JP2008047300A - 燃料電池発電システム及びその運用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸化剤極に保持された燃料ガスを燃料極から外部回路を経て酸化剤極に直流電流を流す操作を実施することで、触媒の劣化を防止する保管を行いながら、長期にわたり燃料電池スタックの特性を持続させることを可能とする燃料電池発電システム及びその運用方法を提供する。
【解決手段】燃料電池スタック1の燃料極1aには、改質装置等から供給される水素リッチガスが燃料ガス2として供給され、酸化剤極1bには空気ブロワ4を用いて空気が供給される。このようにして得られた電気エネルギーを、電気制御装置3により外部負荷5へ供給する。電気制御装置3には、通常の負荷運転モードの他に、燃料電池スタックの起電力がない状態において、酸化剤極から電気制御装置3を介して燃料極へ直流電流を流すことができる電流源モードを備える。また、その電圧極性を逆にすることができる切り替えスイッチ7を備えている。
【選択図】図1
【解決手段】燃料電池スタック1の燃料極1aには、改質装置等から供給される水素リッチガスが燃料ガス2として供給され、酸化剤極1bには空気ブロワ4を用いて空気が供給される。このようにして得られた電気エネルギーを、電気制御装置3により外部負荷5へ供給する。電気制御装置3には、通常の負荷運転モードの他に、燃料電池スタックの起電力がない状態において、酸化剤極から電気制御装置3を介して燃料極へ直流電流を流すことができる電流源モードを備える。また、その電圧極性を逆にすることができる切り替えスイッチ7を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、長期にわたり燃料電池スタックの特性を持続させることを可能とする燃料電池発電システム及びその運用方法に関する。
燃料電池発電システムは、水素等の燃料と空気等の酸化剤を燃料電池本体に供給して、電気化学的に反応させることにより、燃料の持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換し外部へ取り出す発電装置である。
燃料電池発電システムは比較的小型であるにもかかわらず高効率で、環境性に優れるという特徴を有するため、例えばコージェネレーションシステムへの適用ができるなど、様々な用途を期待されている。
燃料電池本体は電解質の違い等により様々なタイプのものに分類されるが、電解質に固体高分子電解質膜を用いた固体高分子形燃料電池は、低温動作性や高出力密度等の特徴から、一般家庭用を視野に入れた小型コージェネレーションシステムや電気自動車用の動力源としての用途に適しており、今後、市場規模が急激に拡大することが予想されている。
この固体高分子形燃料電池発電システムは、一般家庭用の定置用小型コージェネレーションシステムを例にとると、都市ガスやLPG等に代表される炭化水素系燃料から水素含有ガスを製造する改質装置、改質装置で製造された水素含有ガスと大気中の空気を燃料極および酸化剤極にそれぞれ供給して起電力を発生させる燃料電池スタック、燃料電池スタックで発生した電気エネルギーを外部負荷に供給する電気制御装置、および発電に伴う発熱を回収する熱利用系で構成されている。
このように、燃料電池発電システムの運転には燃料の投入が前提となるため、燃料投入量に対する発電量で定義される発電効率が高いほど、燃料使用量の削減が実現でき、ユーザメリットが高くなる。したがって、発電効率が燃料電池発電システムの性能を示す指標となっている。
このような燃料電池発電システムにおいて、実際に発電機能を担っている燃料電池スタックでは、運転に伴う様々な要因により経時的に電圧が低下し、結果として発電効率が低下するという問題がある。すなわち、燃料電池スタックの経時的な電圧低下を抑制することが、発電効率の高い燃料電池発電システムを提供する上で最も重要なポイントとなっている。
ところで、上記のような燃料電池発電システムは、ユーザの熱需要に応じて定期的に起動停止して運用するのが一般的であり、反応ガスの供給停止を伴う停止保管時には燃料電池の燃料極と酸化剤極とに外部から空気が混入するケースもある。
しかし、もしこの燃料極と酸化剤極との両極に酸素が存在する状態のまま、起動時に燃料極に燃料ガスを供給すると、局所的に酸化剤極触媒の劣化が生じ、燃料電池スタックの電圧低下を引き起こす。また、燃料電池システムの停止保管時に酸化剤極を酸素雰囲気に保持すると、酸化剤極の高電位保持に起因する触媒のシンタリングや燃料極への酸素の透過による電解質膜の劣化が生じるため、停止保管時にも、酸化剤極を還元雰囲気にしておくことが好ましい。したがって、少なくとも発電前までには、酸化剤極の酸素分圧を予め低減させておくことが必要であり、可能ならば停止保管中でもそのように酸素分圧を低減させた状態であることが好ましい。
酸化剤極の酸素分圧低減方法としては、例えば、(1) 燃料電池発電システムの起動前に窒素等の不活性剤で置換する方法や、(2) 燃料供給時に固定負荷を接続して酸化剤極の残存酸素を消費し密閉する方法、(3) さらにその密閉した中へバイパス配管を通じて燃料ガスを導入する方法や、(4) その燃料ガスの導入方法として、酸化剤極から外部回路を経由して燃料極に直流電流を流し酸化剤極を水素で還元するという、非常に簡略的にシステムを実現する方法等がある。
