JP2009085726A - 時刻修正装置、時刻修正装置付き計時装置及び時刻修正方法 - Google Patents

時刻修正装置、時刻修正装置付き計時装置及び時刻修正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】受信した時刻情報を使用しつつ、伝搬遅延時間の少ない正確な時刻修正を行うことができる時刻修正装置等を提供すること。
【解決手段】受信部24が、受信した複数の基地局から選択された候補基地局15a等から発信される特定信号の時刻情報に基づいて修正時刻情報52を生成する修正時刻生成部35を有し、修正時刻情報判断部38が修正時刻情報52と表示時刻情報53を比較した判断結果に基づいて、時刻表示修正部36は、修正時刻情報52に基づいて表示時刻情報53を修正することを特徴とする時刻修正装置10。
【選択図】図8

Description

本発明は、例えばCDMA(Code Division Multiple Access、符号分割多重接続)方式の携帯電話通信網で基地局から発信される信号に含まれる時刻情報に基づいて時刻修正を行う時刻修正装置、時刻修正装置付き計時装置及び時刻修正方法に関するものである。
現在、CDMA方式の携帯電話通信網で基地局から携帯電話機に対して発信される信号には、時刻情報が含まれ、この時刻情報は、GPS(Global Positioning System)衛星の原子時計に基づくGPS時刻に合致した極めて精度の高い時刻情報となっている。
したがって、このCDMA方式の携帯電話通信網で基地局から送信されるGPS時刻データを端末が取得し、このGPS時刻データを用いて内蔵時計の時刻情報データを補正しようとする提案がなされている(例えば、特許文献1)。
また、このようなCDMA方式の携帯電話通信網で基地局から送信される時刻データを用いて、地域時間オフセットを算出し得ない地域においても正確な地域時間を算出しようとする提案がなされている(例えば、特許文献2)。
特開2000−321383号公報(要約等) 特開2004−343758号公報(段落0012等)
ところで、このようなCDMA方式の携帯電話通信網で基地局から送信される時刻データである時刻情報を受信機側が受け取る際には、基地局と受信機側の距離に依存する伝搬遅延時間を含む時刻情報となっている。そのため、時計等の時刻の精度を高く維持して、正確な時刻修正を行いたい場合は、この伝搬遅延時間を受信機側で処理して、補正する必要がある。
この場合、基地局と受信機の距離が予め明らかであれば、送信される信号の伝搬速度に基づいて、伝搬遅延時間を知ることができ、これに基づいて補正することができる。
しかし、受信機側の位置が固定されず、一定でない場合は、つまり、受信機側が移動するような場合は、基地局との距離は不明であるため、伝搬遅延時間を受信機側で知ることができない。このため、受信機側では、受信した時刻情報から、伝搬遅延時間の補正ができず、時計等の時刻の精度を高く維持できないという問題があった。
そこで、本発明は、受信機側と基地局との距離が不明な場合でも、受信した時刻情報を使用しつつ、伝搬遅延時間の少ない正確な時刻修正を行うことができる時刻修正装置、時刻修正装置付き計時装置及び時刻修正方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
複数の基地局から候補基地局を選択する候補基地局選択部と、前記候補基地局から発信される時刻情報を含む特定信号を受信する受信部と、時刻表示部の表示時刻情報を修正する時刻表示修正部と、前記時刻表示修正部が前記表示時刻情報を修正するための修正時刻情報を前記候補基地局から発信される前記特定信号の前記時刻情報に基づいて生成する修正時刻生成部と、前記修正時刻情報と前記表示時刻情報を比較して、前記修正時刻情報が前記表示時刻情報より進んでいるかを判断する修正時刻情報判断部と、を有し、前記修正時刻情報判断部の判断結果に基づいて、前記時刻表示修正部が、前記候補基地局から発信される前記特定信号の前記時刻情報に基づいて生成された前記修正時刻情報のうちで、相対的にもっとも進んでいる前記修正時刻情報に基づいて前記表示時刻情報を修正する構成を有すること、を特徴とする時刻修正装置。
前記構成によれば、候補基地局選択部は、複数の基地局から候補基地局を選択するようになっており、修正時刻情報判断部は、複数の候補基地局から発信される特定信号に含まれる時刻情報に基づいて生成した修正時刻情報と表示時刻情報を比較して、表示時刻情報より修正時刻情報が進んでいるかを判断する。そして、時刻表示修正部は、修正時刻情報判断部の判断結果に基づいて、修正時刻情報により表示時刻情報を修正するようになっており、複数の候補基地局から発信される特定信号の時刻情報に基づいて生成された修正時刻情報のうちで、相対的にもっとも進んでいる修正時刻情報に基づいて表示時刻情報を修正する構成を有している。
この修正時刻情報は、基地局から発信される特定信号を受信部が受信し、その特定信号に含まれる時刻情報により生成される。従って、この修正時刻情報は、受信部が特定信号を受信した際には、基地局と受信部側の距離による伝搬遅延時間を含んだ情報となっている。しかし、本発明の時刻表示修正部は、表示時刻情報より進んでいる修正時刻情報に基づいて表示時刻情報を修正するようになっている。そして、時刻表示修正部は、相対的に進んでいる修正時刻情報に基づいて表示時刻情報を修正する構成となっている。
このため、より伝搬遅延時間の少ない修正時刻情報に基づいて、表示時刻情報が修正され、より正確な時刻で表示時刻が修正されることができるようになっている。また、近い基地局からの電波信号に基づき、表示時刻情報の修正を行うことができるようになっている。
[適用例2]
好ましくは、前記受信部は、前記候補基地局ごとに前記特定信号を受信する構成を備えており、前記修正時刻生成部は、受信された前記特定信号に含まれる前記時刻情報ごとに前記修正時刻情報を生成する構成を有し、前記修正時刻情報判断部は、前記修正時刻生成部で生成された前記修正時刻情報ごとに順番に前記表示時刻情報と比較して、判断する構成を備えていることを特徴する時刻修正装置。
前記構成によれば、受信部は、候補基地局ごとに特定信号を受信する。また、修正時刻生成部は、受信された特定信号に含まれる時刻情報ごとに修正時刻情報を生成し、修正時刻情報判断部は、修正時刻生成部で生成された修正時刻情報ごとに順番に表示時刻情報と比較して、判断する。
