JP4339139B2 - セラミック配線基板 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミック配線基板に関し、特に、金属箔をエッチングすることにより形成された配線導体層が、ガラスセラミック製絶縁基板表面に設けられているセラミック配線基板に関する。
近年、微細な配線を施した配線密度の高い配線基板を得る為、セラミックグリーンシートの表面に、金属箔を使用したフォトリソ法で配線パターンの形成を行い、該グリーンシートを積層後焼成する多層配線基板が開発されている。この配線基板の表面には、半導体素子やコンデンサー等の電子部品、あるいはプリント基板が、半田等のロウ剤を介して接合される。従って、配線基板表面の配線導体層(前記配線パターンに相当)には、機械的あるいは熱的な引き剥がし荷重が負荷される場合があり、このような表面の配線導体層と絶縁基板との接合強度が低い場合には、この部分から基板の破壊が発生し、電気的な信頼性を保つことができないという問題がある。
表面の配線導体層と絶縁基板との接合強度を保つ手法として、特許文献1には、銅箔の表面にZn、Zr、Snの少なくとも1種類を含む金属の層もしくは粒子を形成することにより銅箔のアンカーを焼成後まで維持する方法が提案されており、この方法によれば、表面の配線導体層と絶縁基板との接続信頼性を高めることができることが報告されている。
特開2000−200969号
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、銅箔の粗化面に絶縁基板中のガラスが十分に入り込めず、焼成後、表面の配線導体層と絶縁基板との接合部にボイドが残留し、表面の配線導体層の絶縁基板に対する接合強度を十分高く保つことができないという問題がある。
従って、本発明の目的は、ガラスセラミック製絶縁基板表面に露出する配線導体層と絶縁基板との接合信頼性の高いセラミック配線基板を提供することにある。
本発明によれば、ガラスセラミック製絶縁基板の表面に、金属箔の加工により形成された配線導体層が設けられている配線基板において、前記配線導体層は、絶縁性配線パターン層を介して前記絶縁基板表面に接合されており、該絶縁性配線パターン層が、前記絶縁基板に比してガラス量の多いガラスセラミックから形成されていることを特徴とするセラミック配線基板が提供される。
本発明においては、
(1)前記絶縁性配線パターン層は、5体積%以上のガラスを含有していること、
(2)前記絶縁性配線パターン層は、0.5〜100μmの厚みを有していること、
(3)前記配線導体層が、銅箔のエッチングにより形成されたものであること、
(4)前記配線導体層は、少なくとも一方側の面が十点平均表面粗さ(Rz)が0.5μm以上の粗面を有する金属箔のエッチングにより形成されたものであり、該粗面側が絶縁性配線パターン層を介して前記絶縁基板表面に接合されていること、
(5)前記絶縁基板は、複数の絶縁層が積層された積層構造を有しており、該絶縁層の層間に配線導体層が設けられていること、
(6)前記絶縁基板内部の配線導体層は、前記絶縁性配線パターン層を介して前記絶縁層に接合されていること、
が好ましい。
本発明によれば、表面の配線導体層が、絶縁基板よりも多量のガラスを含有する絶縁性配線パターン層を介して絶縁基板に接合されているため、表面の配線導体層と絶縁基板との接合強度が高められ、表面の配線導体層に接続される半導体素子等の電気部品やリード線、あるいはプリント基板と接合するための外部電極の高い接合信頼性を得ることが可能となる。即ち、この絶縁性配線パターン層は、ガラス量が多いため、アンカー効果が高く、表面の配線導体層ががっちりと絶縁性配線パターン層に食い込んだ状態で焼成が行われることとなり、高い接合強度を確保することができるのである。この場合、ガラス量の多い絶縁基板上に直接配線導体層を形成した場合には、絶縁基板自体の強度が低下するが、本発明では、表面の配線導体層と絶縁基板との間に絶縁性配線パターン層を形成することにより、このような特性低下を有効に回避することができる。
