JP2008058569A - 感光性組成物及び金属配線パターン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)マトリックスポリマーと、(B)架橋性モノマーと、(C)光重合開始剤と、(D)金属化合物と、を含有する感光性組成物における(A)マトリックスポリマーを、カルボキシル基を有していない水溶性ポリマー、又は酸価が50KOHmg/g以下の水溶性ポリマーの少なくともどちらか一種の水溶性ポリマーを含有するものとする。
【選択図】なし
Description
また、本発明は、上記感光性組成物から形成されたパターンを焼成して得られる金属配線パターンを提供する。
(A)マトリックスポリマーとしては、カルボキシル基を有していない水溶性ポリマー、又は酸価が50KOHmg/g以下の水溶性ポリマーの少なくともどちらか一種の水溶性ポリマーであれば、特に限定されるものではない。この水溶性ポリマーは、室温で水に溶解し得るポリマーであればよく、特に制限されるものでないが、アクリル系重合体、ビニル系重合体、セルロース系誘導体、アルキレングリコール系重合体、尿素系重合体、エポキシ系重合体、アミド系重合体等が好ましく用いられる。
さらに、感光性組成物の増粘を抑制することができるため、金属化合物の添加量を増加させることができる。これにより、より厚い膜厚の金属膜を形成することが可能な感光性組成物を得ることができる。
また、上記水溶性ポリマーの酸価は、30KOHmg/gであることが好ましく、10KOHmg/g以下であることがより好ましい。
上記水溶性ポリマーの質量平均分子量は、1000から1000000であることが好ましい。
特にノンスピンコータを塗布装置として用いる場合には、増粘が大きいと均一な膜厚を有する膜を形成することができなくなってしまう。
「(B)架橋性モノマー」とは、分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマーをいう。本発明の感光性組成物を露光後に現像する際は、マトリクスポリマーとして水溶性ポリマーを用いているため、水又は、沸点が100℃から200℃の水溶性有機溶剤の、少なくともどちらか一方を現像液として用いることが好ましい。そのため、(A)マトリックスポリマーだけではなく、架橋性モノマーも水溶性であることが好ましい。具体的には、この架橋性モノマーとして、多価アルコールと、N−メチロール(メタ)アクリルアミドとの縮合物が含有されているものが好ましい。また、更に多官能(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。これによって、上記現像液への良好な溶解性を保つことが可能となる。
「多価アルコール」としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2―エチル―1,3−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリオキシエチレン(n)ジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレン(n)ジグリセリルエーテル、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、3―クロロ―1,2−プロパンジオール、2,2’−チオジエタノール、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)誘導体や、ブドウ糖、マンノース、ガラクトース、果糖等の単糖類、ショ糖、麦芽糖、乳糖等の二糖類、澱粉、グリコーゲン、デキストリン、セルロース等の多糖類等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、副反応生成物であるメチレンビスアクリルアミド析出の抑制や、耐現像性の向上の点から、ペンタエリスリトールを用いることが好ましい。
多官能(メタ)アクリレートとしては、多官能ビニルモノマーが挙げられる。例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートすなわち、トリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネート等と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応物、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドメチレンエーテル、トリアクリルホルマール等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、ここに列挙した化合物に限定されるものではない。中でも、露光後の耐現像性を向上させることができるという点と、水溶性であるという点から、ポリエチレングリコールジアクリレートを用いることが好ましい。
補助的に用いられる単官能モノマーとしては、具体的には(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、クロトン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ビドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、等が挙げられる。このうち、金属吸着率を向上させるために、アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、クロトン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸等を用いることが好ましい。これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、ここに列挙した化合物に限定されるものではない。
これらの単官能モノマーの使用量は、感度の低下を防止するために最小限に止めておいた方が好ましい。
「(C)光重合開始剤」とは、光硬化性組成物の一成分であり、紫外線や電子線等の照射により組成物を重合して高分子化する化合物をいう。本発明において、光重合開始剤として、従来公知のものを使用することができる。
金属化合物としては、金属膜を形成することが可能な化合物であれば、特に限定されるものではない。例えば、ビスマス、ロジウム、ルテニウム、バナジウム、クロム、スズ、鉛、ケイ素、白金、金、銀、銅、鉄、アルミニウム、チタン、モリブデン、タングステン、インジウム、パラジウム、ジルコニウム等の金属を含む化合物が挙げられる。これらの金属化合物としては、例えば上記金属の錯体;ギ酸、シュウ酸、酢酸、プロピオン酸、ブチル酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、シクロヘキサン酸、シクロヘキサプロピオン酸、シクロヘキサン酢酸、ノナン酸、リンゴ酸、グルタミン酸、ロイシン酸、ヒドロキシピバリン酸、ピバリン酸、グルタル酸、アジピン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ピメリン酸、コルク酸、エチルブチル酸、安息香酸、フェニル酢酸、フェニルプロピオン酸、ヒドロキシ安息香酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラギン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リシノール酸等の有機酸塩;、硝酸、硫酸、塩酸、炭酸、リン酸等無機酸塩;メトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド等アルコキシド;酸化物;窒化物;塩化物、臭化物、弗化物、ヨウ化物等のハロゲン化物;水酸化物;炭化物;が挙げられる。
