JP4862557B2 - 時刻修正装置及び時刻修正装置付き計時装置 - Google Patents
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Description
したがって、このCDMA方式の携帯電話通信網で基地局から送信されるGPS時刻データを端末が取得し、このGPS時刻データを用いて内蔵時計の時刻データを補正しようとする提案がなされている(例えば、特許文献1)。
しかし、例えば、アメリカ合衆国のように、同一国内でも州が異なれば時差が変わることがあり、このような時差が異なる地域を日常的に移動している人々が、上述のCDMA方式の基地局からの時刻情報に基づいて時刻修正を行う時計等の機器を所持する場合がある。
この場合、時計等の機器が時刻修正をする際に、偶然所在した地域の時差に基づいて時刻修正をするため、本来、日常的に活動している地域の時刻は表示されないという事態が生じる。この場合は、CDMA方式の基地局からの時刻情報に基づき精度良く時刻修正することが、逆に利用者にとって、その所持する機器を使い難くするという問題があった。
また、受信部が地域時刻補正情報を時系列に取得した複数の地域時刻補正情報を格納する地域時刻補正情報格納部を有し、修正時刻情報生成部は、少なくとも、地域時刻補正情報選択情報に基づき選択された一の地域時刻補正情報に基づき修正時刻情報を生成する構成となっている。そして、時刻情報修正部は、一の地域時刻補正情報に基づき生成された修正時刻情報に基づき時刻表示部の表示時刻情報を修正する構成となっている。
このため、時刻修正装置の所持者が例えば、アメリカ合衆国等で頻繁に時差を跨ぐ移動をする場合等でも、その頻繁に跨ぐ時差、例えば1時間では、時差変更がなかったものと扱うように地域時刻補正情報選択情報を設定することで、時差変更を行うことなく時刻修正を実施することができる。このため、頻繁な時差の変更を回避しつつ、精度の高い時刻修正を行うことが可能となり、所持者にとって使い易い時刻修正装置となる。
このため、地域時刻補正情報格納部に複数の地域時刻補正情報が格納されている場合は、それらについて、それぞれ修正時刻情報を生成し、生成されたそれぞれの修正時刻情報を表示部に表示することができる。
そして、その表示された修正時刻情報のうち利用者が好ましい修正時刻情報を選択し、決定することができる。
したがって、地域時刻補正情報選択情報で、一の地域時刻補正情報を選択した場合でも、選択された一の地域時刻補正情報に基づく修正時刻情報と、選択されなかった地域時刻補正情報に基づく修正時刻情報を共に表示部に表示することができる。このため、利用者が地域補正情報選択情報にかかわらず、その好ましい修正時刻情報を採択することができる。
つまり、地域時刻補正情報選択情報で、例えば前回に取得した地域時刻補正情報である例えば、ローカルオフセット時刻情報と、今回取得したロールオフセット時刻情報が、例えば30分の時差の範囲を超える場合は、超えた場合のローカルオフセット時刻情報を用いるとされていた場合でも、一律に30分を超えるローカルオフセット時刻情報に基づいて時刻修正を行うのではなく、前回と今回のローカルオフセット時刻情報に基づき生成した修正時刻情報を共に表示し、利用者の選択にとって利便性が高い時刻修正装置となる。
例えば、一旦、地域時刻補正情報選択情報を、前回に取得した地域時刻補正情報である例えば、ローカルオフセット時刻情報と、今回に取得したロールオフセット時刻情報が、例えば30分の時差の範囲を超える場合は、超えた場合のローカルオフセット時刻情報を用いるとされていた場合でも、利用者が前回のローカルオフセット時刻情報を選択したときは、この地域時刻補正情報選択情報を、例えば1時間に変化させることができる。
これにより、次回からは、ローカルオフセット時刻情報が、例えば、30分の時差を超える場合でも1時間以内であれば、前回のローカルオフセット時刻情報に基づいて時刻修正されるので、利用者の要請の変化にかなう時刻修正を行うことができる。
また、時刻修正装置は、この未来時刻情報と差分時間情報に基づき受信時刻情報を生成する受信時刻情報生成部を有している。
