JP2008051526A - 時刻修正装置、時刻修正装置付き計時装置及び時刻修正方法 - Google Patents

時刻修正装置、時刻修正装置付き計時装置及び時刻修正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】超低電力が要求されるときでも、消費電力が大きくならず、且つ、高精度な時刻修正が可能な時刻修正装置等を提供すること。
【解決手段】受信部24と、電源部27と、表示時刻情報修正部37と、を有し、受信部が受信した信号の符号信号情報は、フレーム情報(S)毎に受信する構成となり、フレーム情報のフレームタイミング情報(Sa1)と、受信部の受信部タイミング情報(Ba1)と差分タイミング情報59aを生成する差分タイミング情報生成部39を有し、差分タイミング情報は、複数の差分タイミング情報57a、58aとなっており、これら複数の差分タイミング情報の差分タイミング変化情報59aを生成する差分タイミング変化情報生成部61を備え、表示時刻情報修正部36が差分タイミング変化情報に基づいて、表示時刻情報25を修正する時刻修正装置10。
【選択図】図10

Description

本発明は、例えばCDMA(Code Division Multiple Access、符号分割多重接続)方式の携帯電話通信網で基地局から発信される信号に含まれる時刻情報に基づいて時刻修正を行う時刻修正装置、時刻修正装置付き計時装置及び時刻修正方法に関するものである。
現在、CDMA方式の携帯電話通信網で基地局から携帯電話機に対して発信される信号には、時刻情報が含まれ、この時刻情報は、GPS(Global Positioning System)衛星の原子時計に基づくGPS時刻に合致した極めて精度の高い時刻情報となっている。
したがって、このCDMA方式の携帯電話通信網で基地局から送信されるGPS時刻データを端末が取得し、このGPS時刻データを用いて内蔵時計の時刻データを補正しようとする提案がなされている(例えば、特許文献1)。
特開2000−321383号公報(要約等)
しかし、CDMA方式の携帯電話通信網で基地局から送信される時刻データは、例えば、シンクチャネルメッセージ内に様々データとして格納されており、時刻修正をするには、このシンクチャネルメッセージ内の時刻に関するデータを全て取得する必要がある。
このようにシンクチャネルメッセージ内の時刻に関するデータを全て取得するためには、例えば、10秒程度の間、基地局から信号を受信する必要があり、消費電力が大となってしまう。そのため、時計等の超低電力が求められる機器では、時刻修正する間隔を一定時間、例えば、12時間程度あける必要があった。
通常、時計等の場合は、12時間で±250ms(ミリ秒)(月差で±15秒)程度の時刻誤差が生じ、これでは時計等の精度高く維持できないという問題があった。
そこで、本発明は、超低電力が要求されるときでも、消費電力が大きくならず、且つ、高精度な時刻修正が可能な時刻修正装置、時刻修正装置付き計時装置及び時刻修正方法を提供することを目的とする。
前記課題は、本発明によれば、基地局からの信号を受信する受信部と、前記受信部が通信を行うための電力を供給する電源部と、時刻表示部の表示時刻情報を修正する表示時刻情報修正部と、を有する時刻修正装置であって、前記受信部が受信した前記信号には、符号信号情報が含まれており、前記符号信号情報は、フレーム情報を有し、前記受信部は、前記符号信号情報を前記フレーム情報毎に受信する構成となっており、前記フレーム情報の特定部分のタイミング情報であるフレームタイミング情報と、前記フレーム情報の特定部分を受信するために受信部が動作する受信部タイミング情報との差分情報である差分タイミング情報を生成する差分タイミング情報生成部を有し、前記差分タイミング情報は、その取得時間が異なる複数の前記差分タイミング情報となっており、これら複数の差分タイミング情報の変化情報である差分タイミング変化情報を生成する差分タイミング変化情報生成部を備え、前記表示時刻情報修正部が前記差分タイミング変化情報に基づいて、前記表示時刻情報を修正する構成となっていることを特徴とする時刻修正装置により達成される。
前記構成によれば、受信部が受信した信号には、符号信号情報が含まれており、符号信号情報は、フレーム情報を有し、受信部は、符号信号情報をフレーム情報毎に受信する構成となっている。
つまり、受信部は、例えば、詳細な時刻情報を受信することなく、フレーム情報毎の符号信号情報を受信するだけで良いので、極めて短時間の信号受信で足りることとなる。
したがって、消費電力が極めて小さい時刻修正装置となっている。
また、このように、消費電力が極めて小さいため、従来の時刻修正装置のように、時刻修正間隔を例えば、12時間程度と長くする必要がなく、極めて短時間、例えば10秒等程度で時刻修正を行うことができる。
したがって、時刻修正をより頻繁にできるので、時計等の表示時刻情報を常に精度良く維持させることができる。
また、前記構成によれば、フレーム情報の特定部分のタイミング情報であるフレームタイミング情報と、フレーム情報の特定部分を受信するために受信部が動作する受信部タイミング情報との差分情報である差分タイミング情報を生成する差分タイミング情報生成部を有し、差分タイミング情報は、その取得時間が異なる複数の前記差分タイミング情報となっており、これら複数の差分タイミング情報の変化情報である差分タイミング変化情報を生成する差分タイミング変化情報生成部を備え、前記表示時刻情報修正部が前記差分タイミング変化情報に基づいて、前記表示時刻情報を修正する構成となっている。
このように、フレームタイミング情報と受信部タイミング情報との差分タイミング情報という極めて精度の高い情報に基づいて表示時刻情報を修正するので、正確に時刻修正を行うことができる。
好ましくは、前記基地局から送信される複数の前記フレーム情報のうち、少なくとも一部のフレーム情報の前記特定部分は、GPS(Global Positioning System)時刻情報と対応したGPS基準フレーム部分情報となっており、前記差分タイミング情報が、前記GPS基準フレーム部分情報と、これに対応する前記受信部タイミング情報との差分タイミング情報であることを特徴とする時刻修正装置である。
前記構成によれば、基地局から送信される複数のフレーム情報のうち、少なくとも一部のフレーム情報の特定部分は、GPS時刻情報と対応したGPS基準フレーム部分情報となっており、差分タイミング情報が、GPS基準フレーム部分情報と、これに対応する受信部タイミング情報との差分タイミング情報である。
このため、差分タイミング情報は、原子時計等に基づく極めて精度の高いGPS時刻との差分タイミング情報なので、より精度が高い時刻修正をすることができる。
好ましくは、前記差分タイミング情報は、前記受信部が前記基地局の発信する時刻情報を含むメッセージデータを受信した際に取得する基本差分タイミング情報と、前記受信部が、前記メッセージデータを取得した後に取得する比較差分タイミング情報と、を有し、
前記差分タイミング変化情報が、前記基本差分タイミング情報と前記比較差分タイミング情報の変化情報であることを特徴とする時刻修正装置である。
