JP2008044485A - 車両用空調装置を搭載した車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用の空調装置AにCO冷媒を採用する場合に、その冷媒が流れる配管36,37の構造に工夫を凝らして、コスト高を招くことなく、前突時には従来よりも確実にCO冷媒の車室R2内への漏れを防止できるようにする。
【解決手段】ダッシュパネル2を貫通してエンジンルームR1に延びる冷媒配管36,37に、エンジンEの後方にてダッシュパネル2の前面から離間し、且つ前後方向にクランク状に屈曲する部位(脆弱構造部B)を設け、そのコーナ部36a〜36d,37a〜37dに大きな応力集中を生じて、亀裂等が生成するように構成する。脆弱構造部Bのコーナ部36a〜36d,37a〜37dには切り欠きや溝等を形成してもよい。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車両用の空調装置に関し、特にCO冷媒を採用した場合の配管の構造の技術分野に属する。
従来より車両用の空調装置では、車両に特有の事故による衝撃を考慮した構造が採用されており、例えば特許文献1のものでは、前突(前面衝突や前面のオフセット衝突)の際にエバポレータを所定方向に揺動させて、それが乗員へ接触することを防止するようにしている。
また、特許文献2に記載のように、冷媒としてCO(二酸化炭素)を採用した場合、通常の運転状態で5MPa以上の圧力が配管に作用するため、これを高剛性の材料にて構成する必要があるが、一方で衝突の際に配管が破損した場合には、冷媒が車室内に漏れ出すことになるため、同文献に記載のものでは乗員に不快感を与えることを防止するための工夫がなされている。すなわち、このものでは、エンジンルーム内の冷媒配管に電磁開閉弁を配設し、衝突時にエアバッグの作動信号を受けて前記電磁開閉弁を開くことにより、エンジンルームから車外へ冷媒を放出するようにしている。
特開平10−100655号公報 特開2004−351985号公報
しかし、前記後者の従来例のように衝突時に電磁開閉弁を開作動させるようにしたものでは、衝突の際の衝撃によって電磁開閉弁やコントローラが故障し、それを作動させることができない場合がある。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両用空調装置にCO冷媒を採用する場合に、その冷媒が流れる配管の構造に工夫を凝らして、前突時には従来よりも確実にCO冷媒の車室内への漏れを防止することにある。
前記目的を達成するために、本願の請求項1の発明は、エンジンルームと車室とを区画するダッシュパネルの車両後方側に空調装置の室内ユニットが配置され、その内部に収容されたエバポレータから車両前方に延びる冷媒配管が、前記ダッシュパネルを貫通してエンジンルームに至るよう設けられた車両において、前記空調装置がCO冷媒を用いるものである場合に、前記冷媒配管を、前突の発生時に前記エンジンルーム内において車室内よりも先に破損するように構成したものである。
そうして車両の前突時に冷媒配管が車室内よりも先にエンジンルーム内において破損すれば、この破損個所から漏れ出したCO冷媒はエンジンルームから車外へ排出されるので、それが車室内へ漏れることを防止でき、乗員に不快感を与えることがない。
具体的には、前記冷媒配管のエンジンルーム内に位置する部位に、車室内に位置する何れの部位よりも破損しやすい脆弱構造部を設ければよく(請求項2の発明)、こうすれば冷媒配管をまず、エンジンルーム内の脆弱構造部にて破損させることができる。
そのような脆弱構造部として好ましいのは、エンジンの車両後方にて冷媒配管をダッシュパネルの車両前面から離間させ、且つその離間距離が変化するように車両前後方向に屈曲させることである(請求項3の発明)。こうすれば、前突の際に大きな衝撃を受けてエンジンが後退すると、その後方の冷媒配管の屈曲部位にて応力集中を生じ、破損を生じ易い。一方で、衝撃が小さく、エンジンが後退しないような軽衝突ならば、そのエンジンの後方に位置する冷媒配管は破損せず、修理が容易である。
また、好ましいのは、前記冷媒配管を、エバポレータとの接続部位が車両正面視で脆弱構造部と重ならないように、ダッシュパネルよりも車両前方で屈曲させることである(請求項4の発明)。こうすれば、前突の際に大きな衝撃を受けてエンジンが後退するとき、冷媒配管は、その屈曲部がダッシュパネルと係合してそれ以上の後退を規制されることになるので、それよりも前方の屈曲部位に応力集中を生じ易い。
