JP2008060394A - 半導体レーザ素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】共振器の両端面付近の1次モードの光の吸収を増加させ、キンクレベルを向上させることができる半導体レーザ素子を提供する。
【解決手段】共振器面を有する半導体レーザ素子において、第1導電型の半導体基板1と、この表面上に形成される第1導電型の第1クラッド層2と、第1クラッド層上に形成される活性層3と、活性層上に形成される第2導電型の第2クラッド層4と、第2クラッド層上に形成された細長形状の第2導電型のリッジ部20と、リッジ部との段差を埋めるように形成される第1導電型の電流ブロック層22とを有し、電流ブロック層は、共振器面を含む共振器面近傍領域では、活性層でレーザ光が発生された際に活性層から電流ブロック層に漏れ出たレーザ光を吸収する吸収膜10からなり、共振器面近傍領域以外の領域では、吸収膜と、活性層から電流ブロック層に漏れ出たレーザ光を透過する透過膜9とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光情報処理や光計測等の光源に用いられる半導体レーザ素子に係り、特に、電流ブロック層の一部に透明なブロック膜を形成した半導体レーザ素子に関するものである。
一般に半導体レーザ素子は、高密度ディスク装置、レーザプリンタ用光源、バーコードリーダ及び光計測等の光源として期待されている(特許文献1、2等)。そして、半導体レーザ素子の動作電流低減のために、電流ブロック層を従来のGaAs系から、発振光に対して透明なAlInP系またはAlGaInP系に変えることにより、吸収損失を低減するようにしたAlGaInP系の半導体レーザ素子が実用化されている。
電流ブロック層としてAlInPを用いたAlGaInP系半導体レーザ素子の従来例は、上記特許文献1などに記載されており、動作電流の低減が必要とされる高出力レーザ素子などに応用されている。
ここで従来の半導体レーザ素子の構造を図8を用いて説明する。図8は従来の半導体レーザ素子の製造方法を示す工程図であり、図8(E)はその完成図である。ここでは第1導電型をn型とし、第2導電型をp型として説明する。同図はレーザ光の光放出方向に対して垂直な方向に切断した断面構造を表す。その構成を製造手順に沿って説明する。
まず、この半導体レーザ素子は、例えば第1導電型であるn型のGaAs基板よりなる半導体基板1を有している。この基板1上に、Siをドープした厚さが1.5μmのn−AlGaInPクラッド層2と、un−AlGaInPガイド膜、un−GaInP量子井戸膜及びun−AlGaInPバリア膜から成る厚さが0.1μmの活性層3と、Znがドープされた厚さが0.2μmのp−AlGaInPよりなる第1のp型クラッド層4と、Znがドープされた厚さが0.03μmのp−AlGaInPよりなるp型エッチングストッパ層5と、Znがドープされた厚さが1.1μmのp−AlGaInPよりなる第2のp型のクラッド層6と、Znがドープされた厚さが0.1μmのp−GaInPよりなるp型キャップ層7とをMOCVDで順次積層する(図8(A))。
次にこのキャップ層7の上に、スパッタによりSiO 膜を形成後、レジストを用いたフォトリソグラフィ及びドライエッチングで幅が2μmのストライプマスク8を形成する(図8(B))。
次に、上記ストライプマスク8をエッチングマスクとして、ウエットエッチングにより、上記エッチングストッパ層5に達するまでエッチングして、電流経路となる断面台形状のリッジ部20を形成する(図8(C))。このリッジ部20はストライプ状に細長く延びている。
その後、MOCVDで2回目の成長を行い、上記エッチングストッパ層5の表面および上記リッジ部20の両側面に、厚さが0.3μmのn−AlInPよりなる第1のn型ブロック膜9と厚さが0.1μmのn−GaAsよりなる第2のn型ブロック膜10とを積層する(図8(D))。この際、上記SiO 膜よりなるストライプマスク8上には、上記各ブロック膜9、10は堆積されない。これにより、電流ブロック層22が形成させることになる。