本発明を、以下、添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のセラミック配線基板の一例である、多層配線基板の構造を示す概略断面図である。
図1において、全体として1で示すセラミック配線基板は、ガラスセラミック製絶縁基板2と、その表面(底面を含む)や内部に形成された配線導体層3とからなっている。
ガラスセラミック製絶縁基板2は、複数のガラスセラミック絶縁層2a〜2dを積層してなる積層体から構成されており、絶縁基板2の内部に設けられている配線導体層3は、絶縁層2a〜2dの積層界面に形成されている。
また、各絶縁層2a〜2dには、厚み方向を貫くように形成された直径が80〜200μmのビアホール導体4が設けられており、これにより、配線導体層3間を接続し所定回路を達成するための回路網が形成される。絶縁基板2の表面に形成されている配線導体層3(図1において3aで示す)上には、必要により、半導体素子等の電気素子5が半田等の導電性接着剤によって実装搭載される。また、表面の配線導体層3aは、シールド用導体膜や、プリント基板などの外部回路基板と接続するための端子電極を接合するための導体パッドとして用いられるものであってもよい。
本発明において、絶縁基板2の表面(或いは底面)に形成されている配線導体層3aは、配線パターン形状に形成された絶縁性配線パターン層10を介して絶縁基板2(各絶縁層2a〜2d)に接合されている。この場合、ビアホール導体4が接続される部分には、絶縁性配線パターン層10が欠落しており、ビアホール導体4が表面の直接メタライズ配線層3に接続されるようになっている。このような絶縁性配線パターン層10を介して表面の配線導体層3aを絶縁基板2に接合させることにより、この配線導体層3aと絶縁基板2との接合強度を高め、接続の信頼性を確保することができる。
また、本発明においては、絶縁基板2の内部に形成されている配線導体層3(図1において3bで示す)も、表面の配線導体層3aと同様に、絶縁性配線パターン層10を介して絶縁基板2(各絶縁層2a〜2d)に接合されていることが好ましい。即ち、絶縁基板2の内部の配線導体層3bをも絶縁性配線パターン層10を介して設けることにより、例えば基板に曲げ応力がかかる場合などに発生するおそれの有る基板内部での配線導体層3bと絶縁層2a〜2dとの剥離を効果的に防止することができ、基板の破壊を有効に防止し、配線導体層3bとビアホール導体4との接続信頼性を高く保つことが可能となる。
尚、図示していないが、上記の配線基板1の表面には、必要に応じて、さらに珪化タンタル、珪化モリブデンなどの厚膜抵抗体膜や配線保護膜などを形成しても構わない。
[ガラスセラミック製絶縁基板2]
上記のような構造を有する本発明のセラミック配線基板1において、ガラスセラミック製絶縁基板2(絶縁層2a〜2d)は、ガラス粉末、或いはガラス粉末とフィラー粉末との焼成により形成されるガラスセラミックからなるものであり、通常、ガラス粉末を10〜70質量%及びフィラー粉末を30〜90質量%の量で含む混合粉末を焼成することにより得られたものであることが好ましい。このようなガラスセラミックは、焼成温度が800〜1050℃と低く、上記の前述した絶縁性配線パターン層10の形成や、配線導体層3と絶縁性配線パターン層10との接合一体化を、絶縁基板2の形成と同時に一括で行うことができる。また、このようなガラスセラミック製絶縁基板2は、概して誘電率が低く、高周波信号などの伝送損失を低減させるという点でも有利である。
