JP2008240970A - 固定型等速自在継手 - Google Patents
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Abstract
【課題】継手をスムーズに作動させると共に、ボールの脱落の危険性を確実に回避する
【解決手段】内輪案内溝2bのトラック部T2と直線部2b4との間に、両端部でこれらと滑らかに連続する円弧状の接続部2b3を設けている。これにより、内輪案内溝2bが段差のない滑らかな形状に形成されるため、内輪案内溝2b上でボールをスムーズに移動させることができる。また、直線部2b4上の任意の点における内輪案内溝2bの溝深さを、直線部2b4と接続部2b3との境界部P0における溝深さ以上としている。これにより、継手の作動角を大きく取った際に直線部2b4に接するボール4が外側継手部材の案内溝から外側へ出た場合でも、ボールが半径方向外方へ押し出されることがないため、ボールを保持器で確実に保持することができる。
【選択図】図3
【解決手段】内輪案内溝2bのトラック部T2と直線部2b4との間に、両端部でこれらと滑らかに連続する円弧状の接続部2b3を設けている。これにより、内輪案内溝2bが段差のない滑らかな形状に形成されるため、内輪案内溝2b上でボールをスムーズに移動させることができる。また、直線部2b4上の任意の点における内輪案内溝2bの溝深さを、直線部2b4と接続部2b3との境界部P0における溝深さ以上としている。これにより、継手の作動角を大きく取った際に直線部2b4に接するボール4が外側継手部材の案内溝から外側へ出た場合でも、ボールが半径方向外方へ押し出されることがないため、ボールを保持器で確実に保持することができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、駆動側の回転軸と従動側の回転軸とを連結し、両軸が角度をなした状態でも等角速度でトルク伝達可能な固定型等速自在継手に関する。
固定型等速自在継手は、自動車をはじめ各種産業機械の動力伝達用として利用される。例えば特許文献1に示されている固定型等速自在継手は、一端が開口し他端が閉口した外側継手部材と、外側継手部材の内周にトルク伝達可能に保持された内側継手部材と、内側継手部材から延び、外側継手部材の開口部から突出したシャフトと、外側継手部材の案内溝と内側継手部材の案内溝とが協働して形成する複数のボールトラックに1個ずつ配したトルク伝達ボールと、トルク伝達ボールを保持する保持器とを備える。
この固定型等速自在継手では、内側継手部材の案内溝が、曲率中心及び曲率半径の異なる2つの円弧(主円弧及び副円弧)で構成されている。主円弧は、外側継手部材の案内溝との間にボールを保持し、副円弧には、継手の作動角を大きく取った際に外側継手部材の案内溝から外側へ出たボールが接する。この副円弧は継手中心を曲率中心としているため、副円弧に接するボールが外径方向へ押し出されることがなく、外側継手部材の案内溝から外側へ出たボールを保持器で確実に保持することができる。
しかし、この固定型等速自在継手では、内側継手部材の案内溝の主円弧と副円弧との境界部に段差が形成される。これにより、案内溝上をボールがスムーズに移動せず、継手の作動時にガタツキを生じる恐れがある。
この点に鑑み、本出願人が先に出願した特願2006−257808に記載の固定型等速自在継手では、内側継手部材の案内溝を曲率中心及び曲率半径の異なる主円弧及び副円弧で構成し、これらの円弧の境界部で副円弧を主円弧に内接させている。これにより、案内溝上に段差が形成されることがなく、継手をスムーズに作動させることができる。
しかしながら、このように副円弧を主円弧に内接させようとすると、副円弧における案内溝の溝深さを外側継手部材反開口側へ向けて浅くせざるを得ない。このため、副円弧と接するボールが、継手の作動角を大きくするに従って半径方向外方へ向けて押し出されることとなる。この副円弧は、継手の高作動角時にボールが外側継手部材の案内溝から外れる領域に対応しているため、副円弧と接するボールは外側継手部材の案内溝に保持されておらず、保持器のみで保持されている。この状態でボールが半径方向外方へ押し出されると、ボールを保持器で保持しきれなくなり、ボールが脱落する恐れがある。
本発明の課題は、固定型等速自在継手において、継手をスムーズに作動させると共に、ボールの脱落の危険性を確実に回避することにある。
