JP2008047500A - ヒータユニット及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、プレートとヒータとの密着性を高めることで、熱伝導率が向上した、厚みが薄く、かつ、減圧下での使用を可能とするヒータユニットを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の一実施形態に係るヒータユニットにおいては、金属からなる第1及び第2のプレートと、第1のプレートの凹部に配置された、マイカと発熱抵抗体とを有するヒータと、を備え、第1のプレートと第2のプレートとは、圧縮加熱によってろう付接合されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の一実施形態に係るヒータユニットにおいては、金属からなる第1及び第2のプレートと、第1のプレートの凹部に配置された、マイカと発熱抵抗体とを有するヒータと、を備え、第1のプレートと第2のプレートとは、圧縮加熱によってろう付接合されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば半導体基板等の被加熱体を加熱するヒータユニット及びその製造方法に関する。
例えば、半導体基板であるウエーハを加熱するヒータユニットが提案されており、その一例が下記特許文献1に開示されている。
図11を参照する。図11は、マイカを用いた一般的なヒータユニット60の断面を模式的に示した概略図である。図11に示されるように、ヒータユニット60は、アルミニウムからなる基体24及び加熱基材26からなるプレート16と、図示しない発熱抵抗体20及び図示しないマイカ22からなるヒータ18と、を備え、基体24の上面にヒータ18が形成され、このヒータ18を挟むようにその上面に加熱基材26が配置されている。また、ヒータ18においては、発熱抵抗体20の周囲をマイカ22が覆い、発熱抵抗体20とその他の部材とが電気的に絶縁されている。そして、発熱抵抗体20により発生した熱が、発熱抵抗体20の上方のマイカ22に伝わり、この熱が更に上方の加熱基材26に伝わる。こうして加熱された加熱基材26上にウエーハや液晶基盤等の被加熱体が1枚ずつに載置されて、ヒータ18から発生する熱によって所定の温度に加熱される。
特開平10−321355号公報
マイカを用いた一般的なヒータユニットにおいて、プレート16(基体24及び加熱基材26)とヒータ18とを接合するにあたっては、基体24及び加熱基材26でヒータ18を挟み込んで、三者を適所でボルト締結することにより接合する方法(以下、「ボルト締結法」と言う。)、あるいは基体24及び加熱基材26でヒータ18を挟み込んで、基体24と加熱基材26とが接する外周部分を電子ビームで溶接することで三者を接合する方法(以下、「EB溶接法」と言う。)が用いられている。
しかしながら、マイカ22の表面を撮影した写真である図4(A)で示すように、マイカ22の表面は凹凸が多いため、ボルト締結法では、ヒータ18とプレート16(基体24及び加熱基材26)とを十分に密着させることができない。また、プレート16をなす基体24と加熱基材26との接合強度が弱いと、減圧下においては、プレート16(基体24及び加熱基材26)の側面からマイカ22等の粉塵が剥離・飛散してしまうことがあるため、減圧下での使用が困難となる。
図12を参照する。図12は、プレート16(基体24及び加熱基材26)とヒータ18とをボルト締結法で一体化した場合の断面図を模式的に示している。図12に示すように、プレート16(基体24及び加熱基材26)とヒータ18とは、十分に密着しておらず、所々に間隙が生じている。このようにプレート16(基体24及び加熱基材26)とヒータ18との密着性が悪いと、プレート16(基体24及び加熱基材26)とヒータ18との間の間隙が断熱層となるために熱伝導率が低下し、場合によっては局部的に昇温してヒータ18の損傷が引き起こされる。
また、EB溶接法は、溶接歪や変形が小さく、精密な溶接が可能であるという利点があるが、この方法は、基体24と加熱基材26とが接する外周部分を接合するのみであり、結局は上述したボルト締結法と同様の問題が生じることとなる。そのため、プレート16(基体24及び加熱基材26)とヒータ18とをEB溶接法により一体化した場合の断面図も、図12と同様となっている。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、プレートとヒータとの密着度を高めて、熱伝導率が向上した、厚みが薄く、かつ、減圧下での使用を可能とするヒータユニットを提供することにある。
