以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる紙幣処理機の略縦断面図である。
本実施態様にかかる紙幣処理機は、銀行などの金融機関内で使用される紙幣入出金機として構成されており、処理すべき紙幣には、紙幣の発行権限を有する機関によって、ICチップとアンテナを内蔵したインレットが形成され、インレット中のICチップに、紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータが、特定のフォーマットで、記録されている。ここに、紙幣に形成されたインレット中のICチップは、紙幣の発行権限を有する機関によって、ICチップに書き込まれた紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータが、紙幣の流通過程において、改ざんされることを防止するため、読み取り専用に構成されている。
インレットを紙幣に形成する方法としては、紙幣用の紙を抄く際に、紙幣用の紙にインレットを埋め込む方法、紙幣にインレットを貼り付ける方法、紙幣にインレットを印刷する方法などが挙げられるが、とくに限定されるものではない。
図1に示されるように、本実施態様にかかる紙幣処理機は、金属によって形成されたハウジング10を備え、ハウジング10の上部には、紙幣が投入される紙幣入金口11、紙幣を出金する紙幣出金口12および投入された紙幣で、受け入れ不能と判別された紙幣を返却する紙幣返却口13が設けられている。
図1に示されるように、紙幣入金口11と紙幣処理機の内部機構との間には、開閉可能なシャッタ11aが設けられ、紙幣入金口11内には、紙幣の有無を検出する光学センサ11bが設けられている。また、紙幣出金口12と紙幣処理機の内部機構との間には、開閉可能なシャッタ12aが設けられ、紙幣出金口12内には、紙幣の有無を検出する光学センサ12bが設けられている。さらに、紙幣返却口13と紙幣処理機の内部機構との間にも、開閉可能なシャッタ13aが設けられ、紙幣返却口13内には、紙幣の有無を検出する光学センサ13bが設けられている。
図1に示されるように、本実施態様にかかる紙幣処理機は、さらに、搬送路14を介して、紙幣入金口11に接続され、紙幣繰り出し手段(図示せず)により、紙幣入金口11から、1枚ずつ、繰り出された紙幣を判別する紙幣判別部15を備えている。
紙幣判別部15は、紙幣に向けて、光を発する光源と、光源から発せられ、紙幣によって反射された光を検出する反射光センサと、光源から発せられ、紙幣を透過した光を検出する透過光センサとを含む光学センサ手段と、紙幣の磁気的性質を検出する磁気センサを備え、周知の方法によって、紙幣が、真正でかつ現に流通している紙幣か否か、真正でかつ現に流通している紙幣である場合は、その金種および汚損のレベル、紙幣が1枚ずつ送られているか否かならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別するための光学データおよび磁気データを生成するセンサユニット(図示せず)と、紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータを読み取るRFIDリーダー(図示せず)とを備えており、紙幣判別部15のセンサユニットによって生成された紙幣の光学データおよび磁気データならびにRFIDリーダーによって読み取られたRFIDデータは、CPU(図示せず)に出力され、CPUによって、紙幣が、真正でかつ現に流通している紙幣か否か、真正でかつ現に流通している紙幣である場合は、その金種および汚損のレベル、紙幣が1枚ずつ送られているか否かならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かが判別され、1枚ずつ、その短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られている真正でかつ現に流通している紙幣が金種別に計数されるように構成されている。
このように、紙幣判別部15は、RFIDリーダーを備えているため、RFIDリーダーが紙幣判別部15外に存在する紙幣のRFIDデータを読み取ることがないように、RFIDリーダーから発信される周波数の電波を遮蔽する性質を有する材料によって形成されたケーシング15cによって覆われている。
図1に示されるように、紙幣判別部15の下流側には、搬送路16が接続されており、搬送路16から、紙幣返却口13に接続された分岐搬送路17が分岐し、分岐搬送路17の分岐部には、紙幣を、搬送路16および分岐搬送路17のいずれかに選択的に導くゲート部材18が設けられている。
紙幣判別部15のセンサユニットによって生成された紙幣の光学データおよび磁気データならびにRFIDリーダーによって読み取られたRFIDデータに基づき、偽造紙幣あるいは外国紙幣と判別された紙幣、2枚以上の紙幣の全部あるいは一部が重なり合って、送られていると判別された紙幣ならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と角度をなして送られていると判別された紙幣は、搬送路16、ゲート部材18および分岐搬送路17を介して、紙幣返却口13に送られて、オペレータに返却される。
一方、分岐搬送路17の分岐部の下流側の搬送路16からは、分岐搬送路19、分岐搬送路20、分岐搬送路21および分岐搬送路22が、この順に分岐しており、分岐搬送路19の分岐部には、紙幣を搬送路16および分岐搬送路19のいずれかに選択的に導くゲート部材23が設けられ、分岐搬送路20の分岐部には、紙幣を搬送路16および分岐搬送路20のいずれかに選択的に導くゲート部材24が設けられている。また、分岐搬送路21の分岐部には、紙幣を搬送路16および分岐搬送路21のいずれかに選択的に導くゲート部材25が設けられ、分岐搬送路22の分岐部には、紙幣を搬送路16および分岐搬送路22のいずれかに選択的に導くゲート部材26が設けられている。
図1に示されるように、搬送路16の下方には、紙幣一時貯留ユニット27が設けられ、分岐搬送路19、分岐搬送路20、分岐搬送路21および分岐搬送路22は、紙幣一時貯留ユニット27内に延び、搬送路16は、分岐搬送路22の分岐部の下流側において、紙幣一時貯留ユニット27内に延びている。紙幣一時貯留ユニット27は、通常は、ロック部材(図示せず)によって、ロックされて、紙幣処理機に固定され、ロック部材によるロックが解除されたときは、スライドさせて、紙幣処理機から取り出し可能に構成されている。紙幣一時貯留ユニット27は、紙幣処理機に入金されるべき紙幣を、金種別に、一時的に貯留するものである。
本実施態様においては、紙幣処理機は、4種類の金種の紙幣を入出金可能で、かつ、汚損レベルが所定レベルを超えた汚損紙幣を回収可能に構成されており、したがって、紙幣一時貯留ユニット27は、汚損紙幣一時貯留ボックス28、第一の紙幣一時貯留ボックス27a、第二の紙幣一時貯留ボックス27b、第三の紙幣一時貯留ボックス27cおよび第四の紙幣一時貯留ボックス27dを備えている。
図1に示されるように、分岐搬送路19は、汚損紙幣一時貯留ボックス28に接続されている。一方、分岐搬送路20、分岐搬送路21および分岐搬送路22は、第一の紙幣一時貯留ボックス27a、第二の紙幣一時貯留ボックス27bおよび第三の紙幣一時貯留ボックス27cに接続され、搬送路16は、分岐搬送路22の分岐部の下流側で、第四の紙幣一時貯留ボックス27dに接続されている。
したがって、紙幣判別部15のセンサユニットによって生成された紙幣の光学データおよび磁気データならびにRFIDリーダーによって読み取られたRFIDデータに基づいて、真正でかつ現に流通している紙幣で、1枚ずつ、その短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているが、汚損のレベルが所定レベルを超えていると判別された汚損紙幣は、搬送路16、ゲート部材18、搬送路16、ゲート部材23および分岐搬送路19を介して、汚損紙幣一時貯留ボックス28内に送られて、一時的に貯留される。
また、紙幣判別部15のセンサユニットによって生成された紙幣の光学データおよび磁気データならびにRFIDリーダーによって読み取られたRFIDデータに基づいて、真正でかつ現に流通している紙幣で、1枚ずつ、その短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られていると判別された紙幣のうち、第一の金種の紙幣は、搬送路16、ゲート部材18、搬送路16、ゲート部材23、搬送路16、ゲート部材24および分岐搬送路20を介して、第一の紙幣一時貯留ボックス27a内に送られて、一時的に貯留され、第二の金種の紙幣は、搬送路16、ゲート部材18、搬送路16、ゲート部材23、搬送路16、ゲート部材24、搬送路16、ゲート部材25および分岐搬送路21を介して、第二の紙幣一時貯留ボックス27b内に送られて、一時的に貯留される。
一方、真正でかつ現に流通している紙幣で、1枚ずつ、その短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られていると判別された紙幣のうち、第三の金種の紙幣は、搬送路16、ゲート部材18、搬送路16、ゲート部材23、搬送路16、ゲート部材24、搬送路16、ゲート部材25、搬送路16、ゲート部材26および分岐搬送路22を介して、第三の紙幣一時貯留ボックス27c内に送られて、一時的に貯留され、第四の金種の紙幣は、搬送路16、ゲート部材18、搬送路16、ゲート部材23、搬送路16、ゲート部材24、搬送路16、ゲート部材25、搬送路16、ゲート部材26および搬送路16を介して、第四の紙幣一時貯留ボックス27d内に送られて、一時的に貯留される。
図1に示されるように、ゲート部材25と紙幣判別部15の間には、紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータを読み取るRFIDリーダー29が設けられている。ここに、汚損紙幣一時貯留ボックス28、第一の紙幣一時貯留ボックス27a、第二の紙幣一時貯留ボックス27bおよび第三の紙幣一時貯留ボックス27cおよび第四の紙幣一時貯留ボックス27dは、いずれも、RFIDリーダー29から発信される周波数の電波を遮蔽する性質を有する材料によって形成されている。さらに、紙幣判別部15のケーシング15cは、紙幣判別部15に設けられたRFIDリーダーから発信される周波数の電波を遮蔽するとともに、RFIDリーダー29から発信される周波数の電波を遮蔽する性質有する材料によって形成されている。
図1に示されるように、紙幣一時貯留ユニット27の下方には、紙幣処理機に入金された紙幣を、金種別に収納する紙幣収納ユニット30が設けられている。
紙幣収納ユニット30は、通常は、ロック部材(図示せず)によって、ロックされて、紙幣処理機に固定され、ロック部材によるロックが解除されたときは、スライドさせて、紙幣処理機から取り出し可能に構成されている。
図1に示されるように、紙幣収納ユニット30は、汚損紙幣一時貯留ボックス28に一時的に貯留された汚損紙幣を収納する汚損紙幣収納ボックス31と、第一の紙幣一時貯留ボックス27a内に一時的に貯留された第一の金種の紙幣を収納する第一の紙幣収納ボックス30aと、第二の紙幣一時貯留ボックス27b内に一時的に貯留された第二の金種の紙幣を収納する第二の紙幣収納ボックス30bと、第三の紙幣一時貯留ボックス27c内に一時的に貯留された第三の金種の紙幣を収納する第三の紙幣収納ボックス30cと、第四の紙幣一時貯留ボックス27d内に一時的に貯留された第四の金種の紙幣を収納する第四の紙幣収納ボックス30dとを備えている。
汚損紙幣収納ボックス31、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cおよび第四の紙幣収納ボックス30dは、いずれも、RFIDリーダー29から発信される周波数の電波を遮蔽する性質を有する材料によって形成されている。
図1には図示されていないが、汚損紙幣一時貯留ボックス28、第一の紙幣一時貯留ボックス27a、第二の紙幣一時貯留ボックス27b、第三の紙幣一時貯留ボックス27cおよび第四の紙幣一時貯留ボックス27dの底部は、シャッタによって構成され、シャッタを開放することによって、汚損紙幣一時貯留ボックス28内に一時的に貯留された汚損紙幣、第一の紙幣一時貯留ボックス27a内に一時的に貯留された第一の金種の紙幣、第二の紙幣一時貯留ボックス27b内に一時的に貯留された第二の金種の紙幣、第三の紙幣一時貯留ボックス27c内に一時的に貯留された第三の金種の紙幣および第四の紙幣一時貯留ボックス27d内に一時的に貯留された第四の金種の紙幣が、それぞれ、汚損紙幣収納ボックス31、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cおよび第四の紙幣収納ボックス30d内に送られて、収納されるように構成されている。
図1に示されるように、第一の紙幣収納ボックス30aの内壁には、第一の紙幣収納ボックス30a内に送られた紙幣を係止可能な一対の係止爪32a、32aが、第一の紙幣収納ボックス30aの内壁面と滑らかに連なる退避位置と、第一の紙幣収納ボックス30aの内壁面から突出した突出位置との間で、支点まわりに揺動可能で、かつ、昇降可能に設けられ、第二の紙幣収納ボックス30bの内壁には、第二の紙幣収納ボックス30b内に送られた紙幣を係止可能な一対の係止爪32b、32bが、第二の紙幣収納ボックス30bの内壁面と滑らかに連なる退避位置と、第二の紙幣収納ボックス30bの内壁面から突出した突出位置との間で、支点まわりに揺動可能で、かつ、昇降可能に設けられている。また、第三の紙幣収納ボックス30cの内壁には、第三の紙幣収納ボックス30c内に送られた紙幣を係止可能な一対の係止爪32c、32cが、第三の紙幣収納ボックス30cの内壁面と滑らかに連なる退避位置と、第三の紙幣収納ボックス30cの内壁面から突出した突出位置との間で、支点まわりに揺動可能で、かつ、昇降可能に設けられ、第四の紙幣収納ボックス30dの内壁には、第四の紙幣収納ボックス30d内に送られた紙幣を係止可能な一対の係止爪32d、32dが、第四の紙幣収納ボックス30dの内壁面と滑らかに連なる退避位置と、第四の紙幣収納ボックス30dの内壁面から突出した突出位置との間で、支点まわりに揺動可能で、かつ、昇降可能に設けられている。
図1に示されるように、第一の紙幣収納ボックス30aの下部には、第一の紙幣収納ボックス30a内に収納された紙幣を、出金すべき紙幣として、1枚ずつ、出金紙幣搬送路35内に繰り出す第一の紙幣繰り出し部33aが設けられ、第二の紙幣収納ボックス30bの下部には、第二の紙幣収納ボックス30b内に収納された紙幣を、出金すべき紙幣として、1枚ずつ、出金紙幣搬送路35内に繰り出す第二の紙幣繰り出し部33bが設けられている。さらに、第三の紙幣収納ボックス30cの下部には、第三の紙幣収納ボックス30c内に収納された紙幣を、出金すべき紙幣として、1枚ずつ、出金紙幣搬送路35内に繰り出す第三の紙幣繰り出し部33cが設けられ、第四の紙幣収納ボックス30dの下部には、第四の紙幣収納ボックス30d内に収納された紙幣を、出金すべき紙幣として、1枚ずつ、出金紙幣搬送路35内に繰り出す第四の紙幣繰り出し部33dが設けられている。
ここに、本実施態様においては、汚損紙幣収納ボックス31内に収納された汚損紙幣は回収され、出金には利用されないため、汚損紙幣収納ボックス31内に収納された汚損紙幣を、出金紙幣搬送路35内に繰り出すための紙幣繰り出し部は設けられていない。
図1に示されるように、出金紙幣搬送路35には、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cあるいは第四の紙幣収納ボックス30dから繰り出された出金すべき紙幣を判別するとともに、出金すべき紙幣を金種別に計数する出金紙幣判別部40が設けられている。
出金紙幣判別部40は、紙幣に向けて、光を発する光源と、光源から発せられ、紙幣によって反射された光を検出する反射光センサと、光源から発せられ、紙幣を透過した光を検出する透過光センサとを含む光学センサ手段と、紙幣の磁気的性質を検出する磁気センサを備え、周知の方法によって、出金すべき紙幣が、真正でかつ現に流通している紙幣か否か、真正でかつ現に流通している紙幣である場合は、その金種、紙幣が1枚ずつ送られているか否かならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別するための光学データおよび磁気データを生成するセンサユニット(図示せず)と、出金すべき紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータを読み取るRFIDリーダー(図示せず)とを備えている。
このように、出金紙幣判別部40は、RFIDリーダーを備えているため、RFIDリーダーが出金紙幣判別部40外に存在する紙幣のRFIDデータを読み取ることがないように、RFIDリーダーから発信される周波数の電波を遮蔽する性質を有し、かつ、RFIDリーダー29から発信される周波数の電波を遮蔽する性質を有する材料によって形成されたケーシング40cによって覆われている。
図1に示されるように、出金紙幣判別部40の下流側において、出金紙幣搬送路35から、分岐搬送路41が分岐し、分岐搬送路41は、紙幣回収ボックス43に接続されている。分岐搬送路41の分岐部には、出金すべき紙幣を出金紙幣搬送路35および分岐搬送路41のいずれかに選択的に導くゲート部材42が設けられている。
本実施態様においては、出金紙幣判別部40によって、偽造紙幣あるいは外国紙幣と判別された紙幣、2枚以上の紙幣の全部あるいは一部が重なり合って、送られていると判別された紙幣ならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と角度をなして送られていると判別された紙幣は、出金紙幣搬送路35、ゲート部材42および分岐搬送路41を介して、紙幣回収ボックス43内に送られて、回収されるように構成されている。
紙幣回収ボックス43は、RFIDリーダー29から発信される周波数の電波を遮蔽する性質を有する材料によって形成されている。
また、図1に示されるように、分岐搬送路41の分岐部の下流側において、出金紙幣搬送路35から分岐し、分岐搬送路17の分岐部の下流側で、かつ、分岐搬送路19の分岐部の上流側の搬送路16に接続される分岐搬送路45が設けられており、分岐搬送路45の分岐部には、紙幣を出金紙幣搬送路35および分岐搬送路45のいずれか一方に選択的に導くゲート部材46が設けられている。
真正でかつ現に流通している紙幣が、1枚ずつ、その短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られている場合には、その紙幣は、出金紙幣判別部40から、出金紙幣搬送路35、ゲート部材42、出金紙幣搬送路35、ゲート部材46および出金紙幣搬送路35を介して、紙幣出金口12に送られて、出金される。
図1に示されるように、分岐搬送路17の分岐部の直下流側の搬送路16の近傍に、紙幣を検出する第一の紙幣センサ49aが設けられ、ゲート部材23の直上流側の搬送路16の近傍に、紙幣を検出する第二の紙幣センサ49bが設けられている。さらに、第一の紙幣繰り出し部33aの直下流側の出金紙幣搬送路35の近傍に、紙幣を検出する第三の紙幣センサ49cが設けられ、ゲート部材46の直上流側の出金紙幣搬送路35の近傍に、紙幣を検出する第四の紙幣センサ49dが設けられている。
図2は、図1に示された紙幣処理機の制御系、検出系、入力系、および表示系および駆動系を示すブロックダイアグラムであり、図3は、図1に示された紙幣処理機の駆動系の詳細を示すブロックダイアグラムである。
図2に示されるように、本実施態様にかかる紙幣処理機の制御系は、紙幣処理機の動作を制御するCPU50と、紙幣入出金機の制御プログラムなどが格納されたROM51と、各種データを記憶するRAM52を備えている。
図2に示されるように、本実施態様にかかる紙幣処理機の検出系は、紙幣判別部15および出金紙幣判別部40を備えている。紙幣判別部15は、紙幣に向けて、光を発する光源と、光源から発せられ、紙幣によって反射された光を検出する反射光センサと、光源から発せられ、紙幣を透過した光を検出する透過光センサとを含む光学センサ手段と、紙幣の磁気的性質を検出する磁気センサを備え、周知の方法によって、紙幣が、真正でかつ現に流通している紙幣か否か、真正でかつ現に流通している紙幣である場合は、その金種および汚損のレベル、紙幣が1枚ずつ送られているか否かならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別するための光学データおよび磁気データを生成するセンサユニット15aと、紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータを読み取るRFIDリーダー15bとを備えている。また、出金紙幣判別部40も、紙幣に向けて、光を発する光源と、光源から発せられ、紙幣によって反射された光を検出する反射光センサと、光源から発せられ、紙幣を透過した光を検出するセンサとを含む光学センサ手段と、紙幣の磁気的性質を検出する磁気センサを備え、周知の方法によって、出金すべき紙幣が、真正でかつ現に流通している紙幣か否か、真正でかつ現に流通している紙幣である場合は、その金種、紙幣が1枚ずつ送られているか否かならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別するための光学データおよび磁気データを生成するセンサユニット40aと、出金すべき紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータを読み取るRFIDリーダー40bとを備えている。
図2に示されるように、紙幣処理機の検出系は、さらに、紙幣入金口11内に設けられた光学センサ11bと、紙幣出金口12内に設けられた光学センサ12bと、紙幣返却口13内に設けられた光学センサ13bと、ゲート部材25と紙幣判別部15の間に設けられたRFIDリーダー29と、第一の紙幣センサ49aと、第二の紙幣センサ49bと、第三の紙幣センサ49cと、第四の紙幣センサ49dとを備えている。
