JP2008047388A - 固体高分子電解質膜及びその製造方法並びに固体高分子型燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質膜及びその製造方法並びに固体高分子型燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】氷点下における起動時において、膜内のクラスターに保持された水分が凍結するのを防ぎつつ、カソード側で生成した水分を膜内に素早く吸収することができ、その結果、氷点下における起動性を高めることが可能である固体高分子電解質膜及びその製造方法並びに固体高分子型燃料電池をを提供する。
【解決手段】カソード触媒層12及びアノード触媒層13に挟持される固体高分子型燃料電池11用の固体高分子電解質膜1であって、少なくともカソード側電解質膜部2及びアノード側電解質膜部3を具備した積層構造を成し、カソード側電解質膜部2からアノード側電解質膜部3にかけて水分を含有するクラスターの径を漸次大きくしてある。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気化学反応によって電気エネルギを得る固体高分子型燃料電池に用いられる固体高分子電解質膜及びその製造方法に関するものである。
上記した固体高分子型燃料電池としては、例えば、イオン交換機能を持つ固体高分子電解質膜の両側に、触媒を担持した導電性担体及びイオン伝導性を持つ電解質ポリマーを含む触媒層と、多孔質部材からなるガス拡散層とをそれぞれ積層し、固体高分子電解質膜の一方側に燃料ガス(通常は水素)流路を有するセパレータを積層すると共に、他方側に酸化剤ガス(通常は空気)流路を有するセパレータを積層して成るものがある。
このような固体高分子型燃料電池では、固体高分子電解質膜が乾燥すると、イオン伝導性が悪くなることから、従来において、例えば、カソード側の電解質成分のイオン交換基当量重量(EW値)を大きくすることで、固体高分子電解質膜の湿潤状態を維持するようにしているほか、固体高分子電解質膜のクラスター領域においてクラスターの径を配向させることで、イオン伝導性の向上を図かるようにしている。
特開2004−349180号公報 特開2005−294271号公報
ところが、従来にあっては、固体高分子電解質膜のカソード側における電解質成分のイオン交換基当量重量(EW値)を大きくすると、親水部分が減少することから、氷点下において、カソード側で生成した水分を膜内に素早く吸収させることが困難になり、一方、固体高分子電解質膜のクラスターの径を配向させると、イオン伝導性を高めることはできるものの、上記と同様に、氷点下において、カソード側で生成した水分を膜内に素早く吸収させることが困難であり、膜内のクラスターに保持された水の凝固点降下を用いて生成水の凍結を防ぐことができないという問題があり、この問題を解決することが従来の課題となっていた。
本発明は、上記した従来の課題に着目してなされたものであり、氷点下における起動時において、膜内のクラスターに保持された水分が凍結するのを防ぎつつ、カソード側で生成した水分を膜内に素早く吸収することができ、その結果、氷点下における起動性を高めることが可能である固体高分子電解質膜及びその製造方法並びに固体高分子型燃料電池を提供することを目的としている。
本発明は、カソード触媒層及びアノード触媒層に挟持される固体高分子型燃料電池用の固体高分子電解質膜であって、少なくともカソード側電解質膜部及びアノード側電解質膜部を具備した積層構造を成し、カソード側電解質膜部からアノード側電解質膜部にかけて水分を含有するクラスターの径を漸次大きくしてある構成としたことを特徴としており、この固体高分子電解質膜の構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
本発明の固体高分子電解質膜において、積層構造を成すカソード側電解質膜部からアノード側電解質膜部にかけて、クラスターの径が漸次大きくなるようにしているので、氷点下起動時における含水量がより多くなり、したがって、凍結し易い膜内での水分の凍結を阻止しつつ、生成水をアノード側に速やかに輸送し得るパスが確保されることとなる、すなわち、カソード側で生成した水分を膜内に素早く吸収し得ることとなる。