請求項1に記載の発明においては、金属からなる第1及び第2のプレートと、前記第1のプレートの凹部に配置された、マイカと発熱抵抗体とを有するヒータと、を備え、前記第1のプレートと前記第2のプレートとは、圧縮加熱によりろう付接合されていることを特徴とするヒータユニットが提供される。
この請求項1に記載の発明に係るヒータユニットによれば、プレートとヒータとの密着性が改善し、熱伝導率を向上することが可能となる。また、プレート同士の接合強度が向上し、減圧下での使用が可能となる。また、ヒータユニットの厚みが低減し、熱伝導率の向上と相俟って、昇温速度を早め、かつ、小さいヒータ容量で高温まで加熱することが可能となる。また、ヒータユニットの厚みが低減されることにより、様々な装置への応用的な利用が可能となる。
また、請求項2に記載の発明においては、金属からなる第1及び第2のプレートと、前記第1のプレートの凹部に配置された、マイカと発熱抵抗体とからなるヒータと、を備え、前記第1のプレートと前記第2のプレートとは、圧縮加熱により拡散接合されていることを特徴とするヒータユニットが提供される。
この請求項2に記載の発明に係るヒータユニットによれば、プレートとヒータとの密着性が改善し、熱伝導率を向上することが可能となる。また、プレート同士の接合強度が向上し、減圧下での使用が可能となる。また、ヒータユニットの厚みが低減し、熱伝導率の向上と相俟って、昇温速度を早め、かつ、小さいヒータ容量で高温まで加熱することが可能となる。また、ヒータユニットの厚みが低減されることにより、様々な装置への応用的利用が可能となる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1乃至2の何れか1項記載の発明において、冷却板をさらに備え、接合された第1及び第2のプレートと前記冷却板とは、圧縮加熱によるろう付接合により接合されていることを特徴とする。
この請求項3に記載の発明に係るヒータユニットによれば、プレートとヒータとの密着性が改善し、熱伝導率を向上することが可能となる。また、プレート同士の接合強度が向上し、減圧下での使用が可能となる。また、ヒータユニットの厚みが低減し、熱伝導率の向上と相俟って、昇温速度を早め、かつ、少ないヒータ容量で高温まで加熱することが可能となる。また、温度の制御性を向上することが可能となる。
また、請求項4は、請求項1乃至3の何れか1項記載の発明において、前記第1及び第2のプレートは、アルミニウム、銅及びそれらを主成分とする合金のいずれかからなることを特徴とする。
この請求項4に記載の発明によれば、熱伝導率の良好なプレートを備えたヒータユニットを実現することが可能となる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項記載の発明において、前記ヒータは、前記発熱抵抗体の周囲が前記マイカで覆われていることを特徴とする。
この請求項5に記載の発明によれば、発熱抵抗体とヒータの周辺部材との電気的な絶縁性に優れたヒータを備えたヒータユニットを実現することが可能となる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項記載の発明において、前記第1及び第2のプレートに接地電位が印加されていることを特徴とする。
この請求項6に記載の発明に係るヒータユニットによれば、プレートとヒータとの密着性が改善し、熱伝導率を向上することが可能となる。また、プレート同士の接合強度が向上し、減圧下での使用が可能となる。また、ヒータユニットの厚みが低減し、熱伝導率の向上と相俟って、昇温速度を早め、かつ、小さいヒータ容量で高温まで加熱することが可能となる。また、電気的なシールド効果を得ることが可能となる。
また、請求項7に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記冷却板は、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル基合金、チタン及びそれらを主成分とする合金、セラミッスクスのいずれかからなることを特徴とする。
この請求項7に記載の発明によれば、温度の制御性に優れたヒータユニットを実現することが可能となる。
また、請求項8に記載の発明によれば、第1のプレートに凹部を形成し、前記凹部に、マイカと発熱抵抗体とからなるヒータを配置し、前記第1のプレートと第2のプレートとを、圧縮加熱によりろう付接合することを特徴とするヒータユニットの製造方法が提供される。
