JP2008057613A - 固定型等速自在継手 - Google Patents
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Abstract
【課題】高作動角を実現可能な固定型等速自在継手において、保持器を外側継手部材の内部に確実に保持すると共に、ボールと外側継手部材との干渉を防止する。
【解決手段】ボールトラック3を、対向する案内溝1b、2bの径方向間隔が継手開口側へ向けて狭まった楔形状とした。これにより、継手に負荷がかかった際、ボール4には保持器5を外側継手部材1の奥側へ押し込む力Fが加わる。このため、継手の作動角の高角化を図った場合でも、保持器5を確実に保持することができる。また、外側継手部材1の案内溝1bの継手開口端部を、半径方向外方に開いたガイド部1dとした。このガイド部1dにより、ボール4と外側継手部材1との干渉が回避されるため、作動角を大きくとっても、継手をスムーズに作動させることができる。
【選択図】図1
【解決手段】ボールトラック3を、対向する案内溝1b、2bの径方向間隔が継手開口側へ向けて狭まった楔形状とした。これにより、継手に負荷がかかった際、ボール4には保持器5を外側継手部材1の奥側へ押し込む力Fが加わる。このため、継手の作動角の高角化を図った場合でも、保持器5を確実に保持することができる。また、外側継手部材1の案内溝1bの継手開口端部を、半径方向外方に開いたガイド部1dとした。このガイド部1dにより、ボール4と外側継手部材1との干渉が回避されるため、作動角を大きくとっても、継手をスムーズに作動させることができる。
【選択図】図1
Description
本発明の固定型等速自在継手は、駆動側の回転軸と従動側の回転軸とを連結し、両軸が角度をなした状態でも等角速度でトルク伝達可能にしたもので、プランジングを行わず角度変位のみが可能であり、自動車をはじめ各種産業機械の動力伝達用の固定型等速自在継手として利用される。
自動車のドライブシャフトのアクスル連結部や、ステアリングシャフトのシャフト折曲げ連結部には、固定型等速自在継手が一般に使用される。この固定型等速自在継手として、例えば、ゼッパ型等速自在継手が知られている。ゼッパにより発明されたゼッパ型等速自在継手は、最初は、外側継手部材の案内溝のボール中心軌跡と内側継手部材の案内溝のボール中心軌跡が、共に継手中心に中心を持つ同一円弧であった(特許文献1参照)。
ゼッパ型等速自在継手はその後改良され、いわゆるダブルオフセット型と呼ばれるものが広く使用されている(特許文献2参照)。ダブルオフセット型等速自在継手は、外側継手部材と内側継手部材の二つの案内溝のボール中心軌跡を、継手中心から継手軸線方向反対方向にそれぞれ等距離だけ離れた点を中心とする同じ半径の円にしたものである。
ダブルオフセット型等速自在継手の具体例を図9に示す。この等速自在継手は、一端が開口し、球面状の内周面1aに複数本(例えば6本)の曲線状の案内溝1bを軸方向に形成した外側継手部材1と、球面状の外周面2aに複数本(例えば6本)の曲線状の案内溝2bを軸方向に形成した内側継手部材2と、一端を内側継手部材2のスプライン(またはセレーション)孔2cに挿入したシャフト6と、外側継手部材1の案内溝1bと内側継手部材2の案内溝2bとが協働して形成される複数本(例えば6本)のボールトラック3と、各ボールトラック3に1個ずつ配されたトルク伝達ボール4と、トルク伝達ボール4を保持する保持器5とで構成される。保持器5の外周球面5aは外側継手部材1の内周球面1aと摺接すると共に、保持器5の内周球面5bは内側継手部材2の外周球面2aと摺接する。外側継手部材1の内周球面1aの曲率中心、内側継手部材2の外周球面2aの曲率中心は、いずれも、継手中心Oと一致している。外側継手部材1の案内溝1b(以下、外輪案内溝1bと称す)の曲率中心O1と内側継手部材2の案内溝2b(以下、内輪案内溝2bと称す)の曲率中心O2は、継手中心Oを挟んで軸方向に等距離だけ反対側にオフセットし、中心O1は継手の開口側に、中心O2は継手の奥部側に配される。