本発明によれば、上記した構成としているので、氷点下における起動時において、膜内のクラスターに保持された水分が凍結するのを防ぎながら、カソード側で生成した水分を膜内に素早く吸収することができ、その結果、氷点下における起動性の向上を実現することが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
本発明の固体高分子電解質膜において、クラスター領域を形成するスルホン酸基のイオン交換容量をカソード側電解質膜部からアノード側電解質膜部にかけて漸次小さくしてある構成を採用することができる。
ここで、イオン交換容量は、EW値(Equivalent Weight)の逆数である。このEW値は、イオン交換基1mol当たりのイオン交換樹脂乾燥重量を表す値であり、EW値が小さければ、イオン交換基の含有mol数が大きくなって膜のイオン伝導性が高くなり、一方、EW値が大きければ、イオン交換基の含有mol数が小さくなってイオン伝導性が低くなる。
つまり、カソード側電解質膜部からアノード側電解質膜部にかけてEW値を漸次大きくすると、氷点下における起動時において、膜内の水分が凍結するのを防ぎながら、カソード側で生成した水分を膜内に素早く吸収することができ、したがって、氷点下における起動性の向上に寄与し得ることとなり、加えて、アノード側電解質膜部のEW値が大きいので、電解質膜の機械的強度が維持されて耐久性が向上することとなる。
また、本発明の固体高分子電解質膜において、固体高分子電解質成分に無機材料からなるフィラーを添加した複合材料でカソード側電解質膜部を形成してある構成を採用することができる。
この構成を採用すると、膜内の親水性が向上し、氷点下において、凝固点降下によって凍結することなく膜内にて保持される水分の量が増大することとなり、氷点下における起動性のより一層の向上が図られることとなる。
ここで、固体高分子電解質膜のクラスターの径は、氷点下において小さく、膜に保持される水分の量の増加とともに大きくなるが、クラスターの径の増加の程度は、弾性率が低いほど大きくなる。その一方で、クラスターの径が大きくなると、凝固点降下が減ることによって膜内の水分が凍結し易くなる。
この際、カソード側を低弾性率化すると、保水量の増大に伴って膜内の水分が凍結し易くなるが、例えば、自動車用の燃料電池において、氷点下における起動時には、時間の経過とともに膜の温度が上昇することから、膜内の水分の凍結が緩和される。
そこで、本発明の固体高分子電解質膜において、弾性率をカソード側電解質膜部からアノード側電解質膜部にかけて漸次大きくしてある構成を採用することができ、この場合には、氷点下起動時の温度上昇を利用することで、膜内に保持された水分が凍結するのを防ぎつつ、カソード側で生成した多くの水分を膜内に素早く吸収し得ることとなり、その結果、氷点下における起動性の向上が実現することとなる。
一方、本発明の固体高分子電解質膜を製造するに際しては、互いに異なる温度で且つ互いに異なる圧力下で複数の電解質膜部を形成した後、これらの電解質膜部を積層して一体化する構成を採用することができ、具体的には、高温で且つ高圧下でカソード側電解質膜部を形成すると共に、低温で且つ低圧下でアノード側電解質膜部を形成した後、カソード側電解質膜部及びアノード側電解質膜部を互いに積層して一体化する構成を採用することができる。
この固体高分子電解質膜の製造方法では、カソード側電解質膜部からアノード側電解質膜部にかけてクラスターの径を漸次大きくした固体高分子電解質膜を製造し得るのに加えて、異なる特性の電解質膜部を一体化し得ることとなり、その結果、氷点下における起動性に優れていると共に、常温性能及び耐吸性能に優れた固体高分子電解質膜を製造し得ることとなる。
そして、本発明の固体高分子型燃料電池において、固体高分子電解質膜を備え、この固体高分子電解質膜の一方の面に、カソード触媒層と、ガス拡散層と、ガス流路を具備したセパレータを順次積層すると共に、固体高分子電解質膜の他方の面に、アノード触媒層と、ガス拡散層と、ガス流路を具備したセパレータを順次積層して成る固体高分子型燃料電池において、固体高分子電解質膜が、少なくともカソード側電解質膜部及びアノード側電解質膜部を具備した積層構造を成していて、カソード側電解質膜部からアノード側電解質膜部にかけて水分を含有するクラスターの径を漸次大きくしてある構成とすることが可能である。