このため、受信の際に一度に消費される電力を抑えることができる。
[適用例3]
好ましくは、前記受信部が前記候補基地局から最初に前記特定信号を受信した際には、前記時刻表示修正部は、最初に受信された前記特定信号に含まれている前記時刻情報から生成された前記修正時刻情報に基づいて前記表示時刻情報を修正する構成を備えていることを特徴とする時刻修正装置。
前記構成によれば、時刻表示修正部は、受信部が候補基地局から最初に受信した際の特定信号に含まれる時刻情報により生成された修正時刻情報に基づいて、表示時刻情報を修正することができるようになっている。
[適用例4]
好ましくは、前記時刻情報は、前記受信部が受信する時刻である受信側時刻情報から一定時間経過後の未来時刻情報となっており、前記未来時刻情報と前記受信側時刻情報との差分時間情報が格納されている差分時間情報格納部と、を有し、前記修正時刻生成部は、前記受信部が受信した前記未来時刻情報と前記差分時間情報に基づいて前記修正時刻情報を生成する構成を備えることを特徴とする時刻修正装置。
前記構成によれば、時刻情報は、受信部が受信する時刻である受信側時刻情報から一定時間経過後の未来時刻情報となっている。また、未来時刻情報と受信側時刻情報との差分時間情報が格納される差分時間情報格納部を有している。また、修正時刻生成部は、未来時刻情報と差分時間情報に基づいて、表示時刻情報を修正するための修正時刻情報を生成するようになっている。
このため、修正時刻生成部は、より正確な修正時刻情報の生成を行うことができるようになっている。
また、前記構成では、基地局から受信した未来時間について、当該未来時刻となるまで受信部が信号を受信し続ける必要がなく、正確な時刻情報を取得することができる。そして、受信部は、未来時刻情報を取得した後、信号を受信し続ける必要がなく、受信部が受信しない状態とすることができる。
従って、信号の受信する時間を減らすことができ、消費電力を低減することができる。
[適用例5]
好ましくは、前記基地局から発信される信号が、CDMA(Code Division Multiple Access、符号分割多重接続)方式の携帯電話通信網で基地局から発信される信号であることを特徴とする時刻修正装置。
前記構成によれば、基地局から発信される信号が、CDMA(Code Division Multiple Access、符号分割多重接続)方式の携帯電話通信網で基地局から発信される信号であるので、CDMA方式の携帯電話通信網を利用することで、精度の高い時刻修正を行うことができる。
[適用例6]
複数の基地局から候補基地局を選択する候補基地局選択部と、前記候補基地局から発信される時刻情報を含む特定信号を受信する受信部と、時刻表示部の表示時刻情報を修正する時刻表示修正部と、前記時刻表示修正部が前記表示時刻情報を修正するための修正時刻情報を前記候補基地局から発信される前記特定信号の前記時刻情報に基づいて生成する修正時刻生成部と、前記修正時刻情報と前記表示時刻情報を比較して、前記修正時刻情報が前記表示時刻情報より進んでいるかを判断する修正時刻情報判断部と、を有し、前記修正時刻情報判断部の判断結果に基づいて、前記時刻表示修正部が、前記候補基地局から発信される前記特定信号の前記時刻情報に基づいて生成された前記修正時刻情報のうちで、相対的にもっとも進んでいる前記修正時刻情報に基づいて前記表示時刻情報を修正する構成を有すること、を特徴とする時刻修正装置付き計時装置。
[適用例7]
複数の基地局から候補基地局を選択する候補基地局選択部と、前記候補基地局から発信される時刻情報を含む特定信号を受信する受信部と、時刻表示部の表示時刻情報を修正する時刻表示修正部と、前記時刻表示修正部が前記表示時刻情報を修正するための修正時刻情報を前記候補基地局から発信される前記特定信号の前記時刻情報に基づいて生成する修正時刻生成部と、前記修正時刻情報と前記表示時刻情報を比較して、前記修正時刻情報が前記表示時刻情報より進んでいるかを判断する修正時刻情報判断部と、を有し、前記修正時刻情報判断部の判断結果に基づいて、前記時刻表示修正部が、前記候補基地局から発信される前記特定信号の前記時刻情報に基づいて生成された前記修正時刻情報のうちで、相対的にもっとも進んでいる前記修正時刻情報に基づいて前記表示時刻情報を修正する工程を有すること、を特徴とする時刻修正装置付き時刻修正方法。
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明に係る時刻修正装置付き計時装置である例えば、時刻修正装置付き腕時計10(以下「腕時計」という)を示す概略図であり、図2は、図1の腕時計10の内部の主なハードウエア構成等を示す概略図である。
図1に示すように、腕時計10は、その表面に文字板12、長針、短針等の針13等が配置されると共に、各種メッセージが表示されるLED等からなるディスプレイ14が形成されている。なお、ディスプレイ14は、LEDの他、LCD、アナログ表示等でも構わない。
図1に示すように、腕時計10は、アンテナ11を有しており、このアンテナ11は、基地局である例えば、CDMA基地局15a、15b、15c、15d等からの信号を受信する構成となっている。つまり、CDMA基地局15a等は、CDMA方式の携帯電話通信網の基地局となっている。
しかし、本実施の形態の腕時計10は携帯電話機能を有していないためCDMA基地局15a等と電話通信をするものではなく、CDMA基地局15a等から送信される信号から時刻情報等を受信し、その信号に基づいて時刻修正をしようとするものである。CDMA基地局15a等から送信される信号の内容については後述する。
また、図1に示すように、腕時計10には、その利用者が操作可能なりゅうず28が形成されている。このりゅうず28は、腕時計10の利用者が操作可能な外部入力部となっている。
先ず、図1の腕時計10のハードウエア構成等について説明する。図2に示すように、腕時計10はIF(interface(インターフェース))、I/O(input/output(入出力))、電源ライン20を備え、IF、I/O、電源ライン20には、CPU(Central Processing Unit)21、RAM(Random Access Memory)22、ROM(Read Only Memory)23等が接続されている。
