JP2008044143A - 積層成形体の成形方法 - Google Patents

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Masahiko Hara
正彦 原
Asako Kadokawa
麻子 角川
Fumiaki Haga
文昭 芳賀
Nobuaki Seki
伸明 関
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Abstract

【課題】モールドプレス成形工法、射出成形工法により、樹脂芯材とクッション層付き表皮とをプレス一体化する積層成形体の成形方法において、クッション層の復元性を生かしソフト感を高めるとともに、毛倒れを防止する。
【解決手段】成形金型40内に表皮30をセットした後、型締め及び溶融樹脂Mをキャビティ内に射出する射出・一次加圧工程後、キャビティ型50を微小ストローク上昇させてキャビティ内を減圧する減圧工程を採用することにより、クッション層32の復元性を高めるか、あるいは減圧工程において溶融樹脂Mの樹脂熱によりクッション層32A中の未発泡の発泡成分を二次発泡させ、復元性を高めることで製品のソフト感を向上させる。そして、表皮30におけるトップ層31として織布を使用した場合の毛倒れを防止する。
【選択図】図4

Description

この発明は、モールドプレス成形工法、又は射出成形工法を使用し、トップ層とクッション層とからなる積層シート材料からなる表皮を樹脂芯材の表面側に成形と同時に一体貼着してなる積層成形体の成形方法に係り、特に、表皮におけるクッション層のソフト感が損なわれることがなく、かつ良好な外観見栄えが得られる積層成形体の成形方法に関する。
例えば、自動車用内装部品の構成について、ドアトリムを例示して図13,図14を基に説明する。ドアトリム1は、保形性及び車体パネルへの取付剛性を備え、製品面のほぼ全体にゆきわたっている樹脂芯材2の表面に、表面外観に優れた表皮3を積層一体化して構成されている。上記樹脂芯材2としては、タルクを混入したポリプロピレン樹脂を素材としており、一般に熱可塑性樹脂から適宜選択される。また、表皮3は、表面外観並びにソフト感の双方に優れることから、トップ層3a、クッション層3b、裏面不織布層3cの三層積層体から構成されている。トップ層3aとしては、ジャージ、トリコット等の織布が使用されており、クッション層3bとしては、例えば比重0.06、厚み3.0mmのポリウレタンフォームが使用され、裏面不織布層3cは、目付量100g/m2 のものが使用されている。
そして、上述した構成のドアトリム1を成形するには、図15に示す成形金型4を使用し、図16に示す成形金型のタイムチャート図を基に成形されている。すなわち、図15に示すように、成形金型4は、所定ストローク上下動可能なキャビティ型5と、キャビティ型5の下方に位置するコア型6と、コア型6に接続されている射出機7とから大略構成されている。更に詳しくは、キャビティ型5は、ドアトリム1に対応するキャビティ部5aを備えるとともに、昇降シリンダ5bの駆動により、所定ストローク上下動可能であり、四隅部にはガイドブッシュ5cが設けられている。一方、コア型6は、コア部6aを備えるとともに、射出機7からの溶融樹脂Mの通路となるマニホールド6b、ゲート6cが設けられており、キャビティ型5のガイドブッシュ5cに対応する位置にガイドポスト6dが立設されており、ガイドポスト6dがガイドブッシュ5c内に案内されて、キャビティ型5の昇降動作時、適切なプレス姿勢が維持される。
そして、この成形金型4を使用して、ドアトリム1を成形するには、まず、図15に示すように、キャビティ型5とコア型6とが型開き状態にある時、表皮3を型内に投入するが、この時、表皮3は、キャビティ型5に真空吸引力やセットピン等の手段により仮保持されても良く、また、図示しない投入セット枠等に保持されても良い。そして、図16に示すように、キャビティ型5が型開き位置(a)から下降して、射出位置(b)まで到達した時、射出機7から溶融樹脂Mがマニホールド6b、ゲート6cを通じてコア型6におけるコア部6aの上面に供給される。そして、更にキャビティ型5が下降して、キャビティ型5とコア型6との間の型クリアランスが3.0mmになるまで型締めが行なわれ、ここで加圧と冷却が図16のタイムチャート図中(d)〜(e)の間行なわれ、成形後、キャビティ型5が型開き位置(f)まで上昇して、成形金型4から成形されたドアトリム1を脱型操作する。尚、従来のドアトリム1の成形方法としては、特許文献1に詳細に記載されている。