この固体高分子型燃料電池では、積層構造を成す固体高分子電解質膜のカソード側電解質膜部からアノード側電解質膜部にかけて、クラスターの径が漸次大きくなるようにしているので、氷点下起動時における含水量がより多くなり、したがって、凍結し易い膜内での水分の凍結を阻止しつつ、カソード側で生成した水分を膜内に素早く吸収し得ることとなり、その結果、氷点下における起動性の向上が図られることとなる。
また、本発明の固体高分子型燃料電池において、クラスター領域を形成するスルホン酸基のイオン交換容量をカソード側電解質膜部からアノード側電解質膜部にかけて漸次小さくした構成としたり、固体高分子電解質成分に無機材料からなるフィラーを添加した複合材料でカソード側電解質膜部を形成してある構成としたり、弾性率をカソード側電解質膜部からアノード側電解質膜部にかけて漸次大きくしてある構成としたりすることができ、いずれの場合も、氷点下における起動性のより一層の向上が図られることとなる。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示すように、この固体高分子電解質膜1は、カソード側電解質膜部2及びアノード側電解質膜部3を互いに積層して成っており、カソード側電解質膜部2にはカソード触媒層12が積層され、アノード側電解質膜部3にはアノード触媒層13が積層されるようになっている。この場合、アノード側電解質膜部3におけるクラスターの径をカソード側電解質膜部2におけるクラスターの径よりも大きくしてある。
この固体高分子電解質膜1を製造するに際しては、まず、図2に示すように、工程101において、電解質成分を十分に圧縮して径の小さなクラスターを形成し得る製膜条件、すなわち、高温で且つ高圧下でカソード側電解質膜部2を製膜する。
次いで、工程102において、電解質成分を軽めに圧縮して径の大きなクラスターを形成し得る製膜条件、すなわち、低温で且つ低圧下でアノード側電解質膜部3を製膜する。
続いて、カソード側電解質膜部2を乾燥させて固体膜とした後、アノード側電解質膜部3が変質しないようにして、工程103において、ホットプレスにより低温で且つ低圧下でカソード側電解質膜部2及びアノード側電解質膜部3を互いに積層して一体化して、この実施例の固体高分子電解質膜1を得る。
[実施例2]
この実施例では、カソード側電解質膜部2の製膜時において、高分子溶液のEW値を低下させてカソード側電解質膜部2を製膜することで、カソード側電解質膜部2のEW値をアノード側電解質膜部3のEW値よりも小さくした固体高分子電解質膜1を得た。すなわち、アノード側電解質膜部3におけるクラスターの径がカソード側電解質膜部2におけるクラスターの径よりも大きく、且つ、アノード側電解質膜部3におけるスルホン酸基のイオン交換容量がカソード側電解質膜部2におけるスルホン酸基のイオン交換容量よりも小さい固体高分子電解質膜1を得た。
[実施例3]
この実施例では、カソード側電解質膜部2の製膜時において、高分子溶液中に無機材料からなるフィラーを添加してカソード側電解質膜部2を製膜することで、複合材料から成るカソード側電解質膜部2を有する固体高分子電解質膜1を得た。
[実施例4]
この実施例では、電解質膜部2,3の製膜時において、高分子溶液の種類を変化させ、疎水部の分子構造に変化を起こさせることで、カソード側電解質膜部2の弾性率のみを低くした固体高分子電解質膜1を得た。
そこで、従前より周知の単一膜構造の固体高分子電解質膜を比較例として用意し、この比較例の固体高分子電解質膜及び上記した実施例1〜4の固体高分子電解質膜1に対して、温度−20℃の一定条件下における零下起動性評価試験Aと、温度−20℃から零下起動時の発電で生じるジュール熱による温度上昇を伴う零下起動性評価試験Bを実施した。
この際、零下起動性は、
{(電流密度×水の分子量×発電時間)/2×ファラデー定数}×1000
