JP2017143675A - 半導体スイッチ駆動用絶縁カプラ、半導体スイッチ駆動回路、及び、変圧装置 - Google Patents

半導体スイッチ駆動用絶縁カプラ、半導体スイッチ駆動回路、及び、変圧装置 Download PDF

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聡 初川
英章 中幡
Hideaki Nakahata
英章 中幡
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Kenichi Hirotsu
研一 弘津
大平 孝
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孝 大平
恭平 山田
Kyohei Yamada
恭平 山田
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Daiya Egashira
大也 江頭
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Abstract

【課題】より簡素な駆動回路で絶縁を確保しつつ、半導体スイッチに対して駆動電圧及びゲート信号を与える。
【解決手段】半導体スイッチSr1を駆動するための半導体スイッチ駆動回路3は、半導体スイッチSr1のゲートに与えるべきゲート信号を発生するゲート信号発生部31と、ゲート信号より高周波の変調信号を発生する変調信号発生部32と、ゲート信号を変調信号で変調し、かつ、所定の振幅を与えて成る信号重畳電圧を出力する変調部33と、信号重畳電圧を搬送する電路の一対の線路上にそれぞれコンデンサとして介在し、絶縁体を挟んで互いに対向する電極対34a,34bの電極間で電界結合することにより信号重畳電圧を伝送する絶縁カプラ34と、絶縁カプラ34を通過した信号重畳電圧を復調して得た、駆動電圧であるとともにゲート信号でもある駆動制御電圧を、半導体スイッチSr1に与える復調部35と、を備えている。
【選択図】図15

Description

本発明は、半導体スイッチの駆動回路及びこれに用いる絶縁カプラ、並びに、これらを用いた変圧装置に関する。
従来の柱上変圧器は、鉄心や絶縁油を必要とし、重く、かつ、大きい。そこで、本出願人は、このような伝統的な変圧器とは全く異なる、小型軽量で、鉄心も絶縁油も必要としない画期的な次世代の変圧装置を提案した(特許文献1参照。)。
この変圧装置は、主回路構成要素として、MOSFET(Metal-oxide semiconductor field-effect transistor)等の半導体スイッチとリアクタンス素子とを用いるものである。半導体スイッチを駆動するには、主回路電圧とは別のゲート駆動用電圧(例えば10V、20V等)と、スイッチングの制御信号とを与える駆動回路が必要である。主回路電圧が低圧であれば問題無いが、高圧(例えば1000Vを超える電圧)になると、半導体スイッチがオンの時、駆動回路にも高圧が入り込むことになる。その場合には、駆動回路の構成デバイスが高圧で破壊されないように、駆動回路内のどこかで、絶縁を確保する必要がある。
例えば、高圧インバータのゲート駆動用に、磁界結合方式で絶縁を確保しつつ駆動電力を伝送する技術が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。送信側は2MHzの交流電圧で送信し、受信側では、受信した交流電圧を整流して所定の直流電圧を出力する。この直流電圧が、半導体スイッチのゲート駆動回路に供給される。
特許第5695782号公報
信学技報、第7〜12ページ、「非接触給電を応用した高圧インバータ向けゲート駆動用絶縁システムの動作検証」、日下圭祐、加藤尚和、折川幸司、伊東淳一、森田一徳、近藤猛、2014年11月、電子情報通信学会
しかしながら、高圧インバータのゲート駆動用に、磁界結合方式で絶縁を確保しつつ駆動電力を与える場合でも、さらに、スイッチングのためのゲート信号を別途、絶縁を確保しつつ与える必要があり、駆動回路全体は複雑化する。
かかる課題に鑑み、本発明は、より簡素な駆動回路で絶縁を確保しつつ、半導体スイッチに対して駆動電圧及びゲート信号を与えることを目的とする。
<半導体スイッチ駆動用絶縁カプラ>
本発明の半導体スイッチ駆動用絶縁カプラは、半導体スイッチのゲート信号を変調し、かつ、所定の振幅を与えて成る信号重畳電圧を搬送する電路の一対の線路上にそれぞれコンデンサとして介在し、絶縁体を挟んで互いに対向する電極対の電極間で電界結合することにより前記信号重畳電圧を伝送するものである。
<半導体スイッチ駆動回路>
また、本発明は、半導体スイッチを駆動するための半導体スイッチ駆動回路であって、前記半導体スイッチのゲートに与えるべきゲート信号を発生するゲート信号発生部と、前記ゲート信号より高周波の変調信号を発生する変調信号発生部と、前記ゲート信号を前記変調信号で変調し、かつ、所定の振幅を与えて成る信号重畳電圧を出力する変調部と、前記信号重畳電圧を搬送する電路の一対の線路上にそれぞれコンデンサとして介在し、絶縁体を挟んで互いに対向する電極対の電極間で電界結合することにより前記信号重畳電圧を伝送する絶縁カプラと、前記絶縁カプラを通過した前記信号重畳電圧を復調して得た、駆動電圧であるとともにゲート信号でもある駆動制御電圧を、前記半導体スイッチに与える復調部と、を備えている。
<変圧装置>
さらに、本発明は、電源と負荷との間に設けられ、入力に対する出力の極性を交互に反転させるスイッチングを行う機能をそれぞれが有する前段回路及び後段回路を備えている変圧装置であって、前記前段回路及び前記後段回路の少なくとも一方に設けられ、一対のリアクタンス素子を接続点で互いに直列に接続して成る直列体と、前記直列体の両端を第1ポートとした場合に、前記直列体の一端と前記接続点との間、及び、前記直列体の他端と前記接続点との間を、スイッチングにより交互に、かつ、極性を反転させながら第2ポートとして、前記第1ポートから前記第2ポートへの電力の伝送、及び、前記第2ポートから前記第1ポートへの電力の伝送のいずれか一方を実行するスイッチ装置と、を備えたものである。そして、前記スイッチ装置は、前記スイッチングを行う半導体スイッチと、その制御を行うための半導体スイッチ駆動回路とを含み、当該半導体スイッチ駆動回路は、前記半導体スイッチのゲートに与えるべきゲート信号を発生するゲート信号発生部と、前記ゲート信号より高周波の変調信号を発生する変調信号発生部と、前記ゲート信号を前記変調信号で変調し、かつ、所定の振幅を与えて成る信号重畳電圧を出力する変調部と、前記信号重畳電圧を搬送する電路の一対の線路上にそれぞれコンデンサとして介在し、絶縁体を挟んで互いに対向する電極対の電極間で電界結合することにより前記信号重畳電圧を伝送する絶縁カプラと、前記絶縁カプラを通過した前記信号重畳電圧を復調して得た、駆動電圧であるとともにゲート信号でもある駆動制御電圧を、前記半導体スイッチに与える復調部と、を備えている。
本発明によれば、より簡素な駆動回路で絶縁を確保しつつ、半導体スイッチに対して駆動電圧及びゲート信号を与えることができる。