また、IF、I/O、電源ライン20には、CDMA基地局15a等からの信号を受信する受信部である例えば、CDMA基地局電波受信機24が接続されている。このCDMA基地局電波受信機24は、図1のアンテナ11を有している。
また、IF、I/O、電源ライン20には、時計機構であるIC(半導体集積回路)等からなるリアルタイムクロック(RTC)25や温度補償回路付き水晶発振回路(TCXO)26等も接続されている。
このように、図1の文字板12、針13、図2のRTC25及びTCXO26等は、表示時刻情報を表示する時刻表示部の一例となっている。
また、IF、I/O、電源ライン20には、電池27、ディスプレイ14及びタイマー29等も接続されている。タイマー29の機能等については後述する。
このように、IF、I/O、電源ライン20は、すべてのデバイスを接続する機能を有し、アドレスやデータバス、電源ライン、各種I/Oを有する内部配線である。CPU21は、所定のプログラムの処理を行う他、IF、I/O、電源ライン20に接続されたROM23等を制御している。ROM23は、各種プログラムや各種情報等を格納している。
図3乃至図6は、腕時計10の主なソフトウエア構成等を示す概略図であり、図3は全体図である。
図3に示すように、腕時計10は、制御部18を有し、制御部18は、図3に示す各種プログラム格納部30内の各種プログラム、第1の各種データ格納部40内の各種データ及び第2の各種データ格納部50内の各種データを処理する構成となっている。
また、図3には、各種プログラム格納部30、第1の各種データ格納部40及び第2の各種データ格納部50と分けて示してあるが、実際に、このようにデータが分けて格納されているわけではなく、説明上の便宜のために分けて記載したものである。
なお、図3の第1の各種データ格納部40には、主に予め格納されているデータをまとめて示した。また、第2の各種データ格納部50には、第1の各種データ格納部40内のデータ等を各種プログラム格納部30内のプログラムで処理した後のデータ等を主に示した。
図4は、図3の各種プログラム格納部30内のデータを示す概略図であり、図5は、図3の第1の各種データ格納部40内のデータを示す概略図である。また、図6は、図3の第2の各種データ格納部50内のデータを示す概略図である。
図7及び図8は、本実施の形態にかかる腕時計10の主な動作等を示す概略フローチャートである。
以下、図7及び図8のフローチャートにしたがって本実施の形態に係る腕時計10の動作等を説明しつつ、その関連で図4乃至図6の各種プログラムや各種データ等を説明する。
フローチャートの説明に入る前にCDMA方式の携帯電話システムのうち、本実施の形態と関連ある部分を説明する。
CDMA方式の携帯電話システムは米国クアルコム社が開発した方式が1993年に米国の標準方式の一つ「IS95」に採用されたことから本格的な運用が開始されており、これ以降、IS95A、IS95B、CDMA2000という改訂を経て現在に至っている。また、日本国ではARIB STD−T64に準じて携帯電話システムが運用されている。
このようなCDMA方式は下り(CDMA基地局15a等から移動局、本実施の形態では腕時計10)は同期通信であるため、腕時計10がCDMA基地局15a等の信号と同期する必要がある。CDMA基地局15a等から送信される信号は、具体的には、パイロットチャネル信号と、シンクチャネル信号を有している。パイロットチャネル信号は、CDMA基地局15a等ごとに、異なったタイミングで発信されている信号であり、例えば、パイロットPN信号である。
図10は、CDMA基地局15a、15b、15c、15dのうち、例えば、CDMA基地局15a、15bから送信される信号の同期タイミング等を示す概略図である。
これらのCDMA基地局15a、15b、15c、15dから送信される信号は、同じであるため、この信号がどのCDMA基地局15a等から発信したかを識別するため、各CDMA基地局15a等は、それぞれ他のCDMA基地局15a等と異なるタイミングで信号を発信している。
具体的には、このタイミングの相違は、CDMA基地局15a等が発信するパイロットPN信号の相違として表れる。例えば、図10(b)のCDMA基地局15bの信号は、図10(a)のCDMA基地局15aの信号より僅かに遅れたタイミングで信号を発信している。具体的には、64chip(0.052ms(ミリ秒))分だけ、パイロットPNオフセットを設けている。
このように多数のCDMA基地局15a等が存在しても、各CDMA基地局15a等が64chipの整数倍だけ、それぞれ異なるパイロットPNオフセットを設けることで、受信する腕時計10は、どのCDMA基地局15a等からの信号を受信したかを容易に把握することができる構成となっている。このパイロットPNオフセットは基地局の一例であるCDMA基地局15a等を識別するための基地局識別情報となっている。
また、これらのCDMA基地局15a等と腕時計10の距離が離れている場合には、腕時計10がCDMA基地局15a等からの信号を受信する際には、その距離に依存する伝搬遅延時間が含まれている。
従って、本実施形態では、このような伝搬遅延時間を含んでいても、伝搬遅延時間のより小さい時刻に腕時計10の時刻を修正できるような構成としている。
また、CDMA基地局15a等から発信される信号(特定信号の一例)には、シンクチャネル信号があり、これが図9のシンクチャネルメッセージである。図9は、シンクチャネルメッセージの内容を示す概略図である。
図9に示すように、シンクチャネルメッセージには、上述したパイロットPN信号のデータ、例えば、パイロットPNオフセットデータが64chip(0.052ms)×N(0〜512)であることを示すデータが含まれている。このデータは、図9では「PILOT_PN」で表されている。
また、シンクチャネルメッセージには、GPS時刻データであるシステム時間のデータも含まれている。
システム時間は、1980年1月6日0時からの80ms単位の積算時間となっている。このデータは、図9では「SYS_TIME」で表されている。
また、シンクチャネルメッセージには、世界協定時(UTC)に換算するための「うるう秒」のデータも含まれている。このデータは、図9では、「LP_SEC」で表されている。
また、シンクチャネルメッセージには、腕時計10が所在する国又は地域のUTCに対する時差データである、ローカルオフセット時間が含まれている。すなわち、例えば、日本の場合は、UTCに9時間プラスされた時間である旨のデータ等が格納されている。