前記課題を解決するために、本発明は、軸方向に延びる複数の案内溝を球面状の内周面に形成した外側継手部材と、外側継手部材の案内溝と対をなして軸方向に延びる複数の案内溝を球面状の外周面に形成した内側継手部材と、内側継手部材から延び、外側継手部材の開口部から突出した軸部材と、外側継手部材の案内溝と内側継手部材の案内溝との間に配した複数のトルク伝達ボールと、トルク伝達ボールを保持する保持器とを備え、外側継手部材の案内溝の外側継手部材反開口側部分にトラック部を形成する共に、内側継手部材の案内溝の外側継手部材開口側部分にトラック部を形成した固定型等速自在継手において、内側継手部材の案内溝のトラック部の外側継手部材反開口側に円弧状の接続部を設け、この接続部のさらに外側継手部材反開口側に直線部を設け、接続部がその両端でそれぞれトラック部及び直線部と滑らかに連続し、且つ、直線部上の任意の点における内側継手部材の案内溝の溝深さを、直線部と接続部との境界部における溝深さ以上としたことを特徴とする。
このように、本発明の固定型等速自在継手では、内側継手部材の案内溝のトラック部と直線部との間に、両端部でこれらと滑らかに連続する円弧状の接続部を設けている。これにより、内側継手部材の案内溝が段差のない滑らかな形状に形成されるため、案内溝上でボールをスムーズに移動させることができる。
また、この等速自在継手では、直線部上の任意の点における内側継手部材の案内溝の溝深さを、直線部と接続部との境界部における溝深さ以上としている。これにより、継手の作動角を大きく取った際に直線部に接するボールが外側継手部材の案内溝から外側へ出た場合でも、ボールが半径方向外方へ押し出されることがないため、ボールを保持器で確実に保持することができる。尚、ここで溝深さとは、内側継手部材の球面状外周面の半径方向における溝の深さのことを言うものとする(図4にd0、d1、d2で示す)。
また、上記の内側継手部材の案内溝に設けられた直線部の代わりに、接続部よりも曲率半径の大きい円弧部を設けた固定型等速自在継手においても、上記と同様の効果を得ることが出来る。
また、内側継手部材及び外側継手部材の案内溝のトラック部が共に主円弧部を有する場合、これらの主円弧部におけるボール中心軌跡が等しい曲率半径を有し、且つ、各主円弧部におけるボール中心軌跡の曲率中心を、継手中心を挟んで継手軸方向反対側に等距離だけオフセットすることにより、継手作動角が0°の状態において、ボール及び保持器を定位置に保持することができる。さらに、各主円弧部におけるボール中心軌跡の曲率中心を、継手中心から曲率半径が長くなる方向に等距離だけオフセットすることにより、外側継手部材の案内溝の溝深さを深くしてボールの乗り上げを防止できると共に、内側継手部材の案内溝がボールから受ける面圧を下げることができる。
また、この等速自在継手をアンダーカットフリー型とすると、継手の作動角を高角化することができる。
また、外側継手部材の案内溝と内側継手部材の案内溝とが協働して形成するボールトラックを外側継手部材開口側へ向けて開いたくさび形とすることで、等速自在継手の組み立て時におけるボールの組み込みを容易化することができる。
また、ボールを収容する保持器のポケットの軸方向の窓開き寸法を外径へ向けて狭めることにより、継手の作動角を大きくとった際、ボールが外側継手部材の案内溝から外へ出たときにも、ボールを保持器で内側継手部材側へ保持しておくことができる。
また、保持器の内周面の外側継手部材開口側を円筒面とし、円筒面に内側継手部材の球面状外周面を摺接案内する案内リングを固定することにより、保持器の内周への内側継手部材の組み付けを容易に行うことができる。
また、外側継手部材の案内溝のトラック部の外側継手部材開口側に、半径方向外方に開いたガイド部を設けることにより、継手の作動角を大きくとった際に外側継手部材の案内溝のトラック部から出たボールを、スムーズにトラック部へ戻すことができる。
