JP2008060332A - 積層セラミック基板の製造方法及び積層セラミック基板 - Google Patents

積層セラミック基板の製造方法及び積層セラミック基板 Download PDF

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Abstract

【課題】焼成時の収縮を抑制するための拘束層を、焼成後容易に除去することができ、基板面上に拘束層の残渣物が付着するのを防止する。
【解決手段】セラミックグリーンシートを積層して焼成する積層セラミック基板の製造方法であって、セラミックグリーンシートを積層して、上面及び下面の少なくとも一方に金属配線パターンが設けられたセラミックグリーンシート積層体を作製する工程と、セラミックグリーンシート積層体の上面及び下面にガラス層を積層し、該ガラス層の上に難焼結性無機材料からなる拘束層を積層する工程と、ガラス層及び拘束層を積層したセラミックグリーンシート積層体を焼成する工程と、焼成後、拘束層及びガラス層を除去する工程とを備え、ガラス層を除去する工程が、エッチング液によりエッチング除去する工程であり、金属配線パターンが設けられた面が露出するまでガラス層をエッチング除去する。
【選択図】図4

Description

本発明は、セラミックグリーンシートを積層して焼成する積層セラミック基板の製造方法及び積層セラミック基板に関するものである。
近年普及している携帯電話などの移動体通信機器や携帯通信端末においては、その小型化への要求から、使用される回路部品も小型化及び高性能化が求められている。
この回路基板においては、従来のプリント基板にコンデンサやインダクタを表面実装したモジュールに代わって、配線ラインやコンデンサ等の導電パターンを形成して積層し、小型化を図った積層セラミック基板が用いられるようになってきている。
この積層セラミック基板は、ガラスセラミック等のグリーンシートを積層し圧着して積層体とした後これを焼成して作製されるが、グリーンシートにスクリーン印刷法等で所定の配線パターンを形成しておくことにより、基板内部に、配線ライン、L成分、C成分等が形成される。これにより、配線を高密度化することができ、ディスクリート部品(表面実装部品SMD)として搭載されるインダクタやコンデンサの数を減らすことができ、回路モジュールを小型化することができる。
配線パターンを形成するための導電材料として、Ag等の低抵抗材料を用いる場合、1000℃以下の低温で焼結可能な低温焼成セラミック材料を用いることが好ましい。
この低温焼成セラミック材料を含め、セラミック材料を焼成する工程においては、収縮が生じるため、この収縮のばらつきにより、寸法精度が低下するという問題があった。例えば、焼成温度が1500℃程度のアルミナセラミックでは±0.8%、焼成温度が1000℃またはそれ以下の低温焼成セラミック材料では±0.3%程度の寸法のばらつきが生じる。このような焼成時の収縮による寸法のばらつきが生じると、例えば、基板の上にチップを実装する際に実装するチップと配線パターンとの間で位置ずれが生じ、チップの電極と基板の電極が接触せず導通不良を生じるなどの問題が発生する。
上記の問題を解決するため、セラミックグリーンシート積層体を焼成する際に、セラミックグリーンシート積層体に、焼成温度では焼結しにくい難焼結性無機材料からなる拘束層を積層し、この状態で焼成することにより焼成時におけるセラミックグリーンシートの収縮を抑制する方法が提案されている(例えば特許文献1〜3など)。
このような方法において、焼成後不要となった拘束層は、例えばサンドブラスト加工により除去されている。特許文献2においては、ガラスと溶剤を含む密着剤層を介在させて拘束層を積層させているが、〔0056〕に記載されているように、焼成後拘束層及び密着剤層をブラスト加工により除去している。拘束層は焼成温度で焼結しない材料であるため、焼成後においても非常に脆く、サンドブラスト処理等によって容易に除去することができる。
