JP2008047309A - 電界放出型電子銃、およびその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の第一の課題は、長時間連続して安定した電界放出電流が得られるとともに、電界放出電子のエネルギー分布の広がりを抑制することができる電界放出型電子銃、およびその運転方法を提供することにある。本発明の第二の課題は、長時間の連続運転が可能であり、ノイズが少なく、かつ高分解能な電子ビーム応用装置を提供することにある。
【解決手段】本発明の第一の課題を達成するための手段は、繊維状炭素物質とそれを支持する導電性基材から構成される電子源と、電子を電界放出させる引出装置と、電子を加速させる加速装置と、該電子源を加熱する手段を有する電界放出型電子銃において、電界放出前に該電子源を加熱保持後、電界放出電流の変動幅が規定値内になる最低の加熱温度を適宜調整することにある。本発明の第二の課題を達成するための手段は、本発明の電子銃およびその運転方法を各種電子ビーム応用装置に適用することにある。
【選択図】図7

Description

本発明は、電界放出型電子銃およびその運転方法に関する。
カーボンナノチューブ(CNT)を接続した陰極と、陽極とに電界をかけてカーボンナノチューブの先端部より電子を放出させる電界放出型電子源は、特開2005−243389号公報(特許文献1)に開示されている。フラッシングと呼ばれる吸着分子層(コンタミネーション)の加熱除去のため、100〜1300℃のフラッシング温度で0.1 〜1時間のフラッシングを行うことが記載されている。
もしくは、0℃〜1000℃の温度で加熱しながら電界放出させ、フラッシングの不要な熱電界放出型電子源が記載されている。
特開2005−243389号公報
電界放出電流変動の主原因は、カーボンナノチューブ先端の電界放出サイトへの残留ガスの吸着(コンタミネーション)と、離脱の繰返しにより、局所的に仕事関数が変化することにある。つまり、カーボンナノチューブに比べ、仕事関数が低い吸着ガスが吸着すると、吸着した電界放出サイトからの電界放出が促進され、局所的に電界放出電流が増加する。その後、吸着ガスが離脱すると、電界放出電流が元に戻る。
電界放出型電子源のフラッシングにより吸着ガスを除去しても、電界放出中にガス吸着が生じるため、再度電界放出電流が変動するという問題が生じる。
また、カーボンナノチューブ電子源を大気暴露した後真空中に導入し、電界放出させる場合には、600K程度に加熱しただけでは、吸着ガスを完全に除去することはできず、一旦は1000K以上に加熱しなければ安定した電界放出電流を得ることはできない。さらに、不必要に加熱温度を上昇させると、電界放出電流は安定化するが、電界放出電子のエネルギー分布が広がってしまい、電子顕微鏡に搭載した際に、分解能を低下させる要因になってしまう。
本発明の目的は、長時間連続して安定した電界放出電流が得られるとともに、加熱による電界放出電子のエネルギー分布の広がりを最低限に抑制することができる電界放出型電子銃、およびその運転方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の特徴は、少なくともカーボンナノチューブが固定された導電性基材を有する電子源と、前記電子源から電子を電界放出させる引出装置と、前記電子源から放出された電子を加速させる加速装置と、を有する電界放出型電子銃であって、前記カーボンナノチューブを加熱する加熱装置を有し、前記加熱装置はフラッシング温度と、電界放出温度との切替装置を有することにある。さらに、上記切替装置は、電界放出電流値に基づき、電界放出温度を決定する電界放出温度制御装置を有することを特徴とする。電界放出前に該電子源を加熱保持後、加熱温度を低下させ、ある一定温度で保持しながら、電界放出させる。さらに、電界放出電流を検出および監視する手段を設け、電界放出電流の変動幅が規定値内になるように、該電子源の加熱温度を適時、調整する。したがって、本発明は、カーボンナノチューブを加熱保持後、電流変動をモニタしながら、加熱温度を調整することとなる。
なお、カーボンナノチューブから構成される電界放出型電子源(以下、CNT電子源とする)からの電界放出電流を安定化させる方法として、1300Kで1分間加熱後、室温で電界放出させると、電界放出電流が安定化するということが、斎藤弥八:表面科学,
