請求項1に記載の発明は、商品を上部から収納できる商品収納容器と、前記商品収納容器の搬送が可能な搬送手段と、前記商品収納容器の収容ができる収容室が設けられた本体部とを有し、前記搬送手段の駆動軸に連動し回転する第1カムと、前記第1カムの動作に伴い通電、非通電を行う第1スイッチと、前記第1カムの回転に伴い回転する第2カムと、前記第2カムの動作に伴い通電、非通電を行う第2スイッチとを備えたので、前記駆動軸が1回転以上する往復機構の位置検出を比較的簡単な構成で行うことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第2カムに下方突起を設け、前記第2カムが原点位置に戻ったとき前記第2カムの下方突起に当設するストッパーを備えたので、前記第2カムが不意に周りすぎることによる誤検知を防ぐことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1カムと前記第1スイッチ及び、前記第2カムと前記第2スイッチとが互いの距離をほぼ一定にするようにスイッチ保持部材を設けたので、特に前記第1スイッチがスイッチ基台から遠いことで固定が不安定となり、前記第1カムとの距離が離れ、スイッチが誤検知してしまうことを防止することができる。
以下、本発明の実施の形態ついて、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものでない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における外観を示した斜視図、図2は収容室内に設けられた棚部とレール部とを示した斜視図、図3は収容室内に設けられたレール部付近を拡大した側面図、図4は収容室、商品取出空間、空箱収容部の位置関係を示した斜視図、図5は商品収納容器を示した斜視図、図6は商品収納容器の底面と移送手段と前側係合部材を示した斜視図、図7は商品収納容器と移送手段とを係合した状態を示した斜視図、図8は商品収納容器の連結部を示した拡大斜視図、図9(a)は商品収納容器を連結した状態を示した正面図、図9(b)は商品収納容器を連結した状態を示した側面図、図9(c)は商品収納容器を連結した状態を示した上面図、図10は搬送手段を示した斜視図、図11(a)は移送手段と搬送台を示した斜視図、図11(b)は移送手段と搬送台の一部を切り欠いた正面図、図12(a)はロッドの縮んだ状態を示した斜視図、図12(b)はロッドの延びた状態を示した斜視図、図13は搬送手段の搬送台が張り出した状態を示した斜視図、図14,図15,図16,図17,図18は商品収納容器を移送手段によって搬送する状況を示した側面図、図19は空箱収容部を示した正面図、図20は空箱収容部の内側から見た側面図、図21は空箱収容部の内側から見た斜視図、図22は構成を説明する分解斜視図、図23は部分側面断面図、図24(a),(b),(c),(d),(e),(f)は第1カム及び第2カムの回転する状況を示した平面図である。
本発明の実施の形態1の自動販売機1は、図1に示されるように、本体部11に前面が透明で中が透けて見える収容室30を持つ。そして当該収容室30に複数の商品収納容器10が収容されており、各商品収納容器10内に商品45が収納されている。
また本体部11の内部であって収容室30の下部側面側には図4のように商品取出空間35が形成されている。収容室30と商品取出空間35とは後記する商品通過窓33によって連通している。
さらに本体部11の正面側であって収容室30の下部側面側に商品の取出口42が設けられている。取出口42は商品取出空間35の正面側を開閉するものである。
上記した収容室30内における商品収納容器10の配置は、左右・上下・前後方向の各方向に立体的に並べられて配置され、最前列のものから順次販売することができる。
そして、購入者が貨幣を入れてボタン操作などの所定の操作を行うことで、搬送手段12が作動し、商品収納容器10が収容室30から取り出されて商品通過窓33を通過し、商品取出空間35に搬送され、購入者は取出口42から商品45を取り出すことができる。
なお本明細書の実施の形態の説明では、自動販売機1の貨幣投入部40や取出口42が有って内部の商品45が見える側を前側として、前側から奥に向かう方向を前後方向とし、自動販売機1を設置する状態での重力がかかる方向を上下方向とし、上下方向及び前後方向のいずれにも直交する方向を横方向として説明する。また、横方向の方向を示す場合には、前側から見た方向を基準として、右側、左側として説明する。
図1に示されるように、自動販売機1には、本体部11内に搬送手段12があり、また本体部11内に多数の商品収納容器10が内蔵されている。
本体部11には収容室30が設けられている。収容室30内には、棚部31が設けられている。棚部31は図2のように帯状の棚板部材31aが上下方向に複数段並べられたものである。そして棚板部材31aの上面にはレール部32が設けられている。レール部32は、板体を断面が略「コ」の字状となる様に折り曲げたレール部材32aによって構成されたものであり、棚部31に固定されて上側に突出する。レール部32は、前後方向に延びるように設けられており、レール部材32aは商品収納容器10の設置される位置で、商品収納容器10の幅に合わせて固定されている。そして、使用時には、レール部材32aの上端により、商品収納容器10を支えている。