しかしながら、拘束層をサンドブラスト処理などによって除去した後、拘束層の残渣物が基板表面上に残り、この残渣物が基板表面にチップ等を実装する際にチップとの導通性を阻害するという問題があった。この拘束層の残渣物は、低温焼成セラミックに含まれる低融点の成分によって基板表面に強固に付着したり、配線パターンの金属材料中に埋もれるなどして、基板表面に強固に付着しており、この残渣物を取り除くためには、さらにサンドブラストや研磨等の工程を行う必要が生じる。このような工程を行うと生産工程が複雑化し、コストアップの要因になるとともに、基板の厚み不良の原因ともなる。
特開平4−243978号公報 特開2002−9438号公報 特開2001−119143号公報
本発明の目的は、焼成時の収縮を抑制するための拘束層を、焼成後容易に除去することができ、除去後、拘束層の残渣物が付着しにくい積層セラミック基板の製造方法、及び該製造方法によって得られる、電子部品等の実装が容易な積層セラミック基板を提供することにある。
本発明の積層セラミック基板の製造方法は、セラミックグリーンシートを積層して焼成する積層セラミック基板の製造方法であって、セラミックグリーンシートを積層して、上面及び下面の少なくとも一方に金属配線パターンが設けられたセラミックグリーンシート積層体を作製する工程と、セラミックグリーンシート積層体の上面及び下面にガラス層を積層し、該ガラス層の上に難焼結性無機材料からなる拘束層を積層する工程と、ガラス層及び拘束層を積層したセラミックグリーンシート積層体を焼成する工程と、焼成後、拘束層及びガラス層を除去する工程とを備え、ガラス層を除去する工程が、エッチング液によりエッチング除去する工程であり、金属配線パターンが設けられた面において、金属配線パターンが露出するまでガラス層をエッチング除去することを特徴としている。
本発明によれば、ガラス層を介して拘束層を積層しており、焼成後、ガラス層をエッチング液により除去するため、拘束層の残渣物が基板表面上に付着するのを防止することができる。
本発明においては、拘束層を物理的に除去した後、ガラス層をエッチング液によりエッチング除去することができる。拘束層を物理的に除去した際に、ガラス層の上に拘束層の残渣物が付着しても、このガラス層をエッチング液によりエッチング除去するため、基板上には拘束層の残渣物が付着することはない。拘束層の物理的除去は、例えば、サンドブラスト加工、研磨加工、超音波加工により行うことができる。
また、本発明においては、焼成後のガラス層及び拘束層が積層された状態で、ガラス層をエッチングすることにより、拘束層とガラス層を同時に除去してもよい。
この場合には、ウェットブラストや研磨等のプロセスが不要で、セラミック基板を液に浸漬するだけでよく、工程が極めて簡素である。
本発明において、ガラス層は、エッチング液により除去することができる材料から形成される。エッチング液としては、特に限定されないが、例えば、酸またはアルカリ溶液が用いられる。従って、このような場合、ガラス層としては、酸またはアルカリ溶液でエッチング除去することができる材料が用いられる。
セラミックグリーンシートが、ガラス成分とセラミック成分を含む場合、エッチング液としては、このガラス成分を溶解しないエッチング液を用いることが好ましい。
本発明においては、セラミックグリーンシート積層体の上面及び下面にガラス層を積層し、該ガラス層の上に拘束層を積層するが、予めガラス層と拘束層を積層しておき、この積層体をセラミックグリーンシート積層体の上面及び下面に積層してもよい。
本発明において用いる拘束層は、セラミックグリーンシート積層体の焼成温度で焼結しない無機材料、すなわち、難焼結性無機材料から形成される。このような難焼結性無機材料としては、Al及びSiOから選ばれる少なくとも一種が挙げられる。拘束層は、このような難焼結性無機材料に、有機バインダ、可塑剤、溶剤等を加えたスラリーを作製し、このスラリーを直接塗布するか、あるいはこのスラリーからグリーンシートを形成することにより作製することができる。