23,38(2002)に開示されている。また、CNT電子源において、600K以上の温度に保持した状態で電界放出させると、電界放出電流が安定化することが、Niels deJonge:Phys.Rev.Lett.94,186807 (2005)に開示されている。
上記本発明によれば、長時間連続して安定した電界放出電流が得られる電子銃を提供可能である。また、加熱による電界放出電子のエネルギー分布の広がりを抑制できる。
また、本発明の電子銃を電子ビーム応用装置例えば走査型電子顕微鏡(SEM),描画装置に適用することにより、長時間の連続運転時にもノイズが少なく、分解能の高い装置を提供することが可能である。
本発明は、単一の繊維状炭素物質とそれを支持する導電性基材から構成される電子源と、電子を電界放出させる引出装置と、電子を加速させる加速装置と、該電子源を加熱する手段を有する電界放出型電子銃において、電界放出前に該電子源を加熱保持後、加熱温度を低下させ、ある一定温度で保持しながら、電界放出させることを特徴とする電界放出型電子銃にある。
繊維状炭素物質とは、カーボンナノチューブをはじめ、炭素が主成分である繊維状の物質、例えば気相成長法等により作製したカーボンファイバーを指す。カーボンナノチューブは、適宜ホウ素,窒素や金属等の混入したものでもよい。
電子源を加熱する手段としては、例えばカーボンナノチューブの基材が接合されたV字フィラメントに通電することによるカーボンナノチューブの間接加熱が挙げられる。加熱装置は、一旦フラッシング温度にカーボンナノチューブを加熱した後に、電界放出温度までカーボンナノチューブの温度を下げて維持する。その際、温度を下げながら電界放出電流をモニタリングし、電流の変動幅が所定値以上となったら降温を停止し、電流値の幅が所定値以下となった温度まで昇温させ、電界放出を開始する。
カーボンナノチューブの先端は開放されておらず、五員環を含むキャップ部で閉じられていることが好ましい。
また、他の本発明の特徴は、各種電子ビーム応用装置に本発明の電子銃を上記の運転方法により用いることにある。
本発明の実施形態について図面を参照しつつさらに詳細に説明する。
本実施例に係る電子銃構成を図1に示す。電子源は、少なくともカーボンナノチューブと、それを支持する導電性基材から構成される。電界放出型電子銃は、電子源と、電子を電界放出させる引出電極と、電子を加速させる加速電極と、引出電極に電圧を印加する引出電源と、加速電極に電圧を印加する加速電源と、電子源を加熱する加熱電源から構成される。
図2は本実施例に係る電子源の先端部のSEM写真である。電界放出型電子源は単一のカーボンナノチューブと導電性基材とそれを支持する絶縁性の支持台および電極から構成されている。カーボンナノチューブと導電性基材の接合部は導電性被覆層により補強されている。
カーボンナノチューブの形状としては、電界放出特性,電気抵抗,耐久性の点から、直径は10nm〜200nmが好ましい。また、カーボンナノチューブの電気抵抗抑制,電界放出中のカーボンナノチューブの振動抑制の点から、長さは20μm以下が好ましい。また、カーボンナノチューブの他にも、前記同様の形状で、炭素が主成分である繊維状の物質であれば、本実施例の電界放出型電子源として適用可能である。
導電性基材の材質としては、特に限定されるものではないが、耐熱性,耐酸化性,機械的強度の点から、貴金属(具体的には、金,銀,金族),結晶質カーボンあるいは高融点金属(具体的には、タングステン,タンタル,ニオブ,モリブデン等)が好ましい。
また、導電性基材の中心軸とカーボンナノチューブとのなす角度を制御できるように、化学エッチング等で先端を鋭利化させた導電性基材先端部にFIB加工等により平坦面を形成させる。なお、カーボンナノチューブから放出される電子ビームの放射角を考慮すると、導電性基材の中心軸とカーボンナノチューブとのなす角度を±5°以下にしなければ、電子ビームの光軸調整が困難になる。
次に、カーボンナノチューブと導電性基材の接合部における導電性被覆層の形成方法について述べる。導電性元素を含むガスを導入したチャンバー内で、接触部分の少なくとも一部に電子ビームを照射することにより、短時間で十分な厚さの導電性被覆層を形成させることができる。この方法により、導電性基材より突出しているカーボンナノチューブへの導電性被覆元素を付着させることなく、カーボンナノチューブと導電性基材との接合部のみを局所的に被覆し、補強することができる。
