する。具体的には、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞することで予め設定された所定数の賞球払出を行うための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ供給する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
[特別図柄制御処理]
図11のステップS12において実行される特別図柄制御処理について図13を用いて説明する。
最初に、ステップS31の処理において、メインCPU66は、特別図柄制御フラグをロードする。この処理において、メインCPU66は、特別図柄制御フラグを読み出しステップS32に処理を移す。
ステップS32においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(00)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(00)でない場合には、ステップS34に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(00)の場合には、ステップS33へ処理を移し、特別図柄記憶チェック処理を行う。この特別図柄記憶チェック処理では、詳細は後述するが、特別図柄の保留個数を調べ、保留個数がある場合に、特別遊技を実行するか否かの抽選(大当たり抽選)、特別図柄の変動開始、特別図柄変動タイマのセット等を行い、特別図柄制御フラグに次のステップの処理要求である(01)をセットして処理を終了する。
ステップS34においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(01)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(01)でない場合には、ステップS40に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(01)の場合には、特別図柄変動時間監視処理を行う。すなわち、ステップS35において、特別図柄変動タイマがタイムアップ(つまり“0”)か否かを判断し、タイムアップしていなければ処理を終了する。そしてタイムアップした場合は、メインCPU66は、ステップS36で特別図柄の停止処理を行うとともに、メインRAM70に記憶されている特別図柄保留個数を“1”減少するように記憶更新する。さらに、メインCPU66は、一般遊技状態が時短モードであるか判断し、時短モードの場合はメインRAM70に記憶されている時短回数を“1”減少するように記憶更新し、そして、時短回数が“0”(つまり時短モードの終了)になった場合は、一般遊技状態を通常モードにセットして、時短モードを終了させる。
次に、メインCPU66は、ステップS37において特別図柄が大当たりか否かを判断し、大当たりでなければステップS39において、特別図柄制御フラグをクリア(つまり特別図柄記憶チェック処理を要求する値(00)をセットする)して処理を終了する。また、特別図柄が大当たりであった場合は、ステップS38の大入賞口開放待ち処理を行う。大入賞口開放待ち処理では、メインCPU66は、特別図柄制御フラグに大入賞口開放待ちを示す値(02)をセットし、待ち時間(例えば1秒)を大入賞口開放待ちタイマにセットして処理を終了する。
ステップS40においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(02)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(02)でない場合には、ステップS43に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(02)の場合には、大入賞口開放処理を行う。大入賞口開放処理では、まず、メインCPU66は、ステップS41で大入賞口開放待ちタイマがタイムアップ(つまり“0”)かを判断し、タイムアップしていなければ処理を終了する。そしてタイムアップした場合は、ステップS42で大入賞口開放処理を行う。この大入賞口開放処理では、メインCPU66は、まず大入賞口39の開放をセット(メインRAM70の所定の領域に、シャッタ40による大入賞口ソレノイド120の開放指示を記憶する)し、次に大当たりの種類によって大入賞口開放タイマに大入賞口39の開放時間(例えば、大当たりが15R確変大当たり、又は15R普通大当たりの場合は30秒、2R確変大当たりの場合は1秒)をセットする。そして、特別図柄制御フラグに大入賞口開放監視処理を示す値(03)をセットし処理を終了する。
