JP2008052156A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気記録材料を用いた磁気記録ドラムを使用することなく、磁性トナーを用いて磁気的に画像形成を行う画像形成装置を提供する。
【解決手段】保磁力を持たない無端ベルト状のトナー像搬送体は、テンションローラ25と定着ローラ26との間で水平に支持されて循環する。マグネットロール22は、磁力によって表面に穂立ちさせた磁性トナーの先端をトナー像搬送体24に接触させて回転し、担持した磁性トナーをトナー像搬送体24と同一方向に移動させる。磁気ヘッドアレイ21は、トナー像搬送体24を挟んでマグネットロール22と対向する。磁気ヘッドアレイ21は、トナー像搬送体24を横断する副走査線に沿って多数の励磁コイル32を配列している。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気によって吸着される磁性トナーを用いて磁気的に画像を形成する画像形成装置に関する。
プリンタや複写機における一般的な画像形成方式は、光半導体表面層を形成した像担持体に光書き込みして電子潜像を形成し、静電気的にトナーを付着してトナー像を形成する静電写真方式である。しかし、磁気によって吸着される磁性トナーを用いて磁気的にトナー像を形成する磁気記録方式の画像形成装置も古くから種々提案されている。磁気記録方式は、静電写真方式に比較して、装置の小型化、画質の安定化、省エネ化に優れているからである。
磁気記録材料を表面に有して回転する磁気記録ドラムを用いた磁気記録方式の画像形成装置が記載されている(例えば、特許文献1、2)。
図4は、特許文献1に示される従来例としての画像形成装置の構成の説明図である。特許文献1では、図4に示すように、リング型の磁気ヘッド3を用いて磁気記録ドラム1の表面に磁気潜像を形成し、磁気ヘッド3の下流側に配置された現像装置4が磁気潜像に磁性トナーを吸着させてトナー像を形成している。磁気記録ドラムの表面に形成されたトナー像は、磁気記録ドラム1の表面で帯電された後に、転写部(高電圧印加ローラ5)において記録材へ静電気的に転写される。
特許文献2では、磁気記録ドラムを横断する方向に走査される1個の磁気ヘッドを用いて磁気潜像の主走査線を形成し、磁気記録ドラムの回転による副走査と組み合わせて面状の磁気潜像を形成している。現像装置が磁気潜像に磁性トナーを付着して形成されたトナー像は、現像装置の下流側に配置された転写部(永久磁石ローラ)において磁気的に記録材へ転写される。トナー像を転写された記録材は、加圧ローラのニップで加圧を受けて表面にトナー像が加圧定着される。
特公昭50−40622号 特公昭57−46795号
特許文献1に示される画像形成装置では、磁気記録材料を用いた磁気記録ドラムが必要である。磁気記録ドラムの表面は、書き込まれた磁気潜像の磁力で画素ごとのトナーを保持しているので、転写部では、磁気潜像に打ち勝つ強い電界を記録材越しに作用させる必要がある。静電気的な転写では、逆極性に帯電したトナーが転写されないため転写効率が低くなる。
特許文献2に示される画像形成装置もまた、磁気記録材料を用いた磁気記録ドラムが必要である。磁気記録ドラムを中心にして、消磁装置、磁気書き込み装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置を配置すると、静電写真方式と変わらない部品点数、機構体積となってしまい、画像形成装置を十分に小型化することができない。一般的な磁気記録材料の消磁(磁気潜像の消去)には時間がかかるため、瞬時に充電される静電潜像の場合に比較してプロセススピードが低くなる。
本発明は、磁気記録材料を用いた磁気記録ドラムを使用することなく、磁性トナーを用いて磁気的に画像形成を行う画像形成装置を提供することを目的としている。
本発明は、画像情報に基いて磁界を発生する磁界発生手段と、非磁性体もしくは弱磁性体からなり前記磁界発生手段からの磁界に基いて形成される磁性トナー像を担持する像担持体とを有する。そして、前記像担持体を挟んで前記磁界発生手段に対向配置され、前記磁界発生手段から発生した磁界により前記像担持体表面に向けて磁性トナーを供給するトナー供給手段と、前記像担持体に形成された磁性トナー像を記録材に転写する転写手段とを有する。
本発明の画像形成装置では、磁界発生手段から出力された磁界が、対向するトナー供給手段から磁性トナーを引き付けて像担持体の表面に直接吸着させることにより磁性トナー像が形成される。像担持体に磁気潜像を形成(保持)することなく、また、磁気記録材料への磁気記録プロセスを経由することなく、磁気保持能力の無い(またはほとんど無い)像担持体の表面に磁性トナー像を直接形成する。このため、像担持体の表面から磁気潜像を消去するための消磁装置が不要である。磁気潜像を消去する工程自体が無いので、磁気記録材料の消磁性能がプロセススピードに影響を及ぼすことも無い。