この請求項8に記載の発明によれば、プレートとヒータとの密着性が改善し、熱伝導率を向上したヒータユニットを実現することが可能となる。また、プレート同士の接合強度が向上し、減圧下での使用が可能なヒータユニットを実現することが可能となる。また、ヒータユニットの厚みが低減し、熱伝導率の向上と相俟って、昇温速度を早め、かつ、小さいヒータ容量で高温まで加熱することが可能なヒータユニットを実現することが可能となる。また、ヒータユニットの厚みが低減されることにより、様々な装置への応用的な利用が可能なヒータユニットを実現することが可能となる。
また、請求項9に記載の発明によれば、第1のプレートに凹部を形成し、前記凹部に、マイカと発熱抵抗体とからなるヒータを配置し、前記第1のプレートと第2のプレートとを、圧縮加熱により拡散接合することを特徴とするヒータユニットの製造方法が提供される。
この請求項9に記載の発明によれば、プレートとヒータとの密着性が改善し、熱伝導率が向上したヒータユニットを実現することが可能となる。また、プレート同士の接合強度が向上し、減圧下での使用が可能なヒータユニットを実現することが可能となる。また、ヒータユニットの厚みが低減し、熱伝導率の向上と相俟って、昇温速度を早め、かつ、小さいヒータ容量で高温まで加熱することが可能なヒータユニットが実現することが可能となる。また、ヒータユニットの厚みが低減されることにより、様々な装置への応用的利用が可能なヒータユニットを実現することが可能となる。
また、請求項10に記載の発明は、請求項8乃至9の何れか1項記載の発明において、冷却板をさらに備え、接合された第1及び第2のプレートと前記冷却板とは、圧縮加熱によるろう付接合により接合することを特徴とする。
この請求項10に記載の発明によれば、プレートとヒータとの密着性が改善し、熱伝導率を向上することが可能なヒータユニットを実現することが可能となる。また、プレート同士の接合強度が向上し、減圧下での使用が可能なヒータユニットを実現することが可能となる。また、ヒータユニットの厚みが低減し、熱伝導率の向上と相俟って、昇温速度を早め、かつ、少ないヒータ容量で高温まで加熱することが可能なヒータユニットを実現することが可能となる。また、温度の制御性が向上したヒータユニットを実現することが可能となる。
また、請求項11に記載の発明は、請求項8乃至10の何れか1項記載の発明において、前記第1及び第2のプレートは、アルミニウム、銅及びそれらを主成分とする合金のいずれかからなることを特徴とする。
この請求項11に記載の発明によれば、熱伝導率の良好なプレートを備えたヒータユニットを実現することが可能となる。
また、請求項12に記載の発明は、請求項8乃至10の何れか1項記載の発明において、前記ヒータは、前記発熱抵抗体の周囲が前記マイカで覆われていることを特徴とする。
この請求項12に記載の発明によれば、発熱抵抗体とヒータの周辺部材との電気的な絶縁性に優れたヒータを備えたヒータユニットを実現することが可能となる。
また、請求項13に記載の発明は、請求項8乃至10の何れか1項記載の発明において、前記第1及び第2のプレートに接地電位が印加されていることを特徴とする。
この請求項13に記載の発明によれば、プレートとヒータとの密着性が改善し、熱伝導率を向上することが可能なヒータユニットを実現することが可能となる。また、プレート同士の接合強度が向上し、減圧下での使用が可能なヒータユニットを実現することが可能となる。また、ヒータユニットの厚みが低減し、熱伝導率の向上と相俟って、昇温速度を早め、かつ、小さいヒータ容量で高温まで加熱することが可能なヒータユニットを実現することが可能となる。また、電気的なシールド効果を得ることが可能なヒータユニットを実現することが可能となる。
また、請求項14に記載の発明は、請求項8乃至10の何れか1項記載の発明において、前記冷却板は、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル基合金、チタン及びそれらを主成分とする合金、セラミッスクスのいずれかからなることを特徴とする。
この請求項14に記載の発明によれば、温度の制御性に優れたヒータユニットを実現することが可能となる。
以上に説明したように、本発明によれば、プレートとヒータとの密着度を高めて、熱伝導率が向上した、厚みが薄く、かつ、減圧下でも使用できるヒータユニットを実現することが可能となる。
