JP2008044301A - 射出成形用金型装置及び射出成形装置 - Google Patents

射出成形用金型装置及び射出成形装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008044301A
JP2008044301A JP2006224049A JP2006224049A JP2008044301A JP 2008044301 A JP2008044301 A JP 2008044301A JP 2006224049 A JP2006224049 A JP 2006224049A JP 2006224049 A JP2006224049 A JP 2006224049A JP 2008044301 A JP2008044301 A JP 2008044301A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pin
ejector
plate
compressed air
mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006224049A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuo Ito
信雄 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TENKAI KK
Original Assignee
TENKAI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TENKAI KK filed Critical TENKAI KK
Priority to JP2006224049A priority Critical patent/JP2008044301A/ja
Publication of JP2008044301A publication Critical patent/JP2008044301A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】イジェクタ板の移動に伴い内ピンが相対移動する際に、内ピンが食い込まず、圧縮エアが漏出しない射出成形用金型装置を提供する。
【解決手段】外ピン15はその先端側中途部から先端までに内ピン16の外径と同内径の厚肉部15cが形成され、この厚肉部内周の先端近傍から筒状部15a内周と連通する間に4個の溝部15eが形成されている。内ピンは先端部が前記厚肉部に支持され基端側が他方のイジェクタ板8に支持され、内ピンの先端部が前記溝部の先端近傍側を挟んで進退移動可能となっている。イジェクタ板7,8はその後方の固定板6から離間する方向に移動自在となっており、イジェクタピン11には内ピンを固定板方向に付勢する弾性部材17が配置されている。外ピンの内周と内ピンの外周とで構成する第1のエア流路内に流入した圧縮エアは、イジェクタ板が固定板から離間する方向に移動したときにのみイジェクタピンの先端から放出される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、樹脂成形に使用される射出成形用金型装置又は射出成形装置に関し、特に、金型本体により成形された成形品を脱型するイジェクタピンを構成要素とする射出成形用金型装置又は射出成形装置に関するものである。
射出成形用金型装置は、成形面が形成された一方の金型本体と、上記成形面に対向する成形面が形成された他方の金型本体とを閉塞し、上記各成形面により形成されたキャビティ内に溶融された樹脂材料を射出・硬化させるとともに、上記一方の金型本体と他方の金型本体とを離間させ、製品を脱型する。ところで、こうした射出成形用金型装置により製品を脱型する際、該製品の形状により自重で落下する場合以外には、イジェクタピンを用いて、上記一方又は他方の金型本体に付着した製品を強制的に剥離・脱型する方法が採用され、さらに、このイジェクタピンの先端からは圧縮エアが放出されるものも使用されている(特許文献1参照)。
この特許文献1に開示された技術は、金型本体に筒状のイジェクタピンを配置するとともに、このイジェクタピン内には、基端部が該イジェクタピンの内径と同外径に形成され、中間部から先端部の間は基端部よりも小径の外径に形成されて、金型本体の後方に配置されたイジェクタ板の作動により該イジェクタピンの長さ方向に移動する弁棒を配置し、該弁棒の移動によりイジェクタピンの先端開口から放出される圧縮エアを開閉するものである。そして、この技術では、上記イジェクタ板には、上記イジェクタピン内と連通する穴(エア通路)が穿設されている。この穴の一端は、エアホースを介してコンプレッサーと接続されている。したがって、この特許文献1に開示された技術によれば、上記イジェクタ板の移動に伴う弁棒の相対移動により、上記コンプレッサーからの圧縮エアは、上記エアホース及び穴を通って上記イジェクタピンの先端開口から放出される。