各レール部材32aの上部であって、前端側に近い位置には、後退阻止突起(後退阻止部材)37が設けられている。後退阻止突起37は、図3に示されるような構造をしている。すなわち後退阻止突起37は、傾斜部37bと垂直部37eが設けられた板体である。後退阻止突起37は、各レール部材32aの内側面に支点37dを中心として回転可能に固定されている。また上記した支点37dを中心とするモーメントは後端側(図3左側)の方が前端側に比べて大きい。そして後退阻止突起37の支点37dよりも後側であってその下部がストッパー37cによって支持されている。支点37dを中心とするモーメントは後端側(図3左側)の方が前端側に比べて大きいので、後退阻止突起37は図3を基準として時計回りの方向に回転力が発生するが、上記したストッパー37cによって回転が阻止された状態である。
各レール部材32aの上面であって後退阻止突起37が設けられている部位には開口32fが設けられており、後退阻止突起37の上部角が開口32fから上部に露出している。
後退阻止突起37は図3に示した姿勢を常態とし、反時計回りには回転可能であるが、時計回りにはストッパー37cの作用によって回転が阻止される。
上記したように後退阻止突起37の支点37dよりも後側であってその下部がストッパー37cによって支持されているので、通常の状態においては、図3のように後退阻止突起37の垂直部37eが前面側に位置し、傾斜部37bは後面側にある。
この状態では、傾斜部37bが前側に向かって漸次高くなり、傾斜部37bの前側の垂直部37eがレール部材32aの上面から突出した状態となる。
また、後退阻止突起37の前後方向の正確な位置は、図9(b)に示されるように、商品収納容器10をレール部32によって配置した場合における、最前列の商品収納容器10の突出部60の切り欠き部60a(後記する)に相当する位置である。
そして、商品収納容器10が前進する場合には、商品収納容器10の突出部60が傾斜部37bを押すので、支点37dを中心として後退阻止突起37が回転して(図3を基準として反時計方向)傾斜部37bを通過することができる。また、商品収納容器10が後退しようとする場合には、突出部60が垂直部37eに接触するので後退を阻止することができる。したがって、後述するように、移送手段21を商品収納容器10側に向かって後方に移動する際に、商品収納容器10が後方へ移動する方向に向かうように力が作用するが、この後方への移動を阻止することができる。
収容室30の形状は図4に示されるような略直方体形状であり、収容室30の右側の前側には、商品通過窓33と空箱通過窓34が設けられている。商品通過窓33は空箱通過窓34よりも下側に位置している。より具体的には空箱通過窓34は収容室30の上端近傍にあり、商品通過窓33は収容室30の下端近傍にある。収容室30は断熱材によって覆われている。
商品通過窓33及び空箱通過窓34には、開閉可能な部材が設けられており、通常の状態では閉じている。そして、後述するように、搬送手段12の移送手段21に商品収納容器10が固定された状態で押されることにより開くことができる。開閉可能な部材は、具体的にはカーテン状である。したがって、商品45の販売を行わない場合には、収容室30を、ほぼ密閉空間とすることができ、自動販売機1の制御を行う図示しない制御部に冷気などが流れ込まず制御部の故障や誤作動が少ない。
また、収容室30の右側には上記したように商品取出空間35及び空箱収容部15が設けられている。商品取出空間35は収容室30と商品通過窓33を介してつながっており、商品取出空間35には取出口42が設けられている。また、空箱収容部15は収容室30と空箱通過窓34を介してつながっている。
収容室30は、販売する商品45により、温度などの条件を所定の条件に維持できるようになっている。例えば、冷蔵保存を必要とする食品の場合には、通常の冷蔵庫と同様に、コンプレッサーなどが設けられた熱交換器などによって、低温状態を維持することができる。また加熱手段も併設することが望ましい。
収容室30は前側から内部が視認できるように、前面側がガラスやアクリル板などの透明樹脂などが用いられている。また、収容室30は商品45の補充やメンテナンスなどの際に開閉することができる構造となっている。
商品収納容器10は、図5に示されるように、概略形状が台形状の容器であり、上部に開口50を有して、内部に空間59が設けられたものであり、底面(底部)51、前側面52、後側面53及び横側面55、56を有している。
横側面55、56の上端の開口50付近には、横方向に突出するガイド用突出部60が設けられている。ガイド用突出部60は、前後方向に延びるように設けられ、中間部分に切り欠き部60aを有している。
前側面52、後側面53の上端の開口50付近には、前側連結部61と後側連結部62が設けられている。具体的には商品収納容器10の前側面52には前側連結部61が設けられている。
前側連結部61は図8に示すような2カ所の凹部61aを有している。逆にいえば前側連結部61は中央に中央凸部61bがあり、両端部に端部側凸部61cがある。そして端部側凸部61cの内側には係合溝61dが設けられている。逆に言えば、端部側凸部61cの先端部は鉤状となっている。すなわち端部側凸部61cを平面視すると、「コ」の字状であり、左右の端部側凸部61cの「コ」の字形状は互いに内側を向いている。
上記した凹部61a、中央凸部61b、端部側凸部61c及び係合溝61dの平面断面形状は、いずれの部位でも同一である。したがって係合溝61dや凹部61aは上面側から下面側まで同一形状を維持したままで連通している。
一方、商品収納容器10の後側面53には図8のように後側連結部62が設けられている。後側連結部62は2カ所の端部側凸部62aを有している。逆にいえば後側連結部62は中央であって端部側凸部62aの間に中央凹部62bがあり、両端は開放されている。
そして端部側凸部62aの内側(空間59側)には係合溝62dが設けられている。逆に言えば、端部側凸部62aの先端部は鉤状となっている。すなわち端部側凸部62aを平面視すると、「コ」の字状である。ただし上記した前側連結部61では左右の端部側凸部61cの「コ」の字形状は互いに内側を向いていたのに対し、後側連結部62では左右の端部側凸部62aの「コ」の字形状は互いに外側を向いている。