本発明において、ガラス層は、上述のように、エッチング液によって溶解し、除去することができるガラス材料から形成される。上述のように、セラミックグリーンシートが、ガラス成分とセラミック成分を含む場合、セラミックグリーンシート中のガラス成分を溶解しないエッチング液を用いることが好ましい。一般にセラミックグリーンシート中のガラス成分は、アルカリ溶液によって溶解するものが多いので、エッチング液としては酸を
用いることが好ましく、このような酸によって溶解するガラス材料からガラス層を形成することが好ましい。
酸によってエッチング除去することができるガラスとしては、ZnOを含む結晶化ガラスや、ZnO−SiO−B系ガラスやZnO−SiO系ガラスなどのZnOを含む非晶質ガラスが挙げられる。従って、これらのガラス材料からガラス層を形成することが好ましい。
ガラス層は、ガラス粒子に、有機バインダ、溶剤等を加えたスラリーを調製し、このスラリーを塗布することにより形成することができる。この場合、セラミックグリーンシート積層体の上にこのようなガラススラリーを塗布してガラス層を形成してもよいし、上述のように、拘束層にこのようなガラススラリーを塗布し、拘束層とガラス層の積層体を形成し、この積層体をセラミックグリーンシートの上に積層してもよい。
本発明において、拘束層の厚みは、焼成時におけるセラミックグリーンシート積層体の収縮を抑制することができる厚みであれば特に限定されるものではないが、一般的にはセラミックグリーンシート積層体の厚みの10%〜50%の範囲内であることが好ましい。
または、ガラス層の厚みは、拘束層の残渣物が基板上に付着するのを防止することができる厚みであればよく、一般的には5〜50μmの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは20〜30μmの範囲である。
本発明におけるセラミックグリーンシートは、従来より積層セラミック基板を形成するためのセラミックグリーンシートとして用いられているものを使用することができ、特に限定されるものではない。例えば、850℃〜1000℃の低温で焼結可能な低温焼成セラミック材料を用いる場合には、アルミナなどのセラミック粉末とガラス粉末から形成される。このようなガラスセラミック材料としては、硼珪酸ガラスからなるガラス成分と、アルミナからなるセラミック成分を用いたものなどが挙げられる。
また、ガラスセラミック以外の低温焼成セラミック材料として、アルミナとCuOとTiOとSiOとBiとを複合したセラミック材料が挙げられる。このセラミック材料は、低温焼成アルミナセラミックとして、80〜98重量%のアルミナ(Al)にCuOとTiOとSiOとBiを焼成助剤として添加したセラミック粉体に、バインダとしてポリビニルブチラールを加えて混合したセラミックグリーンシートから形成することができる。その焼成体は、上記のガラスセラミックよりも高い強度が実現できる。
本発明において、金属配線パターンは、Ag、Au、Cu、Pd、Pt等の導電性金属材料から形成することができ、これらを含むペーストをスクリーン印刷法等で印刷することにより形成することができる。
本発明の積層セラミック基板は、上面及び下面の少なくとも一方に金属配線パターンが設けられた積層セラミック基板であって、金属配線パターンが形成されている領域以外の領域にガラス層が設けられており、該ガラス層により金属配線パターンと基板面との段差が低減されていることを特徴としている。
本発明の積層セラミック基板は、上記本発明の製造方法により製造することができる。
本発明の積層セラミック基板においては、金属パターンが形成されている領域以外の領域にガラス層が設けられており、該ガラス層により金属配線パターンと基板面との段差が低減されている。このため、金属配線パターンが設けられている基板表面がよりフラットになり、チップ等を実装しやすくなる。また、金属配線パターンと基板面との段差が低減されているので、この部分に塵などが付着しにくくなり、また付着した場合にも容易に取り除くことができる。
本発明の積層セラミック基板におけるガラス層は、特に限定されるものではないが、例えば、ZnOを含む結晶化ガラスや、ZnOを含む非晶質ガラスなどから形成することができる。