ステップS43においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(03)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(03)でない場合には、ステップS50に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(03)の場合には、大入賞口開放監視処理を行う。大入賞口開放監視処理では、まずメインCPU66は、ステップS44で大入賞口開放タイマがタイムアップ(つまり“0”)したか、又は、大入賞口39へ規定の個数の遊技球が入賞したか否かを判断する。そして大入賞口開放タイマのタイムアップ、同時に、大入賞口39へ規定の個数の遊技球が入賞していなければ処理を終了する。そして入賞口開放タイマのタイムアップ、又は、大入賞口39へ規定の個数の遊技球が入賞のいずれか一方の条件を満たしたことで、ステップS45へ処理を移行する。
ステップS45においては、メインCPU66は、大入賞口閉鎖処理(メインRAM70の所定の領域に、シャッタ40による大入賞口ソレノイド120の閉鎖指示を記憶する)を実行してステップS46へ処理を移す。
ステップS46においては、メインCPU66は、大入賞口開放回数(所謂ラウンド数)をカウントし、規定回数(15R通常大当たり又は15R確変大当たりでは15回、2R確変大当たりでは2回)に達したか否かを判断し、規定回数に達した場合はステップS49で特別図柄制御フラグに大当たり終了処理を要求する値(04)をセットし処理を終了する。また、メインCPU66は、大入賞口開放回数が規定回数に達していなかった場合は、ステップS47で、大入賞口39へ入賞した遊技球が所定の特定領域を通過したか否かを判断し、大入賞口39へ入賞した遊技球が所定の特定領域を通過しなかった場合(V・カウントセンサ102が遊技球の通過を検出しなかった場合)は、ステップS49で特別図柄制御フラグに大当たり終了処理を要求する値(04)をセットし処理を終了する。一方、メインCPU66は、大入賞口39へ入賞した遊技球が所定の特定領域を通過した(つまり、V・カウントセンサ102が遊技球の通過を検出した)場合は、ステップS48へ処理を移す。
ステップS48では、メインCPU66は、大入賞口開放待ち処理を行う。大入賞口開放待ち処理では、特別図柄制御フラグに再度大入賞口39の開放を要求する値(02)をセットし、待ち時間(例えば1秒)を大入賞口開放待ちタイマにセットして処理を終了する。
ステップS50においては、メインCPU66は、大当たり終了処理を行う。大当たり終了処理では、大当たり図柄が15R確変大当たり又は2R確変大当たりの場合は、一般遊技状態を確変モードとし、大当たり図柄が15R通常大当たりの場合には、一般遊技状態を時短モードとして、さらに時短モード中の特別図柄の変動回数の上限(例えば100回)をメインRAM70の所定の領域に記憶する。最後にメインCPU66は、特別図柄制御フラグをクリア(つまり特別図柄記憶チェック処理を要求する値(00)をセットする)して、特別図柄制御処理を終了する。
[特別図柄記憶チェック処理]
図13のステップS33において実行される特別図柄記憶チェック処理について図14を用いて説明する。
最初に、メインCPU66は、ステップS61において、特別図柄保留個数が“0”であるか否かを判断し、特別図柄の保留個数が“0”の場合には、ステップS62に処理を移し、特別図柄の保留個数が“0”でない場合(つまり、特別図柄の変動がある場合)には、ステップS63に処理を移す。
ステップS62においては、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、デモ表示を行わせるために、副制御回路200にデモ表示コマンドを供給するためのデータを、メインRAM70の所定の領域に記憶する。これによって、副制御回路200において、客待ち状態(所定の待機状態)となったことを認識することができる。この処理が終了した場合には、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
ステップS63においては、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を要求する値(01)を、特別図柄制御フラグにセットし、ステップS64に処理を移す。
ステップS64においては、大当たり抽選処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、一般遊技状態を読み出し、読み出した一般遊技状態に基づいて、大当たりの抽選値が異なる複数の大当たり抽選テーブル(図9参照)から1つの大当たり抽選テーブルを選択する。そして、始動口25へ遊技球が入賞した時に抽出された大当たり抽選用乱数値と、前記選択された大当たり抽選テーブルを参照し、大当たりを抽選(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり又は“はずれ”のうちのいずれかを決定)する。すなわち、メインCPU66は、このステップS64において、所定の抽選条件が満たされたことを契機に、特別遊技を実行するか否かを抽選する抽選手段として機能するのである。ここで、図9の大当たり抽選テーブルに示すように、通常モード又は時短モードにおける大当たり抽選テーブルと確変モードにおける大当たり抽選テーブルでは、大当たりの抽選値は、通常モード及び時短モードでは7/400(15R通常大当たり、15R確変大当たり及び2R確変大当たりの全て大当たり抽選値の合計)に設定されているのに対し、確変モードでは70/400(15R通常大当たり、15R確変大当たり及び2R確変大当たりの全て大当たり抽選値の合計)と設定されている。つまり、一般遊技状態における異なる遊技状態(通常モード、確変モード、時短モード)に基づいて大当たり抽選テーブルを選択することによって、大当たり遊技状態に移行する確率が異なることとなる。このように、一般遊技状態が確変モードである場合には、大当たり遊技状態に移行する確率は、通常モードや時短モードよりも向上することとなるので、遊技者にとって有利な状態といえる。この処理が終了した場合には、ステップS65に処理を移す。