図9に示す等速自在継手のボールトラック3は、外輪案内溝1b及び内輪案内溝2bの曲率中心O1、O2が軸方向にオフセットしていることにより、外側継手部材1の開口側へ向けて開いた楔形状を成している。このため、継手に負荷が加わった際、ボール4には保持器5を外側継手部材1の開口側へ向けて押し出す力F(図9に矢印で示す)が加わる。このとき、外側継手部材1の内周球面1aの継手開口側領域D’が力Fに対して保持器5を保持することにより、保持器5の外側継手部材1からの抜けが規制される。
ところで、等速自在継手の限界作動角は、シャフト6と外側継手部材1の開口端部1cとが干渉することにより制限される。すなわち、限界作動角を高角化させるためには、外側継手部材1の開口端部1cの張出し長を短縮、すなわち、開口端部1cと継手中心Oとの距離Lを短くすればよい。しかし、外側継手部材1の開口端部1cと継手中心Oとの距離Lを短くすると、外側継手部材1の内周球面1aが力Fに対して保持器5を抱え込む継手開口側領域D’が縮小される。このため、外側継手部材1の内周球面1aと保持器5の外周球面との間の隙間幅によっては、外側継手部材1が保持器5を抱え込むことができずに、継手の作動に支障をきたす恐れがある。
また、継手の限界作動角を高角化させるためには、ボールを外側継手部材の案内溝から外側に出さざるを得ない。そのとき、上記のような等速自在継手において、何ら対策を講じることなくボールを外側継手部材の案内溝から外側に出すと、ボールが脱落する恐れがある。このような不具合を防止するべく、本出願人は、先の出願で以下に示すような構成の等速自在継手を提案した。
例えば、特願2005−140162の等速自在継手では、内側継手部材の案内溝の継手奥側部分を継手中心を曲率中心とする円弧にしている。これにより、大きな作動角を取ったときでもボールの中心位置が継手中心から離れていかないため、ボールが外側継手部材の案内溝から外側に出ても、保持器と内側継手部材の案内溝との間に保持することができる。
また、特願2005−162969の等速自在継手では、ボールを収容する保持器の窓の外周側窓開き寸法を、ボールの径より小さくしている。これにより、外側継手部材の外側であってもボールを保持器で内側継手部材の案内溝側に抱え込んでおくことができるため、ボールが保持器から脱落することを防止できる。
このようにして、ボールを脱落させることなく外側継手部材の案内溝からはみ出し可能とした等速自在継手では、継手の回転、あるいは折曲に伴って、外側継手部材の案内溝から外側に出たボールが再び案内溝に戻される。このとき、ボールと外側継手部材の開口端部とが干渉し、等速自在継手のスムーズな作動が阻害される恐れがある。
本発明の目的は、高作動角を実現可能な固定型等速自在継手において、保持器を外側継手部材の内部に確実に保持すると共に、ボールと外側継手部材との干渉を防止し、等速自在継手をスムーズに作動させることにある。
前記課題を解決するため、本発明は、一端が開口し、球面状の内周面に軸方向に延びる複数の案内溝を形成した外側継手部材と、球面状の外周面に軸方向に延びる複数の案内溝を形成した内側継手部材と、外側継手部材の案内溝と内側継手部材の案内溝とが協働して形成する複数のボールトラックと、各ボールトラックに1個ずつ配されたトルク伝達ボールと、トルク伝達ボールを保持する保持器とを備えた固定型等速自在継手において、ボールトラックを、対向する案内溝の径方向間隔を外側継手部材の開口側へ向けて狭めた楔形状とし、内側継手部材の案内溝のうち、継手奥側の端部を含む領域を継手中心を中心とする円弧とすると共に、前記ボールを収容する保持器の窓の外周側窓開き寸法を前記ボールの径より小さくすることによって、前記ボールを脱落させることなく外側継手部材の案内溝からはみ出し可能とし、かつ、外側継手部材の案内溝の継手開口側端部を、径方向外方に開いたガイド部としたことを特徴とする。
