JP2009103251A - 固定型等速自在継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボールを脱落させることなく、従来以上の高作動角を実現可能な固定型等速自在継手を提供する。
【解決手段】外側継手部材1と、内側継手部材2と、前記両継手部材1,2相互間に組み込まれた外側保持器3及び内側保持器4と、両保持器3,4相互間に組み込まれたトルク伝達用中間部材5と、外側継手部材1の球形内周面1aと中間部材5の球形外周面5aにそれぞれ対向して形成された案内溝1b,5cの間に転動可能に組み込まれると共に、外側保持器3にて保持された外側ボール6と、内側継手部材2の球形外周面2aと中間部材5の球形内周面5bにそれぞれ対向して形成された案内溝2b,5dの間に転動可能に組み込まれると共に、内側保持器4にて保持された内側ボール7とを備え、外側保持器3、内側保持器4及び中間部材5のそれぞれの縦断面形状を、軸線方向のどちらか一方へ拡大した楔状に形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械に用いられる動力伝達装置である固定型等速自在継手に関する。
自動車のドライブシャフトのアクスル連結部や、ステアリングシャフトのシャフト折曲げ連結部には、固定型等速自在継手が一般的に使用される。この固定型等速自在継手として、従来、ゼッパ型等速自在継手やアンダーカットフリー型(以下UJ型という)等速自在継手が知られている。ゼッパ型の特徴は、外側継手部材の案内溝のボール中心軌跡と内側継手部材の案内溝のボール中心軌跡が、それぞれ、継手中心から軸方向に等距離だけ離れた二点を中心とする二つの球の子午線となっていることである(特許文献1参照)。
これに対してUJ型等速自在継手は、ゼッパ型等速自在継手よりも高作動角とするために発明されたもので、外側継手部材の案内溝のボール中心軌跡が、上記ゼッパ型の子午線の円弧のうち、継手中心を通る軸直角断面より外側継手部材の開口側の部分が継手軸と平行な直線となっている(特許文献2参照)。
ゼッパにより発明されたゼッパ型等速自在継手は、最初は、外側継手部材の案内溝のボール中心軌跡と、内側継手部材の案内溝のボール中心軌跡が、ともに継手中心に中心を持つ同一円弧であった(特許文献3参照)。その自在継手は、作動角0°における保持器の回転位置が一定に定まらないという欠点があり、それを補うために、内側継手部材と外側継手部材の間に保持器の位置を制御するための別部品を追加していた(特許文献4のFig.1、Fig.2のパイロットピンKを参照)。
その後改良されたゼッパ型等速自在継手に、いわゆるダブルオフセット型と呼ばれるものがある。このダブルオフセット型は、図7(a)のように、継手中心Oから継手軸線方向に逆方向にそれぞれ等距離だけ離れた点O100,O200を、外側継手部材101と内側継手部材102の二つの案内溝101b,102bの各曲率中心としたものである。そして、両継手部材の各案内溝101b,102bにおけるボール中心軌跡C100,C200は、前記曲率中心O100,O200を中心とする同じ半径Rの円弧となっている。
詳しくは、図7(a)(b)に示すように、ダブルオフセット型等速自在継手は、球面状の内周面101aに6本の曲線状の案内溝101bを軸方向に形成した外側継手部材101と、球面状の外周面102aに6本の曲線状の案内溝102bを軸方向に形成し、スプライン(又はセレーション)孔102cを有する内側継手部材102と、外側継手部材101の案内溝101bと内側継手部材102の案内溝102bとが協働して形成される6本のボールトラックに1個ずつ配されたトルク伝達ボール103と、トルク伝達ボール103を保持する保持器104とで構成される。
外側継手部材101の内周面101aの曲率中心、内側継手部材102の外周面102aの曲率中心は、いずれも、継手中心Oと一致している。これに対し、外側継手部材101の案内溝101bの曲率中心O100と、内側継手部材102の案内溝102bの曲率中心O200は、継手中心Oを挟んで、軸方向に等距離だけ互いに逆方向に(同図に示す例では中心O100は継手開口端側に、中心O200は継手閉塞端側に)オフセットしている。そのため、案内溝101b,102bが協働して形成されるボールトラックは、軸方向の一方に向かって開いた楔形状となっている。