さらに、前側連結部61の端部側凸部61cの「コ」の字の先端は横方向に突出する引っかけ部61eとなり、後側連結部62端部側凸部62aの「コ」の字の先端は横方向に突出する引っかけ部62eとなっている。
上記した端部側凸部62a、中央凹部62b、及び係合溝62dの平面断面形状は、いずれの部位でも同一である。したがって係合溝62dや中央凹部62bは上面側から下面側まで同一形状を維持したままで連通している。
上記した前側連結部61と後側連結部62の凹凸関係に注目すると、前側連結部61の凹凸形状と後側連結部62の凹凸形状は互いに逆の関係にある。すなわち前側連結部61側の凹部61aと後側連結部62の端部側凸部62aの立体形状はほぼ等しい。また水平方向の断面はいずれの場所でも同じであるので後側連結部62側の端部側凸部62aを前側連結部61側の凹部61aの空間に上下方向から挿入及び離脱することができる。
しかしその反面、前側連結部61の端部側凸部61c及び後側連結部62では左右の端部側凸部61cはいずれも断面形状が「コ」の字状であり、横方向に突出する引っかけ部61e、62eがあって両者は互いに嵌合し合う。
そして、連結部61と連結部62は図9に示されるように連結可能であり、連結すると引っかけ部61eと、引っかけ部62eとが引っ掛かるので、前後方向に力が加わっても連結状態を維持することができる。また、上下方向に相対移動すると連結部61、62が互いに離脱する。
上記した連結部61、62は、連結した状態で前後方向以外の方向である上下方向や横方向に移動させることにより、連結を解くことができれば、上記の形状以外であってもよい。
また、図5、図6に示されるように、商品収納容器10の底面51の下側には、下方に突出して前後に延びる外側突条57及び内側突条58が設けられている。すなわち外側突条57及び内側突条58は前後方向に延びるように2本ずつ設けられ、2本の外側突条57の内側に2本の内側突条58が配置している。内側突条58の位置は外側突条57よりも前側に位置している。
外側突条57の形状は長方形状であり、内側突条58の形状は長方形状の根元部分の2カ所を切り欠いたような形状であり、当該部分で係合部を形成している。この内側突条58の切り欠き部58aの位置は、前後方向の端部であって上側である。
また、外側突条57の上下方向の突出長さは内側突条58のそれよりも長く、後述するように、空箱収容部15に商品収納容器10を収容する時に、落下の際に内側突条58の破損を防止することができる。
商品収納容器10は、大きさの異なるものを用いることができる。また、前後方向の長さは、搬送台20に載せることができ、搬送台20に載せて収容室30の前側を上下・横方向に移動させることができる長さであればよい。
本実施の形態では、横方向の長さが異なり、前後方向及び上下方向の長さが同じであり、外側突条57及び内側突条58の形状が同じである2種類のものを用い、また、搬送手段12は同じものを用いて使用するものである。
また、商品収納容器10は樹脂材料により成形すると簡単に製作することができる。この樹脂材料を透明乃至半透明とすることにより、内部の商品45が透けて見えるので、開口50からだけでなく、前側からも商品45の確認を行うことができる。
搬送手段12は、図1に示されるように、本体部11の収容室30内の前側付近であって、棚部31やレール部32よりも前側に位置している。
そして、搬送手段12に設けられている搬送台20が上下方向及び横方向に移動することができる。また、搬送台20の上には前後方向に移動可能な移送手段21が設けられている。そして、移送手段21により、商品収納容器10を引き出して搬送台20に載せた状態で移動させることができる。
図10を用いて説明すると、搬送手段12には、搬送台20、上下移動台22を有している。上下移動台22は、本体部11に対して上下方向に移動可能であり、可動部分外に固定されたモータM3の駆動力を用いて上下方向に移動させ、所定の位置で停止させることができる。なお、モータM3による上下移動台22の移動は、チェーンなどを用いて行うことができる。
また、上下移動台22は横方向の左右両側で移動可能に支持されて、両持ち梁の状態である。
搬送台20の上には、図6に示されるように、移送手段21及び前側係合部材23が設けられている。
移送手段21は、前後方向に移動することができる。この移動については後述する。移送手段21の固定は、図11に示されるような、入れ子構造なったスライダー44を介して固定されている。そして、スライダー44がのびることにより移送手段21が後側に張り出した状態とすることができる。
さらに、移送手段21には、図6に示されるような可動突起26が設けられている。可動突起26は左右に2カ所設けられて横方向に突出し、後側から押されると内側に退入可能であるが、前側から押されると突出状態を維持することができる。
また、前側係合部材23は、板を曲げたような部材であり、移送手段21の前側に配置されている。そして、前側係合部材23には、前述した商品収納容器10の内側突条58の切り欠き部58aに対応する位置に凹形状が形成されて切り欠き挿入部23aが設けられ、内側突条58の切り欠き部58aの下側が切り欠き挿入部23aの下側に挿入することができる。
すなわち切り欠き挿入部23aは、搬送台20の上面部20aから浮いた状態に設けられた板体であり、当該板体と上面部20aとの間に空隙がある。一方、内側突条58には切り欠き部58aが設けられており、この切り欠き部58aは上側に設けられている。そして、切り欠き部58aの下側が突出部58bとなっている。