しかしながら、例えば(1) の窒素等の不活性剤にて置換して酸化剤極の酸素分圧を低減させる方法は、有効な手段の一つであるが、実際に運用するためにはシステムの複雑化や不活性状態を維持するためのガスが余計に必要になるなど、製造上や運用上において課題がある。
一方、(4) の停止操作中に酸化剤極残存酸素を消費して後に酸化剤極を水素で還元する方法は、窒素等専用のガスが不要であり、システムの簡素化が実現できるため、酸化剤極の保管状態として好ましい状態といえる。しかしながら、このシステムにおいては、再起動時の初期電圧特性が低くなると、同時に酸化剤極から排出される燃料ガスに燃焼器等を取り付ける必要が生じるなどシステムが複雑になるという他の課題が生じる。
そこで、例えば、特許文献1に開示されるように、燃料電池に電流を供給することが可能で、かつ正負極の切換えが可能な外部電源を設け、燃料極に燃料を導入して酸化剤極から燃料極へ電流を流すことにより、燃料極から酸化剤極へ電流を流して燃料電池の性能を回復させるときに必要となる燃料を、膜電極接合体を介して燃料極から酸化剤極へ移動させることによって、燃料極から配管などを通して直接燃料を酸化剤極へ導入するために必要となる弁等を不要とすることができる技術が提案されている。
特開2005−166479号公報
ところで、上記特許文献1は、燃料電池に対して正負極の切換えが可能な電流を供給する外部電源を設け、燃料極に燃料を導入して酸化剤極から燃料極へ電流を流す手段を提供するものではあるが、その目的とするところは、燃料電池の性能回復時における酸化剤極おける燃料と酸化剤との混在を防止するためのものであり、燃料電池スタックの経時的な電圧低下を抑制する、特に、燃料電池への反応ガスの供給を停止するような停止保管時における停止操作と起動操作によって起こる燃料電池スタックの劣化防止の具体的な手段を提供するものではなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、触媒の劣化を防止する保管を行いながら、長期にわたり燃料電池スタックの特性を持続させることを可能とする燃料電池発電システム及びその運用方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、電解質を挟んで配置した燃料極と酸化剤極とを有する単電池を複数積層して構成される燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに燃料および酸化剤をそれぞれ供給する燃料供給ラインおよび酸化剤供給ラインと、前記燃料電池スタックへ供給された燃料および酸化剤をそれぞれ排出する燃料排出ラインおよび酸化剤排出ラインと、これらを制御して前記燃料極および前記酸化剤極に燃料および酸化剤をそれぞれ供給し前記電解質を介して燃料極から酸化剤極へプロトンを伝導させて発電させる制御手段とを備えた燃料電池発電システムにおいて、前記酸化剤極と前記燃料極との間で極性を切替可能に直流電流を流す電気制御装置を備え、前記電気制御装置は、前記酸化剤極への空気の供給が停止された状態における負荷運転モードと、燃料電池スタックの起電力がない状態において酸化剤極から燃料極へ直流電流を流す電流源モードとを備え、前記制御手段は、ユーザからの起動指令があった場合に、前記酸化剤極への空気の供給を停止させ、前記電気制御装置を前記負荷運転モードにする手段と、前記負荷運転モード時において前記燃料電池スタックの平均セル電圧が所定値以下となった場合に、前記電気制御装置を前記負荷運転モードから前記電流源モードに切り換えてこの電流源モードを実行させる手段と、を備えたことを特徴とする。
また、前記制御手段は、ユーザからの起動指令があった場合に、所定の管理値に基づいて前記電気制御装置に電流源モードを実行させる手段を備えたことを特徴とする。
以上のような本発明によれば、停止保管時については外部から混入した酸素が、燃料極だけでなく酸化剤極にも予め封入された水素によって、停止保管時の酸素分圧の上昇を抑制することができると同時に、起動においても電圧特性の低下を防止することができるとともに、燃焼器を取り付ける必要なく、酸化剤極からの排出ガスの安全性を確保することができる。
以下、本発明に係る代表的な実施形態について、図1〜図11を参照して具体的に説明する。
(1)第1の実施形態
図1は本発明による燃料電池発電システムの第1の実施形態を示す構成図であり、図中の実線はガス配管を、破線は電気配線の結線図をそれぞれ示している。
図1は本発明による燃料電池発電システムの第1の実施形態を示す構成図であり、図中の実線はガス配管を、破線は電気配線の結線図をそれぞれ示している。
(1−1)構成
図1に示すように、本実施形態の燃料電池スタック発電システムは、燃料電池スタック1と、燃料ガス2と、電気制御装置3とからなる。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池スタック発電システムは、燃料電池スタック1と、燃料ガス2と、電気制御装置3とからなる。
[燃料電池スタック発電システムの基本的構成]
燃料電池スタック1の燃料極1aには、改質装置等から供給される水素リッチガスが燃料ガス2として供給され、酸化剤極1bには空気ブロワ4を用いて空気が供給される。このようにして得られた電気エネルギーを、電気制御装置3により外部負荷5へ供給するようになっている。また、燃料極および酸化剤極の入出口には燃料電池スタックを密封するためにバルブ6a、6b、6cおよび6dが設けられている。