前記導電性元素を含むガスとしては、FIB等で通常使用されているガリウムイオンビーム等の高エネルギー重イオンビームでしか分解しないガスは使用できない。これは、高エネルギー重イオンビームがカーボンナノチューブに照射されてしまうと、カーボンナノチューブ自体が一瞬で損傷を受けてしまい、破断したり、照射欠陥が生じてしまうからである。このため、ガスを分解させるのに用いる粒子線としてはカーボンナノチューブに損傷を与えない100keV以下の電子ビームが好ましく、ガスとしても100keV以下の電子ビームで分解し、かつ100℃以下で気化するカーボンや白金,金,タングステン等の金属を主成分とする有機金属ガスやフッ化ガスが好適である。これらのガスに電子ビームを照射することにより、カーボンナノチューブと導電性基材との接合部のみに導電性被覆層を局所的に形成させることができる。
図3は本実施例に係る電子銃の運転方法である。本発明に係る電子源を装置に取付け、電界放出させる前に、一旦、電子源をT1(873K〜1123K)で1min〜60minの条件で加熱後、加熱温度をT2(≦T1)に保持した状態で電子を電界放出させることにより、電界放出電流の変動率を規定範囲内にすることが可能となる。
図4は本発明に関わる電子源を一旦、973K(700℃),20min の条件で加熱後、室温、573K,923Kの各温度で加熱保持した状態で電界放出させた場合の電流安定性を調べた結果である。加熱保持しない場合、ステップ状もしくはパルス状の電流変動が認められるが、573K(300℃)以上の温度で加熱保持することにより、電流が安定化した。つまり、カーボンナノチューブ先端にガスが吸着しない温度が573K以上であった。さらに一度吸着したガスを除去するのに必要な温度は973K以上であった。
また、図5は本発明に関わる電子源を一旦、973K,20min の条件で加熱後、各温度で加熱保持した状態で電界放出させた場合の電界放出電子のエネルギー半値幅(ΔE)の電流依存性を調べた結果である。加熱保持しない場合に比べ、加熱温度の増加と伴に、ΔEが増大した。このことから、ΔEの増大を最小限に抑制するために、電流が安定化する範囲内で加熱温度をできるだけ低く設定する必要があることがわかった。
なお、本実施例に係る電子源を構成する繊維状炭素物質の先端は閉構造である。先端が開き筒状となった開構造のカーボンナノチューブの場合は、加熱しても電流が安定しなかった。
図6は、本発明の電子銃の例である。上述のとおり、加熱温度を低くするために、図1に示した電子銃に電界放出電流を検出および監視する手段を追加した構成となっている。なお、電界放出電流は引出し電極(図6(a))、あるいは加速電極の下に設けた絞り
(図6(b))で検出することが可能である。
電界放出時の電流量に対する電流変動幅を検討して設定し、電界放出電流モニタ装置により、電界放出電流が規定の電流変動幅内に収まっているか否かを常時監視する。また、その監視した結果に基づき、加熱装置を制御する。
図7は本実施例に係る電子銃の運転方法である。電界放出させる前に、一旦、電子源をT1(873K〜1123K)で1min〜60minの条件で加熱後、電界放出させながら電界放出電流を検出,監視しながら、電界放出電流が規定電流変動幅を越える温度(T3)まで加熱温度を低下させる。その過程で、規定電流変動幅内に収まる最低温度(T2)を決定し、再度、T2まで温度を上昇させ、保持する。
さらにその後、電界放出電流が規定電流変動幅を超えた場合には、一旦、規定電流変動幅内に収まる温度(T4)まで加熱温度を上昇させる。次に、規定電流変動幅を越える温度(T3)まで加熱温度を低下させ、その過程で、規定電流変動幅内に収まる最低温度
(T2)を決定し、再度、T2まで温度を上昇させ、保持する。
この運転法は手動制御も可能であるが、監視装置によって自動化することにより、長時間連続して安定した電界放出電流が得られるとともに、加熱によるΔEの広がりを最低限に抑制することが可能となる。また、加熱温度を最低限に抑制することは、本実施例に係る電子源における繊維状炭素物質と導電性基材との接合部の耐熱性の観点からも有利である。
図8は、本発明の電子銃を用いた走査型電子顕微鏡(SEM)の全体構成図の例である。