実開昭63−3420号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、上記イジェクタピンの長さ方向に移動する弁棒は、基端部がイジェクタ板のガイド穴と、中間部の先端近傍に設けた脚片がイジェクタピンの大径穴部と、さらに先端部がイジェクタピンの先端開口との3箇所でそれぞれ支持されて摺動するので、前記ガイド穴と大径穴部と先端開口との3穴を一直線上の同心度に構築することが難しく、イジェクタ板の移動に伴う弁棒の相対移動により、前記弁棒の脚片がイジェクタピンの大径穴部に食い込むとか、先端部がイジェクタピンの先端開口に食い込む等の問題があった。また、前記弁棒の先端部がイジェクタピンの先端開口に食い込む現象は、当該弁棒の先端部とイジェクタピンの先端開口との空隙を大きくすることで防止できるが、圧縮エアの放出時期以外においても圧縮エアが漏出するという問題があった。
そこで、本発明は、上述した従来の射出成形用金型装置が有する課題を解決するために提案されたものであって、イジェクタ板の移動に伴い弁棒が相対移動する際に、弁棒が食い込まず、かつ、圧縮エアが漏出しない新規な射出成形用金型装置又は射出成形装置を提供することを目的とするものである。
上述した目的を達成するため、第1の発明(請求項1記載の発明)は、射出成形用金型装置に係り、駆動機構により互いに開閉自在となされた一方及び他方の金型本体と、この一方の金型本体又は他方の金型本体の何れかに配置され、該一方及び他方の金型本体により成形された成形品を先端により脱型するとともに円筒状に成形された外ピンと、この外ピン内で軸方向に移動可能な内ピンとを有し、上記外ピンの内周面と内ピンの外周面との間は圧縮エアが流通可能な第1のエア流路となされたイジェクタピンと、このイジェクタピンを構成する外ピンの基端側を支持してなるとともに上記一方又は他方の金型本体の成形面から該イジェクタピンの先端が突出するよう駆動する一方のイジェクタ板と、この一方のイジェクタ板の背面に接合固定されてなる他方のイジェクタ板と、を備え、上記外ピンの先端側中途部から先端までには上記内ピンの外径とほぼ同じ内径の縮径部が形成され、この縮径部内周の先端近傍から基端側には上記第1のエア流路と連通する一又は複数の凹溝が形成され、上記内ピンは先端側が上記外ピンの縮径部に支持され基端側が上記他方のイジェクタ板に支持され、上記他方のイジェクタ板の後方には、固定板が配置されてなるとともに、上記一方及び他方のイジェクタ板は、この固定板から離間する方向に移動自在となされ、上記イジェクタピンには、上記内ピンを上記固定板方向に付勢する弾性部材が配置され、上記第1のエア流路内に流入した圧縮エアは、上記内ピンの基端が上記弾性部材の弾性力に抗して固定板に当接し上記内ピンの先端が上記外ピンに形成された一又は複数の凹溝よりも該外ピンの先端側に位置して圧縮エアの流通が封止されている状態から、上記一方及び他方のイジェクタ板が固定板から離間して上記弾性部材の弾性力により上記内ピンが固定板側に移動し上記内ピンの先端が上記外ピンに形成された一又は複数の凹溝の形成位置に移動して圧縮エアの封止が開放されたときにのみ、上記凹溝を介して該イジェクタピンの先端から放出されることを特徴とするものである。
上記第1の発明では、上記イジェクタピンを構成する内ピンは、先端部が前記外ピンの縮径部と、基端側が前記他方のイジェクタ板との2箇所でそれぞれ支持されて進退移動するようにしたので、当該2箇所の支持部を一直線上の同心度に構築することは容易であり、上記一方及び他方のイジェクタ板の移動に伴う上記外ピンと内ピントの相対移動による相互の摺動部が食い込むことが防止でき、かつ、相互の摺動部の空隙を大きくする必要もないから、圧縮エアが漏出することも防止できる。そして、一方のイジェクタ板と他方のイジェクタ板とが固定板から離間すると、それまで弾性部材に抗していた内ピンは、該弾性部材の弾性力により固定板方向に移動し、それまで縮径部の内周面と内ピンの外周面とにより封止されていた圧縮エアは、上記凹溝を通過してイジェクタピンの先端から放出される。
また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、上記第1の発明において、上記一方のイジェクタ板と他方のイジェクタ板との接合面の何れかには、上記第1のエア流路に圧縮エアを供給する第2のエア流路が形成され、この第2のエア流路の全部又は一部は溝であることを特徴とするものである。