以上のように、本発明の固定型等速自在継手によると、継手をスムーズに作動させると共に、ボールの脱落の危険性を確実に回避することができる。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1は本発明に係る固定型等速自在継手を示したもので、図1(A)が作動角0°の状態、図1(B)が限界作動角(約60°)をとった状態である。この固定型等速自在継手は、軸方向に延びる複数本(例えば6本)の曲線状の案内溝1bを内周球面1aに形成した外側継手部材1と、外側継手部材1の案内溝1bと対をなし、軸方向に延びる複数本(例えば6本)の曲線状の案内溝2bを外周球面2aに形成し、スプライン(またはセレーション)孔2cを有する内側継手部材2と、内側継手部材2のスプライン孔2cに一端が嵌合し、外側継手部材1の開口部から突出したシャフト3(軸部材)と、外側継手部材1の案内溝1bと内側継手部材2の案内溝2bとの間に1個ずつ配されたトルク伝達用ボール4と、ボール4を保持する保持器5とで構成される。尚、案内溝の数は6本に限らず、7、8、9、10、…と増やしてもよい。また、以下の説明において、外側継手部材1の開口部からシャフト3が突出した側を継手開口側、その軸方向反対側を継手奥側というものとする。
図2に、外側継手部材1を示す。外側継手部材1の案内溝1b(以下、外輪案内溝1b)は、案内溝1bの継手奥側部分に形成されたトラック部T1と、トラック部T1の継手開口側に形成されたガイド部1b3とで構成される。トラック部T1は、主円弧部1b1及び主直線部1b2からなる。主直線部1b2は、主円弧部1b1の継手開口側端部における接線であり、本実施形態では継手中心軸と平行に設けられる。ガイド部1b3は、継手開口側へ向けて半径方向外方へ開いた形状を成し、本実施形態では主直線部1b2と接する円弧状に形成される。ガイド部1b3はこれに限らず、例えば主直線部1b2の継手開口側端部から半径方向外方へ開いた直線状に形成してもよい。
図3に、内側継手部材2を示す。内側継手部材2の案内溝2b(以下、内輪案内溝2b)は、外輪案内溝1bと協働してボールトラックを形成し、案内溝2bの継手開口側部分に形成されたトラック部T2と、トラック部T2の継手奥側に設けられた円弧状の接続部2b3と、接続部2b3のさらに継手奥側に設けられた直線部2b4とを備える。トラック部T2は、主円弧部2b1及び主直線部2b2からなり、外輪案内溝1bのトラック部T1と対をなす。主直線部2b2は、主円弧部2b1の継手奥側における接線であり、本実施形態では継手中心軸と平行に設けられる。主直線部2b2と継手中心軸との距離L2は、外輪案内溝1bの主直線部1b2と継手中心軸との距離L1と等しくなるように設定される(L1=L2)。直線部2b4は継手奥側へ向けて継手中心軸側に傾斜した直線で構成されている。主直線部2b2と直線部2b4との間に設けられた円弧状の接続部2b3は、その両端部においてそれぞれ主直線部2b2及び直線部2b4と滑らかに連続する。これにより、ボール4を内輪案内溝2b上でスムーズに移動させることができるため、継手をスムーズに作動させることができる。
図4に、内輪案内溝2bの拡大図を示す。この内輪案内溝2bにおいて、直線部2b4と接続部2b3との境界部P0における溝深さd0とし、直線部2b4上の任意の2点P1、P2における内輪案内溝2bの溝深さをd1、d2としたとき、d1、d2はd0以上に設定される(d1≧d0、d2≧d0)。すなわち、直線部2b4上の点P1、P2と外周球面2aの曲率中心(本実施形態では継手中心O)との距離をR1、R2は、境界部P0と継手中心Oとの距離R0以下となる(R1≦R0、R2≦R0)。逆に言うと、直線部2b4が上記の条件を満たすように、直線部2b4と継手中心軸との角度αが設定される。さらに、この直線部2b4と主直線部2b2とを滑らかに連続するように、接続部2b3の曲率半径及び曲率中心が設定される。
直線部2b4を上記のように設定することにより、図1(B)に示すように継手の作動角を大きく取った際にボール4が外輪案内溝1bから外れた場合でも、ボール4が外径方向へ押し出されることはない。従って、高作動角時においてもボール4を保持器5で確実に保持することができる。
以下、図2及び図3を用いて、外輪案内溝1bのボール中心軌跡(以下、外輪ボール中心軌跡C1)及び内輪案内溝2bのボール中心軌跡(以下、内輪ボール中心軌跡C2)について説明する。外輪ボール中心軌跡C1は、外輪案内溝1bの主円弧部1b1に対応した主円弧部軌跡C11と、主直線部1b2に対応した主直線部軌跡C12とからなる。内輪ボール中心軌跡C2は、内輪案内溝2bの主円弧部2b1に対応した主円弧部軌跡C21と、主直線部2b2に対応した主直線部軌跡C22と、接続部2b3に対応した接続部軌跡C23と、直線部2b4に対応した直線部軌跡C24とからなる。