このため、この受信時刻情報生成部によって、時刻修正装置が受信した受信時刻情報を正確に取得することができる。
したがって、前記構成では、従来のように基地局から受信した未来時間について、当該未来時刻となるまで、受信部が信号を受信し続けなくても、正確な時刻情報を取得できる。このため、時刻修正装置の受信部は、未来時刻情報を取得した後、信号を受信し続ける必要がなく、受信部が信号を受信しない状態とすることができる。
以上から、従来と比べ、信号を受信する時間を大幅に減らすことができ、消費電力を大幅に少なくすることができる。つまり、前記構成では、超低電力が求められる機器等にも対応可能な時刻修正装置となる。
時刻修正装置は、修正時刻情報生成部が、少なくとも、上述の受信時刻情報と処理時間情報に基づいて、修正時刻情報を生成する構成を有している。
すなわち、前記構成の時刻修正装置は、同装置内で、かかる受信時刻情報生成部が動作等する時間である処理時間情報を有し、この処理時間情報に基づき、最終的に時刻情報表示部を修正することで、極めて精度の高い時刻修正を可能としている。
したがって、時刻修正装置は、GPS時刻情報と、基地局誤差時間情報で、誤差がないより正確な実際の受信時刻情報を取得することが可能な構成となっている。
このため、GPS時刻を世界協定時に直し、さらに地域時間(例えば、日本時間)に直すことができるので、時刻修正装置が修正しようとする時刻情報表示部が所在する国や地域等における時差を考慮した当該国及び地域の時間を正確に取得することができる。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1に示すように、腕時計10は、その表面に文字板12、長針、短針等の針13等が配置されると共に、各種メッセージが表示されるLED等からなるディスプレイ14が形成されている。なお、ディスプレイ14は、LEDの他、LCD、アナログ表示等でも構わない。
しかし、本実施の形態の腕時計10は携帯電話機能を有していないためのCDMA基地局15a等と電話通信をするものではなく、CDMA基地局15a等から送信される信号から時刻情報等を受信し、その信号に基づいて時刻修正をしようとするものである。CDMA基地局15a等から送信される信号も内容については後述する。
また、図1に示すように、腕時計10には、その利用者が操作可能なりゅうず28が形成されている。
このディスプレイ14は、利用者に対して情報を表示する表示部の一例となっている。
また、バス20には、CDMA基地局15a等からの信号を受信する受信部である例えば、CDMA基地局電波受信機24が接続されている。このCDMA基地局電波受信機24は、図1のアンテナ11を有している。
また、バス20には、時計機構であるIC(半導体集積回路)等からなるリアルタイムクロック(RTC)25や温度補償回路付き水晶発振回路(TCXO)26等も接続されている。
図3に示すように、腕時計10は、制御部29を有し、制御部29は、図3に示す各種プログラム格納部30内の各種プログラム、第1の各種データ記憶部40内の各種データ及び第2の各種データ記憶部50内の各種データを処理する構成となっている。
また、図3には、各種プログラム格納部30、第1の各種データ記憶部40及び第2の各種データ記憶部50と分けて示してあるが、実際に、このようにデータが分けて格納されているわけではなく、説明上の便宜のために分けて記載したものである。
なお、図3の第1の各種データ記憶部40には、主に予め格納されているデータをまとめて示した。また、第2の各種データ記憶部50には、第1の各種データ記憶部40内のデータ等を各種プログラム格納部30内のプログラムで処理した後のデータ等を主に示した。
図4は、図3の各種プログラム格納部30内のデータを示す概略図であり、図5は、図3の第1の各種データ記憶部40内のデータを示す概略図である。また、図6は、図3の第2の各種データ記憶部50内のデータを示す概略図である。
図7乃至図12は、本実施の形態にかかる腕時計10の主な動作等を示す概略フローチャートである。
