JP2008045184A - 焼入れ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】上部センタを支持する昇降台をラムにクランプする。
【解決手段】コラムに沿って上下動するラム4下端側に棒状のワーク下端を支持する回動可能な下部センタを設け、下部センタ上方でワーク上端を支持する上部センタを設けた昇降台22をラム4に上下摺動自在に取付け、上部及び下部センタ間にワークを介装支持すると共に、ワークの同心円上に誘導加熱コイルを外装配置する焼入れ装置において、昇降台22はラム4へのクランプ手段23を設けて成り、クランプ手段23は、昇降台22におけるラム4との摺動板25と、ラム4において摺動板25の軌道24上に沿って設けた断面C型の溝32に上下摺動自在に装着した駒片33と、基端にクランプハンドル34を設けると共に、中間部に摺動板25に当接する大径段部35aを設け、大径段部35aから同軸上に延出して摺動板25を遊貫する小径軸部35bの先端を溝32の開口部32aを通して駒片33に螺着したクランプロッド35とから構成する。
【選択図】図5

Description

本発明は、誘導加熱コイルを用いてワークを焼入れする焼入れ装置に関する。
従来、特許文献1に開示される焼入れ装置では、直立したコラムに上下動自在にラムを取付け、該ラムには、下部に棒状のワーク下端を支持する回動可能な下部センタを設けると共に、該下部センタの上方でワーク上端を支持する上部センタを設けた昇降台を設けて成り、昇降台の上下位置を調整して上部及び下部センタ間にワークを挟持し、ラムを上動又は下動させて、ワークの周囲に同軸に外装配置された誘導加熱コイル内を通過させて焼入れする様に成している。
特開2000−87134号公報(図1)
しかしながら、上記構成の焼入れ装置にあっては、ラムに対し昇降台が上下動自在に取付けられているだけのため、経時的使用により昇降台に取り付けられたリニアガイド、該リニアガイドを装着しているリニアレールが摩耗すると、昇降台がガタつき易く、昇降台の安定性が損なわれる。
その結果、上部及び下部センタ間にワークを挟持して下部センタを回転させると、ワークの軸芯が回転軸よりずれた状態で回転するため、ワークに焼きむらを生じ、不良率が高くなる課題を有していた。
本発明は、上記課題に鑑み、コラムに沿って上下動するラムの下端側に棒状のワーク下端を支持する回動可能な下部センタを設け、該回転テーブル上方でワーク上端を支持する上部センタを設けた昇降台をラムに上下摺動自在に取付け、上部及び下部センタ間にワークを介装支持すると共に、該ワークの同心円上に誘導加熱コイルを外装配置する焼入れ装置において、前記昇降台は、ラムへのクランプ手段を設けて成り、該クランプ手段は、昇降台におけるラムとの摺動板と、ラムにおいて摺動板の軌道上に沿って設けた断面C型の溝に上下摺動自在に装着した駒片と、基端にクランプハンドルを設けると共に、中間部に摺動板に当接する大径段部を設け、該大径段部から同軸上に延出して摺動板を遊貫する小径軸部の先端を前記溝の開口部を通して前記駒片に螺着したクランプロッドとから構成することを特徴とする。
要するに本発明は、昇降台に設けたラムへのクランプ手段を、昇降台におけるラムとの摺動板と、ラムにおいて摺動板の軌道上に沿って設けた断面C型の溝に上下摺動自在に装着した駒片と、基端にクランプハンドルを設けると共に、中間部に摺動板に当接する大径段部を設け、該大径段部から同軸上に延出して摺動板を遊貫する小径軸部の先端を前記溝の開口部を通して前記駒片に螺着したクランプロッドとから構成することにより、棒状のワークを上部及び下部センタ間に介装支持した後に、クランプハンドルの回動操作でクランプロッドが駒片を締め付ける様に回転させ、駒片と摺動板の夫々がラムの内外からラムを圧接してクランプし、かかるクランプ位置で昇降台をラムに一体的に固定せることができる。
よって、本発明によれば、経時的使用により昇降台に取り付けられたリニアガイド、該リニアガイドを装着しているリニアレールが摩耗しても、上記の様に昇降台を安定した状態でラムに確実堅固に一体固定できるため、上部センタと下部センタを同一の中心軸線上に確実に配置して、上部及び下部センタ間にワークを前記軸線上に介装支持でき、下部センタの回転時において、上部センタを支持している昇降台がガタつくことが無くなるので、ワークを芯ずれさせることなく正確に回転させて誘導加熱コイルによる良好な焼入れを可能とし、ワークの回転不良による不良品の発生を阻止できる等その実用的効果甚だ大である。