しかも、前記屈曲部位よりも後方の冷媒配管には衝撃が伝わり難くなるので、それが車室内にて破損することをより確実に防止できるとともに、冷媒配管に押されてエバポレータが後退することも防止でき、乗員の安全性が向上する。
前記冷媒配管は、ダッシュパネルを貫通する部位の近傍で当該ダッシュパネルの前面に固定してもよく(請求項5の発明)、このことによっても前記請求項4の発明と同様の作用が得られる。
より好ましいのは、前突の際にエバポレータの車両後方への移動を抑制する移動抑制手段を設けることである(請求項6の発明)。こうすれば、前突の際に大きな衝撃を受けてエンジンが後退し、冷媒配管を介してエバポレータを車体後方に押すことになっても、その後退は移動抑制手段によって抑制されるので、乗員の安全性が向上するとともに、冷媒配管には前後方向の荷重がしっかりと作用することになり、その脆弱構造部をより確実に破損させることができる。
以上のように、本発明によれば、CO冷媒を用いる車両用の空調装置において、室内ユニット内のエバポレータから車両前方に延びる冷媒配管のエンジンルーム内の部位に、例えば脆弱構造部を設けることによって、車両に前突が発生したときに冷媒配管を車室内よりも先にエンジンルーム内において破損させるようにしたので、この破損個所から車外へCO冷媒を排出することができ、それが車室内へ漏れることを防止して、乗員に不快感を与えないようにすることができる。
しかも、従来例(特許文献2)のもののように冷媒配管の途中に電磁開閉弁を追加する必要はなく、コスト高になり難い。
前記冷媒配管の脆弱構造部として具体的には、エンジンの車両後方にてダッシュパネルの車両前面から離間させつつ、車両前後方向に屈曲させるのが好ましく(請求項3の発明)、そのような脆弱構造部は車両正面視でエバポレータとの接続部位と重ならないように位置付けるのが好ましい(請求項4の発明)。
さらに、冷媒配管をダッシュパネルに固定したり(請求項5の発明)、エバポレータの車両後方への移動を抑制する手段を設けたり(請求項6の発明)することで、乗員の安全性が向上するとともに、冷媒配管をエンジンルーム内の脆弱構造部において、より確実に破損させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明に係る車両用空調装置Aが搭載された自動車(車両)のインストルメントパネル1を示し、このインストルメントパネル1は主に樹脂材により形成され、図2に示すように、エンジンルームR1と車室R2とを区画するダッシュパネル2の車両後方側(即ち車室R2側)に設けられている。図示の自動車は所謂左ハンドル車であり、左側に位置する運転席(図示せず)の前方にはステアリングホイール3が配設されている。尚、以下の説明において特に説明しない場合、「前方」「後方」及び「左側」「右側」は、それぞれ自動車の車体を基準としてその前方、後方及び左側、右側を意味する。
図1の如く、ステアリングホイール3の奥(前方)に位置するインストルメントパネル1の左寄りの部位には、速度メータ等を収容するクラスター4が配設され、車幅方向の中央部付近には空調装置Aの操作ダイヤル5,5,…が配設されている。また、その操作ダイヤル5,5,…の下方近傍から車室内方に向かって膨出するように形成されたコンソール部1aには、シフトレバー6の延びる変速操作部7が設けられる一方、操作ダイヤル5,5,…の上方には、図示しないが、オーディオやナビゲーション等が設置されるようになっている。
前記オーディオ等の設置スペースの左右両側に近接して、インストルメントパネル1には縦長のベンチレータ8,8が左右一対、設けられており、ここから車室R2の中央寄りに調和空気を吹き出すようになっている。また、それと同じ縦長のベンチレータ8,8がインストルメントパネル1の左右両端部にも設けられており、それぞれ車室R2の運転席側及び助手席側に調和空気を吹き出すようになっている。さらに、インストルメントパネル1の上面の最奥部(前端部)にはフロントウインド用のデフロスタ9,9,…が設けられている。