前記構成によれば、差分タイミング情報は、受信部が基地局の発信する時刻情報を含むメッセージデータを受信した際に取得する基本差分タイミング情報と、受信部が、メッセージデータを取得した後に取得する比較差分タイミング情報と、を有し、差分タイミング変化情報が、基本差分タイミング情報と比較差分タイミング情報の変化情報となっている。
このため、受信部が基地局の発信する時刻情報を含むメッセージデータを受信して時刻修正を行った際の基本差分タイミング情報を基準として、その後の微調整を比較差分タイミング情報に基づいて行うことができるので、より効率的な時刻修正が可能となる。
好ましくは、前記時刻情報は、前記受信部が受信する時刻である受信時刻情報から所定時間経過後の未来時刻情報となっており、前記未来時刻情報と前記受信時刻情報との差分時間情報を格納する差分時間情報格納部と、少なくとも、前記受信部が受信した前記未来時刻情報と前記差分時間情報に基づいて前記受信部の受信時刻情報を生成する受信時刻情報生成部と、前記受信時刻情生成部で生成された前記受信時刻情報と、少なくとも、時刻修正装置の処理時間情報に基づき、前記表示時刻情報修正部の修正用の修正時刻情報を生成する修正時刻情報生成部と、を有することを特徴とする時刻修正装置である。
前記構成によれば、差分タイミング情報を生成する前に、時刻修正装置の受信部が受信する時刻情報は、受信部が受信する時刻である受信時刻情報から所定時間経過後の未来時刻情報となっている。また、時刻修正装置は、この受信時刻情報と未来時刻情報との差分時間情報を有している。
また、時刻修正装置は、この未来時刻情報と差分時間情報に基づき受信時刻情報を生成する受信時刻情報生成部を有している。
このため、この受信時刻情報生成部によって、時刻修正装置が受信した受信時刻情報を正確に取得することができる。
したがって、前記構成では、従来のように基地局から受信した未来時間について、当該未来時刻となるまで、受信部が信号を受信し続けなくても、正確な時刻情報を取得できる。このため、時刻修正装置の受信部は、未来時刻情報を取得した後、信号を受信し続ける必要がなく、受信部が信号を受信しない状態とすることができる。
以上から、従来と比べ、信号を受信する時間を大幅に減らすことができ、消費電力を大幅に少なくすることができる。つまり、前記構成では、超低電力が求められる機器等にも対応可能な時刻修正装置となる。
ところで、上述の受信時刻情報で時刻修正装置の表示時刻情報修正部が時刻情報表示部を修正すると、この受信時刻情報を算出等するために同装置が動作等した時間だけ時刻が相違することになる。
時刻修正装置は、修正時刻情報生成部が、少なくとも、上述の受信時刻情報と処理時間情報に基づいて、修正時刻情報を生成する構成を有している。
すなわち、前記構成の時刻修正装置は、同装置内で、かかる受信時刻情報生成部が動作等する時間である処理時間情報を有し、この処理時間情報に基づき、最終的に時刻情報表示部を修正することで、極めて精度の高い時刻修正を可能としている。
好ましくは前記受信部が受信する前記時刻情報は、少なくとも、GPS衛星のGPS時刻情報、前記基地局から発信される信号の基地局誤差時間情報、前記GPS時刻情報を世界協定時(UTC)に換算するUTC換算情報及び地域時間に換算する地域時間換算情報を有し、前記受信時刻情報生成部は、少なくとも、前記GPS時刻情報、前記UTC換算情報、前記地域時間換算情報、前記基地局誤差時間情報及び前記差分情報に基づいて前記受信時刻情報を生成する構成となっていることを特徴とする時刻修正装置である。
前記構成によれば、時刻情報は、GPS時刻情報を有している。これは地球の上空を周回するGPS衛星内の原子時計のデータであり、極めて正確な時間情報である。また、時刻情報は、基地局誤差時間情報を有している。この基地局誤差時間情報は、信号の受信側がどの基地局からの信号を受信したかを識別するため、時刻を違えて信号を送信している情報であり、例えば、64チップ(0.052ms)単位ずつ時刻を違えて送信している。受信側はこの時刻誤差を把握することで、基地局を特定することができることなる。
したがって、時刻修正装置は、GPS時刻情報と、基地局誤差時間情報で、誤差がないより正確な実際の受信時刻情報等を取得することが可能な構成となっている。
また、時刻情報は、GPS時刻情報を世界協定時に換算するUTC換算情報や地域時間に換算する地域時間換算情報を有し、受信時刻情報生成部は、少なくとも、GPS時刻情報、UTC換算情報、地域時間換算情報、基地局誤差時間情報及び差分情報に基づいて前記受信時刻情報を生成する構成となっている。
このため、GPS時刻を世界協定時に直し、さらに地域時間(例えば、日本時間)に直すことができるので、時刻修正装置が修正しようとする時刻情報表示部が所在する国や地域等における時差を考慮した当該国及び地域の時間を正確に取得することができる。
好ましくは、前記時刻情報には、季節時間に換算する季節時間情報が含まれることを特徴とする時刻修正装置である。
前記構成によれば、時刻情報には、季節時間に換算する季節時間情報が含まれているので、地域によってサマータイム等の季節時間が変更する場合でも、この変更する季節時間に合った時刻を正確に取得することができる。
好ましくは、前記時刻情報の前記地域時間換算情報と前記季節時間情報は、利用者が操作可能な外部入力部を介して入力可能な構成となっていることを特徴とする時刻修正装置である。
前記構成によれば、時刻情報の地域時間換算情報と季節時間情報は、利用者が操作可能な外部入力部を介して入力可能な構成となっているので、利用者の設定したい地域時間や季節時間とすることができる。
好ましくは、前記時刻修正装置の前記処理時間情報が固定値として格納されていることを特徴とする時刻修正装置である。
前記構成によれば、時刻修正装置の処理時間情報が固定値として格納されているので、処置時間情報を外部から取得することなく迅速に時刻修正をすることができる。
好ましくは、前記基地局から発信される信号が、CDMA(Code Division Multiple Access、符号分割多重接続)方式の携帯電話通信網で基地局から発信される信号であることを特徴とする時刻修正装置である。
前記構成によれば、基地局から発信される信号が、CDMA(Code Division Multiple Access、符号分割多重接続)方式の携帯電話通信網で基地局から発信される信号であるので、CDMA方式の携帯電話通信網を利用することで、精度の高い時刻修正をすることができる。
前記課題は、本発明によれば、基地局からの信号を受信する受信部と、前記受信部が通信を行うための電力を供給する電源部と、表示時刻情報を表示する時刻情報表示部と、
前記時刻情報表示部の前記表示時刻情報を修正する表示時刻情報修正部と、を有する時刻修正装置付き計時装置であって、前記受信部が受信した前記信号には、符号信号情報が含まれており、前記符号信号情報は、フレーム情報を有し、前記受信部は、前記符号信号情報を前記フレーム情報毎に受信する構成となっており、前記フレーム情報の特定部分のタイミング情報であるフレームタイミング情報と、前記フレーム情報の特定部分を受信するために受信部が動作する受信部タイミング情報との差分情報である差分タイミング情報を生成する差分タイミング情報生成部を有し、前記差分タイミング情報は、その取得時間が異なる複数の前記差分タイミング情報となっており、これら複数の差分タイミング情報の変化情報である差分タイミング変化情報を生成する差分タイミング変化情報生成部を備え、前記表示時刻情報修正部が前記差分タイミング変化情報に基づいて、前記表示時刻情報を修正する構成となっていることを特徴とする時刻修正装置付き計時装置により達成される。