第1実施形態に係る変圧装置を示す回路図である。 (a)は、図1における4つの半導体スイッチのうち、上側にある2つの半導体スイッチがオンで、下側にある2つの半導体スイッチがオフであるときの、実体接続の状態を示す回路図である。(b)は、(a)と同じ回路図を、階段状に書き換えた回路図である。 (a)は、図1における4つの半導体スイッチのうち、下側にある2つの半導体スイッチがオンで、上側にある2つの半導体スイッチがオフであるときの、実体接続の状態を示す回路図である。(b)は、(a)と同じ回路図を、階段状に書き換えた回路図である。 上が、変圧装置に対する入力電圧、下が、入力電流をそれぞれ表す波形図である。 変圧の中間段階での電圧v、電流iをそれぞれ表す波形図である。 上が、変圧装置からの出力電圧、下が、出力電流をそれぞれ表す波形図である。 第2実施形態に係る変圧装置を示す回路図である。 上が、変圧装置に対する入力電圧、下が、入力電流をそれぞれ表す波形図である。 上が、変圧装置からの出力電圧、下が、出力電流をそれぞれ表す波形図である。 変圧装置を大局的に見た概略構成を示すブロック図である。 前段回路として選択しうる回路の基本形を示す図である。 後段回路として選択しうる回路の基本形を示す図である。 ダイオードを用いた場合の、後段回路として選択しうる回路の基本形を示す図である。 例えば図1におけるスイッチ装置の回路構成の概要を示すブロック図の一例である。 半導体スイッチ駆動回路の、具体的な一例を示す回路図である。 (a)は、変調信号発生部が出力する変調信号、(b)はゲート信号発生部が出力するゲート信号、(c)は変調部が出力する信号重畳電圧を、それぞれの一例として表している。 (a)は、絶縁カプラを経て復調部へ入力される信号重畳電圧の一例を示す図であり、(b)は、復調部から出力される整流信号を示す図である。 絶縁カプラの実体的な構造の一例を示す図である。 絶縁カプラをコンデンサとしてみた場合の等価回路図である。 ガラスエポキシ樹脂の絶縁基板を用いた絶縁カプラの一例を示す図である。 厚さDが0.8mm及び1.6mmの、2種類の絶縁基板について、例えば40.68MHzの変調信号における、分離距離dと、キャパシタンスCとの関係を示すグラフである。 厚さDが0.8mm及び1.6mmの、2種類の絶縁基板について、例えば40.68MHzの変調信号における、分離距離dと、キャパシタンスCとの関係を示すグラフである。 厚さDが0.8mm及び1.6mmの、2種類の絶縁基板について、例えば40.68MHzの変調信号における、分離距離dと、結合係数kとの関係を示すグラフである。 半導体スイッチ駆動回路の他の例を示す回路図であり、図15の回路図中の倍電圧整流回路を、倍電流整流回路に置き換えた回路図である。
[実施形態の要旨]
本発明の実施形態の要旨としては、少なくとも以下のものが含まれる。
(1)半導体スイッチ駆動用絶縁カプラとしては、半導体スイッチのゲート信号を変調し、かつ、所定の振幅を与えて成る信号重畳電圧を搬送する電路の一対の線路上にそれぞれコンデンサとして介在し、絶縁体を挟んで互いに対向する電極対の電極間で電界結合することにより前記信号重畳電圧を伝送する半導体スイッチ駆動用絶縁カプラである。
このような絶縁カプラによれば、信号重畳電圧は、コンデンサである絶縁カプラを通して伝送され、半導体スイッチの駆動電圧になると共に、ゲート信号となる。この場合、一対の線路間での電圧である信号重畳電圧は、絶縁カプラの1次側から2次側へ伝送されるが、絶縁カプラの絶縁体の存在によって、2次側の対地電位は電極対の1次側には伝わらない。すなわち、電極対の2次側に接続される半導体スイッチの端子が高電位(例えば対地電位6.6kV)となっても、1次側は低電位(例えば10V、20V程度)とすることができる。従って、電極対の1次側に設けられるデバイスを2次側の高電位から絶縁し、保護することができる。
このようにして、より簡素な駆動回路で絶縁を確保しつつ、半導体スイッチに対して駆動電圧及びゲート信号を与えることができる。
(2)また、(1)の半導体スイッチ駆動用絶縁カプラにおいて、一対の前記コンデンサは、二組の前記電極対が、互いに絶縁距離を置いて並んでいる構成であってもよい。
この場合、一対のコンデンサを集約して設けることができ、また、コンデンサとして必要な容量を容易に確保することができる。
(3)また、(2)の半導体スイッチ駆動用絶縁カプラにおいて、前記電極対は、均一な厚さの絶縁基板の両面に設けられていてもよい。
この場合、電極対間の距離を、絶縁基板の厚さによって、容易に設定することができる。また、電極対間の耐電圧性能も、容易に所望の値を満たすことができる。
(4)一方、これは、半導体スイッチを駆動するための半導体スイッチ駆動回路であって、前記半導体スイッチのゲートに与えるべきゲート信号を発生するゲート信号発生部と、前記ゲート信号より高周波の変調信号を発生する変調信号発生部と、前記ゲート信号を前記変調信号で変調し、かつ、所定の振幅を与えて成る信号重畳電圧を出力する変調部と、前記信号重畳電圧を搬送する電路の一対の線路上にそれぞれコンデンサとして介在し、絶縁体を挟んで互いに対向する電極対の電極間で電界結合することにより前記信号重畳電圧を伝送する絶縁カプラと、前記絶縁カプラを通過した前記信号重畳電圧を復調して得た、駆動電圧であるとともにゲート信号でもある駆動制御電圧を、前記半導体スイッチに与える復調部と、を備えている。
このような半導体スイッチ駆動回路によれば、駆動電圧とゲート信号とを信号重畳電圧として1つにまとめて搬送することができる。また、信号重畳電圧は、コンデンサである絶縁カプラを通して伝送され、復調部を経て、半導体スイッチの駆動電圧になると共に、ゲート信号となる。この場合、一対の線路間での電圧である信号重畳電圧は、絶縁カプラの1次側から2次側へ伝送されるが、絶縁カプラの絶縁体の存在によって、2次側の対地電位は電極対の1次側には伝わらない。すなわち、電極対の2次側に接続される半導体スイッチの端子が高電位(例えば対地電位6.6kV)となっても、1次側は低電位(例えば10V、20V程度)とすることができる。従って、電極対の1次側に設けられるデバイスを2次側の高電位から絶縁し、保護することができる。
このようにして、より簡素な駆動回路で絶縁を確保しつつ、半導体スイッチに対して駆動電圧及びゲート信号を与えることができる。
(5)また、(4)の半導体スイッチ駆動回路において、前記電極対は、一定の厚さの絶縁基板の両面に設けられており、前記1次側の回路の少なくとも一部が一方の面に設けられ、前記2次側の回路の少なくとも一部が他方の面に設けられる構成であってもよい。
この場合、電極が設けられる以外の絶縁基板上のスペースを有効活用して回路部品を配置することができる。
(6)また、(4)の半導体スイッチ駆動回路において、前記復調部は、入力電圧又は入力電流を増大させて出力する整流回路であってもよい。
例えば、入力ポートへの入力電圧を昇圧して出力ポートに出力できる場合は、高めの駆動電圧が必要な半導体スイッチに好適である。また、入力ポートへの入力電流を増大させて出力ポートに出力できる場合は、ゲート−ソース間のキャパシタンスが大きい半導体スイッチの場合や、高速スイッチングの場合に好適である。