上記金属化合物として好ましいものとしては、ビスマス、チタン、ジルコニウムから選択される少なくとも1種の化合物を含有する化合物が挙げられる。具体的には、Bi(NO2)3、Ti(OC3H7)2(C6H14O3N)2、ZrO(NO3)等が挙げられる。
特に、Ti(OC3H7)2(C6H14O3N)2、Ti(C3H5O2)2(OH)2、ZrO(NO3)2、ZrO(OCOCH3)2又はその水和物を用いた場合には、酸化チタン膜、酸化ジルコニウム膜を形成することができる。これら酸化チタン膜、酸化ジルコニウム膜は、従来のスパッタ法やゾルゲル法により形成されることが一般的である。しかしながら、本発明の感光性組成物によれば、塗布し、焼成するのみで容易に膜を形成することができるうえ、保存安定性が良好であることから、スパッタ法やゾルゲル法を用いるよりも好ましい。
有機溶剤としては、上記水溶性ポリマー及び金属化合物を溶解することが可能であればよく、特に限定されるものではないが、沸点が100℃以上の水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
本発明に係る感光性組成物は、必要に応じてレベリング剤、発色剤、染料、顔料等の着色剤、充填剤、密着性付与剤、可塑剤等を添加してもよい。なお、それぞれの成分については特に制限はなく、公知の成分を用いることができる。
以下、本実施の形態に係る感光性組成物を用いて金属配線パターンを形成する手順について説明する。
このような方法により得られた金属配線パターンは、電子デバイスの金属配線部分に用いることができる。
ヒドロキシプロピルセルロース(商品名:HPC SSL、日本曹達社製)、ペンタエリスリトールとN−メチロールアクリルアミドとの縮合物、ポリエチレングリコールジメタクリレート(エチレンオキサイド数6個)、カヤキュアDETX−S(日本化薬社製)5質量部、硝酸ビスマス5水和物、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)及び、エチレングリコールを、表1の組成にて混合し感光性組成物を調製した。この感光性組成物は、調製直後の粘度が15cpであった。
この感光性組成物について、23℃にて保存した場合、半年後の粘度を測定したところ、ほぼ15cpであり、保存安定性の問題ないものであった。
形成されたパターンは、残膜率(現像前における塗膜の膜厚に対する、現像後における塗膜の膜厚の割合)が50%であり、ラインの線幅が19.3μmであった。上記パターンを500℃〜600℃で15分間焼成することにより、金属パターンを得た。
さらに、上記感光性樹脂組成物は、ノンスピンコータ(TR63、東京応化工業製)にて、1250×1100mmのガラス基板に1μmの厚さで塗布することができ、塗布性のよいものであった。
ヒドロキシプロピルセルロース(商品名:HPC SSL、日本曹達社製)、ペンタエリスリトールとN−メチロールアクリルアミドとの縮合物、ポリエチレングリコールジメタクリレート(エチレンオキサイド数6個)、カヤキュアDETX−S(日本化薬社製)、Ti(OC3H7)2(C6H14O3N)2(商品名:オルガチックス TC−400、松本製薬工業社製)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)及び、プロパノールを、表1の組成にて混合し感光性組成物を調製した。この感光性組成物は、調製直後の粘度が15cpであった。
この感光性組成物について、23℃にて保存した場合、半年後の粘度を測定したところ、ほぼ15cpであり、保存安定性の問題ないものであった。
そして、この感光性組成物を実施例1と同様にして、パターンを形成した。このパターンの残膜率は50%であり、ラインの線幅が19.4μmであった。上記パターンを500℃〜600℃で15分間焼成することにより、金属パターンを得た。
この組成物は、実施例1と同様に、塗布性のよいものであった。
ヒドロキシプロピルセルロース(商品名:HPC SSL、日本曹達社製)、ペンタエリスリトールとN−メチロールアクリルアミドとの縮合物、ポリエチレングリコールジメタクリレート(エチレンオキサイド数6個)、カヤキュアDETX−S(日本化薬社製)、ZrO(NO3)2・2H2O(商品名:ジルコゾールZN、第一稀元素化学工業社製)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)及び、H2Oを、表1の組成にて混合し感光性組成物を調製した。この感光性組成物は、調製直後の粘度が15cpであった。
この感光性組成物について、23℃にて保存した場合、半年後の粘度を測定したところ、ほぼ15cpであり、保存安定性の問題ないものであった。
そして、この感光性組成物を実施例1と同様にして、パターンを形成した。このパターンの残膜率は50%であり、ラインの線幅が19.3μmであった。上記パターンを500℃〜600℃で15分間焼成することにより、金属パターンを得た。
この組成物は、実施例1と同様に、塗布性のよいものであった。
[樹脂の合成]
まず、還流冷却器、温度計、窒素ガス吹き込み管、及び撹拌翼を供えた3Lの4つ口フラスコに、1600gのイオン交換水と、イタコン酸160gを仕込んだ。次いで、これを200ml/min流量の窒素ガスを吹き込みながら昇温させた。液温が80℃に達した時点で、あらかじめ2gのアゾビスシアノ吉草酸(以下ACVAとする)と、溶解させた240gのアクリル酸を、約100g/hrで連続的に投入して重合させた。なお、重合中は、100ml/minの流量で、窒素ガスを吹き込み続けた。
Claims (5)
- (A)マトリックスポリマーと、(B)架橋性モノマーと、(C)光重合開始剤と、(D)金属化合物と、を含有する感光性組成物であって、
前記(A)マトリックスポリマーは、カルボキシル基を有していない水溶性ポリマー、又は酸価が50KOHmg/g以下の水溶性ポリマーの少なくともどちらか一種の水溶性ポリマーを含有する感光性組成物。 - 前記水溶性ポリマーは、2質量%水溶液の20℃における粘度が、1.5mP・sから6.0mP・sである請求項1に記載の感光性組成物。
- 前記金属化合物は、水溶性化合物である請求項1又は2に記載の感光性組成物。
- 前記金属化合物は、ビスマス、チタン、ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属の化合物を含む請求項1から3いずれかに記載の感光性組成物。
- 請求項1から4いずれかに記載の感光性組成物から形成されたパターンを焼成して得られる金属配線パターン。
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