フローチャートの説明に入る前にCDMA方式の携帯電話システムのうち、本実施の形態と関連ある部分を説明する。
CDMA方式の携帯電話システムは米国クアルコム社が開発した方式が1993年に米国の標準方式の一つ「IS95」に採用したことから本格的な運用が開始されており、これ以降、IS95A、IS95B、CDMA2000という改訂を経て現在に至っている。また、日本国ではARIB STD−T53に準じて携帯電話システムが運用されている。
このようなCDMA方式は下り(CDMA基地局15a等から移動局、本実施の形態では腕時計10)は同期通信であるため、腕時計10がCDMA基地局15a等の時刻データと同期する必要がある。CDMA基地局15a等から送信される信号は、具体的には、パイロットチャネル信号と、シンクチャネル信号を有している。パイロットチャネル信号は、CDMA基地局15a等ごとに、異なったタイミングで発信されている信号であり、例えば、パイロットPN信号である。
これらのCDMA基地局15a、15bから送信される信号は、同じであるため、この信号がどのCDMA基地局15a等から発信したかを識別するため、各CDMA基地局15a等は、それぞれ他のCDMA基地局15a等と異なるタイミングで信号を発信している。
具体的には、このタイミングの相違は、CDMA基地局15a等が発信するパイロットPN信号の相違として表れる。すなわち、例えば、図13のCDMA基地局15bは、CDMA基地局15aより僅かに遅れたタイミングで信号を発信している。具体的には、64chips(0.052ms(ミリ秒))分だけ、パイロットPNオフセットを設けている。
このように多数のCDMA基地局15a等が存在しても、各CDMA基地局15a等が64chipの整数倍だけ、それぞれ異なるパイロットPNオフセットを設けることで、受信する腕時計10は、どのCDMA基地局15a等からの信号を受信したかを容易に把握することができる構成となっている。
図14に示すように、シンクチャネルメッセージには、上述したパイロットPN信号のデータ、例えば、パイロットPNオフセットデータが64chips(0.052ms)×N(0〜512)であることを示すデータが含まれている。このデータは、図14では「PILOT_PN」で表されている。
また、シンクチャネルメッセージには、GPS時刻データであるシステム時間のデータも含まれている。
GPS時刻は毎週日曜日の0時からの経過時間が秒で表示され、翌週の日曜日の0時に0に戻るようになっている。そして、この1週間についてはGPSの週番号が付されているので、週番号と経過時間(秒)のデータを取得することで、受信側はGPS時刻を取得できる構成となっている。このデータは、図14では「SYS_TIME」で表されている。
また、シンクチャネルメッセージには、時計10が所在する国又は地域のUTCに対する時差データである、ローカルオフセット時間が含まれている。すなわち、例えば、アメリカ合衆国のカリフォルニア州の場合は、UTCに8時間マイナスされた時間である旨のデータ等が格納されている。
このデータは、図14では、「LTM_OFF」で表される。
また、シンクチャネルメッセージには、時計10が所在する国や地域がサマータイム等を採用しているか否かのサマータイムデータも含まれている。アメリカ合衆国のカリフォルニア州の場合は、サマータイム制を採用し、1時間早まるため、そのデータは「+1」となる。しかし、カリフォルニア州に隣接するアリゾナ州では、サマータイム制を採用していないため、そのデータは「0」となる。このデータは、図14では、「DAYLT」で表される。
また、CDMA方式では、図14のシンクチャネルメッセージの上述のGPS時刻は、図13の「E」における時刻とはなっておらず、その後、4スーパーフレーム(320ms)後における時刻、すなわち、図13の「F」における時刻となっている。
具体的には、上述したパイロットPNオフセットデータが、0chip(0ms)の場合の時刻を基準とした、ラストスーパーフレームの最後のタイミングから4スーパーフレーム後の時刻となる。
