JP2008060879A - 圧電セラミック素子駆動回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】SEPP回路構成されたディジタルスイッチングパワーアンプ2を駆動部1からの、圧電セラミック素子の共振周波数と同じ周波数の矩形波でスイッチング駆動させ、ディジタルスイッチングパワーアンプの矩形波出力をインダクタ3を通して圧電セラミック素子5とキャパシタ4の並列回路へ接続する。インダクタ3と、キャパシタ4および圧電セラミック素子5の電極間容量C1とで形成される共振回路の共振周波数が圧電セラミック素子の共振周波数と同じになるようにインダクタ3のインダクタンスとキャパシタ4のキャパシタンスを設定する。
【選択図】図1
Description
パワーアンプの電源電圧を高くするには限界がある。そこで出力トランスを使用してトランスの2次側に圧電セラミック素子をパラレルに接続し共振回路を形成して圧電セラミック素子の共振周波数で励振する方法で、1次側と2次側の巻線比により必要な信号電圧に昇圧していた。
図示されていないが、フルブリッジ回路でも同様に出力トランスの1次側は接地できない(例えば、特許文献2参照)。
この点、図8のようなディジタルパワーアンプは電力効率の良い矩形波の信号を電力増幅する。
しかし、この場合、ディジタルパワーアンプの出力、即ち出力トランス10の1次側は矩形波である。
以上のように、高インピーダンス圧電セラミック素子を励振する高電圧を得るために、トランスで昇圧するということには問題があった。
本発明の第1の構成(基本構成)は、下記の各手段で構成される圧電セラミック素子駆動回路である。
(イ) SEPP回路構成されたディジタルスイッチングアンプ
(ロ) 前記ディジタルスイッチングアンプを、駆動対象圧電セラミック素子の共振周波数の矩形波で駆動する駆動部
(ハ) 駆動対象圧電セラミック素子と並列に接続されるキャパシタと、この並列回路と前記ディジタルスイッチングアンプの出力点とを接続するインダクタとからなり、前記並列キャパシタのキャパシタンスと前記インダクタのインダクタンスは、前記並列キャパシタおよび圧電セラミック素子の電極間容量と前記インダクタとからなる共振回路の共振周波数が圧電セラミック素子の共振周波数になるように選ばれている出力回路
これを図示すると図6の(a)のようになる。
インダクタのインダクタンスをL、キャパシタのキャパシタンスをC、圧電セラミック素子の共振周波数をf0とする。
圧電セラミック素子に印加されるVqは、電源電圧Vをab間のインピーダンスとbc間のインピーダンスで分圧したbc間の電圧ということになる。
ab間のインピーダンスZabとbc間のインピーダンスZbcは数式1で表される。
即ち、数式6が成立する。
使用する圧電セラミック素子が定まれば、数式5中のC1、R1、ω0は既知数として定まるので、LおよびCは容易に求めることができる。
以上は、正弦波電源で駆動する場合について述べたが、これを前提として、矩形波で駆動した場合について述べる。
電源が図6の(d)のように圧電セラミック素子の共振周波数と同じ周波数の矩形波である場合、電極間容量C1およびキャパシタとインダクタとからなりその共振周波数が電源の矩形波と同じく圧電セラミック素子の共振周波数と同じである共振回路は、電源矩形波の中からその基本周波数の正弦波を抽出するフィルタとして機能する。
かくして、使用する圧電セラミック素子が定まれば、必要な印加電圧Vq、共振周波数f0、電極間容量C1、等価抵抗R1が既知数として定まり、駆動用に用いるディジタルスイッチングアンプおよびこれに掛ける電源電圧が定まれば、矩形波の振幅VSも定まるから、まずVSとVqから数式9によってQを求め、求められたQから数式5によってインダクタのインダクタンスLおよびキャパシタのキャパシタンスCが求められ、必要な高電圧Vqを圧電セラミック素子に印加することができる。
また、その出力は正弦波的でなく、矩形波であることが最良である。
圧電セラミック素子への電圧印加は、片側の端子はグランドに接続できるようにするのが最良である。
図1の(a)は、本発明駆動回路の第1の実施例の回路構成である。
2個のNチャンネルのパワーMOS FET M1とM2でSEPPのディジタルスイッチングパワーアンプを構成している。MOS FET M1のドレインDは電源VCCに接続され、ソースSはMOS FET M2のドレインDに接続されMOS FET M2のソースSはグランドに接続されている。
MOS FET M1のソースSとMOS FET M2のドレインDの接続点が出力端となっており、直流成分阻止用のキャパシタ6を介してインダクタ3に接続され、インダクタ3の出力はキャパシタ4と圧電セラミック素子5との並列回路へ接続されている。この並列回路の他端は、MOS FET M2のソースとともに接地されている。駆動部1はMOS FET M1とM2のゲートを、圧電セラミック素子5の共振周波数と同じ周波数の矩形波で、交互にオン・オフスイッチ駆動する。即ち、M1がオンのときはM2がオフ、M1がオフのときはM2がオンとなるように駆動する。