以下本発明の実施の形態としての実施例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る焼入れ装置の一部省略正面図、図2はワークをセットした焼入れ装置の側面図、図3は図1の要部拡大図、図4は図2の一部を破断した要部拡大図、図5は図3のAーA断面図である。
この焼入れ装置は、主に電動工具に使用されるシャフト等の棒状のワークWの外周面を誘導加熱コイル1にて焼入れする装置であり、該焼入れ装置は、ワークWを垂直に支持して誘導加熱コイル1の環状部内の中心軸線上を上下に通過させる本体2と、該本体2と別設されて誘導加熱コイル1を装備した高周波発生装置(図示せず)とから主に構成されている。
本体2はベース板上にコラム3を立設し、該コラム3正面には、該コラム3に沿って上下動するラム4を取付けている。
コラム3は、縦長な略四角筒状に形成されると共に、その上端には正面側へ廂状に突出した天盤5を配置し、コラム3正面の左右側縁には、その高さ方向に渡って突設した帯板6の突端面に沿って案内レール7を配設している。
ラム4は、コラム3より短尺な高さを有する縦長な略四角筒状に形成され、その背板4aのみをコラム3の横幅より拡幅形成し、ラム4上端には、背板4aと同幅な横幅を有すると共に、ラム4より長い前後幅を有する方形状の天盤8を配置している。
そして、上記背板4a後面の左右側の上下にスライダ9を突設し、該スライダ9をコラム3の案内レール7に上下摺動自在に装着している。
背板4aより後方へ突出しているラム天盤8の後部中央には送りナット10を設け、該送りナット10をコラム天盤5上における廂部よりこれを貫通して垂下した上下送りねじ11に装着している。
上下送りねじ11は、コラム天盤5に設けたラム駆動モータ12とベルト伝動により連繋されてラム駆動モータ12により駆動され、送りナット10を上下動させることで案内レール7に沿ってラム4を上下動させる。
尚、ラム天盤8の左右の夫れは、コラム3上方に適宜に取付けられたスプロケット13に巻回されたチェーン14を介してコラム3内部に配した釣合い錘15に連結している。
ラム4の正面下端には、前方へ長い略箱型の支持台16を突設しており、該支持台16は、その背面側が開放され、かかる開放部に対応してラム4の下端正面を開口形成し、ラム4の内部と支持台16の内部を連通している。
支持台16の上面には、ワークWの下端を支持する2基の下部センタ17を設けている。
下部センタ17は、円柱状に形成された回転テーブル18において、その上面中心に凹設された円形穴であり、回転テーブル18は支持台16の上面に前後の夫々に回動可能に設置されている。
回転テーブル18の下部中心には、支持台16内部に突入する回転軸18aを垂設し、該回転軸18aの夫々と、ラム天盤8上の略中央に設けたテーブル駆動モータ19からラム天盤8を貫通突出してラム4内部を挿通した駆動軸19aとをベルト伝動により連繋し、テーブル駆動モータ19の作動で各回転テーブル18を同一方向に回動させる。
ラム4の正面には、各下部センタ17の上方でワークW上端を支持する上部センタ20を下端に形成した2本の支持棒21を回転自在にして且つ上下動自在に貫通して設けた昇降台22を、支持台16上方でこれと平行に上下動自在に取付け、昇降台22にはラム4へのクランプ手段23を設けている。
この昇降台22は、ラム4正面中央においてその上部から支持台16上方に渡って断面凸状に突設した軌道24にスライド自在に装着した断面凹状の摺動板25を背部に設けると共に、該摺動板25の下端に前方へ長い略箱型のセンタ保持部26を突設している。
昇降台22の背部側は、四角枠状の昇降フレーム27に囲繞されており、該昇降フレーム27において、その上下横枠材27a、27bの夫々は摺動板25の上下端面を当接固定し、左右縦枠材27c、27dは摺動板25の左右側縁に対し平行に離間配置している。
昇降フレーム27背部の上下の夫々にはリニアガイド28を突設し、該リニアガイド28は、ラム4の左右側面の前方にラム4の上端から支持台16の上方近傍に渡って突設したリニアレール29に摺動自在に装着している。
昇降台22と右側縦枠材27dとの間隙に対応する上下横枠材27a、27bの右側には、昇降台22用の送りねじ30を螺合している。
送りねじ30の上端は、ラム天盤8における前方突出部を貫通すると共に、ラム天盤8上の適所に設置した昇降台駆動モータ31とベルト伝動により連繋され、昇降台駆動モータ31により駆動する送りねじ30が、昇降フレーム27を上下動させることでリニアレール29に沿って昇降台22を上下動させる。