絶縁基板2の形成に用いる上記のガラスとしては、少なくともSiOを含み、さらに、Al、B、ZnO、PbO、アルカリ土類金属酸化物及びアルカリ金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の酸化物成分を含有するもの、例えば、SiO−B系、SiO−B−Al系、SiO−B−Al−MO系(MはCa、Sr、Mg、BaまたはZn)等のホウケイ酸ガラス;アルカリ珪酸ガラス;Ba系ガラス;Pb系ガラス;Bi系ガラス等が挙げられる。これらのガラスは、焼成処理することによっても非晶質のままである非晶質ガラスであってもよいし、また焼成処理によって、リチウムシリケート、クォーツ、クリストバライト、コージェライト、ムライト、アノーサイト、セルジアン、スピネル、ガーナイト、ウイレマイト、ドロマイト、ペタライトやその置換誘導体の結晶を少なくとも1種類を析出するように組成調整された結晶化ガラスのいずれであってもよいが、低温での焼結性を損なわずに強度を向上させるという点で、結晶化ガラスであることが好ましい。結晶化ガラスを用いた場合には、焼成後のガラス含量は、上記混合粉末中のガラス含量よりも低下することとなる。即ち、焼成によりガラス中から結晶相を析出させれば、フィラー量を少なくし、焼成温度を高めることなく、絶縁基板2の高強度化を達成できるからである。一般に、絶縁基板2中のガラス含量(結晶相析出後の残留ガラス量)は、50体積%未満となっていることが好ましい。
また、フィラー粉末としては、クォーツ、クリストバライト等のSiO結晶や、Al、ZrO、ムライト、フォルステライト、エンスタタイト、スピネル、マグネシア、ジルコン酸カルシウム、珪酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム等が好適に用いられる。
上記のようなガラス粉末及びフィラー粉末との焼成により得られる絶縁基板2(絶縁層2a〜2d)には、上記のガラス及びフィラーに由来する成分(ガラスから析出した結晶相やフィラー成分が分解して生成した結晶相、これら結晶相の粒界に存在する残存ガラス相)を含有する。
[配線導体層3(3a,3b)及びビアホール導体4]
配線導体層3は、特にCu、Ag、Al、Au、Ni、PtおよびPdの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする金属箔をパターンの形状に加工したものであり、この加工は、通常、エッチングにより行われ、所定の配線パターン形状に加工された状態で転写することにより作製される(この点については後述する)。特にマイグレーションの発生や加工のし易さを考慮すると、配線導体層3は、銅箔(特に純度が99%以上)の加工によって形成されたものであることが望ましい。
本発明において、上記配線導体層3の絶縁性配線パターン層10との界面側の表面は、十点平均表面粗さ(Rz)が0.5μm以上の粗面となっていることが好ましい。即ち、このような粗面が絶縁性配線パターン層10に面していることにより、絶縁性配線パターン層10が配線導体層3の粗面に食い込み、高いアンカー効果を確保することができ、配線導体層3の接合強度をさらに高めることができるからである。尚、この十点平均表面粗さ(Rz)は、JIS B 0601-1994 に準拠して測定される。
また、ビアホール導体4は、上記配線導体層3を構成する金属によって形成されていることが好ましく、絶縁基板2(絶縁層2a〜2d)を形成するためのグリーシートの厚み方向に形成されたスルーホール内に、上記金属成分を含有する導体ペーストを充填し、グリーンシートを焼成することにより形成することができる。
[絶縁性配線パターン層10]
本発明において、絶縁基板2(絶縁層2a〜2d)と配線導体層3との間に介在する絶縁性配線パターン層10は、絶縁基板2を形成するガラスセラミックよりもガラス含量の多いガラスセラミックから形成されている。即ち、ガラス含量の多いガラスセラミックから絶縁性配線パターン層10を形成することにより、焼成時において該パターン層10のアンカー効果により配線導体層3との密着性を高め、両者を強固に接合することができ、しかも、絶縁性配線パターン層10とガラスセラミックから形成されている絶縁基板2との一体化を同時焼成により行うことが可能となる。この場合、配線導体層3の絶縁性配線パターン層10側面を所定の粗面とすることにより、該パターン層10のアンカー効果をさらに高めることができることは、既に述べた通りである。