このように本発明では、ボールトラックを、対向する案内溝の径方向間隔を外側継手部材の開口側へ向けて狭めた楔形状とした。これにより、継手に負荷がかかった際、ボールには保持器を継手奥側へ向けて押し込む力が加わり、この力に対して保持器は外側継手部材の内周球面の奥側領域で保持される。この外側継手部材の内周球面の奥側領域は、継手の作動角を高角化するために外側継手部材の開口端部と継手中心との距離を短くしても縮小されない。従って、継手の作動角の高角化を図った場合でも、保持器を外側継手部材の内部に確実に保持することができる。
また、この等速自在継手では、外側継手部材の案内溝の継手開口側端部を、径方向外方に開いたガイド部とした。このガイド部により、外側継手部材の案内溝から外側に出たボールをスムーズに案内溝に戻すことができるため、ボールと外側継手部材との干渉が回避され、大きな作動角を取っても継手をスムーズに作動させることができる。特に、上記のように、ボールトラックが外側継手部材の開口側へ向けて狭まった楔形状である場合には、ボールと外側継手部材とが干渉する恐れが高いため、外側継手部材の案内溝にガイド部を設けることが有効となる。
このガイド部は、例えば、外側継手部材の開口外径側に曲率中心を有する曲線状とすることができる。あるいは、その内径が外側継手部材の開口部に向かって連続的に増大する直線状とすることができる。
このような等速自在継手において、外側継手部材及び内側継手部材の案内溝におけるボール中心軌跡を、継手中心を挟んで継手軸方向反対側に等しくオフセットさせると共に、外側継手部材の案内溝におけるボール中心軌跡の主円弧の曲率中心を、内側継手部材の案内溝におけるボール中心軌跡の主円弧の曲率中心よりも継手奥側に配することにより、上記のような、対向する案内溝の径方向間隔が外側継手部材の開口側へ向けて狭まった楔形状のボールトラックを得ることができる。
以上のように、本発明によると、高作動角を実現可能な固定型等速自在継手において、保持器を外側継手部材の内部に確実に保持すると共に、ボールと外側継手部材との干渉を防止し、等速自在継手をスムーズに作動させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1(A)(B)は本発明の固定型(ゼッパ型)等速自在継手を示したものであって、(A)が作動角0°、(B)が限界作動角(60°)の状態を示す。この等速自在継手の構成部材は、基本的に図9の等速自在継手と同様であって、同一部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
この等速自在継手の特徴は、まず、外輪案内溝1bと内輪案内溝2bとが協働して形成するボールトラック3にある。すなわち、図1(A)のように、ボールトラック3は、対向する案内溝1b、2bの径方向間隔が外側継手部材の開口側へ向けて狭まった楔形状を成している。
ボールトラック3の詳しい形状を、外輪案内溝1bのボール中心軌跡C1(以下、外輪ボール中心軌跡C1)、及び、内輪案内溝2bのボール中心軌跡C2(以下、内輪ボール中心軌跡C2)を用いて説明する。外輪ボール中心軌跡C1は、図2(A)に示すように、点O1を中心とした半径R1の主円弧で構成される。一方、内輪ボール中心軌跡C2は、図2(B)に示すように、曲率中心の異なる二つの軌跡、すなわち点O2を中心とした半径R2の主円弧C2a(矢印Aで示す範囲)、及び主円弧C2aの継手奥側に配され、継手中心Oを中心とした半径R3の副円弧C2b(矢印Bで示す範囲)とで構成される。