かくして、駆動部1とディジタルスイッチングパワーアンプ2が、図6の(d)の矩形波電源に相当し、キャパシタ6は、インダクタ3と、キャパシタ4および電極間容量C1からなる共振回路の動作に影響を及ぼさないから除いて考えると、図1の(b)は図6の(d)の回路と同じということになり、[発明の効果]において図6について述べたところの動作をすることになる。
図1と異なる点は、ディジタルスイッチングパワーアンプ7のMOS FET M2のソースSがマイナス電源−VCCに接続されている点である。駆動部1による駆動は図1の場合と同じである。M1がオンのときはM2がオフ、M1がオフのときはM2がオンとなる。これにより出力点aは電源VCCに接続されたり−VCCに接続されたりして、ほぼVCCの2倍に近い振幅の矩形波が得られる。
その他の点は図1の場合と同様である。
電源は+VCCと−VCCの両方を用いているので、図2の場合と同様に出力点aからの出力には直流成分は含まれないので直流成分遮断用のキャパシタは用いられていない。
発明の効果で述べたように、矩形波の時間幅(パルス幅)がA、振幅がVS、繰り返し周波数fの矩形波に含まれる周波数fの正弦波の振幅VP−Pの間には数式7の関係がある。従って、デュティ比Afを変化させることにより正弦波の振幅が変化する。デュティ比Afが0.5のときはsinの項が1で最大となり、それ以外ではsin曲線に従って小さくなる。
従って、パルス幅Aを変えることにより圧電セラミック素子5に印加する正弦波電圧を変化させることができるので圧電セラミック素子5へ出力する電力を変化させることができる。即ち、電力制御が可能となる。
(a)は矩形波でデュティ比は上が0.5、下が1/6である。
(b)は対応する正弦波であり振幅の大きい方がデュティ比0.5の場合であり、振幅の小さい方がデュティ比1/6の場合である。デュティ比が0.5から1/6になることにより正弦波の振幅が2分の1になっている。
パルス幅の制御は周知の技術によって容易に行うことができるから、図1〜3の駆動部へパルス幅制御信号を送ることにより電力制御は容易に行うことができる。
このように、駆動部へ制御信号を送ることにより圧電セラミック素子にかかる正弦波の振幅および位相制御することができる。
圧電セラミック素子を数十個ないし数百個配列して送受波を行うスキャニングソナーにおいては、ビーム方向を変える必要があるうえサイドローブの抑圧も行わなければならない。
また、ビーム方向を変えるには、圧電セラミック素子の配列位置に応じて、励振位相を変えて行かなければならない。
2 ディジタルスイッチングパワーアンプ
3 インダクタ
4 キャパシタ
5 圧電セラミック素子
6 キャパシタ
7 ディジタルスイッチングパワーアンプ
8 駆動部
9 ディジタルスイッチングパワーアンプ
10 出力トランス
11 アナログアンプ
12 コンデンサ
13 コンデンサ
Claims (5)
- 下記の各手段で構成される圧電セラミック素子駆動回路。
(イ) SEPP回路構成されたディジタルスイッチングアンプ
(ロ) 前記ディジタルスイッチングアンプを、駆動対象圧電セラミック素子の共振周波数の矩形波で駆動する駆動部
(ハ) 駆動対象圧電セラミック素子と並列に接続されるキャパシタと、この並列回路と前記ディジタルスイッチングアンプの出力点とを接続するインダクタとからなり、前記並列キャパシタのキャパシタンスと前記インダクタのインダクタンスは、前記並列キャパシタおよび圧電セラミック素子の電極間容量と前記インダクタとからなる共振回路の共振周波数が圧電セラミック素子の共振周波数になるように選ばれている出力回路 - 出力回路のインダクタと直列に直流阻止用のキャパシタが接続されていることを特徴とする請求項1記載の圧電セラミック素子駆動回路。
- 駆動部の矩形波のデュティ比が外部からの信号により可変であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の圧電セラミック素子駆動回路。
- 駆動部の矩形波の時間位置が外部からの信号により可変であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の圧電セラミック素子駆動回路。
- 駆動部の矩形波のデュティ比および矩形波の時間位置がそれぞれ外部からの信号により可変であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の圧電セラミック素子駆動回路。
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