図7(a)に示すように、両継手部材101,102の各軸線が角度変位しない場合、すなわち二軸の回転軸線が一直線となった状態では、全てのトルク伝達ボール103の中心が継手中心Oを含み回転軸線に垂直な平面Y上にある。外側継手部材101と内側継手部材102とが角度θだけ角度変位すると、保持器104によってトルク伝達ボール103が、角度θの二等分線に垂直な平面上に配置せしめられ、これにより継手の等速性が確保される。
米国特許第2046584号公報 特開昭53−65547号公報 米国特許第1665280号公報 米国特許第2010899号公報
図7に示したダブルオフセット型等速自在継手においては、継手を高作動角で回転させる場合、ボール103が外側継手部材101の案内溝101bから外側にはみ出すと、ボール103が保持器104のポケットから半径方向外方に飛び出すのを防止することができない。このため、従来のダブルオフセット型等速自在継手では、ボール103は必ず外側継手部材101の案内溝101bの中に収めておく必要があり、これにより、継手の最大作動角が抑えられ、せいぜい48°程度が限界であった。
一方、UJ型等速自在継手は、ゼッパ型等速自在継手の作動角をさらに拡大するために発明されたもので、ボールが外側継手部材の案内溝から外れる位置を延長するために、外側継手部材の案内溝のボール中心軌跡を、外側継手部材入口部のみ、円弧状から直線状に変更した。しかし、UJ型等速自在継手でも最大作動角は52°程度であった。
そこで、本発明は斯かる実情に鑑み、ボールを脱落させることなく、従来以上の高作動角を実現可能な固定型等速自在継手を提供しようとするものである。
請求項1の発明は、球形内周面を有する外側継手部材と、球形外周面を有する内側継手部材と、球形内外周面を有すると共に前記両継手部材相互間に組み込まれた外側保持器及び内側保持器と、球形内外周面を有すると共に前記両保持器相互間に組み込まれたトルク伝達用中間部材と、前記外側継手部材の球形内周面と前記中間部材の球形外周面にそれぞれ対向して形成された複数の案内溝の間に転動可能に組み込まれると共に、前記外側保持器にて保持された複数の外側ボールと、前記内側継手部材の球形外周面と前記中間部材の球形内周面にそれぞれ対向して形成された複数の案内溝の間に転動可能に組み込まれると共に、前記内側保持器にて保持された複数の内側ボールとを備え、前記外側保持器、内側保持器及び中間部材のそれぞれの軸線に沿って切断した縦断面形状を、軸線方向のどちらか一方へ拡大した楔状に形成した固定型等速自在継手である。
これにより、外側継手部材と内側継手部材の両回転軸線が作動角を取ったときに、各ボールが案内溝を転動する距離が、従来の等速自在継手に比べて著しく短くなる。従って、各案内溝を軸方向に短く形成することができる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の固定型等速自在継手において、前記外側継手部材、内側継手部材及び中間部材をそれぞれの軸線と直交する方向に切断した横断面において、前記外側継手部材、内側継手部材及び中間部材の各案内溝の横断面形状を、各案内溝の幅方向中心を通る継手径方向線を中心として鏡像対称となる一対の円弧部にて構成し、当該一対の円弧部の曲率半径を、対応する前記ボールの半径より大きく設定すると共に、当該一対の円弧部の曲率中心を、対応する円弧部から前記継手径方向線を越えて反対側に配置したものである。
すなわち、各ボールを、案内溝を構成する一対の円弧部にそれぞれ1点、合計2点で接触させることができる。このように構成したことで、継手回転駆動時に、案内溝がトルクの方向に力を受け易く、回転トルクを効率良く伝達することができる。また、ボールが案内溝に沿って転動し易くなるとともに、ボールと案内溝との接触面圧を低減することができ、転動疲労寿命ないし継手寿命を長くすることができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の固定型等速自在継手において、前記外側ボール及び内側ボールを、周方向に位相をずらして配設したものである。