燃料電池スタック1の燃料極1aには、改質装置等から供給される水素リッチガスが燃料ガス2として供給され、酸化剤極1bには空気ブロワ4を用いて空気が供給される。このようにして得られた電気エネルギーを、電気制御装置3により外部負荷5へ供給するようになっている。また、燃料極および酸化剤極の入出口には燃料電池スタックを密封するためにバルブ6a、6b、6cおよび6dが設けられている。
ここで、本実施形態における電気制御装置3には、通常の負荷運転モードの他に、燃料電池スタックの起電力がない状態において、酸化剤極から電気制御装置3を介して燃料極へ直流電流を流すことができる電流源モードを備える。また、その電圧極性を逆にすることができる切り替えスイッチ7を備えている。さらに、その直流電流の大きさにより、燃料極へ供給する燃料ガス量を決定する機能を備える。
(1−2)作用効果
(1−2−1)作用の概要
次に、本実施形態における燃料電池発電システムの運用方法について燃料電池発電システムの発電中に発電停止指令がなされた場合と、システムの停止保管中に起動指令がなされた場合とに分けて説明する。
(1−2−1)作用の概要
次に、本実施形態における燃料電池発電システムの運用方法について燃料電池発電システムの発電中に発電停止指令がなされた場合と、システムの停止保管中に起動指令がなされた場合とに分けて説明する。
[1.燃料電池発電システムの発電中に発電停止指令がなされた場合]
この場合には、まず、酸化剤供給ラインに設けたバルブ6cを閉止して酸化剤極への空気の供給を停止する。その後、この燃料極を基準とした燃料電池スタックの平均セル電圧が0.1Vに低下するまで電気制御装置における負荷運転モードを継続する。このような停止操作のシーケンスを図2に示す。
この場合には、まず、酸化剤供給ラインに設けたバルブ6cを閉止して酸化剤極への空気の供給を停止する。その後、この燃料極を基準とした燃料電池スタックの平均セル電圧が0.1Vに低下するまで電気制御装置における負荷運転モードを継続する。このような停止操作のシーケンスを図2に示す。
まず、発電停止指令がなされると(START)、空気ブロア4からの酸化剤極1bへの空気の供給が停止し(STEP1)、同時に酸化剤極1bに対する入り口バルブ6cが閉止する(STEP2)。このとき、電気制御装置3は負荷運転モードを継続し(STEP3)、燃料電池平均セル電圧が0.1V以下になったか否かを確認する(STEP4)。
次に、燃料電池平均セル電圧が0.1V以下になるまでSTEP4の処理を繰り返し(NO)、燃料電池平均セル電圧が0.1V以下になった場合には(YES)、回路の極性を逆にする切り替えスイッチ7を動作させ、電気制御装置3の運転モードを電流源モードに切り替え(STEP5)、酸化剤極から外部回路を経由して燃料極に直流電流を流す操作を実行する。これにより、燃料極が酸化剤極より電位が高くなる。この操作は、燃料電池スタックの平均セル電圧は0.1Vから低下し、平均セル電圧が0V未満まで低下した後もしばらく継続する(STEP6)。
燃料電池スタックの平均セル電圧が0Vになった状態から(STEP6のYES)、回路に流れるクーロン量の積算値の計算を開始する(STEP7)。なお、クーロン量(C)とは、電流値(A)とそれを流した時間t(秒)との積分値であり、この場合は、回路を流れたクーロン量を指している。そして積層体を考えた場合、このクーロン量とセル数との積は、電解質中をプロトンが移動した水素量となる。
上記のような操作を終了する際に、まず酸化剤極出口バルブ6dを閉止し(STEP8)、酸化剤極へ水素を充填する(STEP9)。水素が充填されると、電気制御装置は、直流電流を流す操作を終了するとともに電流源モードを終了する(STEP10)。なお、この時点でクーロン量の積算を終了しC1として積算クーロン量を保存する。
また、上記のような操作を終了している最中に、燃料極出口バルブ6bを閉止し(STEP11)、燃料極側へも水素を充填する(STEP12)。酸化剤極と同様に燃料極へも水素が充填された後は、燃料極への燃料ガスを停止するとともに(STEP13)、燃料極入口バルブ6aを閉止し(STEP14)、燃料電池スタックを密封する。これにより、発電停止操作が完了する(END)。
[2.システムの停止保管中に起動指令がなされた場合]
この場合には、切り替えスイッチ7を酸化剤極が正の電圧となるように動作させて、その極性が切り替わった後、電気制御装置を電流源モードとして燃料極から外部回路を経由して酸化剤極へ直流電流を流す操作を実施する。このとき、そのクーロン量は多くともC1として直流電流を流す操作を行う。
この場合には、切り替えスイッチ7を酸化剤極が正の電圧となるように動作させて、その極性が切り替わった後、電気制御装置を電流源モードとして燃料極から外部回路を経由して酸化剤極へ直流電流を流す操作を実施する。このとき、そのクーロン量は多くともC1として直流電流を流す操作を行う。
クーロン量がC1に到達する前にこの操作を終了し、燃料極の出入口バルブ6aおよび6bを開いて燃料ガスを供給する。その供給を十分に行った後、酸化剤極の出入口バルブ6cおよび6dを開いて空気を供給し、燃料電池の開回路電圧が0.9Vに到達した後に電気制御装置を負荷運転モードに切り替えて外部負荷に接続して発電を開始するというシーケンスとしている。このような起動操作のシーケンスを図3に示す。