(7)一方、これは、電源と負荷との間に設けられ、入力に対する出力の極性を交互に反転させるスイッチングを行う機能をそれぞれが有する前段回路及び後段回路を備えている変圧装置であって、前記前段回路及び前記後段回路の少なくとも一方に設けられ、一対のリアクタンス素子を接続点で互いに直列に接続して成る直列体と、前記直列体の両端を第1ポートとした場合に、前記直列体の一端と前記接続点との間、及び、前記直列体の他端と前記接続点との間を、スイッチングにより交互に、かつ、極性を反転させながら第2ポートとして、前記第1ポートから前記第2ポートへの電力の伝送、及び、前記第2ポートから前記第1ポートへの電力の伝送のいずれか一方を実行するスイッチ装置と、を備えている。そして、前記スイッチ装置は、前記スイッチングを行う半導体スイッチと、その制御を行うための半導体スイッチ駆動回路とを含み、当該半導体スイッチ駆動回路は、前記半導体スイッチのゲートに与えるべきゲート信号を発生するゲート信号発生部と、前記ゲート信号より高周波の変調信号を発生する変調信号発生部と、前記ゲート信号を前記変調信号で変調し、かつ、所定の振幅を与えて成る信号重畳電圧を出力する変調部と、前記信号重畳電圧を搬送する電路の一対の線路上にそれぞれコンデンサとして介在し、絶縁体を挟んで互いに対向する電極対の電極間で電界結合することにより前記信号重畳電圧を伝送する絶縁カプラと、前記絶縁カプラを通過した前記信号重畳電圧を復調して得た、駆動電圧であるとともにゲート信号でもある駆動制御電圧を、前記半導体スイッチに与える復調部と、を備えている。
このように構成された変圧装置では、一対のリアクタンス素子を含む回路構成とスイッチングとによって変圧を行うことができる。このような変圧装置を電力用の変圧器として用いることにより、コイルや鉄心等を含む従来のトランスは不要となる。従って、変圧器の飛躍的な小型軽量化及び、それに伴う低コスト化を実現することができる。また、高周波トランスで課題となる寄生容量、漏れ磁界発生の問題も解消され、低損失な変圧器を実現することができる。
また、半導体スイッチ駆動回路により、駆動電圧とゲート信号とを信号重畳電圧として1つにまとめて搬送することができる。信号重畳電圧は、コンデンサである絶縁カプラを通して伝送され、復調部を経て、半導体スイッチの駆動電圧になると共に、ゲート信号となる。この場合、一対の線路間での電圧である信号重畳電圧は、絶縁カプラの1次側から2次側へ伝送されるが、絶縁カプラの絶縁体の存在によって、2次側の対地電位は電極対の1次側には伝わらない。すなわち、電極対の2次側に接続される半導体スイッチの端子が高電位(例えば対地電位6.6kV)となっても、1次側は低電位(例えば10V、20V程度)とすることができる。従って、電極対の1次側に設けられるデバイスを2次側の高電位から絶縁し、保護することができる。
このようにして、より簡素な駆動回路で絶縁を確保しつつ、半導体スイッチに対して駆動電圧及びゲート信号を与えることができる。
[実施形態の詳細]
以下、実施形態の詳細について、図面を参照して説明する。まず、変圧装置について説明し、その後、半導体スイッチ駆動回路及び半導体スイッチ駆動用絶縁カプラについて説明する。
<変圧装置>
《変圧装置の第1実施形態》
図1は、第1実施形態に係る変圧装置1を示す回路図である。図において、変圧装置1は、電源(交流電源)2と、負荷R(Rは、抵抗値でもある。)との間に設けられている。変圧装置1は、一対のキャパシタC1,C2と、一対のインダクタL1,L2と、4つの半導体スイッチSr1,Sr2,Sb1,Sb2と、これらの半導体スイッチSr1,Sr2,Sb1,Sb2のオン/オフを制御する半導体スイッチ駆動回路3と、を備えている。半導体スイッチ駆動回路3については、ここでは概念的なシンボル表示にとどめ、詳細については後述する。
なお、一対のキャパシタC1,C2のキャパシタンス値は同じ値であってもよいし、互いに異なる値であってもよい。一対のインダクタL1,L2のインダクタンス値についても同様である。
半導体スイッチSr1,Sr2,Sb1,Sb2及び半導体スイッチ駆動回路3により、変圧装置1の回路接続の状態を切り替えるスイッチ装置4が構成されている。半導体スイッチSr1,Sr2は互いに同期して動作し、また、半導体スイッチSb1,Sb2は互いに同期して動作する。そして、半導体スイッチSr1,Sr2のペアと、半導体スイッチSb1,Sb2のペアとは、排他的に交互にオンとなるよう動作する。半導体スイッチSr1,Sr2,Sb1,Sb2は、例えば、SiC素子又はGaN素子からなる半導体スイッチング素子である。SiC素子又はGaN素子は、例えばSi素子に比べて、より高速なスイッチングが可能である。また、素子を多段に接続しなくても、充分な耐圧(例えば6.6kV/1個も可能)が得られる。
図1において、一対のキャパシタC1,C2は、接続点M1において互いに直列に接続されている。そして、その直列体の両端に、電源2が接続されている。一対のキャパシタC1,C2の直列体には入力電圧vinが印加され、入力電流iinが流れる。
また、一対のインダクタL1,L2は、接続点M2において互いに直列に接続されている。そして、その直列体の両端に、キャパシタC1,C2を介した入力電圧vが印加され、入力電流iが流れる。負荷Rには、半導体スイッチSr2,Sb2のいずれかがオンのとき電流が流れる。ここで、負荷Rに印加される電圧をvout、変圧装置1から負荷Rに流れる出力電流をioutとする。
図2の(a)は、図1における4つの半導体スイッチSr1,Sr2,Sb1,Sb2のうち、上側にある2つの半導体スイッチSr1,Sr2がオンで、下側にある2つの半導体スイッチSb1,Sb2がオフであるときの、実体接続の状態を示す回路図である。なお、図1におけるスイッチ装置4の図示は省略している。また、図2の(b)は、(a)と同じ回路図を、階段状に書き換えた回路図である。
一方、図3の(a)は、図1における4つの半導体スイッチSr1,Sr2,Sb1,Sb2のうち、下側にある2つの半導体スイッチSb1,Sb2がオンで、上側にある2つの半導体スイッチSr1,Sr2がオフであるときの、実体接続の状態を示す回路図である。また、図3の(b)は、(a)と同じ回路図を、階段状に書き換えた回路図である。
図2,図3の状態を交互に繰り返すことにより、キャパシタC1,C2の直列体の接続点M1を介して取り出される電圧は、さらに、インダクタL1,L2の直列体の接続点M2を介して取り出される電圧となる。すなわち、一対のキャパシタC1,C2を含む前段回路と、一対のインダクタL1,L2を含む後段回路を備えた回路構成であり、かつ、各段において、スイッチングにより、入力に対する出力の極性が反転する。なお、キャパシタC1,C2に関してはスイッチングにより交互に電流の向きが反転し、インダクタL1,L2に関してはスイッチングにより交互に電圧の向きが反転する。
ここで、入力電圧は1/4となって出力されるのではないかと推定できる。以下、これを理論的に証明する。
図2において、電源2からの入力電圧をvin、負荷Rに印加される電圧をvout、キャパシタC1に印加される電圧をv、キャパシタC2に印加される電圧をv、インダクタL1に流れる電流をi、インダクタL2に流れる電流をiとすると、以下の式が成り立つ。
なお、計算の簡略化のため、キャパシタC1,C2のキャパシタンスは共に同じ値C、インダクタL1,L2のインダクタンスは共に同じ値L、とする。

上記の式は、v,i,iの式に変形すると、以下のようになる。

ここで、Ri=v、Ri=vと置くと、以下の方程式1が得られる。
(方程式1)
また、図3において、図2と同様に、電源2からの入力電圧をvin、負荷Rに印加される電圧をvout、キャパシタC1に印加される電圧をv、キャパシタC2に印加される電圧をv、インダクタL1に流れる電流をi、インダクタL2に流れる電流をiとすると、以下の式が成り立つ。
上記の式は、v,i,iの式に変形すると、以下のようになる。