前記課題は、本発明によれば、基地局からの信号を受信する受信部と、前記受信部が通信を行うための電力を供給する電源部と、時刻表示部の表示時刻情報を修正する表示時刻情報修正部と、を有する時刻修正方法であって、前記受信部が受信した前記信号には、符号信号情報が含まれており、前記符号信号情報は、フレーム情報を有し、前記受信部は、前記符号信号情報を前記フレーム情報毎に受信する構成となっており、差分タイミング情報生成部が、前記フレーム情報の特定部分のタイミング情報であるフレームタイミング情報と、前記フレーム情報の特定部分を受信するために受信部が動作する受信部タイミング情報との差分情報である差分タイミング情報を生成する差分タイミング情報生成工程と、前記差分タイミング情報は、その取得時間が異なる複数の前記差分タイミング情報となっており、差分タイミング変化情報生成部が、これら複数の差分タイミング情報の変化情報である差分タイミング変化情報を生成する差分タイミング変化情報生成工程と、前記表示時刻情報修正部が前記差分タイミング変化情報に基づいて、前記表示時刻情報を修正する表示時刻情報修正工程と、を有することを特徴とする時刻修正方法により達成される。
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明に係る時刻修正装置付き計時装置である例えば、時刻修正装置付き腕時計10(以下「腕時計」という)を示す概略図であり、図2は、図1の腕時計10の内部の主なハードウエア構成等を示す概略図である。
図1に示すように、腕時計10は、その表面に文字板12、長針、短針等の針13等が配置されると共に、各種メッセージが表示されるLED等からなるディスプレイ14が形成されている。なお、ディスプレイ14は、LEDの他、LCD、アナログ表示等でも構わない。
また、図1に示すように、腕時計10は、アンテナ11を有しており、このアンテナ11は、CDMA基地局15a、15b等からの信号を受信する構成となっている。つまり、CDMA基地局15a等は、CDMA方式の携帯電話通信網の基地局となっている。
しかし、本実施の形態の腕時計10は携帯電話機能を有していないためのCDMA基地局15a等と電話通信をするものではなく、CDMA基地局15a等から送信される信号から時刻情報等を受信し、その信号に基づいて時刻修正をしようとするものである。CDMA基地局15a等から送信される信号も内容については後述する。
また、図1に示すように、腕時計10には、その利用者が操作可能なりゅうず28が形成されている。
このりゅうず28は、腕時計10の利用者が操作可能な外部入力部の一例となっている。
先ず、図1の腕時計10のハードウエア構成等について説明する。図2に示すように、腕時計10はバス20を備え、バス20には、CPU(Central Processing Unit)21、RAM(Random Access Memory)22、ROM(Read Only Memory)23等が接続されている。
また、バス20には、CDMA基地局15a等からの信号を受信する受信部である例えば、CDMA基地局電波受信機24が接続されている。このCDMA基地局電波受信機24は、図1のアンテナ11を有している。
また、バス20には、時計機構であるIC(半導体集積回路)等からなるリアルタイムクロック(RTC)25や温度補償回路付き水晶発振回路(TCXO)26等も接続されている。
このように、図1の文字板12、針13、RTC25及びTCXO26等は、表示時刻情報を表示する時刻情報表示部の一例となっている。
また、バス20には、電池27が接続され、この電池27は、受信部(例えば、CDMA基地局電波受信機24)が通信を行うための電力を供給する電源部の一例となっている。
また、バス20には、図1のディスプレイ14やりゅうず28が接続されている。このように、バス20は、すべてのデバイスを接続する機能を有し、アドレスやデータパスを有する内部バスである。RAM22は、所定のプログラムの処理を行う他、バス20に接続されたROM23等を制御している。ROM23は、各種プログラムや各種情報等を格納している。
図3乃至図6は、腕時計10の主なソフトウエア構成等を示す概略図であり、図3は全体図である。
図3に示すように、腕時計10は、制御部29を有し、制御部29は、図3に示す各種プログラム格納部30内の各種プログラム、第1の各種データ記憶部40内の各種データ及び第2の各種データ記憶部50内の各種データを処理する構成となっている。
また、図3には、各種プログラム格納部30、第1の各種データ記憶部40及び第2の各種データ記憶部50と分けて示してあるが、実際に、このようにデータが分けて格納されているわけではなく、説明上の便宜のために分けて記載したものである。
なお、図3の第1の各種データ記憶部40には、主に予め格納されているデータをまとめて示した。また、第2の各種データ記憶部50には、第1の各種データ記憶部40内のデータ等を各種プログラム格納部30内のプログラムで処理した後のデータ等を主に示した。
図4は、図3の各種プログラム格納部30内のデータを示す概略図であり、図5は、図3の第1の各種データ記憶部40内のデータを示す概略図である。また、図6は、図3の第2の各種データ記憶部50内のデータを示す概略図である。
図7乃至図9は、本実施の形態にかかる腕時計10の主な動作等を示す概略フローチャートである。
以下、図7乃至図9のフローチャートにしたがって本実施の形態に係る腕時計10の動作等を説明しつつ、その関連で図4乃至図6の各種プログラムや各種データを説明する。
フローチャートの説明に入る前にCDMA方式の携帯電話システムのうち、本実施の形態と関連ある部分を説明する。
CDMA方式の携帯電話システムは米国クアルコム社が開発した方式が1993年に米国の標準方式の一つ「IS95」に採用したことから本格的な運用が開始されており、これ以降、IS95A、IS95B、CDMA2000という改訂を経て現在に至っている。また、日本国ではARIB STD−T53に準じて携帯電話システムが運用されている。
このようなCDMA方式は下り(CDMA基地局15a等から移動局、本実施の形態では腕時計10)は同期通信であるため、腕時計10がCDMA基地局15a等の時刻データと同期する必要がある。CDMA基地局15a等から送信される信号は、具体的には、パイロットチャネル信号と、シンクチャネル信号を有している。パイロットチャネル信号は、CDMA基地局15a等ごとに、異なったタイミングで発信されている信号であり、例えば、パイロットPN信号である。
図10は、CDMA基地局15a、15bから送信される信号の同期タイミング等を示す概略図である。
これらのCDMA基地局15a、15bから送信される信号は、同じであるため、この信号がどのCDMA基地局15a等から発信したかを識別するため、各CDMA基地局15a等は、それぞれ他のCDMA基地局15a等と異なるタイミングで信号を発信している。
具体的には、このタイミングの相違は、CDMA基地局15a等が発信するパイロットPN信号の相違として表れる。すなわち、例えば、図10のCDMA基地局15bは、CDMA基地局15aより僅かに遅れたタイミングで信号を発信している。具体的には、128chips(0.104ms(ミリ秒))分だけ、パイロットPNオフセットを設けている。