そうして、後述するように、移送手段21により商品収納容器10を引き出して、移送手段21に商品収納容器10を固定する場合には、図7に示されるような状態となる。すなわち、前側係合部材23の切り欠き挿入部23aが、商品収納容器10の内側突条58の前側の切り欠き部58aに進入し、突出部58bが切り欠き挿入部23aの板体と搬送台20の上面部20aとによって挟まれた状態となる。
上下移動台22の上に、搬送台20が横方向に移動可能に載置されており、上下移動台22を上下方向に移動させることによって搬送台20を上下方向に移動させることができる。この可動範囲は、移送手段21の位置が、すべての商品収納容器10の底面51の高さに移動できるような範囲となっている。
また、搬送台20の上下移動台22への固定は、移送手段21の搬送台20への接続と同様に、入れ子構造となっているスライダーが用いられて、右側に張り出した状態となるように移動させることができる。
また、上下移動台22に支持されるスプロケットR1、歯車R2、R3、ロッドL3を有しており、スプロケットR1、歯車R2、R3、ロッドL3は、上下移動台22の移動に伴って、上下方向に移動する。
図10のように、スプロケットR1の回転軸は上下方向であり、スプロケットR1には六角状の角孔64を有している。そして、角孔64には六角状のロッドL1が挿入されている。ロッドL1は、上下方向に延びるように配置されており、回転可能に保持されている。またロッドL1の上側にはモータM1が設けられ、ロッドL1を回転させることができる。モータM1は非可動位置に固定されている。
なお、回転力を伝達することができれば、六角形でなくてもよく、四角形などの他の多角形や略「D」などの円形の一部を切り欠いた形状などでもよい。また、ロッドL1と角孔64の形状は異なっていてもよい。
なお、上下移動台22の移動により角孔64が上下動するが、いずれの場所でもロッドL1の回転力をスプロケットR1に伝達することができる。
一方、スプロケットR1に噛み合うプッシュプルチェーン63が設けられている。プッシュプルチェーン63は、通常のチェーンと異なり、直線状態で押すことができ、引張力及び圧縮力を伝達することができるものである。
そして、プッシュプルチェーン63の一端が、搬送台20に接続されており、スプロケットR1が回転すると、プッシュプルチェーン63が作動して搬送台20を横方向に移動させることができる。
搬送台20を横方向に移動させる場合には、モータM1を所定の方向に回転させて、ロッドL1を介してスプロケットR1を回転させ、さらに、プッシュプルチェーン63により横方向に押し、又は、引くことにより搬送台20を横方向に移動させる。
そして上記したように搬送台20の上下移動台22への固定は、入れ子構造となったスライダーが用いられているので、搬送台20は上下移動台22の端部からさらに右側に張り出した状態となるように移動させることができる。
なおロッドL3は、図12の様に外側ロッド85の内部に内側ロッド86が挿入され、先端部にエンド部材87が取り付けられたものであり、全長が伸縮する。そして、外側ロッド85の内形形状と内側ロッド86の外形形状は角状でほぼ等しく、外側ロッド85と内側ロッド86との間で回転力を伝達することができる。
そして、搬送台20が図13のように上下移動台22の端部から張り出した状態となった時、搬送台20の端部にエンド部材87が当たって内側ロッド86が引き出され、全長が延びる。したがって、スプロケットR4の角孔67にロッドL3の外側ロッド85が挿入した状態を維持することができるので、回転力を搬送台20に伝えることができる。
歯車R3は内側ロッド86に固定されている。また、エンド部材87は、図示しないスライダーに固定され、外側ロッド85の抜け止め部(図示せず)に引っ掛かって外側ロッド85はエンド部材87によって回転可能に保持されている。このエンド部材87は左側に向かって付勢されている。このため、エンド部材87は、外側ロッド85の軸受けとしても機能する。
なお、エンド部材87を外側ロッド85に固定する構造でもよい。
エンド部材87は磁石が取り付けられており、搬送台20が右方向に移動して内側ロッド86が引き出された状態から、搬送台20が左方向に移動する際には、エンド部材87が搬送台20に引っ付いた状態で、搬送台20と共に移動してエンド部材87が移動する。そして、内側ロッド86が退入し、ロッドL3は縮むことができなくなり、エンド部材87と搬送台20とが離れた状態となる。
上記したように、モータM3を用いて上下移動台22を所定の高さに移動させ、モータM1を用いて搬送台20を横方向の所定の位置に移動させることができるので、搬送台20は上下方向及び横方向について、所定の位置に移動させることができる。
本実施の形態では、スプロケットR1の位置は左側にあり、スプロケットR1を回転させて搬送台20を左方向に移動させるとプッシュプルチェーン63に引張力が作用し、右方向に移動させるとプッシュプルチェーン63には圧縮力が作用する。
搬送台20の上の移送手段21は、以下の機構により前後方向に移動することができる。
歯車R2の回転軸は上下方向であり、歯車R3の回転方向は横方向であり、歯車R2と歯車R3とは噛み合って、一方の回転により他方が回転し、回転方向を変えつつ回転力を伝達することができる。
また、歯車R2の回転軸に、六角状の角孔65を有している。そして、角孔65には六角状のロッドL2が挿入されている。ロッドL2は、上下方向に延びるように配置されており、回転可能に保持されている。またロッドL2の上側にはモータM2が設けられ、ロッドL2を回転させることができる。
なお、上下移動台22の移動により角孔65が上下動するが、いずれの場所でもロッドL2の回転力を歯車R2に伝達することができる。
