JP2008044118A - 片綴り冊子及びその製造方法。 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】片綴り冊子は、重ね合わせた各用紙20それぞれの一端に沿う綴り辺を、所定の綴り幅を有する綴り部1で綴ってなる。そして、前記綴り部は、綴り幅方向の少なくとも上端部11及び下端部12にて各用紙が密着状態にあると共に、上下端部間の亘り部にて各用紙間が非密着状態にあり、これによって重ね合わせた厚さ方向の膨らみを有する。
【選択図】 図1
Description
両面に印刷が施された原型用紙P1の一面の、中央に伸びる中央折り線L1よりも両側へ平行にずれた、複数本の糊付けラインL3上に固着糊3を塗布する第一糊塗布工程と、
前記糊付けラインL3にそれぞれ垂直に交差するようにして重ね折り線L2が複数本並設され、前記原型用紙P1を、この隣り合う重ね折り線L2毎に複数回、順に折リ重ねて用紙20同士を前記糊付けラインL3で固着し、重合用紙群P2を形成する重ね折り工程と、
重ね折り工程後の用紙たる重合用紙群P2の一面であって前記複数本のうち少なくともいずれかの糊付けラインL3上に固着糊3を塗布する第二糊塗布工程と、
重ね折り工程後の用紙たる重合用紙群P2を、前記第二糊塗布工程の糊塗布面を谷側として、中央折り線L1で二つに折り重ねることで二つ折り重合用紙群P3を形成する二つ折り工程と、
二つ折り工程後の用紙たる二つ折り重合用紙群P3を、折り重ね後の中央折り線L1の少なくとも一部又は全部を残したまま完成形状に裁断することで、完成形状の片綴り冊子を得る裁断工程とを順に具備する。
本発明の片綴り冊子は、図1に示すように、上綴りの片綴り冊子であって、上端の幅方向に沿う細長形状の綴り部1と、この綴り部1を綴り辺として下方に連なリ、各枚の下端が開放されたまま重ねあわされた用紙群2とからなる。以下、各実施例の構成及び製造方法につき詳述する。
実施例1の綴り部1は、複数の用紙20の一端を綴ってなる。また、上下方向に所定の綴り幅を有する。所定の綴り幅とは、図2にて上端部11および下端部12間の側方向距離である。
綴り部1の上端部11は、重合用紙群P2を中央折り線L1で二つ折りする二つ折り工程によって形成される。実施例では、用紙群2の前半頁部、後半頁部をそれぞれ重ねて下方糊付け位置で糊付けし、これを中央位置でまとめて折り曲げることで膨出部13と共に形成される。
綴り部1の下端部12は、第一糊塗布工程及び第二糊塗布工程によって、重ね合わせ及び前記折り曲げによって接面する用紙間を固着糊3で接合固着して形成される。重ね合わせ及び前記折り曲げによって接面する用紙間を第一及び第二糊塗布工程の固着糊3によって接合固着して形成される。この接合固着位置は、前記中央折り線L1よりも下方にずれた、略中央折り線L1と並行に形成される糊付けラインL3上の位置である。
綴り部1の膨出部13は上下端部11、12間を亘る複数枚の用紙で形成され、各用紙が上下端部11、12よりも密着していない非密着状態にあることで、複数の用紙間空間1Sが形成される(図2)。用紙間空間1Sは、第一糊塗布工程によって上下端が閉じられて側面視にて底の無い袋状(筒状)に形成され、この底の無い袋状(筒状)のまま二つ折りされて、重ねあわせた複数枚の用紙に強制たわみが生じることによる。このように強制たわみによる用紙間空間1Sが形成されることで、上下端部11、12間の各用紙が湾曲し、綴り部1に、厚さ方向すなわち用紙20の重ね合わせ方向の脹らみ、すなわち膨出部13が形成される。膨出部13の綴り幅1w方向の膨出幅13wは、綴り幅1wの三分の二ないし八分の七程度であることが好ましい。
綴り部1の窪み筋14は下端部1211に沿ってその上方近傍に形成される。固着糊3塗布工程前の窪み筋形成工程によって形成される。窪み筋14のつづり幅方向の幅たる窪み幅14wは、2mmないし10mm程度が好ましく、綴り幅1wの三分の一ないし八分の一程度であることが好ましい。
用紙群2は、綴り部1と共通した枚数の、下端が開放した複数の用紙20からなる。用紙群2のうち冊子の前半頁を構成する部分と後半頁を構成する部分は、原型用紙P1において、中央折り曲げ線を境とした上下に分配される。