このように多数のCDMA基地局15a等が存在しても、各CDMA基地局15a等が64chipの整数倍(本実施の形態では、64chip×2)だけ、それぞれ異なるパイロットPNオフセットを設けることで、受信する腕時計10は、どのCDMA基地局15a等からの信号を受信したかを容易に把握することができる構成となっている。
また、CDMA基地局15a等から発信される信号には、シンクチャネル信号があり、これが図11のシンクチャネルメッセージである。図11は、シンクチャネルメッセージの内容を示す概略図である。
図11に示すように、シンクチャネルメッセージには、上述したパイロットPN信号のデータ、例えば、パイロットPNオフセットデータが64chips(0.052ms)×N(0〜512)であることを示すデータ(本実施の形態では、128chip(0.104ms))が含まれている。このデータは、図11では「PILOT_PN」で表されている。
また、シンクチャネルメッセージには、GPS時刻データであるシステム時間のデータも含まれている。
GPS時刻は毎週日曜日の0時からの経過時間が秒で表示され、翌週の日曜日の0時に0に戻るようになっている。そして、この1週間についてはGPSの週番号が付されているので、週番号と経過時間(秒)のデータを取得することで、受信側はGPS時刻を取得できる構成となっている。このデータは、図11では「SYS_TIME」で表されている。
また、シンクチャネルメッセージには、世界協定時(UTC)に換算するための「うるう秒」のデータも含まれている。このデータは、図11では、「LP_SEC」で表されている。
また、シンクチャネルメッセージには、時計10が所在する国又は地域のUTCに対する時差データである、ローカルオフセット時間が含まれている。すなわち、例えば、日本の場合は、UTCに9時間プラスされた時間である旨のデータ等が格納されている。
このデータは、図11では、「LTM_OFF」で表される。
また、シンクチャネルメッセージには、時計10が所在する国や地域がサマータイム等を採用しているか否かのサマータイムデータも含まれている。日本の場合は、サマータイム制を採用していないため、そのデータは「0」となる。このデータは、図11では、「DAYLT」で表される。
このように、図10のパイロットPN信号データが、基地局(例えば、CDMA基地局15a等)から発信される信号の基地局誤差時間情報の一例であり、ローカルオフセット情報が、地域時間に換算する地域時間換算情報の一例となっている。また、サマータイムデータは、季節時間に換算する季節時間情報の一例となっている。
図11のシンクチャネルメッセージには、以上のような内容のデータが含まれるが、具体的には、各データは時系列に順番に送信される、送信される信号は、図10に示すように、80ms単位からなるスーパーフレーム(S)単位で送信され、シンクチャネルメッセージの最後のデータが含まれるのが、図10のラストスーパーフレーム(LS)となる。すなわち、図10のラストスーパーフレーム(LS)の最後のタイミング(図10の「E」「EE」で示す部分)が、シンクチャネルメッセージの受信完了のタイミングとなっている。
また、CDMA方式では、図11のシンクチャネルメッセージの上述のGPS時刻は、図10の「E」における時刻とはなっておらず、その後、4スーパーフレーム(320ms)後における時刻、すなわち、図10の「F」における時刻となっている。
具体的には、上述したパイロットPNオフセットデータが、0chip(0ms)の場合の時刻を基準とした、ラストスーパーフレームの最後のタイミングから4スーパーフレーム後の時刻となる。
これは、CDMAがそもそも携帯電話で通信するためのシステムであることに基づく。つまり、携帯電話機は、CDMA基地局15a等から図11に示す、シンクチャネルメッセージを受信した後、CDMA基地局15a等との同期通信をするための準備を携帯電話機内で行う必要がある。
具体的には、次のステージである「待ち受け状態」へ遷移するための準備をした後、CDMA基地局15a等と同期をとり通信することになる。
そこで、この準備時間を考慮して、CDMA基地局15a等は、予め未来の時刻である320ms後の時間を、事前に送信し、この時間を受信した携帯電話機が内部で処理を行い、準備が終わった後、この時刻でCDMA基地局15a等と同期を取りに行くと同期を取りやすくなるという構成となっている。換言すれば、この4スーパーフレーム(320ms)が携帯電話機側の準備時間となっている。
また、本実施の形態では、このシンクチャネル信号を受信するため、図10のスーパーフレーム(S)単位のパイロットチャネル信号であるパイロットPN信号を受信している。このパイロットPN信号は、上述のようにスーパーフレーム(S)単位で送信され、それぞれのスーパーフレーム(S)は、80ms単位となっている。
また、パイロットPN信号のスーパーフレーム(S)の一部は、GPS時刻の偶数秒毎に同期して発信されている。したがって、偶数秒毎におけるスーパーフレーム(S)の開始部分は、GPS時刻と精度良く同期している構成となっている。
このように、パイロットPN信号は、符号信号情報の一例であり、スーパーフレーム(S)が、フレーム情報の一例である。
以上が、本実施の形態におけるCDMA方式の携帯電話システムの概略であり、以上の前提で、以下、本実施の形態を説明する。
本実施の形態では、先ず、シンクチャネル信号を受信し、時刻修正を行った後、例えば10秒間隔で、パイロットチャネル信号(パイロットPN信号)を用いて、時刻の微調整を行う。この時刻の微調整では、シンクチャネル信号を受信せず、パイロットPN信号だけで時刻修正を行う。
そこで、最初にシンクチャネル信号を受信した時刻修正について説明し、その後、パイロットPN信号を用いた時刻の微修正について説明する。
腕時計10の時刻修正をする場合は、先ず、腕時計10は、図7のST1に示すように、CDMA基地局15a等から送信される電波のうち、パイロットチャネルの信号電波を受信するためのパイロットチャネルスキャンを行う。
そして、ST2では、腕時計10と、一番近いCDMA基地局15a等からのパイロットチャネル信号と同期を取る。
具体的には、図4のパイロットPN同期プログラム31が、図10に示すような、80ms毎のパイロットチャネル信号(パイロットPN信号)であるスーパーフレーム(S)と同期を取る。つまり、信号電波をダウンコンバートし、図示しないベースバンド部が、パイロットチャネル(walsh特定関数)の信号にパイロットPNコードをミキシングして同期を取る。
次にST3で、パイロットPN同期プログラム31が、CDMA基地局15a等のパイロットチャネル信号と同期が完了したか否かを判断し、同期が完了しない場合は、ST4で、腕時計10が有するサービルエリアテーブルを全て参照したか(一巡したか)判断し、全て参照していない場合は、ST5に進む。
ST5では、日本、アメリカ、中国、カナダ等におけるCDMA基地局15a等のデータを参照し、そのデータに基づきST1のパイロットチャネルスキャンを行う。
つまり、例えば、腕時計10は、日本のCDMA基地局15a等を探しているが、実際はアメリカに所在していたという場合は、ST3でパイロットチャネル信号と同期を取ることができない。そこで、ST5でアメリカのCDMA基地局15a等のデータを取得し
