JP2008043261A - 土壌処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 土壌内の土塊を破砕するとともに石礫を選別して除去することができ、安価で簡素な構成でありながら、播種床を一定の厚さに調整することができる土壌処理装置を提供する。
【解決手段】 本体フレーム2と、土壌を掘り起こすための掘取部3と、掘り取り深さを調節するガイドローラ4と、掘り起こされた土塊を破砕し石礫を選別除去するための土壌処理コンベヤ6と、本体フレームの前端部に上下平行リンク機構を介して連結された牽引部7と、牽引部7に対し本体フレーム2の前端部を上下動させる油圧シリンダ8と、油圧シリンダ8内の油圧を制御して、装置1の自重のうちガイドローラ4にかかる重量に相当する上向きの力を本体フレーム2に付与してガイドローラ4を畦に沈み込まない位置に保持する油圧制御手段9とを有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、土壌内の土塊を破砕し石礫を選別除去する土壌処理装置に関し、特に、馬鈴薯等を栽培する栽培床を調整するのに好適な土壌処理装置に関するものである。
近年、馬鈴薯等を栽培するにあたり、播種作業前に栽培床の土塊を破砕したり、土塊や石礫を除去するソイルコンディショニングと呼ばれる栽培システムが提案されている。このソイルコンディショニングによれば、生育時や収穫時において、土塊や石礫が馬鈴薯にダメージを与えてしまうことを防げるし、収穫の際に土塊や石礫の選別除去作業を行う必要がなくなるため作業効率が向上する。
上記のようなソイルコンディショニングに使用される装置として、例えば、国際公開第03/024195号パンフレットには、土塊を破砕したり土壌から不要物を除去する土壌処理装置が提案されている(特許文献1)。この土壌処理装置は、土壌を掘り起こすリフティング手段と、掘り起こした土壌等を処理しながら運搬するメインコンベヤと、このメインコンベヤの下流に設けられる追加コンベヤとから構成されている。そして、リフティング手段の前方に設けられたガイドローラの上下位置を調節することで掘取深さを調節し、栽培床の厚さを一定に調整するようになっている。
国際公開第03/024195号パンフレット
しかしながら、特許文献1に記載された土壌処理装置においては、ガイドローラに装置の自重がかかってしまう。したがって、二畦同時作業機のように、リフティング手段やコンベヤを含めた装置重量が大きい場合、ガイドローラが畦に沈み込んでしまうため、リフティング手段による掘取深さが変動し、栽培床の厚さを一定にすることができないという問題がある。
また、従来の土壌処理装置において、ガイドローラを弾性部材等によって上下動自在に支持するとともに、畦の凹凸を感知する近接センサと、掘取部を上下させるアクチュエータとを設ければ、畦の凹凸に合わせてアクチュエータをオンオフ制御することにより、掘取部を畦に追従させられるが、制御の難しさとコストがかかるため好ましくない。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、土壌内の土塊を破砕するとともに石礫を選別して除去することができ、安価で簡素な構成でありながら、播種床を一定の厚さに調整することができる土壌処理装置を提供することを目的としている。
本発明に係る土壌処理装置の特徴は、一対のタイヤを回転自在に軸支する本体フレームと、この本体フレームに設けられ土壌を掘り起こすための掘取部と、この掘取部の前方に設けられ掘り取り深さを調節するガイドローラと、前記掘取部の後方に設けられ掘り起こされた土塊を破砕し石礫を選別除去するための土壌処理コンベヤと、前記本体フレームの前端部に上下平行リンク機構を介して連結された牽引部と、この牽引部に対して、前記本体フレームの前端部を上下動させる油圧シリンダと、この油圧シリンダ内の油圧を制御して、装置の自重のうち前記ガイドローラにかかる重量に相当する上向きの力を前記本体フレームに付与して前記ガイドローラを畦に沈み込まない位置に保持する油圧制御手段とを有している点にある。