すなわち、前記インストルメントパネル1の内部における車幅方向の略中央部位には、空調装置Aの室内ユニット20が収容されており、図2に示すように、その上部に接続されたベントダクト10、デフロストダクト11を介して前記ベンチレータ8,8,…及びデフロスタ9,9,…に調和空気を送り出すようになっている。また、室内ユニット20の後部にはリヤダクト12が接続されており、これにより前席乗員の足下や後席乗員に向けて調和空気を送ることができる。
尚、この実施形態のインストルメントパネル1は、その内部を車幅方向に延びて左右両端がそれぞれ車体に支持された鋼製パイプからなる強度部材13(以下、インパネメンバと呼ぶ)を備えており、このインパネメンバ13が室内ユニット20を貫通している。
−室内ユニット−
図2に示すように、この実施形態の室内ユニット20は、樹脂製のケーシング21の内部に送風ファン22を収容し、これにより送り出した空気をエバポレータ23によって冷却したり、ヒータコア24によって加熱したりして、所要の温度及び湿度状態の調和空気を生成するものであって、インストルメントパネル1内の車幅方向の略中央部に送風ファン22、エバポレータ23及びヒータコア24が集約されていることから、フルセンタータイプと呼ばれる。
前記ケーシング21には、その上部前側にファンハウジングが形成されて、送風ファン22を軸心が車幅方向を向くようにして収容しており、その軸心方向の一側(右側)には車室R2内外の空気を切替えて導入するインテークボックス19が接続されている。また、送風ファン22の周りには吹き出した空気の流れを集合させて下方へ送る空気送り通路25が形成され、その下流端に空気流入面を臨ませて、前記エバポレータ23が配設されている。この例ではエバポレータ23は、それを空気流が前後方向に通過するよう、図示の如く車体側方から見て上下に延びるように配設されている。
前記エバポレータ23の下流側で空気流の経路は上下に分かれており、下方に向かう空気流を前記ヒータコア24に導く温風通路26と、該ヒータコア24をバイパスして上方に向かう冷風通路27とが形成されている。前記温風通路26は、エバポレータ23の後方で室内ユニット20を貫通するインパネメンバ13を回り込むようにJ字状に湾曲しており、そうして湾曲して上方に向かう箇所に前記ヒータコア24が配置されている。
そして、前記温風通路26及び冷風通路27の下流端(上端)は、それぞれ、ファンハウジングに隣接するケーシング21の上部後側に形成されたエアミックス空間28に連通している。すなわち、エアミックス空間28の下端(上流端)は、前記温風通路26及び冷風通路27の上端に繋がっており、そこには温風と冷風の混合割合を調整するエアミックスダンパ29が配設されている。
一方、エアミックス空間28の上部には、ベンチレータ8,8,…にベントダクト10を介して連通するベント導出口30と、デフロスタ9,9,…にデフロストダクト11を介して連通するデフロスト導出口31とが前後に並んで開口し、それら各導出口30,31には通路開口面積を調節可能な切換えドア32,33が配設されている。
さらに、エアミックス空間28の後側下部には、後方へ斜め下向きに延びる導出通路34が連通し、両者が繋がる部位にも通路開口面積を調節可能な切換えドア35が配設されている。導出通路34の下端はそこに接続されたリヤダクト12内の通路に連通しており、図の例ではリヤダクト12は、一旦、下方へ向かって延びた後に二股に分かれて、フロアトンネルの左右両側を後席側へ向かって延びている。また、図示しないが、導出通路34の左右両側にはそれぞれフットダクトが接続されている。
前記の如き構成の室内ユニット20において、送風ファン22により空気送り通路25に送られた空気は、図に仮想線の矢印で示すように流れ、まずエバポレータ23を通過することによって冷風になる。この冷風は、エアミックスダンパ29の回動位置によって決まる風量の分配割合に応じてヒータコア24(温風通路26側)と冷風通路27側とに分岐し、ヒータコア24に向かった冷風は該ヒータコア24を通過することによって温風になる。
そうして一旦、温風通路26及び冷風通路27に分かれた空気の流れは、それぞれ温風及び冷風になってエアミックス通路28で合流し、所要の温度及び湿度状態の調和空気となる。そして、乗員により設定される吹出しモードに応じて切換ドア32,33,35のそれぞれの開度が調整されることにより、調和空気がベント導出口30、デフロスト導出口31及び導出通路34の少なくとも1つからダクト10〜12を介して、車室R2へと供給されるようになる。