、そのデータに基づき、ST1のパイロットチャネルスキャンを行う。
一方、ST4で、腕時計10が持っているサービルエリアテーブルを全て参照したにもかかわらずパイロットチャネル信号との同期を取ることができないときは、ST6に進む。ST6では、ユーザに時刻修正が行われていないことを示すため、例えば、図1の秒針を3秒動かすことで、その旨をユーザに知らせる。そして、時刻修正をユーザ判断に任せ、終了する。
一方、ST3で、パイロットチャネル信号との同期が完了したときは、ST7へ進む。
ST7では、パイロットチャネルからシンクチャネルに切り替えられ、シンクチャネルメッセージの受信を開始する。
具体的には、シンクチャネルメッセージ受信プログラム32が図11に示すような、シンクメッセージの受信を開始する。
次に、ST8でシンクチャネルメッセージの受信が完了したか否かを判断し、シンクチャネルメッセージの受信が完了していないときは、ST9でタイムアウトか否かを判断し、タイムアウトの場合は、再び、ST7でシンクチャネルメッセージを受信し直す。
一方、ST8でシンクチャネルメッセージの受信が完了すると、ST10へ進み、図3のCDMA基地局電波受信機24が信号の受信を停止する。
具体的には、受信機制御プログラム33が動作して、CDMA基地局電波受信機24のCDMA基地局15a等からの電波受信を停止する。つまり、図10のラストスーパーフレーム(LS)の終了のタイミングである「E」や「EE」で示すタイミングで電波受信を終了する。
これで、腕時計10は、図11に示す全てのシンクチャネルメッセージを受信したことになり、このシンクチャネルメッセージは図6のシンクチャネルメッセージデータ格納部51に、シンクチャネルメッセージデータ51aとして格納される。
次にST11に進む。ST11では、シンクチャネルメッセージデータ51aから図11の「PILOT_PN」データにおけるパイロットPNオフセットデータのチップ数、本実施の形態では、128chipsというデータを取得し、基本タイミング差チップ数データ57aとして、図6の基本タイミング差チップ数データ格納部57に格納される。
このように生成された基本タイミング差チップ数データ57aは、後述する時刻の微調整の基準のデータとなる。
次に、ST12に進む。ST12以降は、既にCDMA基地局15a等から取得したシンクチャネルメッセージの情報に基づいて、時刻修正のためのデータを作成し、実際に時刻修正を行う工程となる。
先ず、ST12では、腕時計10は、例えば日本に所在するため、図6のシンクチャネルメッセージデータ51aから、GPS時刻、うるう秒、ローカルオフセット時間(日本の場合はUTCに9時間加える)、サマータイム時間(日本の場合は、サマータイムがないので0時間加える)を抽出し、図4の第1次ローカル時刻算出プログラム34が動作して、第1次ローカル時刻である例えば、第1次日本時刻を算出する。
具体的には、GPS時刻を基本にうるう秒データ等に基づいてUTC時刻を算出し、このUTC時刻に基づき、ローカルオフセット時間で、例えば、9時間を加え、日本時刻とする。また、日本ではサマータイムを採用していないため、サマータイム時間の補正は実質的行わない。なお、アメリカのようにサマータイム制を採用する国にあっては、サマータイム時間の補正は、極めて、精度の高い時刻修正となる。
本実施の形態では、第1次日本時刻が算出され、この時刻はGPS時刻に基づいた基本的な時刻データとなる。
このように、算出された第1次日本時刻は、図6の第1次ローカル時刻データ格納部52に第1次ローカル時刻データ52aとして格納される。
ここで算出された第1次ローカル時刻データ52aについて説明する。この第1次ローカル時刻データ52aは、図10で説明すると以下のようになる。つまり、腕時計10が図10のCDMA基地局15bの信号を受信し、そのシンクチャネルメッセージを取得したとすると、受信した時刻(GPS時刻)は、上述したパイロットPNオフセットデータが0chip(0ms)の場合の時刻を基準とした、ラストスーパーフレームの最後のタイミングから4スーパーフレーム(320ms)後の時刻情報(図10の例では「F」における時刻)となる。
しかし、図10のCDMA基地局15bは、そのパイロットPNオフセットが例えば、64chip(0.052ms)があるため、その分、実際の受信タイミングとしては、正確なGPS時刻とは相違している。
このため、本実施の形態で以下の処理を行う。すなわち、ST13で、図6の第1次ローカル時刻データ52aに対して以下のような補正をかける。つまり、第1次ローカル時刻データ52aから320ms(4スーパーフレーム)を減算することで、図10の「F」における時刻を「E」における時刻情報とする。さらに、CDMA基地局15bの信号はパイロットPNオフセットが0.052msあるため、その分を加算する。
すると、ラストスーパーフレーム受信完了時(EE)の正しいGPS時刻に基づく例えば、日本時刻が生成されることになる。
このような計算は、図4の第2次ローカル時刻算出プログラム35が、図6の第1次ローカル時刻データ52a、図5の差分時間データ41a及びパイロットPNオフセット時間データ42a等に基づいて行い、その結果は、図6の第2次ローカル時刻データ53aとして第2次ローカル時刻データ格納部53に格納される。
図5における差分時間データ41aの一例が、上述の320ms(4スーパーフレーム)というデータであり、差分時間データ格納部41に格納される。また、パイロットPNオフセット時間データ42aの一例が、上述の64chip(0.052ms)というデータであり、パイロットPNオフセット時間データ格納部42に格納される。
また、ST12でシンクチャネルメッセージから取得したGPS時刻等は、受信部(例えば、CDMA基地局電波受信機24等)が受信する時刻である受信時刻情報(例えば、図10の「E」における時刻情報等)から所定時間経過後(例えば、320ms経過後等)の未来時間情報の一例となっている。また、図5の差分時間データ41aが、差分時間情報の一例となっている。
また、第1次ローカル時刻算出プログラム34及び第2次ローカル時刻算出プログラム35が、受信部(例えば、CDMA基地局電波受信機24等)が受信した未来時刻情報(例えば、図10の「F」における時刻情報等)と差分時間情報(例えば、差分時間データ41a等)に基づいて受信部の受信時刻情報(例えば、第2次ローカル時刻データ53a等)を生成する受信時刻情報生成部の一例となっている。
ところで、このように、ST13で算出された第2次ローカル時刻データ53aは、GPS時刻に合致した精度の高い時間であるが、ST12やST13の計算に要する時間等があり、この時間を考慮しないと、その計算時間等の分だけ時刻が相違する(狂う)ことになる。
そこで、ST14の工程が行われる。すなわち、図6の第2次ローカル時刻データ53aに、処理遅延時間を加算して、最終ローカル時刻を算出する。つまり、この処理遅延時間が当該腕時計10の上述の計算に要する時間等に該当するが、この時間は、当該腕時計10によって時間は定まっている。
このため、本実施の形態では、図5に示すように、処理遅延時間データ43aを予め固定値として、処理遅延時間データ格納部43に格納しておく。そして、図4の最終ローカル時間算出プログラム36は、図6の第2次ローカル時刻データ53aに、処理遅延時間データ43aを加算して、より精度の高い時刻情報である最終ローカル時刻データ54aとして、最終ローカル時刻データ格納部54に格納する。