また、本発明において、前記油圧制御手段は、前記油圧シリンダへの油の供給を制御する第1制御弁と、油タンクへの油の逃がしを制御する第2制御弁と、前記油圧シリンダ内の油圧が、前記ガイドローラを畦に沈み込ませない位置に保持しうる上向きの力を付与するための所定の油圧値を超えたとき、油を油タンクへ排出する自重キャンセル量調節弁と、この自重キャンセル量調節弁への油の供給を制御する第3制御弁と、これら第1制御弁、第2制御弁および第3制御弁を制御するバルブコントローラとを有し、このバルブコントローラは、土壌を処理する場合、前記第1制御弁を制御して前記油圧シリンダに油を供給させ、前記第2制御弁を制御して前記油タンクに油が逃げないようにし、前記第3制御弁を制御して前記自重キャンセル量調節弁に油を供給させることが好ましい。
さらに、本発明において、前記土壌処理コンベヤは、土塊破砕用の円弧状突起を有する複数本の土壌処理ローラが並列配置されており、隣接する土壌処理ローラが互いに異なる回転速度で回転する構成とされていることが好ましい。
本発明によれば、土壌内の土塊を破砕するとともに石礫を選別して除去することができ、安価で簡素な構成でありながら、播種床を一定の厚さに調整することができる。
以下、本発明に係る土壌処理装置の一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態の土壌処理装置1を示す側面図である。
図1に示すように、本実施形態の土壌処理装置1は、主として、本体フレーム2と、土壌を掘り起こすための掘取部3と、この掘取部3による掘り取り深さを調節するガイドローラ4と、掘り起こした土壌を左右両側で堰き止める堰止用ディスク5と、掘り起こされた土塊を破砕し石礫を選別除去するための土壌処理コンベヤ6と、トラクタに牽引される牽引部7と、この牽引部7に対して、本体フレーム2の前端部を上下動させる油圧シリンダ8と、この油圧シリンダ8内の油圧を制御する油圧制御手段9とから構成されている。
以下、各構成部についてより詳細に説明する。本体フレーム2は、図1に示すように、前方にトラクター等で牽引するための引き手部21が設けられており、後方には一対のタイヤ22,22を回転自在に軸支している。なお、本実施形態では、タイヤ22,22を軸支する支持フレーム23にステアリング用シリンダ24が設けられており、土壌処理装置1をより高精度に方向変換しうるようになっている。また、支持フレーム23と本体フレーム2との間には、傾斜調節用シリンダ25が設けられており、本体フレーム2の傾斜角度を調節しうるようになっている。
掘取部3は、土壌を掘り起こして土壌処理コンベヤ6に渡す役割を果たすものである。本実施形態において、掘取部3は、その先端が尖った形状に形成されており、図1に示すように、引き手部21の基端部近傍において本体フレーム2に固定されている。
ガイドローラ4は、畦に接地されて掘取部3との間隔を調節することにより掘取深さを決定する役割を果たすものである。本実施形態において、ガイドローラ4は、引き手部21に上下揺動自在に支持されており、ローラ調節ネジ41により初期の設定位置を上下で変更しうるようになっている。
堰止用ディスク5は、掘取部3により掘り起こされた土壌が左右にはみ出るのを堰き止める役割を果たすものである。本実施形態において、堰止用ディスク5は、掘取部3の左右位置で回転自在に軸支されており、逃げ量調節スプリング51によって、上方向の逃げ量が設定されるようになっている。