図2に示されるように、本実施態様にかかる紙幣処理機の入力系は、オペレータによって操作され、種々の指示信号が入力されるキーボード75を備えており、紙幣入出金機の表示系は、紙幣の計数結果などを表示するディスプレイ77およびアラームを発するアラーム発生器78を備えている。
図3に示されるように、本実施態様にかかる紙幣処理機の駆動系54は、搬送路14、搬送路16、分岐搬送路17、分岐搬送路19、分岐搬送路20、分岐搬送路21、分岐搬送路22、出金紙幣搬送路35、分岐搬送路41ならびに分岐搬送路45に設けられた搬送ローラ(図示せず)を駆動するローラ駆動手段55と、ゲート部材18を駆動するソレノイド56と、ゲート部材23を駆動するソレノイド57と、ゲート部材24を選択的に駆動するソレノイド58と、ゲート部材25を駆動するソレノイド59と、ゲート部材26を駆動するソレノイド60と、ゲート部材42を駆動するソレノイド61と、ゲート部材46を駆動するソレノイド62と、第一の紙幣収納ボックス30aに設けられた一対の係止爪32a、32aを突出位置に揺動させるソレノイド手段64aと、第二の紙幣収納ボックス30bに設けられた一対の係止爪32b、32bを突出位置に揺動させるソレノイド手段64bと、第三の紙幣収納ボックス30cに設けられた一対の係止爪32c、32cを突出位置に揺動させるソレノイド手段64cと、第四の紙幣収納ボックス30dに設けられた一対の係止爪32d、32dを突出位置に揺動させるソレノイド手段64dと、汚損紙幣一時貯留ボックス28の底部を構成するシャッタを駆動するソレノイド65と、第一の紙幣一時貯留ボックス27aの底部を構成するシャッタを駆動するソレノイド66と、第二の紙幣一時貯留ボックス27bの底部を構成するシャッタを駆動するソレノイド67と、第三の紙幣一時貯留ボックス27cの底部を構成するシャッタを駆動するソレノイド68と、第四の紙幣一時貯留ボックス27dの底部を構成するシャッタを駆動するソレノイド69と、第一の紙幣収納ボックス30aに設けられた一対の係止爪32a、32aを昇降させるモータ70aと、第二の紙幣収納ボックス30bに設けられた一対の係止爪32b、32bを昇降させるモータ70bと、第三の紙幣収納ボックス30cに設けられた一対の係止爪32c、32cを昇降させるモータ70cと、第四の紙幣収納ボックス30dに設けられた一対の係止爪32d、32dを昇降させるモータ70dと、紙幣入金口11に設けられたシャッタ11aを駆動するソレノイド71と、紙幣出金口12に設けられたシャッタ12aを駆動するソレノイド72と、紙幣返却口13に設けられたシャッタ13aを駆動するソレノイド73と、紙幣繰り出し手段74と、第一の紙幣収納ボックス30aの下部に設けられ、第一の紙幣収納ボックス30a内に収納された紙幣を、出金すべき紙幣として、1枚ずつ、出金紙幣搬送路35内に繰り出す第一の紙幣繰り出し部33aと、第二の紙幣収納ボックス30bの下部に設けられ、第二の紙幣収納ボックス30b内に収納された紙幣を、出金すべき紙幣として、1枚ずつ、出金紙幣搬送路35内に繰り出す第二の紙幣繰り出し部33bと、第三の紙幣収納ボックス30cの下部に設けられ、第三の紙幣収納ボックス30c内に収納された紙幣を、出金すべき紙幣として、1枚ずつ、出金紙幣搬送路35内に繰り出す第三の紙幣繰り出し部33cと、第四の紙幣収納ボックス30dの下部に設けられ、第四の紙幣収納ボックス30d内に収納された紙幣を、出金すべき紙幣として、1枚ずつ、出金紙幣搬送路35内に繰り出す第四の紙幣繰り出し部33dとを備えている。
以上のように構成された本実施態様にかかる紙幣処理機は、以下のようにして、紙幣入金口11に投入された紙幣を入金し、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cあるいは第四の紙幣収納ボックス30dに収納された紙幣を、紙幣出金口12に出金する。
まず、オペレータによって、紙幣が紙幣入金口11にセットされ、入金信号がキーボード75に入力されると、紙幣が紙幣入金口11内に設けられた光学センサ11bによって、紙幣が検出され、紙幣検出信号がCPU50に出力される。
キーボード75から入金信号が入力され、光学センサ11bから紙幣検出信号が入力されると、CPU50は、ソレノイド71に駆動信号を出力して、紙幣入金口11に設けられたシャッタ11aを開放させるとともに、紙幣繰り出し手段74に駆動信号を出力する。同時に、CPU50は、ローラ駆動手段55に駆動信号を出力して、搬送路14、搬送路16、分岐搬送路17、分岐搬送路19、分岐搬送路20、分岐搬送路21、分岐搬送路22、出金紙幣搬送路35、分岐搬送路41ならびに分岐搬送路45に設けられた搬送ローラ(図示せず)を駆動させる。
その結果、紙幣は、紙幣繰り出し手段74によって、1枚づつ、紙幣入金口11から搬送路14内に繰り出される。
紙幣入金口11にセットされた紙幣がすべて、搬送路14内に取り込まれると、CPU50は、ソレノイド71に駆動停止信号を出力して、紙幣入金口11のシャッタ11aを閉じる。
紙幣が、搬送路14内に繰り出されると、RFIDリーダー29によって、紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータが読み取られ、読み取られた紙幣のRFIDデータが、CPU50に出力される。CPU50は、RFIDリーダー29から、紙幣のRFIDデータを受けると、RAM52の所定のメモリ領域に格納する。
ここに、RFIDリーダー29は、所定の周波数、たとえば、マイクロ波帯の電波を発信し、紙幣に形成されたインレットのアンテナに受信させて、インレット中のICチップに書き込まれたRFIDデータを読み取るように構成されているから、RFIDリーダー29から発信される周波数の電波を遮蔽する性質を有する材料によって形成されている紙幣一時貯留ユニット27の汚損紙幣一時貯留ボックス28、第一の紙幣一時貯留ボックス27a、第二の紙幣一時貯留ボックス27b、第三の紙幣一時貯留ボックス27cおよび第四の紙幣一時貯留ボックス27d、紙幣収納ユニット30の汚損紙幣収納ボックス31、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cおよび第四の紙幣収納ボックス30dならびに紙幣回収ボックス43内に収容されている紙幣と、金属製のシャッタ11b、シャッタ12bおよびシャッタ13bによって、紙幣処理機の内部と遮断されている紙幣入金口11、紙幣出金口12および紙幣返却口13内に存在している紙幣以外の紙幣、すなわち、紙幣処理機内の搬送路に存在しているすべての紙幣のRFIDデータが、RFIDリーダー29によって読み取られ、RAM51の所定のメモリ領域に格納される。
搬送路14内に繰り出された紙幣は、紙幣判別部15に送られる。
紙幣判別部15においては、センサユニット15aによって、紙幣の光学データおよび磁気データが読み取られるとともに、RFIDリーダー15bによって、紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータが読み取られ、読み取られた紙幣の光学データ、磁気データおよびRFIDデータはCPU50に出力される。
CPU50は、紙幣判別部15のRFIDリーダー15bから入力されたRFIDデータをRAM52に書き込むとともに、RAM52に書き込まれたRFIDデータに基づいて、紙幣が、現に流通している真正な紙幣か否かおよび紙幣の金種を暫定的に判別する。
ここに、紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータは、紙幣の発行権限を有する機関によって、特定のフォーマットで、インレット中のICチップに記録されているから、CPU50は、紙幣判別部15のRFIDリーダー15bから入力されたRFIDデータに基づいて、紙幣が、現に流通している真正な紙幣か否かを判別し、その金種を判別することができる。
その結果、RFIDデータに基づいて、紙幣判別部15によって検出された紙幣が、現に流通している真正な紙幣ではないと判別したときは、CPU50は、判別結果をRAM52に書き込み、これに対して、RFIDデータに基づいて、紙幣が、現に流通している真正な紙幣と判別したときは、CPU50は、RFIDデータに基づいて、紙幣の金種を暫定的に決定し、さらに、暫定的に決定した紙幣の金種に対応する金種の紙幣の基準光学データおよび基準磁気データをROM51から読み出す。
次いで、CPU50は、紙幣判別部15のセンサユニット15aから入力された紙幣の光学データおよび磁気データを、ROM51から読み出した紙幣の基準光学データおよび基準磁気データと比較し、紙幣の金種および汚損レベル、紙幣が1枚ずつ送られているか否かならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別する。
すなわち、光学センサ手段の反射光センサが検出した紙幣の表面パターンデータと、暫定的に決定した金種の紙幣の基準表面パターンデータとを比較した結果、両者の差が第一のしきい値以下と判定したときは、CPU50は、紙幣判別部15によって検出された紙幣は、RFIDデータに基づいて暫定的に決定した金種の紙幣であると最終的に判別する。
これに対して、光学センサ手段の反射光センサが検出した紙幣の表面パターンデータと、暫定的に決定した金種の紙幣の基準表面パターンデータとを比較した結果、両者の差が第一のしきい値よりも大きい第二のしきい値を超えていると判定したときは、CPU50は、その紙幣は、現に流通している真正な紙幣であるが、紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られていないと判別する。
一方、光学センサ手段の反射光センサが検出した紙幣の表面パターンデータと、暫定的に決定した金種の紙幣の基準表面パターンデータとを比較した結果、両者の差が第一のしきい値以上を超えているが、第二のしきい値以下であると判定したときは、CPU50は、紙幣判別部15によって検出された紙幣は、RFIDデータに基づいて暫定的に決定した金種の紙幣であるが、汚損レベルが所定レベルを超えた汚損紙幣であると判別する。
これに対して、光学センサ手段の透過光センサが検出した紙幣の透過光データと、暫定的に決定した金種の紙幣の基準透過光データとを比較した結果、両者が実質的に一致しているときは、その紙幣は、1枚ずつ送られていると判別し、両者が実質的に一致していないときは、2枚以上の紙幣が、全部あるいはその一部が重なり合って、送られていると判別する。
その結果、紙幣判別部15によって検出された紙幣が、偽造紙幣もしくは外国紙幣と判別した場合、2枚以上の紙幣の全部あるいは一部が重なり合って、送られていると判別した場合あるいは紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と角度をなして送られていると判別した場合には、CPU50は、判別結果をRAM52に書き込むとともに、ゲート部材18を駆動するソレノイド56に駆動信号を出力して、その紙幣を、分岐搬送路17を介して、紙幣返却口13に送り、オペレータに返却する。
本実施態様においては、紙幣判別部15は、RFIDリーダー15bを備えており、RFIDリーダー15bによって、紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータが読み取られるから、2枚以上の紙幣の全部あるいは一部が重なり合って、送られている場合や、紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と角度をなして送られている場合においても、その紙幣の金種を正確に判別することができるが、2枚以上の紙幣の全部あるいは一部が重なり合って、送られている場合や、紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と角度をなして送られている場合には、それらの紙幣は、搬送路16の下流側においてジャミングを起こすおそれがあるため、紙幣返却口13に送って、オペレータに返却するように構成されている。
一方、紙幣判別部15によって検出された紙幣が、現に流通している真正な紙幣で、かつ、1枚ずつ、その短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているが、汚損レベルが所定レベルを超えた汚損紙幣であると判別したときは、CPU50は、判別結果を、RAM52の汚損紙幣の枚数を管理するためのデータを格納するメモリ領域に書き込むとともに、その紙幣を金種別に計数して、計数結果を、汚損紙幣の計数データとして、RAM52の汚損紙幣の枚数を管理するためのデータを格納するメモリ領域に書き込み、ゲート部材18を駆動するソレノイド56に駆動信号を出力することなく、ゲート部材23を駆動するソレノイド57に駆動信号を出力する。
したがって、汚損紙幣は、搬送路16内を、分岐搬送路17の分岐部の下流側に送られ、第一の紙幣センサ49aによって検出され、紙幣検出信号がCPU50に出力された後、分岐搬送路19の分岐部に達すると、ゲート部材23によって、選択的に分岐搬送路19に導かれ、汚損紙幣一時貯留ボックス28内に送られて、一時的に貯留される。
これに対して、その紙幣が、汚損レベルが所定レベル以下の現に流通している真正な紙幣であり、かつ、第一の金種の紙幣であると判別したときは、CPU50は、判別結果を、RAM52の第一の金種の紙幣の枚数を管理するためのデータを格納するメモリ領域に書き込むとともに、その紙幣を金種別に計数して、計数結果を、第一の金種の紙幣の計数データとして、RAM52の第一の金種の紙幣の枚数を管理するためのデータを格納するメモリ領域に書き込み、ゲート部材18を駆動するソレノイド56およびゲート部材23を駆動するソレノイド57に駆動信号を出力することなく、ゲート部材24を駆動するソレノイド58に駆動信号を出力する。
したがって、第一の金種の紙幣は、分岐搬送路17の分岐部の下流側に送られ、第一の紙幣センサ49aによって検出され、紙幣検出信号がCPU50に出力される。さらに、第一の金種の紙幣は、分岐搬送路19の分岐部を通過し、搬送路16内をさらに下流側に送られ、第二の紙幣センサ49bによって検出されて、紙幣検出信号がCPU50に出力された後、分岐搬送路20の分岐部に達すると、ゲート部材24によって、選択的に分岐搬送路20に導かれ、第一の紙幣一時貯留ボックス27a内に送られて、一時的に貯留される。
一方、その紙幣が、汚損レベルが所定レベル以下の現に流通している真正な紙幣であり、かつ、第二の金種の紙幣であると判別したときは、CPU50は、判別結果を、第二の金種の紙幣の計数データとして、RAM52の第二の金種の紙幣の枚数を管理するためのデータを格納するメモリ領域に書き込むとともに、その紙幣を金種別に計数して、計数結果をRAM52の第二の金種の紙幣の枚数を管理するためのデータを格納するメモリ領域に書き込み、ゲート部材18を駆動するソレノイド56、ゲート部材23を駆動するソレノイド57およびゲート部材24を駆動するソレノイド58に駆動信号を出力することなく、ゲート部材25を駆動するソレノイド59に駆動信号を出力する。
したがって、第二の金種の紙幣は、分岐搬送路17の分岐部の下流側に送られ、第一の紙幣センサ49aによって検出され、紙幣検出信号がCPU50に出力される。さらに、第二の金種の紙幣は、分岐搬送路19の分岐部を通過し、搬送路16内をさらに下流側に送られて、第二の紙幣センサ49bによって検出されて、紙幣検出信号がCPU50に出力される。さらに、第二の金種の紙幣は、分岐搬送路20の分岐部を通過し、搬送路16内をさらに下流側に送られ、分岐搬送路21の分岐部に達すると、ゲート部材25によって、選択的に分岐搬送路21に導かれ、第二の紙幣一時貯留ボックス27b内に送られて、一時的に貯留される。
これに対して、その紙幣が、汚損レベルが所定レベル以下の現に流通している真正な紙幣であり、かつ、第三の金種の紙幣であると判別したときは、CPU50は、判別結果を、第三の金種の紙幣の計数データとして、RAM52の第三の金種の紙幣の枚数を管理するためのデータを格納するメモリ領域に書き込むとともに、その紙幣を金種別に計数して、計数結果をRAM52の第三の金種の紙幣の枚数を管理するためのデータを格納するメモリ領域に書き込み、ゲート部材18を駆動するソレノイド56、ゲート部材23を駆動するソレノイド57、ゲート部材24を駆動するソレノイド58およびゲート部材25を駆動するソレノイド59に駆動信号を出力することなく、ゲート部材26を駆動するソレノイド60に駆動信号を出力する。
したがって、第三の金種の紙幣は、分岐搬送路17の分岐部の下流側に送られ、第一の紙幣センサ49aによって検出され、紙幣検出信号がCPU50に出力された後、分岐搬送路19の分岐部を通過し、搬送路16内をさらに下流側に送られる。さらに、第三の金種の紙幣は、第二の紙幣センサ49bによって検出されて、紙幣検出信号がCPU50に出力された後、分岐搬送路20の分岐部および分岐搬送路21の分岐部を通過して、搬送路16内をさらに下流側に送られ、分岐搬送路22の分岐部に達すると、ゲート部材26によって、選択的に分岐搬送路22に導かれ、第三の紙幣一時貯留ボックス27c内に送られて、一時的に貯留される。
一方、その紙幣が、汚損レベルが所定レベル以下の現に流通している真正な紙幣であり、かつ、第四の金種の紙幣であると判別したときは、CPU50は、判別結果を、第四の金種の紙幣の計数データとして、RAM52の第四の金種の紙幣の枚数を管理するためのデータを格納するメモリ領域に書き込むとともに、その紙幣を金種別に計数して、計数結果をRAM52の第四の金種の紙幣の枚数を管理するためのデータを格納するメモリ領域に書き込み、ゲート部材18を駆動するソレノイド56、ゲート部材23を駆動するソレノイド57、ゲート部材24を駆動するソレノイド58、ゲート部材25を駆動するソレノイド59およびゲート部材26を駆動するソレノイド60のいずれにも駆動信号を出力しない。
その結果、第四の金種の紙幣は、分岐搬送路17の分岐部の下流側に送られ、第一の紙幣センサ49aによって検出され、紙幣検出信号がCPU50に出力された後、分岐搬送路19の分岐部を通過し、搬送路16内をさらに下流側に送られ、第二の紙幣センサ49bによって検出されて、紙幣検出信号がCPU50に出力される。さらに、第四の金種の紙幣は、分岐搬送路20の分岐部、分岐搬送路21の分岐部および分岐搬送路22の分岐部を通過して、搬送路16内をさらに下流側に送られ、第四の紙幣一時貯留ボックス27d内に送られて、一時的に貯留される。
本実施態様においては、このように、紙幣のRFIDデータに基づき、紙幣判別部15によって検出された紙幣が、現に流通している真正な紙幣であるか否かを判別し、現に流通している真正な紙幣であると判別したときは、紙幣のRFIDデータに基づき、紙幣の金種を暫定的に決定し、暫定的に決定した紙幣の金種に対応する金種の紙幣の基準光学データおよび基準磁気データをROM51から読み出し、紙幣判別部15のセンサユニット15aから入力された紙幣の光学データおよび磁気データを、ROM51から読み出した紙幣の基準光学データおよび基準磁気データと比較して、紙幣の金種を最終的に判別するとともに、その紙幣の汚損のレベル、紙幣が1枚ずつ送られているか否かならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別するように構成されているから、紙幣の判別に要する時間を大幅に短縮することが可能になる。
これに対して、ソレノイド71および紙幣繰り出し手段74に駆動信号を出力してから、第一の所定時間が経過しても、紙幣判別部15から、紙幣の光学データ、磁気データおよびRFIDデータが入力されないときは、CPU50は、紙幣入金口11と紙幣判別部15との間の搬送路14内で、紙幣がジャミングを起こしていると判定し、ローラ駆動手段55に駆動停止信号を出力するとともに、ディスプレイ77に、紙幣処理機に故障が発生した旨を表示し、アラーム発生器78にアラームを発せさせる。
一方、紙幣判別部15から、紙幣の光学データ、磁気データおよびRFIDデータが入力されてから、第二の所定時間が経過しても、第一の紙幣センサ49aから紙幣検出信号が入力されないときは、CPU50は、紙幣判別部15と第一の紙幣センサ49aとの間の搬送路16内で、紙幣がジャミングを起こしていると判定し、ローラ駆動手段55に駆動停止信号を出力するとともに、ディスプレイ77に、紙幣処理機に故障が発生した旨を表示し、アラーム発生器78にアラームを発せさせる。
これに対して、第一の紙幣センサ49aから紙幣検出信号が入力されてから、第三の所定時間が経過しても、第二の紙幣センサ49bから紙幣検出信号が入力されないときは、CPU50は、第一の紙幣センサ49aの近傍の搬送路16と第二の紙幣センサ49bの近傍の搬送路16との間の搬送路16内で、紙幣がジャミングを起こしていると判定し、ローラ駆動手段55に駆動停止信号を出力するとともに、ディスプレイ77に、紙幣処理機に故障が発生した旨を表示し、アラーム発生器78にアラームを発せさせる。
紙幣処理機に故障が発生した旨が、ディスプレイ77に表示され、アラーム発生器78からアラームを発せられると、オペレータによって、紙幣処理機が開かれて、ジャミングを起こした紙幣が取り除かれるとともに、紙幣処理機内に残留しているすべての紙幣が取り除かれる。
ここに、本実施態様においては、紙幣処理機内の搬送路に残留しているすべての紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータが、RFIDリーダー29によって読み取られ、RAM52の所定のメモリ領域に格納されているから、オペレータは、キーボード75に指示信号を入力して、RFIDリーダー29によって読み取られ、RAM52の所定のメモリ領域に格納されている紙幣のRFIDデータをディスプレイ77に表示させることができ、したがって、確実にかつ速やかに、紙幣処理機内の搬送路に残留しているすべての紙幣を取り除き、紙幣処理機を再稼動させることが可能になるから、紙幣処理機の処理効率を大幅に向上させることができる。
紙幣処理機内の搬送路に残留している紙幣を取り除き、紙幣処理機を再稼動させる場合には、オペレータによって、キーボード75にリスタート信号が入力される。