具体的には、次のステージである「待ち受け状態」へ遷移するための準備をした後、CDMA基地局15a等と同期をとり通信することになる。
そこで、この準備時間を考慮して、CDMA基地局15a等は、予め未来の時刻である320ms後の時間を、事前に送信し、この時間を受信した携帯電話機が内部で処理を行い、準備が終わった後、この時刻でCDMA基地局15a等と同期を取りに行くと同期を取りやすくなるという構成となっている。換言すれば、この4スーパーフレーム(320ms)が携帯電話機側の準備時間となっている。
本実施の形態では、先ず、シンクチャネル信号を受信し、精度良く時刻修正を行うが、シンクチャネル信号には、図14に示すように「ローカルオフセット時間」、すなわち、当該地域の時差情報もあるため、時刻修正は後述するように時差情報についても精度良く行われてしまう。
これは、日本等のように国内を移動しても時差が変わらない地域では、最も好ましいシステムとなる。しかし、アメリカ合衆国のように州が変わると時差も変わる地域で、日常的に時差が異なる州と州の間を移動している腕時計10の利用者にとっては、本実施の形態にかかる時刻修正の動作が行われると、その時刻修正が行われた際の州の時差に合わされることになる。
この時差を合わした州が利用者の居住している州であればよいが、偶然、移動で立ち寄った州等である場合は、かえって使い難いこととなる。
そこで、本実施の形態では、時差の修正については、利用者が使い易いように修正がおこなわれるようになっている。
そして、ST2では、腕時計10と、一番近いCDMA基地局15a等からのパイロットチャネル信号と同期を取る。
具体的には、図4のパイロットPN同期プログラム31が、図13に示すような、80ms毎のパイロットチャネル信号(パイロットPN信号)であるスーパーフレーム(S)と同期を取る。つまり、信号電波をダウンコンバートし、図示しないベースバンド部が、パイロットチャネル(walsh特定関数)の信号にパイロットPNコードをミキシングして同期を取る。
ST5では、日本、アメリカ、中国、カナダ等におけるCDMA基地局15a等のデータを参照し、そのデータに基づきST1のパイロットチャネルスキャンを行う。
つまり、例えば、腕時計10は、アメリカ合衆国のカリフォルニア州のCDMA基地局15a等を探しているが、実際は、日本に所在していたという場合は、ST3でパイロットチャネル信号と同期を取ることができない。そこで、ST5で日本のCDMA基地局15a等のデータを取得し
、そのデータに基づき、ST1のパイロットチャネルスキャンを行う。
ST7では、パイロットチャネルからシンクチャネルに切り替えられ、シンクチャネルメッセージの受信を開始する。
具体的には、シンクチャネルメッセージ受信プログラム32が図14に示すような、シンクメッセージの受信を開始する。
次に、ST8でシンクチャネルメッセージの受信が完了したか否かを判断し、シンクチャネルメッセージの受信が完了していないときは、ST9でタイムアウトか否かを判断し、タイムアウトの場合は、再び、ST8でシンクチャネルメッセージを受信し直す。
具体的には、受信機制御プログラム33が動作して、CDMA基地局電波受信機24のCDMA基地局15a等からの電波受信を停止する。つまり、図13のラストスーパーフレーム(LS)の終了のタイミングである「E」や「EE」で示すタイミングで電波受信を終了する。
これで、腕時計10は、図14に示す全てのシンクチャネルメッセージを受信したことになり、このシンクチャネルメッセージは図6のシンクチャネルメッセージデータ格納部51に、シンクチャネルメッセージデータ51aとして格納される。
先ず、ST11では、腕時計10は、例えばアメリカ合衆国のカリフォルニア州に所在するため、図6のシンクチャネルメッセージデータ51aから、GPS時刻、うるう秒、ローカルオフセット時間(カリフォルニア州の場合はUTCから8時間を減算する)、サマータイム時間(カリフォルニア州の場合は、サマータイムがあるので1時間加える)を抽出し、図4の第1次ローカル時刻算出プログラム34が動作して、第1次ローカル時刻である例えば、第1次カリフォルニア州時刻を算出する。