以下、本発明の実施形態に係るヒータユニットについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施形態においては本発明の一実施形態に係るヒータユニットの例を示しており、本発明のヒータユニットはそれら実施形態に限定されるわけではない。また、以下の実施形態において参照する図面では、同一部分又は同様な機能を有する部分に同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略するものとする。
(実施形態1)
図1及び図2を参照する。図1は、本実施形態1に係るヒータユニット10を備えたプロセスチャンバ12の概略が断面図にて模式的に示されている。また、図2は、ヒータユニット10の概略が斜視図(一部断面図)にて示されている。
図1及び図2を参照する。図1は、本実施形態1に係るヒータユニット10を備えたプロセスチャンバ12の概略が断面図にて模式的に示されている。また、図2は、ヒータユニット10の概略が斜視図(一部断面図)にて示されている。
本実施形態1のプロセスチャンバ12は、例えば、プラズマCVD法を利用した半導体製造プロセスや熱CVD法を利用した半導体製造プロセス等に用いられる処理装置である。
このプロセスチャンバ12は、例えば矩形箱型状のハウジング14を備えている。ハウジング14の内部は外部(大気)から遮断されており、これにより、このハウジング14は、内部の気密性が保たれている。
このようなハウジング14には、ヒータユニット10が収容されている。このヒータユニット10は、略円板状のプレート16と、プレート16の内部に配置されたヒータ18と、プレート16に連結された略円筒状の支柱部32と、を有している。
また、本実施形態1で用いるプレート16は、基体24と加熱基材26とからなる。プレート16は、熱伝導率が高く、被加熱体が載置される表面の平面度が高いものであり、例えば、熱伝導率237〔W/(m・K)〕のアルミニウムからなる。なお、ここで言うアルミニウムとは、純粋なアルミニウムと、アルミニウム合金とを含む概念である。
本実施形態1で用いるプレート16には、熱伝導率401〔W/(m・K)〕の銅を用いることが可能である。なお、プレート16に銅を用いた場合は、後述する実施形態2で説明する拡散接合ではなく、本実施形態1で説明するろう付接合により、プレート16(基体24及び加熱基材26)とヒータ18とが接合される。銅の融点は、約1083℃とされており、このような高温まで加熱すると、熱分解温度が約600〜800℃のマイカ22が破壊されてしまうからである。プレート16に銅を用いた場合は、アルミニウムを用いた場合よりも熱伝導率が高く、高温での耐性のあるプレート16を実現することが可能となる。なお、ここで言う銅とは、純粋な銅と、銅合金とを含む概念である。
また、本実施形態1で用いるヒータ18は、電気的絶縁性を有するマイカ22と発熱抵抗体20とを有し、ニクロム板からなる発熱抵抗体20の周囲がマイカ22で覆われている。また、発熱抵抗体20の周囲を覆うマイカ22は、発熱抵抗体20を挟んで、発熱抵抗体20と他の部材との電気的絶縁性を確保するに足る厚みまで低減することが可能である。かくして、本実施形態1のヒータユニット10は、プレート16全体の厚みも低減することが可能である。このように、ヒータユニット10の厚みが低減することで、後述する熱伝導率の向上と相俟って、ヒータユニット10の昇温速度を早めることが可能となる。
なお、本実施形態1において、発熱抵抗体20にニクロム板を用いたが、本発明のヒータユニットにおいてはこれに限定されるわけではなく、例えば、発熱抵抗体20にステンレス鋼を用いることも可能である。
また、本実施形態のマイカ22には、硬質マイカを用いる。表1を参照する。表1は、本実施形態で用いる硬質マイカの物性値を示した表である。なお、本実施形態のヒータ18では硬質マイカを用いたが、硬質マイカと同様の電気的な絶縁性を有するのであれば、他の種類のマイカを用いることも可能である。
ここで、図3、図4(B)及び図8を参照する。図3は、図1の(A)の部分を模式的に示したヒータユニット10の概略図である。また、図4(B)は、ろう付接合した場合のプレート16とヒータ18との接合部分を拡大して示した写真である。また、図8は、図1の(A)を拡大して模式的に示したヒータユニット10の断面図である。
本実施形態1においては、プレート16(基体24及び加熱基材26)とヒータ18とは、圧縮加熱によりろう付接合されている。ここで、ろう付接合とは、母材を溶融することなく、母材よりも低い融点をもつ金属の溶加材(ろう材30)を溶融させて接合を行う方法をいう。