この第2の発明では、第2のエア流路は、全部又は一部が溝であり、該溝が形成された部位は、一方のイジェクタ板と他方のイジェクタ板との接合面の少なくとも何れか一方であれば良い。したがって、第2のエア流路は、全て一方のイジェクタ板に形成されているものばかりではなく、全て他方のイジェクタ板に形成されているものも含まれ、さらには、一方のイジェクタ板に形成された溝と他方のイジェクタ板に形成された溝からなるものであっても良い。また、この溝は、直線状であると、曲線状であると、或いはクランク状であると蛇行状とを問わない。
また、第3の発明(請求項3記載の発明)は、上記第1又は第2の発明において、前記第2のエア流路は、圧縮エア供給装置に接続された開閉弁にエアチューブを介して接続されてなる一方、前記一方又は他方のイジェクタ板にはドグが固定され、上記一方及び他方のイジェクタ板の移動により、上記ドグを介して上記開閉弁がオン・オフ操作されることを特徴とするものである。
この第3の発明では、一方及び他方のイジェクタ板が固定板と離間する方向に移動すると、該一方又は他方のイジェクタ板に固定されたドグが開閉弁をオン・オフ操作する。したがって、このドグの形状により、イジェクタピンの先端からの圧縮エアの放出が開始・停止される。なお、このドグの形状は、開閉弁をオン操作し、このオン操作された状態を継続した後に、再び一方及び他方のイジェクタ板が移動して、該他方のイジェクタ板と固定板とが接近した際にオフ操作される形状、又は、開閉弁をオン操作した後にオフ操作され、その後他方のイジェクタ板が固定板と接近する途中において再びオン操作し、その後さらに他方のイジェクタ板と固定板とが接近するとオフ操作する形状等、圧縮エアを放出するタイミングや回数により適宜の形状とすることができる。
また、第4の発明(請求項4記載の発明)は、射出成形装置に係るものであって、上記第1,第2又は第3の発明に係る射出成形用金型装置が配置されたことを特徴とするものである。
上記第1の発明(請求項1記載の発明)では、上記イジェクタピンを構成する内ピンは、先端部が前記外ピンの縮径部と、基端側が前記他方のイジェクタ板との2箇所の支持部を一直線上の同心度に構築することは容易であるから、上記イジェクタピンの製造が容易かつ高精度にできる。また、上記一方及び他方のイジェクタ板の移動に伴う上記外ピンと内ピントの相対移動による相互の摺動部が食い込むことが防止できから、装置維持費の削減及び作業能率の向上を図ることができる。また、第1のエア流路内に流入した圧縮エアは、上記一方及び他方のイジェクタ板が固定板から離間する方向に移動したときにのみ、上記イジェクタピンの先端から放出されることから、成形品の表面に圧縮エアによる凹部が形成されてしまう等の不都合を防止することができる。
また、第2の発明(請求項2記載の発明)では、一方のイジェクタ板と他方のイジェクタ板との接合面の何れかには、上記第1のエア流路に圧縮エアを供給する第2のエア流路が形成され、この第2のエア流路の全部又は一部は溝であることから、従来の射出成形用金型装置ないしは射出成形装置のように、エア流路が直線状加工に限定されるものではない。すなわち、従来では、イジェクタピンに供給するエア流路は、イジェクタ板に形成された穴であり、常に直線状に形成する必要性があることから、該イジェクタ板に多数の穴や凹部が形成されている場合には、該穴を形成することは不可能である場合があったが、本発明では、第2のエア流路の全部又は一部は溝であることから、イジェクタ板に既に形成された穴や凹部を避けた状態で該溝を形成することにより、必ずエア流路(第2のエア流路)を形成することが可能となり、設計の自由度を大幅に向上することができる。
また、第3の発明(請求項3記載の発明)によれば、ドグを介して上記開閉弁がオン・オフ操作されることから、ドグの形状により、最も効果的なタイミングでイジェクタピンの先端から圧縮エアを放出させることが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態に係る射出成形用金型装置1は、後述する金型本体に形成されたキャビティ内に射出することにより樹脂成形品Wを一体成形する射出成形装置に配置されるものであり、図1に示すように、一方の金型本体2と、他方の金型本体3と、この他方の金型本体3に配置されたスライド型4と、を備えている。この一方の金型本体2は、この実施の形態においては一方の固定板5に固定されており、その金型前面には樹脂成形品Wの形状に対応した一方の成形面2aが形成されている。また、上記他方の金型本体3は、後述する上下の各スペーサを介して他方の固定板6に固定されてなるものであり、その金型前面(上記一方の成形面2aに対向する面)には、樹脂成形品Wの形状に対応した他方の成形面3aが形成されている。また、上記スライド型4は、その金型前面,この金型前面と直交する一側面及びこの一側面と直交する背面に成形面4aが形成され、後述するように、樹脂成形品Wを脱型する際にスライドするものである。