特開平10−138268号公報
このように、従来のドアトリム1をモールドプレス成形工法で成形した場合、通常、キャビティ型5とコア型6との間の型締め圧は、80〜100kgf/cm2 で6秒間プレス圧をかけて行なうが、表皮3におけるクッション層3bの厚み3.0mmが成形後は2.0mmに減少し、クッション層3bの復元性が悪いため、ソフト感が大幅に低下するという不具合が指摘されているとともに、特に、トップ層3aとして織布を使用した場合、毛倒れが著しく、外観見栄えを損なうという外観上の不具合も同時に指摘されている。また、モールドプレス成形工法に替えて、射出成形工法を使用しても、クッション層3bの復元性については、同様の傾向が見られる。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、モールドプレス成形工法、あるいは射出成形工法等により、樹脂芯材の表面に表皮をプレス一体化する積層成形体の成形方法において、クッション層の復元力を向上させることでソフト感を高めることができ、かつ織布をトップ層として使用した際には、毛倒れを防止できる等、外観見栄えを良好に維持できる積層成形体の成形方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、キャビティ型とコア型とからなる成形金型により所要形状に成形される樹脂芯材と、該樹脂芯材の成形時に上記樹脂芯材の表面側に一体化される表皮とから構成される積層成形体の成形方法において、前記表皮は、トップ層の裏面にクッション層が積層された積層シート材料が使用され、成形金型内に上記表皮をセットした後、キャビティ型を下降操作する途中に射出機から溶融樹脂をコア型の型面所定位置に供給し、キャビティ型を下死点まで下降操作して、一定時間所定のプレス圧を加えて一次加圧を行なう射出・一次加圧工程と、前記射出・一次加圧工程後、キャビティ型を型開方向に動作させてプレス圧を減圧した状態でクッション層の復元性を高めた減圧工程を施した後に、樹脂芯材の冷却を行なう減圧・冷却工程とからなることを特徴とする。
ここで、本発明法は、モールドプレス成形工法、射出成形工法に適用できる。例えば、本発明方法に使用されるモールドプレス成形用金型は、可動側のキャビティ型と固定側のコア型と、コア型に接続される射出機とから大略構成されている。そして、キャビティ型は連結されている昇降シリンダにより所定ストローク上下動作を行ない、型締め位置と型開き位置との間で所定ストローク上下動作を行なう。一方、コア型は、射出機から供給される溶融樹脂の通路であるマニホールド、ゲートが設けられており、キャビティ型とコア型との間には、ガイド機構によりキャビティ型のプレス姿勢を適正に維持しながら型締め、型開き動作が行なわれる。そして、射出・一次加圧工程でのプレス圧は80〜100kgf/cm2 程度で、一次加圧時間は4〜7秒程度、好ましくは6秒間が良い。減圧・冷却工程はプレス圧20kgf/cm2 で、減圧・冷却時間は20〜40秒、好ましくは30秒程度が好ましい。
更に、使用する材料としては、樹脂芯材として汎用の熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等が使用できる。また、これら熱可塑性樹脂中に各種充填剤を混入しても良い。使用できる充填剤としては、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、タルク、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子等がある。また、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、低収縮剤等の各種添加剤が配合されても良い。
