JP2008045919A - 位置検出装置、ブレ補正装置、レンズ鏡筒及び光学機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁気検出素子61を磁気発生部62と磁気発生部63との間に配置した。
【選択図】図3
Description
本発明の課題は、検出精度が向上した位置検出装置等を提供することである。
請求項1の発明は、磁石(62a、62b)を含む第1の磁気発生部(62)と、前記第1の磁気発生部の前記磁石に対向して配置された磁石(63a、63b)を含む第2の磁気発生部(63)と、前記第1の磁気発生部と前記第2の磁気発生部との間に配置され、前記第1の磁気発生部と前記第2の磁気発生部の配置方向と直交する検出方向に相対移動可能な磁気検出素子(61)とを備え、前記第1の磁気発生部に含まれる前記磁石のS極及びN極が、それぞれ前記第2の磁気発生部に含まれる前記磁石のN極及びS極に対向して配置されることを特徴とする位置検出装置(60)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の位置検出装置において、前記磁気検出素子(61)と前記第1の磁気発生部(62)との距離、及び、前記磁気検出素子と前記第2の磁気発生部(63)との距離が略同じあることを特徴とする位置検出装置である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の位置検出装置において、前記第1の磁気発生部(62)及び前記第2の磁気発生部(63)に含まれる磁石(62a、62b、63a、63b)は、その磁気的性質が略同じであることを特徴とする位置検出装置(60)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の位置検出装置において、前記第1の磁気発生部(62)及び前記第2の磁気発生部(63)は、ヨーク(64、65)を備えることを特徴とする位置検出装置である。
請求項7の発明は、請求項6に記載のブレ補正装置(10)を含むことを特徴とするレンズ鏡筒(1)である。
請求項8の発明は、請求項6に記載のブレ補正装置(10)を含むことを特徴とする光学機器(100)である。
なお、符号を付して説明した構成は適宜変更してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態をあげて、さらに詳しく説明する。なお、以下の実施形態は、位置検出装置を備えた光学機器として、カメラシステムを例にとって説明する。
図1は、実施形態のカメラシステムの構成を示す斜視図である。
図2は、図1のカメラシステムに備えられたブレ補正装置を示す図であり、(a)は、ブレ補正装置を光軸方向対物側から見た平面図を示し、(b)は、図2(a)のb−b部矢視断面図を示している。
交換レンズ1は、全体的な形状が円筒形状とされ、光軸方向像側の端部がマウント部1aを介してカメラ本体2に対して着脱可能に固定されている。
交換レンズ1は、ブレ補正装置10を備えている。
このブレ補正装置10は、ブレ補正レンズ20、基部30、可動レンズ枠40、ボイスコイルモータ50(VCM50)、位置検出装置60を含んでいる。
ここで、以下説明するブレ補正装置10に備えられた各要素の配置は、可動レンズ枠40が基部30に対してセンタリングされた状態を基準として説明する。また、可動レンズ枠40がセンタリングされた状態とは、ブレ補正レンズ20の光軸がこのレンズ鏡筒1に備えられた図示しない他のレンズ群の光軸Zと実質的に一致した状態を指すものとする。
基部30は、図2に示すように、本体部31、支持部32及び蓋部33を備えている(蓋部33は、図2(a)において図示を省略する)。
本体部31は、円環状の部材であり、その中心軸線が光軸Zと略一致した状態で配置されている。
蓋部33は、光軸方向から見た平面形が略円形の板材であり、本体部31の光軸方向対物側の端部に装着されている。この蓋部33は、その中央部に、略円形の開口部を備えている。この開口部は、ブレ補正レンズ20に入射する像光の光路を遮らないようにするためのものである。
可動レンズ枠40は、その中央部に開口部を備えた円盤状の部材であり、基部30の本体部31の内径側に挿入されている。前述のブレ補正レンズ20は、この可動レンズ枠40の中央部に装着されている。