引き続き、上記ストライプマスク8をウエットエッチングまたはドライエッチングで除去し、MOCVDで3回目の成長を行い、厚さが3μmのp−GaAsよりなるp型コンタクト層11を積層する。そして、p型のオーミック電極12を上記コンタクト層11の表面に形成し、またn型のオーミック電極13を上記半導体基板1の裏面に形成して、半導体レーザ素子を完成する(図8(E))。
このように形成された半導体レーザ素子は、第1のブロック膜9の屈折率がリッジ部20よりも低く、屈折率差で水平方向の光を閉じ込める実屈折率導波型の半導体レーザ素子となっている。また、第1のブロック膜9のバンドギャップが活性層3のそれよりも大きいため、リッジ部20から染み出した発振光を吸収しない。そのため、この半導体レーザ素子は動作電流が低く、高温での動作に有利という特徴がある。このような特徴を持たせるためには、第2のブロック膜10での光吸収を抑えるために、第1のブロック膜9の厚さを0.3μm以上と十分に厚くする必要がある。
特開平9−205249号公報 特開平5−299763号公報
しかしながら、上述した従来の半導体レーザ素子には、キンクレベルが低いという問題があった。すなわち、水平横モードが0次から1次に変化し易い。これは、透明な第1のブロック膜9での光の吸収が無いため、リッジ部20の外で光密度の割合が高い1次モードの損失が小さいためと考えられる。この半導体レーザ素子のキンクレベルは温度に依存して周期的に変化し、ある温度で極端にキンクレベルが低下する。この理由は以下のように考えられる。温度変化により発振波長が変わることで半導体レーザ素子の内部での実効屈折率が変化する。すると、これにより0次と1次のそれぞれの縦モードも変化し、2つの縦モードが重なるポイントでは0次と1次が同時に発振し易くなり、キンクレベルが極端に低下する。この周期的な変化は、共振器長やリッジ幅(リッジ部の幅)の変化に対しても見られる。
この現象は透明なブロック膜9を持つ実屈折導波型の半導体レーザ素子に特有のものであり、回避が困難である。リッジ幅H1が3.5μm、AlInPよりなる透明な第1のブロック膜9の厚さが0.3μmの半導体レーザ素子では、キンクレベルの最低点は5mW以下まで下がる。その結果、高温動作に有利な構造であるにも関わらず、広い温度範囲で動作させることができない、といった問題がある。そこで、リッジ幅を2μm以下に細くして、1次モードをカットオフするという手段(特許文献2参照)があるが、この場合には、リッジ部の形成にドライエッチングが必須であり、専用のエッチング装置が必要となって装置コストが上昇し、好ましくない。
また、実屈折率導波型の半導体レーザ素子では横方向での光吸収が無いため、水平方向の光放射角が小さくなり、この半導体レーザ素子を光ピックアップ装置に用いた場合、光ピックアップ装置の動作上不利であった。
そこで、本発明は上記の問題点に着目してなされたものであり、本発明は共振器(リッジ部)の両端面付近の1次モードの光の吸収を増加させ、キンクレベルを向上させることができる半導体レーザ素子を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、互いに平行な2つの共振器面を有する半導体レーザ素子において、前記共振器面と直交する表面を有する第1導電型の半導体基板と、前記半導体基板の前記表面上に形成される第1導電型の第1クラッド層と、前記第1クラッド層上に形成されてレーザ光が発生される活性層と、前記活性層上に形成される第2導電型の第2クラッド層と、前記第2クラッド層上に形成され、前記共振器面に直交する方向に延在して前記共振器面に接する細長形状を有する第2導電型のリッジ部と、前記リッジ部との段差を埋めるように前記第2クラッド層上に形成される第1導電型の電流ブロック層とを有し、前記電流ブロック層は、前記共振器面を含む共振器面近傍領域では、前記活性層でレーザ光が発生された際に前記活性層から前記電流ブロック層に漏れ出た前記レーザ光を吸収する吸収膜からなり、前記共振器面近傍領域以外の領域では、前記吸収膜と、前記活性層から前記電流ブロック層に漏れ出た前記レーザ光を透過する透過膜とを有することを特徴とする半導体レーザ素子である。