まず、発電起動指令がなされると(START)、燃料極出入口バルブ6a,6bが開となり(STEP1)、燃料極1aへ燃料ガスの供給が開始される(STEP2)。次に、電気制御装置において電流源モードが開始される(STEP3)。続いて、回路に流れるクーロン量の積算値がC2(=C1)に到達したか否かを確認し(STEP4)、到達するまでSTEP4の処理を繰り返す(NO)。クーロン量の積算値がC2に到達した場合には(YES)、電源制御装置において電流源モードを終了する(STEP5)。
続いて、酸化剤極出入口バルブ6c,6dを開とし(STEP6)、酸化剤極1bに空気を供給する(STEP7)。次に、燃料電池の開回路電圧が0.9Vに到達したか否かを確認して(STEP8)、到達するまでこの処理を繰り返し(NO)、到達した場合には(YES)、電気制御装置を負荷運転モードに切り替えて外部負荷に接続して発電を開始して(STEP9)、起動操作処理を終了する(END)。
(1−2−2)全体の作用の流れと効果
本実施形態の燃料電池発電システムの運用方法に関する全体の作用の流れを説明する。
(負荷運転モード)
燃料電池スタックが発電状態にあるとき、すなわち燃料極に水素リッチな燃料ガス、酸化剤極に空気をそれぞれ供給し、かつ外部負荷に対して電力を供給している発電状態から、発電停止状態に移行する際に、酸化剤極へ供給する空気を停止すると、酸化剤極にある残留酸素が消費され、やがて酸化剤極の電位が燃料極の電位である水素基準電位近傍まで低下し、燃料電池スタックの起電力は0V付近まで低下する。
本実施形態の燃料電池発電システムの運用方法に関する全体の作用の流れを説明する。
(負荷運転モード)
燃料電池スタックが発電状態にあるとき、すなわち燃料極に水素リッチな燃料ガス、酸化剤極に空気をそれぞれ供給し、かつ外部負荷に対して電力を供給している発電状態から、発電停止状態に移行する際に、酸化剤極へ供給する空気を停止すると、酸化剤極にある残留酸素が消費され、やがて酸化剤極の電位が燃料極の電位である水素基準電位近傍まで低下し、燃料電池スタックの起電力は0V付近まで低下する。
(電流源モードへの切替)
引き続き、燃料電池スタックの起電力がない状態においても、回路の極性を逆にする切り替えスイッチ7をアノード極が正の電圧となるように動作させる。極性を切り替えた後、電気制御装置を電流源モードに切り替えて、酸化剤極から外部回路を経由して燃料極に直流電流を流す操作を継続する。そうすると、燃料極へ供給された水素の酸化により生じたプロトンが酸化剤極へ移動し、酸化剤極においてプロトンの還元により水素が生成されるため、燃料極と酸化剤極ともに水素リッチガスで満たされる。
引き続き、燃料電池スタックの起電力がない状態においても、回路の極性を逆にする切り替えスイッチ7をアノード極が正の電圧となるように動作させる。極性を切り替えた後、電気制御装置を電流源モードに切り替えて、酸化剤極から外部回路を経由して燃料極に直流電流を流す操作を継続する。そうすると、燃料極へ供給された水素の酸化により生じたプロトンが酸化剤極へ移動し、酸化剤極においてプロトンの還元により水素が生成されるため、燃料極と酸化剤極ともに水素リッチガスで満たされる。
このときの燃料電池スタックの平均セル電圧は0Vより過電圧相当分だけ下回る電圧となるが、この過電圧相当分を少なくとも1.2V未満、すなわち燃料極基準とした場合の平均セル電圧は少なくとも−1.2Vを上回るように直流電流を制御することにより、水を出発物質とした水分の電気分解による水素発生とは異なる反応形態となる。
その後、酸化剤極および燃料極出入口に設けられたバルブを閉止することで、燃料電池スタックの燃料極および酸化剤極は水素リッチガスで充填された状態で密封される。
(起動発電時の作用)
次に起動発電に関する通常の作用を説明する。
前記停止操作において燃料極および酸化剤極は水素リッチガスで充填密封されたが、その状態を保ちながら、回路の極性を逆にする切り替えスイッチ7を動作させ、電気制御装置を電流源モードで起動する。そして、発電停止の時に積算したクーロン量C1を上回らないように、燃料極から外部回路を経由して酸化剤極に直流電流を流す操作を行うと、酸化剤極に充填密閉された水素の酸化で生じたプロトンが燃料極へ移動し、還元されて水素を生成することで、酸化剤極の水素が取り除かれる。
次に起動発電に関する通常の作用を説明する。
前記停止操作において燃料極および酸化剤極は水素リッチガスで充填密封されたが、その状態を保ちながら、回路の極性を逆にする切り替えスイッチ7を動作させ、電気制御装置を電流源モードで起動する。そして、発電停止の時に積算したクーロン量C1を上回らないように、燃料極から外部回路を経由して酸化剤極に直流電流を流す操作を行うと、酸化剤極に充填密閉された水素の酸化で生じたプロトンが燃料極へ移動し、還元されて水素を生成することで、酸化剤極の水素が取り除かれる。
すなわち、本実施形態の燃料電池発電システムは、水分の電気分解のように燃料極の高電位保持を伴わずに、燃料極に供給した燃料ガスを電気化学的に酸化剤極に移動させることにより、燃料極だけでなく酸化剤極にも燃料ガスが充填されて酸化剤極の分圧上昇を防ぐ操作を行った状態にて停止保管を行う。そして、停止保管運用が終了したとき、すなわち起動中にその水素を燃料極へ移動させることで、この操作による電圧特性を維持できることや酸化剤極での空気導入における安全対策を行わずに起動を行うことができる。