本発明の片綴り冊子の製造方法は、複数種類の印刷面が区分けして印刷された、一枚の矩形の原型用紙P1を折り加工して製造される。具体的には、下記各工程を順に具備する製造方法による(図3、図4)。
イ)原型用紙P1の一面であって、中央折り線L1よりも両側に所定距離だけ平行にずれた複数本たる二本の糊付けラインL3上に固着糊3を塗布する第一糊塗布工程と、
ロ)前記糊付けラインL3にそれぞれ垂直に交差するようにして所定の重ね折り間距離をそれぞれ開けて並設した複数本たる4本の間隔線を重ね折り線L2として、前記原型用紙P1を、この隣り合う重ね折り線L2毎に複数回たる三回、順に折リ重ねて用紙20同士を前記糊付けラインL3で固着し、重合用紙群P2を形成する重ね折り工程と、
ハ)前記糊付けラインL3よりも外側の際に沿って切り取り用のミシン罫4を入れるミシン入れ工程と、
ニ)ローラーの型押しによって少なくとも糊付けラインL3に沿う固着糊3塗布面上に一対又は複数対の窪み筋14を形成する窪み筋形成工程と、
ホ)重ね折り工程後の用紙たる重合用紙群P2の一面であって前記各対それぞれの少なくともいずれか片側の糊付けラインL3上に固着糊3を塗布する第二糊塗布工程と、
へ)重ね折り工程後の用紙たる重合用紙群P2を、前記第二糊塗布工程の糊塗布面を谷側として、綴り部1の上端位置となる中央折り線L1で二つに折り重ねることで二つ折り重合用紙群P3を形成する二つ折り工程と、
ト)チ)二つ折り工程後の用紙たる二つ折り重合用紙群P3を、折り重ね後の中央折り線L1の少なくとも一部又は全部を残したまま完成形状に裁断することで、完成形状の片綴り冊子を得る裁断工程と、
リ)天吊り孔5を含む孔部を打ち抜き形成する孔部形成工程。
第一糊塗布工程は、両面に印刷が施された原型用紙P1の一面の、中央に伸びる中央折り線L1よりも両側へ平行にずれた、複数本の糊付けラインL3上に固着糊3を塗布する工程である。
原型用紙P1は矩形であり、所定面の所定位置に複数種類の印刷が施される。中央折り線L1及び重ね折り線L2によって囲われる面が、各冊子の印刷面となる。
中央折り線L1は重ね折りの後に谷折りされる、矩形の原型用紙P1の向かい合う両側辺の中央を亘るように伸びる折り線である。
糊付けラインL3は、中央折り線L1を境とした両側へ対称に所定幅ずつずれて一対又は複数対が平行に形成される。実施例では綴り幅1wの分だけ一本ずつ両側へずれて一対が形成される。
使用する固着糊3は、常温で硬化する水溶性接着剤であることが好ましい。上記製造方法によれば、固着糊3の量が少ないものとなる。
重ね折り工程は、第一糊塗布工程を終えた原型用紙P1を、隣り合う重ね折り線L2毎に複数回、順に折っていき、折り重なる用紙20同士を固着糊3が塗布された前記糊付けラインL3で固着して、重合用紙群P2を形成する工程である。
重ね折り線L2は、中央折り線L1にそれぞれ垂直に交差するようにして形成された複数の折り線であり、それぞれ所定の重ね折り間距離を開けて重ね折り線L2が複数本並設される。
第一糊塗布工程と重ね折り工程によって重合用紙群P2が形成される。この重合用紙群P2は重ね折り線L2を一対の両側辺とし、これらに隣り合う他の対の両側辺は中央部が筒状或いはつづら状に折り重ねられて中央部が開放してなる。また、前記一対の両側辺の中央同士を中央折り線L1が亘る。その中央折り線L1を対称として両側に平行にずれた一対の糊付けラインL3で、重ねあって当接する各用紙が固着される。)
本重ね折り工程を含めた第一糊塗布工程から第二糊塗布工程までは、コンベア搬送による自動折り機を使用して機械的に連続自動遂行することができる。これにより、製本工程において大幅な生産性の向上が見込めるものとなる。例えば、従来の丁合製本による天吊り型カレンダーは、1時間当たり2千冊しか丁合製本できなかった。これに対し、本願発明の製造方法によれば、1時間当たり5千ないし6千冊分を折り加工製本することができる。