したがって、上記キャビティは、上記一方の金型本体2に形成された一方の成形面2aと、上記他方の金型本体3に形成された他方の成形面3aと、上記スライド型4の成形面4aとにより形成され、樹脂材料は、このキャビティ内に射出される。また、上記他方の金型本体3には、後述する複数の(第1ないし第3の)イジェクタピンが挿通されるイジェクタピン挿通穴3b,3c,3dと、上記スライド型4が先端に固定されてなるスライド型支持ピンが傾斜した状態で挿通される傾斜挿通穴3eが形成されている。なお、この他方の金型本体3は、後述する左右のスペーサと、一方及び他方のイジェクタ板と左右のスペーサに固定された他方の固定板6とにより一体化されてなるとともに、全体として図示しない駆動手段により、上記一方の金型本体2から離間し接近するように構成されている。
そして、上記他方の金型本体3の後方には、一方のイジェクタ板7が配置され、この一方のイジェクタ板7の後方には他方のイジェクタ板8が固定されている。これら一方及び他方のイジェクタ板7,8は、それぞれ図示しないボルト等の締結手段により一体化されており、互いの前面及び背面は、同一の面積とされている。そして、上記一方のイジェクタ板7には、後述する第1ないし第3のイジェクタピン11,12,13のそれぞれが挿通される3つのイジェクタピン挿通穴7a,7b,7cと、後述するスライド型支持ピン14がスライドするスライド穴7dが形成されている。また、この一方のイジェクタ板7の背面には、後述する第1ないし第3のイジェクタピン11,12,13の外ピンに形成されたフランジ部が収容される収容凹部7f,7g,7hが形成されている。また、上記他方のイジェクタ板8には、上記第1ないし第3のイジェクタピン11,12,13を構成する軸部が挿通される軸挿通穴8a,8b(第3のイジェクタピン13を構成する軸部が挿通される軸挿通穴は図示しない。)が形成され、前面には、この軸挿通穴8a,8bと同じ軸芯とされた後述する大径部が収容される大径凹部8c,8dが形成されている。なお、これらの大径凹部8c,8dの奥行き(深さ)は、後述する大径部の幅よりも長尺とされている。また、この他方のイジェクタ板8には、後述するスライド型支持ピン14の他端に固定されたスライド部材がスライドするスライド凹部8eが形成されている。
以下、図4を参照しながら、上記第1のイジェクタピン11の構成を説明する。この第1のイジェクタピン11(第2及び第3のイジェクタピン12,13も同一の構成である。)は、外ピン15及び内ピン16と、弾性部材17とから構成されている。なお、上記外ピン15の内周面と内ピン16の外周面との間は、本発明を構成する第1のエア流路である。そして、上記外ピン15は、鉄又はステンレススチールにより略円筒状に成形されてなる筒状部15aと、この筒状部15aの他端の外周に形成されてなるフランジ部15bとを備えている。そして、この筒状部15aは、一端(先端)から他端側中途部にかけて内径寸法の短い本発明の縮径部である厚肉部15cが形成され、該筒状部15aの他端から一端側中途部には、内径寸法の長い薄肉部15dが形成され、この薄肉部15dの先端から上記厚肉部15cの他端までは、同一の肉厚とされている。そして、上記厚肉部15cには、該厚肉部15cの長さよりもやや短い4つの溝部(本発明の凹溝)15eがそれぞれ平行に形成されている。すなわち、これら4つの溝部15eの一端は、この外ピン15の先端よりも僅かに内側に位置し、他端は上記厚肉部15cの他端と交差する位置とされている。なお、こうした筒状部15aの加工方法の概略を説明すると、先ずこの筒状部15a及びフランジ部15bの外径を有する棒状の金属材料を用意し、上記厚肉部15cの内径に対応した図示しない切削工具を用い、一端から他端側に亘って透孔を形成し筒状とする。次いで、この筒状とされた金属材料の他端側から、上記薄肉部15dと厚肉部15cとの間の内径寸法に対応した切削工具を用いてこの金属材料を切削し、さらに、この金属材料の他端側から図示しない十字状の切削工具を挿入し、上記厚肉部15cの一部の4箇所に溝部15eを形成する。そして、最後に、上記薄肉部15dの内径寸法に対応した図示しない切削工具を用いて、上記薄肉部15dを形成する。
一方、上記内ピン16は、棒状の軸部16aと、この軸部16aの他端側中途部に形成された大径部16bとから構成されている。上記軸部16aの外径は、上記外ピン15の厚肉部15cの内径と(内ピン16をスライド可能な程度に)ほぼ同じ外径に成形されてなるものであり、上記大径部16bの外径は、上記外ピン15の筒状部15aの外径よりも大径かつ他方のイジェクタ板8の大径凹部8c内で軸方向に進退移動可能とされている。そして、内ピン16は、軸部16aの先端部が外ピン15の厚肉部15cと、基端側の大径部16bが他方のイジェクタ板8の大径凹部8cとの2箇所でそれぞれ支持されて、内ピン16の軸部16aの先端部が外ピン15の4つの溝部15eの一端(先端近傍側)を挟んで進退移動可能となされている。