以下、本発明の実施形態である画像形成装置100について、図面を参照して詳細に説明する。本発明の画像形成装置は、以下に説明する実施形態の限定的な構成には限定されない。磁気潜像を経由することなく、磁気ヘッドが現像装置から磁性トナーを引き付けてトナー像を直接形成する限りにおいて、各実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実現可能である。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態の画像形成装置の構成の説明図、図2は磁気ヘッドアレイの構成の説明図、図3はトナー像搬送体の構成の説明図である。
図1に示すように、第1実施形態の画像形成装置100では、磁気ヘッドアレイ21と現像装置23とが、磁気保持力を持たないトナー像搬送体24の上面にトナー像を直接形成する。トナー像搬送体24の上面に形成されたトナー像は、記録材28と重ねて定着ローラ26と加圧ローラ27とのニップを通過する過程で、記録材28の下面に転写同時定着される。
トナー像搬送体24は、厚み30μmの薄い無端ベルト状に形成され、テンションローラ25、定着ローラ26、駆動ローラ37、従動ローラ35に掛け回して支持される。トナー像搬送体24は、駆動ローラ37に駆動されて矢印方向に張力を保って循環する。テンションローラ25と定着ローラ26との間には、画像形成を担う水平部分が設定されている。
トナー像搬送体24の水平部分の外側に現像装置23が配置される。現像装置23は、永久磁石を内蔵したマグネットロール22をトナー像搬送体24から距離を隔てて配置している。マグネットロール22は、ステンレス、アルミニウム等、中空の筒状金属の内部にロール状の永久磁石部材を内包させたものが考えられる。マグネットロール22は、磁力によって表面に穂立ちさせた磁性トナーの先端部分をトナー像搬送体24の表面に接触させて回転し、担持した磁性トナーをトナー像搬送体24と同一方向に相対速度を持たせて移動させる。
トナー像搬送体24の水平部分の内側に配置された磁気ヘッドアレイ21は、トナー像搬送体24を挟んでマグネットロール22と対向する。磁気ヘッドアレイ21は、トナー像搬送体24を横断する主走査線に沿って、画素ごとの励磁コイル32を多数配列している。
図2に示すように、磁気ヘッドアレイ21は、コイルケース33の内側に多数の励磁コイル32を配列して樹脂で一体に固定している。コイルケース33は、励磁コイル32で作られた画素ごとの磁界に影響を与えない金属の板等で作られている。例えば金属であればアルミニウム、ステンレス等で作成可能である。また、コイルケース33の上面は、トナー像搬送体(24:図1)と摺擦するので、トナー像搬送体24の内面を保護する目的で摺擦シート31を貼ってある。摺擦シート31は、例えばポリイミドPIのシート表面にPTFEまたはPFAのコート層を設けたシート材料である。
励磁コイル32は、トナー像搬送体24を横断する主走査線上の画素ごとにトナー像を作るための極めて小さなコイル部材である。例えば600dpiのトナー像を作るためには、励磁コイル32は、約42μm間隔で配置する必要がある。励磁コイル32の間隔は、作りたいトナー像の解像度によって決まる。励磁コイル32自体の直径は、隣の励磁コイル32が作る磁界に影響を与えないようにすることが好ましく、具体的には、隣接する励磁コイル32の間隔の50〜80%にすると良い。励磁コイル32の材料としては、一般的に電磁石を作る際に用いられる銅線に絶縁被覆を施した材料が考えられる。
また、小さい径の励磁コイル32を作るために、カーボンナノコイルを利用することも考えられる。カーボンナノコイルは、蜂の巣状に並んだ炭素原子がパイプのように丸まった物質であるカーボンナノチューブがらせん状の形をとることで形成される。カーボンナノチューブは、例えば特開平11−124740号公報に記載の方法により、カーボンナノチューブを、規則正しく巻かれたコイル状に作成して、カーボンナノコイルにすることが可能である。
特開平11−124740号公報に記載されるカーボンナノコイル製造方法は、化学気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposition)に属する。ここには、遷移金属よりなる触媒を設けた基板上に、5b族化合物または6b族化合物よりなる不純物ガスと炭素原料ガスとを、600〜900度Cの温度下において、反応領域に静磁場を与えながら熱分解させて製造する方法が記載されている。