外輪ボール中心軌跡C1及び内輪ボール中心軌跡C2の主円弧部軌跡C11、C21は、等しい曲率半径Rを有する。また、主円弧部軌跡C11、C21の曲率中心O1、O2は、継手中心Oを挟んで軸方向反対側に等距離だけオフセットされ、且つ曲率中心O1が曲率中心O2よりも継手開口側に配される。これにより、外輪案内溝1bの主円弧部1b1と、これに対応する内輪案内溝2bの主円弧部2b1とが協働して形成するボールトラックは、継手開口側に向かって開いた楔状となる。さらに、曲率中心O1及びO2は、曲率半径が長くなる方向に等しくオフセットしている。これにより、外輪案内溝1bの主円弧部1b1における溝深さを深くすることができるため、トルク負荷によってボール4が外輪案内溝1bを乗り上げる不具合を回避できると共に、内輪案内溝2bの主円弧部2b1がボール4から受ける面圧を低減することができる。
外輪ボール中心軌跡C1及び内輪ボール中心軌跡C2の主直線部軌跡C12、C22は、共に継手中心軸と平行な直線で構成される。すなわち、この固定型等速自在継手はいわゆるアンダーカットフリー型を構成し、いわゆるツェッパ型と比べて継手の作動角を高角化することができる。尚、外輪ボール中心軌跡C1の主直線部軌跡C12は、継手中心軸と平行に限らず、継手開口側へ向けて半径方向外方へ開いた形状とすることもできる。このとき、内輪ボール中心軌跡C2の主直線部軌跡C22は、継手奥側へ向けて半径方向内方へ閉じた形状となる。これによると、継手作動角のさらなる高角化を図ることができる。
保持器5は円環状部材で構成され、その外周面は外側継手部材1の内周球面1aと摺接する外周球面5aとされるとともに、内周面は内側継手部材2の外周球面2aと摺接する内周球面5bとされる。保持器5の外周球面5a及び内周球面5bの曲率中心は、何れも継手中心Oである。保持器5の周壁に、ボール4と同数の窓5cが研削やミーリング等で貫通形成される。窓5cの形状は例えば矩形であって、保持器5の円周方向に等間隔で形成される。
保持器5の継手開口側の内径面には、所定幅にわたって内径一定の円筒面5dが形成される。この円筒面5dに、案内リング6が嵌合し、止め輪等(図示省略)により固定される。この案内リング6の内周面は、内側継手部材2の外周球面2aに嵌合する。案内リング6の内端とボール4との間には一定の隙間が確保される。
保持器5の窓5cは、その軸方向の外周側窓開き寸法がボール4の径より小さくなっている。すなわち、保持器5の軸方向に対向するボール案内面は、ボール径と等しい間隔を明けて互いに平行直線状であるが、ボール案内面の外径側はボール径よりもやや狭い間隔となるように先すぼまりとなっている。これにより、ボール4の外径方向への移動が規制され、図1(B)に示すように継手の作動角を大きく取った際にボール4が外輪案内溝1bのトラック部T1から外れた場合でも、ボール4を保持器5で内輪案内溝2b側に抱え込んでおくことができる。この先すぼまりの部分は、傾斜した直線で構成してもよいが、ボールとの当り面圧を下げるために、ボールの外周曲率に符合した凹円弧状にするのがよい。
本発明に係る等速自在継手は以上のように構成され、外側継手部材1と内側継手部材2が図1(A)の作動角0°の状態では、ボール4が、外輪ボール中心軌跡C1の主円弧部軌跡C11の曲率中心O1と内輪ボール中心軌跡C2の主円弧部軌跡C21の曲率中心O2とがオフセットして配されることによる効果で、継手中心Oを含み回転軸線に垂直な平面内に保持され、この状態でトルク伝達が行なわれる。
外側継手部材1と内側継手部材2が図1(B)のように限界作動角θまで折曲げられた状態では、シャフト3が外側継手部材1の開口端に当接する。トルク伝達ボール4は保持器5によって角度θを二等分する平面内に配向せしめられ、これによって継手の等速性が確保される。
本発明の実施形態は上記に限られない。例えば、上記では、内輪案内溝2bのトラック部を主円弧部2b1及び主直線部2b2で構成しているが、これに限らず、例えばこのトラック部を主円弧部のみで構成することもできる。この場合、外輪案内溝1bも主円弧部のみで構成される。また、この場合、接続部2b3は、内輪案内溝2bの主円弧部に内接する。
また、上記の実施形態では、内輪案内溝2bのトラック部T2の継手奥側に直線部2b4が形成されているが、これに限られない。例えば図5に示すように、直線部2b4の代わりに、円弧状の接続部2b3よりも曲率半径が大きく、且つ接続部2b3に外接する円弧部2b4を形成することもできる。図5に示す例では、円弧部2b4は継手中心Oを曲率中心としているため、円弧部2b4上の任意の点における溝深さは一定となる。円弧部の形状はこれに限らず、接続部2b3に外接し、且つ円弧部上の任意の点における溝深さが円弧部と接続部との境界部における溝深さ以上である限り、任意の曲率半径及び曲率中心を設定することができる。