このデータは、図9では、「LTM_OFF」で表される。
また、シンクチャネルメッセージには、腕時計10が所在する国や地域がサマータイム等を採用しているか否かのサマータイムデータも含まれている。日本の場合は、サマータイム制を採用していないため、そのデータは「0」となる。このデータは、図9では、「DAYLT」で表される。
図9のシンクチャネルメッセージには、以上のような内容のデータが含まれるが、具体的には、各データは時系列に順番に送信される。送信される信号は、図10に示す、80ms単位からなるスーパーフレーム単位で送信され、シンクチャネルメッセージの最後のデータが含まれるのが、図10のラストスーパーフレームとなる。
すなわち、図10のラストスーパーフレームの最後のタイミング(図10(a)の「E」及び(b)の「EE」で示す部分)が、シンクチャネルメッセージの受信完了のタイミングとなっている。
つまり、上述のシンクチャネルメッセージに含まれるシステム時間は、このラストスーパーフレームの最後のタイミング(「E」「EE」)を基準として定められている。
具体的には、CDMA方式では、図11のシンクチャネルメッセージの上述のシステム時刻は、図10の「E」「EE」における時刻とはなっておらず、4スーパーフレーム(320ms)後における時刻、すなわち、図10の「F」「FF」における時刻となっている。この時刻が未来時刻情報の一例となる。
これは、CDMAがそもそも携帯電話で通信するためのシステムであることに基づく。つまり、携帯電話機は、CDMA基地局15a等から図9に示す、シンクチャネルメッセージを受信した後、CDMA基地局15a等との同期通信をするための準備を携帯電話機内で行う必要がある。
具体的には、次のステージである「待ち受け状態」へ遷移するための準備をした後、CDMA基地局15a等と同期をとり通信することになる。
そこで、この準備時間を考慮して、CDMA基地局15a等は、予め未来の時刻である320ms後の時間を、事前に送信し、この時間を受信した携帯電話機が内部で処理を行い、準備が終わった後、この時刻でCDMA基地局15a等と同期を取りに行くと同期を取りやすくなるという構成となっている。換言すれば、この4スーパーフレーム(320ms)が携帯電話機側の準備時間となっている。
このように、腕時計10が例えばCDMA基地局15bの信号を受信した場合、パイロットPNオフセットを換算した際のラストスーパーフレームの最後のタイミングは、「EE」の時点となるはずである。
以上が、本実施の形態におけるCDMA方式の携帯電話システムの概略であり、以上の前提で、以下、本実施の形態を説明する。
本実施の形態の腕時計10は、CDMA基地局15a等から取得したシンクチャネルメッセージの情報に基づいて、表示時刻の修正用のデータを作成して修正する。そして、このような工程を繰り返すことで、最終的には、候補のCDMA基地局15a乃至15dの中で、相対的にもっとも進んでいるデータで表示時刻を修正するようになっている。
つまり、複数のCDMA基地局15a等から候補のCDMA基地局15a乃至15dを選択する。そして、候補のCDMA基地局15a乃至15dから1つのCDMA基地局15a等を任意に選択し、そのシンクチャネルメッセージの情報を取得する。次に、そのシンクチャネルメッセージの情報から表示時刻を修正するためのデータを作成する。最初(初回)は、その作成したデータで、表示時刻の修正を行う。
その後、他の候補のCDMA基地局15a等からのシンクチャネルメッセージの情報を取得して、そのシンクチャネルメッセージの情報から作成したデータと表示時刻のデータを比較する。次に、その作成されたデータが、表示時刻のデータより進んでいた場合には、そのデータで、表示時刻の修正を行う。そして、この工程を繰り返すことで、候補のCDMA基地局15a等の中で、相対的にもっとも進んでいるデータにより表示時刻が、修正されるようになっている。
以下で、更に本実施の形態について説明する。本実施の形態では、図1の腕時計10が、1日に1回、すなわち24時間に1回の時刻修正を自動的に行う場合を説明する。
腕時計10の時刻修正をする場合は、先ず、腕時計10の図2に示すCDMA基地局電波受信機24は、図7のST1に示すように、図1のCDMA基地局15a等から送信される電波のうち、パイロットチャネルの信号電波を受信するためのパイロットチャネルスキャンを行う。つまり、図4の基地局サーチプログラム37が、複数のCDMA基地局15a等から、候補となるCDMA基地局15a、15b、15c、15dを選択する。
ここで、基地局サーチプログラム37は、候補基地局選択部の一例となっている。
その後、ST2で、CDMA基地局電波受信機24は、CDMA基地局15a等からのパイロットチャネル信号を受信する。具体的には、図4のパイロットチャネル信号受信プログラム31が動作して、候補となるCDMA基地局15a乃至15dのうちから、任意に1つのCDMA基地局15a等からのパイロットチャネル信号を受信する。例えば、図4のパイロットチャネル信号受信プログラム31が動作して、CDMA基地局15aからのパイロットチャネル信号を受信する。
次に、図7のST3で、受信したパイロットチャネル信号にパイロットPNコードをミキシングして同期をとる。
具体的には、図4のパイロットPN同期プログラム32が動作し、図10に示すような、80/3ms毎のパイロットチャネル信号(パイロットPN信号)と同期を取る。つまり、電波をダウンコンバートし、図示しないベースバンド部が、パイロットチャネルの信号にパイロットPNコードをミキシングして同期を取る。
次にST4で、図4のパイロットPN同期プログラム32が、CDMA基地局15aのパイロットチャネル信号と同期が完了したか否かを判断し、同期が完了しない場合は、ST5で、腕時計10が有するサービスエリアテーブルを全て参照したか(一巡したか)判断し、全て参照していない場合は、ST6に進む。
ST6では、日本、アメリカ、中国、カナダ等におけるCDMA基地局15a等のデータである図5のサービスエリアデータ42を参照し、そのデータに基づきST1のパイロットチャネルスキャンを行う。
つまり、例えば、腕時計10は、日本のCDMA基地局15a等を探しているが、実際はアメリカに所在していたという場合は、ST3でパイロットチャネル信号と同期を取ることができない。そこで、ST6でアメリカのCDMA基地局15a等のデータを取得し、そのデータに基づき、ST1のパイロットチャネルスキャンを行う。