カーボンナノコイルは、その大きさとしては、例えば平均コイル径が約5μm、コイルピッチが0.2μm、コイル長さが4mmなど、ミクロン単位のものの作成が可能である。そして、電子材料としては、良導体にも半導体にもなることができるが、それはカーボンナノコイルを形成するカーボンナノチューブの径とねじれ具合とで決めることが可能である。
静電写真方式の画像形成装置で用いられるLEDアレイヘッドの場合と同様に、多数の励磁コイル32は、複数にグループ分けしてそれぞれの電流制御回路(ドライバ)41に接続される。複数の電流制御回路41は、画像情報伝達装置42に接続されている。画像形成装置100の入力装置(画像読取装置43)から入力された画像データは、画像情報伝達装置42で走査線信号に展開されて画素ごとの濃度値に変換され、それぞれの励磁コイル32に電流を流すか流さないかが決められる。励磁コイル32に電流を流す時間は、トナー像搬送体24の循環速度に合わせて決められる。画像情報伝達装置42は、複数の電流制御回路41を通じて多数の励磁コイル32のそれぞれに必要な電流を流す。
励磁コイル32の巻き数、長さ等は、トナー像搬送体24を透過した最大表面磁束密度が300〜1100ガウスになる様に調整すると、高品位な画像が得られる。逆に300ガウスを切ると、十分な画像濃度が得られず、逆に1100ガウスを越えると、トナーが必要のない白地部にもトナーが載り易くなり、画像の質が落ちてしまう。
また、このとき、図1に示す現像装置23におけるトナー保持用のマグネットロール22の最大表面磁束密度も300〜1100ガウスの間で設定するとよい。このような磁束密度の設定において、トナーの残留磁化は3emu/g以上であると良好な画像が得られる。3emu/g以下であると、磁性トナーが現像されづらく、画像の濃度薄不良が発生する可能性が高まる。
なお、隣の励磁コイル32で作られる磁界の影響を遮断するために、励磁コイル32と励磁コイル32との間に鉄やニッケルのような強磁性体の板を挿入することも可能である。複数の励磁コイル32の一つ一つが、強磁性体で仕切られていてもよい。励磁コイル32の中心に高透磁率、低保磁力の磁性材料で形成したコア材を配置して励磁コイル32の磁束密度を高めてもよい。
第1実施形態の画像形成装置100における励磁コイル32は、トナー像搬送体24を貫通する方向の磁束を発生して前記表面に対して磁性トナーを垂直方向に吸着する。励磁コイル32は、トナー像搬送体24の表面と並行な磁束を発生するリングヘッドに置き換えてもよい。励磁コイル(リングヘッド)を画素ごとに設けて多数配列する代わりに、特許文献2に示されるように、1個の励磁コイル(リングヘッド)を主走査線方向に走査させてもよい。走査移動の過程でパルス駆動させることにより個別の画素濃度を書き込むことができる。
図3に示すように、トナー像搬送体24の基層(ベースフィルム)51は、耐熱性樹脂で形成されたフィルム材料である。耐熱性樹脂としては、例えば、ポリエステル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)がある。また、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂でもよい。アルミニウム、ニッケル等の金属シートも利用できる。これらとセラミックス、金属、ガラス等の複合材料を使用することもできる。
ここで、本実施形態の構成で、トナー像搬送体24の材質を非磁性体、もしくは弱磁性体にすることで、トナー像搬送体24を消磁するためのヘッドを不要にすることができる。
ここで、本発明でいう弱磁性体とは、磁気ヘッドから生じた画像形成のため磁界を取り除いたとき、残留磁化が1×10−2(A/m)以下となるような磁性体のことをいう。残留磁化がこの値以上であると、トナー像搬送体24の残留磁化による画像不良が生じるため、別途、消磁するための消磁ヘッドが必要となってしまう。
基層51に接合された高離型層52は、例えば5μm厚の耐熱性を有する塗布層、貼着層、被覆層等で構成され、例えば基層51と同様のPET、PFA、PTFE等のフッ素樹脂や、フッ素ゴム、シリコン樹脂や、シリコンゴムが用いられる。
磁性トナーには、磁性体が含まれる。磁性トナーに含まれる磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化鉄が用いられる。この他、リチウム、ベリリウム、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ゲルマニウム、砒素、セレン、ストロンチウム、バリウム、ジルコニウム、モリブデン、タングステン、パラジウム、銀、ガリウム、インジウム、錫、鉛、アンチモン、ビスマス等の元素を含む磁性金属酸化物やこれら元素を含む磁性酸化鉄が用いられる。好ましくはマグネタイトが用いられ、鉄以外の前述したような元素を同時に含有しているものも用いられる。
以上のように構成された画像形成装置100は、トナー像搬送体24を用いた以下の工程によって画像形成を行う。