具体的には、GPS時刻を基本にうるう秒データ等に基づいてUTC時刻を算出し、このUTC時刻に基づき、ローカルオフセット時間で、例えば、8時間を減算し、カリフォルニア時刻とする。また、カリフォルニア州では、サマータイム制を採用するので、ここで当該州等のサマータイム時間、例えば「+1時間」等の補正を行う。したがって、この補正は、極めて、精度の高い時刻修正となる。
このように、算出された第1次カリフォルニア州時刻は、図6の第1次ローカル時刻データ格納部52に第1次ローカル時刻データ52aとして格納される。
しかし、図13のCDMA基地局15bは、そのパイロットPNオフセットが例えば、64chip(0.052ms)があるため、その分、実際の受信タイミングとしては、正確なGPS時刻とは相違している。つまり、図13のCDMA基地局15bが実際にラストスーパーフレームの最後を受信したタイミングである「EE」は、腕時計10が取得したGPS時刻にパイロットPNオフセット分を加算した時刻となる。
つまり、第1次ローカル時刻データ52aから320ms(4スーパーフレーム)を減算することで、図13の「F」における時刻を「E」における時刻情報とする。さらに、CDMA基地局15bの信号はパイロットPNオフセットが0.052msあるため、その分を加算する。
すると、ラストスーパーフレーム受信完了時(「EE」)の正しいGPS時刻に基づく例えば、カリフォルニア州時刻が生成されることになる。
このような計算は、図4の第2次ローカル時刻算出プログラム35が、図6の第1次ローカル時刻データ52a、図5の差分時間データ41a及びパイロットPNオフセット時間データ42a等に基づいて行い、その結果は、図6の第2次ローカル時刻データ53aとして第2次ローカル時刻データ格納部53に格納される。
図5における差分時間データ41aの一例が、上述の320ms(4スーパーフレーム)というデータであり、差分時間データ格納部41に格納される。また、パイロットPNオフセット時間データ42aの一例が、上述の64chip(0.052ms)というデータであり、パイロットPNオフセット時間データ格納部42に格納される。
また、第1次ローカル時刻算出プログラム34及び第2次ローカル時刻算出プログラム35が、受信部(例えば、CDMA基地局電波受信機24等)が受信した未来時刻情報(例えば、図13の「F」における時刻情報等)と差分時間情報(例えば、差分時間データ41a等)に基づいて受信部の受信時刻情報(例えば、第2次ローカル時刻データ53a等)を生成する受信時刻情報生成部の一例となっている。
そこで、ST13の工程が行われる。すなわち、図6の第2次ローカル時刻データ53aに、処理遅延時間を加算して、最終ローカル時刻を算出する。つまり、この処理遅延時間が当該腕時計10の上述の計算に要する時間等に該当するが、この時間は、当該腕時計10によって時間は定まっている。
このため、本実施の形態では、図5に示すように、処理遅延時間データ43aを予め固定値として、処理遅延時間データ格納部43に格納しておく。そして、図4の最終ローカル時間算出プログラム36は、図6の第2次ローカル時刻データ53aに、処理遅延時間データ43aを加算して、より精度の高い時刻情報である最終ローカル時刻データとして、最終ローカル時刻データ格納部54に格納する。
この点について、図13を用いて具体的に説明する。図13の(D)はCDMA基地局15bからシンクチャネルメッセージを受信し、その後、時刻同期を行う、従来の電源シーケンスを示す。図13に示すように、従来は、図13の「FF」の部分まで信号を継続して受信しているため電源は継続して信号受信用の出力状態となっている。
これに対して、本実施の形態の電源シーケンスは図13の(C)である。(C)に示すように、信号の受信は、図13の「EE」の部分で終了し、その後、通信を行っていない。
このため、本実施の形態の腕時計10は、消費電力を小さくすることができるので、超低電力が要求される時計等の機器にも搭載可能であり、且つ、極めて高精度な時刻修正も可能となっている。