ミシン入れ工程は、前記糊付けラインL3よりも外側の際に沿って切り取り用のミシン罫4を入れる工程である。具体的には、図3(ハ)で示すような、水平方向軸の上下一対の自由回転ローラーによって形成されるミシン入れ機構を、中央折り線L1を対称として2対備えてなる。この各対のミシン入れ機構の上下部間に、折り重ね工程を経た重合用紙群P2を通すことでミシン罫4が形成される。上部のミシン入れローラーR1には外周の幅方向中央位置へ、複数枚の方形状のミシン刃が等間隔を開けて一列設けられる。下部のミシン受けローラーR2は、このミシン入れローラーR1のミシン刃と接触する位置に設けられる。各対のローラーは上下部それぞれ共通する水平シャフトで支持されており、各ミシン入れ機構内を通る重合用紙群P2を、下部のミシン受けローラーR2で下部から受け押さえながら、中央折り線L1を対称とした2本のミシン罫4を同時に形成する。
窪み筋形成工程は、重ね折りを経た重合用紙群P2の一面のうち糊付けラインL3上を、型押しローラーによって型押しすることで、糊付け面側に窪み筋14を形成する工程である。本工程によって、図5(a)に示すように、下端部12付近の重ねあわされた用紙全部が同一方向の窪みを有して密着する。これにより、幅方向すなわち窪み筋14の進行方向への反りや撓みが極めて生じにくいものとなる。更に、その後の第二糊塗布工程によって図5(b)に示すように、塗布した糊が第一窪み筋14内に入り込んで、その後の二つ折り工程等で固着糊3が不要に分散しないものとなる。
第二糊塗布工程は、重ね折り工程後の用紙たる重合用紙群P2の一面であって、二本の糊付けラインL3上の少なくともいずれかに固着糊3を塗布する工程である。固着中央折り線L1を対称とした用紙は後の二つ折り工程によって折り重なって当接するため、固着中央折り線L1を対称に複数対設けられる糊付けラインL3の各対において、それぞれ少なくとも中央折り線L1を境としたいずれか片側の糊付けラインL3に固着糊3を塗布すればよい。実施例では一対すなわち2本の糊付けラインL3であるため、片側の一本の糊付けラインL3上にのみ固着糊3を塗布する。このとき、図5(b)のように、窪み筋14内に固着糊3の大部分が収容される。
二つ折り工程は、第二糊塗布工程を経た重合用紙群P2を、前記第二糊塗布工程の糊塗布面を谷側として、綴り部1の下端部12となる中央折り線L1で二つ折りして、これによって折り重ねた用紙20の最内枚同士を固着して、二つ折り重合用紙群P3を形成する工程である。具体的には、図4(ヘ)に示すように、垂直方向に立設した平板上の型押しナイフNで中央折り線L1上に下方へ型押しをする。また、型押しナイフの下方両面付近には、水平回転軸として自由回転可能に設置された左右一対のナイフ受けローラーR5が設置される。型押しナイフが重合用紙群P2を上方から中央折り線L1に沿って下方に押し込むことで、下方にある一対のナイフ受けローラーR5の間に重合用紙が食い込むこととなる。このように左右のローラー間へ食い込むことで、相当の厚さを有する重合用紙群P2を確実に二つ折りに折り重ねるものとしている。
重合用紙群P2を用いた第二糊塗布工程と二つ折り工程とによって、二つ折り重合用紙群P3が形成される。この二つ折り重合用紙群P3は、重ね折り線L2を一対の両側辺とし、中央折り線L1をこれら両側辺に隣り合う上辺とし、そして上辺と対向する下辺は、中央部が筒状或いはつづら状に折り重ねられて辺中央部分が開放してなる。また、中央折り線L1の辺付近であって中央折り線L1と平行にずれた一本の糊付けラインL3で、重ねあって当接する各用紙が固着される。
裁断工程は、複数枚をまとめて完成形状となるように、裁断カッターC1によって綴り部1の両端を除く三方を裁断する工程である。綴り部1の上端部11となる中央折り線L1においては、両端付近以外を裁断せずに残すものとしている。裁断の方法としては例えば、第一、第二ステーションからなる三方断裁機内を自動搬送して三方断裁を行う方法、一枚刃の断裁を3工程行う方法、および、所定形状の型抜きによる方法の3種類が挙げられ、このうちいずれであっても良いし、他の方法によるものであっても良い。実施例1は自動断裁機によって2ステージで裁断するものである。具体的には、一方断裁カッターで片綴り冊子の下辺(綴り部1と反対側の端辺)に相当する部分をカットし(図4(ト))、次に、二方断裁カッターで片綴り冊子の両側辺に相当する部分をカットする(図4(チ))。三方断裁機を用いることで、手作業を伴うことのない完全機械生産とすることが可能である。