また、絶縁性配線パターン層10中のガラス量は、5体積%以上、特に10乃至50体積%の範囲とすることが好ましい。即ち、このガラス量が5体積%未満であると、絶縁性配線パターン層10のアンカー効果が低く、配線導体層3の接合強度が低下するおそれがあり、また、ガラス量が多すぎると、このパターン層10自体の強度低下を招くとともに、焼成時にパターンが変形するおそれがある。
このようなガラス含量の多い絶縁性配線パターン層10は、絶縁基板2と同様、絶縁基板2の項で例示したガラス粉末或いはガラス粉末とフィラー粉末との混合粉末を焼成することにより得られるが、絶縁基板2よりもガラス量を多くするために、ガラス粉末として、絶縁基板2よりも結晶化度の低い(析出結晶量の少ない)ものを使用するか、或いは混合粉末中のガラス粉末量を多くすることにより、ガラス量を容易に調整することができる。
また、絶縁性配線パターン層10の厚みは、好ましくは0.5〜100μm、さらに好ましくは5〜50μm、最も好ましくは10〜20μmの範囲にあるのがよい。この厚みがあまり薄いと、配線導体層3と絶縁基板2(或いは絶縁層2a〜2d)との接続信頼性が低下し、また、必要以上に厚いと、基板の電気特性が劣化してしまうおそれがある。絶縁性パターン層10の厚みを上記範囲内とすることにより、基板の電気特性を維持したまま、配線導体層3(特に表面の配線導体層3a)と絶縁基板2との高い接合信頼性を得ることができる。
[配線基板の製造]
上述した構造を有する本発明のセラミック配線基板は、例えば図2(a)〜(f)に示すプロセスにしたがって製造することができる。
まず、前述した絶縁基板2を構成する絶縁層2a〜2dを形成するためのグリーンシートを作製する。即ち、前述した絶縁基板2形成用のガラス粉末或いはガラス粉末とフィラー粉末との混合粉末を原料粉末とし、この原料粉末に有機バインダー、溶媒、可塑剤等を加えて成形用スラリーを調製し、該スラリーを用いて、ドクターブレード法、圧延法、プレス法等の公知の方法により、厚さ約50〜500μmのグリーンシート11を作製する(図2(a))。
次いで、上記のグリーンシート11の所定位置に、レーザーやマイクロドリル、パンチングなどにより、直径80〜200μmのスルーホールを形成し、その内部に導体ペーストを充填してビアホール導体12を形成する(図2(b))。この導体ペーストは、通常、配線導体層形成用の金属箔と同種の金属成分(Cu、Ag等)に、アクリル樹脂などからなる有機バインダー、及びトルエン、イソプロピルアルコール、アセトンなどの有機溶剤とを均質混合して形成される。有機バインダーは、金属成分100質量部に対して、0.5〜15.0質量部、有機溶剤は、固形成分及び有機バインダー100質量部に対して、5〜100質量部の割合で混合されることが望ましい。なお、この導体ペースト中には若干のガラス成分等を添加してもよい。
さらに、上記のグリーンシート11に、絶縁性配線パターン層に対応する絶縁性ペーストのパターン層14を塗布し、このパターン層14上に配線導体層13を形成する(図2(c))。
上記の絶縁性ペーストは、絶縁基板2の形成用の原料粉末におけるガラス粉末含量を高めたもの或いは該原料粉末中のガラス粉末の結晶化度を低下させたものを使用し、これを、所定の有機バインダー及び溶剤と混錬して調製することができる。このような絶縁ペーストを、例えばスクリーン印刷により、配線パターン形状に所定厚みでグリーンシート11上にビアホール導体12が露出する部分を除いて塗布することにより、上記パターン層14を形成することができる。
また、配線導体層13は、以下のようにして形成される。