図4は本実施形態の効果を示す図であり、比較例として、発電停止時に燃料極から酸化剤極へ水素を移動させた場合と、その次のステップである本実施形態として起動時の水素を酸化剤極から燃料極へ水素を移動させた場合とで、発電停止する前の1セルあたりのセル電圧と発電開始後10分経過した時のセル電圧との電圧上昇分を示したものである。
図4から明らかなように、本実施形態では、比較例でみられる発電開始時の電圧低下が改善されている。すなわち、本実施形態の燃料電池発電システムの停止保管と起動方法とによれば、停止保管時については外部から混入した酸素が、燃料極だけでなく酸化剤極にも予め封入された水素によって、停止保管時の酸素分圧の上昇を抑制することができると同時に、起動においても電圧特性の低下を防止することができるとともに、燃焼器を取り付ける必要なく、酸化剤極からの排出ガスの安全性を確保することができる。
したがって、停止保管時に酸素分圧の上昇に伴う高電位保持による触媒のシンタリングの防止や、起動時に両極に酸素が混入した状態で水素リッチガスを供給したときに見られる酸化剤極の触媒劣化抑制が行われると同時に排出ガスによる発火等を防止することができる。これにより、システムを複雑化させることなく、安全性を維持しながら、燃料電池スタックの電圧低下を防ぐことができる。
(2)第2の実施形態
本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態に共通する構成を備えるが、この構成において、起動操作を燃料電池発電システムの起動シーケンスに適用させるものである。
本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態に共通する構成を備えるが、この構成において、起動操作を燃料電池発電システムの起動シーケンスに適用させるものである。
(2−1)構成
第1の実施形態と同様の構成からなる図1において、同様の停止操作を行う運転操作において、起動操作について、第1の実施形態では、ある管理値を以って操作終了としていた。
第1の実施形態と同様の構成からなる図1において、同様の停止操作を行う運転操作において、起動操作について、第1の実施形態では、ある管理値を以って操作終了としていた。
ここで、その管理値に到達前段階において、近づきつつある現象が出てくるということは、共通して酸化剤極中の燃料ガスが不足しはじめていることだということができる。この現象は、燃料極から外部回路を経由して酸素極へ流す直流電流値が大きいために、酸化剤極中の電極触媒近傍にない燃料ガスが近傍へ拡散しきれずに局所的に残っている場合や電極触媒そのものの活性が低下していることを意味する。
そこで、本実施形態においては、管理値に近づきつつある現象が出てくる際に、直流電流を十分低下させる操作を行うシーケンスを燃料電池発電システムに具備させた。
(2−2)作用効果
次に、本実施形態における起動操作のシーケンスについて、図5を用いて説明する。本実施形態の起動操作は、概ね図3に示した第1の実施形態の操作と同様であるが、電流源モードが開始した後のSTEP4〜STEP6に特徴を有する。
次に、本実施形態における起動操作のシーケンスについて、図5を用いて説明する。本実施形態の起動操作は、概ね図3に示した第1の実施形態の操作と同様であるが、電流源モードが開始した後のSTEP4〜STEP6に特徴を有する。
そこで、これらの処理について説明すると、電気制御装置の電流源モードにおいて、STEP4では、酸化剤極において水素が希薄となる状態の所定の管理値に到達していないが、近づきつつある状態か否かを判定し、近づいている場合には(YES)、電気制御装置の電流源モードにおいて、酸化剤極から燃料極に流す電流を低下させる(STEP5)そして、管理値に到達するまで監視する(STEP6)。
すなわち、このような管理値に近づきつつある状態では、燃料ガスが酸化剤極に依然残ってはいるが、希薄な状態となっている。この状態で更にその電流値で電流を取り続けると電極近傍へ拡散しきれないガスが届く前に管理値へ到達するか、加えて特性が低下しているセルについては、水素の酸化還元性能が落ちて反応速度が鈍くなっているため、同様に管理値に早く到達することとなる。
それでは、十分に燃料極から外部回路を経由して酸素極へ直流電流を流す操作が行えないので、その直流電流をその拡散や反応速度を無視できる程度まで電流値を小さくすることにより、ほとんどの燃料ガスが酸化剤極から燃料極へ移ることが可能となる。
これにより、十分な直流電流を流すことで電池特性の劣化を防止できると同時に、酸化剤極からの排ガスに可燃成分がなくなり、可燃ガスを処理する装置も保護回路の取り付けも不要となる簡易かつ安全な燃料電池発電システムを提供することが可能となる。
(3)第3の実施形態
本発明の第3の実施形態は、第1の実施形態の構成に、図6に示すとおり、圧力計8を加えたものである。本実施形態の停止操作は第1の実施形態と共通するが、起動操作において圧力計を使用することに特徴を有するものである。
本発明の第3の実施形態は、第1の実施形態の構成に、図6に示すとおり、圧力計8を加えたものである。本実施形態の停止操作は第1の実施形態と共通するが、起動操作において圧力計を使用することに特徴を有するものである。
図6に示すように、第1の実施形態と同様の停止操作を行った後、起動操作において、第1の実施形態や第2の実施形態では各々電流値や電圧値の管理値を以って操作終了としていたが、本実施形態においては、充填密閉された燃料極と酸化剤極ではそれぞれ圧力が上昇し、圧力計8を取り付けた酸化剤極では圧力が低下する現象となる。