次いで、表皮としては、少なくともトップ層とクッション層の二層積層体か、あるいは二層積層体の裏面に不織布をバッキングした三層積層体が使用される。トップ層としては、ジャージ、トリコット等の織布や不織布等の布地シート、あるいは熱可塑性樹脂シートが使用できる。また、クッション層としては、ポリウレタンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリエチレンフォーム等が使用できる。そして、本発明方法によれば、射出・一次加圧工程後、キャビティ型を型開方向に動作させる減圧・冷却工程が採用されているため、表皮におけるクッション層の復元力が向上する。また、表皮のトップ層として、ジャージ、トリコット等の織布を使用した場合には、減圧工程により織布の毛倒れを防止することができる。
次に、本発明の好ましい実施の形態においては、キャビティ型とコア型とからなる成形金型により所要形状に成形される樹脂芯材と、該樹脂芯材の成形時に上記樹脂芯材の表面側に一体化される表皮とから構成される積層成形体の成形方法において、前記表皮は、未発泡の発泡剤が混入されたクッション層が使用され、上記成形金型内に上記表皮をセットした後、キャビティ型を下降操作する途中に射出機から溶融樹脂をコア型の型面所定位置に供給し、キャビティ型を下死点まで下降操作して、一定時間所定のプレス圧を加えて一次加圧を行なう射出・一次加圧工程と、前記射出・一次加圧工程後、キャビティ型を型開方向に動作させてプレス圧を減圧した状態でクッション層内の発泡剤を溶融樹脂の余熱により発泡させ、クッション層の厚みを確保した後に、減圧された二次加圧力により樹脂芯材の冷却を行なう発泡・冷却工程とからなることを特徴とする。
ここで、使用される表皮のクッション層としては、ポリウレタンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリエチレンフォーム等の発泡樹脂シート内部に未発泡の発泡剤が適量混合されている。そして、この実施の形態によれば、減圧・冷却工程でキャビティ型が型開方向に動作して、型間クリアランスが上昇した際、溶融樹脂の余熱によりクッション層内部の発泡成分が二次発泡を誘発することで、クッション層の厚みを有効に確保することができる。
以上説明した通り、本発明に係る積層成形体の成形方法によれば、成形金型内で溶融樹脂を所要形状に成形して、樹脂芯材を成形するとともに、この樹脂芯材の表面に表皮を一体化してなる積層成形品の成形方法において、成形金型内に表皮をセットした後、成形金型の型締め並びに溶融樹脂の射出充填による射出・一次加圧工程と、射出・一次加圧工程後、キャビティ型からのプレス圧を減圧して二次加圧を加えて樹脂芯材を冷却する減圧・冷却工程を採用することにより、表皮におけるクッション層の復元性を向上させ、積層成形体にソフト感を確実に付与できるとともに、表皮におけるトップ層に織布を使用した場合、織布の毛倒れがなく、表面風合いを良好に維持できるという効果を有する。
以下、本発明に係る積層成形体の成形方法を自動車用ドアトリムの製造方法に適用した具体例について図面を用いて詳細に説明する。尚、念のため付言すれば、本発明の要旨は特許請求の範囲に記載した通りであり、以下に説明する実施例の内容は、本発明の一例を単に示すものに過ぎない。
図1乃至図8は本発明の第1実施例を示すもので、図1は本発明方法をモールドプレス成形工法に適用して製作した自動車用ドアトリムの正面図、図2は同ドアトリムを示す断面図、図3は同ドアトリムを成形する際に使用する成形金型の概略構成を示す説明図、図4は同成形金型におけるタイムチャート図、図5乃至図8は本発明方法を自動車用ドアトリムの成形方法に適用した各工程を示す説明図である。