の式に基づいて得られる単位面積あたりの保水量(mg/cm)で評価することとした。但し、発電時間は、発電開始から電圧値が0Vになるまでの時間と定義する。また、この零下起動性評価試験において、温度−20℃でも凍結しないエチレングリコールを冷却液として使用し、この冷却液を流すか否かで温度を制御した。
すなわち、図3に示すように、手順201において、固体高分子電解質膜1のカソード側電解質膜部2及びアノード側電解質膜部3に対して相対湿度30%の窒素を流して含水量を一定とした後、手順202において、冷却液を流して温度−20℃まで冷却し、次いで、零下起動性評価試験Aでは、手順203において、冷却液を流して温度を−20℃に維持しつつ一定電流密度で発電させ、一方、零下起動性評価試験Bでは、手順204において、冷却液を流さずにジュール熱による自然な温度上昇を許容しつつ一定電流密度で発電させるようにした。上記零下起動性評価試験A,Bの評価A,Bを表1に示す。
Figure 2008047388
表1に示すように、実施例1の固体高分子電解質膜1は、比較例と比べて、評価Aにおいて零下起動性が20%、評価Bにおいて零下起動性が30%強向上することが確認された。これは、カソード側電解質膜部2におけるクラスターの径をアノード側電解質膜部3よりも小さくしたことで、凝固点降下により膜内の水分が凍結し難くなったためであり、実施例1の固体高分子電解質膜1が、優れた零下起動性を有していることが実証できた。
また、実施例2の固体高分子電解質膜1は、比較例と比べて、評価Aにおいて零下起動性が50%、評価Bにおいて零下起動性が100%向上することが確認された。これは、カソード側電解質膜部2のEW値をアノード側電解質膜部3のEW値よりも小さくしたことで、膜内の水分が凍結するのを防ぎながら、カソード側で生成した多くの水分を膜内に素早く吸収し、そして、保水することができるからであり、実施例2の固体高分子電解質膜1も、優れた零下起動性を有していることが実証できた。
さらに、実施例3の固体高分子電解質膜1は、実施例2の固体高分子電解質膜1と同様に、比較例と比べて、評価Aにおいて零下起動性が50%、評価Bにおいて零下起動性が100%向上することが確認された。これは、無機フェラーの添加によって親水性が増したことで、カソード側で生成した多くの水分を膜内に素早く吸収し、そして、保水することができるからであり、実施例3の固体高分子電解質膜1も、優れた零下起動性を有していることが実証できた。
さらにまた、実施例4の固体高分子電解質膜1は、比較例と比べて、評価Aにおいて零下起動性が10%、評価Bにおいて零下起動性が100%向上することが確認された。これは、カソード側電解質膜部2の弾性率のみを低くしたため、温度を−20℃に維持した場合(評価A)には、零下起動時に膜内に水分が保持されて、クラスターの径の変化が大きくなって膜内の水分が凍結し易くなるが、零下起動時に温度上昇が伴う場合(評価B)には、膜内の水分の凍結が緩和されて膜内に十分に水分を保持可能となるからであり、実施例4の固体高分子電解質膜1も、優れた零下起動性を有していることが実証できた。
[実施例5]
図4は、本発明の固体高分子型燃料電池の一実施例を示しており、図4に示すように、この固体高分子型燃料電池11は、固体高分子電解質膜1の両側に、触媒を担持した導電性担体及びイオン伝導性を持つ電解質ポリマーを含む触媒層12,13と、多孔質部材からなるガス拡散層14,15とをそれぞれ積層し、固体高分子電解質膜1の一方側に酸化剤ガス(通常は空気)流路16aを有するカソード側セパレータ16を積層すると共に、他方側に燃料ガス(通常は水素)流路17aを有するアノード側セパレータ17を積層して成っている。
この場合、固体高分子電解質膜1は、図4の拡大部分に示すように、カソード側電解質膜部2,中間電解質膜部4及びアノード側電解質膜部3を順次積層して成っており、水分を含有するクラスターの径がカソード側電解質膜部2からアノード側電解質膜部3にかけて漸次大きくなるようにして形成してあると共に、EW値がカソード側電解質膜部2からアノード側電解質膜部3にかけて漸次大きくなるようにして(スルホン酸基のイオン交換容量が漸次小さくなるようにして)形成してある。