外側ボールと内側ボールを継手径方向に一直線状に並ばないようにすることで、継手の径方向の小型化及び軽量化を図ることができる。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の固定型等速自在継手において、前記外側ボール及び内側ボールを、それぞれ3個以上配設したものである。
外側ボール及び内側ボールの個数は、3個以上であればよい。
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の固定型等速自在継手において、前記外側継手部材、内側継手部材及び中間部材の各案内溝の軸線方向に沿って切断した縦断面形状を、円弧状に形成したものである。
各案内溝の縦断面形状を円弧状に形成してもよい。
請求項6の発明は、請求項5に記載の固定型等速自在継手において、前記円弧状に形成した各案内溝の中心を、継手中心に一致させたものである。
これにより、継手が円滑に作動角をとることが可能となる。
請求項7の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の固定型等速自在継手において、前記外側継手部材、内側継手部材及び中間部材の各案内溝の軸線方向に沿って切断した縦断面形状を、円弧部と直線部とで構成したものである。
各案内溝の縦断面形状を円弧部と直線部とで構成してもよい。
請求項8の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の固定型等速自在継手において、前記外側継手部材、内側継手部材及び中間部材の各案内溝の軸線方向に沿って切断した縦断面形状を、直線状に形成したものである。
各案内溝の縦断面形状を直線状に形成してもよい。
請求項9の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の固定型等速自在継手において、前記外側継手部材と内側継手部材の各軸線が一直線となった状態において、前記外側継手部材と中間部材の対向する案内溝における、それぞれのボール中心軌跡同士、及び前記内側継手部材と中間部材の対向する案内溝における、ぞれぞれのボー中心軌跡同士を、継手中心を通り継手軸線に直交する軸線直交面において互いに交差させると共に、前記軸線直交面を中心として鏡像対称となるように構成したものである。
これにより、各ボールを、継手中心を通り継手軸線に直交する横断面上に保持することができる。このようなボールの配置によって、作動角が0°において、各保持器を定位置で回転させることができ、回転トルクを安定して伝達することができる。
本発明の固定型等速自在継手によれば、外側継手部材と内側継手部材の両回転軸線が、0°以外の作動角θをとったときに、各ボールが案内溝を転動する距離が、従来の等速自在継手に比べて短くなる。従って、各案内溝を軸方向に短く形成することができ、継手の軸方向の小型化を図り得る。これにより、継手が作動角θをとったときに、特に内側継手部材に連結したシャフトが、外側継手部材と干渉しにくくなり、最大作動角を高角化することができる。従って、従来の固定型等速自在継手以上の作動角、例えば作動角が60°となっても、ボールを脱落させることなく、安定したトルク伝達を実現可能となる。また、各ボールが案内溝を転動する距離が短くなるので、転動疲労寿命ないし継手寿命を長くすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図5を参照して説明する。図1は本発明の固定型等速自在継手の軸線と直交方向に切断した横断面を示したものである。図2・図3はそれぞれ前記継手の軸線に沿って切断した縦断面図である。詳しくは、図2は、図1におけるA−A断面図、図3は図1におけるB−B断面図である。これら図2・図3は作動角が0°の状態を示し、図5は最大作動角をとったときの上記図2・図3に相当する各縦断面を重ね合わせた状態を示す。また、図4は図1の要部を示した横断面図である。
なお、固定型等速自在継手は、一方が駆動側となり、他方が従動側となる外側継手部材と内側継手部材を有するが、ここで作動角とは、外側継手部材の回転軸線Xと内側継手部材の回転軸線Zとがなす角度をいう(図5参照)。また、回転軸線Xと回転軸線Zとの交点Oを継手中心と呼ぶことにする。固定型等速自在継手は作動角に関わりなく継手中心Oは固定されている。