回転力を伝達することができれば、ロッドL2は六角形でなくてもよく、四角形などの他の多角形や略「D」などの円形の一部を切り欠いた形状などでもよい。また、ロッドL2と角孔65の形状は異なっていてもよい。
歯車R3と横方向に延びるロッドL3とは固定されており、歯車R3の回転によりロッドL3が回転する。
一方で、搬送台20には、回転可能に保持されているスプロケットR4が設けられている。スプロケットR4の回転軸は横方向であり、六角状の角孔67を有している。そして、角孔67には六角状のロッドL3が挿入されている。ロッドL3は、横方向に延びるように配置されており、回転可能に保持されている。
そして、移送手段21と接続するプッシュプルチェーン66が、スプロケットR4と噛み合っており、スプロケットR4の回転により、移送手段21が前後方向に移動する。
なお、搬送台20の移動により角孔67が左右に移動するが、いずれの場所でもロッドL3の回転力をスプロケットR4に伝達することができる。
移送手段21を前後方向に移動させる場合には、モータM2を所定の方向に回転させ、ロッドL2を介して歯車R2を回転させ、さらに、歯車R3が回転してロッドL3を介して、スプロケットR4を回転させ、プッシュプルチェーン66を作動させることにより行われる。
図10及び図22、23のように、ロッドL2の下方端には、第1カム130が固着されており、ロッドL2と共に回転可能となっている。第1カムの略上半分はカム形状となっており、一部が凹部130aとなっている。また、略下半分は胴部130cとなっており、カム形状の一部からは下方に向かって突起130bが突設している。第1カム130の下には第2カム131が設けられている。第2カム131の中央には孔131cが空いており、第1カムの胴部130cと回転可能に嵌合している。第2カム131の上下中央部はカム形状となっており、一部に凹部131aがある。また、一部から上方に向かって突起131bが突設している。第1カム及び第2カムはいずれもスイッチ基台134の上に乗っている。
スイッチ基台には、第1スイッチ132及び第2スイッチ133が固定ネジ135にて固定されている。丁度第2スイッチ133の上に第1スイッチ132が乗る形で固定されており、第1スイッチ132のレバー132aと第2スイッチ133のレバー133aのスイッチ基台134からの高さはそれぞれ第1カム130と第2カム131の高さとほぼ同一である。よって、第1カム130の回転に伴い、第1スイッチ132は電気的に通電、非通電の切り替えが行われ、第2カム131の回転に伴い、第2スイッチ133は電気的に通電、非通電の切り替えが行われる関係にある。
搬送手段12は上記のような構成であるので、モータM1、M2、M3を所定の回転方向に、所定の回転数だけ回転させることにより、搬送台20上の移送手段21の位置を所定の位置に移動させることができる。
したがって、搬送手段12の駆動源は、固定されたモータM1、M2、M3のみにより構成されているので、構造を単純化することができる。また、搬送手段12の位置は自動販売機1の前側であるのでメンテナンスしやすい。
次に、自動販売機1の使用方法について説明する。
まず、販売者は、商品収納容器10に販売する商品45を入れて配置する。このとき、上下方向、横方向が同じ位置に、前後方向に複数の商品収納容器10を置くことができる。
ここで、商品45に応じた金額を設定し、図示しない制御部に入力しておく。この設定は、商品棚の位置に応じて、種々の金額を設定することができる。
この販売は、貨幣などの現金以外で販売できるようにしてもよい。例えば、プリペイドカードなどのカードがある。
商品45の購入者は、収容室30の前面側から、商品45を見て商品を選び、貨幣投入部40により貨幣の投入を行い、操作部41により所定の操作を行う。
この貨幣の投入及び操作部41の操作により、図示しない制御部が商品の取り出しを許可するかどうかを判断する。そうして、商品45の取り出しを許可する場合には、搬送手段12により、選択された商品収納容器10を商品通過窓33との間の商品取出空間35に移動させる。
具体的には、搬送手段12のモータM1、M3を作動させ、選択された商品収納容器10の前に搬送台20を移動させる。さらに、モータM2を作動させ、移送手段21を後方に進ませる。移送手段21の搬送台20への固定は、図11に示されるような、入れ子構造なったスライダー44に固定されているので、搬送台20から移送手段21が後側に飛び出したような状態となる。
棚部31により商品収納容器10が上下方向に並べられていて、この間が狭い方がより多くの商品収納容器10を収容室30に入れることができる。従来技術のものでは、この間にコンベアなどを設ける必要があったが、本実施の形態では、移送手段21を前進させることが可能な幅だけを設ければよいので、この間をより狭くすることができ、より多くの商品収納容器10を収容することができる。
選択された商品収納容器10の前に搬送台20を移動させると、図14のような状態となる。なお、図14から図18においては、移送手段21は可動突起26のみを図示し、前側係合部材23は、内側突条58の前後方向に相当する位置の断面部のみを示している。
そして、移送手段21を前進させて、商品収納容器10の底面51の下側に移動させる。移送手段21の幅は、内側突条58の間隔よりもやや短いのでこの間を通過することができる。
移送手段21が内側突条58の間を通過する場合には、可動突起26は後側から押されるので退入し、可動突起26が退入した状態で後側に進む。
移送手段21が内側突条58の間を通過する際に商品収納容器10は後方に押されるが、商品収納容器10の突出部60の切り欠き部60a(後記する)に相当する場所に後退阻止突起37があり、商品収納容器10の後退を阻止する。
そうして、可動突起26が内側突条58の後側の切り欠き部58aに至った位置で、移送手段21を停止させる。これを示したのが図15である。このとき、可動突起26が再び突出した状態となる。