請求項2に係る発明は、互いに平行な2つの共振器面を有する半導体レーザ素子において、前記共振器面と直交する表面を有する第1導電型の半導体基板と、前記半導体基板の前記表面上に形成される第1導電型の第1クラッド層と、前記第1クラッド層上に形成されてレーザ光が発生される活性層と、前記活性層上に形成される第2導電型の第2クラッド層と、前記第2クラッド層上に形成され、前記共振器面に直交する方向に延在して前記共振器面に接する細長形状を有する第2導電型のリッジ部と、前記リッジ部との段差を埋めるように前記第2クラッド層上に形成される第1導電型の電流ブロック層とを有し、前記電流ブロック層は、前記活性層でレーザ光が発生された際に前記活性層から前記電流ブロック層に漏れ出た前記レーザ光を吸収する吸収膜と前記レーザ光を透過する透過膜とを有し、前記透過膜は、前記共振器面を含む共振器面近傍領域における厚さが、前記共振器面近傍領域以外の厚さよりも薄いことを特徴とする半導体レーザ素子である。
請求項3に係る発明は、互いに平行な2つの共振器面を有する半導体レーザ素子を製造するための半導体レーザ素子の製造方法において、第1導電型の半導体基板の一面側に、第1導電型の第1クラッド層と、レーザ光が発生される活性層と、第2導電型の第2クラッド層とを順次形成する積層工程と、前記積層工程後に、前記第2クラッド層上に、前記共振器面に直交する方向に延在して前記共振器面に接する細長形状を有する第2導電型のリッジ部を形成するリッジ部形成工程と、前記リッジ部形成工程後に、前記共振器面を含む共振器面近傍領域以外の領域に、前記リッジ部との段差を埋めるように、前記活性層でレーザ光が発生された際に前記活性層から漏れ出た前記レーザ光を透過する透過膜を形成する透過膜形成工程と、前記透過膜形成工程後に、少なくとも前記共振器面近傍領域に、前記活性層から漏れ出た前記レーザ光を吸収する吸収膜を形成する吸収膜形成工程と、を有することを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法である。
請求項4に係る発明は、互いに平行な2つの共振器面を有する半導体レーザ素子を製造するための半導体レーザ素子の製造方法において、第1導電型の半導体基板の一面側に、第1導電型の第1クラッド層と、レーザ光が発生される活性層と、第2導電型の第2クラッド層とを順次形成する積層工程と、前記積層工程後に、前記第2クラッド層上に、前記共振器面に直交する方向に延在して前記共振器面に接する細長形状を有する第2導電型のリッジ部を形成するリッジ部形成工程と、前記リッジ部形成工程後に、前記リッジ部との段差を埋めるように前記第2クラッド層上に、前記活性層でレーザ光が発生された際に前記活性層から漏れ出た前記レーザ光を透過する透過膜を形成する透明膜形成工程と、前記透明膜形成工程後に、前記共振器面を含む共振器面近傍領域における前記透過膜をエッチングして前記透過膜の厚さを薄くするエッチング工程と、を有することを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法である。
本発明は、実屈折率導波型の半導体レーザ素子の両端面付近の透明ブロック膜を除去したり、或いは薄くしたりすることにより、キンク特性と高温特性を両立させるものである。このキンクは、発振光が水平横モードが0次から1次に変化することにより発生する。1次モードはリッジ部の外での光密度が高いため、電流ブロック層で光を吸収しない実屈折率導波型の半導体レーザ素子では1次モードの損失が少なく、キンクレベルが低い。よって、キンクレベルを向上させるためには、発振光の1次モードの損失を増加させる必要があるが、損失により動作電流値が上昇するため、キンク特性と高温特性はトレードオフの関係にある。
そこで、本発明では1次モードの発振光を吸収させる領域を、光密度が高い共振器(リッジ部)の両端面付近に限定して設けるようにし、これにより、キンクレベルを上げつつ、高温特性も維持することができる。具体的には、共振器の両端面近くの電流ブロック層における透明ブロック膜をエッチングで薄くしたり、或いはエッチングで除去し、その後全体に光吸収のあるブロック膜を成長する。