以下、VCM50、後述する位置検出装置60及びこれらに含まれる各要素について、X軸方向用のものに記号xを、Y軸方向用のものに記号yを付して説明する。また、VCM50、位置検出装置60は、X軸方向用のものとY軸方向用のものの構成が実質的に同一であるので、ここではそれぞれX軸方向用のもの(VCM50x、位置検出装置60x)についてのみ説明する。
コイル51xは、可動レンズ枠40に固定された電気巻線子である。
マグネット52xは、コイル51xに対向した状態で基部30の支持部32に固定された永久磁石である。
ヨーク53xは、板状の磁性体であり、マグネット52xと支持部32との間に配置されている。ヨーク54xもヨーク53xと同様な板状の磁性体であり、蓋部33におけるコイル51xに対向する位置に固定されている。
これらの位置検出部60のうち、位置検出装置60xは、ブレ補正レンズ20を挟んでVCM50xの反対側に配置され、位置検出装置60yは、ブレ補正レンズ20を挟んでVCM50yの反対側に配置されている(図1参照)。
ホール素子61xは、可動レンズ枠40に固定された公知の磁気センサである。
磁気発生部62xは、ホール素子61xに対向した状態で基部30の支持部32に固定されている。
磁気発生部63xは、ホール素子61xに対向した状態で基部30の蓋部33に固定されている。
図3は、図2に示すブレ補正装置に備えられた位置検出装置の構成を示す模式図である。
また、図3(a)は、磁気発生部62x及びホール素子61xをZ軸(光軸)方向対物側から見た平面図を示し、図3(b)は、位置検出装置60xをY軸方向から見た側面図である。
磁気発生部62xは、第1のマグネット62a、第2のマグネット62b、無磁極部62cを備えている。
第1のマグネット62aは、光軸(Z軸)方向の像側から対物側に向けて、S極とN極とがこの順番で配列された永久磁石である。
第2のマグネット62bは、第1のマグネット62aに対しX軸方向に沿って所定の間隔を隔てて配置されている。この第2のマグネット62bは、光軸方向の像側から対物側に向けて、N極とS極とがこの順番で配列された永久磁石である。
この無磁極部62cは、非磁性のものであればその材料が特に限定されず、例えば、合成樹脂材料やガラス等によって形成することができる。また、第1のマグネット62aと第2のマグネット62bとを離間させて、これらの間に空間部を形成し、この空間部を無磁極部として機能させてもよい。
第3のマグネット63aは、第1のマグネット62aに対向して配置された永久磁石である。この第3のマグネット63aは、光軸(Z軸)方向の像側から対物側に向けて、S極とN極とがこの順番で配列されている。
第4のマグネット63bは、第2のマグネット62bに対向して配置された永久磁石であり、第3のマグネット63aに対しX軸方向に沿って所定の間隔を隔てて配置されている。この第4のマグネット63bは、光軸方向の像側から対物側に向けて、N極とS極とがこの順番で配列されている。
以上説明した第1のマグネット62a、第2のマグネット62b、第3のマグネット63a及び第4のマグネット63bは、その磁気的性質が略同じとなっている。
無磁極部63cは、第3のマグネット63aと第4のマグネット63bとの間に配置され、無磁極部62cと同様に機能するものである。
FPC66xは、可動レンズ枠40における支持部32に対向する面部に貼付されている。前述のホール素子61xは、このFPC66xにマウントされており、FPC66xを介してレンズ鏡筒1に設けられた図示しないCPUに対して信号を出力するようになっている。
また、ホール素子61xは、可動レンズ枠40がセンタリングされた状態において、無磁極部62cと無磁極部63cとの間に配置されている。以下、このときのホール素子61xの位置を初期位置と称して説明する。
ブレ補正装置10は、ブレ検出センサ4の出力に基づいて、不図示のCPUがブレ補正レンズ20の駆動方向及び駆動量を算出するとともに、その算出結果に従ってVCM50を制御してブレ補正レンズ20を駆動する公知の像ブレの補正制御を行うようになっている。
図4は、比較形態の位置検出装置を示す図であり、実施形態の位置検出装置を示す図3に対応する図である。