なお、上記大径部16bの背面の外周側には、円環状段部(符号は省略する。)が形成され、この円環状段部内にはOリング18が配置されている。また、上記弾性部材17は、コイルスプリングであり、上記外ピン15の薄肉部15dの内径とほぼ同じ外径に成形されたものである。また、この弾性部材17の自由長は、上記薄肉部15dの長さに、内ピン16の後述する移動量を加算した長さよりも長尺とされている。
また、上記スライド型支持ピン14は、図1に示すように、一端は上記スライド型4に固定され、他端には、スライド部材19が固定されている。このスライド部材19は、上記一方のイジェクタ板7に形成されたスライド穴7dと他方のイジェクタ板8に形成されたスライド凹部8eとにより形成されたスライド空間内に配置されており、後述するように、一方及び他方のイジェクタ板7,8の移動に伴い、このスライド空間を図1に示す左右方向へスライドするように構成されている。
また、上記他方のイジェクタ板8の側面から内側には、圧縮エア流入穴8fが形成されている。この圧縮エア流入穴8fは、図1及び図2に示すように、上記他方のイジェクタ板8の側面から該イジェクタ板8の前面に平行に形成された第1の流入穴8gと、この第1の流入穴8gに連通してなるとともに該第1の流入穴8gから該他方のイジェクタ板8の前面に形成された第2の流入穴8hとから構成されている。また、この他方のイジェクタ板8の前面には、図6に示すように、上記第1の流入穴8gと大径凹部8cとを接続する第1のエア流入溝8jと、上記大径凹部8cと第3のイジェクタピン13の内ピンに形成された大径部が収容される大径凹部8iとを接続する第2のエア流入溝8kと、この第2のエア流入溝8kの中途部と上記大径凹部8dとを接続する第3のエア流入溝8lとが形成されている。なお、上記第1ないし第3のエア流入溝8j,8k,8lは、図示しないボルト等の締結手段を介して一体化された一方のイジェクタ板7の背面により、図1に示すように閉塞され、後述するように、上記第1及び第2の流入穴8g,8hとともに、圧縮エアが流入するエア流路(本発明を構成する第2のエア流路)とされている。
また、上述したように、上記他方の金型本体3と他方の固定板6とは、図7に示すように、左右のスペーサ21,22を介して一体化され、該他方の金型本体3と一方のイジェクタ板7との間には、常に上記一方及び他方のイジェクタ板7,8が他方の固定板6に圧接するように付勢する図示しない弾性部材が配置されている。また、この射出成形装置では、上記一方及び他方のイジェクタ板7,8を、上記図示しない弾性部材の弾性力に抗して、他方の金型本体3側にスライドさせる駆動装置を備えている。そして、上記第1の流入穴8gの一端が露出している上記他方のイジェクタ板8の側面には、エアホース継手25の一端が固定されている。このエアホース継手25は、ホース26を介してエア切替バルブ27に接続され、このエア切替バルブ27には、ホース28を介してエアコンプレッサー29が接続されている。また、上記一方のイジェクタ板7の側面には、ドグ30が固定されている。このドグ30は、上記エア切替バルブ27に接触し、該エア切替バルブ27をオン操作し、エアコンプレッサー29からの圧縮エアを上記第1の流入穴8g内に供給するとともに、エア切替バルブ27をオフ操作し、それまで供給されていた圧縮エアの供給を停止するものである。上記エア切替バルブ27には、図示しない弾性部材の弾性力により常時外側に突出している操作端27aを備え、上記ドグ30には、上記一方及び他方のイジェクタ板7,8の移動に伴い操作端27aに摺接しながら該操作端27aを押圧する押圧傾斜面30a及び押圧面30bを備えている。なお、このドグ30の形状は、後述するように、圧縮エアを各イジェクタピン11,12,13の先端から放出させるタイミングに応じて適宜変更される。
以下、上述した射出成形用金型装置1ないしこの射出成形用金型装置1を備えた射出成形装置の動作に付いて詳細に説明する。以下に説明する射出成形用金型装置1ないしこの射出成形用金型装置1を備えた射出成形装置の動作は、図1に示すように、一方の金型本体2と他方の金型本体3が一体とされ(閉塞され)、キャビティ内に溶融樹脂が充填された状態を基点とする。この状態では、前述した図示しない弾性部材の弾性力により、上記他方のイジェクタ板8の背面と他方の固定板6とは密着しており、第1ないし第3のイジェクタピン11,12、13を構成する各内ピン16は、図4に示すように弾性部材17の弾性力に抗して、該内ピン16の一端面と外ピン15の一端面とはそれぞれ面一とされている。また、図1に示す状態では、上記エア切替バルブ27はドグ30によりオン操作されておらず(図7参照)、圧縮エアは上記圧縮エア流入穴8fに供給されていない。