リスタート信号はCPU50に出力され、リスタート信号を受けると、CPU50は、RFIDリーダー29から出力された紙幣のRFIDデータを、RAM52の所定のメモリ領域に格納するとともに、RFIDリーダー29から入力されたRFIDデータに基づいて、搬送路内に、紙幣が残存しているか否かを判定する。
その結果、搬送路内に、紙幣が残存していると判定したときは、オペレータが取り除き忘れた紙幣が搬送路内に残存していると認められるから、CPU50は、RAM52の所定のメモリ領域に格納されている紙幣のRFIDデータと、搬送路内に、紙幣が残存している旨をディスプレイ77に表示するとともに、アラーム発生器78にアラームを発せさせる。
したがって、搬送路内の紙幣を取り除き忘れた場合にも、オペレータは容易に、その事実を知り、搬送路内の紙幣を完全に取り除いた上で、紙幣処理機を再稼動させることが可能になる。
搬送路内の紙幣が取り除かれると、オペレータによって、再び、キーボード75にリスタート信号が入力され、紙幣処理機が再稼動される。
これに対して、搬送路内に、紙幣が残存していないと判定したときは、CPU50は、ローラ駆動手段55に駆動信号を出力して、搬送路14、搬送路16、分岐搬送路17、分岐搬送路19、分岐搬送路20、分岐搬送路21、分岐搬送路22、出金紙幣搬送路35、分岐搬送路41ならびに分岐搬送路45に設けられた搬送ローラ(図示せず)を駆動させ、紙幣の処理が再開される。
紙幣入金口11にセットされた紙幣のうち、紙幣返却口13に送られた紙幣を除くすべての紙幣が、汚損紙幣一時貯留ボックス28、第一の紙幣一時貯留ボックス27a、第二の紙幣一時貯留ボックス27b、第三の紙幣一時貯留ボックス27cおよび第四の紙幣一時貯留ボックス27d内に送られて、貯留されると、CPU50は、RAM52に書き込まれた計数結果に基づき、汚損紙幣一時貯留ボックス28、第一の紙幣一時貯留ボックス27a、第二の紙幣一時貯留ボックス27b、第三の紙幣一時貯留ボックス27cおよび第四の紙幣一時貯留ボックス27d内に送られた紙幣の合計金額を算出し、ディスプレイ77に表示する。
ディスプレイ77に表示された紙幣の合計金額が予期していた紙幣の合計金額と一致しないなどの理由で、オペレータが、入金処理を中止させるために、入金中止信号を、キーボード75に入力し、入金中止信号がCPU50に入力されたときは、CPU50は、RAM52の汚損紙幣の枚数を管理するためのデータを格納するメモリ領域、第一の金種の紙幣の枚数を管理するためのデータを格納するメモリ領域、第二の金種の紙幣の枚数を管理するためのデータを格納するメモリ領域、第三の金種の紙幣の枚数を管理するためのデータを格納するメモリ領域および第四の金種の紙幣の枚数を管理するためのデータを格納するメモリ領域に書き込まれた対応する紙幣の計数データを消去するとともに、紙幣一時貯留ユニット27をロックしているロック部材(図示せず)のロックを解除するとともに、ディスプレイ77に、ロックが解除され、紙幣一時貯留ユニット27が取り出し可能な状態になった旨を表示する。
したがって、オペレータは、紙幣一時貯留ユニット27を紙幣処理機から引き出し、汚損紙幣一時貯留ボックス28、第一の紙幣一時貯留ボックス27a、第二の紙幣一時貯留ボックス27b、第三の紙幣一時貯留ボックス27cおよび第四の紙幣一時貯留ボックス27d内に貯留されていた紙幣を回収することができる。
これに対して、オペレータが、ディスプレイ77に表示された紙幣の合計金額を確認して、入金指示信号を、キーボード75に入力し、入金指示信号がCPU50に入力されたときは、CPU50は、汚損紙幣一時貯留ボックス28の底部を構成するシャッタを駆動するソレノイド65、第一の紙幣一時貯留ボックス27aの底部を構成するシャッタを駆動するソレノイド66、第二の紙幣一時貯留ボックス27bの底部を構成するシャッタを駆動するソレノイド67、第三の紙幣一時貯留ボックス27cの底部を構成するシャッタを駆動するソレノイド68および第四の紙幣一時貯留ボックス27dの底部を構成するシャッタを駆動するソレノイド69に駆動信号を出力する。
その結果、汚損紙幣一時貯留ボックス28内に一時的に貯留されていた汚損紙幣は、汚損紙幣収納ボックス31内に落下して、汚損紙幣収納ボックス31内に収納されるとともに、第一の紙幣一時貯留ボックス27a内に一時的に貯留されていた第一の金種の紙幣は、第一の紙幣収納ボックス30a内に落下して、第一の紙幣収納ボックス30a内に収納され、第二の紙幣一時貯留ボックス27b内に一時的に貯留されていた第二の金種の紙幣は、第二の紙幣収納ボックス30b内に落下して、第二の紙幣収納ボックス30b内に収納される。同時に、第三の紙幣一時貯留ボックス27c内に一時的に貯留されていた第三の金種の紙幣は、第三の紙幣収納ボックス30c内に落下して、第三の紙幣収納ボックス30c内に収納され、第四の紙幣一時貯留ボックス27d内に一時的に貯留されていた第四の金種の紙幣は、第四の紙幣収納ボックス30d内に落下し、第四の紙幣収納ボックス30d内に収納される。
ここに、紙幣の入金処理時には、CPU50は、ソレノイド手段64a、ソレノイド手段64b、ソレノイド手段64cおよびソレノイド手段64dに駆動信号を出力せず、したがって、第一の紙幣収納ボックス30aに設けられた一対の係止爪32a、32a、第二の紙幣収納ボックス30bに設けられた一対の係止爪32b、32b、第三の紙幣収納ボックス30cに設けられた一対の係止爪32c、32cならびに第四の紙幣収納ボックス30dに設けられた一対の係止爪32d、32dは、それぞれ、退避位置に保持されるから、第一の紙幣収納ボックス30a内に送られた第一の金種の紙幣は、第一の紙幣収納ボックス30aの底板上に集積され、第二の紙幣収納ボックス30b内に送られた第二の金種の紙幣は、第二の紙幣収納ボックス30bの底板上に集積される。同様に、第三の紙幣収納ボックス30c内に送られた第三の金種の紙幣は、第三の紙幣収納ボックス30cの底板上に集積され、第四の紙幣収納ボックス30d内に送られた第四の金種紙幣は、第四の紙幣収納ボックス30dの底板上に集積される。
こうして、紙幣の入金処理が完了する。
紙幣の入金処理の完了後、紙幣返却口13に設けられた光学センサ13bから、紙幣検出信号が入力されているときは、紙幣返却口13に返却した紙幣をオペレータが取り忘れていると認められるから、CPU50は、ディスプレイ77に、紙幣返却口13に紙幣が残留している旨を表示する。
紙幣処理機から、紙幣を出金する場合には、オペレータによって、出金すべき金種ごとの紙幣の枚数を特定する出金データと出金信号がキーボード75に入力される。
オペレータによって入力された出金データと出金信号は、CPU50に出力され、CPU50は、入力された出金すべき金種ごとの紙幣の枚数を特定する出金データを、RAM52の出金すべき紙幣を管理するデータを格納するメモリ領域に書き込む。
次いで、CPU50は、RAM52の出金すべき紙幣を管理するデータを格納するメモリ領域に書き込んだ出金データにしたがって、第一の紙幣収納ボックス30aの下部に設けられた第一の紙幣繰り出し部33a、第二の紙幣収納ボックス30bの下部に設けられた第二の紙幣繰り出し部33b、第三の紙幣収納ボックス30cの下部に設けられた第三の紙幣繰り出し部33cおよび第四の紙幣収納ボックス30dの下部に設けられた第四の紙幣繰り出し部33dを選択的に駆動する。
すなわち、第一の金種の紙幣を出金すべきときは、CPU50は、第一の紙幣繰り出し部33aに駆動信号を出力して、第一の紙幣収納ボックス30a内に収納されている第一の金種の紙幣を、1枚ずつ、出金紙幣搬送路35に繰り出させ、第二の金種の紙幣を出金すべきときは、CPU50は、第二の紙幣繰り出し部33bに駆動信号を出力して、第二の紙幣収納ボックス30b内に収納されている第二の金種の紙幣を、1枚ずつ、出金紙幣搬送路35に繰り出させる。一方、第三の金種の紙幣を出金すべきときは、CPU50は、第三の紙幣繰り出し部33cに駆動信号を出力して、第三の紙幣収納ボックス30c内に収納されている第三の金種の紙幣を、1枚ずつ、出金紙幣搬送路35に繰り出させ、第四の金種の紙幣を出金すべきときは、CPU50は、第四の紙幣繰り出し部33dに駆動信号を出力して、第四の紙幣収納ボックス30d内に収納されている第四の金種の紙幣を、1枚ずつ、出金紙幣搬送路35に繰り出させる。
出金紙幣搬送路35に繰り出された紙幣は、第三の紙幣センサ49cによって検出されて、紙幣検出信号が、CPU50に出力された後、出金紙幣判別部40に送られる。
出金すべき紙幣が、出金紙幣判別部40に送られると、センサユニット40aによって、紙幣の光学データおよび磁気データが読み取られるとともに、RFIDリーダー40bによって、紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータが読み取られ、読み取られた紙幣の光学データ、磁気データおよびRFIDデータはCPU50に出力される。
CPU50は、出金紙幣判別部40から入力された紙幣の光学データ、磁気データおよびRFIDデータに基づいて、紙幣が、現に流通している真正な紙幣か否かを判別し、紙幣が現に流通している真正な紙幣であると判別したときは、その金種を判別するとともに、紙幣が1枚ずつ送られているか否かおよび紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別する。
ここに、紙幣判別部15から入力された紙幣の光学データ、磁気データおよびRFIDデータに基づき、現に流通している真正な紙幣と判別された紙幣のみが、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cおよび第四の紙幣収納ボックス30dに送られて、収納され、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cおよび第四の紙幣収納ボックス30d内には、それぞれ、第一の金種の紙幣、第二の金種の紙幣、第三の金種の紙幣および第四の金種の紙幣が収納されており、したがって、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cおよび第四の紙幣収納ボックス30dから繰り出されて、出金紙幣判別部40に送られる紙幣はすべて、現に流通している真正な紙幣であるはずであり、また、その紙幣が、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cおよび第四の紙幣収納ボックス30dのうち、いずれの紙幣収納ボックスから繰り出されたかによって、その紙幣の金種を知ることができるから、出金紙幣判別部40から入力された紙幣の光学データ、磁気データおよびRFIDデータに基づいて、CPU50が、出金すべき紙幣が、現に流通している真正な紙幣か否かを判別することは必ずしも必要ではないし、また、出金すべき紙幣の金種を判別することも必ずしも必要ではないが、本実施態様においては、紙幣処理機から、出金された紙幣の金種および枚数ならびに紙幣処理機内に収納されている紙幣の金種ごとの枚数を正確に管理するために、出金紙幣判別部40から入力された紙幣の光学データ、磁気データおよびRFIDデータに基づいて、CPU50が、出金すべき紙幣が、現に流通している真正な紙幣か否かおよび出金すべき紙幣の金種を判別するように構成されている。
CPU50は、出金紙幣判別部40のRFIDリーダー40bから入力されたRFIDデータをRAM52に書き込むとともに、RAM52に書き込まれたRFIDデータに基づいて、紙幣が、現に流通している真正な紙幣か否かおよび紙幣の金種を暫定的に判別する。
その結果、RFIDデータに基づいて、出金紙幣判別部40によって検出された紙幣が、現に流通している真正な紙幣ではないと判別したときは、CPU50は、判別結果をRAM52に書き込み、これに対して、RFIDデータに基づいて、紙幣が、現に流通している真正な紙幣と判別したときは、CPU50は、RFIDデータに基づいて、紙幣の金種を暫定的に決定し、さらに、暫定的に決定した紙幣の金種に対応する金種の紙幣の基準光学データおよび基準磁気データをROM51から読み出す。
次いで、CPU50は、出金紙幣判別部40のセンサユニット40aから入力された紙幣の光学データおよび磁気データを、ROM51から読み出した紙幣の基準光学データおよび基準磁気データと比較し、紙幣の金種を最終的に判別するとともに、紙幣が1枚ずつ送られているか否かならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別する。
すなわち、光学センサ手段の反射光センサが検出した紙幣の表面パターンデータと、暫定的に決定した金種の紙幣の基準表面パターンデータとを比較した結果、両者の差が第一のしきい値以下と判定したときは、CPU50は、出金紙幣判別部40によって検出された紙幣は、RFIDデータに基づいて暫定的に決定した金種の紙幣であると最終的に判別する。
これに対して、光学センサ手段の反射光センサが検出した紙幣の表面パターンデータと、暫定的に決定した金種の紙幣の基準表面パターンデータとを比較した結果、両者の差が第一のしきい値よりも大きい第二のしきい値を超えていると判定したときは、CPU50は、その紙幣は、現に流通している真正な紙幣であるが、紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られていないと判別する。
ここに、紙幣が、現に流通している真正な紙幣であるが、汚損レベルが所定レベルを超えている場合には、光学センサ手段の反射光センサが検出した紙幣の表面パターンデータと、暫定的に決定した金種の紙幣の基準表面パターンデータとの差が、第一のしきい値を超え、第二のしきい値未満になるが、汚損レベルが所定レベルを超えた汚損紙幣は、汚損紙幣収納ボックス31内に回収されているから、光学センサ手段の反射光センサが検出した紙幣の表面パターンデータと、暫定的に決定した金種の紙幣の基準表面パターンデータとの差が、第一のしきい値を超え、第二のしきい値未満になるということはない。
これに対して、光学センサ手段の透過光センサが検出した紙幣の透過光データと、暫定的に決定した金種の紙幣の基準透過光データとを比較した結果、両者が実質的に一致しているときは、その紙幣は、1枚ずつ送られていると判別し、両者が実質的に一致していないときは、2枚以上の紙幣が、全部あるいはその一部が重なり合って、送られていると判別する。
判別の結果、出金紙幣判別部40によって検出された紙幣が、現に流通している真正な紙幣で、1枚ずつ、その短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られていると判別したときは、CPU50は、判別した金種の紙幣が1枚出金された旨をRAM52に書き込むとともに、その金種の紙幣の枚数を管理するためのデータを格納するRAM52のメモリ領域に書き込まれた紙幣の計数データを1枚分だけ減じた上で、その紙幣を、出金紙幣搬送路35、ゲート部材42、出金紙幣搬送路35、ゲート部材46および出金紙幣搬送路35を介して、紙幣出金口12に送って、出金する。
この際、第四の紙幣センサ49dによって、紙幣が検出され、紙幣検出信号が、CPU50に出力される。
一方、出金紙幣判別部40によって検出された紙幣が、偽造紙幣もしくは外国紙幣と判別した場合には、CPU50は、RAM52の紙幣回収ボックス43内に回収された紙幣の枚数を管理するデータを格納するメモリ領域に、偽造紙幣あるいは外国紙幣が検出され、偽造紙幣あるいは外国紙幣が1枚回収された旨の計数データを書き込み、さらに、ゲート部材42を駆動するソレノイド61に駆動信号を出力して、出金紙幣搬送路35を分岐搬送路41に連通させ、偽造紙幣あるいは外国紙幣と判別した紙幣を紙幣回収ボックス43に導いて、紙幣回収ボックス43内に回収させる。
これに対して、CPU50が、2枚以上の紙幣の全部あるいは一部が重なり合って、送られていると判別した場合あるいは紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と角度をなして送られていると判別した場合には、これらの紙幣を紙幣出金口12に送ると、紙幣が出金紙幣搬送路35内で、ジャミングを起こすおそれがあるため、ゲート部材42を駆動するソレノイド61に駆動信号を出力して、出金紙幣搬送路35を分岐搬送路41に連通させ、これらの紙幣を紙幣回収ボックス43に導いて、紙幣回収ボックス43内に回収させる。
この際、CPU50は、RFIDリーダー40bによって読み取られた紙幣のRFIDデータに基づいて、紙幣回収ボックス43内に回収された紙幣の金種および枚数を判別して、RAM52の紙幣回収ボックス43内に回収された紙幣の枚数を管理するデータを格納するメモリ領域に書き込まれた紙幣の計数データを書き換えるとともに、その金種の紙幣の枚数を管理するためのデータを格納するRAM52のメモリ領域に書き込まれた紙幣の計数データを書き換える。
ここに、出金紙幣判別部40が、光を発する光源と、光源から発せられ、紙幣によって反射された光を検出する反射光センサと、光源から発せられ、紙幣を透過した光を検出する透過光センサとを含む光学センサ手段と、紙幣の磁気的性質を検出する磁気センサを備えているに過ぎない従来の紙幣処理機にあっては、2枚以上の紙幣の全部あるいは一部が重なり合って、送られている場合あるいは紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と角度をなして送られている場合には、それらの金種を精度よく判別することが不可能であり、また、2枚以上の紙幣の全部あるいは一部が重なり合って、送られている場合には、何枚の紙幣が重なり合って送られているかを精度よく判別することが不可能であるため、紙幣回収ボックス43内に回収された紙幣の金種別枚数を、精度よく、把握することができず、したがって、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cおよび第四の紙幣収納ボックス30dから、出金のために繰り出された紙幣の金種別枚数を精度よく把握することが不可能であるため、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cおよび第四の紙幣収納ボックス30dに収納されている紙幣の金種別枚数を正確に管理することが不可能であった。
しかしながら、本実施態様においては、紙幣処理機の出金紙幣判別部40は、紙幣に向けて、光を発する光源と、光源から発せられ、紙幣によって反射された光を検出する反射光センサと、光源から発せられ、紙幣を透過した光を検出する透過光センサとを含む光学センサ手段と、紙幣の磁気的性質を検出する磁気センサを備えたセンサユニット40aに加えて、紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータを読み取るRFIDリーダー40bを備えているため、2枚以上の紙幣の全部あるいは一部が重なり合って、送られている場合あるいは紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と角度をなして送られている場合においても、CPU50は、RFIDリーダー40bによって読み取られた紙幣のRFIDデータに基づいて、それらの紙幣の金種を精度よく判別することができ、また、2枚以上の紙幣の全部あるいは一部が重なり合って、送られている場合に、CPU50は、RFIDリーダー40bによって読み取られた紙幣のRFIDデータに基づいて、何枚の紙幣が重なり合って送られているかを精度よく判別することができ、したがって、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cおよび第四の紙幣収納ボックス30dから、出金のために繰り出された紙幣の金種別枚数を精度よく把握して、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cおよび第四の紙幣収納ボックス30dに収納されている紙幣の金種別枚数を正確に管理することができ、紙幣処理機の紙幣管理機能を大幅に向上させることが可能になる。
こうして、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cおよび第四の紙幣収納ボックス30dから、選択的に、紙幣が繰り出され、紙幣が出金されるたびに、CPU50は、対応する金種の紙幣の枚数を管理するためのデータを格納するRAM52のメモリ領域に書き込まれた紙幣の計数データを書き換えるとともに、その紙幣が、現に流通している真正な紙幣で、1枚ずつ、その短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られていると判別したときは、その金種の紙幣が、1枚出金された旨をRAM52に書き込み、一方、紙幣を紙幣回収ボックス43内に回収すべきと判別したときは、RAM52の紙幣回収ボックス43内に回収された紙幣の枚数を管理するデータを格納するメモリ領域に書き込まれた紙幣の計数データを書き換える。
こうして、RAM52に書き込まれた出金された紙幣の金種別の枚数データが、RAM52に書き込まれた出金データ中の各金種の紙幣の出金すべき枚数に等しくなると、紙幣の出金処理が完了する。
紙幣の出金処理が完了した後、紙幣出金口12に設けられた光学センサ12bから、紙幣検出信号が入力されているときは、紙幣出金口12に出金した紙幣をオペレータが取り忘れていると認められるから、CPU50は、ディスプレイ77に、紙幣出金口12に紙幣が残留している旨を表示する。
これに対して、第一の紙幣繰り出し部33a、第二の紙幣繰り出し部33b、第三の紙幣繰り出し部33cおよび第四の紙幣繰り出し部33dを選択的に駆動してから、第四の所定時間が経過しても、第三の紙幣センサ49cから紙幣検出信号が入力されないときは、CPU50は、第三の紙幣センサ49cよりも上流側の出金紙幣搬送路35内で、紙幣のジャミングが発生したと判定し、ローラ駆動手段55に駆動停止信号を出力するとともに、ディスプレイ77に、紙幣処理機に故障が発生した旨を表示し、アラーム発生器78にアラームを発せさせる。
また、第三の紙幣センサ49cから紙幣検出信号が入力されてから、第五の所定時間が経過しても、出金紙幣判別部40から、紙幣の光学データ、磁気データおよびRFIDデータが入力されないときは、CPU50は、第三の紙幣センサ49cの近傍の出金紙幣搬送路35と出金紙幣判別部40との間の出金紙幣搬送路35内で、紙幣のジャミングが発生したと判定し、ローラ駆動手段55に駆動停止信号を出力するとともに、ディスプレイ77に、紙幣処理機に故障が発生した旨を表示し、アラーム発生器78にアラームを発せさせる。