−冷媒配管−
前記のように構成された室内ユニット20のエバポレータ23から前方に延びるように冷媒配管36,37が配設されている。この実施形態ではエバポレータ23の右側に冷媒の流入タンク及び流出タンクが設けられていて、それぞれに対し冷媒の入口側配管36及び出口側配管37が接続されている。図3に透視平面視で模式的に示すように、冷媒配管36,37は、室内ユニット20のケーシング21の右側壁を貫通した後に前方へ折れ曲がって直線的に延び、ダッシュパネル2を貫通している。そして、エンジンEの後方で折れ曲がって右側に延びた後、今度は前方に折れ曲がり、エンジンEの右側を迂回してその前側に達している。
ここで、エンジンルームR1にはエンジンE及び変速機Tからなるパワープラントが、その長手方向(エンジンEのクランク軸の延びる方向)を車幅方向に向けて横置きに搭載され、その長手方向の両端部、即ちエンジンE側及び変速機T側の各端部にそれぞれ配設されたマウント(図示省略)により支持されている。図の例ではエンジンEの前後にそれぞれ吸気系e1及び排気系e2がレイアウトされるとともに、前側の上部右端に空調装置Aのコンプレッサ14が取り付けられている。
このコンプレッサ14は、エンジンEにより駆動されて冷媒を圧縮するものであり、前記した室内ユニット20のエバポレータ23の他、エンジンルームR1に配設されたレシーバ15やコンデンサ16等と共に冷媒回路を構成している。すなわち、コンプレッサ14から圧送される高温高圧の冷媒ガスはレシーバ15を経てコンデンサ16に至り、ここで冷却されて液化した後に入口側配管36を通ってエバポレータ23に供給され、蒸発する。そうしてエバポレータ23を通過する空気を冷却した後に、出口側配管37を通ってコンプレッサ14へと還流する。
ところで、近年、地球環境への配慮から車両用の空調装置でも冷媒としてCO(二酸化炭素)を採用する動きがあり、この実施形態の空調装置AもCO冷媒を採用している。CO冷媒はフロンガスに比べて高い動作圧を必要とするため(通常の空調運転時に5MPa以上)、冷媒配管36,37として従来一般的なアルミ合金のものは使用できず、より剛性の高い鋼管が用いられている。このため、例えば前突の際に大きな衝撃を受けてエンジンEが後退すると、冷媒配管36,37に高い強度で接続されているエバポレータ23には該配管36,37を介して従来よりも強い力が作用することになり、該エバポレータ23の後退を防止する上で不利になる。
また、そうして剛性の高い鋼管を用いていても、大きな衝撃を受ければ車室内、即ちダッシュパネル2よりも後方に位置する冷媒配管36,37やエバポレータ23が破損することもあり、こうなると、高圧のCO冷媒が車室R2内に大量に漏れ出すことになって、乗員に不快感を与える虞れがある。
そこで、この実施形態の空調装置Aでは、例えば冷媒配管36,37のエンジンルームR1内の部位に相対的に脆弱な構造の部分Bを設けることによって、前突時にはその冷媒配管36,37を車室R2内よりも先にエンジンルームR1内において破損させるようにしている。こうすれば、その破損個所から車外へ向けてCO冷媒を放出することができるとともに、冷媒配管36,37に押されてエバポレータ23が後退することを防止できる。
−脆弱構造部−
より具体的には図4に拡大して示すように、ダッシュパネル2を貫通して前方に延びる冷媒配管36,37は、エンジンEの排気系e2(図の例では排気マニホルド)の後方で一旦、右側に折れ曲がりダッシュパネル2の前面と並んで延びた後、後方に折れ曲がって直ぐに再び右側に折れ曲がるクランク状に形成されている。それから冷媒配管36,37は、再びダッシュパネル2の前面と並んで延び、今度は前方に折れ曲がってエンジンEの右側をその前側まで延びている。
そうしてクランク状に屈曲する冷媒配管36,37には、略90°のコーナ部36a〜36d,37a〜37dが4つ形成されており、前突の際に大きな衝撃を受けてエンジンEが後退するときには、図に仮想線で示すように前記クランク状の屈曲部位が変形するのに伴い、そのコーナ部36a〜36d,37a〜37dの少なくとも1つに大きな応力集中を生じて、亀裂等が発生することになる。つまり、この実施形態では4つのコーナ部36a〜36d,37a〜37dを有するクランク状の屈曲部位が脆弱構造部Bである。