そして、この図1に示す状態から溶融した樹脂材料が硬化するに適当な時間が経過すると、上記他方の金型本体3と一体化された上記他方の固定板6,一方及び他方のイジェクタ板7,8,左右のスペーサ21,22等は、図示しない駆動手段の駆動により、上記一方の金型本体2から徐々に離間し、図2に示す状態となる。その後、図示しない駆動手段により、上記一方及び他方のイジェクタ板7,8が、図示しない弾性部材の弾性力に抗して図2の上方に移動し、また、こうした一方及び他方のイジェクタ板7,8の移動に伴い、上記スライド型4とスライド部材19は互いに並行してスライドする。すなわち、上記一方及び他方のイジェクタ板7,8は、それまで当接していた他方の固定板6から離間するとともに他方の金型本体3に接近する。すると、この移動量に応じて、それまで他方の金型本体3の成形面3aと面一とされていた第1ないし第3のイジェクタピン11,12,13の先端は、図3に示すように、該成形面3aよりも突出するとともに、上記各弾性部材17の弾性力により、内ピン16は、他方の固定板6方向に移動し、やがて該内ピン16に形成された大径部16bの裏面が、図5又は図3に示すように、上記大径凹部8c,8dの底面に当接する。このとき、上記大径部16bには、Oリング18が配置されていることから、後述するように、上記大径凹部8c,8d内に圧縮エアが圧入されても、該圧縮エアは上記他方のイジェクタ板8に形成された軸挿通穴8a,8bから外部に漏出することがない。また、このように一方及び他方のイジェクタ板7,8が移動すると、それに伴い上記ドグ30が移動する。このドグ30の移動により、エア切替バルブ27の操作端27aは、上記押圧傾斜面30aに摺接しながら上記押圧面30bに至り、これによって完全にオン操作される。
すると、上記エアコンプレッサー29からの圧縮空気は、ホース28,エア切替バルブ27,ホース26及びエアホース継手25を介して、図3又は図6に示す上記圧縮エア流入穴8f及び第1のエア流入溝8jから大径凹部8c内に流入し、また、上記第2のエア流入溝8kから上記大径凹部8i内に流入し、さらに、上記第3のエア流入溝8lから大径凹部8d内に流入する。そして、上記各大径凹部8c,8i,8d内に流入した圧縮エアは、上記外ピン15の内周面と内ピン16の外周面との間を通り、さらに上記4つの溝部15eを通過して、上記第1ないし第3のイジェクタピン11,12,13の先端から樹脂成形品Wに放出される。すなわち、この射出成形装置では、図8に示すように、上記一方及び他方のイジェクタ板7,8の移動による第1ないし第3のイジェクタピン11,12,13の突出により、射出成形品は、上記他方の金型本体3の成形面3aから脱型されるとともに、該第1ないし第3のイジェクタピン11,12,13の先端から放出される圧縮エアにより完全に脱型され、自重により下方に落下する。なお、こうした一連の動作が終了すると、再び図示しない駆動手段の駆動により、他方の金型本体3等が一方の金型本体2に接近し、図1に示す状態に復帰する。
上述した実施の形態の説明からも明らかなように、上記射出成形用金型装置1ないしはこの射出成形用金型装置1を備えた射出成形装置では、圧縮エアを第1ないし第3のイジェクタピン11,12,13内に供給する第2のエア流路を、穴である上記圧縮エア流入穴8fと、溝である上記第1ないし第3のエア流入溝8j,8k,8lにより構成したことから、圧縮エアをイジェクタピン11,12,13に供給するルートを直線状の穴として形成する場合に障害となる穴や凹部が存在する場合であっても、それらを回避して圧縮エアの供給ルートを形成することが可能となる。したがって、この発明によれば、如何なるルートで圧縮エアをイジェクタピンに供給するか、或いはイジェクタピンの数をどれだけとするか等、設計の自由度を大幅に向上することができる。
また、上述した圧縮エアを先端から放出する各イジェクタピン11,12,13は、外ピン15と内ピン16と弾性部材17とにより構成するばかりではなく、該外ピン15の先端に、内ピン16の外径にほぼ等しい内径の厚肉部15cを設け、該外ピン15の先端内周面と内ピン16の先端外周面とにより、圧縮エアを封止する構成を採用するとともに、該厚肉部15cの内周に溝部15eを形成し、該溝部15eから圧縮エアを放出する構成を採用しているので、寸法精度も良好に製造することが可能となる。
また、各イジェクタピン11,12,13の各内ピン16は、軸部16aの先端部が各外ピン15の厚肉部15cと、基端側の大径部16bが他方のイジェクタ板8の各大径凹部8c,8i,8dとの2箇所でそれぞれ支持されて進退移動するようにしたので、当該2箇所の支持部を一直線上の同心度に構築することは容易であり、上記一方及び他方のイジェクタ板7,8の移動に伴う上記外ピン15と内ピント16の相対移動による相互の摺動部が食い込むことが防止でき、かつ、相互の摺動部の空隙を大きくする必要もないから、圧縮エアが漏出することも防止できる。