一方、出金紙幣判別部40から、紙幣の光学データ、磁気データおよびRFIDデータが入力されてから、第六の所定時間が経過しても、第四の紙幣センサ49dから紙幣検出信号が入力されないときは、CPU50は、出金紙幣判別部40と第四の紙幣センサ49dの近傍の出金紙幣搬送路35との間の出金紙幣搬送路35内で、紙幣のジャミングが発生したと判定し、ローラ駆動手段55に駆動停止信号を出力するとともに、ディスプレイ77に、紙幣処理機に故障が発生した旨を表示し、アラーム発生器78にアラームを発せさせる。
これに対して、第四の紙幣センサ49dから紙幣検出信号が入力されてから、第七の所定時間が経過しても、紙幣出金口12内に設けられたRFIDリーダー12bから、紙幣のRFIDデータが入力されないときは、CPU50は、第四の紙幣センサ49dの近傍の出金紙幣搬送路35と紙幣出金口12との間の出金紙幣搬送路35内で、紙幣のジャミングが発生したと判定し、ローラ駆動手段55に駆動停止信号を出力するとともに、ディスプレイ77に、紙幣処理機に故障が発生した旨を表示し、アラーム発生器78にアラームを発せさせる。
紙幣処理機に故障が発生した旨が、ディスプレイ77に表示され、アラーム発生器78からアラームを発せられると、オペレータによって、紙幣処理機が開かれて、ジャミングを起こした紙幣が取り除かれるとともに、紙幣処理機内に残留しているすべての紙幣が取り除かれる。
ここに、本実施態様においては、紙幣処理機内の搬送路に残留しているすべての紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータが、RFIDリーダー29によって読み取られ、RAM52の所定のメモリ領域に格納されているから、オペレータは、キーボード75に指示信号を入力して、RFIDリーダー29によって読み取られ、RAM52の所定のメモリ領域に格納されている紙幣のRFIDデータをディスプレイ77に表示させることができ、したがって、確実にかつ速やかに、紙幣処理機内の搬送路に残留しているすべての紙幣を取り除き、紙幣処理機を再稼動させることが可能になるから、紙幣処理機の処理効率を大幅に向上させることができる。
紙幣処理機内の搬送路に残留している紙幣を取り除き、紙幣処理機を再稼動させる場合には、オペレータによって、キーボード75にリスタート信号が入力される。
リスタート信号はCPU50に出力され、リスタート信号を受けると、CPU50は、RFIDリーダー29から出力された紙幣のRFIDデータを、RAM52の所定のメモリ領域に格納するとともに、RFIDリーダー29から入力されたRFIDデータに基づいて、搬送路内に、紙幣が残存しているか否かを判定する。
その結果、搬送路内に、紙幣が残存していると判定したときは、オペレータが取り除き忘れた紙幣が搬送路内に残存していると認められるから、CPU50は、RAM52の所定のメモリ領域に格納されている紙幣のRFIDデータと、搬送路内に、紙幣が残存している旨をディスプレイ77に表示するとともに、アラーム発生器78にアラームを発せさせる。
したがって、搬送路内の紙幣を取り除き忘れた場合にも、オペレータは容易に、その事実を知り、搬送路内の紙幣を完全に取り除いた上で、紙幣処理機を再稼動させることが可能になる。
搬送路内の紙幣が取り除かれると、オペレータによって、再び、キーボード75にリスタート信号が入力され、紙幣処理機が再稼動される。
これに対して、搬送路内に、紙幣が残存していないと判定したときは、CPU50は、ローラ駆動手段55に駆動信号を出力して、搬送路14、搬送路16、分岐搬送路17、分岐搬送路19、分岐搬送路20、分岐搬送路21、分岐搬送路22、出金紙幣搬送路35、分岐搬送路41ならびに分岐搬送路45に設けられた搬送ローラ(図示せず)を駆動させ、紙幣の処理が再開される。
本実施態様にかかる紙幣処理機は、さらに、随時、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cおよび第四の紙幣収納ボックス30dならびに紙幣回収ボックス43内に収納されている紙幣の金種別の枚数を確認する収納紙幣確認処理を実行可能に構成されている。
すなわち、第一の紙幣収納ボックス30aに収納されている紙幣の枚数を確認する収納紙幣確認処理を実行するときは、まず、CPU50から、モータ70aに第一の駆動信号が出力されて、第一の紙幣収納ボックス30aに設けられた一対の係止爪32a、32aが第一の紙幣収納ボックス30aの上部の第一の位置に移動される。ここに、第一の位置は、第一の紙幣一時貯留ボックス27a内に一時的に貯留可能な最大枚数の第一の金種の紙幣が、一対の係止爪32a、32a上に保持されたときに、最上の紙幣と第一の紙幣収納ボックス30aの頂部との間にスペースが確保されるように、設定される。
次いで、CPU50から、ソレノイド手段64aに駆動信号が出力されて、第一の紙幣収納ボックス30aに設けられた一対の係止爪32a、32aが、支点まわりに、突出位置に揺動される。
その後、CPU50から、ゲート部材46を駆動するソレノイド62に駆動信号が出力され、ゲート部材46が、出金紙幣搬送路35と分岐搬送路45とを連通する位置に位置決めされ、第一の紙幣収納ボックス30aから、紙幣が繰り出され、出金紙幣判別部40を通過することによって、CPU50により、紙幣の金種が判別されるとともに、金種ごとの枚数が計数されて、判別結果および計数結果がRAM52に書き込まれ、出金紙幣搬送路35、ゲート部材46、分岐搬送路45、搬送路16、ゲート部材24および分岐搬送路20を介して、第一の紙幣一時貯留ボックス27a内に一時的に貯留される。この際、第二の紙幣センサ49bによって、紙幣が検出され、紙幣検出信号が、CPU50に出力される。
こうして、第一の紙幣収納ボックス30aから、次々に、第一の金種の紙幣が繰り出されて、第一の紙幣一時貯留ボックス27a内に送られて、一時的に貯留され、第一の紙幣一時貯留ボックス27a内に一時的に貯留された第一の金種の紙幣の枚数が所定枚数に達すると、CPU50は、ソレノイド66に駆動信号を出力して、第一の紙幣一時貯留ボックス27aの底部を構成するシャッタを開き、第一の紙幣一時貯留ボックス27a内に一時的に貯留された第一の金種の紙幣を、第一の紙幣収納ボックス30a内に落下させて、送り出す。
第一の紙幣収納ボックス30a内に送り出された第一の金種の紙幣は、一対の係止爪32a、32a上に保持される。
こうして、所定枚数の第一の金種の紙幣が、第一の紙幣収納ボックス30a内に設けられた一対の係止爪32a、32a上に保持されると、CPU50は、モータ70aに第二の駆動信号を出力して、所定枚数の第一の金種の紙幣の厚さに等しい距離だけ、一対の係止爪32a、32aを下降させる。
同様にして、第一の紙幣収納ボックス30aから、次々に、第一の金種の紙幣が繰り出して、出金紙幣搬送路35、出金紙幣判別部40、出金紙幣搬送路35、ゲート部材46、分岐搬送路45、搬送路16、ゲート部材24および分岐搬送路20を介して、第一の紙幣一時貯留ボックス27a内に送って、一時的に貯留し、第一の紙幣一時貯留ボックス27a内に一時的に貯留された第一の金種の紙幣の枚数が所定枚数に達すると、第一の紙幣一時貯留ボックス27a内に一時的に貯留された第一の金種の紙幣を、第一の紙幣収納ボックス30a内に送り出して、一対の係止爪32a、32a上に保持させ、一対の係止爪32a、32a下降させる動作を繰り返し、第一の紙幣収納ボックス30a内に収納されていた第一の金種の紙幣がすべて、第一の紙幣収納ボックス30aから繰り出され、出金紙幣搬送路35、出金紙幣判別部40、出金紙幣搬送路35、ゲート部材46、分岐搬送路45、搬送路16、ゲート部材24、分岐搬送路20および第一の紙幣一時貯留ボックス27aを介して、第一の紙幣収納ボックス30a内に送り返されると、第一の紙幣収納ボックス30aに収納されている紙幣の枚数を確認する収納紙幣確認処理が終了する。
第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cおよび第四の紙幣収納ボックス30dのそれぞれに収納されている紙幣の枚数を確認する収納紙幣確認処理も、同様にして、実行することができる。
収納紙幣確認処理の実行中に、第一の紙幣繰り出し部33a、第二の紙幣繰り出し部33b、第三の紙幣繰り出し部33cおよび第四の紙幣繰り出し部33dを選択的に駆動してから、第四の所定時間が経過しても、第三の紙幣センサ49cから紙幣検出信号が入力されないときは、CPU50は、第三の紙幣センサ49cよりも上流側の出金紙幣搬送路35内で、紙幣のジャミングが発生したと判定し、ローラ駆動手段55に駆動停止信号を出力するとともに、ディスプレイ77に、紙幣処理機に故障が発生した旨を表示し、アラーム発生器78にアラームを発せさせる。
また、第三の紙幣センサ49cから紙幣検出信号が入力されてから、第五の所定時間が経過しても、出金紙幣判別部40から、紙幣の光学データ、磁気データおよびRFIDデータが入力されないときは、CPU50は、第三の紙幣センサ49cの近傍の出金紙幣搬送路35と出金紙幣判別部40との間の出金紙幣搬送路35内で、紙幣のジャミングが発生したと判定し、ローラ駆動手段55に駆動停止信号を出力するとともに、ディスプレイ77に、紙幣処理機に故障が発生した旨を表示し、アラーム発生器78にアラームを発せさせる。
一方、出金紙幣判別部40から、紙幣の光学データ、磁気データおよびRFIDデータが入力されてから、第六の所定時間が経過しても、第四の紙幣センサ49dから紙幣検出信号が入力されないときは、CPU50は、出金紙幣判別部40と第四の紙幣センサ49dの近傍の出金紙幣搬送路35との間の出金紙幣搬送路35内で、紙幣のジャミングが発生したと判定し、ローラ駆動手段55に駆動停止信号を出力するとともに、ディスプレイ77に、紙幣処理機に故障が発生した旨を表示し、アラーム発生器78にアラームを発せさせる。
これに対して、第四の紙幣センサ49dから紙幣検出信号が入力されてから、第八の所定時間が経過しても、第二の紙幣センサ49bから紙幣検出信号が入力されないときは、CPU50は、第四の紙幣センサ49dの近傍の出金紙幣搬送路35と第二の紙幣センサ49bの近傍の分岐搬送路45内で、紙幣のジャミングが発生したと判定し、ローラ駆動手段55に駆動停止信号を出力するとともに、ディスプレイ77に、紙幣処理機に故障が発生した旨を表示し、アラーム発生器78にアラームを発せさせる。
紙幣処理機に故障が発生した旨が、ディスプレイ77に表示され、アラーム発生器78からアラームを発せられると、オペレータによって、紙幣処理機が開かれて、ジャミングを起こした紙幣が取り除かれるとともに、紙幣処理機内に残留しているすべての紙幣が取り除かれる。
ここに、本実施態様においては、紙幣処理機内の搬送路に残留しているすべての紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータが、RFIDリーダー29によって読み取られ、RAM52の所定のメモリ領域に格納されているから、オペレータは、キーボード75に指示信号を入力して、RFIDリーダー29によって読み取られ、RAM52の所定のメモリ領域に格納されている紙幣のRFIDデータをディスプレイ77に表示させることができ、したがって、確実にかつ速やかに、紙幣処理機内の搬送路に残留しているすべての紙幣を取り除き、紙幣処理機を再稼動させることが可能になるから、紙幣処理機の処理効率を大幅に向上させることができる。
紙幣処理機内の搬送路に残留している紙幣を取り除き、紙幣処理機を再稼動させる場合には、オペレータによって、キーボード75にリスタート信号が入力される。
リスタート信号はCPU50に出力され、リスタート信号を受けると、CPU50は、RFIDリーダー29から出力された紙幣のRFIDデータを、RAM52の所定のメモリ領域に格納するとともに、RFIDリーダー29から入力されたRFIDデータに基づいて、搬送路内に、紙幣が残存しているか否かを判定する。
その結果、搬送路内に、紙幣が残存していると判定したときは、オペレータが取り除き忘れた紙幣が搬送路内に残存していると認められるから、CPU50は、RAM52の所定のメモリ領域に格納されている紙幣のRFIDデータと、搬送路内に、紙幣が残存している旨をディスプレイ77に表示するとともに、アラーム発生器78にアラームを発せさせる。
したがって、搬送路内の紙幣を取り除き忘れた場合にも、オペレータは容易に、その事実を知り、搬送路内の紙幣を完全に取り除いた上で、紙幣処理機を再稼動させることが可能になる。
搬送路内の紙幣が取り除かれると、オペレータによって、再び、キーボード75にリスタート信号が入力され、紙幣処理機が再稼動される。
これに対して、搬送路内に、紙幣が残存していないと判定したときは、CPU50は、ローラ駆動手段55に駆動信号を出力して、搬送路14、搬送路16、分岐搬送路17、分岐搬送路19、分岐搬送路20、分岐搬送路21、分岐搬送路22、出金紙幣搬送路35、分岐搬送路41ならびに分岐搬送路45に設けられた搬送ローラ(図示せず)を駆動させ、紙幣の処理が再開される。
さらに、CPU50は、RAM52に書き込まれている紙幣回収ボックス43に送り込まれた紙幣のデータを読み出して、紙幣回収ボックス43内に回収されている紙幣の金種別の枚数ならびに偽造紙幣、外国紙幣などの流通していない紙幣の枚数を確認する。
こうして、収納紙幣確認処理が完了する。
本実施態様によれば、紙幣判別部15は、紙幣に向けて、光を発する光源と、光源から発せられ、紙幣によって反射された光を検出する反射光センサと、光源から発せられ、紙幣を透過した光を検出する透過光センサとを含む光学センサ手段と、紙幣の磁気的性質を検出する磁気センサを備え、周知の方法によって、紙幣が、真正でかつ現に流通している紙幣か否か、真正でかつ現に流通している紙幣である場合は、その金種および汚損のレベル、紙幣が1枚ずつ送られているか否かならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別するための光学データおよび磁気データを生成するセンサユニット15aに加えて、紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータを読み取るRFIDリーダー15bを備え、RFIDリーダー15bによって読み取られたRFIDデータに基づいて、紙幣の金種を暫定的に決定し、暫定的に決定した紙幣の金種に対応する金種の紙幣の基準光学データおよび基準磁気データをROM51から読み出し、紙幣判別部15のセンサユニット15aから入力された紙幣の光学データおよび磁気データを、ROM51から読み出した紙幣の基準光学データおよび基準磁気データと比較し、紙幣が、真正でかつ現に流通している紙幣か否か、真正でかつ現に流通している紙幣である場合は、その金種および汚損のレベル、紙幣が1枚ずつ送られているか否かならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別するように構成されているから、紙幣処理機に投入された紙幣の判別に要する時間を大幅に短縮することが可能になるとともに、紙幣処理機に投入された紙幣の判別精度を大幅に向上させることが可能になる。
また、本実施態様によれば、出金紙幣判別部40は、紙幣に向けて、光を発する光源と、光源から発せられ、紙幣によって反射された光を検出する反射光センサと、光源から発せられ、紙幣を透過した光を検出する透過光センサとを含む光学センサ手段と、紙幣の磁気的性質を検出する磁気センサを備え、周知の方法によって、出金すべき紙幣が、真正でかつ現に流通している紙幣か否か、真正でかつ現に流通している紙幣である場合は、その金種および汚損のレベル、紙幣が1枚ずつ送られているか否かならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別するための光学データおよび磁気データを生成するセンサユニット40aに加えて、出金すべき紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータを読み取るRFIDリーダー40bを備え、RFIDリーダー40bによって読み取られたRFIDデータに基づいて、紙幣の金種を暫定的に決定し、暫定的に決定した紙幣の金種に対応する金種の紙幣の基準光学データおよび基準磁気データをROM51から読み出し、出金紙幣判別部40のセンサユニット40aから入力された紙幣の光学データおよび磁気データを、ROM51から読み出した紙幣の基準光学データおよび基準磁気データと比較し、紙幣が、真正でかつ現に流通している紙幣か否か、真正でかつ現に流通している紙幣である場合は、その金種および汚損のレベル、紙幣が1枚ずつ送られているか否かならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別するように構成されているから、出金すべき紙幣の判別に要する時間を大幅に短縮することが可能になるとともに、出金すべき紙幣の判別精度を大幅に向上させることが可能になる。
さらに、従来の紙幣処理機においては、出金紙幣判別部40は、紙幣に向けて、光を発する光源と、光源から発せられ、紙幣によって反射された光を検出する反射光センサと、光源から発せられ、紙幣を透過した光を検出する透過光センサとを含む光学センサ手段と、紙幣の磁気的性質を検出する磁気センサを有するセンサユニット40aのみを備えているにすぎず、したがって、2枚以上の紙幣の全部あるいは一部が重なり合って、搬送されているということは判別できても、それらの紙幣の金種および何枚の紙幣が重なり合って送られているかを判別することはできず、また、紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と角度をなして搬送されているということは判別できても、その紙幣の金種を判別することはできないため、紙幣回収ボックス43内に回収された紙幣の金種および金種別の枚数を正確に把握することは不可能で、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cおよび第四の紙幣収納ボックス30dに収納されている紙幣の金種別枚数を正確に把握することは不可能であったが、本実施態様によれば、出金紙幣判別部40は、紙幣に向けて、光を発する光源と、光源から発せられ、紙幣によって反射された光を検出する反射光センサと、光源から発せられ、紙幣を透過した光を検出する透過光センサとを含む光学センサ手段と、紙幣の磁気的性質を検出する磁気センサを備え、周知の方法によって、出金すべき紙幣が、真正でかつ現に流通している紙幣か否か、真正でかつ現に流通している紙幣である場合は、その金種および汚損のレベル、紙幣が1枚ずつ送られているか否かならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別するための光学データおよび磁気データを生成するセンサユニット40aに加えて、出金すべき紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータを読み取るRFIDリーダー40bを備えているから、2枚以上の紙幣の全部あるいは一部が重なり合って、送られている場合においても、CPU50は、RFIDリーダー40bによって読み取られた紙幣のRFIDデータに基づいて、それらの紙幣の金種および何枚の紙幣が重なり合って送られているかを精度よく判別することができ、また、紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と角度をなして送られている場合においても、CPU50は、RFIDリーダー40bによって読み取られた紙幣のRFIDデータに基づいて、それらの紙幣の金種を精度よく判別することが可能になり、したがって、紙幣回収ボックス43内に回収されるべき紙幣の金種および枚数を精度よく判別することができるから、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cおよび第四の紙幣収納ボックス30dに収納されている紙幣の金種別枚数を正確に把握することができ、紙幣処理機の紙幣管理機能を大幅に向上させることが可能になる。
また、本実施態様によれば、ゲート部材25と紙幣判別部15の間に、紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータを読み取るRFIDリーダー29が設けられ、所定の周波数、たとえば、マイクロ波帯の電波を発信し、紙幣に形成されたインレットのアンテナに受信させて、インレット中のICチップに書き込まれたRFIDデータを読み取るように構成されているから、RFIDリーダー29から発信される周波数の電波を遮蔽する性質を有する材料によって形成されている紙幣検出部15および出金紙幣判別部40内に位置している紙幣と、RFIDリーダー29から発信される周波数の電波を遮蔽する性質を有する材料によって形成されている紙幣一時貯留ユニット27の汚損紙幣一時貯留ボックス28、第一の紙幣一時貯留ボックス27a、第二の紙幣一時貯留ボックス27b、および第三の紙幣一時貯留ボックス27cおよび第四の紙幣一時貯留ボックス27d、紙幣収納ユニット30の汚損紙幣収納ボックス31、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cおよび第四の紙幣収納ボックス30dならびに紙幣回収ボックス43内に収容されている紙幣と、RFIDリーダー29から発信される周波数の電波を遮蔽する性質を有する金属製のシャッタ11b、シャッタ12bおよびシャッタ13bによって、紙幣処理機の内部と遮断されている紙幣入金口11、紙幣出金口12および紙幣返却口13内に存在している紙幣以外の紙幣、すなわち、紙幣処理機内の搬送路に存在しているすべての紙幣のRFIDデータが、RFIDリーダー29によって読み取られ、RAM52の所定のメモリ領域に格納される。したがって、紙幣のジャミングが発生し、紙幣処理機を作動を停止させて、ジャミングを起こした紙幣が取り除くとともに、紙幣処理機内に残留しているすべての紙幣を取り除いて、紙幣処理機を再稼動させるときに、オペレータは、キーボード75に指示信号を入力して、RFIDリーダー29によって読み取られ、RAM52の所定のメモリ領域に格納されている紙幣のRFIDデータをディスプレイ77に表示させることができるから、確実にかつ速やかに、紙幣処理機内の搬送路に残留しているすべての紙幣を取り除き、紙幣処理機を再稼動させることができ、紙幣処理機の処理効率を大幅に向上させることが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、紙幣処理機を再稼動させるにあたり、オペレータによって、キーボード75にリスタート信号が入力され、リスタート信号がCPU50に出力されたときに、CPU50が、RFIDリーダー29から入力されたRFIDデータに基づいて、搬送路内に、紙幣が残存しているか否かを判定し、搬送路内に、紙幣が残存していると判定したときは、搬送路内に、紙幣が残存している旨をディスプレイ77に表示するとともに、アラーム発生器78にアラームを発せさせるように構成されているから、搬送路内の紙幣を取り除き忘れた場合にも、オペレータは容易に、その事実を知って、搬送路内の紙幣を完全に取り除いた上で、紙幣処理機を再稼動させることが可能になり、したがって、紙幣処理機の処理効率をより一層向上させることが可能になる。