一方、ST5で、腕時計10が持っている図5のサービスエリアデータ42を全て参照したにもかかわらずパイロットチャネル信号との同期を取ることができないときは、ST7に進む。ST7では、ユーザに時刻修正が行われていないことを示すため、例えば、図1の秒針を3秒動かすことで、その旨をユーザに知らせる。そして、時刻修正をユーザ判断に任せ、終了する。このようにすることで、通常とは違うことを腕時計10のユーザに知らせることができる。
一方、ST4で、パイロットチャネル信号との同期が完了したときは、ST8に進む。ST8では、パイロットチャネルからシンクチャネルに切り替えられ、シンクチャネルメッセージの受信を開始する。
具体的には、図4のシンクチャネルメッセージ受信プログラム33が図9に示すような、シンクチャネルメッセージの受信を開始する。
次に、ST9でシンクチャネルメッセージの受信が完了したか否かを判断し、シンクチャネルメッセージの受信が完了していないときは、ST10でタイムアウトかを判断し、タイムアウトの場合は、再び、ST8でシンクチャネルメッセージを受信し直す。
また、ST10で、タイムアウトで無い場合は、ST9でシンクチャネルメッセージの受信が完了するまで受信するようになっている。
一方、ST9で、シンクチャネルメッセージの受信が完了すると、図8のST11に進み、図2のCDMA基地局電波受信機24が信号の受信を停止する。
具体的には、図4の受信機制御プログラム34が動作して、CDMA基地局電波受信機24のCDMA基地局15aからの電波受信を停止する。つまり、図10のラストスーパーフレームの終了のタイミングである「E」(CDMA基地局15bの場合は、例えば「EE」)で示すタイミングで電波受信を終了する。
これで、腕時計10は、図9に示す全てのシンクチャネルメッセージを受信したことになり、このシンクチャネルメッセージは、図6のシンクチャネルメッセージデータ51として格納される。
次にST12に進む。ST12以降では、既にCDMA基地局15aから取得したシンクチャネルメッセージの情報に基づいて、表示時刻の修正用のデータを作成して修正するする工程となる。これらの工程は、取得したシンクチャネルメッセージの情報から表示時刻を修正するためのデータを作成し、最初(初回)では、表示時刻のデータを作成したデータで修正を行う。次に、他の候補のCDMA基地局15a等から取得したシンクチャネルメッセージの情報からデータを作成した場合は、そのデータと、表示時刻のデータを比較する。そして、作成されたデータが表示時刻のデータより進んでいる場合には、その作成されたデータで、表示時刻の修正が行われるようになっている。
上述したように、CDMA基地局15a等から発信される信号には、4スーパーフレーム後の未来時刻情報を含む。これは、図10(a)のCDMA基地局15a等の信号が、図1の腕時計10のアンテナ11で受信される際には、CDMA基地局15a等と腕時計10の距離に依存する伝搬遅延時間を含むデータとなっている。
これは、CDMA基地局15a等からの信号が発信されると同時に腕時計10で受信が可能となるわけではなく、CDMA基地局15a等からの信号が、受信機側である腕時計10に到達して初めて受信可能となるからである。
つまり、このような信号は、一定の速度で送信されるのであり、送信側であるCDMA基地局15a等と受信機側である腕時計10との距離に対応する時間分(伝搬遅延時間)を加算した時間が、実際に腕時計10が受信するタイミングとなる。
従って、腕時計10の時刻と、CDMA基地局15a等から発信された信号に基づく時刻情報を比較し、腕時計10の時刻より進んでいる場合には、その時刻情報に基づき腕時計10の時刻を修正していくことで、この伝搬遅延時間を最小に抑えることができるようになっている。
つまり、受信機側である腕時計10と送信側であるCDMA基地局15a等の距離がより近いCDMA基地局15a等から送信されたシンクチャネルメッセージの時刻のデータに基づいて、時刻修正を行っていくことで、より正確な、つまり、伝搬遅延時間の少ない時刻のデータで修正を行うことができる。
この際、腕時計10側が、複数のCDMA基地局15a等からの信号を一度に受信して、シンクチャネルメッセージを取得し、その中で一番近いCDMA基地局15a等からのシンクチャネルメッセージの情報に基づいて、腕時計10の時刻を修正しても良い。
しかし、本実施形態では、腕時計10が一度に消費する電力を低減するため、複数のCDMA基地局15a等のうち1つずつのCDMA基地局15a等ごとに、信号を受信してシンクチャネルメッセージを取得するようになっている。そして、その取得したシンクチャネルメッセージの情報に基づいて、時刻を修正するためのデータが作成され、作成されたデータに基づき、以下に説明する工程が行われるようになっている。つまり、1つのCDMA基地局15a等からのシンクチャネルメッセージに基づいたデータが作成され、以下の工程が終了すると、再び、受信機側である腕時計10は他のCDMA基地局15a等からの信号を受信する。そして、シンクチャネルメッセージが取得され、その取得されたシンクチャネルメッセージの情報からデータが作成され、その後の工程が行われる。そのため、結果的に一番、伝搬遅延時間の少ない、つまり、受信機側である腕時計10に一番近いCDMA基地局15a等からの信号に基づき、腕時計10の時刻の修正が行われるようになっている。
従って、腕時計10は、より正確な時刻に修正されるようになっている。
ST12では、腕時計10は、例えば日本に所在するため、図6のシンクチャネルメッセージデータ51から、GPS時刻、うるう秒、ローカルオフセット時間(日本の場合は、UTCに9時間を加える)、サマータイム時間(日本の場合は、サマータイムが無いので0時間を加える)を抽出して、図4の修正用時刻データ算出プログラム35が動作し、CDMA基地局15aの発信している時刻のデータを算出し、これから320msを減算して、パイロットチャネル信号のオフセット時間を加算し、修正用時刻データを求め、図6の修正用時刻データ52として格納される。