ここで、Ri=v、Ri=vと置くと、以下の方程式2が得られる。
(方程式2)
ここで、上記2つの状態から厳密解の導出は困難である。そこで、実用上問題ないと思われる範囲で以下の条件を設定する。
(1)Lのインピーダンス(リアクタンス)は、スイッチング周波数fsにおいては、抵抗値Rに対して十分大きいが、入力電圧の周波数fにおいては、抵抗値に対して十分小さい。すなわち、2πfL<<R<<2πfsL、である。不等号で示す差は、例えば、1桁以上、より好ましくは2桁以上の差であることが好ましい。これにより、歪みの少ない、より安定した変圧動作が得られる。
(2)Cのインピーダンス(リアクタンス)は、スイッチング周波数fsにおいては、抵抗値Rに対して十分小さいが、入力電圧の周波数fにおいては、抵抗値に対して十分大きい。すなわち、1/(2πfsC)<<R<<1/(2πfC)、である。不等号で示す差は、例えば、1桁以上、より好ましくは2桁以上の差であることが好ましい。これにより、歪みの少ない、より安定した変圧動作が得られる。
(3)また、スイッチングの一周期中で、入力電圧は、ほとんど変化しない。
従って、vin(t+Δt)=vin(t) (0 ≦ Δt ≦ 1/fs)
(4)系は定常であり、周期(1/fs)でほぼ同じ状態に戻る。
従って、v(t+(1/fs))≒ v(t) (x=1,2,3,4)
半導体スイッチSr1,Sr2が、0≦t≦(1/2fs)の時間でオン、半導体スイッチSb1,Sb2が、(1/2fs)≦t≦(1/fs)の時間でオンになるとすると、方程式1についてはt=0の周りで1次近似して以下の方程式3が得られる。また、方程式2については、t=(1/2fs)の周りで1次近似して以下の方程式4が得られる。
(方程式3)

なお、上記の方程式(3)において、3段目の式における右辺の第3項の、−(1/2){vin(1/2fs)−vin(0)}は、十分に0に近い値である。
(方程式4)

なお、上記の方程式(4)において、3段目の式における右辺の第3項の、−(1/2){vin(1/fs)−vin(1/2fs)}は、十分に0に近い値である。
ここで、方程式3,4におけるv,v,vをそれぞれ繋げると、すなわち、v(0)=v(1/fs)、v(0)=v(1/fs)、v(0)=v(1/fs)、であることを利用し、また、ΔT=1/(2fs)とおいて、以下の式が得られる。
また、上記(直前)の式の1段目と2段目との和をとると、
in=−2{v(0)+v(0)+v(ΔT)+v(ΔT)}+v(0)−v(ΔT)
ここで、方程式3の3段目の式より、v(0)−v(ΔT)=(1/(4fsCR))v(0)
また、−vout=R(i+i)=v+vであり、常に成り立つ式であるので、以下の結論式が得られる。
なお、ここでは簡略化のために各C、各Lは同一値として扱ったが、これらが異なる場合においても、同様の式展開によって同様の結果を導くことができる。
結論式における最下段の式の右辺の第2項は第1項に比べて十分に小さいので無視できる。従って、負荷変動(Rの値の変動)に関係なくvin≒4voutとなり、出力電圧は、入力電圧のほぼ1/4となる。なお、負荷R以外での損失は無いので、出力電流は入力電流の約4倍、入力インピーダンスは抵抗値Rの16倍になる。
ここで、再度、図1〜3の変圧装置1の構成を確認すると、変圧装置1は、第1直列体(C1,C2)と、第2直列体(L1,L2)と、スイッチ装置4とを備えている。第1直列体(C1,C2)は、一対のリアクタンス素子(キャパシタC1,C2)を第1接続点(M1)で互いに直列に接続して成り、その両端が、電源2と接続される。第2直列体(L1,L2)は、一対のリアクタンス素子(インダクタL1,L2)を第2接続点(M2)で互いに直列に接続して成る。
そして、図2の(b)及び図3の(b)に示すように、スイッチ装置4は、第2直列体(L1,L2)の両端が、第1直列体(C1,C2)の一端と第1接続点(M1)との間に接続される状態と、他端と第1接続点(M1)との間に接続される状態とを、交互に成立させ、かつ、入力に対する出力の極性が反転するように切り替える。また、これと同期して、負荷Rが、第2直列体(L1,L2)の一端と第2接続点(M2)との間に接続される状態と、他端と第2接続点(M2)との間に接続される状態とを、交互に成立させ、かつ、入力に対する出力の極性が反転するように切り替える。
なお、回路パラメータ条件として、インダクタンスに関しては、2πfL<<R<<2πfsL、である。また、キャパシタンスに関しては、1/(2πfsC)<<R<<1/(2πfC)である。この回路パラメータ条件が満たされることにより、負荷変動に対して変圧比が一定であることを確実に実現し、歪みの少ない、より安定した変圧動作が得られる。なお、不等号で示す差は、例えば、1桁以上、より好ましくは2桁以上の差があることが好ましい(以下、同様。)。
図4は、上が、変圧装置1に対する入力電圧、下が、入力電流をそれぞれ表す波形図である。
図5は、変圧の中間段階での電圧v、電流iをそれぞれ表す波形図である。これは実際には、スイッチングによるパルス列によって構成され、全体として図示のような波形となる。
また、図6は、上が、変圧装置1からの出力電圧、下が、出力電流をそれぞれ表す波形図である。図4,図6の対比により明らかなように、電圧は1/4に変圧され、それに伴って、電流は4倍となる。
《変圧装置の第2実施形態》
図7は、第2実施形態に係る変圧装置1を示す回路図である。変圧装置1の実体は図1と同じであるが、図1との違いは、電源2と負荷Rとが、入れ替わっている点である。この場合、入力/出力が逆になるが、入力電圧は4倍に昇圧される。昇圧に伴って、出力電流は1/4になる。なお、回路パラメータ条件は、第1実施形態と同様である。
図8は、上が、図7の変圧装置1に対する入力電圧、下が、入力電流をそれぞれ表す波形図である。また、図9は、上が、変圧装置1からの出力電圧、下が、出力電流をそれぞれ表す波形図である。図8,図9の対比により明らかなように、電圧は4倍に変圧され、それに伴って、電流は1/4となる。
このように、図1又は図7に示す変圧装置1は、入力/出力の可逆性を有している。
《変圧装置のその他の実施形態を含めた総括》
特許文献1にも開示されているように、変圧装置の構成にはバリエーションがある。ここでは、種々のバリエーションを再掲することは省略するが、バリエーションを考慮して変圧装置を総括すると、以下のようになる。
図10は、変圧装置1を大局的に見た概略構成を示すブロック図である。すなわち、変圧装置1は、電源2と負荷Rとの間に設けられ、電源2と接続される前端側に入力ポートP1及びP2を有し、後端側に出力ポートP3及びP4を有する前段回路1fと、負荷Rと接続される後端側に出力ポートP7及びP8を有し、前端側に入力ポートP5及びP6を有する後段回路1rとを備えている。
すなわち変圧装置1は、電源2と負荷Rとの間に設けられ、入力に対する出力の極性を交互に反転させるスイッチングを行う機能をそれぞれが有する前段回路1f及び後段回路1rを備えている。そして、当該変圧装置1は、前段回路1f及び後段回路1rの少なくとも一方に、一対のリアクタンス素子を接続点で互いに直列に接続して成る直列体を備えている。また、変圧装置1に含まれるスイッチ装置4(図1)は、前記直列体の両端を第1ポートとした場合に、前記直列体の一端と前記接続点との間、及び、前記直列体の他端と前記接続点との間を、スイッチングにより交互に、かつ、極性を反転させながら第2ポートとして、前記第1ポートから前記第2ポートへの電力の伝送、及び、前記第2ポートから前記第1ポートへの電力の伝送のいずれか一方を実行する。