また、本発明における積層セラミック基板は、特に限定されるものではなく、従来から知られている材料を用いて形成することができるが、例えば、硼珪酸ガラスとアルミナを複合して焼成したガラスセラミックや、アルミナとCuOとTiOとSiOとBiとを複合して焼成したセラミックなどから形成することができる。
本発明によれば、焼成時の収縮を抑制するための拘束層を焼成後容易に除去することができ、プロセスの簡素化が実現できる。また、拘束層の残渣物等が基板表面に付着するのを防止することができるため、焼成後の洗浄工程や検査工程を簡略化できる。また、塵埃の防止により、電子部品等の実装が確実にかつ容易に行うことができるため、性能向上及び歩留りの向上に大きく寄与できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
図1〜図3は、本発明の積層セラミック基板の製造工程の一実施例を示す斜視図であり、図4は模式的断面図である。
図1(a)に示すように、低温焼成セラミック材料のグリーンシート1の上に、スクリーン印刷法で所定の金属配線パターン2をそれぞれ形成し、これらのセラミックグリーンシート1を積層し圧着することにより、図1(b)に示すセラミックグリーンシート積層体3を得る。
次に、図2(c)に示すように、セラミックグリーンシート積層体3の上面3a及び下面3bの上に、ガラス粉体を含有したスラリーを塗布することにより、ガラス層4をそれぞれ形成する。
次に、図2(d)に示すように、セラミックグリーンシート積層体3の上面及び下面の上に積層したガラス層4の上に、積層セラミック基板の焼成温度で焼結しないアルミナグリーンシートからなる拘束層5をそれぞれ積層して圧着する。これを900℃〜1000℃の範囲内の温度で焼成して、図3に示す積層セラミック基板6が得られる。拘束層5は、焼成温度で焼結されない材料から形成されているので、積層セラミック基板6は、焼結時において、面方向の収縮が抑制され、焼成時の収縮によるばらつきを低減することができる。
焼成後においては、図3に示すように、積層セラミック基板6の上面及び下面にガラス層4及び拘束層5が積層された状態である。従って、表面に金属配線パターンが露出するように、拘束層5、及びガラス層4の一部を除去する必要がある。
図4は、拘束層5、及びガラス層4の一部を除去する工程を示す模式的断面図である。図4(a)に示す拘束層5及びガラス層4が積層された積層セラミック基板6に対して、図4(b)に示すように、機械的な力を加え、拘束層5を物理的に除去する。図4(b)では、サンドブラスター10を用い、サンドブラスト加工により、拘束層5を除去している。積層セラミック基板6の両側の拘束層5を、このようにサンドブラスト加工で除去した後、図4(c)に示すように、エッチング液11中に浸漬する。
図4(c)に示すように、拘束層5はサンドブラスト加工により除去されるが、完全には除去することはできず、ガラス層4の上には拘束層5の残渣物5aが付着した状態である。この状態でエッチング液11に浸漬することにより、ガラス層4を溶解してガラス層4をエッチング除去して、図4(d)に示す状態とする。すなわち、エッチング液11により図4(d)に示すように、金属配線パターン2が露出するまでガラス層4を除去する。以下、図6及び図7を参照してさらに詳細に説明する。
図6は、ガラス層4の上に拘束層の残渣物5aが付着した状態を示している。この状態で、エッチング液を用いてガラス層2を除去することにより、拘束層の残渣物5aを取り除くことができる。
図7は、エッチング液により、金属配線パターン2が露出するまで、ガラス層4を除去した後の状態を示す断面図である。図7に示すように、金属配線パターン2が形成されている領域以外の領域にガラス層4が設けられており、ガラス層4により、金属配線パターン2と基板面6aとの段差が低減されている。
図8は、拘束層が直接積層セラミック基板6の上に設けられている、従来の場合を示しており、従来は、拘束層の残渣物5aが、積層セラミック基板6の基板面6aや金属配線パターン2の表面や内部に強固に付着しており、このような拘束層5aが付着した積層セラミック基板の上に電子部品(チップ)等を実装する場合、このような残渣物5aが障害となり、電子部品等を良好な状態で実装することができなかった。