即ち、この配線導体層13を形成するための金属箔(例えば銅箔)を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)などの高分子からなる転写フィルム表面に、適当な粘着材を用いて接着し、この転写フィルム上で、金属箔を配線パターン形状に加工し、これを、絶縁ペーストからなるパターン層14とビアホール導体12が形成されたグリーシート11に位置あわせして積層圧着し、該転写フィルムを引き剥がすことにより、配線導体層13をグリーシート11上に形成することができる。この場合、内部の絶縁層2b,2cに相当する絶縁層を形成するグリーンシートについては、その両面に配線導体層13を形成することもできる。
配線導体層13を形成するに際しては、既に述べたように、金属箔の少なくとも一方の面を粗面加工して、表面粗さ(Rz)が0.5μm以上の粗面としておくのがよい。即ち、この粗面が上記パターン層14と対面するようにして配線導体層13をグリーンシート11に重ね合わせることにより、パターン層14を形成する絶縁性ペーストが該粗面に食い込み、アンカー効果が高められることとなる。
また、金属箔を配線パターン形状に加工するには、フォトリソ法によるのが好ましく、例えば転写フィルム上の金属箔に、フォトレジストを塗布し、所定のマスクを介して光照射を行い、エッチング処理を行い、光照射されない部分の金属箔を除去し、さらに残存するレジストを除去することにより、配線パターン形状の配線導体層13(鏡像)に加工することができる。
次に、上記と同様にして作製された配線導体層13付の複数のグリーンシートを、位置決めして(例えば、内部の配線導体層に関しては、隣り合う絶縁層に形成される配線導体層同士が対面するように)、積層圧着して積層体15を形成する(図2(d))。尚、以下の図では、絶縁性パターン層14は省略されている。
グリーンシートの積層体15の作製には、積み重ねられたグリーンシートに熱と圧力を加えて熱圧着する方法、有機バインダー、可塑剤、溶剤等からなる接着剤をシート間に塗布して熱圧着する方法等が採用可能である。
次いで、必要により、上記で得られた積層体15の両面に、絶縁基板の焼成温度(グリーンシート11の焼成温度)では焼結しない非焼結性シート16を積層することが好ましい(図2(e))。このような非焼結性シート16を積層しておくことにより、以下の工程で行われる焼成時において、積層体の焼成収縮を有効に抑制することができ、焼成収縮による配線導体層13の位置ずれや断線等の不都合を有効に抑制できる。特に、微細な配線導体層13を高密度に施した配線基板を製造するには、上記のような非焼結性シート16を用いる方法は、基板の寸法精度を保持することができ、極めて有効である。
非焼結性シート16は、焼結温度の高い難焼結性セラミック粉末に、有機バインダー、可塑剤、溶剤等を加えたスラリーをシート状に成形して得られる。難焼結性セラミック粉末としては、具体的には1100℃以下の温度で緻密化しないようなセラミック組成物から構成され、具体的にはAl、SiO、MgO、ZrO、BN、TiOの少なくとも1種又はこれらの成分を含有する化合物(フォルステライト、エンスタタイト等)の粉末が挙げられる。また、有機バインダー、可塑剤及び溶剤としては、前述したグリーンシート11の形成に使用したのと同様の材料が使用可能である。また、この非焼結性シート中には、ガラス成分を0.5〜15体積%加えることによって、グリーンシート11との密着性が高くなり、収縮を抑制する作用が大きくなり、またグリーンシート表面のガラス成分の拡散によるボイドの発生を抑制できるなどの利点を有する。非焼結性シート16を前記積層体15に積層するには、グリーンシート11の積層体15を作製する場合と同様の方法を採用することができ、また、グリーンシート11の積層と同時に非焼結性シート16の積層を行うことも可能である。
尚、この非焼結シート16の厚みは、積層体15の厚み(グリーンシート11の積層枚数)によっても異なるが、通常、0.1乃至2mm程度の範囲にあるのがよい。あまり厚いと、最終工程での非焼結シート16の除去に時間がかかり、生産効率が低下するおそれがあり、また、あまり薄いと、焼成収縮の抑制効果が低減するおそれがある。