このように生成された、最終ローカル時刻データ54aはGPS時刻に合致した極めて精度の高い時刻情報となる。なお、処理遅延時間は、処理時間情報の一例である。
次に、ST15に進む。ST15では、図4のRTC及び時刻修正プログラム37が、図6の最終ローカル時刻データ54aに基づき、図3のRTC25や図1の針13等を修正し、時刻修正が完了する。
このように、RTC及び時刻修正プログラム37が、時刻情報表示部の表示時刻情報(例えば、RTC25や針13等)を修正する表示時刻情報修正部の一例である。また、最終ローカル時刻算出プログラム36は、RTC及び時刻修正プログラム37が修正する修正用の修正時刻情報(例えば、最終ローカル時刻データ54a等)を生成する修正時刻情報生成部の一例となっている。
このように本実施の形態によれば、ST11でCDMA基地局電波受信機24がCDMA基地局15a等の電波の受信を停止するので、電池27の消費電力を小さくすることができる。
図10を用いて具体的に説明する。図9の(D)はCDMA基地局15bからシンクチャネルメッセージを受信し、その後、時刻同期を行う、従来の電源シーケンスを示す。図10に示すように、従来は、図10の「FF」の部分まで信号を継続して受信しているため電源は継続して信号受信用の出力状態となっている。
これに対して、本実施の形態の電源シーケンスは図10の(C)である。(C)に示すように、信号の受信は、図10の「EE」の部分で終了し、その後、通信を行っていない。
このため、本実施の形態の腕時計10は、消費電力を小さくすることができるので、超低電力が要求される時計等の機器にも搭載可能であり、且つ、極めて高精度な時刻修正も可能となっている。
ST15で、シンクチャネルメッセージデータ51aを用いた時刻修正が終了し、次に、本実施の形態の次に大きな特徴である時刻の微調整の工程となる。
先ず、ST16で時刻修正間隔タイマが動作する。すなわち、CDMA基地局電波受信機24は、上述のシンクチャネルメッセージデータ51aから取得したGPS時刻に基づいて、GPS時刻の偶数秒でタイマを動作させ、次いで、ST17で、10秒経過したか否かを判断する。
すなわち、図4の時刻修正開始判断プログラム38が動作し、図5の連続時刻修正間隔データ格納部45に格納されている連続時刻修正間隔データ45aを参照する。
この連続時刻修正間隔データ45aは、例えば10秒となっている。この時間は偶数秒であればよく、20秒であってもよい。
また、精度のよいRTC25等を用いれば、その連続時刻修正間隔はより大としても良く、例えば、60秒乃至900秒間隔としても構わない。
ところで、上述のように、図10に示すパイロットPN信号は、GPS時刻の偶数秒に同期して発信されているため、GPS時刻の偶数秒におけるスーパーフレーム(S)の開始部分のタイミングを基準とすることにより、GPS時刻との誤差を精度良く把握することができる。
この点について詳述する。先ず、CDMA基地局電波受信機24が受信する信号を図10のCDMA基地局15bであるとする。この場合でも、受信したGPS時刻は、上述のようにパイロットPNオフセットデータが「0」である、図10のCDMA基地局15aの時刻となる。
そこで、腕時計10のRTC25が、このGPS時刻に基づき10秒を計測した場合、この10秒後に対応するパイロットPN信号のスーパーフレーム(S)は、図10のCDMA基地局15bではなく、CDMA基地局15aのスーパーフレーム(Sb)となる。
本実施の形態における時刻の微調整では、このように、一度取得したGPS時刻(パイロットPNオフセットデータが含まれていない)に基づき、その後の時刻修正までの間隔を計測することとなる。
つまり、CDMA基地局電波受信機24の信号は、図10のCDMA基地局15aの10s(秒)目のスーパーフレーム(Sb)の開始部分(Sb1)に対応して出力される関係となる。
これに対して、実際にCDMA基地局電波受信機24が受信しているのは、図10のCDMA基地局15bの信号(パイロットPNオフセットデータが含まれている)である。
ところで、CDMA基地局15bの信号のうち、パイロットPN信号は、上述のように、128チップ(chips)だけ、GPS時刻より遅延させているため、腕時計10のCDMA基地局電波受信機24の出力信号(つまり、電池27の出力信号)が上述のST7で受信したGPS時刻に従い出力されれば、CDMA基地局電波受信機24の出力信号は、CDMA基地局15bのスーパーフレームより128チップ分だけ早く出力されるはずである。
この関係について図12を用いて説明する。図12は、図10のCDMA基地局15bのスーパーフレーム(Sa)と電池シーケンスとの関係等を示す概略説明図である。
図12に示すように、同図には、CDMA基地局15bのスーパーフレーム(Sa)の開始部分(Sa1)と、これに対応する電池シーケンスが記載されている。
図12においては、上述のST7取得したGPS時刻に基づいてRTC25が計測して、10秒後に電池27の出力信号が出力される状態が示されている。具体的には、電池27の出力信号の開始部分はBa1で示されている。
また、図12には、腕時計10が実際に受信しているCDMA基地局15bにおける上述の10秒後に対応するスーパーフレーム(Sa)が示されている。このスーパーフレーム(Sa)の開始部分はSa1で示されている。
そして、図12における、これらBa1とSa1との差をチップ(chips)で換算すると、本実施の形態では、例えば178チップ(chips)となっている。
腕時計10のRTC25等に全く誤差が生じていない場合は、このBa1とSa1との差は128チップのはずであるから、この例では、10秒間で時刻誤差が生じていることを示している。この点については、後述する。
本実施の形態では、この178チップというデータは、図6の比較タイミング差チップ数データ58aとして、比較タイミング差チップ数データ格納部58に格納される構成となっている。
また、図8のST18に示すように、腕時計10は、GPS時刻に基づき、そのRTC25で時刻を計測し、10秒経過すると、CDMA基地局電波受信機24は、それまで、CDMA基地局15b等の信号を受信していなかったが、そのタイミングで受信を開始し、受信を80ms(ミリ秒)間続けることになる。
ところで、上述のように、CDMA基地局15bのパイロットPN信号のオフセットデータ(128チップ(chips))は、図6の基本タイミング差チップ数データ57aとして格納されている。
また、ST7で取得したGPS時刻に基づき、RTC25が計測した10秒後における、電池シーケンスと、それに対応するCDMA基地局15bのスーパーフレーム(Sa)の開始部分(Sa1)とのタイミング差(図12参照)は、図6の比較タイミング差チップ数データ(178チップ(chips))58aとして格納される。
具体的には、ST19で、図4のパイロットPN信号/電池出力タイミング差分取得プログラム39が、この比較タイミング差チップ数データ58aを取得する。
以上から、これら基本タイミング差チップ数データ57aと比較タイミング差チップ数データ58aを比較し、その差があれば、その差が腕時計10のRTC25の誤差となる。