本発明の半導体レーザ素子は、共振器の両端面付近の電流ブロック層における透明ブロック膜をエッチングで除去するか、または端面以外の電流ブロック層における透明ブロック膜の厚みよりもエッチングで薄く形成することで、1次モード光の損失を増加してキンクレベルを上げ、高温特性を維持することができる。
また上記構成により、水平方向に広がる光を吸収するため、水平方向の光放射角を広くすることができ、アスペクト比を小さくできる。
また、光の吸収領域を光密度の高い端面付近に限定するようにしたので、動作電流の増加を抑制することができ、高温での動作を可能にできる。
また、端面付近の透明ブロック膜を除去する時に、透明ブロック膜が選択的に除去可能であるエッチング液を用いることにより、リッジ部の形状を損なうことなく透明ブロック膜の除去が可能となる。
以下に、本発明に係る半導体レーザ素子及びその製造方法の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
<第1実施例>
図1は本発明に係る半導体レーザ素子の第1実施例を示す斜視図、図2は図1においてレーザ光の放出方向に対して垂直な方向に切断した状態を示す断面図であり、図2(A)は図1中のA−A線矢視断面図、図2(B)は図1中のB−B線矢視断面図である。
図3及び図4は第1実施例の製造方法を説明するための工程図であり、図4中においては左側の列が図1中のA−A線に沿った断面図を示し、右側の列が図1中のB−B線に沿った断面図を示す。尚、図8に示す構成部分と同一構成部分については同一符号を付して説明する。ここでは第1導電型をn型とし、第2導電型をp型として説明する。
図1及び図2に示すように、この第1実施例の半導体レーザ素子は、例えば第1導電型であるn型の基板1を有している。そして、この基板1の表面に、n型のクラッド層(第1クラッド層)2、活性層3、第1のp型のクラッド層(第2クラッド層)4、p型のエッチングストッパ層5とが順次形成されている。
このエッチングストッパ層5上には、部分的に、すなわち中央部にはその長手方向に沿って断面台形状のリッジ部20が細長くストライプ状に形成されている。このリッジ部20は、その下側より第2のp型のクラッド層6と、p型のキャップ層7とを順次積層して形成されている。
そして、上記リッジ部20の両側には、このリッジ部20を挟持するように、或いは挟み込むようにして一対のn型の電流ブロック層22が設けられている。具体的には、上記電流ブロック層22は、上記リッジ部20の両端面付近を除いた長手方向の中央部分では、図2(B)に示すように、その下側より透過膜である透明な第1のn型のブロック膜9と、発振光を吸収する吸収膜である不透明な第2のn型のブロック膜10と、発振光を吸収する吸収膜である不透明な第3のn型のブロック膜23とを順次積層した3層構造になっている。
これに対して、上記電流ブロック層22は、上記リッジ部20の両端面付近では、図2(A)に示すように、上記吸収膜である不透明な第3のn型のブロック膜23だけの一層構造となっており、上記透明な第1のn型のブロック膜9及び不透明な第2のn型のブロック膜10とは取り除かれた状態となっている。この構造を採用することで、後述するように、この両端面付近において1次モードの発振光の吸収を増加させてキンクレベルを上げるようになっている。
この場合、上記透明な第1のn型のブロック膜9は、リッジ部20の第2のp型クラッド層6よりもバンドギャップが大きく、且つ屈折率は小さくなされている。
そして、上記リッジ部20及び一対の電流ブロック層22の上面全体にp型のコンタクト層11が形成され、更にこのコンタクト層11の上面全体にp型のオーミック電極12が形成され、また、最下層の基板1の下面にはn型のオーミック電極13が形成され、全体で共振器24が構成されることになり、この共振器の両端が共振器面となる。そして、この共振器24自体が半導体レーザ素子となり、上記リッジ部20の両端面(共振器面)で発振光が繰り返し反射されて共振し、しきい値以上になるとこの共振されたレーザ光が一方の端面より射出される。ここでは上記のように、リッジ部20の両端面付近で電流ブロック層22の層数を減じた分だけ、半導体レーザ素子の厚さが段部状に薄くなっている。