ステップS65においては、メインCPU66は、大当たりであるか否かの判断処理を行う。この処理において、メインCPU66は、前述したステップS64の大当たり抽選処理における抽選結果が大当たりであった場合には、ステップS66に処理を移し、大当たりでなかった場合には、ステップS67に処理を移す。
ステップS66においては、特定図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS64で決定された大当たりの種類に対応して表示される特定図柄を決定する。例えば、15R確変大当たりに対しては、特定図柄は“7”が決定され、2R確変大当たりに対しては、特定図柄は“3”、又は、15R通常大当たりに対しては、特定図柄は“5”というように、それぞれの大当たりに対応して特定図柄は決定される。そして、決定された特定図柄は、メインRAM70の所定の領域に記憶される。これによって、特別図柄表示器33に、大当たりに対応した特定図柄が導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS68に処理を移す。
ステップS67においては、はずれ図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、はずれ図柄に対応した特定図柄(例えば“7”、“3”、“5”以外の数字)を決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。これによって、特別図柄表示器33に、はずれに対応した特定図柄が導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS68に処理を移す。
ステップS68では、遊技状態判別処理を行う。この遊技状態判別処理において、メインCPU66は、現在の一般遊技状態が、確変モードもしくは時短モードであると判断した場合は、ステップS70へ処理を移行し、現在の一般遊技状態が通常モードであると判断した場合は、ステップS69において、通常モードの特別図柄変動時間(例えば10秒)を、特別図柄変動タイマにセットし、メインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、ステップS71へ処理を移行する。
ステップS70においては、メインCPU66は、確変モード又は時短モードの特別図柄変動時間(通常モードの特別図柄変動時間より短い時間、例えば5秒)を、特別図柄変動タイマにセットし、メインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、ステップS71へ処理を移行する。
ステップS71においては、メインCPU66は、特別図柄表示器33(図3参照)に対して、変動表示を開始させる要求をメインRAM70の所定の領域に記憶して、ステップS72へ処理を移す。この処理によって、特別図柄表示器33においては、前記ステップS69及びステップS70で特別図柄変動タイマにセットされた変動時間にあわせて、特別図柄の変動表示が行なわれ、所定時間経過後(特別図柄変動タイマがタイムアップした後)前記ステップS66及びステップS67で決定された“大当たり”又は“ハズレ”の特別図柄が停止表示されることとなる。
ステップS72では、液晶表示装置32の表示領域32aに演出表示される装飾図柄や演出時間の決定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS66又はステップS67で記憶された“大当たり”又は“はずれ”のデータ、そしてステップS69又はステップS70で記憶された特別図柄変動時間等のデータに基づき、液晶表示装置32の表示領域32aに演出表示される装飾図柄を含む演出画像や演出時間を決定して、メインRAM70の所定の領域に記憶する。すなわち、このステップS72においてメインCPU66は、抽選手段の抽選結果に応じて、演出パターンを決定する演出パターン決定手段として機能するのである。
そして、ここで記憶された装飾図柄を含む演出画像や演出時間は、図12のステップS25のコマンド出力処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に表示コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、装飾図柄を含む演出画像が液晶表示装置32の表示領域32aに導出表示されるとともに、装飾図柄の変動時間も決定される。つまり、特別図柄表示器33で導出表示される特別図柄の変動時間と、液晶表示装置32に導出表示される装飾図柄の変動時間は、同期して行われることとなる。