クランプ手段23は、昇降台22におけるラム4との摺動板25と、ラム4において摺動板25の軌道24上に沿って設けた断面C型の溝32に上下摺動自在に装着したT字ナットからなる駒片33と、クランプハンドル34を基端に設けると共に、中間部に摺動板25の正面上方に当接する大径段部35aを設け、該大径段部35aから同軸上に延出して摺動板25を遊貫する小径軸部35bの先端を溝32の開口部32aを通して駒片33に螺着したクランプロッド35とから主に構成される。
クランプハンドル34は棒状材から成り、その基端に締結具34aを設け、該締結具34aにクランプロッド35の基端を挿入して締結固定することにより、クランプロッド35の基端に直角に一体的に突出固定される。
そして、図示例では、クランプハンドル34を図1において左側に傾けることで、クランプロッド35が駒片33を締め付ける様に回転し、これにより駒片33と摺動板25の夫々がラム4の内外からラム4を圧接してクランプし、昇降台22をラム4の適宜上下位置に固定する。
又、クランプハンドル34を図1において右側に傾けることにて、クランプロッド35が駒片33を緩める様に回転し、これにより駒片33と摺動板25のラム4に対する上記圧接を解除し、ラム4に対するクランプ状態が解除され、昇降台22を上下動可能な状態と成している。
昇降フレーム27の左右縦枠材27c、27d正面の夫々には、近接センサ36、36a を取付けており、左側の近接センサ36はクランプハンドル34を上記の様に左側に傾けた状態を検出すると、その検出信号を各種モータ12、19、31を電気的に接続した制御装置(図示せず)に入力し、テーブル駆動モータ19を起動可能状態と成す様に設定している。
又、右側の近接センサ36aはクランプハンドル34を上記の様に右側に傾けた状態を検出すると、その検出信号を制御装置に入力し、昇降台駆動モータ31を起動可能状態と成す様に設定している。
尚、本実施例では、クランプロッド35における小径軸部35bの先端に駒片33に螺着する左螺子を形成したものを示したが、該左螺子を右螺子と成しても良く、この場合クランプハンドル34の操作は左右逆転し、左右の近接センサ36、36aも上記と逆に設定される。
昇降台22(センタ保持部26)に設けた支持棒21にあっては、その上端に支持棒21の外径より大径な頭部21aを設けると共に、該頭部21aより所定距離下方には、一条の突条21bを周設している。
又、センタ保持部26上において、前後の支持棒21間には、両支持棒21を所定ストローク上下動させるシリンダ37を設けている。
このシリンダ37は、そのロッドの先端を上方に指向させると共に、該ロッド先端には前後の支持棒21へ延びる略帯状の受承板38を固定している。
そして、受承板38の前後端部の夫々には、前後端縁が開放された略U字状の切欠を設け、該切欠には、支持棒21の上方(頭部21aと突条21b間)を遊嵌している。
高周波発生装置は本体2に隣接配置され、これに装備された誘導加熱コイル1は、ワークWの外径より若干大きい内径を有するC型に形成され、上部及び下部センタ17、20間に支持されるワークWの同心円上に外装配置される様にラム4の左側又は右側から導入され、誘導加熱コイル1の図示しない両端に高周波電源(図示せず)から電力が供給される様に成している。
尚、高周波発生装置において、誘導加熱コイル1の近傍(図示例では下方)には、該誘導加熱コイル1と同軸の円環状の冷却箱39が配置され、該冷却箱39にはその内周壁に冷却液の噴射口を設け、該噴射口から噴射される冷却液で誘導加熱コイル1にて焼入れしたワークWの外周面を急冷する様に成している。
上記の様に構成された焼入れ装置の動作について以下説明する。
先ず、ワークWを上部及び下部センタ17、20間に介装支持するには、ラム駆動モータ12を作動してラム4を適宜位置へ上下動し、高周波発生装置の誘導加熱コイル1及び冷却箱39を下部センタ17の同心円上に配置する。
そして、クランプハンドル34を右側に傾倒させることで、クランプロッド35が駒片33を螺退方向へ移動させる様に回転するため、溝32におけるリップ部内側面32bに対する駒片33における腕部の圧接面33aが狭小間隔を以て離間し、これにより摺動板25のラム4正面に対する圧接面25aも狭小間隔を以て離間し、駒片33と摺動板25によるラム4へのクランプ状態が解除され、昇降台22を上下動可能な状態と成す。