なお、上記実施の形態では、上記3本のイジェクタピン11,12,13に形成された第1のエア流路のうち、図5に示す外ピン15の厚肉部15cと薄肉部15dとの間の流路は、外ピン15の内径と内ピン16の外径との隙間により構成したが、外ピン15の内径と内ピン16の外径とは摺動可能な範囲において略同一径とし、図5に示す4つの溝部15eの下方を図9に示す4つの溝部15zのように、薄肉部15d内の空洞部と連通するように形成してもよい。そして、上記各大径凹部8c,8i,8d内(図6参照)に流入した圧縮エアは、上記外ピン15の4つの溝部15z内をそれぞれ通過して、3本のイジェクタピン11,12,13のそれぞれの先端から樹脂成形品Wに向かって放出される。
また、上記実施の形態では、3本のイジェクタピン11,12,13を構成要素としたが、本発明では、このイジェクタピンの数は特に限定されるものではなく、例えば、2本や4本、或いはそれ以上のイジェクタピンが構成要素とされているものであっても良い。
実施の形態に係る射出成形用金型装置の要部を示す側断面図である。 図1に示す状態から他方の金型本体等が移動した後の状態の要部を示す側断面図である。 図2に示す状態から一方及び他方のイジェクタ板が移動した後の状態を示す側断面図である。 イジェクタピンの配置状態を示す断面図である。 図4に示す状態から内ピンが移動した後の状態を示す断面図である。 他方のイジェクタ板を示す正面図である。 他方の金型本体,一方及び他方のイジェクタ板等を示す平面図である。 図7に示す状態から一方及び他方のイジェクタ板が移動した後の状態を示す平面図である。 図5に示すイジェクタピンの他の例を示す断面図である。
符号の説明
1 射出成形用金型装置
2 一方の金型本体
3 他方の金型本体
6 他方の固定板
7 一方のイジェクタ板
8 他方のイジェクタ板
8f 圧縮エア流入穴
8j 第1のエア流入溝
8k 第2のエア流入溝
8l 第3のエア流入溝
11 第1のイジェクタピン
12 第2のイジェクタピン
13 第3のイジェクタピン
15 外ピン
15c 厚肉部
15e 溝部
16 内ピン
17 弾性部材
27 エア切替バルブ
29 エアコンプレッサー
30 ドグ
W 樹脂成形品

Claims (4)

  1. 駆動機構により互いに開閉自在となされた一方及び他方の金型本体と、この一方の金型本体又は他方の金型本体の何れかに配置され、該一方及び他方の金型本体により成形された成形品を先端により脱型するとともに円筒状に成形された外ピンと、この外ピン内で軸方向に移動可能な内ピンとを有し、上記外ピンの内周面と内ピンの外周面との間は圧縮エアが流通可能な第1のエア流路となされたイジェクタピンと、このイジェクタピンを構成する外ピンの基端側を支持してなるとともに上記一方又は他方の金型本体の成形面から該イジェクタピンの先端が突出するよう駆動する一方のイジェクタ板と、この一方のイジェクタ板の背面に接合固定されてなる他方のイジェクタ板と、を備え、
    上記外ピンの先端側中途部から先端までには上記内ピンの外径とほぼ同じ内径の縮径部が形成され、この縮径部内周の先端近傍から基端側には上記第1のエア流路と連通する一又は複数の凹溝が形成され、
    上記内ピンは先端側が上記外ピンの縮径部に支持され基端側が上記他方のイジェクタ板に支持され、上記他方のイジェクタ板の後方には、固定板が配置されてなるとともに、上記一方及び他方のイジェクタ板は、この固定板から離間する方向に移動自在となされ、上記イジェクタピンには、上記内ピンを上記固定板方向に付勢する弾性部材が配置され、
    上記第1のエア流路内に流入した圧縮エアは、上記内ピンの基端が上記弾性部材の弾性力に抗して固定板に当接し上記内ピンの先端が上記外ピンに形成された一又は複数の凹溝よりも該外ピンの先端側に位置して圧縮エアの流通が封止されている状態から、上記一方及び他方のイジェクタ板が固定板から離間して上記弾性部材の弾性力により上記内ピンが固定板側に移動し上記内ピンの先端が上記外ピンに形成された一又は複数の凹溝の形成位置に移動して圧縮エアの封止が開放されたときにのみ、上記凹溝を介して該イジェクタピンの先端から放出されることを特徴とする射出成形用金型装置。
  2. 前記一方のイジェクタ板と他方のイジェクタ板との接合面の何れかには、前記第1のエア流路に圧縮エアを供給する第2のエア流路が形成され、この第2のエア流路の全部又は一部は溝であることを特徴とする請求項1記載の射出成形用金型装置。
  3. 前記第2のエア流路は、圧縮エア供給装置に接続された開閉弁にエアチューブを介して接続されてなる一方、前記一方又は他方のイジェクタ板にはドグが固定され、前記一方及び他方のイジェクタ板の移動により、前記ドグを介して前記開閉弁がオン・オフ操作されることを特徴とする請求項1又2記載の射出成形用金型装置。