孔部形成工程は、孔開けカッターC4によって、天吊り孔5を含む孔部を打ち抜き形成する工程である(図4(リ))。天吊り孔5は、用紙間空間1Sの形成された膨出部13内に設けられることが好ましい。これにより、厚さ方向の複数箇所で吊り棒と接触することができ、天吊りの保持が安定したものとなる。
本製造方法によれば、綴り部1が全て用紙群2と同じ用紙から形成され、また天吊り金具などの付属具が必要ないため、印刷面の違和感がなく、綴り部1付近の印刷隠れも生じることがない。このため、綴り部1まで同一材質の用紙からなり上端まで印刷を施した体裁の良い片綴り冊子を得ることができる。また、一枚の原型用紙P1から折り加工することで得られるため、落丁のない丈夫な冊子を容易に得ることができる。特に常時展示する天吊りカレンダー等の、厚手の用紙を用いた天吊り冊子とすることで、腰があって容易に分解しない丈夫な綴り部1を具備するものとなる。
11 上端部
12 下端部
13 膨出部
14 窪み筋
1S 用紙間空間
1w 綴り幅
13w 膨出幅
14w 窪み幅
2 用紙群
20 用紙
3 固着糊
4 ミシン罫
5 天吊り孔
C1 一方断裁カッター
C2 二方断裁カッター
C3 孔開けカッター
C4 型抜きカッター
L1 中央折り線
L2 重ね折り線
L3 糊付けライン
N 型押しナイフ
P1 原型用紙
P2 重合用紙群
P3 二つ折り重合用紙群
R1 ミシン入れローラー
R2 ミシン受けローラー
R3 型押しローラー
R4 型押し受けローラー
R5 ナイフ受けローラー
W1 第一折り重ね間距離
W2 第二折り重ね間距離
W3 第三折り重ね間距離
W4 第四折り重ね間距離
Claims (5)
- 重ね合わせた複数の用紙のそれぞれ片側の綴り辺を、所定の綴り幅を有する綴り部で綴ってなる片綴り冊子であって、
前記綴り部は、綴り幅方向の少なくとも両端部にて各用紙が密着状態にあると共に、前記両端部間にて各用紙間が非密着状態にあり、用紙の重ね合わせ方向に膨らんだ膨出部を有することを特徴とする片綴り冊子。 - 綴り部が、一又は複数の用紙を複数層重ね合わせて、中央位置に伸びる中央折り線よりも所定の綴り幅だけずれた糊付けライン上で重合固着して、重合用紙群を形成し、この重合用紙群を中央折り線で二つ折りして形成したものである請求項1記載の片綴り冊子。
- 綴り部と綴られる複数の用紙とが、一体的に連なる同一枚数の同一用紙によって形成される請求項1または2記載の片綴り冊子。
- 両面に印刷が施された原型用紙の一面の、中央に伸びる中央折り線よりも両側へずれた複数本の糊付けライン上に固着糊を塗布する第一糊塗布工程と、前記糊付けラインにそれぞれ交差するようにして複数本並設された重ね折り線毎に、前記原型用紙を複数回折リ重ねる重ね折り工程と、重ね折り工程後の用紙の一面であって前記複数本のうち少なくともいずれかの糊付けライン上に固着糊を塗布する第二糊塗布工程と、重ね折り工程後の用紙を、前記第二糊塗布工程の糊塗布面を谷側として、中央折り線で二つに折り重ねる二つ折り工程と、二つ折り工程後の用紙を、中央折り線の少なくとも一部を残したまま完成形状に裁断する裁断工程とを順に具備する片綴り冊子の製造方法。
- 第一糊塗布工程または第二糊塗布工程の少なくともいずれかにおいて、糊付けライン上に形成した窪み筋に固着糊を塗布する請求項4記載の片綴り冊子の製造方法。
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JP4913253B1 (ja) * | 2011-06-09 | 2012-04-11 | 株式会社カレンダー広告 | リーフ印刷物、リーフ印刷物の製造方法、綴じリーフ及びリーフ提供方法 |
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