土壌処理コンベヤ6は、掘り起こされた土塊を破砕し石礫を選別除去する役割を果たすものである。本実施形態において、土壌処理コンベヤ6は、図2に示すように、本体フレーム2の前後方向に複数本の土壌処理ローラ61が並列配置されており、これら各土壌処理ローラ61に本体フレーム2の上方に設けられた両軸減速機62から回転駆動力が伝達される。
具体的には、図2に示すように、左右端部のいずれかにスプロケットSを有する第1ローラR1から第15ローラR15までの土壌処理ローラ61を並列配置しており、両軸減速機62の左側のダブルスプロケットWSを第3ローラR3および第4ローラR4のスプロケットSとチェーンCで巻回させている。また、両軸減速機62の右側のダブルスプロケットWSを第5ローラR5および第6ローラR6のスプロケットSとチェーンCで巻回させている。
そして、図2に示すように、所定のローラRのスプロケットSをチェーンCで連結することにより、例えば第3ローラR3の回転力を第1ローラR1に伝達し、第4ローラR4の回転力を第2ローラR2に伝達し、隣接する各ローラRの回転数を異なるようにできる。また、同様の構成によって、第5ローラR5の回転駆動力は、第7ローラR7,第9ローラR9,第11ローラR11へと伝達され、第6ローラR6の回転駆動力は、第8ローラR8,第10ローラR10,第12ローラR12〜第15ローラR15へと伝達され、隣り合う土壌処理ローラ61の回転数が異なるようにできる。なお、図2では、チェーンの巻回関係をわかりやすくするため、両軸減速機62のダブルスプロケットWSを各土壌処理ローラ61の外側に図示している。
また、本実施形態では、土壌処理コンベヤ6の土塊破砕機能および石礫選別除去機能を向上させるため、隣接する土壌処理ローラ61が互いに異なる回転速度で回転する構成とされている。具体的には、両軸減速機62の左右のダブルスプロケットWSのうち、第4ローラR4および第6ローラR6に回転駆動力を伝達するスプロケットSの歯数が、第3ローラR3および第5ローラR5に回転駆動力を伝達するスプロケットSの歯数よりも少なくなるように選択されている。これにより、第2,4,6,8,10,12〜15ローラR2,R4,R6,R8,R10,R12〜R15の回転速度が、第1,3,5,7,9,11ローラR1,R3,R5,R7,R9,R11よりも減速されるようになっている。
なお、本実施形態では、図1に示すように、第13〜第15ローラR13〜R15の左側に石礫排出コンベヤ63が延出されており、土壌処理コンベヤ6で篩い分けされた石礫や、破砕されずに残留した土塊を栽培床間に排出するようになっている。また、本実施形態において、土壌処理ローラ61は、図3に示すように、複数の土塊破砕用の円弧状突起64を周方向に有する土壌処理ホイール65が、同軸上に複数個設けられている。
牽引部7は、トラクタ(図示せず)に連結されて装置全体を牽引させるものであり、上下平行リンク機構71を介して本体フレーム2の前端部に連結されている。具体的には、図1に示すように、牽引部7の後端部と引き手部21の前端部との間に、2本のリンク部材72,72が上下において平行状態を保持しつつ回動自在に軸支されている。これにより、牽引部7と本体フレーム2との上下位置が相対的に変化させられる。
油圧シリンダ8は、本体フレーム2の前端部を牽引部7に対して上下動させる役割を果たすものである。本実施形態では、図1に示すように、油圧シリンダ8の一端が、前記2本のリンク部材72,72のうち上方のリンク部材72の上面に回転自在に軸支されており、他端が引き手部21の前端部に回転自在に軸支されている。これにより、油圧シリンダ8を短縮させた場合、牽引部7に対して本体フレーム2の前端部が下方に移動し、油圧シリンダ8を伸長させた場合、牽引部7に対して本体フレーム2の前端部が上方に移動するようになっている。
油圧制御手段9は、油圧シリンダ8内の油圧を制御するものであり、本実施形態では、図4に示すように、第1制御弁91と、第2制御弁92と、第3制御弁93と、自重キャンセル量調節弁94と、メインリリーフ弁95と、バルブコントローラ96と、油圧ポンプ97と、油タンク98とから構成されている。