その酸化剤極の圧力低下を利用して管理する。燃料極から外部回路を経由して酸化剤極へ直流電流を流す操作を終了する本実施形態のシーケンスにおいては、直流電流を流す操作中に、酸化剤極の圧力が低下していく、その圧力値を管理値としてそれに近づきつつある際に、終了操作を行う処理を燃料電池発電システムに具備させた。
(3−2)作用効果
次に、本実施形態における起動操作のシーケンスについて、図7を用いて説明する。本実施形態の起動操作は、概ね図3に示した第1の実施形態の操作と同様であるが、電流源モードが開始した後のSTEP4に特徴を有する。
次に、本実施形態における起動操作のシーケンスについて、図7を用いて説明する。本実施形態の起動操作は、概ね図3に示した第1の実施形態の操作と同様であるが、電流源モードが開始した後のSTEP4に特徴を有する。
そこで、この処理を中心に説明すると、電気制御装置を電流源モードとして、切り替えスイッチ7を酸化剤極が正の電圧となるように動作させた後(STEP3)、燃料極から外部回路を経由して酸化剤極へ直流電流を流す操作を実施するときに、酸化剤極に取り付けられている圧力計8にて極内の圧力を連続的に監視し(STEP4)、その圧力が負圧となり外気からの空気流入の可能性のない常圧を管理値として直流電流を流す操作を継続する。
それが終了すると、切り替えスイッチを元に戻し(STEP5)、酸化剤極の出入口バルブを開いて空気を供給し(STEP6,7)、燃料電池の開回路電圧が0.9Vに到達した後に電気制御装置を負荷運転モードに切り替えて外部負荷に接続して発電を開始する(STEP8,9)。これにより、第1の実施形態と同様に、安全性を維持しながら、燃料電池スタックの電圧低下を防ぐことができる。
(4)第4の実施形態
本発明の第4の実施形態は、図8を用いて説明する。図8は、本実施形態の燃料電池発電システムの構成を示すものであり、図中の実線はガス配管、破線は電気配線の結線図をそれぞれ示している。
本発明の第4の実施形態は、図8を用いて説明する。図8は、本実施形態の燃料電池発電システムの構成を示すものであり、図中の実線はガス配管、破線は電気配線の結線図をそれぞれ示している。
(4−1)構成
本実施形態の燃料電池発電システムは、図8に示すとおり、第3の実施形態の構成に加えて、燃料極と酸化剤極とをバイパスする配管とそれを仕切る一例として出口部にバイパスバルブ9を配置したものである。
本実施形態の燃料電池発電システムは、図8に示すとおり、第3の実施形態の構成に加えて、燃料極と酸化剤極とをバイパスする配管とそれを仕切る一例として出口部にバイパスバルブ9を配置したものである。
このような燃料電池発電システムにおいて、発電停止指令においては、第1の実施形態乃至第3の実施形態と同様のシーケンスとなるが、起動指令においては第1の実施形態乃至第3の実施形態に加えて、燃料極出口バルブ6bおよび酸化剤極出入口バルブ6c,6dを閉止した状態で、燃料極入口のバルブを開き酸化剤極にある圧力計8で測定しながら、燃料ガスを供給しある程度加圧した状態で行うと同時に、直流電流が流れることで燃料ガスが酸化剤極から燃料極へ流れるため、両極間の圧力差が生じる。
この圧力差を利用し、両極間をつなぐパイパスバルブ9を開操作することにより、燃料極の燃料ガスがパイパスバルブを通じて酸化剤極へも再度リターンして供給されて、電流源モードでの直流電流を流す操作を継続することができる。
バイパスバルブ9の弁を開けていれば、必然的に燃料ガスの流れができるので、直流電流を過大に流さない、すなわち、バイパス配管の流れが過大にならないようにすれば良い。直流電流を流しすぎた場合、酸化剤極の圧力が過大に低下するが、その場合を防ぐために酸化剤極に圧力計を取り付けてもよい。
(4−2)作用効果
次に、本実施形態における起動操作のシーケンスについて、図7を用いて説明する。本実施形態の起動操作は、概ね図7に示した第3の実施形態の操作と同様であるが、電流源モードが開始した後のSTEP5〜7に特徴を有する。
次に、本実施形態における起動操作のシーケンスについて、図7を用いて説明する。本実施形態の起動操作は、概ね図7に示した第3の実施形態の操作と同様であるが、電流源モードが開始した後のSTEP5〜7に特徴を有する。
電気制御装置を電流源モードとして、切り替えスイッチ7を酸化剤極が正の電圧となるように動作させた後(STEP3)、燃料極から外部回路を経由して酸化剤極へ直流電流を流す操作を実施するときに、酸化剤極に取り付けられている圧力計8にて極内の圧力を連続的に監視し(STEP4)、その圧力が負圧となり外気からの空気流入の可能性のない常圧を管理値として直流電流を流す操作を継続する。
酸化剤極の圧力が常圧以下となった場合には(STEP4のYES)、燃料ガス補完実施モードが起動し、燃料極入口バルブ6aとバイパスバルブ9、あるいはその一方が開となり(STEP5)、燃料ガスが供給され(STEP6)、この状態を所定の時間継続する(STEP7)。
それが終了すると、切り替えスイッチを元に戻し(STEP8)、酸化剤極の出入口バルブを開いて空気を供給し(STEP9,10)、燃料電池の開回路電圧が0.9Vに到達した後に電気制御装置を負荷運転モードに切り替えて外部負荷に接続して発電を開始する(STEP11,12)。