本発明の固定型等速自在継手は、外側継手部材1と、内側継手部材2と、それら両継手部材1,2相互間に組み込まれた外側保持器3及び内側保持器4と、それら両保持器3,4相互間に組み込まれたトルク伝達用中間部材5と、外側保持器3に保持される外側ボール6と、内側保持器4に保持される内側ボール7を主要な構成要素としている。
相交わる二軸の一方(図示せず)に連結される外側継手部材1は、その内周面1aに軸方向に延びる案内溝1bが周方向等間隔に4本形成されている。また、前記二軸の他方に連結される内側継手部材2の外周面2aにも、軸方向に延びる案内溝2bが周方向等間隔に4本形成されている。なお、内側継手部材2の内周面2cには、前記二軸の他方としてのシャフト8を挿入して嵌合するためのスプライン又はセレーションを形成してある。
中間部材5の外周面5aには、前記外側継手部材1の案内溝1bと対向するように、軸方向に延びる4つの案内溝5cが周方向等間隔に形成されている。さらに、中間部材5の内周面5bにも、前記内側継手部材2の案内溝2bと対向するように、軸方向に延びる4つの案内溝5dが周方向等間隔に形成されている。
そして、外側継手部材1と中間部材5の対向する案内溝1b,5cにて形成されるボールトラックに、前記外側ボール6が1個ずつ転動可能に組み込まれている。また、内側継手部材2と中間部材5の対向する案内溝2b、5dにて形成されるボールトラックには、前記内側ボール7が1個ずつ転動可能に組み込まれている。
また、外側保持器3には、外側ボール6を収容するための4つのポケット3cが、周方向等間隔に貫設されている。同様に、内側保持器4にも、内側ボール7を収容するための4つのポケット4cが、周方向等間隔に貫設されている。また、図1に示すように、外側ボール6と内側ボール7は、周方向に位相をずらして配設されている。言い換えれば、外側ボール6と内側ボール7とは継手の径方向同一直線上には配置されていない。
これら外側ボール6と内側ボール7は、外側継手部材1と中間部材5相互間、及び中間部材5と内側継手部材2相互間において、回転トルクを伝達するために介在している。外側ボール6と内側ボール7では、内側ボール7の方が外側ボール6よりも回転トルクによる荷重が大きくなる傾向にある。そのため、内側ボール8のボール径寸法は、外側ボール6のボール径寸法より大きく設定することが好ましい。なお、外側ボール6及び内側ボール7の個数は4個に限定されない。各ボール6,7の個数は、3個以上であればよい。
外側継手部材1の内周面1aは球形に形成されている。また、内側継手部材2の外周面2aも球形に形成されている。さらに、外側保持器3の外周面3a及び内周面3b、内側保持器4の外周面4a及び内周面4b、及び中間部材5の外周面5a及び内周面5bも、それぞれ球形に形成されている。すなわち、これら外側継手部材1、外側保持器3、中間部材5、内側保持器4及び内側継手部材2は、互いに球面接触している。
図2・図3の縦断面図に示すように、外側保持器3、内側保持器4及び中間部材5のそれぞれの縦断面形状は、軸線方向のどちらか一方へ拡大した楔状に形成されている。この実施形態では、図2又は図3において、外側保持器3と内側保持器4は、それぞれ左側に拡大するように形成されている。一方、中間部材5は、同図において、右側に拡大した楔状に形成されている。
図2又は図3に示す点O1とO2は、それぞれ外側保持器3の球形外周面3aの曲率中心と球形内周面3bの曲率中心である。これら曲率中心O1とO2は、継手中心Oから継手軸線方向に互いに逆方向にそれぞれ等距離だけ離れた(オフセットした)位置にある。
また、点O3とO4は、それぞれ内側保持器4の球形外周面4aの曲率中心と球形内周面4bの曲率中心である。これら曲率中心O3とO4も、継手中心Oから継手軸線方向に互いに逆方向にそれぞれ等距離だけ離れた(オフセットした)位置に配置されている。
なお、点O1は外側継手部材1の球形内周面1aの曲率半径、O2は中間部材5の球形外周面5aの曲率半径、点O3は中間部材5の球形内周面5bの曲率半径、点O4は内側継手部材2の球形外周面2aの曲率半径と、言い換えることができる。