本実施形態1において、ろう付接合する場合は、ろう材30の熱分解温度まで加熱し、加熱基材26に形成された凹部にヒータ18を圧入し、基体24上面にろう材30を塗布し、真空状態又は窒素等の雰囲気下で矢印に示すように押圧して加圧し、プレート16(基体24及び加熱基材26)を塑性変形させてヒータ18に密着させつつ、基体24と加熱基材26とを接合させる。
このようにろう付接合することで、図4(B)及び図8で示すように、プレート16(基体24及び加熱基材26)とヒータ18とが、界面全体で互いに密着するので、プレート16(基体24及び加熱基材26)が単に物理的に密着するボルト締結法及びEB溶接法(図12)による接合の場合と比べて、熱伝達のロスが発生しにくい。したがって、熱伝導率を向上することが可能であり、プレート16の厚みを低減することが可能であることと相俟って、昇温速度を速め、かつ、小さいヒータ容量で高温まで加熱することが可能となる。また、ヒータ18の電力密度を低下させることができ、ヒータ18の局部的な異常発熱を避けることができ、これによる断線を防止することも可能となる。また、ボルト締結法及びEB接合法による接合の場合と比べてプレート同士(基体24及び加熱基材26)の接合強度が強いため、プレート16(基体24及び加熱基材26)の側面から発生するろう材30及びマイカ22の粉塵の剥離・飛散を防止でき、減圧下での使用が可能なヒータユニットを実現することができる。
なお、図2に示す、本実施形態1で用いるプレート16(基体24及び加熱基材26)は略円形状となっているが、例えば、四角形等とすることも可能である、また、ヒータ18についても、プレート16(基体24及び加熱基材26)の形状に合わせてその形状及びレイアウトを変えることが可能である。
プレート16上には、例えば半導体基板等の被加熱体28が載置される。プロセスチャンバ12の内部空間の温度、雰囲気、真空度等は、被加熱体の処理に応じて図示しないコントローラによって制御される。
プレート16には、支柱部32が取り付けられている。支柱部32には、図示しないコントローラに接続された給電端子34が内部に配置されている。そして、図示しないコントローラに接続された図示しない電源36により発電された電力は、給電端子34を介して、ヒータ18に供給され、ヒータ18の発熱量がコントロールされる。
また、本実施形態1のヒータユニット10は、発熱抵抗体20の線幅等を変えることで、加熱基材26面内での温度分布均一性を向上することが可能である。以下では、公知の技術に基づいて説明する。
図5及び図6を参照する。図5は、本実施形態1に係るヒータユニット10の平面図である。図6は、ヒータ18の発熱抵抗体20のレイアウト配置を示した概略図である。図5に示すように、発熱抵抗体20は、プレート16の表面がほぼ均一に加熱できるようにレイアウト配置されている。そして、図6で示すように、本実施形態1においては、加熱基材26面内の領域ごとに発熱率の異なる発熱抵抗体20を用いて、加熱基材26面内の温度分布が均一になるように発熱抵抗体20a、20b、20cを配置する。すなわち、電源36から給電端子34を介して電力がヒータ18に供給されるが、ヒータ18においては、プレート16の内部側の領域Aから外縁側の領域Cへ移るにつれて、発熱率の高い発熱抵抗体20が用いられるように発熱抵抗体20a、20b、20cを配置する。なお、本実施形態1のヒータユニット10においては、プレート16の内部側の領域Aの発熱抵抗体20aと外縁側の領域Cの発熱抵抗体20cとで、後者の発熱抵抗体の幅を広くするという方法により、加熱基材26面内の温度を調整することも可能である。このように発熱抵抗体20のレイアウト配置を工夫することで、加熱基材26面内での温度均一性を向上することが可能となる。従って、プレート16の表面に載置され加熱される被加熱体としての基板28の温度均一性を向上することが可能となる。
以上に説明したとおり、本発明の一実施形態に係るヒータユニットによれば、プレートとヒータとの密着性が改善し、熱伝導率を向上することが可能となる。また、プレート同士の接合強度が向上し、減圧下で使用することが可能となる。また、ヒータユニットの厚みが低減し、熱伝導率の向上と相俟って、昇温速度を早め、かつ、小さいヒータ容量で高温まで加熱することが可能となる。また、ヒータユニットの厚みが低減されることにより、様々な装置への応用的な利用が可能となる。
(実施形態2)
上記実施形態1においては、プレートとヒータとをろう付接合したが、本実施形態2においては、プレートとヒータとを圧縮加熱により拡散接合する。
上記実施形態1においては、プレートとヒータとをろう付接合したが、本実施形態2においては、プレートとヒータとを圧縮加熱により拡散接合する。