次に、上記半導体レーザ素子の製造方法について説明する。
まず、図3(A)に示すように、例えば第1導電型であるn型のGaAs基板よりなる半導体基板1上に、Siをドープした厚さが1.5μmのn−AlGaInPクラッド層2と、un(アンドープ)−AlGaInPガイド膜、un(アンドープ)−GaInP量子井戸膜及びun(アンドープ)−AlGaInPバリア膜から成る厚さが0.1μmの活性層3と、Znがドープされた厚さが0.2μmのp−AlGaInPよりなる第1のp型クラッド層4と、Znがドープされた厚さが0.03μmのp−AlGaInPよりなるp型エッチングストッパ層5と、Znがドープされた厚さが1.1μmのp−AlGaInPよりなる第2のp型のクラッド層6と、Znがドープされた厚さが0.1μmのp−GaInPよりなるp型キャップ層7とをMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)で順次積層する。
次にこのキャップ層7の上に、スパッタによりSiO 膜を形成後、レジストを用いたフォトリソグラフィ及びドライエッチングで幅が2μmのストライプマスク8を形成する(図3(B))。
次に、上記ストライプマスク8をエッチングマスクとして、ウエットエッチングにより、上記エッチングストッパ層5に達するまでエッチングして、電流経路となる断面台形状のリッジ部20を形成する(図3(C))。このリッジ部20はストライプ状に細長く延びている。
その後、MOCVD で2回目の成長を行い、上記エッチングストッパ層5の 表面および上記リッジ部20の両側面に、厚さが0.3μmのn−AlInPよりなる第1のn型ブロック膜9と厚さが0.2μmのn−GaAsよりなる第2のn型ブロック膜10とを積層する(図3(D))。この際、上記SiO 膜よりなるストライプマスク8上には、上記各ブロック膜9、10は堆積しない。
次に、フォトリソグラフィでリッジ部20の両端面付近以外となる部分に、すなわちリッジ部20の長手方向の両端部付近を除いた中央部側にレジストマスク30を形成する。引き続きウエットエッチングで、上記レジストマスク30をマスクとして露出した両端面付近の第1及び第2のブロック膜9、10を除去する(図4(A))。このとき上記第1及び第2のブロック膜9、10をリッジ部20の第2のp型のクラッド層6及びp型のキャップ層7に対して選択的に除去することが必要であり、エッチング液としてリン酸、過酸化水素水、水の混合液を用いる。
次に、有機洗浄で上記レジストマスク30を除去し、MOCVDで3回目の成長を行い、厚さが0.5μmのn−GaAsよりなる第3のn型のブロック膜23を形成する(図4(B))。この際、上記SiO 膜よりなるストライプマスク8上には、上記第3のブロック膜23が堆積しない。これにより、電流ブロック層22が形成されることになる。
引き続き、上記ストライプマスク8をウエットエッチングまたはドライエッチングで除去し、MOCVDで4回目の成長を行い、厚さが2μmのp−GaAsよりなるp型コンタクト層11を積層する。そして、p型のオーミック電極12を上記コンタクト層11の表面に形成し、またn型のオーミック電極13を上記半導体基板1の裏面に形成して、半導体レーザ素子を完成する(図4(C))。
このように製造した半導体レーザ素子は、共振器の両端面付近の電流ブロック層22における透明な第1のブロック膜9をエッチングで除去することで、1次モード光の損失を増加してキンクレベルを上げ、高温特性を維持することができる。
また上記構成により、水平方向に広がる光を吸収するため、水平方向の光放射角を広くすることができ、アスペクト比を小さくできる。
また、光の吸収領域を光密度の高い端面付近に限定するようにしたので、動作電流の増加を抑制することができ、高温での動作を可能にできる。