かかる状態にあっては、クランプハンドル34の傾倒状態を右側の近接センサ36aが検出し、その検出信号が制御装置に入力されることで、昇降台駆動モータ31は起動可能状態と成り、該昇降台駆動モータ31を作動させることで、昇降フレーム27と共に昇降台22を上動又は下動させて、上部センタ20をこれと下部センタ17との間隔がワークWの長さより若干短い高さ位置へ配置させる。
続いて、シリンダ37のロッドを上動させて受承板38を介して支持棒21を上動させ、上部センタ20と下部センタ17との間隔をワークWの長さより広げ、下部センタ17内にワークW下端を配置して支持させると共に、シリンダ37のロッドを下限位置まで下動させると、受承板38で途中まで支持されていた支持棒21は、その下端の上部センタ20がワークW上端に当接する位置で留まり、頭部21aは受承板38から離間する。
受承板38の前後端縁の略U字状の切欠は支持棒21上方を遊嵌しているので、受承板38が頭部21aから離間すると、支持棒21は受承板38に未接触となり、その自重で以てワークWの上端を上部センタ20が押圧支持する。
この様に、上部及び下部センタ17、20間にワークWを支持した状態において、クランプハンドル34を左側に傾倒させる。
これにより、クランプロッド35が駒片33を螺進方向へ移動させる様に回転するため、駒片33の腕部の圧接面33aがこれに対峙する溝32のリップ部内側面32bを圧接すると共に、摺動板25の圧接面25aがこれのラム4正面における対峙面を圧接し、駒片33と摺動板25の間にラム4をクランプし、昇降台22をラム4に一体的に固定する。
かかる状態にあっては、クランプハンドル34の傾倒状態を左側の近接センサ36が検出し、その検出信号が制御装置に入力されることで、テーブル駆動モータ19は起動可能状態と成る。
次に、テーブル駆動モータ19により、回転テーブル18を回動させてワークWを回転させる。
この時、支持棒21(上部センタ20)は上記の様に回転自在でその自重でワークWの上端を支持しているだけのため、上部センタ20はワークW上端を支持しながらワークWと共に回転する。
テーブル駆動モータ19の駆動と共に、高周波電源から誘導加熱コイル1に通電することにより、該誘導加熱コイル1は、これの中心に位置対応するワークWの外周面を加熱する。
かかる状態では、上記の様にクランプ手段23によりラム4に対し昇降台22が固定状態にあるので、上部センタ20は、下部センタ17と同軸上に確実にして正確に位置し、回転テーブル18(下部センタ17)が回動しても、上部センタ20は下部センタ17の回転軸よりずれるとなくワークW上端を支持しながら回転するため、ワークWの軸芯は上部及び下部センタ17、20の回転軸よりずれることなく回転でき、誘導加熱コイル1に加熱されたワークWの外周面はムラなく均等に加熱される。
この加熱後、ラム駆動モータ12の作動にて駆動するラム4にてワークWの加熱された焼入れ部位を冷却箱39に位置対応させ、かかる焼入れ部位に冷却液を噴射することにより急冷して焼入れする。
この様にワークWを誘導加熱コイル1と冷却箱39に順次に配置する様に上動又は下動(図示例では下動)させ、ワークWの外周面をその全長に渡って繰り返し焼入れする。
焼入れ装置の一部省略正面図である。 ワークをセットした焼入れ装置の側面図である。 図1の要部拡大図である。 図2の一部を破断した要部拡大図である。 図3のAーA断面図である。
符号の説明
1 誘導加熱コイル
3 コラム
4 ラム
17 下部センタ
20 上部センタ
22 昇降台
23 クランプ手段
24 軌道
25 摺動板
32 溝
32a 開口部
33 駒片
34 クランプハンドル
35 クランプロッド
35a 大径段部
35b 小径軸部
W ワーク

Claims (1)

  1. コラムに沿って上下動するラムの下端側に棒状のワーク下端を支持する回動可能な下部センタを設け、該下部センタ上方でワーク上端を支持する上部センタを設けた昇降台をラムに上下摺動自在に取付け、上部及び下部センタ間にワークを介装支持すると共に、該ワークの同心円上に誘導加熱コイルを外装配置する焼入れ装置において、前記昇降台は、ラムへのクランプ手段を設けて成り、該クランプ手段は、昇降台におけるラムとの摺動板と、ラムにおいて摺動板の軌道上に沿って設けた断面C型の溝に上下摺動自在に装着した駒片と、基端にクランプハンドルを設けると共に、中間部に摺動板に当接する大径段部を設け、該大径段部から同軸上に延出して摺動板を遊貫する小径軸部の先端を前記溝の開口部を通して前記駒片に螺着したクランプロッドとから成ることを特徴とする焼入れ装置。
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