[普通図柄制御処理]
図11のステップS13において実行されるサブルーチンについて図15を用いて説明する。
最初に、メインCPU66は、ステップS101において、普通図柄制御フラグをロードする。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS102に処理を移す。
ステップS102においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが普通図柄記憶チェック要求を示す値(00)であるか否か判断し、普通図柄制御フラグが(00)でない場合はステップS104へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(00)の場合は、ステップ103の普通図柄記憶チェック処理を行う。この普通図柄記憶チェック処理では、詳しくは図12を用いて説明するが、メインCPU66は、普通図柄の保留個数を調べ、保留個数がある場合に、普通図柄の当り判定、普通図柄の変動開始、普通図柄の変動タイマのセット等を行い、普通図柄制御フラグに次のステップの処理要求である(01)をセットして処理を終了する。
ステップS104においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(01)であるか否かを判断し、普通図柄制御フラグが(01)でない場合は、ステップS107へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(01)である場合は、ステップS105において、普通図柄変動タイマがタイムアップ(つまり“0”)したかを判断し、タイムアップしていなかった場合は処理を終了する。一方、普通図柄変動タイマがタイムアップした場合は、メインCPU66は、ステップS106において、普通図柄停止処理を行なう。この普通図柄停止処理においては、メインCPU66は、普通図柄表示器35に対して変動を停止する要求をセットし、メインRAM70の所定の領域に記憶する。これにより、普通図柄表示器35において、前記普通図柄記憶チェック処理で判定された、普通図柄の“当り”又は“はずれ”の判定結果が表示されることとなる。この処理が終了すると、メインRAM70の所定の領域に記憶されている普通図柄保留個数を“1”減少するように記憶更新する。そして、普通図柄制御フラグに(02)をセットして処理を終了する。
ステップS107においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(02)であるか否かを判断し、普通図柄制御フラグが(02)でない場合は、ステップS111へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(02)であった場合は、ステップS108へ処理を移し、普通図柄が当りか否かを判断する。そして、メインCPU66は、普通図柄が当りであると判断した場合は、ステップS109の普通電役開放処理に処理を移す。一方、メインCPU66は、普通図柄が当りではないと判断すると、ステップS110において、普通図柄制御フラグに普通図柄記憶チェックを要求する値(00)をセットして処理を終了する。
ステップS109における普通電動役物開放処理では、メインCPU66は、普通電動役物の羽根部材23の開放処理(メインRAM70の所定の領域に普通電動役物の解放を記憶する)を行う。さらに遊技台の遊技状態に合わせて、普通電動役物の羽根部材23の開放時間(例えば、遊技状態が確変モード又は時短モードの場合は3秒、通常モードの場合は0.2秒)を普通電動役物開放タイマにセットし、普通図柄制御フラグに(03)をセットして処理を終了する。
ステップS111においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(03)であるか否かを判断し、普通図柄制御フラグが(03)でない場合は、ステップS114へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(03)であった場合は、ステップS112へ処理を移し、普通電動役物開放タイマがタイムアップ(つまり“0”)したかを判断する。そして、普通電動役物開放タイマがタイムアップしていない場合は処理を終了する。一方、普通電動役物開放タイマがタイムアップしたと判断した場合は、ステップS113の普通電動役物閉鎖処理において、普通電動役物である羽根部材23を閉鎖状態(メインRAM70の所定の領域に普通電動役物の閉鎖を記憶する)にさせる。そして普通図柄制御フラグに(04)をセットして処理を終了する。
ステップS114においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグをクリア(つまり普通図柄の記憶チェックを要求する値“00”をセット)して処理を終了する。