また、逆に、偶然、アリゾナ州に所在していたときに上述のCDMAを利用した時刻修正を行うと、アリゾナ州の時差及びサマータイムの時間に腕時計10のRTC25等を合わせてしまう。
これでは、かかる時刻修正は腕時計10の利用者に混乱をもたらし、使い難いことになるため、図8のST14に示すような、ローカルオフセット時間及びサマータイム時間表示補正動作が行われる。
先ず、図9のST141が行われる。すなわち、図4のローカルオフセット/サマータイム抽出プログラム39が、図6のシンクチャネルメッセージデータ51aから、今回のCDMA基地局15bから受信したローカルオフセット時刻(今回ローカルT)とサマータイム時刻(今回サマーT)をそれそれ、図6のローカルオフセット時刻データ格納部56とサマータイムデータ格納部57に格納する。
ここで、本実施の形態を以下の例で説明する。例えば、カリフォルニア州に生活の本拠がある利用者で、頻繁にアリゾナ州に移動する場合を例とする。
この例では、利用者はアリゾナ州でCDMA基地局15b等からローカルオフセット時間を取得するので、「今回ローカルT」は「−7時間」となる。
また、「今回サマーT」は「0」(アリゾナ州はサマータイム未採用)となる。
このようなデータが、図6のローカルオフセット時刻データ56a及びサマータイムデータ57aとなる。
すなわち、「前回ローカルT」は「−8時間」であり、「前回サマーT」は「+1時間」である。
次に、ST143に進む。ST143では、図4のローカルオフセット閾値判断プログラム311が動作し、図6のローカルオフセット差分時間データ(1時間)が、図5のローカルオフセット閾値データ格納部45に格納されているローカルオフセット閾値データ45a(例えば、30分)以上か否かを判断する。
一方、ローカルオフセット差分時間データが、ローカルオフセット閾値データ以上でない場合は、ローカルオフセット時間に変化がないと判断し、ST145に進む。
ST145については、後述する。
つまり、上述の例の場合は、アリゾナ州における時刻情報が生成されることになる。
つまり、上述の例の場合は、カリフォルニア州における時刻情報が生成されることになる。
つまり、今回受信の信号は偶然、アリゾナ州のCDMA基地局15a等であったとすれば、このアリゾナ州の時刻で腕時計10を修正しても利用者の利便性が向上しない。そこで、利用者に、いずれの時間で修正した方か良いか選ばせる構成となっている。
このように、りゅうず28と表示選択プログラム313等は、表示選択部の一例となっている。
つまり、「今回ローカルT/今回サマーT基準の最終ローカル時刻データ54a」が腕時計10の修正用時刻データ55aとして確定する。
このため、修正用時刻データ55aは修正時刻情報の一例となっている。また、修正用時刻データ選択プログラム314は、最終ローカル時刻算出プログラム36等と共に、修正時刻情報生成部の一例となっている。
すなわち、図4のローカルオフセット閾値変更プログラム315が動作して、ローカルオフセット閾値データ45aが変更される構成となっている。
なお、ローカルオフセット閾値データ45aは、例えば30分毎に変更可能な構成となっている。
つまり、上述の例では、利用者がアリゾナ州の時刻で修正を希望していると判断し、腕時計10は、アリゾナ州の時刻に修正されることになる。また、利用者は、最新のローカルオフセット時刻を腕時計10に反映させることを希望していると判断し、上述のローカルオフセット閾値で45aを低く設定する。
そして、ST155で、利用者の腕時計10を「前回ローカルT/前回サマーT基準の最終ローカル時刻データ54b」で修正する。つまり、上述の例では、利用者はアリゾナ州に所在するにもかかわらず、カリフォルニア州の時間で修正することを希望していると判断する。
また、ローカルオフセット閾値データ45aを増加させることで、次回からアリゾナ州とカリフォルニア州の間を行き来しても、常に、カリフォルニア州の時刻で修正されることになる。