また、図9に示すように、従来においては、基板面6aと金属配線パターン2との間の段差が大きいため、金属配線パターン2の周辺部に汚れ12等が付着しやすいという問題があった。また、基板面6aの表面に付着した汚れや残渣物等を取り除くため、綿棒13などで基板面6aをこすった場合、金属配線パターン2と基板面6aとの段差部において、ひっかかりを生じ、綿糸14などが基板面6a上に付着してしまうなどの問題もあった。
図10に示すように、本発明の積層セラミック基板においては、金属配線パターン2の形成された領域以外の領域にガラス層4が設けられており、金属配線パターン2と基板面6aとの段差が低減されている。このため、上記のように、金属配線パターン2の段差部に、基板を洗浄した際の汚れなどが溜まりにくくなり、また綿棒で基板面を清浄する際にひっかかりを少なくすることができる。このため、製造工程において不良品が発生するのを低減することかできる。また、図11に示すように、金属配線パターン2の上に電子部品15を実装する際に、基板面の表面での段差部が少なくなるため、容易に実装することが可能となる。
<第1の実施例>
セラミックグリーンシートを、ガラス成分としてのホウケイ酸ガラスを50重量%含み、セラミック成分としてのアルミナを50重量%含むガラスセラミック材料粉体に、バインダとしてポリビニルブチラールを12重量%加えて混合することにより形成し、上記のようにしてセラミックグリーンシート積層体を作製する。これに、ZnOを含む非晶質ガラスであるZnO−SiO−Bi系ガラス(奥野製薬社製商品名「G3−3779」)と有機バインダとを含むペーストを塗布し、塗布後乾燥させて、厚み20μmのガラス層を形成する。
なお、セラミックグリーンシート上の金属配線パターンは、Agペースト(例えば、京都エレックス社製商品名「N5012」、粘度300±50PaS)を用いてスクリーン印刷法により形成する。金属配線パターンの膜厚は5〜15μm程度とする。
ガラス層の形成はスクリーン印刷法により行い、その厚みは電極上で少なくとも5μm以上の膜厚が確保できるように、20〜50μm程度とすることが好ましい。なお、50μmを超えるガラス層を形成した場合、焼成前にガラス層の剥離が発生する場合がある。
次に、アルミナを、工程中に混入する微量な不純物を除いて88重量%含むセラミック粉体に、バインダとしてポリビニルブチラールを12重量%加えて混合し、拘束層としてのアルミナグリーンシートを作製し、これをガラス層の上に積層する。
このアルミナグリーンシートによる拘束層の厚みは、セラミックグリーンシート積層体の厚みの10%未満であると、拘束力が不十分となり、セラミックグリーンシートを焼成した後の基板の端部に撓みが見られる場合がある。また、拘束層の厚みの上限については、いくらであっても拘束力が発揮されることを確認しているが、シートの製造の容易さを鑑みて、本実施例では、50〜150μmの厚み(両側の厚みの合計は100〜300μm)で実施している。
セラミックグリーンシート積層体の厚みは、半導体実装基板を想定した300μm及び携帯電話用アンテナスイッチモジュールを想定した1000μmにて実験を行い、この厚みが300μmのときには拘束層の厚みを50〜150μm、1000μmのときは拘束層の厚みを100〜150μmとして、拘束層の厚みがセラミックグリーンシート積層体の厚みの10〜50%の厚みとなるようにした。
上記のようにしてセラミックグリーンシート積層体の上面及び下面上に、それぞれガラス層及び拘束層を積層した積層体を、850〜1000℃の温度で焼成する。焼成後、拘束層をサンドブラスト加工により除去する。拘束層をサンドブラスト加工により除去した後、積層体を、3N塩酸に浸漬し、ガラス層をエッチング除去する。