次に、移送手段21の動きを逆転させて前側に移動させる。可動突起26は、前側から押されると退入しないので、突出した状態を維持する。したがって、移送手段21が移動することにより、可動突起26が切り欠き部58aに進入した状態を維持し、引っ掛かるため商品収納容器10が前側に移動する。すなわち商品収納容器10が移送手段21によって引き出される。
このとき、レール部32の後退阻止突起37は、図16に示されるように回転するので、商品収納容器10の前進を妨げることはない。
そして、図17に示されるように、前側係合部材23の切り欠き挿入部23aが、内側突条58の前側の切り欠き部58aに進入し、移送手段21の可動突起26と前側係合部材23の切り欠き挿入部23aとによって、商品収納容器10の内側突条58が挟まれて、移送装置21と商品収納容器10が固定された状態となる。この状態では、商品収納容器10は、移送装置21によって安定した状態で支えられている。
また、この状態では最前部の商品収納容器10はレール部32から離脱した状態となっている。
移送手段21により、一番前側の商品収納容器10が前側に引き出されると、その直後(前から2番目)の商品収納容器10も連結しているので、その移動にあわせて前側に移動し、さらに以降の商品収納容器10も同様に移動する。
次に、搬送台20を上下方向のいずれかの一方に移動させて、移送手段21を上下方向のいずれかの一方に移動させる。図18に示される方法では、搬送台20を下向きに移動させて移送手段21を下に移動させている。なお、この方向は、いずれの方向でもよいが、搬送台20が他の部材に邪魔になりにくい方向が望ましい。
一番前側の商品収納容器10と、この直後の商品収納容器10とは連結部61、62により連結しているだけであるので、上下方向の駆動力は直後の商品収納容器10には伝達されない。したがって、一番前側の商品収納容器10は、この移送手段21の移動に伴って移動するが、直後(前から2番目)の商品収納容器10は移動しない。
このため、一番前側の商品収納容器10と、直後の商品収納容器10の連結が解除された状態となる。
すなわち前側の商品収納容器10がその他の商品収納容器10と切り離され、前側の商品収納容器10が移送手段21に保持され、他の商品収納容器10はレール部32側に残る。
そして、搬送台20を少し前側に移動させ、さらに下方向に動かして最下部に移動させ、右下に設けられた商品通過窓33側付近に移動させる。搬送台20を少し前側に移動させるのは、他の段の商品収納容器10に接触するのを防止するためである。
さらに移送手段21を商品通過窓33側に移動させる。そしてさらに移送手段21を横方向に移動させて張り出し状に延ばし、移送手段21を商品通過窓33から外部に出す。その結果、移送手段21に載せられた商品収納容器10は商品通過窓33を越えて収容室30から出て、取出口42と商品通過窓33との間の商品取出空間35に至る。そして、購入者は取出口42から手を差し入れ、商品45を入手することができる。
なお、この取出口42は、通常、内部の商品45の盗難防止や商品収納容器10の移動による危険防止のため、ロックされて開けることができない状態となっているが、この場合にはロックが解除されて開けることができるようになる。
購入者が商品45を取り終えたことを確認して、移送手段21に載せられた商品収納容器10は商品通過窓33を通過して、再び収容室30側に移動する。
なお本実施の形態では、取出口42と商品通過窓33との間の商品取出空間35に確認棒46が設けられている。そして取出口42が閉じると、搬送台20を一旦上方に移動させ、商品収納容器10の底に確認棒46が当接するか否かを確認する。確認棒46が商品収納容器10の底に当接すれば商品が取り出されたものと判断し、確認棒46が商品収納容器10の底に当接以前に他の物品に触れた場合は、商品が残留しているものと判断して再度商品収納容器10を下げ、取出口42のロックを解除して商品が取り出されるのを待つ。
なお本実施の形態では商品収納容器10を上下して商品の残留を確認したが、確認棒46を上から移動させて、確認棒46が商品収納容器10の底面51まで進入させて、商品45が残っているかを確認する構造も採用可能である。
さらに商品45が残っている状態かどうかの確認は、他のセンサーなどを用いてもよい。
商品が取り出されたことが確認されると、再度商品収納容器10を下げ、さらに移送手段21を横方向に移動させて商品収納容器10を収容室30内に戻す。続いて搬送台20を上昇させ、移送手段21に載せられた空の商品収納容器10を上昇させる。そして搬送台20が収容室30の上端に至ったところで移送手段21を再度右方向に移動させ、収容室30の右上付近に設けられた空箱通過窓34を通過させて収容室30の外に商品収納容器10を出し、空箱収容部15に移動させる。
空箱収容部15は、図1、図4に示されるように、収容室30の右側に設けられ、図19から図21に示されるように、上部にはレール部70を有している。
レール部70は、左右両側に前後方向に延びるように設けられており、上下3段になっている。そして、レール部70の上側2段と下側では、横方向の幅が異なるものである。この幅は、2種類の商品収納容器10の幅に合わせられている。
また、レール部70の幅は、上側の2段が幅が狭く、下側が幅が広い。さらに、上側の2段は左右2カ所にレール部70が設けられている。
そして、空箱収容部15への移動は、移送手段21によって行われる。具体的には、収容室30の上側で移送手段21が張り出すようにして右側に移動して、空箱通過窓34から空箱収容部15内に進入する。