  4. 前記請求項1,2又は3記載の射出成形用金型装置が配置された射出成形装置。
JP2006224049A 2006-08-21 2006-08-21 射出成形用金型装置及び射出成形装置 Pending JP2008044301A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006224049A JP2008044301A (ja) 2006-08-21 2006-08-21 射出成形用金型装置及び射出成形装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006224049A JP2008044301A (ja) 2006-08-21 2006-08-21 射出成形用金型装置及び射出成形装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008044301A true JP2008044301A (ja) 2008-02-28

Family

ID=39178483

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006224049A Pending JP2008044301A (ja) 2006-08-21 2006-08-21 射出成形用金型装置及び射出成形装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008044301A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102601944A (zh) * 2012-03-28 2012-07-25 陕西工业职业技术学院 一种塑料品成型用强制脱模装置
CN107598981A (zh) * 2017-10-19 2018-01-19 新乡市智谷光电科技有限公司 一种平磨研磨皮开槽刀具

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102601944A (zh) * 2012-03-28 2012-07-25 陕西工业职业技术学院 一种塑料品成型用强制脱模装置
CN107598981A (zh) * 2017-10-19 2018-01-19 新乡市智谷光电科技有限公司 一种平磨研磨皮开槽刀具

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6179604B1 (en) Valve gate device for use in an injection mold
US20060073235A1 (en) Convertible injection molding system, apparatus, and method
JP2012091488A (ja) 金型エジェクタ装置及びそれを用いる射出成形装置
JP3150283U (ja) 2連シリンダ式バルブゲート構造及び前記2連シリンダ式バルブゲート構造を有する金型用ブロック
KR20120007993A (ko) 스프루 부시와 그 제조 방법
JP2008044301A (ja) 射出成形用金型装置及び射出成形装置
KR101699939B1 (ko) 곡선 튜브 사출 성형 금형
CN101274479A (zh) 注射模具的喷嘴构造
JP2013091212A (ja) 金型開閉作動力を用いたバルブ開閉機構
CA2880933C (en) Hot runner nozzle for injecting thermoplastic material into a moulding tool
JP2014012390A (ja) 樹脂パイプの製造方法並びに製造装置
JP2006205605A (ja) 金型装置
JP6403262B2 (ja) 中空円筒状樹脂成形体の製造方法
JP2009279892A (ja) モールド成形用金型
KR20110133181A (ko) 사출 금형의 스프루 부시
JP2002307492A (ja) バルブゲート式金型装置
JPH07223241A (ja) 射出成形機のシャットオフノズル
JP2005280105A (ja) 成形用金型装置
JP2002283409A (ja) バルブゲート式金型装置およびこれを用いた成形方法
JP7141609B2 (ja) 射出成形用金型
JP4136023B2 (ja) 光ディスク成形装置
JP4286648B2 (ja) 成形装置
JP2003127187A (ja) バルブゲート式金型装置およびこれを用いた成形方法
JP2006305931A (ja) 成形装置、成形方法及び成形物
JP3135743U (ja) 成形装置及び成形物