図12は、20℃で3N塩酸を用いてエッチングしたときのエッチング量を示す図である。また、図13は、20℃で3N硫酸を用いてエッチングしたときのエッチング量を示す図である。図12及び図13においては、G3−3779(ZnO−SiO−Bi系非晶質ガラス)及びGA63(ZnOを含む結晶化ガラス)を用いて作製したガラス層のエッチング量を示している。なお、GA63は、日本電気硝子社製商品名「GA63」であり、SiO−ZnO−CaO−MgOを含んでいる。
図12に示すグラフから、3N塩酸を用い20℃でエッチングしたときのエッチング速度が算出されるので、このエッチング速度を基準にして金属配線パターンの厚みと残存するガラス層の厚みがほぼ同じ厚みとなるエッチング液中での浸漬時間を算出し、エッチング処理を行う。
以上のようにして、ガラス層をエッチング処理することにより、基板面に拘束層の残渣物が付着していない本実施例の積層セラミック基板が得られる。このときの焼成収縮率は0.9%であり、拘束層及びガラス層を用いずに焼成した場合の収縮率12〜14%と比較して収縮率の低減が認められた。
<第2の実施例>
ガラス層を形成するガラスとして、ZnOを含む結晶化ガラス(日本電気硝子社製商品名「GA63」)を用いる以外は、第1の実施例と同様にしてセラミック基板を作製する。
第1の実施例と同様に、拘束層をサンドブラスト加工により除去した後、図12に示すGA63のエッチング速度から、金属配線パターンの厚みと残存するガラス層の厚みがほぼ同じになる浸漬時間を算出し、算出した浸漬時間で、3N塩酸をエッチング液としてエッチングする。
以上のようにして、ガラス層をエッチングすることにより、基板面に拘束層の残渣物が付着していない本実施例の積層セラミック基板を得る。
結晶化ガラスは非晶質ガラスよりも強度が高く、拘束層の残渣物のかみ込みを低減できる。このときの基板収縮率も1%以下であることを確認した。
<第3の実施例>
低温焼成アルミナセラミックとして、80〜98重量%のアルミナ(Al)にCuOとTiOとSiOとBiを焼成助剤として添加したセラミック粉体に、バインダとしてポリビニルブチラールを加えて混合したセラミックグリーンシートとしたものを用いる。この材料を用い、セラミックグリーンシートを作製する以外は、上記第1の実施例と同様にしてガラス層及び拘束層を積層した積層体を作製し、これを上記第1の実施例と同様にして焼成し、焼成後拘束層をサンドブラスト加工で取り除いた後、上記第1の実施例と同様にして3N塩酸をエッチング液として用いてガラス層をエッチング除去し、基板面に拘束層の残渣物が付着していない本実施例の積層セラミック基板を得る。基板収縮率は1%以下であった。
<第4の実施例>
低温焼成アルミナセラミックとして、80〜98重量%のアルミナ(Al)にCuOとTiOとSiOとBiを焼成助剤として添加したセラミック粉体に、バインダとしてポリビニルブチラールを加えて混合したセラミックグリーンシートとしたものを用いる。この材料を用い、セラミックグリーンシートを作製する以外は、上記第2の実施例と同様にしてガラス層及び拘束層を積層した積層体を作製し、これを上記第2の実施例と同様にして焼成し、焼成後拘束層をサンドブラスト加工で取り除いた後、上記第2の実施例と同様にして3N塩酸をエッチング液として用いてガラス層をエッチング除去し、基板面に拘束層の残渣物が付着していない本実施例の積層セラミック基板を得る。基板収縮率は1%以下であった。
上記の実施例においては、セラミックグリーンシート積層体の上にガラス層を形成した後、その上に拘束層を積層させているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、拘束層の上にガラス層を形成し、拘束層とガラス層を積層したものを、セラミックグリーンシート積層体の上に積層してもよい。
図14は、上記の方法を説明するための断面図である。図14(a)に示すように、例えばアルミナシートなどの拘束層5の上に、ガラスペーストを塗布することにより、ガラス層4を形成する。
次に、図14(b)に示すように、ガラス層4を下にして拘束層5とガラス層4の積層体をセラミックグリーンシート積層体の上に積層する。このようにして積層することにより、拘束層とガラス層4の界面部分における凹凸の発生を少なくすることができる。