(1)トナー像形成工程(現像工程):磁気出力手段である磁気ヘッドアレイ21の励磁コイル32に、図示しない画像読取装置からの情報に基いて定めた画素濃度に応じた電流を流す。これにより、励磁コイル32直上に位置するトナー像搬送体24上面のトナー像形成部29に磁極点が形成されて磁性トナーを吸着し、画素のトナー像が形成される。トナー像搬送体24の循環に伴って副走査線に沿った画素列のトナー像が次々に形成される。
従って、磁極点(敢えて言えば磁気潜像)の形成と並行して、現像工程が進行する。現像装置23の回転可能なマグネットロール22の磁界により磁性トナーを穂立ち状態に形成する。現像装置23内のドクターブレード等で磁性トナーの穂立ちを適切な高さに規制して、マグネットロール22の表面に薄層コートさせる。マグネットロール22に対向する位置のトナー像搬送体24上のトナー像形成部29に、磁気力によって磁性トナーが付着してトナー像が現像される。
(2)転写同時定着工程:トナー像搬送体24の上面に形成されたトナー像の上に、紙等の記録材28を静かに重ねて、熱源の含まれた定着ローラ26と加圧ローラ27とのニップに挟持させる。この状態で搬送することで、磁性トナーを記録材28の表面組織に融着させて転写同時定着する。これにより、ハードコピーである印刷物を得る。
上記(1)、(2)の他に消磁工程は無い。トナー像搬送体24には保磁力を伴った磁気潜像は形成されないので、消磁する必要が無いからである。トナー像搬送体24の厚みを透過した励磁コイル32の磁束がトナー像搬送体24の表面に磁極を形成して、磁性トナーを吸着して、磁気潜像と等しい効果を奏するからである。
第1実施形態の画像形成装置100は、画像情報に基いて磁界を発生する励磁コイル32と、非磁性体もしくは弱磁性体からなり励磁コイル32からの磁界に基いて形成されるトナー像を担持するトナー像搬送体24とを有する。そして、トナー像搬送体24を挟んで励磁コイル32に対向配置され、励磁コイル32から発生した磁界によりトナー像搬送体24表面に向けて磁性トナーを供給するマグネットロール22を有する。さらに、トナー像搬送体24に形成されたトナー像を記録材に転写する定着ローラ26、加圧ローラ27を有する。
そして、トナー像搬送体24には磁力(磁気潜像)を保持する能力が無いので、現像されたトナー像は、トナー像搬送体24の上面に来るように配置がなされている。トナーは重力でトナー像担持体に載置されているに過ぎないので、急な傾斜や振動から保護する必要があるからである。
従って、トナー像搬送体24上におけるトナー像の保持性を向上させるために、画像が乱れない程度にトナー像搬送体24の表面を荒らしたりすることも可能である。
なお、第1実施形態においては、画質向上の目的で、転写工程と定着工程とを同時に行う例を示したが、特許文献1に示されるように、転写工程と定着工程を分離して順番に行うことも可能である。
実際に上記の設定で、プリントを行うと、長期にわたり、良好な画像を得ることが出来た。
第1実施形態の画像形成装置100は、トナー像搬送体24に形成したトナー像を記録材28に転写するが、従来の画像形成装置200のように記録材に直接トナー像を形成してもよい。そのような画像形成装置は、トナー像搬送体24の代わりに記録材を搬送する搬送体にて記録材28を搬送させる。すなわち、搬送される記録材28の上面に配置されて記録材28の表面に磁性トナーを供給するマグネットロール22と、記録材28を挟んでマグネットロール22に対向し、記録材28を厚み方向に貫通する画素ごとの濃度に応じた磁力を出力して磁性トナーを前記表面に吸着させる励磁コイル32と、励磁コイル32が記録材28に形成したトナー像を定着させる定着装置とを備える。あるいは、画像情報に基いて磁界を発生する励磁コイル32と、記録材28を搬送する記録材搬送ベルト等と、前記記録材搬送ベルト等を挟んで励磁コイル32に対向配置され、励磁コイル32から発生する磁界により前記記録材搬送ベルト等により搬送される記録材28上に磁性トナーを供給するマグネットロール22とを有する。
しかし、記録材28にトナー像を直接形成する場合、記録材28の厚みによって記録材28の表面に形成される画素(磁極、磁気潜像)の大きさと磁束密度とが変化してしまうため、記録材28によって画像品質が変化してしまう。通常の厚さが100μm前後の紙では、厚みが厚すぎて磁束が広がり、隣の画素領域にまで磁性トナーが吸着されてしまうし、記録材28の表面性状や起伏状態がトナー像の保持に適しない場合もある。
また、張力を付与された無端ベルトに比較してシート状の記録材28では、カールや振動を除去しにくいため、形成されたトナー像が搬送中に撹乱される可能性が高くなる。