図4は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる紙幣処理機の略縦断面図である。
本実施態様にかかる紙幣処理機は、図1および図2に示された紙幣処理機と同様に、紙幣の発行権限を有する機関によって、インレット中の読み取り専用のICチップに、紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータが、特定のフォーマットで、記録された紙幣を処理するように構成され、オペレータによって指定された金種の紙幣を重ね合わせて、所定枚数の紙幣を含む紙幣束を生成し、生成された紙幣束に、結束テープを巻回して、帯封処理が施された紙幣束を生成するように構成されている。
図4に示されるように、本実施態様にかかる紙幣処理機は、金属によって形成されたハウジング100を備え、ハウジング100の上部には、紙幣束を生成すべき紙幣がセットされる紙幣入金口102と、紙幣束を出金する紙幣束出金口103と、紙幣入金口102にセットされた紙幣のうち、受け入れ不能と判別された紙幣を返却する第一の紙幣返却口104と、紙幣入金口102にセットされた紙幣のうち、受け入れ可能ではあるが、その金種が、オペレータが指定した金種とは異なると判別された真正な紙幣および汚損レベルが所定レベルを超えた汚損紙幣を返却する第二の紙幣返却口105が設けられている。
図4に示されるように、紙幣入金口102と紙幣処理機の内部機構との間には、開閉可能な金属製のシャッタ102aが設けられ、紙幣入金口102内には、紙幣の有無を検出する光学センサ102bが設けられている。また、紙幣束出金口103と紙幣処理機の内部機構との間には、開閉可能な金属製のシャッタ103aが設けられ、紙幣出金口103内には、紙幣の有無を検出する光学センサ103bが設けられている。さらに、第一の紙幣返却口104と紙幣処理機の内部機構との間には、開閉可能な金属製のシャッタ104aが設けられ、紙幣返却口104内には、紙幣の有無を検出する光学センサ104bが設けられている。同様に、第二の紙幣返却口105と紙幣処理機の内部機構との間には、開閉可能な金属製のシャッタ105aが設けられ、紙幣返却口105内には、紙幣の有無を検出する光学センサ105bが設けられている。
紙幣入金口102は、重ね合わされた複数枚の紙幣を投入可能に構成されており、図4に示されるように、紙幣入金口102にセットされた紙幣は、繰り出しローラ(図示せず)によって、1枚ずつ、紙幣入金口102から、搬送路109内に繰り出されるように構成されている。
図4に示されるように、搬送路109は、紙幣を判別するためのデータを生成する紙幣判別部110に接続されている。
紙幣判別部110は、紙幣に向けて、光を発する光源と、光源から発せられ、紙幣によって反射された光を検出する反射光センサと、光源から発せられ、紙幣を透過した光を検出する透過光センサとを含む光学センサ手段と、紙幣の磁気的性質を検出する磁気センサを備え、周知の方法によって、紙幣が、現に流通している真正な紙幣か否か、現に流通している真正な紙幣である場合は、紙幣の金種、汚損のレベルおよび紙幣の表裏、紙幣が1枚ずつ送られているか否かならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別するための光学データおよび磁気データを生成するセンサユニット(図示せず)と、紙幣に一体的に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータを読み取るRFIDリーダー(図示せず)とを備えており、紙幣判別部110のセンサユニットによって生成された紙幣の光学データおよび磁気データならびにRFIDリーダーによって読み取られたRFIDデータは、CPU(図示せず)に出力され、CPUによって、紙幣が、現に流通している真正な紙幣か否か、現に流通している真正な紙幣である場合は、紙幣の金種、汚損のレベルおよび紙幣の表裏、紙幣が1枚ずつ送られているか否かならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かが判別され、1枚ずつ、その短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られている現に流通している真正な紙幣が金種別に計数されるように構成されている。
このように、紙幣判別部110は、RFIDリーダーを備えているため、RFIDリーダーが紙幣判別部110外に存在する紙幣のRFIDデータを読み取ることがないように、RFIDリーダーから発信される周波数の電波を遮蔽する性質を有する材料によって形成されたケーシング110cによって覆われている。
図4に示されるように、紙幣判別部110の下流側には、搬送路111が接続されており、搬送路111から、第一の紙幣返却口104に接続された分岐搬送路112が分岐し、分岐搬送路112の分岐部には、紙幣を、搬送路111および分岐搬送路112のいずれかに選択的に導くゲート部材113が設けられている。
紙幣判別部110のセンサユニットによって生成された紙幣の光学データおよび磁気データならびにRFIDリーダーによって読み取られたRFIDデータに基づき、偽造紙幣あるいは外国紙幣と判別された紙幣、2枚以上の紙幣の全部あるいは一部が重なり合って、送られていると判別された紙幣ならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と角度をなして送られていると判別された紙幣は、搬送路111、ゲート部材113および分岐搬送路112を介して、第一の紙幣返却口104に送られて、オペレータに返却される。
さらに、分岐搬送路112の分岐部の下流側の搬送路111から、第二の紙幣返却口105に接続された分岐搬送路114が分岐し、分岐搬送路114の分岐部には、紙幣を、搬送路111および分岐搬送路114のいずれかに選択的に導くゲート部材115が設けられている。
紙幣判別部110のセンサユニットによって生成された紙幣の光学データおよび磁気データならびにRFIDリーダーによって読み取られたRFIDデータに基づき、1枚ずつ、その短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られている真正でかつ現に流通している紙幣であるが、その金種が、オペレータが指定した金種とは異なると判別された紙幣は、搬送路111、ゲート部材115および分岐搬送路114を介して、第二の紙幣返却口105に送られて、オペレータに返却される。
図4に示されるように、分岐搬送路114の分岐部の下流側の搬送路111には、紙幣の表裏を反転させる表裏反転搬送路116が接続されて、接続部には、紙幣を、搬送路111および表裏反転搬送路116のいずれかに選択的に導くゲート部材117が設けられている。
表裏反転搬送路116は、紙幣判別部110が検出した紙幣のデータに基づいて、紙幣が裏面を上にして搬送されていると判別されたときに、紙幣が表面を上にして搬送されるように、紙幣の表裏を反転させる機能を有し、正逆回転可能な複数のローラ対118を備えている。
表裏を反転させるべき紙幣は、複数のローラ対118によって、搬送路111から表裏反転搬送路116内に受け入れられた後、複数のローラ対118が逆転され、搬送路111に戻されることによって、その表裏が反転される。
図4に示されるように、搬送路111は、さらに、下流側に延び、向きを変えて、紙幣集積部120に接続されている。
図4に示されるように、異なる向きに延びる搬送路111の間には、紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータを読み取るRFIDリーダー125が設けられており、紙幣集積部120は、RFIDリーダー125から発信される周波数の電波を遮蔽する性質を有する材料によって、覆われている。また、紙幣判別部110のケーシング110cは、紙幣判別部110に設けられたRFIDリーダーから発信される周波数の電波を遮蔽するとともに、RFIDリーダー125から発信される周波数の電波を遮蔽する性質を有する材料によって形成されている。
紙幣集積部120に送られた紙幣は、紙幣集積部120に設けられた紙幣集積機構(図示せず)によって、紙幣集積部120内で集積され、所定枚数の紙幣、たとえば、100枚の紙幣を含む集積紙幣が生成される。
図4に示されるように、紙幣集積部120には、紙幣帯封機構130が接続されており、 紙幣帯封機構130は、紙幣集積部120に隣接した位置に、一対の挟持部材131a、131bを有する帯封処理部131を備え、紙幣集積部120によって生成された集積紙幣は、紙幣集積部120に設けられた集積紙幣送出し手段(図示せず)によって、帯封処理部131に送り出され、帯封処理部131の一対の挟持部材131a、131bによって、挟持される。
図4に示されるように、紙幣帯封機構130は、さらに、ICチップとアンテナを含むインレット(図示せず)が、所定の間隔で、一体的に形成された結束テープTを、帯封処理部131に供給する結束テープ供給部材132を備えている。
結束テープ供給部材132によって、帯封処理部131に供給された結束テープTは、帯封処理部131のテープ巻き付け手段(図示せず)により、一対の挟持部材131a、131bによって挟持された集積紙幣の略中央部に巻き付けられ、カッタ(図示せず)によって切断され、さらに、接着手段(図示せず)によって、集積紙幣の略中央部に巻き付けられて、切断された結束テープTの両端部が接着され、略中央部に、帯封がされた所定枚数の紙幣、たとえば、100枚の紙幣を含む紙幣束が生成される。
図4に示されるように、紙幣帯封機構130は、さらに、結束テープ供給部材132の近傍に、結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップに、生成されるべき紙幣束に含まれる紙幣のIDデータ、金種データなどの紙幣束を構成する紙幣に関するRFIDデータならびに帯封処理を施した紙幣の枚数、帯封処理を施した日時、帯封処理を施した金融機関名、帯封処理の実行者などの帯封処理に関するRFIDデータを書き込むRFIDライター135を備えている。
インレットを結束テープTに一体的に形成する方法としては、結束テープT用の紙を抄く際に、結束テープT用の紙にインレットを埋め込む方法、結束テープTにインレットを印刷する方法などが挙げられるが、とくに限定されるものではない。
図4に示されるように、紙幣帯封機構130の帯封処理部131、RFIDライター135およびRFIDライター135の近傍の結束テープTの搬送路は、RFIDリーダー125から発信される周波数の電波およびRFIDライター135によって、結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップにRFIDデータを書き込む際に、RFIDライター135から発信される周波数の電波を遮蔽する材料によって形成されたケーシング136によって覆われている。
図4に示されるように、紙幣帯封機構130には、帯封処理部131によって生成された紙幣束を、紙幣束出金口103に導く紙幣束搬送路140が接続されており、帯封処理部131の下部には、帯封処理部131によって生成された紙幣束を、紙幣束搬送路140に繰り出す紙幣束繰り出し部138が設けられている。
図4に示されるように、ゲート部材117の直上流側の搬送路111の近傍には、紙幣を検出する第一の紙幣センサ145aが設けられ、ゲート部材117と紙幣集積部120の間の搬送路111には、紙幣を検出する第二の紙幣センサ145bが設けられている。
図5は、図4に示された紙幣処理機の制御系、検出系駆動系、入力系、表示系および駆動系を示すブロックダイアグラムであり、図6は、図4に示された紙幣処理機の駆動系の詳細を示すブロックダイアグラムである。
図5に示されるように、本実施態様にかかる紙幣処理機の制御系は、紙幣処理機の動作を制御するCPU150と、紙幣処理機の制御プログラムなどが格納されたROM151と、各種データを記憶するRAM152と、時計153を備えている。
図5に示されるように、紙幣処理機のCPU150は、紙幣束に帯封処理を施す権限を有する金融機関によって、共同管理されている中央管理サーバ155に接続されている。
図5に示されるように、本実施態様にかかる紙幣処理機の検出系は、紙幣判別部110を備えている。紙幣判別部110は、紙幣に向けて、光を発する光源と、光源から発せられ、紙幣によって反射された光を検出する反射光センサと、光源から発せられ、紙幣を透過した光を検出する透過光センサとを含む光学センサ手段と、紙幣の磁気的性質を検出する磁気センサを備え、周知の方法によって、紙幣が、真正でかつ現に流通している紙幣か否か、真正でかつ現に流通している紙幣である場合は、その金種、汚損のレベルおよび紙幣の表裏、紙幣が1枚ずつ送られているか否かならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別するための光学データおよび磁気データを生成するセンサユニット110aと、紙幣に一体的に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータを読み取るRFIDリーダー110bとを備えている。
図5に示されるように、本実施態様にかかる紙幣処理機の検出系は、さらに、紙幣入金口102内に設けられた光学センサ102bと、紙幣束出金口103内に設けられた光学センサ103bと、第一の紙幣返却口104内に設けられた光学センサ104bと、第二の紙幣返却口105内に設けられた光学センサ105bと、異なる向きに延びる搬送路111の間に設けられたRFIDリーダー125と、第一の紙幣センサ145aと、第二の紙幣センサ145bを備えている。
図5に示されるように、本実施態様にかかる紙幣処理機の入力系は、オペレータによって操作され、種々の指示信号が入力されるキーボード180を備えており、紙幣処理機の表示系は、紙幣の計数結果などを表示するディスプレイ185およびアラームを発するアラーム発生器188を備えている。
図6に示されるように、本実施態様にかかる紙幣処理機の駆動系158は、繰り出しローラ(図示せず)を駆動する繰り出しローラ駆動手段160と、搬送路109、搬送路111、分岐搬送路112および分岐搬送路114内に設けられた搬送ローラ(図示せず)を駆動する搬送ローラ駆動手段161と、表裏反転搬送路116に設けられた複数のローラ対118を駆動するローラ対駆動手段162と、ゲート部材113を駆動するソレノイド163と、ゲート部材115を駆動するソレノイド164と、ゲート部材117を駆動するソレノイド165と、紙幣集積部120の紙幣集積機構166と、紙幣集積部120の集積紙幣送出し手段167と、紙幣帯封機構130の帯封処理部131の一対の挟持部材131a、131bを相対的に移動させるモータ168と、結束テープ供給部材132を駆動するモータ169と、紙幣帯封機構130のカッタ(図示せず)を駆動するソレノイド170と、紙幣帯封機構130の接着手段(図示せず)を駆動するソレノイド171と、帯封処理部131のテープ巻き付け手段(図示せず)を駆動するモータ172と、紙幣帯封機構130のRFIDライター135を駆動するRFIDライター駆動手段173と、紙幣束繰り出し部138を駆動するモータ174と、紙幣束搬送路140内に設けられた搬送ローラ(図示せず)を駆動する搬送ローラ駆動手段175と、紙幣入金口102に設けられたシャッタ102aを駆動するソレノイド176と、紙幣束出金口103に設けられたシャッタ103aを駆動するソレノイド177と、第一の紙幣返却口104に設けられたシャッタ104aを駆動するソレノイド178と、第二の紙幣返却口105に設けられたシャッタ105aを駆動するソレノイド179とを備えている。
以上のように構成された本実施態様にかかる紙幣処理機は、以下のようにして、紙幣入金口102に投入された紙幣のうち、オペレータによって指定された金種の紙幣を選別して、所定枚数だけ、たとえば、100枚だけ、集積し、集積された紙幣の略中央部に、結束テープTを巻回して、集積紙幣に帯封処理を施し、所定枚数の紙幣、たとえば、100枚の紙幣を含む紙幣束を生成する。
まず、オペレータによって、紙幣が、紙幣入金口102内にセットされる。その結果、紙幣入金口102内に設けられた光学センサ102bによって、紙幣が検出され、紙幣検出信号がCPU150に出力される。
次いで、オペレータによって、紙幣束の生成を指示する紙幣束生成信号とともに、紙幣束を生成すべき紙幣の金種、紙幣束に含まれるべき紙幣の枚数および生成すべき紙幣束の数を特定する紙幣束データならびに金融機関名、支店名、紙幣処理機のIDデータならびにオペレータの名前などの帯封処理に関するデータがキーボード180に入力される。
オペレータによって入力された紙幣束生成信号は、紙幣束データおよび帯封処理に関するデータとともに、CPU150に出力され、光学センサ102bからの紙幣検出信号、オペレータによって入力された紙幣束生成信号、紙幣束データおよび帯封処理に関するデータを受けると、CPU150は、オペレータによって入力された紙幣束データおよび帯封処理に関するデータを、RAM152の生成すべき紙幣束に関するデータを格納するメモリ領域に書き込む。
次いで、CPU150は、ソレノイド176に駆動信号を出力して、紙幣入金口102に設けられたシャッタ102aを開放させるとともに、繰り出しローラ駆動手段160に駆動信号を出力する。同時に、CPU150は、搬送ローラ駆動手段161および紙幣集積部120の紙幣集積機構166に駆動信号を出力して、繰り出しローラ(図示せず)、搬送路109、搬送路111、分岐搬送路112および分岐搬送路114内に設けられた搬送ローラ(図示せず)ならびに紙幣集積部120の紙幣集積機構166を駆動する。
その結果、紙幣入金口102にセットされた紙幣は、繰り出しローラによって、1枚ずつ、搬送路109内に繰り出される。
紙幣入金口102にセットされた紙幣がすべて、搬送路109内に取り込まれると、CPU150は、ソレノイド176に駆動停止信号を出力して、紙幣入金口102のシャッタ102aを閉じる。
紙幣が、搬送路109内に繰り出されると、RFIDリーダー125によって、紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータが読み取られ、読み取られた紙幣のRFIDデータが、CPU150に出力される。CPU150は、RFIDリーダー125から、紙幣のRFIDデータを受けると、RAM152の所定のメモリ領域に格納する。
ここに、RFIDリーダー125は、所定の周波数、たとえば、マイクロ波帯の電波を発信し、紙幣に形成されたインレットのアンテナに受信させて、インレット中のICチップに書き込まれたRFIDデータを読み取るように構成されているから、RFIDリーダー125から発信される周波数の電波を遮蔽する性質を有する材料によって形成されている紙幣判別部110内に位置している紙幣と、RFIDリーダー125から発信される周波数の電波を遮蔽する性質を有する材料によって形成されている紙幣集積部120、紙幣帯封機構130のケーシング136内に収容されている紙幣と、RFIDリーダー125から発信される周波数の電波を遮蔽する性質を有する金属製のシャッタ102a、シャッタ103a、シャッタ104aおよびシャッタ105aによって、紙幣処理機の内部と遮断されている紙幣入金口102、紙幣束出金口103、第一の紙幣返却口104および第二の紙幣返却口105内に存在している紙幣以外の紙幣、すなわち、紙幣処理機内の搬送路に存在しているすべての紙幣のRFIDデータが、RFIDリーダー125によって読み取られ、RAM152の所定のメモリ領域に格納される。
搬送路109内に繰り出された紙幣は、紙幣判別部110に送られる。
紙幣判別部110においては、センサユニット110aによって、紙幣の光学データおよび磁気データが読み取られるとともに、RFIDリーダー110bによって、紙幣に一体的に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータが読み取られ、読み取られた紙幣の光学データ、磁気データおよびRFIDデータはCPU150に出力される。
CPU150は、紙幣判別部110のRFIDリーダー110bから入力されたRFIDデータを、RAM152の入金された紙幣に関するデータを格納するメモリ領域に書き込むとともに、RAM152に書き込まれたRFIDデータに基づいて、紙幣が、現に流通している真正な紙幣か否かおよび紙幣の金種を暫定的に判別する。
ここに、紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータは、紙幣の発行権限を有する機関によって、特定のフォーマットで、インレット中のICチップに記録されているから、CPU150は、紙幣判別部110のRFIDリーダー110bから入力されたRFIDデータに基づいて、紙幣が、現に流通している真正な紙幣か否かを判別し、その金種を判別することができる。