また、上記の実施例においては、拘束層をブラスト加工などにより取り除いた後に、ガラス層をエッチング除去しているが、例えば、図5に示すように、拘束層をブラスト加工で除去せずに、ガラス層及び拘束層を積層した積層セラミック基板をエッチング液に浸漬し、ガラス層4をエッチング除去することにより、拘束層5とガラス層4を同時に除去してもよい。このような方法によれば、拘束層5を除去する工程を省略することができ、製造工程をより簡易にすることができる。
本発明に従う製造工程の一実施例を示す斜視図。 本発明に従う製造工程の一実施例を示す斜視図。 本発明に従う製造工程の一実施例を示す斜視図。 本発明に従う製造工程の一実施例を示す模式的断面図。 本発明に従う他の実施例における製造工程を示す模式的断面図。 本発明の製造工程に従う一実施例を示す模式的断面図。 本発明の製造工程に従う一実施例を示す模式的断面図。 従来の製造工程を示す模式的断面図。 従来の製造工程により得られた積層セラミック基板を示す模式的断面図。 本発明の製造方法に従う一実施例において得られた積層セラミック基板を示す模式的断面図。 図10に示す本実施例の積層セラミック基板の上に電子部品を実装する際の状態を示す模式的断面図。 ガラス層のエッチング液中の浸漬時間とエッチング量を示す図。 ガラス層のエッチング液中の浸漬時間とエッチング量を示す図。 本発明に従うさらに他の実施例の製造工程を説明するための模式的断面図。
符号の説明
1…セラミックグリーンシート
2…金属配線パターン
3…セラミックグリーンシート積層体
4…ガラス層
5…拘束層
6…積層セラミック基板
10…サンドブラスター
11…エッチング液

Claims (7)

  1. セラミックグリーンシートを積層して焼成する積層セラミック基板の製造方法であって、
    前記セラミックグリーンシートを積層して、上面及び下面の少なくとも一方に金属配線パターンが設けられたセラミックグリーンシート積層体を作製する工程と、
    前記セラミックグリーンシート積層体の上面及び下面にガラス層を積層し、該ガラス層の上に難焼結性無機材料からなる拘束層を積層する工程と、
    前記ガラス層及び前記拘束層を積層した前記セラミックグリーンシート積層体を焼成する工程と、
    焼成後、前記拘束層及び前記ガラス層を除去する工程とを備え、
    前記ガラス層を除去する工程が、エッチング液によりエッチング除去する工程であり、前記金属配線パターンが設けられた面において、前記金属配線パターンが露出するまで前記ガラス層をエッチング除去することを特徴とする積層セラミック基板の製造方法。
  2. 前記拘束層を物理的に除去した後、前記ガラス層をエッチング液によりエッチング除去することを特徴とする請求項1に記載の積層セラミック基板の製造方法。
  3. 前記ガラス層をエッチング除去することにより、前記拘束層と前記ガラス層を同時に除去することを特徴とする請求項1に記載の積層セラミック基板の製造方法。
  4. 前記ガラス層と前記拘束層を予め積層した積層体を作製し、これを前記セラミックグリーンシート積層体の上面及び下面に積層することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層セラミック基板の製造方法。
  5. 上面及び下面の少なくとも一方に金属配線パターンが設けられた積層セラミック基板であって、
    前記金属配線パターンが形成されている領域以外の領域にガラス層が設けられており、該ガラス層により前記金属配線パターンと基板面との段差が低減されていることを特徴とする積層セラミック基板。
  6. 前記ガラス層が、ZnOを含む結晶化ガラスから形成されていることを特徴とする請求項5に記載の積層セラミック基板。
  7. 前記ガラス層が、ZnOを含む非晶質ガラスから形成されていることを特徴とする請求項5に記載の積層セラミック基板。
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