外輪ボール中心軌跡C1の曲率中心O1は、内輪ボール中心軌跡C2の主円弧C2aの曲率中心O2よりも外側継手部材1の奥側に配されると共に、これらの曲率中心O1、O2は、継手中心Oを挟んで継手軸方向反対側に等しくオフセットされる。これにより、ボールトラック3は、対向する案内溝1b、2bの径方向間隔が継手開口側へ向けて狭まった楔形状を成す。
また、外輪ボール中心軌跡C1の半径R1と、内輪ボール中心軌跡C2の主円弧C2aの半径R2は等しく設定され(R1=R2)、これらの曲率中心O1、O2は、曲率半径が長くなる方向に等しくオフセットされる。外輪ボール中心軌跡C1と内輪ボール中心軌跡C2の主円弧C2aは、継手中心Oを通り継手軸線に直角な断面において互いに交差し、かつ、継手中心Oを挟んで軸方向に鏡像対称である。内輪ボール中心軌跡C2の主円弧C2aの継手奥側端部には、継手中心Oを中心とする半径R3の副円弧C2bがつながっている。
この等速自在継手のさらなる特徴は、外輪案内溝1bの形状にある。外輪案内溝1bの継手開口側端部は、径方向外方へ開いたガイド部1dとされる。図3に、図1における外輪案内溝1b及びガイド部1cの溝底のみを示す。ガイド部1dは、例えば、外側継手部材1の開口部の外径側にある点O3を曲率中心とした半径R4の円弧状に形成され、外輪案内溝1bとなめらかに連続している。このガイド部1dの開き角δ(ガイド部1dの開口端部における接線と継手軸線とが成す角度)は、小さすぎるとボール4と外側継手部材1とが干渉し、大きすぎると外側継手部材1の外側へ出たボール4をスムーズにボールトラックへ戻すガイド機能を果たすことができない。このため、ガイド部1cの開き角δの大きさは、5°〜45°、好ましくは10°〜20°に設定することが望ましい。
ガイド部1dの形状は上記に限らない。図4に、ガイド部1dの他の例を示す。このガイド部1dは、外側継手部材1の継手軸線方向より角度δだけ半径方向外方へ傾斜した直線状、すなわちガイド部1dの内径が外側継手部材1の開口側に向かって連続的に増大する直線状に形成される。図4では、外輪案内溝1bとガイド部1dとの境界部に角部が形成されているが、この角部を丸めて滑らかに連続させてもよい。
保持器5の継手開口側の内径面は、図5のように、所定幅にわたって内径一定の円筒面5cが設けられ、この円筒面5cに形成した溝部5c1に止め輪7(サークリップ)が嵌合される。この止め輪7の内側であって保持器5の窓5dまでの間にできた奥狭まりの環状楔空間に、案内リング8が嵌合される。この案内リング8は、その内周面が内側継手部材2の球面状外周面2aに嵌合し、外周面が保持器5の内周円筒面5cに嵌合する。また、案内リング8の外端は止め輪7の内面に当接する。案内リング8の内端とボール4との間には一定の隙間が確保される。
保持器5の窓5dのボール案内面は、図6のように、外径側が幅狭になっている。すなわち、ボール案内面の内径側は、ボール径と等しい間隔を明けて互いに平行直線状5d1であるが、ボール案内面の外径側はボール径よりもやや狭い間隔となるように先すぼまりとなっている。この先すぼまりの部分は、傾斜した直線で構成してもよいが、ボールとの当り面圧を下げるために、ボールの外周曲率に符合した凹円弧状5d2にするのがよい。
本発明に係る等速自在継手は以上のように構成される。この等速自在継手では、外側継手部材1と内側継手部材2の二つの案内溝1b、2bのボール中心軌跡C1、C2が、上記のような構成を有することにより、ボール4を継手中心Oの軸直角断面内に保持することができる。このようなボール4の定位置保持によって、継手作動角0°において保持器5を継手中心Oの軸直角断面内に保持することができる。