具体的には、GPS時刻を基本にうるう秒データに基づいてUTC時刻を算出する。次いで、このUTC時刻に基づき、ローカルオフセット時間で、例えば、9時間を加算し、日本時刻とする。また、日本では、サマータイムを採用していないので、サマータイム時間の補正は実質的には行わない。なお、サマータイム制を採用している国にあっては、サマータイム時間の補正は、極めて精度の高い時刻補正となる。次に、算出された時刻から、4スーパーフレーム分の320msが減算され、そして、パイロットチャネル信号のオフセット時間が加算され、修正用時刻データとなり、図6の修正用時刻データ52として格納される。
ここで、4スーパーフレーム分の320msを減算する理由は、図10で説明すると、以下のようになる。つまり、腕時計10が図10のCDMA基地局15aの信号を受信し、そのシンクチャネルメッセージを取得したとする。この受信した時刻(GPS時刻)は、上述したパイロットPNオフセットデータが、0chip(0ms)の場合の時刻を基準とした、ラストスーパーフレームの最後のタイミングから4スーパーフレーム(320ms)後の時刻情報(図10の例では、「F」における時刻)となっている。
その為、この時刻(図10の例では、「F」における時刻)から、320ms(4スーパーフレーム分)を減算すると、図10の「F」の時刻は、図10の「E」における時刻情報となる。
次に、パイロットチャネル信号のオフセット時間を加算する理由は、図10で説明すると、CDMA基地局15bからの信号は、GPS時刻に比べ基地局固有の時差であるパイロットPNオフセット分だけ遅延している。つまり、CDMA基地局15bは、そのパイロットPNオフセットが、例えば、64chip(0.052ms)があるため、図10のCDMA基地局15bの実際にラストスーパーフレームの最後を受信したタイミングである「EE」は、腕時計10が取得したGPS時刻にパイロットPNオフセットを加算した時刻となる。
このため、CDMA基地局15bの信号は、パイロットPNオフセットが0.052msであるので、その分を加算する。すると、ラストスーパーフレーム受信完了時(EE)のGPS時刻に基づく、たとえば、日本時刻が生成される。
これは、図4の修正用時刻データ算出プログラム35が、CDMA基地局15a等の発信している時刻のデータを算出し、図5の差分時間データ43及びパイロットPNオフセット時間データ44等に基づいて行い、その結果を図6の修正用時刻データ52として格納する。図5における差分時間データ43の一例が、上述の320ms(4スーパーフレーム)というデータであり、第1の各種データ格納部40に格納されている。また、図5のパイロットPNオフセット時間データ44の一例が、上述の64chip(0.052ms)というデータであり、第1の各種データ格納部40に格納されている。
ここで、CDMA基地局15a等から発信された信号であるシンクチャネルメッセージは、特定信号の一例となっている。このシンクチャネルメッセージに含まれるGPS時刻等は、時刻情報の一例となっている。そして、このシンクチャネルメッセージに含まれるGPS時刻等は、受信部(例えば、CDMA基地局電波受信機24)が受信する時刻である受信時刻情報(例えば、図10の「E」における時刻情報等)から一定時間経過後(例えば、320ms経過後)の未来時刻情報の一例となっている。また、図5の差分時間データ43は、差分時間情報の一例となっており、この差分時間データ43を格納している第1の各種データ格納部40は、差分時間情報格納部の一例ともなっている。
そして、図4の修正用時刻データ算出プログラム35は、受信部(例えば、CDMA基地局電波受信機24)が受信した時刻情報(例えば、シンクチャネルメッセージデータ51のGPS時刻等)に基づいて、修正用時刻情報(例えば、修正用時刻データ52)を生成する、修正時刻生成部の一例となっている。また、修正用時刻データ算出プログラム35は、受信部(例えば、CDMA基地局電波受信機24)が受信した未来時刻情報(例えば、図10の「E」における時刻情報等から一定時間、例えば、320ms経過後)と差分時間情報(例えば、差分時間データ43)に基づいて、表示時刻情報(例えば、表示時刻用データ53)を修正するための修正時刻情報(例えば、修正用時刻データ52)を生成する、修正時刻生成部の一例となっている。
そのため、未来時刻となるまで受信部が信号を受信し続ける必要がなく、正確な時刻情報を取得することができる。そして、受信部は、未来時刻情報を取得した後、信号を受信し続ける必要がなく、受信部が受信しない状態とすることができる。従って、信号の受信する時間を減らすことができ、消費電力を低減することができる。
ところで、上述したように、この修正用時刻データ52は、CDMA基地局15aと腕時計10との距離に対応する伝搬遅延時間を含んでいる。
そこで、本実施形態では、ST13の工程が行われる。すなわち、図4の修正時刻情報判断プログラム38が動作して、図6の修正用時刻データ52と表示時刻用データ53を比較し、修正用時刻データ52が表示時刻用データ53より進んでいるかを判断する。この表示時刻用データ53は、腕時計10の時刻表示部(例えば、針13、文字板12等)に表示する時刻のデータである表示時刻情報の一例となっている。
このとき、表示時刻用データ53より修正用時刻データ52が、進んでいる場合は、後述するST14の工程に進む。
一方、ST13で、修正用時刻データ52が表示時刻用データ53より進んでいない場合は、この修正用時刻データ52では、ST16に進む。
ST16では、N=0かが判断される。つまり、図3のCDMA基地局電波受信機24が、CDMA基地局15a等からのシンクチャネルメッセージの受信が最初であるか否かが判断される。すなわち、腕時計10の時刻修正を1日1回のタイミングで行う場合の、シンクチャネルメッセージを最初に受信した場合であるかが判断される。実際には、図6のシンクチャネルメッセージ取得回数カウントデータ54がN=0となっているかどうかが判断される。
ST16で、N=0で無い場合、つまり、最初でない場合は、ST15に進む。
一方、ST16で、N=0であると判断されると、最初であることから、ST14に進む。
ST14では、図4のRTC及び時刻修正プログラム36が動作し、修正用時刻データ52に基づいて、図3のRTC25や図1の針13等を修正し、ST15に進む。
ST15では、他の候補のCDMA基地局15a等があるかの判断を行う。具体的には、ST1で、図4の基地局サーチプログラム37が、受信することができるとして、選択した候補となるCDMA基地局15a、15b、15c、15dの中で、既に受信したCDMA基地局15a以外があるか否かを判断する。