また、端面付近の透明な第1のブロック膜9を除去する時に、透明な第1のブロック膜9が選択的に除去可能であるエッチング液を用いることにより、リッジ部20の形状を損なうことなく透明な第1のブロック膜9の除去が可能となる。
<第2実施例>
次に、本発明の半導体レーザ素子の第2実施例について説明する。図5は本発明に係る半導体レーザ素子の第2実施例を示す断面図であり、図5(A)は半導体レーザ素子の端部(図1中のA−A線矢視断面図に対応)における断面図を示し、図5(B)は半導体レーザ素子の中央部(図1中のB−B線矢視断面図に対応)における断面図を示す。尚、図1及び図2に示す構成部分と同一構成部分については同一符号が付されている。
この第2実施例の場合には、図5(A)に示す素子端部における断面図は、図2(A)に示す素子端部の断面図と同じ構造であるが、素子中央部の断面図が異なっている。すなわち、図2(B)に示す第1実施例の場合には、電流ブロック層22は第1、第2及び第3のn型のブロック膜9、10、23の3層で形成していたが、この図5(B)に示す第2実施例の場合には、電流ブロック層22を、透明な第1のn型のブロック膜(AlInP)9と不透明な第2のn型のブロック膜(GaAs)10の2層で構成し、第3のn型のブロック膜(GaAs)23は用いていない。
このような第2実施例の半導体レーザ素子は次のようにして製造される。すなわち、図4(A)における右列のB−B線矢視図において、レジストマスク30の代わりに、同じパターンのSiO マスクを、スパッタ、フォトリソグラフィ、ドライエッチングの工程により形成する。そして、このSiO マスクをマスクとして両端面付近の第1及び第2のブロック膜9、10をエッチングで除去する。両端面付近でこのブロック膜9、10を除去した後、このSiO マスクを除去せずに、引き続き3回目の成長をMOCVDで行い、n−GaAsよりなる第3のn型のブロック膜23を端面付近にのみ形成する。この場合、SiO マスクで覆われているリッジ部20の中央部側には第3のn型のブロック膜23は堆積しない。以後は、このSiO マスクを除去して、図4(B)及び図4(C)に示した工程と同様な工程を行うことにより、第2実施例の半導体レーザ素子を形成することができる。この場合にも、先の第1実施例の場合と同様な作用効果を発揮することができる。
<第3実施例>
次に、本発明の半導体レーザ素子の第3実施例について説明する。図6は本発明に係る半導体レーザ素子の第3実施例を示す断面図であり、図6(A)は半導体レーザ素子の端部(図1中のA−A線矢視断面図に対応)における断面図を示し、図6(B)は半導体レーザ素子の中央部(図1中のB−B線矢視断面図に対応)における断面図を示す。尚、図1〜図5に示す構成部分と同一構成部分については同一符号が付されている。
この第3実施例の場合には、図6(B)に示す素子中央部における断面図は、図5(B)に示す素子中央部の断面図と同じ構造であるが、素子端部の断面図が異なっている。すなわち図5(A)に示す第2実施例の場合には、リッジ部20の上面側には、第3のn型のブロック膜23は設けられてはいないが、この第3実施例の場合には、図6(A)に示すようにリッジ部20の上面側にも第3のn型のブロック膜(GaAs)23が設けられている。
このような第3実施例の半導体レーザ素子は、次のようにして製造される。すなわち、この半導体レーザ素子の作製方法は図5に示した第2実施例の半導体レーザ素子の作製方法と殆ど同様であるが、両端面付近を露出させるパターンのSiO マスクを形成する前に、SiO ストライプマスク8(図4(A)等参照)をエッチングで除去し、その後は図5と同様の工程で作製することで、図6に示す第3実施例の半導体レーザ素子を形成することができる。
このように製造した第3実施例の半導体レーザ素子は、前述した第1及び第2実施例と同様の作用効果を発揮するのは勿論のこと、リッジ部20の上部がn−GaAsよりなる第3のn型のブロック膜23で覆われているために、両端面付近が電流非注入領域となり、キンクレベルの改善に更に効果的である。
<第4実施例>