第1制御弁91、第2制御弁92および第3制御弁93は、電磁操作弁であり、バルブコントローラ96によってソレノイドへの通電をON/OFF制御することにより、バルブが開閉するようになっている。本実施形態において、第1制御弁91は、油圧シリンダ8への油の供給を制御するものである。具体的には、油圧シリンダ8の上流に配置されており、ON時にはバルブを開放して油圧シリンダ8へ油を供給し、OFF時にはバルブを閉じて油圧シリンダ8内に油を閉じこめるようになっている。
また、第2制御弁92は、油タンク98への油の逃がしを制御するものである。具体的には、油タンク98の上流に配置されており、ON時にはバルブを閉じて油が油タンク98へ逃げないようにし、OFF時にはバルブを開放して油を逃がすようになっている。さらに、第3制御弁93は、油をオーバーフローさせるために自重キャンセル量調節弁94を油圧回路に接続させるか否かを制御するものである。具体的には、自重キャンセル量調節弁94の上流に配置されており、ON時にはバルブを閉じて自重キャンセル量調節弁94へ油が排出されないようにし、OFF時にはバルブを開放して自重キャンセル量調節弁94へ油を排出し、オーバーフロー機能を作用させるようになっている。
また、自重キャンセル量調節弁94は、圧力制御弁から構成されており、所定の設定値を超える油圧が付与されたとき、油を油タンク98へ排出することで所定の油圧値に保持するようになっている。本実施形態において、前記所定の設定値は、土壌処理装置1の自重のうちガイドローラ4にかかる重量分をキャンセルしうる油圧値に設定されている。したがって、自重キャンセル量調節弁94を機能させた場合、油圧シリンダ8内は当該油圧値に保持されるようになっている。
なお、メインリリーフ弁95も圧力制御弁から構成されており、油圧制御手段9にかかる油圧の最高値を規制するものである。当該最高値を超える油圧が付与されたとき、油を油タンク98へ排出することで、油圧ポンプ97等の破損を防止するようになっている。
以上において、本実施形態のバルブコントローラ96は、第1制御弁91から第3制御弁93を適宜ON/OFF制御することにより、油圧シリンダ8に各種の動作を行わせるようになっている。具体的には、図5に示すように、第1制御弁91、第2制御弁92および第3制御弁93をそれぞれOFF・ON・ONにしたとき、油圧シリンダ8が伸長し、本体フレーム2に上向きの力を付与する。また、第1制御弁91、第2制御弁92および第3制御弁93をそれぞれON・OFF・ONにしたとき、油圧シリンダ8が短縮し、本体フレーム2に下方向に移動させる。また、第1制御弁91、第2制御弁92および第3制御弁93を全てOFFにしたとき、油圧シリンダ8が停止するようになっている。
そして、第1制御弁91、第2制御弁92および第3制御弁93をそれぞれON・ON・OFFにしたとき、自重キャンセル量調節弁94が機能し、油圧シリンダ8が、土壌処理装置1の自重のうちガイドローラ4にかかる重量相当分をキャンセルする油圧値を保持しつつ、上下動に対してフリーな状態となる。すなわち、当該油圧値に応じて伸長された油圧シリンダ8が本体フレーム2を所定の高さ位置以上に保持するため、土壌処理装置1の重量によってガイドローラ4が受ける重量が相殺され、当該ガイドローラ4は畦に沈み込まず、畦の凹凸に追従するようになっている。
つぎに、本実施形態の土壌処理装置1による作用について説明する。
本実施形態の土壌処理装置1によって、馬鈴薯等の栽培床を調整する場合、まず、牽引部7をトラクタ等に連結させた後、ローラ調節ネジ41によってガイドローラ4の上下位置を調節し、掘取部3との間隔を決定しておく。これにより、掘取部3による土壌の掘取深さが所望の値に設定される。