ST15で、他に候補のCDMA基地局15a等が無いと判断されると、ST19に進む。
ST19では、図6のシンクチャネルメッセージ取得回数カウントデータ54をリセットして、N=0として、時刻修正の工程が終了する。
一方、既に受信したCDMA基地局15a等以外で、他に候補のCDMA基地局15a等があると判断されると、ST17に進む。
ST17では、図6のシンクチャネルメッセージ取得回数カウントデータ54がN=3となっているかが判断される。つまり、図4の基地局サーチプログラム37が、選択した候補のCDMA基地局15a等は、例えば、4つであり、最初の受信の際には、N=0となっているが、N=3となっている場合は、全ての候補のCDMA基地局15a等の受信が終了していることになるからである。
そして、ST17で、N=3と判断されると、上述したST19に進み、この時刻修正の工程が終了する。
一方、ST17で、N=3となっていない場合は、受信していない候補のCDMA基地局15a等があるので、ST18に進む。ST18では、N=N+1として、記憶されている図6のシンクチャネルメッセージ取得回数カウントデータ54の値に1回分として1を加算して、シンクチャネルメッセージ取得回数カウントデータ54として、その加算した値を記憶しておく。このようにすると、候補のCDMA基地局15a等からのシンクチャネルメッセージの受信回数がカウントでき、全ての候補のCDMA基地局15a等の受信が終了したかの判断を行うことができるようになっている。
ST18で、シンクチャネルメッセージ取得回数カウントデータ54の値に1を加算すると、図7のST2の工程に戻り、上述で説明したST2からST18までの工程を再度、繰り返し行うようになっている。
従って、ST1〜ST18の工程を繰り返し行っていくと、図6の修正用時刻データ52のより進んでいる時刻で、表示時刻用データ53が修正されていることになる。
つまり、上述の工程を繰り返すことで、伝搬遅延時間のより小さい、最小の伝搬遅延時間となるCDMA基地局15a等からの信号により、時刻表示部の修正を行うことができるようになっている。つまり、腕時計10との距離が最短の位置に設置されているCDMA基地局15a等から発信された特定信号により、時刻表示部の修正を行うことができるので、より正確な時刻修正を行うことができるようになっている。しかも、本実施の形態では、上述の工程は、CDMA基地局15a等毎に行っていくようになっているので、CDMA基地局15a等からの信号を受信する際に、一度に使用される電力を抑えることができるので、小型の電子機器である腕時計10にも搭載しやすいものとなっている。
一方、ST15では、他の候補のCDMA基地局15a等が無いと判断されると、この一連の工程を終了するようになっている。
このように、図4の修正時刻情報判断プログラム38は、修正時刻情報(例えば、修正用時刻データ52)と表示時刻情報(例えば、表示時刻用データ)を比較して、修正時刻情報(例えば、修正用時刻データ52)が表示時刻情報(例えば、表示時刻用データ53)より進んでいるかを判断する修正時刻情報判断部の一例となっている。
そして、図4のRTC及び時刻修正プログラム36は、修正時刻情報判断部(例えば、修正時刻情報判断プログラム38)が、表示時刻情報(例えば、表示時刻用データ53)より前記修正時刻情報(例えば、修正用時刻データ52)が進んでいると判断した場合に、修正時刻情報(例えば、修正用時刻データ52)に基づいて表示時刻情報(例えば、表示時刻用データ53)を修正する構成となっている時刻表示修正部の一例である。
つまり、修正時刻情報(例えば、修正用時刻データ52)は、基地局(例えば、CDMA基地局15a等)と受信機側(例えば、CDMA基地局電波受信機24、腕時計10)との距離による伝搬遅延時間を含んだ情報となっている。
しかし、時刻表示修正部(例えば、RTC及び時刻修正プログラム36)は、常に表示時刻情報(例えば、表示時刻用データ53)より進んでいる修正時刻情報(例えば、修正用時刻データ52)に基づいて、表示時刻情報を修正するようになっているので、常に、伝搬遅延時間の少ない、より正確な時刻で表示時刻が修正されることができるようになっている。
また、本実施形態の上述の工程によれば、図4の基地局サーチプログラム37によって、複数の基地局(例えば、CDMA基地局15a等)から候補基地局(例えば、CDMA基地局15a乃至15d)を選択し、受信部(例えば、CDMA基地局電波受信機24)は、候補基地局(例えば、CDMA基地局15a乃至15d)からの前記特定信号(シンクチャネルメッセージデータ)を1つの基地局(例えば、CDMA基地局)ごとに受信する構成となっている。そして、本実施形態の上述の工程によれば、図4の修正用時刻データ算出プログラム35は、受信部(例えば、CDMA基地局電波受信機24)で受信された特定信号(例えば、シンクチャネルメッセージ)に含まれる時刻情報(例えば、GPS時刻等)ごとに修正時刻情報(例えば、修正用時刻データ52)を生成する構成を有する。また、図4の修正時刻情報判断プログラム38は、修正時刻生成部(例えば、修正用時刻データ算出プログラム35)で生成された修正時刻情報(例えば、修正用時刻データ52)ごとに順番に表示時刻情報(例えば、表示時刻用データ53)と比較して、判断する構成を備えている。
このため、受信の際に一度に消費される電力を抑えることができる。
また、本実施形態の上述の工程によれば、図4のRTC及び時刻修正プログラム36は、候補基地局(例えば、CDMA基地局15a等)からの時刻情報に基づいて生成された修正時刻情報(例えば、修正用時刻データ52)のうちで、相対的にもっとも進んでいる修正時刻情報(例えば、修正用時刻データ52)に基づいて表示時刻情報(例えば、表示時刻用データ53)を修正する構成を備える時刻表示修正部の一例ともなっている。
このため、より伝搬遅延時間の少ない時刻情報に基づいて、表示時刻情報が修正されることとなり、一番近い基地局からの電波信号に基づき、表示時刻情報の修正を行うことができる。また、CDMA方式の精度の高い時刻情報に基づいて時刻修正をすることもできる。
本発明は、上述の実施の形態に限定されない。