次に、本発明の半導体レーザ素子の第4実施例について説明する。図7は本発明に係る半導体レーザ素子の第4実施例を示す断面図であり、図7(A)は半導体レーザ素子の端部(図1中のA−A線矢視断面図に対応)における断面図を示し、図7(B)は半導体レーザ素子の中央部(図1中のB−B線矢視断面図に対応)における断面図を示す。尚、図1〜図5に示す構成部分と同一構成部分については同一符号が付されている。
この第4実施例の場合には、図7(B)に示す素子中央部における断面図は、図5(B)に示す素子中央部の断面図と同じ構造であるが、素子端部の断面図が異なっている。すなわち、図2(A)、図5(A)及び図6(A)に示すように、第1〜第3実施例の場合には、リッジ部20の両端面付近では、第1及び第2のブロック膜9、10は完全に除去されて第3のブロック膜23単層で電流ブロック層22を構成していたが、この第4実施例の場合には、透明な第1のn型のブロック膜(AlInP)9を残しており、しかもリッジ部20(共振器)の中央部側における第1のn型のブロック膜の厚さL1よりも薄くなされた厚さL2の状態で設けられている。
このような第4実施例の半導体レーザ素子は、次のようにして製造される。すなわち、この半導体レーザ素子の作製方法は、図5に示した第2実施例の半導体レーザ素子の作製方法と基本的に同様であるが、両端面付近のブロック膜のエッチング工程において、両端面付近の第1のn型のブロック膜9を、両端面付近以外、すなわち中央部側のブロック膜より薄く残した状態となるようにエッチングで形成する。両端面付近において第1のn型のブロック膜9を薄くした後、このSiO マスクを除去せずに、引き続き3回目の成長をMOCVDで行い、n−GaAsよりなる第3のn型のブロック膜23を端面付近にのみ形成する。その後は、図5と同様の工程で作製することにより、図7に示す第4実施例の半導体レーザ素子を形成することができる。この場合にも、前述した第1及び第2実施例と同様な作用効果を発揮することができる。
尚、本発明の第1〜第4実施例ではAlGaInP系の半導体レーザ素子について述べているが、勿論この具体例に限定されるものではなく、また、本発明はAlGaAsなど他の材料系の半導体レーザ素子に対しても適用が可能である。
また、本実施例ではn型を第1導電型とし、p型を第2導電型として説明したが、これらの導電型が逆でもよいのは勿論である。
本発明に係る半導体レーザ素子の第1実施例を示す斜視図である。 図1においてレーザ光の放出方向に対して垂直な方向に切断した状態を示す断面図である。 第1実施例の製造方法を説明するための工程図である。 第1実施例の製造方法を説明するための工程図である。 本発明に係る半導体レーザ素子の第2実施例を示す断面図である。 本発明に係る半導体レーザ素子の第3実施例を示す断面図である。 本発明に係る半導体レーザ素子の第4実施例を示す断面図である。 従来の半導体レーザ素子の製造方法を示す工程図である。
符号の説明
1…半導体基板、2…第1導電型(n型)のクラッド層(第1クラッド層)、3…活性層、4…第1の第2導電型(p型)のクラッド層(第2クラッド層)、5…第2導電型のエッチングストッパ層、6…第2の第2導電型のクラッド層、7…第2導電型のキャップ層、9…第1の第1導電型のブロック膜(透過膜)、10…第2の第1導電型のブロック膜(吸収膜)、11…第2導電型のコンタクト層、12…第2導電型のオーミック電極、13…第1導電型のオーミック電極、20…リッジ部、22…電流ブロック層、23…第3の第2導電型のブロック膜(吸収膜)、24…共振器。

Claims (4)

  1. 互いに平行な2つの共振器面を有する半導体レーザ素子において、
    前記共振器面と直交する表面を有する第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板の前記表面上に形成される第1導電型の第1クラッド層と、
    前記第1クラッド層上に形成されてレーザ光が発生される活性層と、
    前記活性層上に形成される第2導電型の第2クラッド層と、
    前記第2クラッド層上に形成され、前記共振器面に直交する方向に延在して前記共振器面に接する細長形状を有する第2導電型のリッジ部と、