つぎに、油圧制御手段9によって第1制御弁91、第2制御弁92および第3制御弁93をそれぞれON・ON・OFFに制御して、油圧シリンダ8を所定圧以上に保持しつつフリーな状態に設定する。これにより、本体フレーム2の前端部が上下平行リンク機構71によって牽引部7よりも上方に移動する。このとき、油圧シリンダ8内の油圧は、土壌処理装置1の自重のうちガイドローラ4にかかる重量分をキャンセルする値に保持されるため、図6に示すように、ガイドローラ4は畦に沈み込まない位置に保持される。
つづいて、土壌処理コンベヤ6を駆動させるとともに、トラクタを走行させ土壌処理装置1を牽引する。この操作により、掘取部3により掘り取られた土壌は、堰止用ディスク5によって左右への流出を防止されながら、順次、土壌処理コンベヤ6へと送られる。そして、土壌処理中は、常に、油圧シリンダ8が、土壌処理装置1の自重のうちガイドローラ4にかかる重量分に相当する上向きの力を本体フレーム2に付与している。このため、ガイドローラ4が畦に沈み込むことなく、畦の凹凸に追従する。これにより、掘取部3による掘取深さが一定となるため、播種床を一定の厚さに調整することができる。
土壌を受け取った土壌処理コンベヤ6では、各土壌処理ローラ61の円弧状突起64が土壌に含まれていた土塊を破砕し、破砕した土壌を各土壌処理ローラ61の隙間から篩い落とす。一方、破砕しきれずに残留した土塊や土壌に含まれていた石礫は、土壌処理ローラ61によって上方へと運搬され、石礫排出コンベヤ63から栽培床間に排出される。これにより大きな土塊や石礫が簡単に除去できる。
また、本実施形態では、隣接する土壌処理ローラ61が互いに異なる回転速度に設定されている。このため、下流の土壌処理ローラ61が土塊を送りながら下方周りに引き込む速さに対して、上流に隣接する土壌処理ローラ61が土塊を送りながら上方周りに戻す速さに差が生まれ、土塊に対してより大きな衝撃や振動を与えられ破砕と篩い分けを効率的に行える。
以上のような本実施形態によれば、
1.土壌内の土塊を破砕して石礫を選別除去するため、収穫時に別途、除去作業をする必要がなくなって収穫作業の効率が向上し、土塊や石礫によって農作物がダメージを受けない。
2.安価で簡素な構成でありながら、栽培床を一定の深さに調整することができる。
3.土壌処理コンベヤ6の土塊破砕処理および石礫選別除去処理をより効果的に実行することができる等の効果を奏する。
なお、本発明に係る土壌処理装置1は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
例えば、上述した本実施形態では、隣接する土壌処理ローラ61の回転速度を異ならせるため、両軸減速機62のダブルスプロケットWSの歯数を変えているが、これに限られるものではなく、回転駆動力を受ける土壌処理ローラ61側のスプロケットSの歯数を異ならせるようにしてもよい。例えば、第3ローラR3および第5ローラR5において回転駆動力を受けるスプロケットSの歯数を、第4ローラR4および第6ローラR6において回転駆動力を受けるスプロケットSの歯数よりも少なくなるように選択すれば、本実施形態と同様に動作するようになっている。
また、上述した本実施形態では、図1に示すように、各土壌処理ローラ61の回転軸が一直線上に位置するように設けられているが、これに限られるものではなく、図7に示すように、隣接する土壌処理ローラ61の高さ位置が交互に異なるように軸支してもよい。この構成によれば、高位置に軸支された各土壌処理ローラ61が、土壌の流れに対し、より大きな抵抗を付与するため土塊がより一層破砕されやすい。
さらに、上記構成において、土壌の搬送方向における軸間距離を変えずに高さ位置だけをずらした場合には、軸ピッチが大きくなって隙間が広がり、篩い落とされた土壌、すなわち畦内土壌の粒径が大きくなるおそれがある。したがって、図8に示すように、軸ピッチを大きくしないように、つまり図1と同等の距離を保持しつつ、隣接する土壌処理ローラ61間の傾斜角度を大きく構成して配置すればよい。この構成によれば、土塊の破砕性能を向上させつつ、土壌処理コンベヤ6の全長が短縮されるため、土壌処理装置1を小型化できるというメリットもある。