このように構成された変圧装置1では、一対のリアクタンス素子を含む回路構成とスイッチングとによって変圧を行うことができる。このような変圧装置1を電力用の変圧器として用いることにより、コイルや鉄心等を含む従来のトランスは不要となる。従って、変圧器の飛躍的な小型軽量化及び、それに伴う低コスト化を実現することができる。また、高周波トランスで課題となる寄生容量、漏れ磁界発生の問題も解消され、低損失な変圧器を実現することができる。
次に、回路構成の具体的なブロックから総括する。
図11は、前段回路1fとして選択しうる回路の基本形を示す図である。
変圧装置1の前段回路としては、以下の(F1)〜(F5)のいずれかが選択可能である。
(F1)は、図11の(a)に示す前段回路1fである。
すなわち、(F1)は、一対のキャパシタをキャパシタ接続点で互いに直列に接続して成る直列体の両端がそれぞれ入力ポートP1及び入力ポートP2に接続され、キャパシタ接続点は出力ポートP4に接続され、入力ポートP1と出力ポートP3との間にある第1スイッチと、入力ポートP2と出力ポートP3との間にある第2スイッチとが、スイッチングにより交互にオン状態となる前段回路、である。
(F2)は、図11の(b)に示す前段回路1fを1ユニットとして、複数ユニットで多段化した前段回路である。多段化には、出力ポートP3に直結する線路にもキャパシタが必要になる。
すなわち、(F2)は、(F1)の前段回路において出力ポートP3に直結する線路にキャパシタを介挿したものを1ユニットとして、複数ユニットの入力ポートP1,P2を互いに直列に接続し、複数ユニットの出力ポートP3,P4を互いに並列に接続した前段回路、である。
(F3)は、図11の(c)に示す前段回路1fである。
すなわち、(F3)は、一対のインダクタをインダクタ接続点で互いに直列に接続して成る直列体の両端がそれぞれ出力ポートP3及び出力ポートP4に接続され、インダクタ接続点は入力ポートP2に接続され、入力ポートP1と出力ポートP3との間にある第1スイッチと、入力ポートP1と出力ポートP4との間にある第2スイッチとが、スイッチングにより交互にオン状態となる前段回路、である。
(F4)は、図11の(d)に示す前段回路1fを1ユニットとして、複数ユニットで多段化した前段回路である。多段化には、入力ポートP1に直結する線路にもインダクタが必要になる。
すなわち、(F3)の前段回路において入力ポートP1に直結する線路にインダクタを介挿したものを1ユニットとして、複数ユニットの前記入力ポートP1,P2を互いに並列に接続し、複数ユニットの前記出力ポートP3,P4を互いに直列に接続した前段回路、である。
(F5)は、図11の(e)に示す前段回路1fである。
すなわち、(F5)は、4個のスイッチによって構成され、入力ポートP1,P2から入力して出力ポートP3,P4から出力するフルブリッジ回路の前段回路、である。
図12は、後段回路1rとして選択しうる回路の基本形を示す図である。
変圧装置1の後段回路としては、以下の(R1)〜(R5)のいずれかが選択可能である。
(R1)は、図12の(a)に示す後段回路1rである。
すなわち、(R1)は、一対のインダクタをインダクタ接続点で互いに直列に接続して成る直列体の両端がそれぞれ入力ポートP5及び入力ポートP6に接続され、インダクタ接続点は出力ポートP8に接続され、入力ポートP5と出力ポートP7との間にある第1スイッチと、入力ポートP6と出力ポートP7との間にある第2スイッチとが、スイッチングにより交互にオン状態となる後段回路、である。
(R2)は、図12の(b)に示す後段回路1rを1ユニットとして、複数ユニットで多段化した後段回路である。多段化には、出力ポートP7に直結する線路にもインダクタが必要になる。
すなわち、(R2)は、(R1)の後段回路において出力ポートP7に直結する線路にインダクタを介挿したものを1ユニットとして、複数ユニットの入力ポートP5,P6を互いに直列に接続し、複数ユニットの出力ポートP7,P8を互いに並列に接続した後段回路、である。
(R3)は、図12の(c)に示す後段回路1rである。
すなわち、(R3)は、一対のキャパシタをキャパシタ接続点で互いに直列に接続して成る直列体の両端がそれぞれ出力ポートP7及び出力ポートP8に接続され、キャパシタ接続点は入力ポートP6に接続され、入力ポートP5と出力ポートP7との間にある第1スイッチと、入力ポートP5と出力ポートP8との間にある第2スイッチとが、スイッチングにより交互にオン状態となる後段回路、である。
(R4)は、図12の(d)に示す後段回路1rを1ユニットとして、複数ユニットで多段化した後段回路である。多段化には、入力ポートP5に直結する線路にもキャパシタが必要になる。
すなわち、(R4)は、(R3)の後段回路において入力ポートP5に直結する線路にキャパシタを介挿したものを1ユニットとして、複数ユニットの入力ポートP5,P6を互いに並列に接続し、複数ユニットの出力ポートP7,P8を互いに直列に接続した後段回路、である。
(R5)は、図12の(e)に示す後段回路である。
すなわち、(R5)は、4個のスイッチによって構成され、入力ポートP5,P6から入力して出力ポートP7,P8から出力するフルブリッジ回路の後段回路、である。
そして、上記の前段回路(F1)〜(F5)のうちのいずれか一つと、後段回路(R1)〜(R5)のうちのいずれか一つとを備えて構成され、かつ、前段回路が(F5)で後段回路が(R5)であるという組み合わせは除外する変圧装置であればよい。
かかる変圧装置では、回路構成とスイッチングとによって変圧を行うことができる。このような変圧装置を電力用の変圧器として用いることにより、コイルや鉄心等を含む従来のトランスは不要となる。従って、変圧器の飛躍的な小型軽量化及び、それに伴う低コスト化を実現することができる。また、高周波トランスで課題となる寄生容量、漏れ磁界発生の問題も解消され、低損失な変圧器を実現することができる。
なお、上記の変圧装置における前段回路・後段回路の組み合わせと、変圧比との関係は、以下の表1に示す通りである。なお、表1において、「C」はキャパシタを用いる回路を、「L」はインダクタを用いる回路を、「FB」はフルブリッジ回路を用いる回路を、それぞれ示している。Nは前段回路のユニット数を表し、Nは後段回路のユニット数を表す。
上記のように、各種の変圧比を容易に実現することができる。
さらに、上記のいずれかの前段回路・後段回路を備えた変圧装置を、複数組、縦続に構成してもよい。この場合、降圧・昇圧ともに、大きな変圧比を実現することができる。
《直流電源の場合の実施形態の総括》
なお、上記各実施形態においては電源2が交流電源であるとして説明したが、上述の変圧装置1は、直流電源にも適用可能であり、DC/DCコンバータとしても使用可能である。
電源2が交流電源ではなく直流電源である場合の変圧装置1は、後段回路1rのバリエーションがさらにある。図12に示した後段回路1rとして選択しうる回路の基本形と対応させて考えると、図13は、ダイオードを用いた場合の、後段回路1rとして選択しうる回路の基本形を示す図である。
電源(直流電源)2に対する変圧装置1の後段回路(ダイオード使用)としては、以下の(R1)〜(R5)のいずれかが選択可能である。