また、大きな作動角を取ったときでも、内側継手部材2のボール中心軌跡C2の副円弧C2bが継手中心Oを中心とする円弧であるため、ボール4の中心位置が継手中心Oから離れていかない。このため、外側継手部材1の案内溝1bを開口側に長く延在させる必要がなく、従って内側継手部材2に連結するシャフト6が外側継手部材1に干渉する作動角を高角化することができる。また、例えば50°を越えて60°に近づく高作動角では一部のボール4が外側継手部材1の案内溝1bから外側に出ることになるが、保持器5外径側のボール案内面の対向間隔をボール径よりも狭くしておくことにより、外側継手部材1の外側であってもボール4を保持器5で内側継手部材2のボール中心軌跡C2の副円弧C2bに対応する案内溝2b側に抱え込んでおくことができ、ボール4が保持器5から脱落するのを防止できる。
また、上記のように、ボールトラック3を、対向する案内溝1b、2bの径方向間隔が継手開口側へ向けて狭まった楔形状とすることにより、継手に負荷がかかった際、ボールトラック3に保持されたボール4には継手奥側へ向けた力が加わる。詳しくは、図5に示すように、ボール4がボールトラック3にある状態において、ボールトラック3とボール4との接点P1、P2が、ボール中心を含む平面S(作動角0°では、継手中心Oの軸直角断面と同一)よりも常に継手開口側にあることにより、ボール4には保持器5を継手奥側へ押し込む力Fが加わる。このとき、保持器5は、図1(A)に示すように、ボール4に加わる力Fに対して、外側継手部材1の内周球面1aの継手奥側領域Dで保持される。この等速自在継手では、ボール4を脱落させることなく外側継手部材1の案内溝1bからはみ出し可能とすることで、外側継手部材1の開口端部1cと継手中心Oとの距離Lを比較的短く設定し、継手の作動角の高角化を図っている。このように、外側継手部材1の開口端部1cと継手中心Oとの距離Lが短くなっても、保持器5を保持する外側継手部材1の内周球面1aの奥側領域Dは縮小されないため、保持器5を確実に保持することができる。
また、この等速自在継手では、継手の回転、あるいは折曲に伴って、外輪案内溝1bから外側に出たボール4が再び外輪案内溝1bに戻される。このとき、ボール4と外側継手部材1の開口端部とが干渉すると、等速自在継手1のスムーズな作動が阻害される恐れがある。特に、本発明のように、ボールトラック3を継手開口側へ向けて閉じた楔形状とした場合、ボール4と外側継手部材1の開口端部とが干渉する恐れが高い。本発明の等速自在継手では、外輪案内溝1bの開口端部に設けたガイド部1dにより、ボール4をスムーズに外輪案内溝1bに収容することができる(図7参照)。従って、ボール4と外側継手部材1との干渉が回避され、継手をスムーズに作動させることができる。
また、外輪ボール中心軌跡C1の曲率中心O1と内輪ボール中心軌跡C2の曲率中心O2を、共に継手中心から曲率半径が長くなる方向に等しくオフセットすることにより、外輪案内溝1bが深くなるため、トルク負荷によるボール4の乗り上げをより確実に防止することができる。また、このオフセットにより、外輪案内溝1bの長さを延長することができる。さらに、このオフセットにより、内輪案内溝2bがボール4から受ける面圧を低減することができる。
本発明は、上記の実施形態に限られない。例えば、上記では、ボール中心軌跡C1の曲率中心O1、及びボール中心軌跡C2の主円弧C2aの曲率中心O2が、曲率半径が長くなる方向に継手中心Oから等しくオフセットされているが、これに限られない。例えば、各曲率中心O1、O2を継手中心軸上に配してもよい。あるいは、図8に示すように、各曲率中心O1、O2を、曲率半径が短くなる方向に継手中心Oから等しくオフセットしてもよい。これにより、内輪案内溝2bが深くなるため、トルク負荷によるボール4の乗り上げをより確実に防止することができる。また、このオフセットにより、外輪案内溝1bがボール4から受ける面圧を低減することができる。