本発明に係る土壌処理装置の実施形態を示す全体図である。 本実施形態の土壌処理装置を示す概略平面図である。 本実施形態の土壌処理ローラを示す一部拡大図である。 本実施形態の油圧制御手段を示す油圧回路である。 本実施形態の油圧シリンダの動作と、各制御弁との関係を示す表である。 本実施形態の土壌処理装置において、自重がキャンセルされている状態を示す全体図である。 本発明に係る土壌処理装置の他の実施形態における土壌処理コンベヤを示す図である。 本発明に係る土壌処理装置のさらに他の実施形態における土壌処理コンベヤを示す図である。
符号の説明
1 土壌処理装置
2 本体フレーム
3 掘取部
4 ガイドローラ
5 堰止用ディスク
6 土壌処理コンベヤ
7 牽引部
8 油圧シリンダ
9 油圧制御手段
21 引き手部
22 タイヤ
23 支持フレーム
24 ステアリング用シリンダ
25 傾斜調節用シリンダ
41 ローラ調節ネジ
51 逃げ量調節スプリング
61 土壌処理ローラ
62 両軸減速機
63 石礫排出コンベヤ
64 円弧状突起
65 土壌処理ホイール
71 上下平行リンク機構
72 リンク部材
91 第1制御弁
92 第2制御弁
93 第3制御弁
94 自重キャンセル量調節弁
95 メインリリーフ弁
96 バルブコントローラ
97 油圧ポンプ
98 油タンク
R1〜R15 第1〜第15ローラ
S スプロケット
WS ダブルスプロケット
C チェーン

Claims (3)

  1. 一対のタイヤを回転自在に軸支する本体フレームと、
    この本体フレームに設けられ土壌を掘り起こすための掘取部と、
    この掘取部の前方に設けられ掘り取り深さを調節するガイドローラと、
    前記掘取部の後方に設けられ掘り起こされた土塊を破砕し石礫を選別除去するための土壌処理コンベヤと、
    前記本体フレームの前端部に上下平行リンク機構を介して連結された牽引部と、
    この牽引部に対して、前記本体フレームの前端部を上下動させる油圧シリンダと、
    この油圧シリンダ内の油圧を制御して、装置の自重のうち前記ガイドローラにかかる重量に相当する上向きの力を前記本体フレームに付与して前記ガイドローラを畦に沈み込まない位置に保持する油圧制御手段と
    を有していることを特徴とする土壌処理装置。
  2. 請求項1において、前記油圧制御手段は、
    前記油圧シリンダへの油の供給を制御する第1制御弁と、
    油タンクへの油の逃がしを制御する第2制御弁と、
    前記油圧シリンダ内の油圧が、前記ガイドローラを畦に沈み込ませない位置に保持しうる上向きの力を付与するための所定の油圧値を超えたとき、油を油タンクへ排出する自重キャンセル量調節弁と、
    この自重キャンセル量調節弁への油の供給を制御する第3制御弁と、
    これら第1制御弁、第2制御弁および第3制御弁を制御するバルブコントローラとを有し、
    このバルブコントローラは、土壌を処理する場合、前記第1制御弁を制御して前記油圧シリンダに油を供給させ、前記第2制御弁を制御して前記油タンクに油が逃げないようにし、前記第3制御弁を制御して前記自重キャンセル量調節弁に油を供給させることを特徴とする土壌処理装置。
  3. 請求項1において、前記土壌処理コンベヤは、土塊破砕用の円弧状突起を有する複数本の土壌処理ローラが並列配置されており、隣接する土壌処理ローラが互いに異なる回転速度で回転する構成とされていることを特徴とする土壌処理装置。
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