さらに、商品収納容器10を収容する高さの位置で、移送手段21を後ろ向きに進ませる。このとき、商品収納容器10の突出部60がレール部70に載り、レール部70よって支えられるようにする。なお、移送手段21を後ろ向きに移動させると、商品収納容器10と移送手段21との固定が解かれる。
そして、移送手段21により下側に移動させて、可動突起26が内側突条58に引っ掛からないようにして、移送手段21を前側に移動させて、移送手段21を再び収容室30内に移動させる。
空箱収容部15に設けられているレール部70は、図20、図21に示されるように、後側で欠けている欠損部71を有している。そのため、移送手段21の先端で押したり、後から回収された他の商品収納容器10に押されるなどして、商品収納容器10をさらに後方に移動させると、商品収納容器10の突出部60が欠損部71に至る位置で重力により下方へ移動する。
欠損部71は、商品収納容器10の突出部60の位置に合わせて設けられており、具体的には、各レール部70に2カ所ずつ設けられている。
このように、空となった商品収納容器10は、開口50を上側の状態で同じ位置で下方へ移動させることが可能であり、空の商品収納容器10を重ね合わせる状態で収容することができる。また、本実施の形態では、外側突条57及び内側突条58によって底面51や前側面52、後側面53及び横側面55、56同士の密着が阻止できるので、上下方向に重ね合わせたとき、商品収納容器10同士の間に隙間を設けることができる。このため、再度使用する際に、商品収納容器10同士の離脱が容易である。
また、欠損部71の前後方向の位置は、上下3段のレール部70で異なる位置に設けている。したがって、それぞれの種類の商品収納容器10を分けて収容することができる。また、本実施の形態では、2種類の商品収納容器10の内で小さい方のものは、大きい方のものの約半分の幅であるので、横方向に2列に収容するようにして、より多くの空の商品収納容器10を収容することができる。
空箱収容部15では商品収納容器10が自由落下する。そのため、図20、図21に示されるように、落下時に、勢いよく落下することを防ぐ、緩衝部材72が設けられている。この緩衝部材72は、落下の際に商品収納容器10の突起部などに接触するものであり、このときの摩擦によって、ゆっくりと落下させることができる。
また、緩衝部材72の表面に、ゴムなど摩擦力が高い部材を貼り付けるなどにより、確実に摩擦力を付与させることができる。
さらに、この緩衝部材72は、内側に突出した部分を設けた板ばねを用いても良い。この板ばねは、上から押さえられると退入して商品収納容器10が下方へ移動可能となるものである。そして、この板ばねを上下方向の所定の位置に設けて、自由落下の距離を短くして衝撃を軽減することができる。この板ばねの退入は、複数の商品収納容器10が複数重なった時点で落下するようにしてもよい。
緩衝部材72の位置は、2カ所の欠損部71の間であって、上下方向に延びるように設けられている。商品収納容器10が落下するときは、突出部60の切り欠き部60aに緩衝部材72が挿入する状態で落下するので、落下の際に、回転や横方向の移動などが無く確実に同じ方向に積み重ねることができる。すなわち、緩衝部材72によって、上下方向に向かうように誘導することができる。
また、空箱収容部15の底付近の、最初の空の商品収納容器10が着地する場所には、図示しない衝撃吸収部材を設けておき、落下して着地する際の衝撃を吸収して、かかる際の衝撃音や商品収納容器10の破損を防止することができる。この衝撃吸収部材は、板ばねなどを用いることができる。
ここで、移送手段21の後方への進出及び前方への後退について考える。移送手段21は前述のようにモータM2の所定の回転数の駆動力を受け、ロッドL2の回転により前後へ移動するが、移動距離が大きい場合、歯車R2やR3、スプロケットR4等の組み合わせによっては、ロッドL2が1回転以上する構成も想定される。ロッドL2の回転位置の検出を司るのが第1スイッチ132であるが、この第1スイッチ132のみでは、1回転以上する場合の位置検出は不可能となるため、第2スイッチも同時に備えている。以下、その動作を説明する。
図24(a)から図24(f)は、ロッドL2の回転に伴う第1スイッチ及び第2スイッチの動作を説明した部分平面図である。図24(a)のように、購入待機状態では第1スイッチ132のレバー132a及び第2スイッチ133のレバー133aはそれぞれ第1カム130の凹部130a及び第2カム131の凹部131aに嵌る位置にあり、この場合どちらのスイッチも電気的には非通電状態である。このとき、図示しないコントローラは、移送手段21の位置が原点基準位置にあることを認識している。販売指令により、モータM2の回転(図では時計回り)によりロッドL2が回転すると第1カム130が回転するが、第1カム130の突起130bが第2カム131の突起131bよりも回転方向に位置しているため、第2カムは回転しない。第1カム130が回転しだすと同時に第1スイッチ132のレバー132aは第1カムの凹部130aから外れ、押された状態となる。このとき電気的には通電状態である。さらに回転すると、図24(b)の状態となる。第1カム130の突起130bはほぼ1周回転した後、第2カム131の突起131bと当接する。そしてさらに回転すると、図24(c)の状態となる。この状態は第1カム130の凹部130aに第1スイッチ132のレバー132aが再び嵌る瞬間である。第1スイッチ132は非通電状態であるが、第2スイッチ133のレバー133aは第2カム131の凹部131aから外れるため、通電状態となる。ロッドL2がさらに回転し、移送手段21が進出限界に達したとき、図24(d)の状態となる。このとき、第1スイッチ132及び第2スイッチ133は共に通電状態である。