そこで、本実施の形態では、ST20が行われる。すなわち、図4に示す、修正チップ数算出プログラム61が、基本タイミング差チップ数データ57aである128チップと、比較タイミング差チップ数データ58aである178チップを比較し、その差、この例の場合「50チップ」が、図6の修正チップ数データ59aとして記憶される。
つまり、本実施の形態の場合は、50チップ分だけ「ずれ」が大きくなったため、例えば、50(chips)×814ns分だけRTC25を補正(時間を進める)することになる。
図12では、50チップ分だけ「ズレ」が大きくなった場合を示したが、逆に、例えば50チップ分だけ少なくなった場合も、RTC25の時間を遅くすることで補正をすることができることになる。
具体的には、図9のST23で、RTC及び時刻修正プログラム37がRTCを修正することになる。
つまり、修正チップ数データ59cは、差分タイミング変化情報の一例であり、修正チップ数算出プログラム61は、差分タイミング変化情報生成部の一例となっている。また、表示時刻情報修正部であるRTC及び時刻修正プログラム37が、差分タイミング変化情報(例えば、修正チップ数データ59c等)に基づいて表示時刻情報(例えば、RTC25等)を修正する構成となっている。
そして、図12のスーパーフレーム(Sa)の開始部分のSa1部分は、フレーム情報(例えば、スーパーフレーム(S)等)の特定部分のタイミング情報であるフレームタイミング情報の一例であり、GPS基準フレーム部分の一例でもある。また、電池シーケンスの出力の開始部分であるB1部分は、フレーム情報(例えば、スーパーフレーム(S)等)の特定部分(例えば、前記Sa1部分等)を受信するために受信部(例えば、CDMA基地局電波受信機24等)が動作する受信部タイミング情報の一例となっている。
さらに、基本タイミング差チップ数データ57aは、フレームタイミング情報(例えば、Sa1部分等)と受信部タイミング情報(例えば、Ba1部分等)との差分情報である差分タイミング情報の一例であり、パイロットPN信号/電池出力タイミング差分取得プログラム39は、差分タイミング情報(例えば、比較タイミング差チップ数データ58a等)を生成する差分タイミング情報生成部の一例となっている。また、ST19は、差分タイミング情報生成工程の一例となっている。
なお、本実施の形態では、CDMA基地局電波受信機24は、電池シーケンスの開始部分Ba1とパイロットPN信号のスーパーフレーム(Sa)の開始部分(Sa1)とのタイミング差に基づいて、時刻の微調整を行う。このため、このタイミング差のみを把握すれば足りるので、極めて短時間である80ms(ST18参照)だけCDMA基地局15b等から信号を受信すれば足りる。このため、極めて消費電力を小さくすることができる構成となっている。
なお、この80msは、図12のスーパーフレーム(Sa、Sb)の長さに対応している。
また、本実施の形態では、電池シーケンスを基準としている。これは、CDMA基地局電波受信機24が受信をするタイミングが、電池27の出力タイミングと同期するため電池シーケンスにより、CDMA基地局電波受信機24の受信タイミングを取得しようとするものである。
一方、本実施の形態では、ST21で、修正チップ数が128チップを超えるか否かを判断している。すなわち、修正チップ数データ59aが大きすぎると、もはや微調整ではないと判断すべきことから、10秒毎のRTC25の微調整を行わない工程となっている。
このように本実施の形態では、最初、シンクチャネルメッセージ等を取得して、RTC25等の時刻修正をした後、例えば、10秒毎(図10参照)に80ms間だけ、CDMA基地局電波受信機24で電波を受信することで、10秒毎に、GPS時刻に沿った極めて精度の高い時刻修正を行うことができる。
また、この時刻修正は、80msという極めて短時間の信号受信でおこなうので、消費電力が小さくなり、超低電力が求められる腕時計10にとって好ましい時刻修正装置ともなっている。
また、基本タイミング差チップ数データ57aは、受信部(CDMA基地局電波受信機24等)が基地局(CDMA基地局15b等)の発信する時刻情報を含むメッセージデータ(例えば、シンクチャネルメッセージデータ51a等)を受信した際に取得する基本差分タイミング情報の一例となっており、比較タイミング差チップ数データ58aが、受信部(CDMA基地局電波受信機24等)がメッセージデータを取得した後に取得する比較差分タイミング情報の一例となっている。
また、ST20は、差分タイミング変化情報生成工程の一例であり、ST23は、表示時刻情報修正工程の一例となっている。
ところで、図9のST21で、10秒毎の連続時刻修正ができない場合は、ST22で、24時間経過したか否か判断され、その後、ST1の工程が行われる。
また、図7及び図8は、図11のローカルオフセット時間及びサマータイムデータは、CDMA基地局15a等から受信したシンクチャネルメッセージに基づいて自動的に修正される工程としたが、これらを腕時計10のユーザが設定可能としてもよい。
この場合は、図3のりゅうず28等を用いて入力されたローカルオフセット時間は、図6の入力ローカルオフセット時間データ55aとして入力ローカルオフセット時間データ格納部55に格納される。また、同様に入力されたサマータイム時刻データとして入力サマータイムデータ56aとして入力サマータイムデータ格納部56に格納される。
この場合は、上述のST11では、この入力されたデータに基づいて第1次ローカル時刻が算出されるので、ユーザの希望通りの時刻修正が可能となる。
本発明は、上述の実施の形態に限定されない。
本発明に係る時刻修正装置付き計時装置である例えば、時刻修正装置付き腕時計を示す概略図である。 図1の腕時計の内部の主なハードウエア構成等を示す概略図である。 腕時計の主なソフトウエア構成等を示す概略全体図である。 図3の各種プログラム格納部内のデータを示す概略図である。 図3の第1の各種データ記憶部内のデータを示す概略図である。 図3の第2の各種データ記憶部内のデータを示す概略図である。 本実施の形態にかかる腕時計の主な動作等を示す概略フローチャートである。 本実施の形態にかかる腕時計の主な動作等を示す他の概略フローチャートである。 本実施の形態にかかる腕時計の主な動作等を示す他の概略フローチャートである。 CDMA基地局から送信される信号の同期タイミング等を示す概略図である。 シンクチャネルメッセージの内容を示す概略図である。 図10のスーパーフレーム(Sa)等を示す概略説明図である。
符号の説明
10・・・時刻修正装置付き腕時計、12・・・文字板、15a及び15b・・・CDMA基地局、24・・・CDMA基地局電波受信機、25・・・リアルタイムクロック(RTC)、27・・・電池、31・・・パイロットPN同期プログラム、32・・・シンクチャネルメッセージ受信プログラム、33・・・受信機制御プログラム、34・・・第1次ローカル時刻算出プログラム、35・・・第2次ローカル時刻プログラム、36・・・最終ローカル時間算出プログラム、37・・・RTC及び時刻修正プログラム、38・・・時刻修正開始判断プログラム、39・・・パイロットPN信号/電池出力タイミング差分取得プログラム、41a・・・差分時間データ、42a・・・パイロットPNオフセット時間データ、43a・・・処理遅延時間データ、44a・・・時刻修正間隔データ、45a・・・連続時刻修正間隔データ、51a・・・シンクチャネルメッセージデータ、52a・・・第1次ローカル時刻データ、53a・・・第2次ローカル時刻データ、54a・・・最終ローカル時刻データ、57a・・・基本タイミング数チップデータ、58a・・・比較タイミング差チップ数データ、59a・・・修正チップ数データ、61・・・修正チップ数算出プログラム