(R1)は、図13の(a)に示す後段回路1rである。
すなわち、(R1)は、一対のインダクタをインダクタ接続点で互いに直列に接続して成る直列体の両端がそれぞれ入力ポートP5及び入力ポートP6に接続され、インダクタ接続点は出力ポートP8に接続され、入力ポートP5と出力ポートP7との間にある第1ダイオードと、入力ポートP6と出力ポートP7との間にある第2ダイオードとが、入力電圧の極性に応じて交互に導通する後段回路、である。
(R2)は、図13の(b)に示す後段回路1rを1ユニットとして、複数ユニットで多段化した後段回路である。多段化には、出力ポートP7に直結する線路にもインダクタが必要になる。
すなわち、(R2)は、(R1)の後段回路において出力ポートP7に直結する線路にインダクタを介挿したものを1ユニットとして、複数ユニットの入力ポートP5,P6を互いに直列に接続し、複数ユニットの出力ポートP7,P8を互いに並列に接続した後段回路、である。
(R3)は、図13の(c)に示す後段回路1rである。
すなわち、(R3)は、一対のキャパシタをキャパシタ接続点で互いに直列に接続して成る直列体の両端がそれぞれ出力ポートP7及び出力ポートP8に接続され、キャパシタ接続点は入力ポートP6に接続され、入力ポートP5と出力ポートP7との間にある第1ダイオードと、入力ポートP5と出力ポートP8との間にある第2ダイオードとが、入力電圧の極性に応じて交互に導通する後段回路、である。
(R4)は、図13の(d)に示す後段回路1rを1ユニットとして、複数ユニットで多段化した後段回路である。多段化には、入力ポートP5に直結する線路にもキャパシタが必要になる。
すなわち、(R4)は、(R3)の後段回路において入力ポートP5に直結する線路にキャパシタを介挿したものを1ユニットとして、複数ユニットの入力ポートP5,P6を互いに並列に接続し、複数ユニットの出力ポートP7,P8を互いに直列に接続した後段回路、である。
(R5)は、図13の(e)に示す後段回路である。
すなわち、(R5)は、4個のダイオードによって構成され、入力ポートP5,P6から入力して出力ポートP7,P8から出力するフルブリッジ回路の後段回路、である。
なお、図13の(a)〜(d)におけるダイオードの向きは、個々のダイオードが図示と逆向き(アノード・カソードが逆)であってもよい。
以上のように、電源が直流電源である場合は、後段の回路バリエーションが多くなり、まず、交流電源の場合と同様に、図11の前段回路(F1)〜(F5)のうちのいずれか一つと、図12の後段回路(R1)〜(R5)のうちのいずれか一つとを備えて構成され、かつ、前段回路が(F5)で後段回路が(R5)であるという組み合わせは除外する変圧装置であればよい。
また、図11の前段回路(F1)〜(F5)のうちのいずれか一つと、図13の後段回路(R1)〜(R5)のうちのいずれか一つとを備えて構成され、かつ、前段回路が(F5)で後段回路が(R5)であるという組み合わせは除外する変圧装置であればよい。
<半導体スイッチ駆動回路>
次に、スイッチ装置4における、半導体スイッチ駆動回路3について詳細に説明する。
《回路構成》
図14は、例えば図1におけるスイッチ装置4の回路構成の概要を示すブロック図の一例である。半導体スイッチSr1,Sr2,Sb1,Sb2としては、例えば、高速スイッチングが可能なMOSFETが好適である。ここで、例えば代表例として半導体スイッチSr1をスイッチング動作させる半導体スイッチ駆動回路3は、ゲート信号発生部31、変調信号発生部32、変調部33、絶縁カプラ34、及び、復調部35を有している。
ゲート信号発生部31は、半導体スイッチSr1を駆動するパルス信号を出力する。パルス信号の周波数は、例えば20kHzである。変調信号発生部32は、例えば40.68MHzの連続した発振信号である変調信号を出力する。変調部33はゲート信号を、変調信号の高周波で変調した高周波ゲート信号を生成し、かつ、それに一定の振幅を与えた信号重畳電圧として出力する。なお、ゲート信号発生部31は例えば、コンピュータを含み、ソフトウェア(コンピュータプログラム)をコンピュータが実行することで、少なくともゲート信号発生の機能を実現する。ソフトウェアは、制御部の記憶装置(図示せず。)に格納される。但し、コンピュータを含まないハードウェアのみの回路でゲート信号発生部31を構成することも可能である。
なお、他の半導体スイッチSr2,Sb1,Sb2についても同様の半導体スイッチ駆動回路、又は、その一部若しくは全部を共用した半導体スイッチ駆動回路を使用することができる。
図15は、半導体スイッチ駆動回路3の、具体的な一例を示す回路図である。図14と対応する部分には同一符号を付している。図15において、変調部33は、例えばMOSFETである半導体スイッチQ1,Q2,Q3,Q4を図示のようにフルブリッジ接続して構成されている。半導体スイッチQ1,Q2,Q3,Q4のゲート−ソース間にはそれぞれ、ゲートドライバ41,42,43,44が接続されている。
ゲートドライバ41〜44には、変調信号発生部32が接続されている。変調信号発生部32は、各半導体スイッチQ1,Q2,Q3,Q4におけるゲート−ソース間の電圧源でもあり、半導体スイッチQ1,Q4のペアと、半導体スイッチQ2,Q3のペアとで、電圧が逆極性になるように接続されている。また、ゲートドライバ41〜44には、ゲート信号発生部31からパルス状のゲート信号が与えられる。変調部33には、直流電源36から例えばDC20Vの電圧が入力される。直流電源36には、コンデンサ37が並列に接続されている。
絶縁カプラ34の電気回路上の機能はコンデンサである。変調部33と復調部35とを繋ぐ電路の一対の線路E1,E2上には、それぞれ、電極対34a、34bが設けられている。各電極対34a,34bは、絶縁体(空気である場合も含む。)を挟んで互いに対向する電極間で電界結合することにより、電圧(電力)を伝送することができる。
また、物理的な配置の点で見た絶縁カプラ34は、二組の電極対34a,34bが互いに絶縁距離を置いて並んでいる構成を有している。これにより、一対のコンデンサを集約して設けることができ、また、コンデンサとして必要な容量を容易に確保することができる。
復調部35は、倍電圧整流回路50と、抵抗49とによって構成されている。倍電圧整流回路50は、一対のダイオード45,46の直列体と、一対のコンデンサ47,48の直列体とが、互いに並列に接続されて構成されている。ダイオード45,46の相互接続点、及び、コンデンサ47,48の相互接続点は、入力ポートとなり、それぞれ、線路E1側及び線路E2側に接続されている。各直列体の両端は出力ポートとなる。倍電圧整流回路50は、入力ポートへの入力電圧を昇圧して出力ポートに出力できるので、高めの駆動電圧が必要な半導体スイッチSr1に好適である。
なお、倍電圧整流回路50は一例に過ぎず、他の整流回路(例えば、倍電流整流回路)であってもよい。図24は、図15の回路図中の倍電圧整流回路50を、倍電流整流回路50aに置き換えた回路図である。倍電流整流回路50aは、ダイオード45及びインダクタ47Lの直列体と、ダイオード46及びインダクタ48Lの直列体とを、図示のようにブリッジ接続した回路である。倍電圧整流回路が高駆動電圧に好適であるのに対して、倍電流整流回路は電流を増大させて出力するので、ゲート−ソース間のキャパシタンスが大きい半導体スイッチの場合や、高速スイッチングの場合に好適である。