次いで、脱バインダー及び焼成を行い、その後、非焼結シート16を除去することにより、配線導体層13が絶縁基板に強固に接合した本発明のガラスセラミック配線基板を得ることができる(図2(f))。
脱バインダーは、100〜850℃、特に400〜750℃の窒素雰囲気中で加熱処理することにより行われ、これにより、グリーンシート11内やビアホール導体12ペースト中の有機成分が分解除去される。また、脱バインダーに引き続いて行われる焼成は、800〜1050℃の窒素雰囲気中で行われ、これにより、グリーンシート11や絶縁性パターン層14が緻密化し、これらに対応する絶縁基板(絶縁層)や絶縁性配線パターン層が形成される。尚、配線導体層13をAg箔を用いて形成した場合には、焼成を大気中で行うことができる。
非焼結性シート16の除去は、超音波洗浄、研磨、ウォータージェット、ケミカルブラスト、サンドブラスト、ウェットブラスト等によって行うことができる。
本発明を、次の実験例で説明する。
(実験例1)
SiO:37質量%、Al:27質量%、CaO:11質量%、ZnO:12質量%、B:13質量%の組成を有する平均粒径3μmの結晶性ガラス粉末(軟化点850℃)73質量%と、平均粒径2μmのシリカ粉末(セラミックフィラー)27質量%からなるガラスセラミック原料粉末を用意した。
上記のガラスセラミック原料粉末100質量部に対して、メタクリル酸イソブチル樹脂(有機バインダー)を固形分で11質量部、フタル酸ジブチル(可塑剤)を5質量部添加し、さらにトルエン(溶媒)をボールミルにより36時間混合しスラリーを調製した。得られたスラリーをドクターブレード法により厚さ0.2mmの絶縁基板用のグリーンシートを作製した。
また、前記ガラス粉末10質量%と、平均粒径2μmのアルミナ粉末90質量%からなる混合粉末100質量部に対して、メタクリル酸イソブチル樹脂(有機バインダー)を固形分で11質量部、フタル酸ジブチル(可塑剤)を5質量部添加し、先のグリーンシートと同様の方法で厚み0.4mmの非焼結性シートを作製した。
次に、絶縁性配線パターン層(界面層と呼ぶ)を形成するために、下記組成:
SiO:60質量%
Al:15質量%
BaO:12質量%
CaO:7質量%
:6質量%
を有し、且つ平均粒径2μmの結晶化度の低いガラス粉末と、平均粒径が2μmのシリカ粉末とを表1に記載の割合で混合した混合粉末100質量部に、アクリル酸ブチル14質量部、テルピネオール20質量部と混練して、界面層用の絶縁性ペーストを調製した。
この界面層用のペーストを、銅箔により形成する配線導体層よりも若干大きめの配線パターン形状に、スクリーン印刷法により、焼成後の厚みが表1に示す値となるように先のグリーンシートに塗布した。
次に、PETフィルム上に厚み0.02mmの銅箔(その両面が十点平均粗さRzが3μmの粗面となっている)を貼り付け、フォトエッチング法により、縦2mm、横2mmとなる銅箔パターン(配線導体層パターン)を形成し、これを先の界面層を印刷したグリーンシートに転写した。その後、このグリーンシートを最上層とし、この銅箔パターンを転写していないグリーンシート6枚と重ねあわせ加圧積層して積層体を得、続いてこの積層体の両面に前記非焼結性シートを片面3枚づつ重ね合せ、80℃、10MPaで加熱圧着を行った。
ついで、非焼結シートが積層された上記積層体を、水蒸気を含んだ窒素雰囲気中、750℃の温度で3時間保持する熱処理を行って残留炭素量を200ppm以下に低減した後、雰囲気を乾燥窒素に切り替え、900℃に昇温して1時間保持する焼成を行い、アルミナ投射材によるブラスト処理を行い、配線導体層をガラスセラミック製絶縁基板表面に具備するセラミック配線基板を作製した。この場合、絶縁基板(絶縁層)を構成するガラス及び結晶相のそれぞれの量は、リートベルトでの測定から、3体積%(ガラス)、97体積%(結晶相)であった。