また、外側継手部材1と中間部材5の対向する案内溝1b,5c(図2参照)、及び内側継手部材2と中間部材5の対向する案内溝2b,5d(図3参照)のそれぞれの縦断面形状は、継手中心Oを中心とする円弧状に形成されている。従って、外側ボール6のボール中心軌跡C1(図2参照)と、内側ボール7のボール中心軌跡C2(図3参照)は、継手中心を中心とする円弧となる。ここで、「ボール中心軌跡」とは、各案内溝に沿ってボールが転動する際の、当該ボールの中心の軌跡である(以下、同様)。
図4は図1の要部であり、外側ボール6を挟む、外側継手部材1の案内溝1bと中間部材5の案内溝5cの各横断面を示す。同図において、一点鎖線で示す縦線は、外側継手部材1と中間部材5の各案内溝1b,5cの幅方向中心を通る継手径方向線Lである。外側継手部材1の案内溝1bは、この継手径方向線Lを中心として鏡像対称となる一対の円弧部10,11にて形成されている。この一対の円弧部10,11の各曲率半径R10,R11は、外側ボール6の半径R0よりも大きい。一対の円弧部10,11の各曲率中心O10,O11は、対応する円弧部から継手径方向線Lを越えて反対側に配置されている。また、各曲率中心O10,O11は、径方向線Lから周方向(図4の左右方向)に互いに逆方向に等距離だけ離れて配設されている。そして、外側ボール6は、各円弧部10,11に対しそれぞれ1点(点P10と点P11)で接触(点接触)し、案内溝1bに対し合計2点で接触する(アンギュラコンタクト)。
一方、中間部材5の外側の案内溝5cは、外側ボール6を挟んで前記外側継手部材1の案内溝1bと対称に形成されている。詳しくは、中間部材5の案内溝5cは、継手径方向線Lを中心として鏡像対称となる一対の円弧部12,13にて構成されている。これら円弧部12,13の各曲率半径R12,R13は、外側ボール6の半径R0よりも大きく設定されている。また、各円弧部12,13の曲率中心O12,O13は、対応する円弧部から継手径方向線Lを越え、継手径方向線Lから周方向に等距離だけ離れて互いに反対側に配置されている。このように各円弧部12,13を形成することで、外側ボール6も、各円弧部12,13に対しそれぞれ1点(点P12と点P13)で接触(点接触)し、案内溝5cに対し合計2点で接触する(アンギュラコンタクト)。
また、内側ボール7を挟む、中間部材5の内側の案内溝5dと内側継手部材2の案内溝2bの各横断面形状は、図4と同様の構成となっているので、図示及び説明を省略する。すなわち、内側ボール7は、各案内溝5d,2bに対しそれぞれ2点で接触するようになっている(アンギュラコンタクト)。
なお、外側ボール6又は内側ボール7を挟む上記各案内溝1b,5c,5d,2bの横断面形状は、図4に示した形状以外に、例えば、対応するボールに対し2点で接触する楕円、ゴシックアーチ、放物線等の形状に形成してもよい。
また、図6は、案内溝の他の実施形態を示す。同図に示すように、外側継手部材1と中間部材5の対向する案内溝1b,5cのそれぞれの縦断面形状を、それぞれ継手中心Oから継手軸線方向に互いに逆方向にそれぞれ等距離だけ離れた(オフセットした)二点O5,O6を中心とする円弧状に形成してもよい。すなわち、対向する案内溝1b,5cで成すボールトラックは、図6において左側に拡大した楔状となる。
そして、外側継手部材1と内側継手部材2の各軸線が一直線となった状態において、外側ボール6の案内溝1bに対するボール中心軌跡C3と、案内溝5cに対するボール中心軌跡C4とを、継手中心Oを通り継手軸線に直交する軸線直交面Yにおいて互いに交差させると共に、前記軸線直交面Yを中心として鏡像対称となる一対の円弧としている。
また、この実施形態において、内側継手部材2と中間部材5の対向する案内溝2b,5dは、前記外側継手部材1と中間部材5の各案内溝1b,5cと同様に左側に拡大した楔状となっている。
以下、本発明の固定型等速自在継手の作用について説明する。
図1において、シャフト9に回転力が付与された場合、その回転トルクは、シャフト9に連結された内側継手部材2へ伝達された後、内側ボール7を介して中間部材5へと伝達され、中間部材5が回転する。さらに、回転する中間部材5の回転トルクは、外側ボール6を介して外側継手部材1へと伝達される。このようにして、内側継手部材2に連結された駆動軸から、外側継手部材1に連結された従動軸へ回転力が等速に伝達される。