倍電圧整流回路50には抵抗49が並列に接続され、抵抗49の両端の電圧が、半導体スイッチSr1のゲート−ソース間電圧として与えられる。また、抵抗49は、ゲート−ソース間のキャパシタンスに貯まった電荷を徐々に放電させる効果がある。仮に、この抵抗49が無い場合には、電荷が放電しないので、オフにする信号が来てもゲート電圧が残り続け、半導体スイッチSr1はオンのままとなる。
半導体スイッチSr1は、主回路電圧が交流の場合に双方向性の制御を担保するため、例えば、一対の半導体スイッチQ5,Q6を互いに逆極性となるよう直列接続して構成されている。一対の半導体スイッチQ5,Q6には同じゲートーソース間電圧が与えられ、両者の動作タイミングは同時である。
《波形図で見た動作》
図16の(a)は、変調信号発生部32が出力する変調信号、(b)はゲート信号発生部31が出力するゲート信号、(c)は変調部33が出力する信号重畳電圧を、それぞれの一例として表している。変調信号の1周期は、実際には図示しているよりもさらに短いが、説明の便宜上、波形のイメージがわかる程度に表示している。ゲート信号は、最終的に制御したい半導体スイッチ(例えばSr1)のオン/オフのタイミングを持つ制御信号である。
変調信号は常時、半導体スイッチQ1〜Q4のゲートドライバ41〜44に与えられている。但し、変調信号の符号が正のときは、例えば半導体スイッチQ1,Q4に順方向のゲート−ソース電圧をかけ得るターンオン可能な状態となり、これに対して、半導体スイッチQ2,Q3はターンオンできない状態となる。逆に、変調信号の符号が負のときは、半導体スイッチQ2,Q3に順方向のゲート−ソース電圧をかけ得るターンオン可能な状態となり、半導体スイッチQ1,Q4はターンオンできない状態となる。
また、ゲート信号がオフのときは、全ての半導体スイッチQ1〜Q4はオフとなり、変調部33の出力は得られない。ゲート信号がオンのときは、変調信号の符号に応じて半導体スイッチQ1,Q4のペア、及び、半導体スイッチQ2,Q3のペアが交代でオンとなり、変調信号の変化に同期して、図16の(c)に示すように、直流電源36の電圧(20V付近)を振幅とした高周波の交流電圧が変調部33から出力される。この出力は、信号重畳電圧であり、ゲート信号(周期T1、パルス幅T2)、所定の電圧、電界結合に必要な高周波(周期T3)、の各要素を備えている。
このような信号重畳電圧は、絶縁カプラ34を通過し、復調部35への入力となる。すなわち、絶縁カプラ34は、その1次側電極と2次側電極との間での電界結合により、信号重畳電圧を伝送することができる。
図17の(a)は、絶縁カプラ34を経て復調部35へ入力される信号重畳電圧の一例を示す図である。伝送損失により信号重畳電圧の振幅は若干低下する。(b)は、復調部35から出力される整流信号を示す図である。信号重畳電圧は、倍電圧整流回路50により整流され、(b)に示す整流信号となって復調部35から出力される。出力される電圧は、半導体スイッチ(例えばSr1)のゲート−ソース間に印加される。整流信号(矩形波などの包絡線電圧)は、半導体スイッチのゲート−ソース間に印加される駆動電圧であるとともに、オン/オフの時間的なタイミング(周期T1、パルス幅T2)を示すゲート信号でもある。駆動電圧としては、例えば、約15Vを確保することができ、半導体スイッチのゲート−ソース間電圧として十分な値が得られる。
《まとめ》
このような半導体スイッチ駆動回路3によれば、駆動電圧とゲート信号とを信号重畳電圧として1つにまとめて搬送することができる。また、信号重畳電圧は、コンデンサである絶縁カプラ34を通して伝送され、復調部35を経て、半導体スイッチ(例えばSr1)の駆動電圧になると共に、ゲート信号となる。この場合、一対の線路間(E1−E2)での電圧である信号重畳電圧は、絶縁カプラ34の1次側から2次側へ伝送されるが、絶縁カプラ34の絶縁体の存在によって、2次側の対地電位は電極対34a,34bの1次側には伝わらない。すなわち、電極対の2次側に接続される半導体スイッチ(例えばSr1)の端子が高電位(例えば対地電位6.6kV)となっても、1次側は低電位(例えば10V、20V程度)とすることができる。従って、電極対34a,34bの1次側に設けられるデバイスを2次側の高電位から絶縁し、保護することができる。
<絶縁カプラの構造>
次に、絶縁カプラ34の構造について詳細に説明する。
図18は、絶縁カプラ34の実体的な構造の一例を示す図である。絶縁カプラ34は、一対二組の電極対34a,34bを備えている。電極対34aは、図18における下方の電極34a1と上方の電極34a2とである。各電極34a1,34a2の幅はW、長さがh、電極間対向隙間がDである。電極対34bも同様に、図18における下方の電極34b1と上方の電極34b2とであり、寸法に関する詳細は電極対34aと同じである。2組の電極対34a,34bの間には分離距離dがある。一対二組の電極対34a,34bの全体としての寸法は、a=2W+dとすると、a×h×Dとなる。
二組の電極対34a,34bは、互いに等しいキャパシタンスCを有している。下方の横並びの2枚の電極34a1と34b1との間には、ごく僅かなキャパシタンスC(<<C)が存在する。上方の横並びの2枚の電極34a2と34b2との間にも同じキャパシタンスCが存在する。例えば、電極34a1,34b1が1次側、すなわち入力側の電極であり、電極34a2,34b2が2次側、すなわち出力側の電極である。
図19は、絶縁カプラ34をコンデンサとしてみた場合の等価回路図である。絶縁カプラ34は、4つのコンデンサC,Cをブリッジ接続したものと等価である。変調部33側を1次側、復調部35側を2次側とすると、1次−2次間(すなわち電極対の電極間)は電界結合される。結合係数kは、
k=C/(2C+C) ・・・(1)
となる。
式(1)より、結合係数kを大きくするには、例えばCを、より小さくすればよい。これは、図18の分離距離dを、より大きくすれば実現できる。また、結合係数kを大きくするには、例えば、Cを、より大きくすればよい。これは、図18の電極間対向隙間Dを、より小さくすれば実現できる。また、その他、電極板面積(W×h)を大きくするか、又は、電極板間に誘電率の大きい絶縁体を挿入することによっても、Cを大きくすることができる。
また、結合係数kを、1に近づけるには、理論的には分離距離dをできるだけ大きくすればよいが、絶縁カプラ34全体としての占有面積が大きくなるので現実的でない。一方、電極間対向隙間Dをできるだけ小さくすれば面積が同じでも結合係数kを1に近づけることができる。しかし、電極対の電極間の空間が空気である場合、耐電圧性能を充分には満たせない。そこで、電極対の電極間の空間に絶縁材を挟むことが考えられる。この用途に必要な絶縁材の特性は、例えば、耐電圧性能、均一な厚さ、ある程度の堅さ、表面に薄い電極を形成し易いこと、であり、例えば、プリント基板として用いられる絶縁基板が好適である。
図20は、例えばガラスエポキシ樹脂の絶縁基板34cを用いた絶縁カプラ34の一例を示す図である。この例では、一辺の長さが50mmの正方形で、厚さDが0.8mmのものと、1.6mmのものとの、2種類の絶縁基板34cを使用した。電極対34a,34bの長さh及び寸法aは共に34mm、電極対34a,34bに対する「余白」の寸法を、8mmとした。
上記のように、均一な厚さの絶縁基板34cの両面に電極対34a,34bを設けた絶縁カプラ34によれば、電極対間の距離を、絶縁基板34cの厚さによって、容易に設定することができる。また、電極対間の耐電圧性能も、容易に所望の値を満たすことができる。