[普通図柄記憶チェック処理]
図15のステップS103において実行されるサブルーチンについて図16を用いて説明する。
最初に、ステップS121において、メインCPU66は、普通図柄保留個数が“0”であるか否かの判断を行い、普通図柄保留個数が“0”であると判断した場合には、普通図柄記憶チェック処理を終了する。尚、この普通図柄保留個数はメインRAM70の所定の領域に記憶され、通過ゲート54を遊技球が通過したことを検出した場合に、所定個数(例えば“4”)を上限として“1”増加して記憶更新され、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示が終了したときには、“1”減算して記憶更新される。一方、メインCPU66は、普通図柄の保留個数が“0”でないと判断した場合には、ステップS122において、普通図柄制御フラグに普通図柄変動タイマ監視要求の値“01”をセットし、ステップS123へ処理を移す。
ステップS123においては、普通図柄当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄始動領域通過時に(通過ゲート54を遊技球が通過することによって)抽出された普通図柄当り判定用乱数値と、メインROM68に記憶されている普通図柄当り判定値とを参照する。そして、メインCPU66は、参照した結果、普通図柄当り判定用乱数値が普通図柄当り判定値と一致する場合には、当り図柄(例えば、“○”図柄)を示すデータをメインRAM70の所定の領域に記憶する。一方、メインCPU66は、参照した結果、普通図柄当り判定用乱数値が普通図柄当り判定値と一致しない場合には、はずれ図柄(例えば、“×”図柄)を示すデータをメインRAM70の所定の領域に記憶する。このように記憶された当り図柄、はずれ図柄は、普通図柄表示器35に導出普通図柄指定コマンドとして供給される。これによって、普通図柄表示器35は、普通図柄の変動表示(例えば“○”、“×”図柄を交互に点滅させる)を開始する。この後、ステップS124に処理を移す。
ステップS124においては、メインCPU66は、一般遊技状態が確変モード又は時短モードであるか否かを判断し、一般遊技状態が確変モード又は時短モードであった場合は、ステップS126において、メインCPU66は、通常モードより短い普通図柄変動停止時間(例えば5秒)を、普通図柄変動タイマにセットして処理を終了する。一方、遊技状態が確変モード又は時短モードでない(つまり通常モード)場合は、ステップS125において、メインCPU66は、確変モード又は時短モードより長い普通図柄変動停止時間(例えば30秒)を、普通図柄変動タイマにセットして処理を終了する。
ここで、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の一般遊技状態について説明する。前述したように、パチンコ遊技機10における一般遊技状態には、通常モード、確変モード及び時短モードのいずれかが設定される。ここで、図9の大当たり抽選テーブルに示すように、一般遊技状態が確変モードの場合は、大当たりを抽選する数値が70/400(15R通常大当たり、2R確変大当たり、15R確変大当たりの全ての抽選値の合計)に設定されているのに対し、一般遊技状態が通常モード又は時短モードの場合は、大当たりを抽選する数値が7/400(15R通常大当たり、2R確変大当たり、15R確変大当たりの全ての数値の合計)に設定されている。つまり、一般遊技状態が確変モードの場合は、通常モード又は時短モードの場合と比較して、10倍の確率で大当たり遊技状態への当選が期待できることとなる。いいかえると、確変モードは遊技者にとって次回の大当たりの期待値の大きい有利な遊技モードと言える。
さらに、特別図柄及び普通図柄の変動時間においても、前述したように、一般遊技状態が確変モード又は時短モードの場合と、通常モードの場合では、一般遊技状態が確変モード又は時短モードの方が、特別図柄及び普通図柄の変動時間が短く設定されている。さらに、一般遊技状態が確変モード又は時短モードの方が、普通図柄が当たった場合の始動口25に付設された羽根部材23の開放時間が通常モードよりも長く設定されているため、羽根部材23の誘導により、始動口25に遊技球が入賞する機会が増加することとなる。つまり、一般遊技状態が確変モード及び時短モードの場合は、単位時間における特別図柄の抽選回数が通常モードに比べて増加するため、これも遊技者にとって有利な状態といえる。
[副制御回路メイン処理]
一方、副制御回路200は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図17を用いて説明する。尚、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
最初に、ステップS201において、サブCPU206は、RAMアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する。つまり、サブCPU206は、電源が投入されたことに基づいて、遊技を正常に行わせるための所定の初期設定を行うこととなる。尚、本実施形態においては、ステップS201を実行するサブCPU206は、初期設定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