かくして得られたセラミック配線基板表面の配線導体層に、厚さ2.5μmのNiメッキを行い、その上に厚さ0.1μmのAuメッキをした後、該メッキ被覆層上にCu製のリード線を半田で垂直に接合した。該リード線を10mm/minの引っ張り速度で垂直方向に引っ張り、リード線が剥離した時の荷重を導体層の接着強度(表面電極接合強度)として、表1に示した。
また、配線導体層接合部ボイドの個数を、断面を研磨し、電子顕微鏡(500倍)により測定し、その結果を併せて表1に示した。
Figure 0004339139
表1の結果によれば、試料No.1では、界面層(絶縁性配線パターン層)を介在させずに絶縁基板表面に配線導体層を形成したため、表面電極接合強度が3MPaと弱いものであった。
また、試料No.10では界面層のガラス量が絶縁基板(絶縁層)のガラス量よりも減ったため、表面電極の強度が1MPaと低くなった。
これに対して、ガラス量が絶縁基板(絶縁層)よりも多い界面層(絶縁性配線パターン層)を介して配線導体層が形成された本発明の配線基板では(試料No.2〜9)では、表面電極接合強度が極めて高く、また、導体層接合部ボイドの数も、試料No.1,10に比して著しく少なかった。
(実験例2)
一方、PETフィルム上に形成された厚み0.02mmの銅箔にフォトエッチング法により、縦5mm、横5mmの銅箔パターンを形成し、これを実験例1と同様の方法で界面層を印刷したグリーンシートに転写した。次にこのグリーンシートの裏面にも同様の方法で界面層を形成した後、縦5mm、横5mmの銅箔パターンを先の銅箔パターンと重なる位置に転写した。 これを先と同様の方法で焼成し、電極間の静電容量の測定を行い、表2に示した。即ち、絶縁基板(絶縁層)及び界面層(絶縁性配線パターン層)の組成は実験例1と同様であり、例えば、絶縁基板はガラス3体積%、結晶相97体積%であり、実験例2の各試料Noの界面層の組成は、実験例1の対応する試料Noの界面層の組成と同じである。
Figure 0004339139
表2の結果によれば、界面層の厚みは厚くなるほど静電容量が下がり、界面層は望ましくは50μm以下、更に望ましくは20μm以下であることがわかる。
本発明のセラミック配線基板の構造の一例を概略断面図である。 本発明のセラミック配線基板の製造プロセスを示す図である。
符号の説明
2:絶縁基板
3:配線導体層
10:絶縁性配線パターン層

Claims (7)

  1. ガラスセラミック製絶縁基板の表面に、金属箔の加工により形成された配線導体層が設けられている配線基板において、前記配線導体層は、絶縁性配線パターン層を介して前記絶縁基板表面に接合されており、該絶縁性配線パターン層が、前記絶縁基板に比してガラス量の多いガラスセラミックから形成されていることを特徴とするセラミック配線基板。
  2. 前記絶縁性配線パターン層は、5体積%以上のガラスを含有している請求項1に記載のセラミック配線基板。
  3. 前記絶縁性配線パターン層は、0.5〜100μmの厚みを有している請求項1または2に記載のセラミック配線基板。
  4. 前記配線導体層が、銅箔のエッチングにより形成されたものである請求項1乃至3の何れかに記載のセラミック配線基板。
  5. 前記配線導体層は、少なくとも一方側の面が十点平均表面粗さ(Rz)が0.5μm以上の粗面を有する金属箔のエッチングにより形成されたものであり、該粗面側が絶縁性配線パターン層を介して前記絶縁基板表面に接合されている請求項1乃至4の何れかに記載のセラミック配線基板。
  6. 前記絶縁基板は、複数の絶縁層が積層された積層構造を有しており、該絶縁層の層間に配線導体層が設けられている請求項1乃至5の何れかに記載のセラミック配線基板。
  7. 前記絶縁基板内部の配線導体層は、前記絶縁性配線パターン層を介して前記絶縁層に接合されている請求項6に記載のセラミック配線基板。
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