走査型電子顕微鏡は、電子銃から放出される電子ビームに沿って、アライメントコイル,コンデンサレンズ,非点補正コイル,偏向・走査コイル,対物レンズ,対物絞りが配置されている。試料は、試料ステージに設置され、電子ビームが照射されるようになっている。試料室内の側壁部に二次電子検出器が設けられている。また、試料室は排気系によって高真空に保持されるようになっている。このように構成されることから、電子銃から放出された電子ビームは陽極で加速され、電子レンズによって集束されて試料上の微小領域に照射される。この照射領域を二次元走査し、試料から放出される二次電子,反射電子等を二次電子検出器により検出し、その検出信号量の違いを基に拡大像を形成する。
本発明の電子銃およびその運転方法を走査型電子顕微鏡に適用することにより、長時間の連続運転が可能となる。さらに、得られるデータは低ノイズであり、ΔEが小さいため高分解能な走査型電子顕微鏡を実現することが可能となる。このため、長時間連続運転が必須な半導体プロセスにおける微細加工パターンの観察や寸法測長を行う測長SEMにも適用できる。なお、測長SEMの電子光学系の基本構成は通常のSEM(図8)と同様である。測長SEMは電子源から試料ステージまでの基本構成は共通であるが、試料ステージの構成,画像処理による測長システムを搭載している点等が異なる。試料ステージを高速に駆動できる構造や、その制御システム,画像処理システム等を有する。
従来の電界放出型電子銃は、単結晶タングステン電子源から構成され、約10h毎に加熱フラッシングが必要である。フラッシング時にはエミッションさせることはできず、さらにフラッシング後、1h間はエミッション電流が安定しないので、安定して観察できない。半導体プロセスラインは24h連続稼動が必要であり、フラッシングの度にラインを止めることができないので、従来の電子銃は搭載することができなかった。
なお、電界放出型電子銃を搭載する走査型電子顕微鏡の構成は図8で示したものに限定されることはなく、電界放出型電子銃の特性が十分引出せる構成であれば従来周知の構成を採用できる。
図9は本発明の電子銃を搭載した電子線描画装置の全体構成例である。電子光学系の基本構成は前記した走査型電子顕微鏡とほぼ同様である。電子銃から電界放射により得られた電子ビームをコンデンサレンズで絞り、対物レンズで試料上に絞込み、ナノメータオーダーのビームスポットを得る。この時、試料への電子ビーム照射のON/OFFを制御するブランキング電極の中心は、コンデンサレンズで作られるクロスオーバ点に一致した方が良い。
電子線描画は、電子ビームをブランキング電極でON/OFFしながら、偏光・走査コイルにより試料上で電子ビームを偏光,走査させながら照射することで実施される。電子線描画装置は、電子線に感応するレジストを塗布した試料基板に電子ビームを照射し、各種回路パターンを形成するものであるが、各種回路パターンの高精細化に伴い、極細プローブ径が得られる電子銃が必要になってきている。従来は、タングステンフィラメントやLaB6からなる熱電子放出型電子源が使用されてきたが、これらの電子銃はビーム電流を多くとれる利点があるものの、絶対的なエミッタ先端半径の大きさに起因する非点収差が大きく、20nm以下の描画を行うことができない。そのため、最近、単結晶タングステン電子源から構成される電界放出型電子銃を使用するようになったが、ビーム電流の少なさとビーム電流の不安定さのため、確実な描画を行うことができなかった。
本発明の電子源を使用することにより、連続運転が可能となり、さらにΔEが小さいため、得られる描画が高精細なものとすることができる。本発明の電子銃およびその運転方法を適用することにより、前記課題を解決できる。
本実施例に係る電子銃構成を示す。 本実施例に係る電界放出型電子源の先端部のSEM写真を示す。 本実施例に係る電子銃の運転方法を示す。 本発明に係る電界放出型電子源における電界放出電流の安定に及ぼす加熱温度の影響を示す。 本発明に係る電界放出型電子源における電界放出電子のエネルギー半値幅 (ΔE)の電流依存性に及ぼす加熱温度の影響を示す。 本実施例に係る電子銃構成を示す。電界放出電流を引出し電極で検出する場合の構成図を示す。電界放出電流を加速電極の下に設けた絞りで検出する場合の構成図を示す。 本実施例に係る電子銃の運転方法を示す。 本実施例に係る電子銃を用いた走査型電子顕微鏡(SEM)の全体構成図を示す。 本発明に係る電界放出型電子銃を用いた電子線描画装置の全体構成例を示す。
符号の説明