この固体高分子型燃料電池11では、上記した積層構造を成す固体高分子電解質膜1を備えているので、氷点下起動時における含水量がより多くなり、したがって、凍結し易い膜内での水分の凍結を阻止しつつ、カソード側で生成した水分を固体高分子電解質膜1内に素早く吸収し得ることとなり、その結果、氷点下における起動性の向上が図られることとなる。
本発明の固体高分子電解質膜の一実施例を示す断面説明図である。(実施例1) 図1の固体高分子電解質膜の製造工程説明図である。(実施例1) 実施例の固体高分子電解質膜及び比較例の固体高分子電解質膜に対して行った零下起動性評価試験の実施手順説明図である。 本発明の固体高分子型燃料電池の一実施例を示す断面説明図である。(実施例5)
符号の説明
1 固体高分子電解質膜
2 カソード側電解質膜部
3 アノード側電解質膜部
11 固体高分子型燃料電池
12 カソード触媒層
13 アノード触媒層
14,15 ガス拡散層
16,17 セパレータ
16a,17a ガス流路

Claims (10)

  1. カソード触媒層及びアノード触媒層に挟持される固体高分子型燃料電池用の固体高分子電解質膜であって、少なくともカソード側電解質膜部及びアノード側電解質膜部を具備した積層構造を成し、カソード側電解質膜部からアノード側電解質膜部にかけて水分を含有するクラスターの径を漸次大きくしてあることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  2. クラスター領域を形成するスルホン酸基のイオン交換容量をカソード側電解質膜部からアノード側電解質膜部にかけて漸次小さくしてある請求項1に記載の固体高分子電解質膜。
  3. 固体高分子電解質成分に無機材料からなるフィラーを添加した複合材料でカソード側電解質膜部を形成してある請求項1又は2に記載の固体高分子電解質膜。
  4. 弾性率をカソード側電解質膜部からアノード側電解質膜部にかけて漸次大きくしてある請求項1〜3のいずれか一つの項に記載の固体高分子電解質膜。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の固体高分子電解質膜を製造するに際して、互いに異なる温度で且つ互いに異なる圧力下で複数の電解質膜部を形成した後、これらの電解質膜部を積層して一体化することを特徴とする固体高分子電解質膜の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の固体高分子電解質膜を製造するに際して、高温で且つ高圧下でカソード側電解質膜部を形成すると共に、低温で且つ低圧下でアノード側電解質膜部を形成した後、カソード側電解質膜部及びアノード側電解質膜部を互いに積層して一体化することを特徴とする固体高分子電解質膜の製造方法。
  7. 固体高分子電解質膜を備え、この固体高分子電解質膜の一方の面に、カソード触媒層と、ガス拡散層と、ガス流路を具備したセパレータを順次積層すると共に、固体高分子電解質膜の他方の面に、アノード触媒層と、ガス拡散層と、ガス流路を具備したセパレータを順次積層して成る固体高分子型燃料電池において、固体高分子電解質膜は、少なくともカソード側電解質膜部及びアノード側電解質膜部を具備した積層構造を成し、カソード側電解質膜部からアノード側電解質膜部にかけて水分を含有するクラスターの径を漸次大きくしてあることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  8. クラスター領域を形成するスルホン酸基のイオン交換容量をカソード側電解質膜部からアノード側電解質膜部にかけて漸次小さくしてある請求項7に記載の固体高分子型燃料電池。
  9. 固体高分子電解質成分に無機材料からなるフィラーを添加した複合材料でカソード側電解質膜部を形成してある請求項7又は8に記載の固体高分子型燃料電池。
  10. 弾性率をカソード側電解質膜部からアノード側電解質膜部にかけて漸次大きくしてある請求項7〜9のいずれか一つの項に記載の固体高分子型燃料電池。
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