    前記リッジ部との段差を埋めるように前記第2クラッド層上に形成される第1導電型の電流ブロック層とを有し、
    前記電流ブロック層は、
    前記共振器面を含む共振器面近傍領域では、前記活性層でレーザ光が発生された際に前記活性層から前記電流ブロック層に漏れ出た前記レーザ光を吸収する吸収膜からなり、
    前記共振器面近傍領域以外の領域では、前記吸収膜と、前記活性層から前記電流ブロック層に漏れ出た前記レーザ光を透過する透過膜とを有することを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 互いに平行な2つの共振器面を有する半導体レーザ素子において、
    前記共振器面と直交する表面を有する第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板の前記表面上に形成される第1導電型の第1クラッド層と、
    前記第1クラッド層上に形成されてレーザ光が発生される活性層と、
    前記活性層上に形成される第2導電型の第2クラッド層と、
    前記第2クラッド層上に形成され、前記共振器面に直交する方向に延在して前記共振器面に接する細長形状を有する第2導電型のリッジ部と、
    前記リッジ部との段差を埋めるように前記第2クラッド層上に形成される第1導電型の電流ブロック層とを有し、
    前記電流ブロック層は、前記活性層でレーザ光が発生された際に前記活性層から前記電流ブロック層に漏れ出た前記レーザ光を吸収する吸収膜と前記レーザ光を透過する透過膜とを有し、
    前記透過膜は、前記共振器面を含む共振器面近傍領域における厚さが、前記共振器面近傍領域以外の厚さよりも薄いことを特徴とする半導体レーザ素子。
  3. 互いに平行な2つの共振器面を有する半導体レーザ素子を製造するための半導体レーザ素子の製造方法において、
    第1導電型の半導体基板の一面側に、第1導電型の第1クラッド層と、レーザ光が発生される活性層と、第2導電型の第2クラッド層とを順次形成する積層工程と、
    前記積層工程後に、前記第2クラッド層上に、前記共振器面に直交する方向に延在して前記共振器面に接する細長形状を有する第2導電型のリッジ部を形成するリッジ部形成工程と、
    前記リッジ部形成工程後に、前記共振器面を含む共振器面近傍領域以外の領域に、前記リッジ部との段差を埋めるように、前記活性層でレーザ光が発生された際に前記活性層から漏れ出た前記レーザ光を透過する透過膜を形成する透過膜形成工程と、
    前記透過膜形成工程後に、少なくとも前記共振器面近傍領域に、前記活性層から漏れ出た前記レーザ光を吸収する吸収膜を形成する吸収膜形成工程と、
    を有することを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法。
  4. 互いに平行な2つの共振器面を有する半導体レーザ素子を製造するための半導体レーザ素子の製造方法において、
    第1導電型の半導体基板の一面側に、第1導電型の第1クラッド層と、レーザ光が発生される活性層と、第2導電型の第2クラッド層とを順次形成する積層工程と、
    前記積層工程後に、前記第2クラッド層上に、前記共振器面に直交する方向に延在して前記共振器面に接する細長形状を有する第2導電型のリッジ部を形成するリッジ部形成工程と、
    前記リッジ部形成工程後に、前記リッジ部との段差を埋めるように前記第2クラッド層上に、前記活性層でレーザ光が発生された際に前記活性層から漏れ出た前記レーザ光を透過する透過膜を形成する透明膜形成工程と、
    前記透明膜形成工程後に、前記共振器面を含む共振器面近傍領域における前記透過膜をエッチングして前記透過膜の厚さを薄くするエッチング工程と、
    を有することを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法。
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