その結果、紙幣のRFIDデータに基づいて、紙幣判別部110によって検出された紙幣が、現に流通している真正な紙幣ではないと判別したときは、CPU150は、判別結果をRAM152の入金された紙幣に関するデータを格納するメモリ領域に書き込み、これに対して、紙幣のRFIDデータに基づいて、紙幣が、現に流通している真正な紙幣と判別したときは、CPU150は、紙幣のRFIDデータに基づいて、紙幣の金種を暫定的に決定し、さらに、暫定的に決定した紙幣の金種に対応する金種の紙幣の基準透過光データ、表面の基準光学データおよび基準磁気データをROM151から読み出す。
次いで、CPU150は、光学センサ手段の透過光センサが検出した紙幣の透過光データと、暫定的に決定した金種の紙幣の基準透過光データとを比較し、まず、紙幣が1枚ずつ送られているか否かを判別する。
その結果、光学センサ手段の透過光センサが検出した紙幣の透過光データと、暫定的に決定した金種の紙幣の基準透過光データとが、実質的に一致していないと判別したときは、CPU150は、2枚以上の紙幣が、全部あるいはその一部が重なり合って、送られていると判別し、判別結果をRAM152の入金された紙幣に関するデータを格納するメモリ領域に書き込む。
これに対して、光学センサ手段の透過光センサが検出した紙幣の透過光データと、暫定的に決定した金種の紙幣の基準透過光データとが、実質的に一致していると判別したときは、CPU150は、その紙幣が、1枚ずつ搬送されていると判別し、さらに、紙幣判別部110のセンサユニット110aから入力された紙幣の光学データおよび磁気データを、ROM151から読み出した紙幣の基準光学データおよび基準磁気データと比較し、紙幣の金種、汚損レベルおよび表裏ならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別する。
すなわち、光学センサ手段の反射光センサが検出した紙幣の表面パターンデータと、暫定的に決定した金種の紙幣の表面の基準表面パターンデータとを比較した結果、両者の差が第一のしきい値以下と判定したときは、CPU150は、紙幣判別部110によって検出された紙幣は、RFIDデータに基づいて暫定的に決定した金種の紙幣であると最終的に判別するとともに、紙幣が、1枚ずつ、表面を上にして、短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られていると判別し、判別結果をRAM152の入金された紙幣に関するデータを格納するメモリ領域に書き込む。
一方、光学センサ手段の反射光センサが検出した紙幣の表面パターンデータと、ROM151から読み出した暫定的に決定した紙幣の金種に対応する金種の紙幣の表面の基準光学データとの差が、第一のしきい値以上を超えているが、第一のしきい値よりも大きい第二のしきい値以下であると判定したときは、CPU150は、紙幣判別部110によって検出された紙幣は、RFIDデータに基づいて暫定的に決定した金種の紙幣で、1枚ずつ、表面を上にして、短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているが、汚損レベルが所定レベルを超えた汚損紙幣であると判別して、判別結果をRAM152の入金された紙幣に関するデータを格納するメモリ領域に書き込む。
これに対して、光学センサ手段の反射光センサが検出した紙幣の表面パターンデータと、暫定的に決定した金種の紙幣の基準表面パターンデータとを比較した結果、両者の差が第一のしきい値よりも大きい第二のしきい値を超えていると判定したときは、CPU150は、さらに、暫定的に決定した紙幣の金種に対応する金種の紙幣の裏面の基準光学データをROM151から読み出して、光学センサ手段の反射光センサが検出した紙幣の表面パターンデータと比較する。
その結果、両者の差が第三のしきい値以下と判定したときは、CPU150は、紙幣判別部110によって検出された紙幣は、RFIDデータに基づいて暫定的に決定した金種の紙幣であると最終的に判別するとともに、紙幣が、裏面を上にして、1枚ずつ、短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られていると判別し、判別結果をRAM152の入金された紙幣に関するデータを格納するメモリ領域に書き込む。
これに対して、光学センサ手段の反射光センサが検出した紙幣の表面パターンデータと、ROM151から読み出した暫定的に決定した紙幣の金種に対応する金種の紙幣の裏面の基準光学データとの差が、第三のしきい値よりも大きい第四のしきい値を超えていると判定したときは、CPU150は、その紙幣は、現に流通している真正な紙幣で、1枚ずつ、搬送されているが、紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られていないと判別し、判別結果をRAM152の入金された紙幣に関するデータを格納するメモリ領域に書き込む。
一方、光学センサ手段の反射光センサが検出した紙幣の表面パターンデータと、ROM151から読み出した暫定的に決定した紙幣の金種に対応する金種の紙幣の裏面の基準光学データとの差が、第三のしきい値以上を超えているが、第四のしきい値以下であると判定したときは、CPU150は、紙幣判別部110によって検出された紙幣は、RFIDデータに基づいて暫定的に決定した金種の紙幣で、1枚ずつ、裏面を上にして、短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているが、汚損レベルが所定レベルを超えた汚損紙幣であると判別して、判別結果をRAM152の入金された紙幣に関するデータを格納するメモリ領域に書き込む。
本実施態様においては、このように、紙幣のRFIDデータに基づき、紙幣判別部110によって検出された紙幣が、現に流通している真正な紙幣であるか否かを判別し、現に流通している真正な紙幣であると判別したときは、紙幣のRFIDデータに基づき、紙幣の金種を暫定的に決定し、暫定的に決定した紙幣の金種に対応する金種の紙幣の基準光学データおよび基準磁気データをROM151から読み出し、紙幣判別部110のセンサユニット110aから入力された紙幣の光学データおよび磁気データを、ROM151から読み出した紙幣の基準光学データおよび基準磁気データと比較して、紙幣の金種を最終的に判別するとともに、その紙幣の汚損のレベル、紙幣が1枚ずつ送られているか否かならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別するように構成されているから、紙幣の判別に要する時間を大幅に短縮することが可能になる。
紙幣判別部110を通過した紙幣は、搬送路111に送られる。
このようにして、紙幣判別部110が検出したデータに基づいて、紙幣を判別した結果、紙幣判別部110によって検出された紙幣が、偽造紙幣もしくは外国紙幣と判別した場合、2枚以上の紙幣の全部あるいは一部が重なり合って、送られていると判別した場合あるいは紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と角度をなして送られていると判別した場合には、CPU150は、ゲート部材113を駆動するソレノイド163に駆動信号を出力して、搬送路111と分岐搬送路112とを連通させる。
その結果、偽造紙幣もしくは外国紙幣と判別した場合、2枚以上の紙幣の全部あるいは一部が重なり合って、送られている場合および紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と角度をなして送られている場合には、紙幣は、搬送路111から、分岐搬送路112を介して、第一の紙幣返却口104に送られ、オペレータに返却される。
本実施態様においては、紙幣判別部110は、RFIDリーダー110bを備えており、RFIDリーダー110bによって、紙幣に一体的に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータが読み取られるから、2枚以上の紙幣の全部あるいは一部が重なり合って、送られている場合や、紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と角度をなして送られている場合においても、その紙幣の金種を正確に判別することができるが、2枚以上の紙幣の全部あるいは一部が重なり合って、送られている場合や、紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と角度をなして送られている場合には、それらの紙幣は、搬送路111の下流側においてジャミングを起こすおそれがあるため、第一の紙幣返却口104に送って、オペレータに返却するように構成されている。
一方、紙幣判別部110が検出したデータに基づいて、紙幣を判別した結果、紙幣判別部110によって検出された紙幣が、現に流通している真正な紙幣で、1枚ずつ、短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているが、その金種が、オペレータによって指定された紙幣束を生成すべき紙幣の金種とは異なっていると判別した場合および現に流通している真正な紙幣で、1枚ずつ、短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているが、汚損レベルが所定レベルを超えた汚損紙幣であると判別した場合には、CPU150は、ゲート部材115を駆動するソレノイド164に駆動信号を出力して、搬送路111と分岐搬送路114とを連通させる。
その結果、現に流通している真正な紙幣で、1枚ずつ、短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているが、その金種が、オペレータによって指定された紙幣束を生成すべき紙幣の金種とは異なっている紙幣および汚損レベルが所定レベルを超えた汚損紙幣は、搬送路111から、分岐搬送路114を介して、第二の紙幣返却口105に送られ、オペレータに返却される。
これに対して、紙幣判別部110が検出したデータに基づいて、紙幣を判別した結果、紙幣判別部110によって検出された紙幣が、現に流通している真正な紙幣で、1枚ずつ、短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているときは、その紙幣は、分岐搬送路112および分岐搬送路114の分岐部を通過して、搬送路111内を下流側に送られ、第一の紙幣センサ145aによって検出される。
第一の紙幣センサ145aによって紙幣が検出されると、紙幣検出信号がCPU150に出力される。
第一の紙幣センサ145aから、紙幣検出信号が入力されると、その紙幣が裏面を上にして搬送されていると判別していた場合には、CPU150は、ゲート部材117を駆動するソレノイド165に駆動信号を出力して、搬送路111と表裏反転搬送路116とを連通させるとともに、表裏反転搬送路116に設けられた複数のローラ対118を駆動するローラ対駆動手段162に駆動信号を出力して、複数のローラ対118を駆動させる。
その結果、紙幣は、搬送路111から、表裏反転搬送路116内に送られた後、複数のローラ対118が逆転されるのにともなって、搬送路111に戻され、表面が上を向いた状態で、搬送路111内を、さらに下流側に送られる。
一方、紙幣判別部110が検出したデータに基づいて、紙幣を判別した結果、紙幣判別部110によって検出された紙幣が、現に流通している真正な紙幣で、表面を上にして、1枚ずつ、短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られていると判別したときは、CPU150は、ゲート部材117を駆動するソレノイド165に駆動信号を出力せず、紙幣は、表裏反転搬送路116の分岐部を通過して、搬送路111内を、さらに下流側に送られる。
紙幣が、第二の紙幣センサ145bに近傍の搬送路111に達すると、第二の紙幣センサ145bによって検出され、紙幣検出信号がCPU150に出力される。
第二の紙幣センサ145bを通過した紙幣は、紙幣集積部120に送られる。
したがって、紙幣集積部120には、オペレータが指定した金種の現に流通している真正な紙幣で、1枚ずつ、短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られている紙幣のみが、表面が上を向いた状態で、送られる。
紙幣集積部120に送られた紙幣は、紙幣集積機構166によって、紙幣集積部120内で、集積される。
こうして、オペレータが指定した金種の現に流通している真正な紙幣で、1枚ずつ、短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られている紙幣が、次々に、紙幣集積部120に送られて、集積された結果、RAM152の入金された紙幣に関するデータを格納するメモリ領域に書き込まれたデータに基づいて、所定枚数の紙幣、たとえば、100枚の紙幣が、紙幣集積部120に送られて、集積されたと判定すると、CPU150は、繰り出しローラ駆動手段160に駆動停止信号を出力して、繰り出しローラの駆動を停止させ、紙幣入金口102にセットされた紙幣の取り込みを、一時的に中断させるとともに、紙幣集積部120の集積紙幣送出し手段167に駆動信号を出力して、紙幣集積部120内に集積された紙幣を、紙幣帯封機構130の帯封処理部131に移送させる。
紙幣集積部120内に集積された紙幣が、紙幣帯封機構130の帯封処理部131に移送されると、CPU150は、モータ168に駆動信号を出力して、帯封処理部131の一対の挟持部材131a、131bを互いに近接させる。
その結果、所定枚数の紙幣、たとえば、100枚の紙幣を含む集積紙幣が、一対の挟持部材131a、131bによって挟持される。
次いで、CPU150は、結束テープ供給部材132を駆動するモータ169に駆動信号を出力して、結束テープTを、帯封処理部131に向けて繰り出させ、さらに、RAM152の生成すべき紙幣束に関するデータを格納するメモリ領域に書き込まれた帯封処理に関するデータおよびRAM152の入金された紙幣に関するデータを格納するメモリ領域に書き込まれた紙幣集積部120に送られた紙幣のRFIDデータを読み出して、駆動信号とともに、紙幣帯封機構130のRFIDライター135を駆動するRFIDライター駆動手段173に出力する。
その結果、RFIDライター135によって、結束テープ供給部材132から、帯封処理部131に向けて繰り出された結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップに、生成されるべき紙幣束に含まれる紙幣の金種データ、IDデータなどの紙幣束を構成する紙幣に関するRFIDデータならびに金融機関名、支店名、紙幣処理機のIDデータ、オペレータの名前、帯封処理を実行する日時などの帯封処理に関するRFIDデータが書き込まれる。
さらに、CPU150は、結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップに書き込んだ帯封処理に関するデータを、紙幣束に帯封処理を施す権限を有する金融機関によって、共同管理されている中央管理サーバ155に出力する。こうして、中央管理サーバ155に、集積紙幣に巻回された結束テープTに一体的に形成されたインレット中のICチップに、RFIDライター135によって書き込まれた帯封処理に関するデータが格納される。
インレット内のICチップに、紙幣束を構成する紙幣に関するRFIDデータおよび帯封処理に関するRFIDデータが書き込まれた結束テープTは、帯封処理部131内に送られ、結束テープTが帯封処理部131内に送られると、CPU150から、帯封処理部131のテープ巻き付け手段(図示せず)を駆動するモータ172に駆動信号が出力され、結束テープTが、一対の挟持部材131a、131bに挟持された集積紙幣の略中央部に巻き付けられる。
所定の長さの結束テープTが集積紙幣に巻き付けられたと判定すると、CPU150は、紙幣帯封機構30のカッタ(図示せず)を駆動するソレノイド170に駆動信号を出力して、カッタにより、結束テープTを切断させ、さらに、紙幣帯封機構130の接着手段(図示せず)を駆動するソレノイド171に駆動信号を出力して、接着手段によって、切断された結束テープTの端部を接着させる。
こうして、所定枚数の紙幣、たとえば、100枚の紙幣を含み、結束テープTが巻回されて、帯封が付された紙幣束が生成される。
紙幣束が生成されると、CPU150は、RAM152の生成された紙幣束に関するデータを格納するメモリ領域に、生成された紙幣束の金種および数に関する紙幣束生成データを書き込むとともに、紙幣束繰り出し部138を駆動するモータ174および紙幣束搬送路140内に設けられた搬送ローラ(図示せず)を駆動する搬送ローラ駆動手段175に駆動信号を出力する。
その結果、生成された紙幣束は、紙幣束繰り出し部138によって、帯封処理部131から、紙幣束搬送路140内に繰り出され、紙幣束出金口103に出金される。
こうして、生成された紙幣束が、紙幣束出金口103に出金されると、CPU150は、ソレノイド176に駆動信号を出力して、紙幣入金口102のシャッタ102aを開放させるとともに、繰り出しローラ駆動手段160に駆動信号を出力して、繰り出しローラを駆動させ、紙幣入金口102にセットされた紙幣の取り込みを再開させる。
同様の操作が繰り返されて、紙幣入金口102にセットされた紙幣が、次々に、紙幣処理機内に繰り出されて、所定枚数の紙幣、たとえば、100枚の紙幣を含み、結束テープTが巻回されて、帯封が付された紙幣束が生成され、CPU150によって、RAM152の生成された紙幣束に関するデータを格納するメモリ領域に書き込まれた紙幣束生成データが書き換えられる。
その結果、紙幣束生成データ中の生成された紙幣束の数が、RAM152の生成すべき紙幣束に関するデータを格納するメモリ領域に書き込まれた紙幣束データ中の生成すべき紙幣束の数に等しくなり、生成された紙幣束が紙幣束出金口103に出金されると、CPU150は、紙幣の帯封処理を完了させる。
紙幣の帯封処理の完了後、紙幣束出金口103に設けられた光学センサ103bから、紙幣検出信号が入力されているときは、紙幣束出金口103に出金した紙幣束をオペレータが取り忘れていると認められるから、CPU150は、ディスプレイ185に、紙幣束出金口103に紙幣束が残留している旨を表示する。
一方、紙幣の帯封処理の完了後、第一の紙幣返却口104に設けられた光学センサ104bから、紙幣検出信号が入力されているときは、第一の紙幣返却口104に返却した紙幣をオペレータが取り忘れていると認められるから、CPU150は、ディスプレイ185に、紙幣束出金口103に紙幣束が残留している旨を表示する。
また、紙幣の帯封処理の完了後、第二の紙幣返却口105に設けられた光学センサ105bから、紙幣検出信号が入力されているときは、第二の紙幣返却口105に返却した紙幣をオペレータが取り忘れていると認められるから、CPU150は、ディスプレイ185に、紙幣束出金口103に紙幣束が残留している旨を表示する。
一方、紙幣の帯封処理の実行中に、繰り出しローラ駆動手段160に駆動信号を出力してから、第一の所定時間が経過しても、紙幣判別部110から、紙幣の光学データ、磁気データおよびRFIDデータが入力されないときは、CPU150は、紙幣入金口102と紙幣判別部110との間の搬送路111内で、紙幣のジャミングが発生していると判定し、搬送ローラ駆動手段161に駆動停止信号を出力するとともに、ディスプレイ185に、紙幣処理機に故障が発生した旨を表示し、アラーム発生器188にアラームを発せさせる。
また、紙幣の帯封処理の実行中に、紙幣判別部110から、紙幣の光学データ、磁気データおよびRFIDデータが入力されてから、第二の所定時間が経過しても、第一の紙幣センサ145aから紙幣検出信号が入力されないときは、CPU150は、紙幣判別部110と第一の紙幣センサ145aとの間の搬送路111内で、紙幣のジャミングが発生していると判定し、搬送ローラ駆動手段161に駆動停止信号を出力するとともに、ディスプレイ185に、紙幣処理機に故障が発生した旨を表示し、アラーム発生器188にアラームを発せさせる。
さらに、紙幣の帯封処理の実行中に、第一の紙幣センサ145aから紙幣検出信号が入力されてから、第三の所定時間が経過しても、第二の紙幣センサ145bから紙幣検出信号が入力されないときは、CPU150は、第一の紙幣センサ145aの近傍の搬送路111と第二の紙幣センサ145bの近傍の搬送路111との間の搬送路111内で、紙幣のジャミングが発生していると判定し、搬送ローラ駆動手段161に駆動停止信号を出力するとともに、ディスプレイ185に、紙幣処理機に故障が発生した旨を表示し、アラーム発生器188にアラームを発せさせる。
紙幣処理機に故障が発生した旨が、ディスプレイ185に表示され、アラーム発生器188からアラームを発せられると、オペレータによって、紙幣処理機が開かれて、ジャミングを起こした紙幣が取り除かれるとともに、紙幣処理機内に残留しているすべての紙幣が取り除かれる。
ここに、本実施態様においては、紙幣処理機内の搬送路に残留しているすべての紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータが、RFIDリーダー125によって読み取られ、RAM152の所定のメモリ領域に格納されているから、オペレータは、キーボード180に指示信号を入力して、RFIDリーダー125によって読み取られ、RAM152の所定のメモリ領域に格納されている紙幣のRFIDデータをディスプレイ185に表示させることができ、したがって、確実にかつ速やかに、紙幣処理機内の搬送路に残留しているすべての紙幣を取り除き、紙幣処理機を再稼動させることが可能になるから、紙幣処理機の処理効率を大幅に向上させることができる。
紙幣処理機内の搬送路に残留している紙幣を取り除き、紙幣処理機を再稼動させる場合には、オペレータによって、キーボード180にリスタート信号が入力される。
リスタート信号はCPU150に出力され、リスタート信号を受けると、CPU150は、RFIDリーダー125から出力された紙幣のRFIDデータを、RAM152の所定のメモリ領域に格納するとともに、RFIDリーダー125から入力されたRFIDデータに基づいて、搬送路内に、紙幣が残存しているか否かを判定する。