Claims (11)

  1. 基地局からの信号を受信する受信部と、
    前記受信部が通信を行うための電力を供給する電源部と、
    時刻表示部の表示時刻情報を修正する表示時刻情報修正部と、を有する時刻修正装置であって、
    前記受信部が受信した前記信号には、符号信号情報が含まれており、
    前記符号信号情報は、フレーム情報を有し、
    前記受信部は、前記符号信号情報を前記フレーム情報毎に受信する構成となっており、
    前記フレーム情報の特定部分のタイミング情報であるフレームタイミング情報と、前記フレーム情報の特定部分を受信するために受信部が動作する受信部タイミング情報との差分情報である差分タイミング情報を生成する差分タイミング情報生成部を有し、
    前記差分タイミング情報は、その取得時間が異なる複数の前記差分タイミング情報となっており、これら複数の差分タイミング情報の変化情報である差分タイミング変化情報を生成する差分タイミング変化情報生成部を備え、
    前記表示時刻情報修正部が前記差分タイミング変化情報に基づいて、前記表示時刻情報を修正する構成となっていることを特徴とする時刻修正装置。
  2. 前記基地局から送信される複数の前記フレーム情報のうち、少なくとも一部のフレーム情報の前記特定部分は、GPS(Global Positioning System)時刻情報と対応したGPS基準フレーム部分情報となっており、
    前記差分タイミング情報が、前記GPS基準フレーム部分情報と、これに対応する前記受信部タイミング情報との差分タイミング情報であることを特徴とする請求項1に記載の時刻修正装置。
  3. 前記差分タイミング情報は、前記受信部が前記基地局の発信する時刻情報を含むメッセージデータを受信した際に取得する基本差分タイミング情報と、前記受信部が、前記メッセージデータを取得した後に取得する比較差分タイミング情報と、を有し、
    前記差分タイミング変化情報が、前記基本差分タイミング情報と前記比較差分タイミング情報の変化情報であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の時刻修正装置。
  4. 前記時刻情報は、前記受信部が受信する時刻である受信時刻情報から所定時間経過後の未来時刻情報となっており、
    前記未来時刻情報と前記受信時刻情報との差分時間情報を格納する差分時間情報格納部と、
    少なくとも、前記受信部が受信した前記未来時刻情報と前記差分時間情報に基づいて前記受信部の受信時刻情報を生成する受信時刻情報生成部と、
    前記受信時刻情生成部で生成された前記受信時刻情報と、少なくとも、時刻修正装置の処理時間情報に基づき、前記表示時刻情報修正部の修正用の修正時刻情報を生成する修正時刻情報生成部と、を有することを特徴とする請求項3に記載の時刻修正装置。
  5. 前記受信部が受信する前記時刻情報は、少なくとも、GPS衛星のGPS時刻情報、前記基地局から発信される信号の基地局誤差時間情報、前記GPS時刻情報を世界協定時(UTC)に換算するUTC換算情報及び地域時間に換算する地域時間換算情報を有し、
    前記受信時刻情報生成部は、少なくとも、前記GPS時刻情報、前記UTC換算情報、前記地域時間換算情報、前記基地局誤差時間情報及び前記差分情報に基づいて前記受信時刻情報を生成する構成となっていることを特徴とする請求項4に記載の時刻修正装置。
  6. 前記時刻情報には、季節時間に換算する季節時間情報が含まれることを特徴とする請求項5に記載の時刻修正装置。
  7. 前記時刻情報の前記地域時間換算情報と前記季節時間情報は、利用者が操作可能な外部入力部を介して入力可能な構成となっていることを特徴とする請求項6に記載の時刻修正装置。
  8. 前記時刻修正装置の前記処理時間情報が固定値として格納されていることを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれかに記載の時刻修正装置。
  9. 前記基地局から発信される信号が、CDMA(Code Division Multiple Access、符号分割多重接続)方式の携帯電話通信網で基地局から発信される信号であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の時刻修正装置。
  10. 基地局からの信号を受信する受信部と、
    前記受信部が通信を行うための電力を供給する電源部と、
    表示時刻情報を表示する時刻情報表示部と、
    前記時刻情報表示部の前記表示時刻情報を修正する表示時刻情報修正部と、を有する時刻修正装置付き計時装置であって、
    前記受信部が受信した前記信号には、符号信号情報が含まれており、
    前記符号信号情報は、フレーム情報を有し、
    前記受信部は、前記符号信号情報を前記フレーム情報毎に受信する構成となっており、
    前記フレーム情報の特定部分のタイミング情報であるフレームタイミング情報と、前記フレーム情報の特定部分を受信するために受信部が動作する受信部タイミング情報との差分情報である差分タイミング情報を生成する差分タイミング情報生成部を有し、
    前記差分タイミング情報は、その取得時間が異なる複数の前記差分タイミング情報となっており、これら複数の差分タイミング情報の変化情報である差分タイミング変化情報を生成する差分タイミング変化情報生成部を備え、
    前記表示時刻情報修正部が前記差分タイミング変化情報に基づいて、前記表示時刻情報を修正する構成となっていることを特徴とする時刻修正装置付き計時装置。
  11. 基地局からの信号を受信する受信部と、
    前記受信部が通信を行うための電力を供給する電源部と、
    時刻表示部の表示時刻情報を修正する表示時刻情報修正部と、を有する時刻修正方法であって、
    前記受信部が受信した前記信号には、符号信号情報が含まれており、
    前記符号信号情報は、フレーム情報を有し、
    前記受信部は、前記符号信号情報を前記フレーム情報毎に受信する構成となっており、
    差分タイミング情報生成部が、前記フレーム情報の特定部分のタイミング情報であるフレームタイミング情報と、前記フレーム情報の特定部分を受信するために受信部が動作する受信部タイミング情報との差分情報である差分タイミング情報を生成する差分タイミング情報生成工程と、
    前記差分タイミング情報は、その取得時間が異なる複数の前記差分タイミング情報となっており、差分タイミング変化情報生成部が、これら複数の差分タイミング情報の変化情報である差分タイミング変化情報を生成する差分タイミング変化情報生成工程と、
    前記表示時刻情報修正部が前記差分タイミング変化情報に基づいて、前記表示時刻情報を修正する表示時刻情報修正工程と、を有することを特徴とする時刻修正方法。
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