このように、電流源モードでの燃料極から外部回路を経由して酸化剤極へ直流電流を流す操作を、必要であれば燃料ガスを燃料極入り口バルブ6aと燃料極へパイパスバルブ9、あるいはその一方を開することにより、燃料ガスがバイパス配管を経由して、燃料極から酸化剤極へ流れ、長い時間継続することが可能となるため、より確実な直流電流を流す操作を行うことができる。
その操作により、電池特性の劣化を防止できると同時に、酸化剤極からの排ガスに可燃成分がなくなり、可燃ガスを処理する装置も保護回路の取り付けも不要となる簡易かつ安全な燃料電池発電システムを提供することが可能となる。
(5)第5の実施形態
以下本発明の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態の構成は図1に示した第1の実施形態と同様であり、また、操作方法についても停止操作と同様であるが、起動操作において改良を加えたものである。
以下本発明の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態の構成は図1に示した第1の実施形態と同様であり、また、操作方法についても停止操作と同様であるが、起動操作において改良を加えたものである。
(5−1)構成
上記第1の実施形態と同様の図1の構成を用いて、停止後の起動操作について、前記第1の実施形態で行う場合はクーロン量を管理値としていたが、本実施形態においては、酸化剤極にある水素残留量により、発生するセル抵抗が異なるためにその数値を管理値として、燃料極から外部回路を経由して酸化剤極に直流電流を流す操作を行うシーケンスを燃料電池発電システムに具備させた。
上記第1の実施形態と同様の図1の構成を用いて、停止後の起動操作について、前記第1の実施形態で行う場合はクーロン量を管理値としていたが、本実施形態においては、酸化剤極にある水素残留量により、発生するセル抵抗が異なるためにその数値を管理値として、燃料極から外部回路を経由して酸化剤極に直流電流を流す操作を行うシーケンスを燃料電池発電システムに具備させた。
(5−2)作用効果
次に、本実施形態における起動操作のシーケンスについて、図10を用いて説明する。本実施形態の起動操作は、概ね図3に示した第1の実施形態の操作と同様であるが、電流源モードが開始した後のSTEP4に特徴を有する。
次に、本実施形態における起動操作のシーケンスについて、図10を用いて説明する。本実施形態の起動操作は、概ね図3に示した第1の実施形態の操作と同様であるが、電流源モードが開始した後のSTEP4に特徴を有する。
本実施形態では、起動操作により上記第1の実施形態と同様の操作を行う際に、電気制御装置は電流源モードにおいて、燃料極から外部回路を経由して酸化剤極に直流電流を流す操作を実施するが、第1の実施形態で実施するようなクーロン量の管理ではなく、本実施形態では、セル電圧を管理値として監視している(STEP4)。
起動中の直流電流を流す操作の開始時点では、酸化剤極内部に残存している燃料ガス量が十分あり、その操作中の電池は抵抗要素として電圧差V1が発生する。その電圧差は燃料ガスが十分である限り、定格相当電流値では1セル当たり0.3V以下で低く安定して推移する。ただし、その電流値が上下するとそれに応じて抵抗値も上下する。本実施形態では定格電流相当のケースを説明しており、その電流値を高くした場合でもそれに応じた電圧値となる。
しかし、残存燃料ガスが不足してくると、膜中の電流的動きとなるプロトンが不足するために、固体高分子電解質の抵抗が少しずつ大きくなる。電流源モードでは抵抗値が大きくなっても一定の電流を取り出そうとするために、それに見合う電圧差を掛けることとなり、0.3Vを超えてくる。
図11は本実施形態での電池電圧の経時的推移であり、電池電圧が安定状態から急激に上昇していることがわかる。この上昇が発生する前の0.3Vを超えないように管理値を設けて直流電流を流す操作を終了させることにより、第1の実施形態と同様に、安全性を維持しながら、燃料電池スタックの電圧低下を防ぐことができる。
1…燃料電池スタック
1a…燃料極
1b…酸化剤極
2…燃料ガス
3…電気制御装置
4…空気ブロワ
5…外部負荷
6a…燃料極入口バルブ
6b…燃料極出口バルブ
6c…酸化剤極入口バルブ
6d…酸化剤極出口バルブ
7…スイッチ
8…圧力計
9…バイパスバルブ
1a…燃料極
1b…酸化剤極
2…燃料ガス
3…電気制御装置
4…空気ブロワ
5…外部負荷
6a…燃料極入口バルブ
6b…燃料極出口バルブ
6c…酸化剤極入口バルブ
6d…酸化剤極出口バルブ
7…スイッチ
8…圧力計
9…バイパスバルブ
Claims (7)
- 電解質を挟んで配置した燃料極と酸化剤極とを有する単電池を複数積層して構成される燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに燃料および酸化剤をそれぞれ供給する燃料供給ラインおよび酸化剤供給ラインと、前記燃料電池スタックへ供給された燃料および酸化剤をそれぞれ排出する燃料排出ラインおよび酸化剤排出ラインと、これらを制御して前記燃料極および前記酸化剤極に燃料および酸化剤をそれぞれ供給し前記電解質を介して燃料極から酸化剤極へプロトンを伝導させて発電させる制御手段とを備えた燃料電池発電システムにおいて、
前記酸化剤極と前記燃料極との間で極性を切替可能に直流電流を流す電気制御装置を備え、
前記電気制御装置は、前記酸化剤極への空気の供給が停止された状態における負荷運転モードと、燃料電池スタックの起電力がない状態において酸化剤極から燃料極へ直流電流を流す電流源モードとを備え、