従って、トナー像の保持に最適化した厚みと表面性状とを持たせ、振動やカールを除去して走行を安定させたトナー像搬送体24を採用した第1実施形態の画像形成装置100は、記録材28に直接転写する方式に比較して高品質で安定した画像出力が可能である。
また、第1実施形態では、トナー像搬送体24を挟んで現像装置23と磁気ヘッドアレイ21とを一対配置して単色のトナー像を形成する画像形成装置を説明した。しかし、現像装置と磁気ヘッドアレイとをトナー色を異ならせて複数組タンデム配列し、混色による多色の画像形成を行わせてもよい。
また、第1実施形態では、現像装置23と磁気ヘッドアレイ21との間隔にトナー像搬送体24を循環させてトナー像搬送体24にトナー像を形成した。しかし、現像装置と磁気ヘッドアレイとの間隔に記録材を通過させて記録材に直接トナー像を形成してもよい。
また、静電潜像方式の画像形成装置と同様に、本実施形態の磁気記録方式の画像形成装置は、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途の画像形成装置として実現できる。
第1実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。 磁気ヘッドアレイの構成の説明図である。 トナー像搬送体の構成の説明図である。 従来例としての画像形成装置の構成の説明図である。
符号の説明
21 磁気ヘッドアレイ
22 トナー供給手段(マグネットロール)
23 現像装置
24 像担持体(トナー像搬送体)
25、35、37 ローラ部材(テンションローラ、従動ローラ、駆動ローラ)
26、27 転写手段(定着ローラ、加圧ローラ)
28 記録材
29 トナー像形成部
32 磁界発生手段(励磁コイル)
100 画像形成装置

Claims (10)

  1. 画像情報に基いて磁界を発生する磁界発生手段と、
    非磁性体もしくは弱磁性体からなり前記磁界発生手段からの磁界に基いて形成される磁性トナー像を担持する像担持体と、
    前記像担持体を挟んで前記磁界発生手段に対向配置され、前記磁界発生手段から発生した磁界により前記像担持体表面に向けて磁性トナーを供給するトナー供給手段と、
    前記像担持体に形成された磁性トナー像を記録材に転写する転写手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記像担持体は、複数のローラ部材に支持されて循環する無端ベルトであって、
    前記無端ベルトの上面に前記トナー供給手段を配置し、
    前記無端ベルトの内側に前記磁界発生手段を配置したことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記トナー供給手段は、前記磁性トナーを磁気的に保持して前記磁界発生手段と対向する位置に循環させるマグネットロール部材を有することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 前記転写手段は、前記像担持体と記録材とを重ねて加熱加圧することにより転写同時定着する加熱ローラ部材を有することを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の画像形成装置。
  5. 前記トナー供給手段と前記加熱ローラ部材との間で前記像担持体の上面が水平に設定されていることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  6. 前記磁界発生手段は、前記像担持体を貫通する方向の磁束を発生して前記表面に対して前記磁性トナーを垂直方向に吸着することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の画像形成装置。
  7. 前記磁界発生手段は、前記像担持体を横断する方向に多数の励磁コイルを画素ピッチで配列させた磁気ヘッドアレイであることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
  8. 前記励磁コイルがカーボンナノコイルで作られていることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
  9. 前記励磁コイルの一つ一つが、強磁性体で仕切られていることを特徴とする請求項6または7記載の画像形成装置。
  10. 画像情報に基いて磁界を発生する磁界発生手段と、記録材を搬送する搬送体と、前記搬送体を挟んで前記磁界発生手段に対向配置され、前記磁界発生手段から発生する磁界により前記搬送体により搬送される記録材上に磁性トナーを供給するトナー供給手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
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