1…繊維状炭素物質が接合された導電性基材、2…導電性フィラメント、3…電極支持台、4…電極、5…加熱電源、6…引出電極電源、7…加速電極電源、8…引出電極、9…加速電極、10…カーボンナノチューブ、11…導電性被覆層、12…導電性基材、
13…導電性基材先端部に形成した平坦面、14…電界放出電流モニタ装置、15…加熱電源制御装置、16…電界放出電流を検出するための絞り、17…電子銃、18…アライメントコイル、19…コンデンサレンズ、20…非点補正コイル、21…偏向,走査コイル、22…対物レンズ、23…対物レンズ絞り、24…試料、25…試料ステージ、26…排気系、27…二次電子検出器、28…ブランキング電極。

Claims (8)

  1. 少なくとも繊維状炭素物質を固定した導電性基材を有する電子源と、前記電子源より電子を電界放出させる引出装置と、前記電子源より電界放出された電子を加速させる加速装置とを有する電界放出型電子銃において、
    前記繊維状炭素物質を加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段を制御する制御装置とを有し、
    前記制御装置は電界放出前に電子源を所定の加熱保持温度とし、かつ電界放出中に前記加熱保持温度より低温の電界放出温度とすることを特徴とする電界放出型電子銃。
  2. 請求項1に記載された電界放出型電子銃において、
    前記制御装置は、電界放出電流の変動幅に基づき、電界放出温度を調整する機能を有することを特徴とする電界放出型電子銃。
  3. 請求項1に記載された電界放出型電子銃において、前記電界放出中の電界放出電流を検出する監視装置を有し、前記制御装置は前記監視装置の情報に基づき電界放出温度を調整する機能を有することを特徴とする電界放出型電子銃。
  4. 請求項2または3に記載された電界放出型電子源であって、
    前記制御装置は、前記電界放出電流の変動幅が所定値を超えた場合に、前記変動幅が所定値内となる最低加熱温度まで加熱する機能を有することを特徴とする電界放出型電子銃。
  5. 繊維状炭素物質を用いた電子源の少なくとも前記繊維状炭素物質を加熱して浄化する工程と、
    前記加熱した繊維状炭素物質の温度を下げる工程と、
    前記温度を下げた繊維状炭素物質より電子を電界放出させる工程と、
    前記電界放出された電子を加速させる工程とを有する電界放出型電子銃の運転方法であって、
    前記電界放出させる工程は、前記繊維状炭素物質を浄化する温度より低温の所定の温度に加熱されることを特徴とする電界放出型電子銃の運転方法。
  6. 電子銃と、前記電子銃より放出された電子ビームが照射される位置に設けられた試料ステージと、試料を走査した電子を検出する検出器とを有する走査型電子顕微鏡であって、
    前記電子銃は、繊維状炭素物質を固定した導電性基材を有する電子源と、前記電子源より電子を電界放出させる引出装置と、前記電子源より電界放出された電子を加速させる加速装置と、前記繊維状炭素物質を加熱する加熱手段と、前記加熱手段を制御する制御装置とを有し、
    前記制御装置は電界放出前に電子源を所定の加熱保持温度とし、かつ電界放出中に前記加熱保持温度より低温の電界放出温度とする制御を行うことを特徴とする走査型電子顕微鏡。
  7. 請求項6に記載された走査型電子顕微鏡において、
    前記資料ステージを駆動する駆動装置と、前記駆動装置を制御する駆動装置制御システムと、電子顕微鏡から得られる画像を処理する測長システムとを有することを特徴とする走査型電子顕微鏡。
  8. 試料基板に電子ビームを照射する電子銃と、前記電子ビームを偏光させまたは走査させる偏光・走査コイルと、前記電子ビームを明滅させるブランキング電極とを有する電子線描画装置であって、
    前記電子銃は、繊維状炭素物質を固定した導電性基材を有する電子源と、前記電子源より電子を電界放出させる引出装置と、前記電子源より電界放出された電子を加速させる加速装置と、前記繊維状炭素物質を加熱する加熱手段と、前記加熱手段を制御する制御装置とを有し、
    前記制御装置は電界放出前に電子源を所定の加熱保持温度とし、かつ電界放出中に前記加熱保持温度より低温の電界放出温度とする制御を行うことを特徴とする電子線描画装置。

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