このように、何度も前回のローカルオフセット時間を選択すれば、時差が数時間ある例えば、アメリカ合衆国の中西部へ移動してもカリフォルニア州の時差等に基づいて時刻修正が行われ、腕時計10の所持者にとって極めて利便性が向上することとなる。
図11及び図12は、ST145のサマータイム時刻表示動作の概略を示す概略フローチャートである。
先ず、ST100では、図4のサマータイム比較プログラム316が、図6のサマータイムデータ57aの前回のサマータイムデータ(前回サマーT)と今回のサマータイムデータ(今回サマーT)を比較し、それらのデータが相違するか否かを判断する。
そして、相違がないと判断した場合は、ST101で、図6の「前回ローカルT/前回サマーT基準の最終ローカル時刻データ54b」を修正用時刻データ55aとして、時刻修正を行う。
つまり、これは、上述の例では、利用者がカリフォルニア州内で移動している場合等である。
次に、ST104で、「前回ローカルT/前回サマーT基準の最終ローカル時刻データ54b」と「前回ローカルT/今回サマーT基準の最終ローカル時刻データ54c」を、ディスプレイ14に交互表示する。
そして、利用者がST104でりゅうず28でいずれも選択しない場合は、ST105及びST106に示すように、「前回ローカルT/今回サマーT基準の最終ローカル時刻データ54c」を修正用時刻データ55aとして、時刻修正する。
一方、利用者が「前回ローカルT/今回サマーT基準の最終ローカル時刻データ54c」を選択しない場合は、その希望に沿って、「前回ローカルT/前回サマーT基準の最終ローカル時刻データ54b」を修正用時刻データ55aとして、時刻修正する(ST109)。
このように、サマータイム時刻を加味して時刻修正を行うか否かについても、利用者が自由に決めることができるので、利用者にとって利便性の高い腕時計10となる。
図8のST16では、最終的なRTC等の修正用データである修正用時刻データ55aに基づいて、時刻修正が行われる。つまり、図4のRTC及び時刻修正プログラム37が、図6の修正用時刻データ55aに基づき、図3のRTC25や図1の針13等を修正し、時刻修正が完了する。
この場合は、上述のST11では、この入力されたデータに基づいて第1次ローカル時刻が算出されるので、ユーザの希望通りの時刻修正が可能となる。
Claims (6)
- 基地局からの信号を受信する受信部と、
前記受信部が通信を行うための電力を供給する電源部と、
時刻表示部の表示時刻情報を修正する時刻情報修正部と、
前記時刻表示部が前記表示時刻情報を修正するための修正時刻情報を格納する修正時刻情報格納部と、
前記修正時刻情報を生成するための修正時刻情報生成部と、
利用者に対して情報を表示する表示部と、
前記表示部を制御する表示制御部と、を有する時刻修正装置であって、
前記受信部が受信した前記信号は、少なくとも、前記基地局の所在によって変化しない基本時刻情報と、
この基本時刻情報を当該基地局が所在する地域の地域時刻情報に補正するために地域時刻補正情報と、を含み、
前記受信部が前記地域時刻補正情報を時系列に取得した複数の前記地域時刻補正情報を格納する地域時刻補正情報格納部を有し、
前記修正時刻情報は、少なくとも、前記基本時刻情報及び前記地域時刻補正情報に基づいて生成され、
前記修正時刻情報生成部が前記修正時刻情報を生成するときに参照する前記地域時刻補正情報を選択するための地域時刻補正情報選択情報を格納する地域時刻補正情報選択情報格納部を有し、
前記修正時刻情報生成部は、少なくとも、前記地域時刻補正情報選択情報に基づき選択された一の前記地域時刻補正情報に基づき前記修正時刻情報を生成し、
前記時刻情報修正部は、前記一の前記地域時刻補正情報に基づき生成された前記修正時刻情報に基づき前記時刻表示部の前記表示時刻情報を修正し、
その後、前記複数の地域時刻補正情報のそれぞれに基づいて複数の前記修正時刻情報を生成し、
前記表示制御部が前記複数の前記修正時刻情報を、前記表示部に表示する構成となっており、
前記表示部に表示された前記複数の前記修正時刻情報を利用者が選択するための表示選択部を有し、