図1,図2において、自動車用ドアトリム10は、所望の曲面形状に成形され、保形性とドアパネルへの取付剛性を備えた樹脂芯材20と、この樹脂芯材20の表面に一体貼着された表皮30とから大略構成されている。更に詳しくは、上記ドアトリム10には、インサイドハンドルエスカッション11が取り付けられているとともに、室内側に膨出状に形成されたアームレスト12には、パワーウインドウスイッチフィニッシャー13やプルハンドル14が取り付けられ、アームレスト12の下方には、ポケット開口15が開設され、ポケット開口15の背面側には、図示しないポケットバックカバーが取り付けられている。更に、ポケット開口15のフロント側には、ドアトリム10と一体、あるいは別体にスピーカグリル16が設けられている。
ところで、本発明方法により製作される自動車用ドアトリム10は、上述したように、樹脂芯材20と表皮30との積層構造体とから構成されているが、樹脂芯材20はモールドプレス成形工法により所要形状に成形されており、素材としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等から適宜選択して良い。
また、表皮30は、製品表面側からトップ層31、クッション層32、裏面不織布33との積層体から構成されており、トップ層31としては、ジャージ、トリコット等の織布、又は不織布、合成樹脂シートから適宜選択される。また、クッション層32は、ポリウレタンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリエチレンフォーム等の発泡層であり、本発明方法を使用すれば、このクッション層32の復元性が向上し、成形前と成形後の厚みがほとんど変わりがなく、ほぼ3.0mm程度の厚みが確保されて良好なソフト感を付与することができる。また、不織布33は、ポリエステル繊維不織布、あるいはポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維混紡不織布等が使用でき、面密度としては100g/m2 に設定されている。このように、ドアトリム10は、樹脂芯材20と表皮30との積層成形体から構成され、特に、クッション層32の復元性が良好でソフト感に優れるとともに、トップ層31についても特に織布を使用した場合に毛倒れがなく、良好な表面風合いが得られることが特徴である。
次に、図3を基に上記ドアトリム10の成形に使用する成形金型40の構成について説明する。図3は、上記ドアトリム10を成形する際に使用する成形金型40の構成を示すもので、成形金型40は、上下動可能なキャビティ型50とその下方に位置し、固定側であるコア型60と、コア型60に連結される射出機70とから大略構成されている。
更に詳しくは、キャビティ型50は、ドアトリム10の製品形状と合致するキャビティ部51が形成されているとともに、昇降シリンダ52に連結され、この昇降シリンダ52の動作により所定ストローク上下動作を行なう。また、キャビティ型50の四隅部には、ガイド機構となるガイドブッシュ53が備わっている。一方、コア型60は、キャビティ型50のキャビティ部51との間で製品キャビティCを形作るために、コア部61が型板上に設けられており、射出機70から供給される溶融樹脂Mは、マニホールド62、ゲート63を通じてコア部61の型面上に供給される。尚、この実施形態においては、キャビティ型50とコア型60とが型開き状態にある時に溶融樹脂Mが供給されているように図示されているが、実際の溶融樹脂Mの射出時期としては、キャビティ型50が下降して、下死点に到達する直前に行なわれる。また、キャビティ型50のガイドブッシュ53に対応するように、コア型60には、ガイドポスト64が設けられている。
次いで、この成形金型40を使用して、ドアトリム10を成形する工程について、図4に示す成形金型(主にキャビティ型50)のタイムチャート図と、図5乃至図8に示す工程説明図を基に以下説明する。まず、図4に示すタイムチャート図において、キャビティ型50が型開き位置(タイムチャート図中a1で示す)の時に、図5に示すように、キャビティ型50とコア型60との間に表皮30を投入する。表皮30については、図示はしないがキャビティ型50の型面に真空吸引力により保持させても良く、また、セットピン等によりキャビティ型50の型面に保持することもでき、あるいは、図示しないセット枠上に載置しても良い。