ここで、前記のように冷媒配管36,37の脆弱構造部Bが変形する際に、その一部が後方のダッシュパネル2前面に当接すると、変形が途中で規制されることになるが、この実施形態では、図4の他、図2にも示すように、冷媒配管36,37とダッシュパネル2前面との間には比較的大きな間隔αが設けられているから、ダッシュパネル2の前面に当接するまでに脆弱構造部Bは十分に大きく変形し、確実に破損することになる。
また、エンジンEと共に後退する冷媒配管36,37に押されて、その後端に繋がっているエバポレータ23が後方へ移動すると、やはり前記のような脆弱構造部Bの変形が生じ難くなるが、この実施形態では室内ユニット20を貫通するインパネメンバ13がエバポレータ23の後退を規制することから、冷媒配管36,37の脆弱構造部Bに前後方向の荷重をがしっかりと作用させ、それをより確実に変形させることができる。
すなわち、前記図2、4に示すように、インパネメンバ13の前面とエバポレータ23の後面との間隔α’は、前記冷媒配管36,37とダッシュパネル2前面との間隔αよりも小さいから、インパネメンバ13との当接によってエバポレータ23の後退が阻止された後、冷媒配管36,37とダッシュパネル2との間には間隔α−α’が残ることになり、その分は必ず、冷媒配管36,37(脆弱構造部B)が変形することになるのである。
以上、要するに、前記冷媒配管36,37には、それをエンジンEの後方にてダッシュパネル2の前面から離間させ、且つその離間距離が変化するようクランク状に屈曲させてなる脆弱構造部Bが設けられているとともに、その冷媒配管36,37に押されてエバポレータ23が後退することを抑制するように、インパネメンバ13(移動抑制手段)が設けられているので、自動車の前突時には冷媒配管36,37に前後方向の荷重がしっかりと作用し、エンジンルームR1内の脆弱構造部Bにて破損するものである。
−効果−
したがって、この実施形態に係る車両用空調装置Aを搭載した自動車は、前突時に大きな衝撃を受けてエンジンEが後退すると、エンジンルームR1内において冷媒配管36,37が変形し、その脆弱構造部Bにおいて亀裂等の破損を生じる。この破損個所から漏れ出したCO冷媒はエンジンルームR1から車外へ排出されることになるので、それが車室R2内へ漏れることを防止でき、乗員に不快感を与えることがない。
その際、空調装置Aの室内ユニット20に収容されたエバポレータ23は、冷媒配管36,37を介して後方に押されることになるが、その後退はインパネメンバ13によって規制されるので、乗員の安全性が向上するとともに、冷媒配管36,37には前後方向の荷重がしっかりと作用させて、脆弱構造部Bをより確実に破損させることができる。
一方、前突時であってもその衝撃があまり大きくなく、エンジンEが後退しないような軽衝突であれば、該エンジンEの後方に位置する冷媒配管36,37の脆弱構造部Bには破損を生じ難く、それを交換等、する必要はない。よって、自動車の修理は比較的容易なものとなる。
加えて、この実施形態のように冷媒配管36,37をクランク状に屈曲させることで、脆弱構造部Bを設けることができるので、従来技術(特許文献2)のように電磁開閉弁を追加する必要はなく、コスト高になるきらいもない。
−変形例−
前記の実施形態において、上述の如く冷媒配管36,37をクランク状に屈曲させるだけでなく、その屈曲部位(脆弱構造部B)の各コーナ部36a〜36d,37a〜37dにそれぞれ切り欠きや溝等を形成して、さらに亀裂を生じ易くしてもよい。
また、図5(a)に示すように、冷媒配管36,37をダッシュパネル2の前面に沿って折り曲げ、その近傍にてダッシュパネル2の前面に固定するようにしてもよい。こうすれば、前突時にダッシュパネル2後方の冷媒配管36,37に伝わる衝撃が弱くなるので、それが車室R2内にて破損することをより確実に防止できる。また、エバポレータ23の後退をインパネメンバ13等によって規制しなくてもよい。
さらに、脆弱構造部Bとして前記実施形態のように冷媒配管36,37をクランク状に屈曲させることは必須の構成ではなく、例えば図5(b)に示すように、エンジンEを迂回する冷媒配管36,37のコーナ部に切り欠きや溝等の薄肉部36e,36f,37e,37fを形成して、亀裂等を生じ易くするだけでもよい。