ステップS202において、サブCPU206は、乱数更新処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられた各種の乱数値を更新する。ただし、このときサブCPU206は、ワークRAM210内において、前回記憶した演出画像を構成する画像情報だけは削除することなく保存しておくようにしている。この処理が終了した場合には、ステップS203に処理を移す。
ステップS203において、サブCPU206は、コマンド解析処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60のメインCPU66から送られてきたコマンドを解析し、その解析したコマンドに応じた処理を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS204に処理を移す。
ステップS204において、サブCPU206は、表示制御処理を実行する。この表示制御処理については、後に図18を用いて詳述するが、この処理において、サブCPU206は、前記コマンド解析処理において、主制御回路60のメインCPU66からの表示コマンドを受信した場合に、その表示コマンドに応じた装飾図柄等の画像表示制御を、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて行うこととなる。
そして、サブCPU206は、スピーカ46から発生させる音の制御を行う音声制御処理(ステップS205)、各種のランプ133a,133bの発光制御を行うランプ制御処理を実行する(ステップS206)。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
このように、副制御回路メイン処理においては、ステップS201の初期設定処理が終了した後、ステップS202からステップS206の処理を繰り返し実行することとなる。
[表示制御処理]
次に、サブCPU206が、図17に示すステップS203で行う表示制御処理について、図18を参照して説明する。
この表示制御処理において、サブCPU206は、まず、図17に示すステップS204のコマンド解析処理で解析したコマンドが表示コマンドであるか否かの判断を行う(ステップS211)。
ここで、サブCPU206は、解析したコマンドが表示コマンドであると判断した場合に処理をステップS212へ移し、表示コマンドでないと判断した場合に、この表示制御処理を終了して、処理を図17に示すステップS205へ移す。
ステップS212においてサブCPU206は、表示コマンドに基づいて、今回液晶表示装置32に表示させる演出画像が通常演出パターンに沿うものであるか否かの判断を行い、通常演出パターンに沿うものであると判断した場合に処理をステップS213へ移し、通常演出パターンに沿うものでないと判断した場合に処理をステップS214へ移す。
ステップS213において、サブCPU206は、後に図19を用いて詳述する通常演出用演出画像生成処理を行い、その後、この表示制御処理を終了して処理を図17に示すステップS205へ移す。
ステップS214において、サブCPU206は、後に図20を用いて詳述する特別演出用演出画像生成処理を行い、その後、この表示制御処理を終了して処理を図17に示すステップS205へ移す。
[通常演出用演出画像生成処理]
次に、サブCPU206が、図18に示すステップS213で行う通常演出用演出画像生成処理について図19を参照して説明する。
通常演出用演出画像生成処理において、サブCPU206は、まず、通常演出用画像情報の読み出し処理を行い(ステップS221)、その後、処理をステップS222へ移す。ここで、サブCPU206は、メインCPU66から受信した表示コマンドに従って、プログラムROM208から通常演出用の演出画像生成に用いる複数の画像情報を読み出す。なお、このときプログラムROM208から読み出される画像情報は、所定のデータ圧縮形式により暗号化された情報である。
ステップS222においてサブCPU206は、通常演出用画像情報の書き込み処理を行い、その後、処理をステップS223へ移す。ここでサブCPU206は、ステップS222においてプログラムROM208から読み出した複数の画像情報をワークRAM210内の所定領域に書き込む処理を行う。
ステップS223においてサブCPU206は、デコード処理を行い、その後、この通常演出用画像生成処理を終了して、処理を図17に示すステップS205へ移す。このデコード処理においてサブCPU205は、ステップS222でワークRAM210に書き込んだ暗号化されている複数の画像情報を複合化(デコード)することにより、通常演出用演出画像を生成すると共に、表示制御回路250を動作させることにより、通常演出用演出画像を液晶表示装置32に表示させる制御を行う。すなわち、サブCPU206は、この通常演出用演出画像生成処理を実行することにより、通常演出用演出画像生成手段として機能するのである。