更に、表皮30が成形金型40内に投入された後、キャビティ型50が下降して、射出位置(タイムチャート図中a2で示す)に到達した時に一旦キャビティ型50が停止して、図6に示すように、射出機70、マニホールド62、ゲート63を通じて溶融樹脂Mがコア部61の上面に供給される。更に、タイムチャート図中a2〜a3に至る射出工程が済めば、キャビティ型50は下死点(タイムチャート図中a4で示す)まで下降して一次加圧を行なう。すなわち、図7に示すように、タイムチャート図中a4〜a5に至る間、一次加圧力として80〜100kgf/cm2 のプレス圧を6秒間加え、キャビティ型50とコア型60との間で画成されるキャビティ形状に沿って樹脂芯材20と表皮30をプレス一体化する。
そして、一次加圧工程後、タイムチャート図中a5〜a6にかけてキャビティ型50を型開方向に微小ストローク可動させてキャビティ型50から加わるプレス圧を20kgf/cm2 に減圧して低圧の二次加圧力を加える減圧工程と、タイムチャート図中a6〜a7にかけての冷却工程を25〜30秒の間実施して、この減圧・冷却工程において、表皮30における特にクッション層32の復元性を確保するとともに、トップ層31の毛倒れを防止する。この減圧・冷却工程で所望のプレス圧を調整するために、図8に示すように、ガイドポスト64の基部にシム65を設定することにより、図8中符号dで示すストローク分キャビティ型50を上昇させた位置で保持することができ、簡単に減圧工程の調整を行なうことができる。
このように、実施例1によるドアトリム10の成形方法によれば、射出工程、一次加圧工程の後、減圧・冷却工程を採用することで、表皮30におけるクッション層32の復元性を良好に維持でき、ドアトリム10の製品表面のソフト感を向上させることができるとともに、表皮30におけるトップ層31に織布を使用した場合には、織布の毛倒れを防止でき、良好な表面風合いを得ることができる。
次いで、図9乃至図12は本発明の第2実施例を示すもので、図9は第2実施例における成形金型のタイムチャート図、図10乃至図12は第2実施例における各工程説明図である。尚、第1実施例と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。図9のタイムチャート図から明らかなように、キャビティ型50の型開き位置(タイムチャート図中b1で示す)にある時、図10に示すように、表皮30が型内にセットされる。この表皮30としては、トップ層31として織布が使用され、不織布33としてポリエステル繊維不織布が使用される点は第1実施例と同一であるが、クッション層32として、未発泡の発泡剤を含んだポリウレタンフォームが使用されている点が異なる。すなわち、第1実施例と第2実施例との差異は、第1実施例のクッション層32に替えて、未発泡の発泡剤を混入したクッション層32Aが使用されている点である。
そして、図9に示すタイムチャート図中b2〜b3の溶融樹脂Mの射出工程、及びタイムチャート図中b4〜b5の一次加圧工程は、第1実施例と同一である。尚、図11において、一次加圧工程を示す。そして、一次加圧工程後、図9に示すタイムチャート図中b5〜b6に至る間キャビティ型50が微小ストローク上昇して減圧が行なわれるが、この時、キャビティ型50からのプレス圧は、一次加圧工程の80〜100kgf/cm2 に比べ20kgf/cm2 程度の低圧の二次加圧力に減圧される。そして、この時、溶融樹脂Mの余熱により表皮30におけるクッション層32A中に含まれている発泡成分に二次発泡が生じ、クッション層32Aの反発力が高まる。従って、タイムチャート図中b6〜b7の冷却工程後、キャビティ型50を上昇させて成形されたドアトリム10を脱型すれば、表皮30におけるクッション層32Aは二次発泡により復元性が向上して、ソフト感を高めたドアトリム10の成形が可能となる。
以上説明した実施例1、実施例2は、本発明に係る積層成形体の成形方法として自動車用ドアトリム10の成形方法について適用したが、用途として、樹脂芯材20の表面にトップ層31、クッション層32を備えた表皮30を貼着するという構成であれば、車両用内装部品の他に鉄道車両の内装パネルや建築用内装材等に適用することもできる。また、本発明方法はモールドプレス成形工法に適用したが、射出成形工法に準用することもできる。