図1及び図2については、接合部分を除き、上記実施形態1と同様であるため、本実施形態2においては、説明を省略する。
図7を参照する。図7は、図1の(A)を拡大して模式的に示したヒータユニット10の断面図である。本実施形態2においては、プレート16(基体24及び加熱基材26)とヒータ18とは、圧縮加熱により拡散接合されている。ここで、拡散接合とは、2つの部材を加熱・加圧して、接合面間に生じる拡散現象を使用して金属学的に一体化させる接合方法を言う。この拡散接合によれば、溶融接合に比べて精度が高く、接合強度の強い接合を行うことができる。
本実施形態2において、拡散接合する場合には、加熱基材26に形成された凹部にヒータ18を圧入し、真空雰囲気下でプレート16(基体24及び加熱基材26)のアルミニウムの熱分解温度まで加熱し、プレート16(基体24及び加熱基材26)の界面に拡散現象を生じさせた上で、矢印に示すように押圧して加圧し、プレート16(基体24及び加熱基材26)を塑性変形させてヒータ18に密着させつつ、基体24と加熱基材26とを接合する。
このように、本実施形態2の拡散接合によれば、図4及び図8に示すように、プレート16(基体24及び加熱基材26)とヒータ18とが、界面全体で互いに密着するので、プレート16が単に物理的に密着するボルト締結法及びEB溶接法(図12)による接合の場合と比べて熱伝達のロスが発生しにくい。したがって、熱伝導率を向上することが可能であり、プレート16の厚みを低減することが可能であることと相俟って、昇温速度が早め、かつ、少ないヒータ容量で高温まで加熱することが可能となる。また、ヒータ18の電力密度を低下させることができ、ヒータ18の局部的な異常発熱を避けることができ、これによる断線を防止することも可能となる。また、拡散接合によれば、基体24と加熱基材26とは原子レベルで接合するため、接合部分は母材と全く同じ組織、特性(耐熱性、耐食性、強度等)を有する。これにより、経年変化が少なく長期間の使用が可能となるほか、上記実施形態1と同様、ヒータユニット側面から発生するマイカ22の粉塵の剥離・飛散を防止でき、ヒータユニット10を減圧下で使用することが可能となる。また、界面が消失するため、プレート16表面上に継ぎ目が出来ない(なお、図7においては、説明の便宜上、基体24と加熱基材26との界面を点線で示している)。
なお、図5及び図6で示す発熱抵抗体20のレイアウト配置については、上記実施形態1と同様であるため、本実施形態2においては説明を省略する。
以上に説明したとおり、本発明の一実施形態に係るヒータユニットによれば、プレートとヒータとの密着性が改善し、熱伝導率を向上することが可能となる。また、プレート同士の接合強度が向上するため、ろう付接合の場合と同様、ヒータユニットを減圧下で使用することが可能となる。また、ヒータユニットの厚みが低減し、熱伝導率の向上と相俟って昇温速度を早め、かつ、少ないヒータ容量で高温まで加熱することが可能となる。また、ヒータユニットの厚みが低減されることにより、様々な装置への応用的利用が可能となる。
(実施形態3)
上記実施形態1及び2において説明したヒータユニット10は、種々の応用的な利用が可能である。本実施形態3においては、加熱機能とともに冷却機能を併せ持つ複合的装置について説明する。
上記実施形態1及び2において説明したヒータユニット10は、種々の応用的な利用が可能である。本実施形態3においては、加熱機能とともに冷却機能を併せ持つ複合的装置について説明する。
図9を参照する。図9は、本実施形態3に係るヒータユニット44の応用例を模式的に示した断面図である。図9で示すとおり、本実施形態3のプロセスチャンバ12は、ヒータユニット44(加熱機構であるヒータユニット10、冷却機構である冷却板40、支柱部32)を備えている。
本実施形態3で用いるヒータユニット10及び支柱部32については、上記実施形態1及び2と同様であるため、本実施形態3においては説明を省略する。なお、本実施形態3においては、実施形態1のヒータユニット10を用いている。
本実施形態3で用いるプレート16の下部には冷却板40が接合されている。冷却板40には、冷却媒体用の通路42が設けられ、冷却媒体が通路42を通過することにより、冷却板40及びプレート16の温度を下げることが可能となる。
本実施形態3の冷却板40には、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル基合金、チタン及びそれらを主成分とする合金等の熱伝導率の良い金属を用いることができるほか、セラミックスを用いることが可能である。なお、本実施形態3のプレート16と冷却板40とは、ろう付接合によって接合することが可能である。