本発明に係る時刻修正装置付き計時装置である例えば、時刻修正装置付き腕時計を示す概略図である。 図1の腕時計の内部の主なハードウエア構成等を示す概略図である。 腕時計の主なソフトウエア構成等を示す概略全体図である。 図3の各種プログラム格納部内のデータを示す概略図である。 図34の第1の各種データ格納部内のデータを示す概略図である。 図3の第2の各種データ格納部内のデータを示す概略図である。 本実施の形態にかかる腕時計の主な動作等を示す概略フローチャートである。 本実施の形態にかかる腕時計の主な動作等を示す概略フローチャートである。 シンクチャネルメッセージの内容を示す概略図である。 CDMA基地局から送信される信号の同期タイミング等を示す概略図である。
符号の説明
10・・・時刻修正装置付き腕時計、11・・アンテナ、12・・・文字板、13・・・針、14・・・ディスプレイ、15a及び15d・・・CDMA基地局、18・・・制御部、20・・・IF.IO.電源ライン、24・・・CDMA基地局電波受信機、25・・・リアルタイムクロック(RTC)、26・・・温度補償回路付き水晶発信回路(TCXO)、27・・・電池、29・・・タイマー、30・・・各種プログラム格納部、31・・・パイロットチャネル信号受信プログラム、32・・・パイロットPN同期プログラム、33・・・シンクチャネルメッセージ受信プログラム、34・・・受信機制御プログラム、35・・・修正用時刻データ算出プログラム、36・・・RTC及び時刻修正プログラム、37・・・基地局サーチプログラム、38・・・修正時刻情報判断プログラム、40・・・第1の各種データ格納部、41・・・パイロットPN同期用データ、42・・・サービスエリアデータ、43・・・差分時間データ、44・・・パイロットPNオフセット時間データ、50・・・第2の各種データ格納部、51・・・シンクチャネルメッセージデータ、52・・・修正用時刻データ、53・・・表示時刻用データ

Claims (7)

  1. 複数の基地局から候補基地局を選択する候補基地局選択部と、
    前記候補基地局から発信される時刻情報を含む特定信号を受信する受信部と、
    時刻表示部の表示時刻情報を修正する時刻表示修正部と、
    前記時刻表示修正部が前記表示時刻情報を修正するための修正時刻情報を前記候補基地局から発信される前記特定信号の前記時刻情報に基づいて生成する修正時刻生成部と、
    前記修正時刻情報と前記表示時刻情報を比較して、前記修正時刻情報が前記表示時刻情報より進んでいるかを判断する修正時刻情報判断部と、を有し、
    前記修正時刻情報判断部の判断結果に基づいて、前記時刻表示修正部が、前記候補基地局から発信される前記特定信号の前記時刻情報に基づいて生成された前記修正時刻情報のうちで、相対的にもっとも進んでいる前記修正時刻情報に基づいて前記表示時刻情報を修正する構成を有すること、
    を特徴とする時刻修正装置。
  2. 前記受信部は、前記候補基地局ごとに前記特定信号を受信する構成を備えており、
    前記修正時刻生成部は、受信された前記特定信号に含まれる前記時刻情報ごとに前記修正時刻情報を生成する構成を有し、
    前記修正時刻情報判断部は、前記修正時刻生成部で生成された前記修正時刻情報ごとに順番に前記表示時刻情報と比較して、判断する構成を備えていることを特徴する請求項1に記載の時刻修正装置。
  3. 前記受信部が前記候補基地局から最初に前記特定信号を受信した際には、前記時刻表示修正部は、最初に受信された前記特定信号に含まれている前記時刻情報から生成された前記修正時刻情報に基づいて前記表示時刻情報を修正する構成を備えていることを特徴とする請求項2に記載の時刻修正装置。
  4. 前記時刻情報は、前記受信部が受信する時刻である受信側時刻情報から一定時間経過後の未来時刻情報となっており、
    前記未来時刻情報と前記受信側時刻情報との差分時間情報が格納されている差分時間情報格納部と、を有し、
    前記修正時刻生成部は、前記受信部が受信した前記未来時刻情報と前記差分時間情報に基づいて前記修正時刻情報を生成する構成を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の時刻修正装置。
  5. 前記基地局から発信される信号が、CDMA(Code Division Multiple Access、符号分割多重接続)方式の携帯電話通信網で基地局から発信される信号であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の時刻修正装置。
  6. 複数の基地局から候補基地局を選択する候補基地局選択部と、
    前記候補基地局から発信される時刻情報を含む特定信号を受信する受信部と、
    時刻表示部の表示時刻情報を修正する時刻表示修正部と、
    前記時刻表示修正部が前記表示時刻情報を修正するための修正時刻情報を前記候補基地局から発信される前記特定信号の前記時刻情報に基づいて生成する修正時刻生成部と、
    前記修正時刻情報と前記表示時刻情報を比較して、前記修正時刻情報が前記表示時刻情報より進んでいるかを判断する修正時刻情報判断部と、を有し、
    前記修正時刻情報判断部の判断結果に基づいて、前記時刻表示修正部が、前記候補基地局から発信される前記特定信号の前記時刻情報に基づいて生成された前記修正時刻情報のうちで、相対的にもっとも進んでいる前記修正時刻情報に基づいて前記表示時刻情報を修正する構成を有すること、
    を特徴とする時刻修正装置付き計時装置。
  7. 複数の基地局から候補基地局を選択する候補基地局選択部と、前記候補基地局から発信される時刻情報を含む特定信号を受信する受信部と、
    時刻表示部の表示時刻情報を修正する時刻表示修正部と、
    前記時刻表示修正部が前記表示時刻情報を修正するための修正時刻情報を前記候補基地局から発信される前記特定信号の前記時刻情報に基づいて生成する修正時刻生成部と、
    前記修正時刻情報と前記表示時刻情報を比較して、前記修正時刻情報が前記表示時刻情報より進んでいるかを判断する修正時刻情報判断部と、を有し、
    前記修正時刻情報判断部の判断結果に基づいて、前記時刻表示修正部が、は前記候補基地局から発信される前記特定信号の前記時刻情報に基づいて生成された前記修正時刻情報のうちで、相対的にもっとも進んでいる前記修正時刻情報に基づいて前記表示時刻情報を修正する工程を有すること、
    を特徴とする時刻修正装置付き時刻修正方法。
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