本発明に係る積層成形体の成形方法を適用して製作した自動車用ドアトリムを示す正面図である。 図1中II−II線断面図である。 図1に示すドアトリムを成形する際に使用する成形金型の一例を示す成形金型の概略構成を示す説明図である。 図3に示す成形金型におけるキャビティ型のタイムチャート図である。 本発明方法をドアトリムの成形方法に適用した第1実施例における表皮のセット工程を示す説明図である。 本発明方法をドアトリムの成形方法に適用した第1実施例における溶融樹脂の射出工程を示す説明図である。 本発明方法をドアトリムの成形方法に適用した第1実施例における一次加圧工程を示す説明図である。 本発明方法をドアトリムの成形方法に適用した第1実施例における減圧工程を示す説明図である。 本発明の第2実施例を示す成形金型におけるキャビティ型のタイムチャート図である。 本発明方法をドアトリムの成形方法に適用した第2実施例における表皮のセット工程を示す説明図である。 本発明方法をドアトリムの成形方法に適用した第2実施例における一次加圧工程を示す説明図である。 本発明方法をドアトリムの成形方法に適用した第2実施例における発泡工程を示す説明図である。 従来のドアトリムを示す正面図である。 図13中XIV −XIV 線断面図である。 従来のドアトリムの成形方法に使用する成形金型の概要図である。 従来の成形金型におけるタイムチャート図である。
符号の説明
10 自動車用ドアトリム
20 樹脂芯材
30 表皮
31 トップ層
32,32A クッション層
33 裏面不織布
40 成形金型
50 キャビティ型
52 昇降シリンダ
60 コア型
62 マニホールド
63 ゲート
70 射出機
M 溶融樹脂

Claims (2)

  1. キャビティ型(50)とコア型(60)とからなる成形金型(40)により所要形状に成形される樹脂芯材(20)と、該樹脂芯材(20)の成形時に上記樹脂芯材(20)の表面側に一体化される表皮(30)とから構成される積層成形体(10)の成形方法において、
    前記表皮(30)は、トップ層(31)の裏面にクッション層(32)が積層された積層シート材料が使用され、成形金型(40)内に上記表皮(30)をセットした後、キャビティ型(50)を下降操作する途中に射出機(70)から溶融樹脂(M)をコア型(60)の型面所定位置に供給し、キャビティ型(50)を下死点まで下降操作して、一定時間所定のプレス圧を加えて一次加圧を行なう射出・一次加圧工程と、
    前記射出・一次加圧工程後、キャビティ型(50)を型開方向に動作させてプレス圧を減圧した状態でクッション層(32)の復元性を高めた減圧工程を施した後に、樹脂芯材(20)の冷却を行なう減圧・冷却工程と、
    からなることを特徴とする積層成形体の成形方法。
  2. キャビティ型(50)とコア型(60)とからなる成形金型(40)により所要形状に成形される樹脂芯材(20)と、該樹脂芯材(20)の成形時に上記樹脂芯材(20)の表面側に一体化される表皮(30)とから構成される積層成形体(10)の成形方法において、
    前記表皮(30)は、未発泡の発泡剤が混入されたクッション層(32A)が使用され、上記成形金型(40)内に上記表皮(30)をセットした後、キャビティ型(50)を下降操作する途中に射出機(70)から溶融樹脂(M)をコア型(60)の型面所定位置に供給し、キャビティ型(50)を下死点まで下降操作して、一定時間所定のプレス圧を加えて一次加圧を行なう射出・一次加圧工程と、
    前記射出・一次加圧工程後、キャビティ型(50)を型開方向に動作させてプレス圧を減圧した状態でクッション層(32A)内の発泡剤を溶融樹脂(M)の余熱により発泡させ、クッション層(32A)の厚みを確保した後に、減圧された二次加圧力により樹脂芯材(20)の冷却を行なう発泡・冷却工程と、
    からなることを特徴とする積層成形体の成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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