また、上記の実施形態では、外側継手部材1の案内溝1b及び内側継手部材2の案内溝2bが何れも円弧状に形成されているが、これらを部分的に直線状に形成してもよい。あるいは、これらを全部直線状に形成してもよい。但し、全ての案内溝を直線状とした場合、作動角0°の状態で、対向する全ての案内溝が平行であると、保持器が回転可能となり、案内溝に対するボールの位置が確定しない。このため、少なくとも1組の対向する案内溝を平行でない直線状に形成する必要がある。
1 外側継手部材
1a 内周球面
1b 外輪案内溝
1c 開口端部
1d ガイド部
2 内側継手部材
2a 外周球面
2b 内輪案内溝
3 ボールトラック
4 トルク伝達ボール
5 保持器
5a 外周球面
5b 内周球面
6 シャフト
C1 外輪ボール中心軌跡
O1 曲率中心
R1 半径
C2 内輪ボール中心軌跡
C2a 主円弧
O2 曲率中心
R2 半径
C2b 副円弧
R3 半径
O 継手中心
1a 内周球面
1b 外輪案内溝
1c 開口端部
1d ガイド部
2 内側継手部材
2a 外周球面
2b 内輪案内溝
3 ボールトラック
4 トルク伝達ボール
5 保持器
5a 外周球面
5b 内周球面
6 シャフト
C1 外輪ボール中心軌跡
O1 曲率中心
R1 半径
C2 内輪ボール中心軌跡
C2a 主円弧
O2 曲率中心
R2 半径
C2b 副円弧
R3 半径
O 継手中心
Claims (4)
- 一端が開口し、球面状の内周面に軸方向に延びる複数の案内溝を形成した外側継手部材と、球面状の外周面に軸方向に延びる複数の案内溝を形成した内側継手部材と、外側継手部材の案内溝と内側継手部材の案内溝とが協働して形成する複数のボールトラックと、各ボールトラックに1個ずつ配されたトルク伝達ボールと、トルク伝達ボールを保持する保持器とを備えた固定型等速自在継手において、
ボールトラックを、対向する案内溝の径方向間隔を外側継手部材の開口側へ向けて狭めた楔形状とし、
内側継手部材の案内溝のうち、継手奥側の端部を含む領域を継手中心を中心とする円弧とすると共に、前記ボールを収容する保持器の窓の外周側窓開き寸法を前記ボールの径より小さくすることによって、前記ボールを脱落させることなく外側継手部材の案内溝からはみ出し可能とし、かつ、外側継手部材の案内溝の継手開口側端部を、径方向外方に開いたガイド部としたことを特徴とする固定型等速自在継手。 - 前記ガイド部を、外側継手部材の開口外径側に曲率中心を有する曲線状としたことを特徴とする請求項1記載の固定型等速自在継手。
- 前記ガイド部を、その内径が外側継手部材の開口部に向かって連続的に増大する直線状としたことを特徴とする請求項1記載の固定型等速自在継手。
- 外側継手部材の案内溝におけるボール中心軌跡及び内側継手部材の案内溝におけるボール中心軌跡が、それぞれ等しい半径を有する主円弧を備え、
外側継手部材の案内溝におけるボール中心軌跡の主円弧の曲率中心が、内側継手部材の案内溝におけるボール中心軌跡の主円弧の曲率中心よりも継手奥側に配され、且つ、これらの曲率中心が継手中心を挟んで継手軸方向反対側に等しくオフセットされたことを特徴とする請求項1記載の固定型等速自在継手。
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2006
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20091110 |