本実施形態3のヒータユニット44によれば、熱伝導率が良いため、これまでのヒータよりも昇温速度を早め、かつ、少ないヒータ容量で高温まで加熱することができるほか、冷却機構を有することにより、迅速にプレート16の温度を下げることが可能となる。これにより、温度の制御性が向上し、設定温度が異なる加熱工程にも迅速に対応することが可能となる。
なお、図5及び図6で示す発熱抵抗体20のレイアウト配置については、上記実施形態1と同様であるため、本実施形態3においては説明を省略する。
以上に説明したとおり、本発明の一実施形態に係るヒータユニットによれば、プレートとヒータとの密着性が改善し、熱伝導率を向上することが可能となる。また、プレート同士の接合強度が向上し、減圧下で使用することが可能となる。また、ヒータユニットの厚みが低減し、熱伝導率の向上と相俟って、昇温速度を早め、かつ、少ないヒータ容量で高温まで加熱することが可能となる。また、温度の制御性を向上することが可能となる。
(実施形態4)
本発明のヒータユニットは、上記実施形態において説明したプロセスチャンバのほか、例えば、スパッタ装置、プロバー装置等、種々の半導体製造装置に用いることが可能である。本実施形態4においては、本発明のヒータユニットをプロバー装置に用いた場合について説明する。
本発明のヒータユニットは、上記実施形態において説明したプロセスチャンバのほか、例えば、スパッタ装置、プロバー装置等、種々の半導体製造装置に用いることが可能である。本実施形態4においては、本発明のヒータユニットをプロバー装置に用いた場合について説明する。
図10を参照する。図10は、本発明の一実施形態に係るヒータユニット10の応用例であるプロバー装置50を模式的に示した断面図である。本実施形態4においては、実施形態3において説明したヒータユニット44を用いて説明する。本実施形態4のプロバー装置50のような半導体検査装置は、半導体ウエーハの電気的諸特性を測定する装置であるが、その性質上、電気的なノイズからの影響を遮断する必要がある。そこで、本実施形態4のプロバー装置50においては、図10に示すとおり、プレート16を接地することで、ヒータ18から発生し、ヒータユニット44及びプロバー装置50に帯電した電荷を放出するような構成をとる。これにより、電気的なノイズからの影響を遮断したプロバー装置50を実現することが可能となる。
なお、図9で示すヒータユニット44についての説明、図5及び図6で示す発熱抵抗体20のレイアウト配置については、上記実施形態3と同様であるため、本実施形態3においては説明を省略する。
また、本実施形態4においては、ヒータユニット44を用いたが、上記実施形態1及び2において説明したヒータユニット10を用いることが可能である。
以上に説明したとおり、本発明の一実施形態に係るヒータユニットによれば、プレートとヒータとの密着性が改善し、熱伝導率を向上することが可能となる。また、プレート同士の接合強度が向上し、減圧下で使用することが可能となる。また、ヒータユニットの厚みが低減し、熱伝導率の向上と相俟って、昇温速度を早め、かつ、小さいヒータ容量で高温まで加熱することが可能となる。また、電気的なシールド効果を得ることが可能となる。
本発明のヒータユニットは、プロセスチャンバ、スパッタ装置、プロバー装置等の半導体製造装置をはじめ、種々のヒータに用いることができる。
10 ヒータユニット
16 プレート
18 ヒータ
28 基板(被加熱体)
30 ろう材
32 支柱部
34 給電端子
16 プレート
18 ヒータ
28 基板(被加熱体)
30 ろう材
32 支柱部
34 給電端子
Claims (14)
- 金属からなる第1及び第2のプレートと、
前記第1のプレートの凹部に配置された、マイカと発熱抵抗体とを有するヒータと、を備え、
前記第1のプレートと前記第2のプレートとは、圧縮加熱によりろう付接合されていることを特徴とするヒータユニット。 - 金属からなる第1及び第2のプレートと、
前記第1のプレートの凹部に配置された、マイカと発熱抵抗体とからなるヒータと、を備え、
前記第1のプレートと前記第2のプレートとは、圧縮加熱により拡散接合されていることを特徴とするヒータユニット。 - 冷却板をさらに備え、