その結果、搬送路内に、紙幣が残存していると判定したときは、オペレータが取り除き忘れた紙幣が搬送路内に残存していると認められるから、CPU150は、RAM152の所定のメモリ領域に格納されている紙幣のRFIDデータと、搬送路内に、紙幣が残存している旨をディスプレイ185に表示するとともに、アラーム発生器188にアラームを発せさせる。
したがって、搬送路内の紙幣を取り除き忘れた場合にも、オペレータは容易に、その事実を知り、搬送路内の紙幣を完全に取り除いた上で、紙幣処理機を再稼動させることが可能になる。
搬送路内の紙幣が取り除かれると、オペレータによって、再び、キーボード180にリスタート信号が入力され、紙幣処理機が再稼動される。
これに対して、搬送路内に、紙幣が残存していないと判定したときは、CPU150は、搬送ローラ駆動手段161に駆動信号を出力して、搬送路109、搬送路111、分岐搬送路112および分岐搬送路114内に設けられた搬送ローラ(図示せず)を駆動させるとともに、ローラ対駆動手段162に駆動信号を出力して、表裏反転搬送路116に設けられた複数のローラ対118を駆動させ、紙幣の処理が再開される。
本実施態様によれば、帯封処理が施されて、生成された紙幣束に巻回されている結束テープTに形成されたインレット中のICチップには、金融機関名、支店名、紙幣処理機のIDデータ、オペレータの名前、帯封処理を実行する日時などの帯封処理に関するRFIDデータが書き込まれているから、結束テープTに形成されたインレット中のICチップに書き込まれた帯封処理に関するRFIDデータを読み取ることによって、容易に、紙幣束が生成された履歴を知ることができ、したがって、紙幣束を所望のように管理することが可能になる。
また、本実施態様によれば、結束テープTに形成されたインレット内のICチップに書き込まれた帯封処理に関するデータは、紙幣束に帯封処理を施す権限を有する金融機関によって、共同管理されている中央管理サーバ155に出力されて、格納されるように構成されているから、結束テープTに形成されたインレット内のICチップに書き込まれた帯封処理に関するRFIDデータを読み取り、中央管理サーバー155にアクセスすることによって、紙幣束が、紙幣束に帯封処理を施す権限を有する機関によって、真正に生成されたものか否かを正確に判断することができ、したがって、紙幣束を所望のように管理することが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、帯封処理が施されて、生成された紙幣束に巻回されている結束テープTに形成されたインレット中のICチップには、紙幣束に含まれる紙幣の金種データ、IDデータなどの紙幣束を構成する紙幣に関するRFIDデータが書き込まれているから、RFIDデータを読み取ることによって、帯封処理が施された紙幣束に含まれている紙幣を特定することができ、したがって、紙幣束の生成後に、紙幣が抜き取られた場合にも、抜き取られた紙幣を特定することができるから、紙幣束を所望のように管理することが可能になる。
また、本実施態様によれば、異なる向きに延びる搬送路111の間に、紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータを読み取るRFIDリーダー125が設けられ、所定の周波数、たとえば、マイクロ波帯の電波を発信し、紙幣に形成されたインレットのアンテナに受信させて、インレット中のICチップに書き込まれたRFIDデータを読み取るように構成されているから、RFIDリーダー125から発信される周波数の電波を遮蔽する性質を有する材料によって形成されている紙幣判別部110内に位置している紙幣と、RFIDリーダー125から発信される周波数の電波を遮蔽する性質を有する材料によって形成されている紙幣集積部120、紙幣帯封機構130のケーシング136内に収容されている紙幣と、RFIDリーダー125から発信される周波数の電波を遮蔽する性質を有する金属製のシャッタ102b、シャッタ103b、シャッタ104bおよびシャッタ105bによって、紙幣処理機の内部と遮断されている紙幣入金口102、紙幣束出金口103、第一の紙幣返却口104および第二の紙幣返却口105内に存在している紙幣以外の紙幣、すなわち、紙幣処理機内の搬送路に存在しているすべての紙幣のRFIDデータが、RFIDリーダー125によって読み取られ、RAM152の所定のメモリ領域に格納される。したがって、紙幣のジャミングが発生し、紙幣処理機の作動を停止させて、ジャミングを起こした紙幣を取り除くとともに、紙幣処理機内に残留しているすべての紙幣を取り除いて、紙幣処理機を再稼動させるときに、オペレータは、キーボード180に指示信号を入力して、RFIDリーダー125によって読み取られ、RAM152の所定のメモリ領域に格納されている紙幣のRFIDデータをディスプレイ185に表示させることができるから、確実にかつ速やかに、紙幣処理機内の搬送路に残留しているすべての紙幣を取り除き、紙幣処理機を再稼動させることができ、紙幣処理機の処理効率を大幅に向上させることが可能になる。
さらに、本実施態様によれば、紙幣処理機を再稼動させるにあたり、オペレータによって、キーボード180にリスタート信号が入力され、リスタート信号がCPU150に出力されたときに、CPU150が、RFIDリーダー125から入力されたRFIDデータに基づいて、搬送路内に、紙幣が残存しているか否かを判定し、搬送路内に、紙幣が残存していると判定したときは、搬送路内に、紙幣が残存している旨をディスプレイ185に表示するとともに、アラーム発生器188にアラームを発せさせるように構成されているから、搬送路内の紙幣を取り除き忘れた場合にも、オペレータは容易に、その事実を知って、搬送路内の紙幣を完全に取り除いた上で、紙幣処理機を再稼動させることが可能になり、したがって、紙幣処理機の処理効率をより一層向上させることが可能になる。
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
たとえば、前記実施態様においては、RFIDリーダー15b、29、40b、125、110bが用いられているが、紙幣に形成されたインレット中のICチップと通信可能な手段であればよく、RFIDリーダーを用いることは必ずしも必要でない。
さらに、図1および図2に示された実施態様においては、紙幣処理機は、搬送路内に存在する紙幣のRFIDデータを読み取るRFIDリーダー29を備え、図4および図5に示された実施態様においては、紙幣処理機は、搬送路内に存在する紙幣のRFIDデータを読み取るRFIDリーダー125を備えているが、2以上のRFIDリーダーを設けて、搬送路内に存在する紙幣のRFIDデータを読み取るようにしてもよい。
また、図1および図2に示された実施態様においては、RFIDリーダー29は、ゲート部材25と紙幣判別部15の間に設けられているが、RFIDリーダー29を、ゲート部材25と紙幣判別部15の間に設けることは必ずしも必要でなく、搬送路内に存在するすべての紙幣のRFIDデータを読み取ることができれば、RFIDリーダー29を設ける位置はとくに限定されるものではない。
さらに、図4および図5に示された実施態様においては、RFIDリーダー125は、異なる向きに延びる搬送路111の間に設けられているが、RFIDリーダー125を、異なる向きに延びる搬送路111の間に設けることは必ずしも必要でなく、搬送路内に存在するすべての紙幣のRFIDデータを読み取ることができれば、RFIDリーダー125を設ける位置はとくに限定されるものではない。
また、図1および図2に示された実施態様においては、第一の紙幣センサ49a、第二の紙幣センサ49b、第三の紙幣センサ49cおよび第四の紙幣センサ49dは、それぞれ、分岐搬送路17の分岐部の直下流側の搬送路16の近傍、ゲート部材23の直上流側の搬送路16の近傍、第一の紙幣繰り出し部33aの直下流側の出金紙幣搬送路35の近傍およびゲート部材46の直上流側の出金紙幣搬送路35の近傍に設けられているが、搬送路16、出金紙幣搬送路35および分岐搬送路45内で、紙幣がジャミングを起こしたときに、確実に、紙幣のジャミングが発生した事実を検出することができれば、第一の紙幣センサ49a、第二の紙幣センサ49b、第三の紙幣センサ49cおよび第四の紙幣センサ49dを設ける位置はとくに限定されるものではない。
さらに、図4および図5に示された実施態様においては、第一の紙幣センサ145aは、ゲート部材117の直上流側の搬送路111の近傍に設けられ、第二の紙幣センサ145bは、ゲート部材117と紙幣集積部120の間の搬送路111に設けられているが、第一の紙幣センサ145aを、ゲート部材117の直上流側の搬送路111の近傍に設け、第二の紙幣センサ145bを、ゲート部材117と紙幣集積部120の間の搬送路111に設けることは必ずしも必要でなく、紙幣の搬送路111内で、紙幣がジャミングを起こしたときに、確実に、紙幣のジャミングが発生した事実を検出することができれば、第一の紙幣センサ145aおよび第二の紙幣センサ145bを設ける位置はとくに限定されるものではない。
また、図1および図2に示された実施態様においては、紙幣入金口11は、金属性のシャッタ11aを備え、シャッタ11aによって、紙幣処理機の内部機構と遮断されているが、紙幣入金口11が、金属性のシャッタ11aを備えていることは必ずしも必要でなく、金属性のシャッタ11aに代えて、一対の金属性のローラを備えていてもよい。
さらに、図1および図2に示された実施態様においては、紙幣出金口12は、金属性のシャッタ12aを備え、シャッタ12aによって、紙幣処理機の内部機構と遮断されているが、紙幣出金口12が、金属性のシャッタ12aを備えていることは必ずしも必要でなく、金属性のシャッタ12aに代えて、一対の金属性のローラを備えていてもよい。
また、図1および図2に示された実施態様においては、紙幣返却口13は、金属性のシャッタ13aを備え、シャッタ13aによって、紙幣処理機の内部機構と遮断されているが、紙幣返却口13が、金属性のシャッタ13aを備えていることは必ずしも必要でなく、金属性のシャッタ13aに代えて、一対の金属性のローラを備えていてもよい。
さらに、図1および図2に示された実施態様においては、紙幣入金口11内に、光学センサ11bが設けられているが、紙幣入金口11内に、光学センサ11bを設けることは必ずしも必要でない。
また、図1および図2に示された実施態様においては、紙幣出金口12内に、光学センサ12bが設けられているが、紙幣出金口12内に、光学センサ12bを設けることは必ずしも必要でない。
さらに、図1および図2に示された実施態様においては、紙幣返却口13内に、光学センサ13bが設けられているが、紙幣返却口13内に、光学センサ13bを設けることは必ずしも必要でない。
また、図4および図5に示された実施態様においては、紙幣入金口102は、金属性のシャッタ102aを備え、シャッタ102aによって、紙幣処理機の内部機構と遮断されているが、紙幣入金口102が、金属性のシャッタ102aを備えていることは必ずしも必要でなく、金属性のシャッタ102aに代えて、一対の金属性のローラを備えていてもよい。
さらに、図1および図2に示された実施態様においては、紙幣出金口103は、金属性のシャッタ103aを備え、シャッタ103aによって、紙幣処理機の内部機構と遮断されているが、紙幣出金口103が、金属性のシャッタ103aを備えていることは必ずしも必要でなく、金属性のシャッタ103aに代えて、一対の金属性のローラを備えていてもよい。
また、図4および図5に示された実施態様においては、第一の紙幣返却口104は、金属性のシャッタ104aを備え、シャッタ104aによって、紙幣処理機の内部機構と遮断されているが、第一の紙幣返却口104が、金属性のシャッタ104aを備えていることは必ずしも必要でなく、金属性のシャッタ104aに代えて、一対の金属性のローラを備えていてもよい。
さらに、図4および図5に示された実施態様においては、第二の紙幣返却口105は、金属性のシャッタ105aを備え、シャッタ105aによって、紙幣処理機の内部機構と遮断されているが、第二の紙幣返却口105が、金属性のシャッタ105aを備えていることは必ずしも必要でなく、金属性のシャッタ105aに代えて、一対の金属性のローラを備えていてもよい。
また、図4および図5に示された実施態様においては、紙幣入金口102内に、光学センサ102bが設けられているが、紙幣入金口102内に、光学センサ102bを設けることは必ずしも必要でない。
さらに、図4および図5に示された実施態様においては、紙幣出金口103内に、光学センサ103bが設けられているが、紙幣出金口103内に、光学センサ103bを設けることは必ずしも必要でない。
また、図4および図5に示された実施態様においては、第一の紙幣返却口104内に、光学センサ104bが設けられているが、第一の紙幣返却口104内に、光学センサ104bを設けることは必ずしも必要でない。
さらに、図4および図5に示された実施態様においては、第二の紙幣返却口105内に、光学センサ105bが設けられているが、第二の紙幣返却口105内に、光学センサ105bを設けることは必ずしも必要でない。
また、図1および図2に示された実施態様においては、紙幣処理機は、紙幣を入金する紙幣入金口11と、紙幣を出金する紙幣出金口12を備えているが、紙幣入金口11と紙幣出金口12とを別個に設けることなく、紙幣を入金し、かつ、出金可能な単一の紙幣取引口を設けることもできる。
さらに、図4および図5に示された実施態様においては、紙幣処理機は、紙幣を入金する紙幣入金口102と、紙幣を出金する紙幣出金口103を備えているが、紙幣入金口102と紙幣出金口103とを別個に設けることなく、紙幣を入金し、かつ、出金可能な単一の紙幣取引口を設けることもできる。
また、図1および図2に示された実施態様においては、出金紙幣判別部40は、紙幣に向けて、光を発する光源と、光源から発せられ、紙幣によって反射された光を検出する反射光センサと、光源から発せられ、紙幣を透過した光を検出する透過光センサとを含む光学センサ手段と、紙幣の磁気的性質を検出する磁気センサを備え、周知の方法によって、紙幣が、真正でかつ現に流通している紙幣か否か、真正でかつ現に流通している紙幣である場合は、その金種、紙幣が1枚ずつ送られているか否かならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別するための光学データおよび磁気データを生成するセンサユニット40aと、紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータを読み取るRFIDリーダー40bとを備え、出金すべき紙幣の全部あるいは一部が重なり合って、送られていると判別した場合および出金すべき紙幣が、その短辺が紙幣の搬送方向と角度をなして送られていると判別した場合に、それらの紙幣を、紙幣回収ボックス43内に送って、回収するように構成されているが、出金すべき紙幣が、その短辺が紙幣の搬送方向と角度をなして送られていても、出金紙幣判別部40の下流側の出金紙幣搬送路35に、出金すべき紙幣を、出金紙幣搬送路35の一方に壁部に沿って、整列させる機構を設けることによって、出金すべき紙幣が、その短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように整列させることは可能であるから、出金すべき紙幣が、その短辺が紙幣の搬送方向と角度をなして送られていると判別した場合に、その紙幣を、紙幣回収ボックス43内に送って、回収するように構成することは必ずしも必要でない。さらに、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cおよび第四の紙幣収納ボックス30dから繰り出された出金すべき紙幣は、いずれも、紙幣判別部15が検出したデータに基づいて、現に流通している真正な紙幣と判別された紙幣であり、紙幣判別部15が検出したデータに基づいて、判別された金種にしたがって、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cあるいは第四の紙幣収納ボックス30d内に収納されているから、出金紙幣判別部40が検出したデータに基づいて、出金すべき紙幣が、現に流通している真正な紙幣であるか否かを判別することは必ずしも必要でない。また、前記実施態様においては、光学センサ手段の透過光センサが検出した紙幣の透過光データと、暫定的に決定した金種の紙幣の基準透過光データとを比較し、両者が実質的に一致していないときに、2枚以上の紙幣が、全部あるいはその一部が重なり合って、送られていると判別するように構成されているが、2枚以上の紙幣が、全部あるいはその一部が重なり合って、送られている場合には、RFIDリーダー40bから、所定の時間内に、2枚以上の紙幣のRFIDデータがCPU50に入力されるから、CPU50を、RFIDリーダー40bから、所定の時間内に、2枚以上の紙幣のRFIDデータが入力されたときに、2枚以上の紙幣が、全部あるいはその一部が重なり合って、送られていると判別し、所定の時間内に、何枚の紙幣のRFIDデータが入力されたに基づいて、何枚の紙幣が重なり合って送られているかを判別するように構成することもできる。したがって、出金紙幣判別部40は、出金すべき紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータを読み取るRFIDリーダー40bを備えていれば足り、出金紙幣判別部40が、紙幣に向けて、光を発する光源と、光源から発せられ、紙幣によって反射された光を検出する反射光センサと、光源から発せられ、紙幣を透過した光を検出するセンサとを含む光学センサ手段と、紙幣の磁気的性質を検出する磁気センサを備えていることは必ずしも必要でない。さらには、出金紙幣判別部40に送られる紙幣に、偽造紙幣や外国紙幣などが含まれている場合においても、RFIDリーダー40bは、現に流通している真正な紙幣以外を検出しないから、出金紙幣判別部40に、RFIDリーダー40bを設け、出金紙幣判別部40の上流側に、紙幣を検出する簡易な構成のセンサを設けておけば、出金紙幣判別部40に、紙幣に向けて、光を発する光源と、光源から発せられ、紙幣によって反射された光を検出する反射光センサと、光源から発せられ、紙幣を透過した光を検出するセンサとを含む光学センサ手段と、紙幣の磁気的性質を検出する磁気センサを設ける必要はない。
さらに、前記実施態様においては、紙幣判別部15、110は、紙幣に向けて、光を発する光源と、光源から発せられ、紙幣によって反射された光を検出する反射光センサと、光源から発せられ、紙幣を透過した光を検出する透過光センサとを含む光学センサ手段と、紙幣の磁気的性質を検出する磁気センサを備え、周知の方法によって、紙幣が、真正でかつ現に流通している紙幣か否か、真正でかつ現に流通している紙幣である場合は、その金種および汚損レベル、紙幣が1枚ずつ送られているか否かならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別するための光学データおよび磁気データを生成するセンサユニット15a、110aと、紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータを読み取るRFIDリーダー15b、110bとを備えているが、2枚以上の紙幣の全部あるいは一部が重なり合って、送られているか否かは、センサユニット15a、110aに含まれる光学センサ手段の透過光センサが検出した透過光データによって判別することができ、一方、センサユニット15a、110aに含まれる光学センサ手段の反射光センサが検出したデータに基づいて、金種が確定できない紙幣には、偽造紙幣および外国紙幣だけでなく、紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と角度をなして送られている紙幣も含まれるが、紙幣判別部15、110が検出した紙幣のデータに基づいて、偽造紙幣あるいは外国紙幣と判別された紙幣ならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と角度をなして送られていると判別された紙幣は、いずれも、紙幣返却口13または第一の紙幣返却口104に送られて、オペレータに返却され、紙幣判別部15、110が検出した紙幣のデータに基づいて、偽造紙幣あるいは外国紙幣と、紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と角度をなして送られている紙幣とを区別する必要はないから、紙幣判別部15、110は、センサユニット15a、110aを備えていればよく、RFIDデータを読み取るRFIDリーダー15b、110bを備えていることは必ずしも必要でない。さらに、紙幣判別部15、110が、光学センサ手段を備えていれば、CPU50、150は、紙幣判別部15、110が検出した紙幣のデータに基づいて、紙幣の金種および汚損レベルを判別することができるから、紙幣判別部15、110に含まれるセンサユニット15a、110aが、磁気センサを備えていることは必ずしも必要でない。
また、前記実施態様においては、紙幣判別部15、110は、紙幣に向けて、光を発する光源と、光源から発せられ、紙幣によって反射された光を検出する反射光センサと、光源から発せられ、紙幣を透過した光を検出する透過光センサとを含む光学センサ手段と、紙幣の磁気的性質を検出する磁気センサを備え、周知の方法によって、紙幣が、真正でかつ現に流通している紙幣か否か、真正でかつ現に流通している紙幣である場合は、その金種および汚損レベル、紙幣が1枚ずつ送られているか否かならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別するための光学データおよび磁気データを生成するセンサユニット15a、110aと、紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータを読み取るRFIDリーダー15b、110bとを備え、CPU50、150は、センサユニット15a、110aに含まれた光学センサ手段の反射光センサが検出した紙幣の反射光データと、RFIDリーダー15b、110bが読み取った紙幣のRFIDデータに基づいて、紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別するように構成されているが、紙幣判別部15、110に、さらに、紙幣判別部15、110を通過する紙幣の両側部を検出する一対の光学センサを設け、一対の光学センサが紙幣を検出するタイミングにしたがって、CPU50、150が、紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別するように構成することもできる。