比較形態の位置検出装置160は、実施形態の位置検出装置60における磁気発生部63に相当するものを備えていない。したがって、ホール素子61は、支持部32に固定された磁気発生部62のマグネット62a、62bによって形成される磁場の磁束密度のみを検出する。
また、図5から図7において(a)のグラフは、実施形態の位置検出装置60の出力を示し、(b)のグラフは、比較形態の位置検出装置160の出力を示している。
この図5から図7に示す各グラフにおいて、横軸は、ホール素子61がセンタリングされた状態をゼロとしたときのホール素子61の検出方向(位置検出装置60xはX軸方向、位置検出装置60yはY軸方向)における位置を示し、縦軸は、ホール素子61の出力である磁束密度を示している。
ここで、これらの図5から図7に示すグラフにおいて、符号Aによって示す線はホール素子61の出力を示すデータであり、符号Bによって示す線は、検出方向の位置が−0.3mmから0.3mmまでの領域におけるホール素子61の出力を最小自乗法によって近似的に直線化して示したもの(近似直線)である。
具体的に説明すると、図6(b)に示すギャップが1.0mmのときのグラフにおける近似直線Bの傾きは、約176(mT/mm)である。これに対し、ギャップが、例えば、20%減少、増加して、0.8mm、1.2mmとなった場合、図6(b)、図7(b)に示すように、近似直線Bの傾きは、それぞれ約207(mT/mm)、約145(mT/mm)となる。
このように、比較形態の位置検出装置160は、ホール素子61と磁気発生部62とのギャップが変化するとその特性が変化するので、ホール素子61と磁気発生部62とのギャップが常に一定となるように、ブレ補正装置160を精度よく製造する必要がある。
具体的に説明すると、図6(a)に示すギャップが1.0mmのときのグラフにおける近似直線Bの傾きは、約360(mT/mm)である。そして、ギャップが、例えば、20%減少、増加して、0.8mm、1.2mmとなった場合の近似直線Bの傾きも、図6(a)、図7(a)に示すように、それぞれ約360(mT/mm)である。
また、ホール素子61と磁気発生部62とのギャップの変化が許容されるので、位置検出装置60の出力を処理するCPU等の信号処理回路の構成を簡単にすることができる。
そして、位置検出装置60、160は、ホール素子61の出力がリニアに変化する領域において、その傾きが大きくなれば、磁束密度の変化に対する検出方向の位置の変化量が減少するので、SN比を向上することができ、これによって、外来磁気ノイズやホール素子の熱ノイズ等の影響を低減できる。
したがって、実施形態の位置検出装置60は、比較形態の位置検出装置160に比べ、SN比が約2倍向上しており、より高精度の位置検出が可能となる。
図8から図10は、実施形態及び比較形態の位置検出装置における位置検出誤差量を示すグラフである。
この図8から図10において、(a)は、実施形態の位置検出装置60の出力を、(b)は、比較形態の位置検出装置160の出力をそれぞれ示している。
また、図8から図10は、ホール素子61と磁気発生部62との距離(ギャップ)がそれぞれ、例えば、1.0m、0.8mm、1.2mmの場合を示している。
さらに、図8から図10に示す各グラフにおいて、横軸は、ホール素子61が初期位置にある状態をゼロとしたときのホール素子61の検出方向における位置を示し、縦軸は、位置検出誤差量を示している。この位置検出誤差量は、図5から図8に示される最小自乗法によって得られた近似直線Bとホール素子61の出力を示す曲線Aとの差から求められる。
特に、図9(b)に示すようにギャップが0.8mmの場合、ホール素子61の位置が初期位置(ゼロ点)から、例えば、±0.6mm程度移動した位置であっても、その位置検出誤差量は、ギャップが1.0mmのときと比べて著しく大きくなる。
例えば、図9(a)に示す、ホール素子61と磁気発生部62とのギャップが0.8mmのときの位置検出誤差量は、ホール素子61の位置が初期位置から、例えば、±0.6mm程度移動した位置であっても、約10μm程度である。
このように、実施形態の位置検出装置60は、ホール素子61と磁気発生部62とのギャップが変化した場合であって、かつ、ホール素子61が初期位置から変位した状態にあっても、位置検出誤差量が小さく、高精度の位置検出が可能である。