前記地域時刻補正情報選択情報が、前記表示選択部が選択する前記修正時刻情報に基づき変化する構成となっていることを特徴とする時刻修正装置。 - 前記受信部が受信した前記信号には、前記受信部が受信する時刻である受信時刻情報から所定時間経過後の未来時刻情報が含まれ、
前記未来時刻情報と前記受信時刻情報との差分時間情報を格納する差分時間情報格納部と、
少なくとも、前記受信部が受信した前記未来時刻情報と前記差分時間情報に基づいて前記受信部の受信時刻情報を生成する受信時刻情報生成部と、を有し、
前記修正時刻情報生成部は、前記受信時刻情報生成部で生成された前記受信時刻情報と、少なくとも、時刻修正装置の処理時間情報に基づき、前記修正時刻情報を生成する構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の時刻修正装置。 - 前記受信部が受信する前記信号は、少なくとも、GPS衛星のGPS時刻情報、前記基地局から発信される信号の基地局誤差時間情報、前記基本時刻情報である前記GPS時刻情報を世界協定時(UTC)に換算するUTC換算情報及び前記地域時刻補正情報である地域時間に換算する地域時間換算情報を有し、
前記受信時刻情報生成部は、少なくとも、前記GPS時刻情報、前記UTC換算情報、前記地域時間換算情報、前記基地局誤差時間情報及び前記差分情報に基づいて前記受信時刻情報を生成する構成となっていることを特徴とする請求項2に記載の時刻修正装置。 - 前記受信部が受信する前記信号には、季節時間に換算する季節時間情報が含まれ、時系列に取得し、前記表示部に表示された複数の前記季節情報を利用者が選択する構成となっていることを特徴とする請求項3に記載の時刻修正装置。
- 前記基地局から発信される信号が、CDMA(Code Division Multiple Access、符号分割多重接続)方式の携帯電話通信網で基地局から発信される信号であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の時刻修正装置。
- 基地局からの信号を受信する受信部と、
前記受信部が通信を行うための電力を供給する電源部と、
表示時刻情報を表示する時刻表示部と、
前記時刻表示部の表示時刻情報を修正する時刻情報修正部と、
前記時刻表示部が前記表示時刻情報を修正するための修正時刻情報を格納する修正時刻情報格納部と、
前記修正時刻情報を生成するための修正時刻情報生成部と、
前記表示部を制御する表示制御部と、を有する時刻修正装置付き計時装置であって、
前記受信部が受信した前記信号は、少なくとも、前記基地局の所在によって変化しない基本時刻情報と、
この基本時刻情報を当該基地局が所在する地域の地域時刻情報に補正するために地域時刻補正情報と、を含み、
前記受信部が前記地域時刻補正情報を時系列に取得した複数の前記地域時刻補正情報を格納する地域時刻補正情報格納部を有し、
前記修正時刻情報は、少なくとも、前記基本時刻情報及び前記地域時刻補正情報に基づいて生成され、
前記修正時刻情報生成部が前記修正時刻情報を生成するときに参照する前記地域時刻補正情報を選択するための地域時刻補正情報選択情報を格納する地域時刻補正情報選択情報格納部を有し、
前記修正時刻情報生成部は、少なくとも、前記地域時刻補正情報選択情報に基づき選択された一の前記地域時刻補正情報に基づき前記修正時刻情報を生成し、
前記時刻情報修正部は、前記一の前記地域時刻補正情報に基づき生成された前記修正時刻情報に基づき前記時刻表示部の前記表示時刻情報を修正し、
その後、前記複数の地域時刻補正情報のそれぞれに基づいて複数の前記修正時刻情報を生成し、
前記表示制御部が前記複数の前記修正時刻情報を、前記表示部に表示する構成となっており、
前記表示部に表示された前記複数の前記修正時刻情報を利用者が選択するための表示選択部を有し、
前記地域時刻補正情報選択情報が、前記表示選択部が選択する前記修正時刻情報に基づき変化する構成となっていることを特徴とする時刻修正装置付き計時装置。
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