ここから移送手段21の前方への後退に移行する。ロッドL2の回転(図では反時計回り)により第1カム130が回転するが、第1カム130の突起130bは回転方向に位置しているため、第2カム131は回転しない。やがて図24(e)の状態を経て、図24(f)の状態となる。ここで初めて第1カム130の突起130bは第2カム131の突起131bに当接し押していくので、第2カム131は第1カム130の回転に伴って回転する。そして、再び図24(a)の状態となり、第1スイッチ132及び第2スイッチ133が共に非通電となり、図示しないコントローラは原点基準位置を認識する。
尚、本実施の形態では、ロッドL2が1回転以上2回転未満での例を示したが、さらに回転することが想定される場合、第3、第4のカム及びスイッチの同様の組み合わせにより、原点基準位置の検出は可能である。
購入者の購入の際の場面に戻ると、購入者が間違えて商品収納容器10の無い位置を選択した場合には、搬送手段12は、商品収納容器10がある時と同様の動作が行われる。このため、移送手段21だけが取出口42に移動し、購入者は代金を支払ったが、商品を入手できないこととなる。
本実施の形態の自動販売機1では、収容室30の商品通過窓33付近に、商品収納容器10の有無を検知する検知手段(図示せず)が設けられ、この検知手段によって商品収納容器10がないと判断された場合には、購入した代金が返却されるようになっている。したがって、複雑な制御装置を設けることなく、商品45が取り出された場合のみ、代金を受け取ることができる。
そして、上記検知手段によって商品収納容器10がないと判断された場合には、売り切れ表示を行い、以後、商品収納容器10がない場所を購入者が選択できないようにすることができる。
なお、売り切れ表示は、収容室30内のレール部32付近にセンサーを用いて、レール部32上の商品収納容器10の有無を検知することによって行ってもよい。
また、購入により、最前列の商品収納容器10が無くなるが、その後方に位置していた商品収納容器10が前進するので、この前進によって2番目に位置する商品収納容器10が販売可能となる。したがって、収容室30の商品収納容器10に収納されている全ての商品45を販売することができる。そして、従来技術のような、各列ごとに設けることが必要であるコンベヤなどの搬送装置を設ける必要が無く、1つの搬送手段12によって行うことができる。
商品収納容器10に入れる商品45は、どのようなものでもよく、複数の種類のものを1つの商品収納容器10に入れてもよい。また、従来の自動販売機では袋状のものは、変形しやすく、袋の耳の部分が引っかかるなどして、販売の信頼性に欠けるものであったが、本実施の形態の自動販売機1では、商品45が商品収納容器10以外の部分に触れることなく販売することができるので、信頼性が高い。
さらに、本実施の形態の自動販売機1では、従来技術の自動販売機のように、販売された商品45を自由落下させることがないので、壊れやすい商品45であっても販売することができる。また、商品45の形状は、商品収納容器10に入れることができれば、どのような形状でもよいので、販売者は売れ行きに対応して商品45を変更することができる。
以上のように本実施の形態においては、搬送手段の駆動軸に連動し回転する第1カムと、第1カムの動きに伴い通電、非通電を行う第1スイッチと、第1カムの回転に伴い回転する第2カムと、第2カムの動きに伴い通電、非通電を行う第2スイッチを備えたので、駆動軸が1回転以上する往復機構の原点基準位置検出を比較的簡単な構成で実現することができる。
(実施の形態2)
図25は、本発明の実施の形態2における構成を説明する部分斜視図である。
図25において、131dは第2カム131のカム部から下方に向かって突設された下方突起である。136はスイッチ基台134に固着された第2カムストッパーである。137は第1スイッチ132及び第2スイッチ133に密接するように、スイッチ基台134から突設されたスイッチ保持部材である。
以上のように構成された自動販売機について、以下その動作、作用を説明する。
実施の形態1において、第1カム130の胴部130cと第2カム131の孔131cとの嵌合において異物等の混入等により円滑に摺動していない場合、原点基準位置に戻す際、第1カム130の突起130bが第2カム131の突起131bに当たる前に第2カム131が回転し、原点基準位置を通り過ぎ、第2スイッチ133が不意に通電となってしまう場合が想定される。こうなれば、コントローラは正しく原点基準を認識することができない。ここで、第2カムストッパーは丁度第2カム131が原点基準位置にある状態で、第2カム131の下方突起131dと当接する位置にあり、第2カム131の原点基準位置より後退方向(図では反時計方向)への回転を制限する。
第1スイッチ132と第2スイッチ133は構造を簡単にするため、同一の固定ネジで固定する。この場合、特に第1スイッチ132はスイッチ基台134から遠いため、固定が不安定になり、不意に第1カム130から離れて、第1カム130の凹部130aから外れているにもかかわらず、非通電となることが想定される。ここで、スイッチ保持部材137は特に第1スイッチ132が第1カム130から離れようとしても密接して保持する。
以上のように本実施の形態では、第2カム131に下方突起131dを設け、第2カム131が原点位置に戻ったとき第2カム131の下方突起131dに当設するストッパー136を備えたので、第2カム131が不意に周りすぎることによる原点基準位置の誤検知を防ぐことができる。
また、第1カム130と第1スイッチ132及び、第2カム131と第2スイッチ133とがお互の距離を一定にするようにスイッチ保持部材137を備えたので、特に第1スイッチ132がスイッチ基台134から遠いことで固定が不安定となり、第1カム130との距離が離れスイッチが誤検知してしまうことを防止することができる。