1 外側継手部材
1a 内周球面
1b 案内溝
T1 トラック部
1b1 主円弧部
1b2 主直線部
1b3 ガイド部
2 内側継手部材
2a 外周球面
2b 案内溝
T2 トラック部
2b1 主円弧部
2b2 主直線部
2b3 接続部
2b4 直線部
3 シャフト(軸部材)
4 トルク伝達用ボール
5 保持器
C1 外輪ボール中心軌跡
C2 内輪ボール中心軌跡
O 継手中心
1a 内周球面
1b 案内溝
T1 トラック部
1b1 主円弧部
1b2 主直線部
1b3 ガイド部
2 内側継手部材
2a 外周球面
2b 案内溝
T2 トラック部
2b1 主円弧部
2b2 主直線部
2b3 接続部
2b4 直線部
3 シャフト(軸部材)
4 トルク伝達用ボール
5 保持器
C1 外輪ボール中心軌跡
C2 内輪ボール中心軌跡
O 継手中心
Claims (8)
- 軸方向に延びる複数の案内溝を球面状の内周面に形成した外側継手部材と、外側継手部材の案内溝と対をなして軸方向に延びる複数の案内溝を球面状の外周面に形成した内側継手部材と、内側継手部材から延び、外側継手部材の開口部から突出した軸部材と、外側継手部材の案内溝と内側継手部材の案内溝との間に配した複数のトルク伝達ボールと、トルク伝達ボールを保持する保持器とを備え、外側継手部材の案内溝の外側継手部材反開口側部分にトラック部を形成すると共に、内側継手部材の案内溝の外側継手部材開口側部分にトラック部を形成した固定型等速自在継手において、
内側継手部材の案内溝のトラック部の外側継手部材反開口側に円弧状の接続部を設け、この接続部のさらに外側継手部材反開口側に直線部を設け、接続部がその両端でそれぞれトラック部及び直線部と滑らかに連続し、且つ、直線部上の任意の点における内側継手部材の案内溝の溝深さを、直線部と接続部との境界部における溝深さ以上としたことを特徴とする固定型等速自在継手。 - 軸方向に延びる複数の案内溝を球面状の内周面に形成した外側継手部材と、外側継手部材の案内溝と対をなして軸方向に延びる複数の案内溝を球面状の外周面に形成した内側継手部材と、内側継手部材から延び、外側継手部材の開口部から突出した軸部材と、外側継手部材の案内溝と内側継手部材の案内溝との間に配した複数のトルク伝達ボールと、トルク伝達ボールを保持する保持器とを備え、外側継手部材の案内溝の外側継手部材反開口側部分にトラック部を形成する共に、内側継手部材の案内溝の外側継手部材開口側部分にトラック部を形成した固定型等速自在継手において、
内側継手部材の案内溝のトラック部の外側継手部材反開口側に円弧状の接続部を設け、この接続部のさらに外側継手部材反開口側に接続部よりも曲率半径の大きい円弧部を設け、接続部がその両端でそれぞれトラック部及び円弧部と滑らかに連続し、且つ、円弧部上の任意の点における内側継手部材の案内溝の溝深さを、円弧部と接続部との境界部における溝深さ以上としたことを特徴とする固定型等速自在継手。 - 内側継手部材の案内溝のトラック部及び外側継手部材の案内溝のトラック部が共に主円弧部を備え、各主円弧部におけるボール中心軌跡が等しい曲率半径を有し、且つ、各主円弧部におけるボール中心軌跡の曲率中心を、継手中心を挟んで継手軸方向反対側に等距離だけオフセットすると共に、継手中心から曲率半径が長くなる方向に等距離だけオフセットした請求項1又は2記載の固定型等速自在継手。
- アンダーカットフリー型である請求項1〜3の何れかに記載の固定型等速自在継手。
- 外側継手部材の案内溝と内側継手部材の案内溝とが協働して形成したボールトラックが、外側継手部材開口側へ向けて開いたくさび形である請求項1〜4の何れかに記載の固定型等速自在継手。
- ボールを収容する保持器のポケットの軸方向の窓開き寸法を外径へ向けて狭めた請求項1〜5の何れかに記載の固定型等速自在継手。
- 保持器の内周面の外側継手部材開口側を円筒面とし、この円筒面に内側継手部材の球面状外周面を摺接案内する案内リングを固定した請求項1〜6の何れかに記載の固定型等速自在継手。
- 外側継手部材の案内溝のトラック部の外側継手部材開口側に、半径方向外方に開いたガイド部を設けた請求項1〜7の何れかに記載の固定型等速自在継手。
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