そして、外側継手部材1の回転軸線Xと内側継手部材2の回転軸線Zが、作動角θをとったとき、外側ボール6は外側継手部材1と中間部材5の両回転軸線のなす角の二等分線に垂直な平面上に並ぶ。また、内側ボール7は中間部材5と内側継手部材2の両回転軸線のなす角の二等分線に垂直な平面上に並ぶ。つまり、外側ボール6の中心から外側継手部材1と中間部材5の両回転軸線までの距離が相等しく、内側ボール7の中心から中間部材5と内側継手部材2の両回転軸線までの距離が相等しくなる。このような位置に各ボール6,7が配置されることで、各ボール6,7を介して回転トルクが内側継手部材2から中間部材5へ、そして、中間部材5から外側継手部材1へと等速度で伝達される。
図5は、外側継手部材1の軸線Xと内側継手部材の軸線Zとが最大作動角をとった場合を示した図である。この場合、両継手部材1,2、両保持器3,4、中間部材5及び各ボール6,7の相互間の干渉により、外側継手部材1に対して、内側継手部材2、両保持器3,4及び中間部材5は、それぞれ所定の傾斜角をもって位置規制される。外側ボール6・内側ボール7のそれぞれが並ぶ平面を、ジョイント平面J6,J7と呼ぶ。また、外側継手部材1、中間部材5、内側継手部材2において、継手中心Oを通ってそれぞれの軸線に対して直交する面を、軸線直交面Y1,Y5,Y2と呼ぶことにすると、最大作動角をとった場合、外側ボール6のジョイント平面J6、中間部材5の軸線直交面Y5、内側ボール7のジョイント平面J7、内側継手部材2の軸線直交面Y2は、外側継手部材1の軸線直交面Y1から、それぞれ時計回りに15°・30°・45°・60°傾斜した位置に配置される。そして、このときの内側継手部材2の軸線Zと、外側継手部材1の軸線Xとで形成される最大作動角は60°となる。
上記図7で説明した従来の固定型等速自在継手において、最大作動角を60°にしようとすると、ボール103が並ぶジョイント平面は、継手中心Oを通り外側継手部材101の軸線Xと直交する軸線直交面Yから時計回り又は反時計回りに30°傾斜する必要があると推測される(図示省略)。つまり、ボール103が案内溝101b,102bに沿って30°移動することになる。
一方、本発明は、最大作動角60°をとる場合、外側ボール6が対応する案内溝1b,5cに沿って移動する角度は、それぞれ、外側ボール6のジョイント平面J6と外側継手部材1の軸線直交面Y1との成す角度の15°、及び外側ボール6のジョイント平面J6と中間部材の軸線直交面Y5との成す角度の15°となる。また、内側ボール7が対応する案内溝5d,2bに沿って移動する角度は、それぞれ、内側ボール7のジョイント平面J7と中間部材の軸線直交面Y5との成す角度の15°、及び内側ボール7のジョイント平面J7と内側継手部材2の軸線直交面Y2との成す角度の15°となる。このように、本発明の構成によれば、従来の固定型等速自在継手と同じ最大作動角をとっても、各ボール6,7が案内溝に対して移動する角度は従来の半分にすることができる。これにより、各案内溝の軸方向長さ寸法を、従来の固定型等速自在継手の案内溝よりも短く形成することが可能となる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更を加え得ることは勿論である。上述の実施形態では、各案内溝の縦断面形状は、円弧状に形成しているが、各縦断面形状を、直線状、又は円弧部と直線部とで構成した形状に形成してもよい(図示省略)。
本発明に係る固定型等速自在継手の横断面図である。 図1のA−A縦断面図である。 図1のB−B縦断面図である。 図1の要部横断面図である。 前記固定型等速自在継手が最大作動角をとった状態を示す縦断面図である。 案内溝の他の実施形態を示す縦断面図である。 従来の固定型等速自在継手を示す図であって、(a)はその縦断面図、(b)はその横断面図である。
符号の説明
1 外側継手部材
1a 内周面
1b 案内溝
2 内側継手部材
2a 外周面
2b 案内溝
3 外側保持器
3a 外周面
3b 内周面
4 内側保持器
4a 外周面
4b 内周面
5 中間部材
5a 外周面
5b 内周面
5c 案内溝