図21は、厚さDが0.8mm及び1.6mmの、2種類の絶縁基板34cについて、例えば40.68MHzの変調信号における、分離距離dと、キャパシタンスCとの関係を示すグラフである。図示のように、分離距離dが小さくなるほど、キャパシタンスCは増大する。式(1)より、キャパシタンスCが増大するほど、結合係数kは小さくなる。
図22は、厚さDが0.8mm及び1.6mmの、2種類の絶縁基板34cについて、例えば40.68MHzの変調信号における、分離距離dと、キャパシタンスCとの関係を示すグラフである。図示のように、分離距離dが大きくなるほど、キャパシタンスCは減少する。式(1)より、キャパシタンスCが増大するほど、結合係数kは大きくなる。
図23は、厚さDが0.8mm及び1.6mmの、2種類の絶縁基板34cについて、例えば40.68MHzの変調信号における、分離距離dと、結合係数kとの関係を示すグラフである。図示のように、厚さ0.8mmの絶縁基板の方が、1.6mmの絶縁基板よりも、結合係数が大きい。また、分離距離dの値が、図の点線で示す10〜17.5mmの範囲内のとき、結合係数が安定して大きい値となっている。そして、結合係数の最大値は、d=12.5mmのときに得られている。これらの結果を踏まえて、厚さDは0.8mm、分離距離dは12.5mmとすることが好ましい。
すなわち、図20の絶縁カプラ34の例において、厚さDは0.8mm、分離距離dは12.5mm、電極対34a,34bの幅Wは(34mm−12.5mm)/2=10.75mmとすることが好ましい。
なお、図20における絶縁基板34c上の両面の、電極対34a,34b以外の領域(特に、分離距離dの中央分離帯領域)に図18の回路を構成する部品を搭載することもできる。
例えば図20の下面(1次側)には、1次側の回路(ゲート信号発生部31、変調信号発生部32、変調部33)の少なくとも一部を設けることができる。上面(2次側)には、2次側の回路(復調部35)の少なくとも一部を設けることができる。このようにすれば、電極が設けられる以外の絶縁基板34c上のスペースを有効活用して回路部品を配置することができる。
なお、上記の絶縁基板34cは1枚物であるが、2組の電極対の各組ごとに分けて、2枚にすることもできる。また、電極対は2枚の電極に限らず、例えば1次側2枚、2次側2枚の合計4枚の電極を交互に絶縁基板を挟んで対向するように重ね合わせる形態も可能である。さらには、電極の形状は四角形に限らず、四角形以外の多角形や、円形、楕円形でもよい。
<補記>
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
但し、明細書及び図面に開示した通りの全ての構成要素を備える半導体スイッチ用絶縁カプラ、半導体スイッチ駆動回路、及び、変圧装置も、本発明に含まれるものであることは言うまでもない。
1 変圧装置
1f 前段回路
1r 後段回路
2 電源
3 半導体スイッチ駆動回路
4 スイッチ装置
31 ゲート信号発生部
32 変調信号発生部
33 変調部
34 絶縁カプラ
34a,34b 電極対
34a1,34a2 電極
34b1,34b2 電極
34c 絶縁基板
35 復調部
36 直流電源
37 コンデンサ
41,42,43,44 ゲートドライバ
45,46 ダイオード
47,48 コンデンサ
47L,48L インダクタ
49 抵抗
50 倍電圧整流回路
50a 倍電流整流回路
C1,C2 キャパシタ
E1,E2 線路
L1,L2 インダクタ
Q1〜Q6 半導体スイッチ
b1,Sb2 半導体スイッチ
r1,Sr2 半導体スイッチ
M1,M2 接続点
P1〜P8 ポート
R 負荷

Claims (7)

  1. 半導体スイッチのゲート信号を変調し、かつ、所定の振幅を与えて成る信号重畳電圧を搬送する電路の一対の線路上にそれぞれコンデンサとして介在し、絶縁体を挟んで互いに対向する電極対の電極間で電界結合することにより前記信号重畳電圧を伝送する、半導体スイッチ駆動用絶縁カプラ。
  2. 一対の前記コンデンサは、二組の前記電極対が、互いに絶縁距離を置いて並んでいる構成である請求項1に記載の半導体スイッチ駆動用絶縁カプラ。
  3. 前記電極対は、均一な厚さの絶縁基板の両面に設けられている請求項2に記載の半導体スイッチ駆動用絶縁カプラ。
  4. 半導体スイッチを駆動するための半導体スイッチ駆動回路であって、
    前記半導体スイッチのゲートに与えるべきゲート信号を発生するゲート信号発生部と、
    前記ゲート信号より高周波の変調信号を発生する変調信号発生部と、
    前記ゲート信号を前記変調信号で変調し、かつ、所定の振幅を与えて成る信号重畳電圧を出力する変調部と、
    前記信号重畳電圧を搬送する電路の一対の線路上にそれぞれコンデンサとして介在し、絶縁体を挟んで互いに対向する電極対の電極間で電界結合することにより前記信号重畳電圧を伝送する絶縁カプラと、
    前記絶縁カプラを通過した前記信号重畳電圧を復調して得た、駆動電圧であるとともにゲート信号でもある駆動制御電圧を、前記半導体スイッチに与える復調部と、
    を備えている半導体スイッチ駆動回路。
  5. 前記電極対は、一定の厚さの絶縁基板の両面に設けられており、前記1次側の回路の少なくとも一部が一方の面に設けられ、前記2次側の回路の少なくとも一部が他方の面に設けられる請求項4に記載の半導体スイッチ駆動回路。
  6. 前記復調部は、入力電圧又は入力電流を増大させて出力する整流回路である請求項4に記載の半導体スイッチ駆動回路。
  7. 電源と負荷との間に設けられ、入力に対する出力の極性を交互に反転させるスイッチングを行う機能をそれぞれが有する前段回路及び後段回路を備えている変圧装置であって、
    前記前段回路及び前記後段回路の少なくとも一方に設けられ、一対のリアクタンス素子を接続点で互いに直列に接続して成る直列体と、
    前記直列体の両端を第1ポートとした場合に、前記直列体の一端と前記接続点との間、及び、前記直列体の他端と前記接続点との間を、スイッチングにより交互に、かつ、極性を反転させながら第2ポートとして、前記第1ポートから前記第2ポートへの電力の伝送、及び、前記第2ポートから前記第1ポートへの電力の伝送のいずれか一方を実行するスイッチ装置とを備え、
    前記スイッチ装置は、前記スイッチングを行う半導体スイッチと、その制御を行うための半導体スイッチ駆動回路とを含み、当該半導体スイッチ駆動回路は、
    前記半導体スイッチのゲートに与えるべきゲート信号を発生するゲート信号発生部と、
    前記ゲート信号より高周波の変調信号を発生する変調信号発生部と、
    前記ゲート信号を前記変調信号で変調し、かつ、所定の振幅を与えて成る信号重畳電圧を出力する変調部と、
    前記信号重畳電圧を搬送する電路の一対の線路上にそれぞれコンデンサとして介在し、絶縁体を挟んで互いに対向する電極対の電極間で電界結合することにより前記信号重畳電圧を伝送する絶縁カプラと、
    前記絶縁カプラを通過した前記信号重畳電圧を復調して得た、駆動電圧であるとともにゲート信号でもある駆動制御電圧を、前記半導体スイッチに与える復調部と、
    を備えている、変圧装置。
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