接合された第1及び第2のプレートと前記冷却板とは、圧縮加熱によるろう付接合により接合されていることを特徴とする請求項1乃至2の何れか一に記載のヒータユニット。 - 前記第1及び第2のプレートは、アルミニウム、銅及びそれらを主成分とする合金のいずれかからなることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載のヒータユニット。
- 前記ヒータは、前記発熱抵抗体の周囲が前記マイカで覆われていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載のヒータユニット。
- 前記第1及び第2のプレートに接地電位が印加されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載のヒータユニット。
- 前記冷却板は、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル基合金、チタン及びそれらを主成分とする合金、セラミッスクスのいずれかからなることを特徴とする請求項3に記載のヒータユニット。
- 第1のプレートに凹部を形成し、
前記凹部に、マイカと発熱抵抗体とからなるヒータを配置し、
前記第1のプレートと第2のプレートとを、圧縮加熱によりろう付接合することを特徴とするヒータユニットの製造方法。 - 第1のプレートに凹部を形成し、
前記凹部に、マイカと発熱抵抗体とからなるヒータを配置し、
前記第1のプレートと第2のプレートとを、圧縮加熱により拡散接合することを特徴とするヒータユニットの製造方法。 - 冷却板をさらに備え、
接合された第1及び第2のプレートと前記冷却板とは、圧縮加熱によるろう付接合により接合することを特徴とする請求項8乃至9の何れか一に記載のヒータユニットの製造方法。 - 前記第1及び第2のプレートは、アルミニウム、銅及びそれらを主成分とする合金のいずれかからなることを特徴とする請求項8乃至10の何れか一に記載のヒータユニットの製造方法。
- 前記ヒータは、前記発熱抵抗体の周囲が前記マイカで覆われていることを特徴とする請求項8乃至10の何れか一に記載のヒータユニットの製造方法。
- 前記第1及び第2のプレートに接地電位が印加されていることを特徴とする請求項8乃至10の何れか一に記載のヒータユニットの製造方法。
- 前記冷却板は、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル基合金、チタン及びそれらを主成分とする合金、セラミッスクスのいずれかからなることを特徴とする請求項10に記載のヒータユニットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006224570A JP2008047500A (ja) | 2006-08-21 | 2006-08-21 | ヒータユニット及びその製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008047500A true JP2008047500A (ja) | 2008-02-28 |
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JP2006224570A Pending JP2008047500A (ja) | 2006-08-21 | 2006-08-21 | ヒータユニット及びその製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2008047500A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6195029B1 (ja) * | 2016-07-20 | 2017-09-13 | Toto株式会社 | 静電チャック |
CN114286461A (zh) * | 2022-01-04 | 2022-04-05 | 中国科学技术大学 | 一种用于真空设备中基片加热的加热器 |
-
2006
- 2006-08-21 JP JP2006224570A patent/JP2008047500A/ja active Pending
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WO2018016586A1 (ja) * | 2016-07-20 | 2018-01-25 | Toto株式会社 | 静電チャック |
JP2018022871A (ja) * | 2016-07-20 | 2018-02-08 | Toto株式会社 | 静電チャック |
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