5d 案内溝
6 外側ボール
7 内側ボール
10 円弧部
11 円弧部
12 円弧部
13 円弧部
C1 ボール中心軌跡
C2 ボール中心軌跡
C3 ボール中心軌跡
C4 ボール中心軌跡
L 継手径方向線
O 継手中心
1 曲率中心
2 曲率中心
3 曲率中心
4 曲率中心
10 曲率中心
11 曲率中心
12 曲率中心
13 曲率中心
R ボールの半径
10 曲率半径
11 曲率半径
12 曲率半径
13 曲率半径
Y 軸線直交面

Claims (9)

  1. 球形内周面を有する外側継手部材と、
    球形外周面を有する内側継手部材と、
    球形内外周面を有すると共に前記両継手部材相互間に組み込まれた外側保持器及び内側保持器と、
    球形内外周面を有すると共に前記両保持器相互間に組み込まれたトルク伝達用中間部材と、
    前記外側継手部材の球形内周面と前記中間部材の球形外周面にそれぞれ対向して形成された複数の案内溝の間に転動可能に組み込まれると共に、前記外側保持器にて保持された複数の外側ボールと、
    前記内側継手部材の球形外周面と前記中間部材の球形内周面にそれぞれ対向して形成された複数の案内溝の間に転動可能に組み込まれると共に、前記内側保持器にて保持された複数の内側ボールとを備え、
    前記外側保持器、内側保持器及び中間部材のそれぞれの軸線に沿って切断した縦断面形状を、軸線方向のどちらか一方へ拡大した楔状に形成したことを特徴とする固定型等速自在継手。
  2. 前記外側継手部材、内側継手部材及び中間部材をそれぞれの軸線と直交する方向に切断した横断面において、前記外側継手部材、内側継手部材及び中間部材の各案内溝の横断面形状を、各案内溝の幅方向中心を通る継手径方向線を中心として鏡像対称となる一対の円弧部にて構成し、当該一対の円弧部の曲率半径を、対応する前記ボールの半径より大きく設定すると共に、当該一対の円弧部の曲率中心を、対応する円弧部から前記継手径方向線を越えて反対側に配置した請求項1に記載の固定型等速自在継手。
  3. 前記外側ボール及び内側ボールを、周方向に位相をずらして配設した請求項1又は2に記載の固定型等速自在継手。
  4. 前記外側ボール及び内側ボールを、それぞれ3個以上配設した請求項1から3のいずれか1項に記載の固定型等速自在継手。
  5. 前記外側継手部材、内側継手部材及び中間部材の各案内溝の軸線方向に沿って切断した縦断面形状を、円弧状に形成した請求項1から4のいずれか1項に記載の固定型等速自在継手。
  6. 前記円弧状に形成した各案内溝の中心を、継手中心に一致させた請求項5に記載の固定型等速自在継手。
  7. 前記外側継手部材、内側継手部材及び中間部材の各案内溝の軸線方向に沿って切断した縦断面形状を、円弧部と直線部とで構成した請求項1から4のいずれか1項に記載の固定型等速自在継手。
  8. 前記外側継手部材、内側継手部材及び中間部材の各案内溝の軸線方向に沿って切断した縦断面形状を、直線状に形成した請求項1から4のいずれか1項に記載の固定型等速自在継手。
  9. 前記外側継手部材と内側継手部材の各軸線が一直線となった状態において、
    前記外側継手部材と中間部材の対向する案内溝における、それぞれのボール中心軌跡同士、
    及び前記内側継手部材と中間部材の対向する案内溝における、ぞれぞれのボー中心軌跡同士を、
    継手中心を通り継手軸線に直交する軸線直交面において互いに交差させると共に、前記軸線直交面を中心として鏡像対称となるように構成した請求項1から7のいずれか1項に記載の固定型等速自在継手。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015532408A (ja) * 2012-10-26 2015-11-09 ティッセンクルップ スチール ヨーロッパ アーゲーThyssenkrupp Steel Europe Ag 回転運動を伝達するための軽量構造ジョイント
CN107676398A (zh) * 2017-11-01 2018-02-09 镇江索达联轴器有限公司 并列可调滚珠联轴器

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