[特別演出用演出画像生成処理]
次に、サブCPU206が、図18に示すステップS214で行う特別演出用演出画像生成処理について、図20を参照して説明する。
この特別演出用演出画像生成処理において、サブCPU206は、まず、ワークRAM210を参照する処理を行い(ステップS231)、その後、処理をステップS232へ移す。このときワークRAM210には、前回の特別演出用演出画像生成処理において、ワークRAM210に記憶(書き込まれた)画像情報が消去されることなく記憶されている。
ステップS232においてサブCPU206は、前回の序盤演出画像が今回の序盤演出画像と同じであるか否かの判断を行う。ここでサブCPU206は、現在ワークRAM210に記憶されている前回液晶表示装置に表示した序盤演出画像を構成する画像情報が、今回液晶表示装置32に表示予定の序盤演出画像を構成する画像情報と同じ画像情報であるか否かの判断を行い、同じ画像情報であると判断した場合に処理をステップS234へ移し、同じ画像情報でないと判断した場合に処理をステップS239へ移す。
ステップS239においてサブCPU206は、序盤演出用画像情報の読み出し・書き込み処理を行い、その後、処理をステップS234へ移す。ここでサブCPU206は、今回液晶表示装置32に表示予定の序盤演出用画像情報(序盤演出画像を構成する画像情報)をプログラムROM208から読み出し、読み出した画像情報をワークRAM210に書き込む処理を行う。なお、このときプログラムROM208から読み出す画像情報は、所定のデータ圧縮形式に基づいて暗号化されている情報である。
ステップS234においてサブCPU206は、序盤演出用画像情報デコード処理を行い、その後、処理をステップS235へ移す。ここで、サブCPU206は、ワークRAM210に記憶されている(書き込まれている)序盤演出用画像情報を所定のデータ圧縮形式に基づいて複合化(デコード)して、液晶表示装置32に序盤演出画像を表示させる処理を行う。
ステップS235においてサブCPU206は、終盤演出用画像情報読み出し・書き込み処理を行い、その後、処理をステップS236へ移す。
ここでサブCPU206は、表示コマンドに従って、今回液晶表示装置32に表示させるための第1又は第2の終盤演出画像を構成する画像情報をプログラムROM208から読み出して、ワークRAM210に書き込む処理を行う。なお、このときプログラムROM208から読み出す画像情報は、所定のデータ圧縮形式に基づいて暗号化されている情報である。
ステップS236においてサブCPU206は、終盤演出用画像情報デコード処理を行い、その後、処理をステップS237へ移す。ここで、サブCPU206は、ワークRAM210書き込まれている終盤演出用画像情報を所定のデータ圧縮形式に基づいて複合化して、液晶表示装置32に表示させる処理を行う。
ステップS237においてサブCPU206は、表示コマンドに基づいて、今回液晶表示装置 32に表示する演出画像が第3の特別演出パターンに沿うものであるか否かの判断を行い、第3の特別演出パターンに沿うものであると判断した場合に処理をステップS240へ移し、第3の特別演出パターンに沿うものでないと判断した場合に、この特別演出用演出画像生成処理を終了して、処理を図17に示すステップS205へ移す。
ステップS240においてサブCPU206は、第3の終盤演出用画像情報読み出し・書き込み処理を行い、その後、処理をステップS241へ移す。
ここでサブCPU206は、表示コマンドに従って、今回液晶表示装置32に表示させるための第3の終盤演出画像を構成する画像情報をプログラムROM208から読み出して、ワークRAM210に書き込む処理を行う。なお、このときプログラムROM208から読み出す画像情報は、所定のデータ圧縮形式に基づいて暗号化されている情報である。
ステップS241においてサブCPU206は、第3の終盤演出用画像情報デコード処理を行い、その後、この特別演出用画像情報生成処理を終了して、処理を図17に示すステップS205へ移す。
ここでサブCPU206は、ワークRAM210書き込まれている第3の盤演出用画像情報を所定のデータ圧縮形式に基づいて複合化して、液晶表示装置32に表示させる処理を行う。
このように、サブCPU206は、これら、通常演出用演出画像生成処理、又は、特別演出用画像情報生成処理を実行することによって、演出パターン決定手段により決定された演出パターンに基づいて、画像情報記憶手段であるプログラムROM208に記憶されている複数の画像情報の中から、表示コマンドに従った所定の画像情報を選択し、選択した画像情報に基づいて演出画像を生成して、演出画像表示手段である液晶表示装置32に演出表示を行わせる演出画像表示制御手段として機能するのである。
以上、本発明の実施例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。
尚、本発明の実施例に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。