さらに、図1および図2に示された実施態様においては、CPU50は、紙幣判別部15のRFIDリーダー15bから入力されたRFIDデータに基づいて、紙幣が、現に流通している真正な紙幣か否かおよび紙幣の金種を暫定的に判別するとともに、紙幣が受け入れ可能か否かを判別し、紙幣が受け入れ可能なときは、暫定的に決定した紙幣の金種に対応する金種の紙幣の基準光学データおよび基準磁気データをROM51から読み出して、紙幣判別部15のセンサユニット15aから入力された紙幣の光学データおよび磁気データと比較し、紙幣の金種を最終的に判別するように構成されているが、紙幣判別部15のRFIDリーダー15bから入力されたRFIDデータに基づいて、紙幣が受け入れ可能か否かおよび紙幣の金種を判別するとともに、紙幣判別部15のセンサユニット15aから入力された紙幣の光学データおよび磁気データに基づいて、紙幣が受け入れ可能か否かおよび紙幣の金種を判別し、紙幣のRFIDデータに基づく判別結果と、紙幣の光学データおよび磁気データに基づく判別結果とが一致したときに、その紙幣は判別された金種の紙幣であると判別し、紙幣のRFIDデータに基づく判別結果と、紙幣の光学データおよび磁気データに基づく判別結果とが一致しないときは、その紙幣は受け入れ不能な紙幣であると判別するように構成することもできる。
また、図1および図2に示された実施態様においては、CPU50は、出金紙幣判別部40のRFIDリーダー40bから入力されたRFIDデータに基づいて、紙幣が、現に流通している真正な紙幣か否かおよび紙幣の金種を暫定的に判別するとともに、紙幣が受け入れ可能か否かを判別し、紙幣が受け入れ可能なときは、暫定的に決定した紙幣の金種に対応する金種の紙幣の基準光学データおよび基準磁気データをROM51から読み出して、出金紙幣判別部40のセンサユニット40aから入力された紙幣の光学データおよび磁気データと比較し、紙幣の金種を最終的に判別するように構成されているが、出金紙幣判別部40のRFIDリーダー40bから入力されたRFIDデータに基づいて、紙幣が受け入れ可能か否かおよび紙幣の金種を判別するとともに、出金紙幣判別部40のセンサユニット40aから入力された紙幣の光学データおよび磁気データに基づいて、紙幣が受け入れ可能か否かおよび紙幣の金種を判別し、紙幣のRFIDデータに基づく判別結果と、紙幣の光学データおよび磁気データに基づく判別結果とが一致したときに、その紙幣は判別された金種の紙幣であると判別し、紙幣のRFIDデータに基づく判別結果と、紙幣の光学データおよび磁気データに基づく判別結果とが一致しないときは、その紙幣は受け入れ不能な紙幣であると判別するように構成することもできる。
さらに、図4および図5に示された実施態様においては、CPU150は、紙幣判別部110のRFIDリーダー110bから入力されたRFIDデータに基づいて、紙幣が、現に流通している真正な紙幣か否かおよび紙幣の金種を暫定的に判別するとともに、紙幣が受け入れ可能か否かを判別し、紙幣が受け入れ可能なときは、暫定的に決定した紙幣の金種に対応する金種の紙幣の基準光学データおよび基準磁気データをROM151から読み出して、紙幣判別部110のセンサユニット110aから入力された紙幣の光学データおよび磁気データと比較し、紙幣の金種を最終的に判別するように構成されているが、紙幣判別部110のRFIDリーダー110bから入力されたRFIDデータに基づいて、紙幣が受け入れ可能か否かおよび紙幣の金種を判別するとともに、紙幣判別部110のセンサユニット110aから入力された紙幣の光学データおよび磁気データに基づいて、紙幣が受け入れ可能か否かおよび紙幣の金種を判別し、紙幣のRFIDデータに基づく判別結果と、紙幣の光学データおよび磁気データに基づく判別結果とが一致したときに、その紙幣は判別された金種の紙幣であると判別し、紙幣のRFIDデータに基づく判別結果と、紙幣の光学データおよび磁気データに基づく判別結果とが一致しないときは、その紙幣は受け入れ不能な紙幣であると判別するように構成することもできる。
さらに、図1および図2に示された実施態様においては、出金紙幣判別部40は、紙幣に向けて、光を発する光源と、光源から発せられ、紙幣によって反射された光を検出する反射光センサと、光源から発せられ、紙幣を透過した光を検出する透過光センサとを含む光学センサ手段と、紙幣の磁気的性質を検出する磁気センサを備え、周知の方法によって、紙幣が、真正でかつ現に流通している紙幣か否か、真正でかつ現に流通している紙幣である場合は、その金種、紙幣が1枚ずつ送られているか否かならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別するための光学データおよび磁気データを生成するセンサユニット40aと、紙幣に形成されたインレット中のICチップに記録された紙幣のIDデータ、紙幣の金種データなどのRFIDデータを読み取るRFIDリーダー40bとを備えているが、RFIDリーダー40bが読み取った紙幣のRFIDデータに基づいて、CPU50は、紙幣が、真正でかつ現に流通している紙幣か否かおよび紙幣の金種を判別することができ、また、2枚以上の紙幣の全部あるいは一部が重なり合って、送られている場合には、出金紙幣判別部40のRFIDリーダー40bから、所定の時間内に、2枚以上の紙幣のRFIDデータが、CPU50に入力され、CPU50は、RFIDリーダー40bが読み取ったRFIDデータに基づき、2枚以上の紙幣の全部あるいは一部が重なり合って、送られているか否かを判別することも可能であるから、出金紙幣判別部40は、RFIDリーダー40bに加えて、紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別するためのデータを検出するセンサを備えていればよく、紙幣に向けて、光を発する光源と、光源から発せられ、紙幣によって反射された光を検出する反射光センサと、光源から発せられ、紙幣を透過した光を検出する透過光センサとを含む光学センサ手段と、紙幣の磁気的性質を検出する磁気センサを備えたセンサユニット40aを備えていることは必ずしも必要でない。上述のように、CPU50は、RFIDリーダー40bが読み取った紙幣のRFIDデータに基づいて、紙幣が、真正でかつ現に流通している紙幣か否か、真正でかつ現に流通している紙幣である場合は、その金種ならびに紙幣が1枚ずつ送られているか否かを判別することができ、RFIDリーダー40bが読み取ったRFIDデータおよび反射光センサが検出した紙幣の反射光データに基づき、紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別することができるから、出金紙幣判別部40は、RFIDリーダー40bに加えて、反射光センサを備えていれば十分であるし、また、反射光センサに代えて、出金紙幣判別部40に、紙幣判別部15を通過する紙幣の両側部を検出する一対の光学センサを設け、一対の光学センサが紙幣を検出するタイミングにしたがって、CPU50が、紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別するように構成することもできる。
また、前記実施態様においては、紙幣判別部15、110のセンサユニット15a、110aおよび出金紙幣判別部40のセンサユニット40aは、それぞれ、紙幣に向けて、光を発する光源と、光源から発せられ、紙幣によって反射された光を検出する反射光センサと、光源から発せられ、紙幣を透過した光を検出する透過光センサとを含む光学センサ手段と、紙幣の磁気的性質を検出する磁気センサを備え、周知の方法によって、紙幣が、真正でかつ現に流通している紙幣か否か、真正でかつ現に流通している紙幣である場合は、紙幣の金種および汚損レベル、紙幣が1枚ずつ送られているか否かならびに紙幣の短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように送られているか否かを判別するための光学データおよび磁気データを生成するように構成されているが、紙幣判別部15,110のセンサユニット15a、110aおよび出金紙幣判別部40のセンサユニット40aが、紙幣に向けて、光を発する光源と、光源から発せられ、紙幣によって反射された光を検出する反射光センサと、光源から発せられ、紙幣を透過した光を検出する透過光センサとを含む光学センサ手段と、紙幣の磁気的性質を検出する磁気センサを備えていることは必ずしも必要でなく、光学センサ手段および磁気センサに代えて、紙幣に向けて、紫外線光源を発する紫外線光源と、紫外線光源から発せられた紫外線によって、紙幣に含まれた蛍光物質が励起されて、放出された蛍光を検出する光学センサを用いることもできる。
さらに、図1および図2に示された実施態様においては、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cおよび第四の紙幣収納ボックス30dの内壁には、それぞれ、昇降可能で、かつ、対応する紙幣収納ボックスの内壁面と滑らかに連なる退避位置と、内壁面から突出した突出位置との間で、支点まわりに揺動可能に形成された一対の係止爪32a、32a、一対の係止爪32b、32b、一対の係止爪32c、32cおよび一対の係止爪32d、32dが設けられているが、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cあるいは第四の紙幣収納ボックス30d内に収納された紙幣の枚数を確認する収納紙幣確認処理を実行するときに、対応する紙幣収納ボックスから、繰り出され、出金紙幣判別部40によって判別された紙幣が、その紙幣収納ボックス内に送り返された際、それらの紙幣を、紙幣収納ボックス内に収納されている紙幣と分離して、収納することができればよく、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cおよび第四の紙幣収納ボックス30dの内壁に、それぞれ、昇降可能で、かつ、対応する紙幣収納ボックスの内壁面と滑らかに連なる退避位置と、内壁面から突出した突出位置との間で、支点まわりに揺動可能に形成された一対の係止爪32a、32a、一対の係止爪32b、32b、一対の係止爪32c、32cおよび一対の係止爪32d、32dを設けることは必ずしも必要でない。さらには、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cあるいは第四の紙幣収納ボックス30d内に収納された紙幣の枚数を確認する収納紙幣確認処理を実行するときに、対応する紙幣収納ボックスから、繰り出され、出金紙幣判別部40によって判別された紙幣が、その紙幣収納ボックス内に送り返された際、それらの紙幣を、紙幣収納ボックス内に収納されている紙幣と分離して、収納する機構を、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cおよび第四の紙幣収納ボックス30dに設けるのに代えて、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cあるいは第四の紙幣収納ボックス30dに加え、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cあるいは第四の紙幣収納ボックス30d内に収納された紙幣がすべて繰り出されるまでの間、第一の紙幣収納ボックス30a、第二の紙幣収納ボックス30b、第三の紙幣収納ボックス30cあるいは第四の紙幣収納ボックス30dから、繰り出され、出金紙幣判別部40によって判別された紙幣を一時的に貯留する紙幣貯留ボックスを設けることもできる。
また、図1および図2に示された実施態様においては、紙幣判別部15によって検出されたデータに基づいて、CPU50は、紙幣が、真正でかつ現に流通している紙幣であるか否か、紙幣が真正でかつ現に流通している紙幣である場合には、その金種、紙幣が、1枚ずつ、搬送されているか否かならびに紙幣が、その短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように搬送されているかを判別するように構成されているが、さらに、紙幣判別部15によって検出されたデータに基づいて、CPU50が、紙幣の表裏を判別するように構成するとともに、搬送路16と紙幣一時貯留ユニット27との間に、紙幣の表裏を反転可能な表裏反転機構を設け、紙幣が裏向きで送られていると判別したときは、紙幣の表裏を反転させて、紙幣一時貯留ユニット27に送るように構成することもできる。
さらに、図1および図2に示された実施態様においては、紙幣一時貯留ユニット27は、ロック部材によるロックが解除することによって、スライドさせて、紙幣処理機から取り出し可能に構成され、紙幣処理機の紙幣入金口11に投入された紙幣の入金処理を中止する場合に、紙幣一時貯留ユニット27の汚損紙幣一時貯留ボックス28、第一の紙幣一時貯留ボックス27a、第二の紙幣一時貯留ボックス27b、第三の紙幣一時貯留ボックス27cおよび第四の紙幣一時貯留ボックス27d内に一時的に貯留されていた紙幣を回収可能に構成されているが、紙幣一時貯留ユニット27を、紙幣処理機から取り出し可能に構成することは必ずしも必要でなく、紙幣一時貯留ユニット27の汚損紙幣一時貯留ボックス28、第一の紙幣一時貯留ボックス27a、第二の紙幣一時貯留ボックス27b、第三の紙幣一時貯留ボックス27cおよび第四の紙幣一時貯留ボックス27d内に一時的に貯留されていた紙幣を繰り出して、紙幣返却口13に送り返す機構を設けて、紙幣処理機の紙幣入金口11に投入された紙幣の入金処理を中止するときに、紙幣一時貯留ユニット27の汚損紙幣一時貯留ボックス28、第一の紙幣一時貯留ボックス27a、第二の紙幣一時貯留ボックス27b、第三の紙幣一時貯留ボックス27cおよび第四の紙幣一時貯留ボックス27d内に一時的に貯留されていた紙幣を、紙幣返却口13に返却可能に構成し、紙幣一時貯留ユニット27を紙幣処理機に固定するように構成することもできる。
また、図4および図5に示された実施態様においては、紙幣判別部110によって検出されたデータに基づいて、CPU150は、紙幣が、真正でかつ現に流通している紙幣であるか否か、紙幣が真正でかつ現に流通している紙幣である場合には、その金種、紙幣が、1枚ずつ、搬送されているか否か、紙幣の表裏ならびに紙幣が、その短辺が紙幣の搬送方向と平行になるように搬送されているかを判別するように構成され、紙幣処理機は、紙幣の表裏を反転させる表裏反転搬送路16を備えているが、CPU150が、紙幣判別部110によって検出されたデータに基づいて、紙幣の表裏を判別し、紙幣処理機が、紙幣の表裏を反転させる表裏反転搬送路116を備えていることは必ずしも必要でない。
さらに、図4および図5に示された実施態様においては、紙幣処理機は、紙幣入金口102にセットされた紙幣から、オペレータが指定した金種の紙幣を選別し、所定枚数の選別した紙幣を重ね合わせて、紙幣束を生成し、生成された所定枚数の紙幣を含む紙幣束に結束テープTを巻回して、帯封処理が施された紙幣束を生成する専用の紙幣帯封機として構成されているが、紙幣処理機が専用の紙幣帯封機として構成されていることは必ずしも必要でなく、さらに、紙幣を入金して、金種別に収納し、必要に応じて、出金する紙幣入出金機構を備えていてもよい。たとえば、紙幣処理機に、紙幣を投入する紙幣入金口を備え、紙幣入金口に投入された紙幣を判別して、現に流通している真正な紙幣を、金種別に、複数の紙幣収納ボックス内に収納し、必要に応じて、出金するように構成された紙幣入出金機構を設け、紙幣入出金機構の複数の紙幣収納ボックスのいずれかに収納された紙幣を、1枚ずつ、繰り出して、所定枚数の紙幣を重ね合わせ、生成された所定枚数の紙幣を含む紙幣束に結束テープTを巻回して、帯封処理が施された紙幣束を生成するように、紙幣処理機を構成することもできる。
また、図4および図5に示された実施態様においては、一対の挟持部材131a、131bによって挟持された集積紙幣の略中央部に、結束テープTを巻き付けて、紙幣束を生成するのに先立って、RFIDライター135によって、結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップあるいは結束テープTに貼付されたラベルに一体的に形成されたインレット内のICチップに、生成されるべき紙幣束に含まれる紙幣の金種データ、IDデータなどの紙幣束を構成する紙幣に関するRFIDデータならびに金融機関名、支店名、紙幣処理機のIDデータ、オペレータの名前、帯封処理を実行する日時などの帯封処理に関するRFIDデータを書き込むように構成されているが、結束テープTを巻き付けて、紙幣束を生成するのに先立って、結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップあるいは結束テープTに貼付されたラベルに一体的に形成されたインレット内のICチップに、生成されるべき紙幣束に含まれる紙幣の金種データ、IDデータなどの紙幣束を構成する紙幣に関するRFIDデータならびに金融機関名、支店名、紙幣処理機のIDデータ、オペレータの名前、帯封処理を実行する日時などの帯封処理に関するRFIDデータを書き込むことは必ずしも必要でなく、一対の挟持部材131a、131bによって挟持された集積紙幣の略中央部に、結束テープTを巻き付けて、紙幣束を生成した後に、結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップあるいは結束テープTに貼付されたラベルに一体的に形成されたインレット内のICチップに、生成されるべき紙幣束に含まれる紙幣の金種データ、IDデータなどの紙幣束を構成する紙幣に関するRFIDデータならびに金融機関名、支店名、紙幣処理機のIDデータ、オペレータの名前、帯封処理を実行する日時などの帯封処理に関するRFIDデータを書き込むようにすることもできる。
さらに、図4および図5に示された実施態様においては、CPU150が、紙幣束を生成する権限を有する金融機関が共同管理する中央管理サーバ155に接続され、帯封処理部131が、集積紙幣に結束テープTを巻き付けて、紙幣束を生成するときに、結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップあるいは結束テープTに貼付されたラベルに一体的に形成されたインレット内のICチップに書き込んだ帯封処理に関するRFIDデータが、中央管理サーバ155に出力されて、格納されるように構成されているが、帯封が付された紙幣束が、紙幣束に帯封処理を施す権限を有する機関によって、真正に生成されたものか否かは、結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップあるいは結束テープTに貼付されたラベルに一体的に形成されたインレット内のICチップに書き込まれた紙幣束を構成する紙幣に関するRFIDデータと、紙幣束を構成している紙幣に一体的に形成されたインレット内のICチップに書き込まれている紙幣のIDデータ、金種データなどのRFIDデータを、RFIDリーダーによって読み取り、照合することにより判別することができるから、CPU150が、紙幣束を生成する権限を有する金融機関が共同管理する中央管理サーバ155に接続され、帯封処理部131が、集積紙幣に結束テープTを巻き付けて、紙幣束を生成するときに、結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップあるいは結束テープTに貼付されたラベルに一体的に形成されたインレット内のICチップに書き込んだ帯封処理に関するRFIDデータが、紙幣束を生成する権限を有する金融機関が共同管理する中央管理サーバ155に格納されるように構成されていることは必ずしも必要でない。
また、図4および図5に示された実施態様においては、紙幣帯封機構130の帯封処理部131およびRFIDライター135は、RFIDライター135によって、結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップあるいは結束テープTに貼付されたラベルに一体的に形成されたインレット内のICチップにRFIDデータを書き込む際に、RFIDライター135から発信される周波数の電波を遮蔽する材料によって形成されたケーシング136によって覆われているが、結束テープTに一体的に形成されたインレット内のICチップあるいは結束テープTに貼付されたラベルに一体的に形成されたインレット内のICチップに、あらかじめ、固有のIDデータが書き込まれ、ICチップが、書き込まれた固有のIDデータとともに、RFIDライター135から発信された電波以外は受信しないように構成されている場合には、紙幣帯封機構130の帯封処理部131およびRFIDライター135が、RFIDライター135から発信される周波数の電波を遮蔽する材料によって形成されたケーシング136によって覆われていることは必ずしも必要でない。
さらに、図4および図5に示された実施態様においては、紙幣入金口102にセットされた紙幣のうち、受け入れ可能ではあるが、その金種が、オペレータが指定した金種とは異なると判別された真正な紙幣および汚損レベルが所定レベルを超えた汚損紙幣を返却する第二の紙幣返却口105を設けているが、これらのオペレータが指定した金種とは異なると判別された真正な紙幣および汚損レベルが所定レベルを超えた汚損紙幣は、受け入れ不能と判別された紙幣と同様に、第一の紙幣返却口104から返却するように構成して、第二の紙幣返却口105を省略することもできる。
また、図4および図5に示された実施態様においては、単位紙幣束に巻回された結束テープTには、結束テープ用の紙を抄く際に、結束テープ用の紙にインレットを埋め込む方法、結束テープTにインレットを印刷する方法などによって、ICチップとアンテナを含むインレットが一体的に形成されているが、単位紙幣束に巻回された結束テープTに、ICチップとアンテナを含むインレットが一体的に形成されていることは必ずしも必要でなく、ICチップとアンテナを含むインレットが一体的に形成されたラベルを、結束テープTに貼り付けて、インレットを結束テープTに形成してもよい。