前記制御手段は、ユーザからの発電停止指令があった場合に、
前記酸化剤極への空気の供給を停止させ、前記電気制御装置を前記負荷運転モードにする手段と、
前記負荷運転モード時において前記燃料電池スタックの平均セル電圧が所定値以下となった場合に、前記電気制御装置を前記負荷運転モードから前記電流源モードに切り換えてこの電流源モードを実行させる手段と、を備えたことを特徴とする燃料電池発電システム。 - 前記制御手段は、ユーザからの起動指令があった場合に、所定の管理値に基づいて前記電気制御装置に電流源モードを実行させる手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池発電システム。
- 前記電流源モードは、発電停止指令後又は前記起動指令後に行った燃料極から酸化剤極に対して直流を流した時間と電流値とを積分したクーロン量を前記管理値として、これを上限に酸化剤極から燃料極へ直流電流を流すものであることを特徴とする請求項2記載の燃料電池発電システム。
- 前記酸化剤極側の流路には圧力計が設けられ、
前記制御手段は、前記電流源モードにおいて前記圧力計によって検知される圧力を管理値として、この管理値が所定圧力以下となる前に、前記電流源モードを終了することを特徴とする請求項2記載の燃料電池発電システム。 - 前記制御手段は、前記電流源モードにおいて、前記管理値付近を前記酸化剤極における水素の希薄な状態量であるとして、その状態量となる前に、当該電流源モードにおける直流電流よりも小さい電流を流す手段を備えることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の燃料電池発電システム。
- 前記燃料極と前記酸化剤極との外部流路には、それぞれの流路を接続するバイパス配管と、このバイパス配管を開閉する弁を備え、
前記制御手段は、前記電流源モードにおいて、前記管理値付近を前記酸化剤極における水素の希薄な状態量であるとして、その状態量となる前に、前記燃料極へ供給する燃料ガスを前記バイパス配管経由で酸化剤極へ導入する手段を備えることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の燃料電池発電システム。 - 電解質を挟んで配置した燃料極と酸化剤極とを有する単電池を複数積層して構成される燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに燃料および酸化剤をそれぞれ供給する燃料供給ラインおよび酸化剤供給ラインと、前記燃料電池スタックへ供給された燃料および酸化剤をそれぞれ排出する燃料排出ラインおよび酸化剤排出ラインと、これらを制御して前記燃料極および前記酸化剤極に燃料および酸化剤をそれぞれ供給し前記電解質を介して燃料極から酸化剤極へプロトンを伝導させて発電させる制御手段と、前記酸化剤極と前記燃料極との間で極性を切替可能とした直流電流を流す電気制御装置とを備えた燃料電池発電システムの運用方法において、
前記電気制御装置は、前記酸化剤極への空気の供給が停止された状態における負荷運転モードと、燃料電池スタックの起電力がない状態において酸化剤極から燃料極へ直流電流を流す電流源モードとを実行するものであって、
前記制御手段は、ユーザからの発電停止指令を受けて、
前記酸化剤極への空気の供給を停止させ、前記電気制御装置を前記負荷運転モードにする負荷運転処理と、
前記負荷運転モード時において前記燃料電池スタックの平均セル電圧が所定値以下となった場合に、前記電気制御装置を前記負荷運転モードから前記電流源モードに切り換えてこの電流源モードを実行させる電流源処理とを備え、
前記電流源処理は、ユーザからの起動指令を受けて、所定の管理値に基づいて前記電気制御装置において電流源モードを実行させるものであることを特徴とする燃料電池発電システムの運用方法。
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JP2006218840A JP2008047300A (ja) | 2006-08-10 | 2006-08-10 | 燃料電池発電システム及びその運用方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013191568A (ja) * | 2013-04-22 | 2013-09-26 | Canon Inc | 燃料電池システム及び燃料電池の活性化方法 |
JP2017188472A (ja) * | 2017-06-14 | 2017-10-12 | 株式会社東芝 | 燃料電池システムおよびその運転方法 |
Citations (3)
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JP2003536232A (ja) * | 2000-06-22 | 2003-12-02 | ユーティーシー フューエル セルズ,エルエルシー | Pem型燃料電池の性能を再生する方法および装置 |
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-
2006
- 2006-08-10 JP JP2006218840A patent/JP2008047300A/ja active Pending
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