(1)第1のマグネット62aと第2のマグネット62bとの間、及び、第3のマグネット63aと第4のマグネット63bとの間に無磁極部62c、63cを配置したから、ホール素子61の出力がリニアに変化する領域を広くすることができる。したがって、位置検出装置60は、高精度の位置検出ができる範囲が広い。
(2)第1の磁気発生部62とホール素子61との距離、及び、第2の磁気発生部63とホール素子61との距離を略同じとし、かつ、第1の磁気発生部62及び第2の磁気発生部63に含まれるマグネットの磁気的性質を略同じとしたから、ホール素子61の出力が安定し、より高精度の位置検出が可能となる。
(3)第1の磁気発生部62及び第2の磁気発生部63にヨーク64、65を配置して磁束の漏洩を防止したから、マグネットを小型化でき、位置検出装置60を小型化できる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)本発明の位置検出装置、ブレ補正装置、レンズ鏡筒及び光学機器の構成は、実施形態に記載したものに限らず適宜変更が可能である。例えば、実施形態の磁気発生部は、2つのマグネットの間に無磁極部が配置されていたが、無磁極部がなくてもよい。また、ホール素子とマグネットとの距離も実施形態に記載したものに限らず、適宜変更が可能である。
(2)実施形態のブレ補正装置は、ブレ補正レンズを光軸に垂直な平面内で移動させるものであったが、これに限らず、例えば、CCD等の撮像素子を移動させるものであってもよい。
(3)実施形態の光学機器は、カメラシステムであったが、光学機器は、これに限らず、例えば、動画を撮影するムービーカメラや双眼鏡であってもよい。
Claims (8)
- 磁石を含む第1の磁気発生部と、
前記第1の磁気発生部の前記磁石に対向して配置された磁石を含む第2の磁気発生部と、
前記第1の磁気発生部と前記第2の磁気発生部との間に配置され、前記第1の磁気発生部と前記第2の磁気発生部の配置方向と直交する検出方向に相対移動可能な磁気検出素子と
を備え、
前記第1の磁気発生部に含まれる前記磁石のS極及びN極が、それぞれ前記第2の磁気発生部に含まれる前記磁石のN極及びS極に対向して配置されること
を特徴とする位置検出装置。 - 請求項1に記載の位置検出装置において、
前記第1の磁気発生部及び前記第2の磁気発生部は、それぞれ少なくともふたつの磁石を含み、前記対向して配置された前記S極と前記N極との間にそれぞれ無磁極部を備えること
を特徴とする位置検出装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の位置検出装置において、
前記磁気検出素子と前記第1の磁気発生部との距離、及び、前記磁気検出素子と前記第2の磁気発生部との距離が略同じあること
を特徴とする位置検出装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の位置検出装置において、
前記第1の磁気発生部及び前記第2の磁気発生部に含まれる磁石は、その磁気的性質が略同じであること
を特徴とする位置検出装置。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の位置検出装置において、
前記第1の磁気発生部及び前記第2の磁気発生部は、ヨークを備えること
を特徴とする位置検出装置。 - ブレを検出するブレ検出部と
前記ブレを補正するブレ補正光学系と、
前記ブレ検出部で検出された前記ブレに応じて前記ブレ補正光学系を駆動する駆動部と、
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の位置検出装置とを備え、
前記磁気検出素子が前記ブレ補正光学系に設けられたこと
を特徴とするブレ補正装置。 - 請求項6に記載のブレ補正装置を含むこと
を特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項6に記載のブレ補正装置を含むこと
を特徴とする光学機器。
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