さらにまた、例えば図6に示すように冷媒配管36,37をダッシュパネル2の前方で上下方向にも屈曲させ、その脆弱構造部Bを車両正面視ではエバポレータ23との接続部位と重ならないように位置付けることもできる。こうすれば、そうして上下方向に屈曲する部位が前突時にダッシュパネル2と係合することで、冷媒配管36,37の後退が規制されて、前記図5(a)の変形例と同様の効果が得られる。
また、前記実施形態では、図3、4に示すように冷媒配管36,37の後端部を折り曲げて、エバポレータ23の右側面に接続しているが、後端部を折り曲げずにエバポレータ23の前面に接続する構成としてもよい。これは、接続部における冷媒配管36,37の万一の破損を阻止する上で好ましい。
また、前記実施形態では、室内ユニット20を貫通するインパネメンバ13によって、前突時にエバポレータ23の後退を規制するようにしているが、これに限らず、例えば、インストルメントパネル1に連結されたブラケットや車体側からインストルメントパネル1後方に向けて延設された部材等を利用することもでき、さらには室内ユニット20に収容されているヒータコア24、或いは駆動用モータを含めたエアミックスダンパ29のユニット等によってエバポレータ23の後退を規制することも可能である。
以上、説明したように、本発明は、簡単な構成でコスト高を招くことなく、自動車の前突時に冷媒ガスが車室内へ漏れることを防止できるので、CO冷媒を採用した車両用の空調装置として好適である。
実施形態に係る空調装置の配設された自動車のインストルメントパネルを後方から見た斜視図である。 室内ユニットの構造を示す縦断面図である。 冷媒配管の構成を示す自動車前部の透視平面図である。 冷媒配管の脆弱構造部の構成を示す図3の一部拡大図である。 (a)冷媒配管のコーナ部に切り欠き等を設けた変形例と、(b)冷媒配管をダッシュパネルに固定した変形例と、に係る図4相当図である。 冷媒配管を上下方向にも屈曲させた変形例に係る図2相当図である。
符号の説明
A 車両用空調装置
B 脆弱構造部
R1 エンジンルーム
R2 車室
1 インストルメントパネル
2 ダッシュパネル
13 インパネメンバ(移動抑制手段)
20 室内ユニット
21 ケーシング
23 エバポレータ
36,37 冷媒配管

Claims (6)

  1. エンジンルームと車室とを区画するダッシュパネルの車両後方側に空調装置の室内ユニットが配置され、その内部に収容されたエバポレータから車両前方に延びる冷媒配管が、前記ダッシュパネルを貫通してエンジンルームに至るよう設けられた車両において、
    前記空調装置はCO冷媒を用いるものであり、
    前記冷媒配管は、前突の発生時に前記エンジンルーム内において車室内よりも先に破損するように構成されている、ことを特徴とする車両用空調装置を搭載した車両。
  2. 冷媒配管のエンジンルーム内に位置する部位には、車室内に位置する何れの部位よりも破損しやすい脆弱構造部が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置を搭載した車両。
  3. 脆弱構造部は、エンジンの車両後方にて冷媒配管をダッシュパネルの車両前面から離間させ、且つその離間距離が変化するように車両前後方向に屈曲させてなる、ことを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置を搭載した車両。
  4. 冷媒配管は、エバポレータとの接続部位が車両正面視で脆弱構造部と重ならないようにダッシュパネルよりも車両前方で屈曲している、ことを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載の車両用空調装置を搭載した車両。
  5. 冷媒配管は、ダッシュパネルを貫通する部位の近傍で該ダッシュパネルの前面に固定されている、ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の車両用空調装置を搭載した車両。
  6. 前突の発生時にエバポレータの車両後方への移動を抑制する移動抑制手段が設けられている、ことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1つに記載の車両用空調装置を搭載した車両。
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Citations (6)

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