JP2008041545A - 車両用ハロゲンバルブの配置構造 - Google Patents

車両用ハロゲンバルブの配置構造 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラス管12の内面の茶化を抑制することが可能な車両用ハロゲンバルブ10の配置構造を提供する。
【解決手段】ガラス管12の中心軸上に位置するフィラメント14と、フィラメント14上方に平行して設けられフィラメント14を支持するステム16とを有するハロゲンバルブの配置構造であって、ハロゲンバルブ10は減光制御可能に構成されるとともに、ハロゲンバルブ10の断面において、フィラメント14を中心としてフィラメント14とステム16とが車両の天地方向に対し、同一線上に位置しない角度θをなして取り付けられることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用ハロゲンバルブの配置構造に関するものである。
車両用の前照灯として、ハロゲンバルブが利用されている。ハロゲンバルブは、ハロゲンガスを封入したガラス管と、ガラス管の中心軸上に位置するタングステン等からなるフィラメントと、フィラメントの上方に平行して配置されフィラメントを支持するステムとを備えている。このステムを介してフィラメントに通電すると、フィラメントが発光するようになっている。
フィラメントは、発光に伴って発熱する。これにより、タングステン原子がフィラメントから蒸発し、ガラス管の内面付近でハロゲンガスと結合して、ハロゲン化タングステンが生成される。このハロゲン化タングステンは、ガラス管の内部を対流して、フィラメント付近でタングステンとハロゲンに分離する。分離したタングステンは、フィラメントに再付着する。ハロゲンバルブを通常点灯させた場合、このようなハロゲンサイクルが行われることになる。
特開平7−296783号公報
ところで、北米や北欧等の緯度の高い国では、太陽光量が少ないことや霧などの天候上の問題から、昼間でも前照灯を点灯して走行している(Daytime Running Light;DRL)。このDRLとして、HIビーム用のハロゲンバルブを低電圧で点灯させている。ところが、ハロゲンバルブを低電圧で点灯させると、ガラス管の内面の温度上昇量が小さくなる。そのため、タングステンとハロゲンとの結合率が低下して、ハロゲンがガラス管の内面に付着しやすくなる。これにより、ガラス管の内面の茶化レベルが悪化するという問題がある(例えば、特許文献1参照)。
そこで本発明は、ガラス管の内面の茶化を抑制することが可能な、車両用ハロゲンバルブの配置構造の提供を課題とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、ガラス管(例えば、実施形態におけるガラス管12)の中心軸上に位置するフィラメント(例えば、実施形態におけるフィラメント14)と、該フィラメント上方に平行して設けられ前記フィラメントを支持するステム(例えば、実施形態におけるステム16)とを有し、前記フィラメントと前記ステムとをハロゲンガスとともに封入した前記ガラス管からなる車両用前照灯に用いられるハロゲンバルブ(例えば、実施形態におけるハロゲンバルブ10)の配置構造であって、前記ハロゲンバルブは、第1の電圧と当該第1の電圧よりも低電圧である第2の電圧において減光制御可能に構成され、前記第1の電圧と前記第2の電圧において切替使用されるとともに、当該ハロゲンバルブの断面において、前記フィラメントを中心として該フィラメントと前記ステムとが前記車両の天地方向に対し、同一線上に位置しない角度(例えば、実施形態における角度θ)をなして取り付けられることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、前記減光制御は、PWM方式であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、ガラス管の中心軸上に位置するフィラメントと、該フィラメント上方に平行して設けられ前記フィラメントを支持するステムとを有し、前記フィラメントと前記ステムとをハロゲンガスとともに封入した前記ガラス管からなる車両用ハロゲンバルブの配置構造であって、前記ハロゲンバルブは、車両進行方向の変化もしくは所定スイッチの操作に応じて点灯又は消灯する車両用灯具であるとともに、当該ハロゲンバルブの断面において、前記フィラメントを中心として該フィラメントと前記ステムとが前記車両の天地方向に対し、同一線上に位置しない角度をなして取り付けられることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、前記ハロゲンバルブは、車両前方の左側及び右側に設けられるとともに、前記ステムが前記フィラメントよりも車両外方向に位置するように、前記ハロゲンバルブの各々が、前記フィラメントを中心に角度をなして取り付けられることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、前記ハロゲンバルブは、車両前方の左側及び右側に設けられるとともに、前記左側のハロゲンバルブと前記右側のハロゲンバルブとが前記フィラメントを中心に、同一方向に角度をなして取り付けられることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、前記ハロゲンバルブは、車両前方の左側及び右側に設けられるとともに、前記ステムが前記フィラメントよりも車両内方向に位置するように、前記ハロゲンバルブの各々が、前記フィラメントを中心に角度をなして取り付けられることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、前記フィラメントと前記ステムとの角度は、前記ステムが前記フィラメントの真上に位置する状態から左右いずれかに30度以上の角度をなして取り付けられることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、フィラメントの上方にステムが存在しないので、蒸発したフィラメント材料はステムに妨害されることなくガラス管の天井面に向かって上昇する。しかも、フィラメントの光がステムに妨害されることなくガラス管の天井面に照射されるので、減光制御時においても天井面の温度が上昇する。これにより、ガラス管の天井面付近においてハロゲンガスとフィラメント材料との結合が促進され、ハロゲンサイクルが正常に機能する。したがって、ガラス管の内面に対するハロゲン物質の付着を防止することが可能になり、ガラス管の内面の茶化を抑制することができる。
請求項2に係る発明によれば、きめ細かな減光制御が可能になる。
請求項3に係る発明によれば、車両進行方向の変化に応じて点灯又は消灯するハロゲンバルブについても、ガラス管の内面の茶化を抑制することができる。
請求項4に係る発明によれば、車両の外方向に存在する歩行者等と、その歩行者側のハロゲンバルブにおけるフィラメントとの間に、ステムを介在させることが可能になる。これにより、その歩行者等に対するフィラメントの配光が弱められるため、歩行者等に対する眩惑を低減することができる。
請求項5に係る発明によれば、ハロゲンバルブの回動方向に存在する歩行者等と、車両両側のハロゲンバルブにおけるフィラメントとの間に、ステムを介在させることが可能になる。これにより、その歩行者等に対するフィラメントの配光が弱められるため、歩行者等に対する眩惑を低減することができる。
車両進行方向の変化に応じて点灯する車両用灯具は、車幅方向の外側端部に配置されるが、請求項6に係る発明によれば、その車両内方向に対する配光が弱められるため、車両の搭乗者等に対する眩惑を低減することができる。
請求項7に係る発明によれば、ガラス管の内面の茶化を最も効果的に抑制することができる。
以下、本発明の実施形態につき図面を参照して説明する。
(ハロゲンバルブ)
図1はハロゲンバルブの説明図であり、図1(a)は正面図であり、図1(b)は側面図である。図1(b)に示すように、ハロゲンバルブ10は、ハロゲンガスを封入するガラス管12と、ガラス管12の中心軸上に位置するフィラメント14と、フィラメント14の上方に平行して設けられフィラメント14を支持するステム16とを有するシングルフィラメントのバルブである。
ハロゲンバルブ10は、ハロゲンガスを封入するガラス管12を有している。ガラス管12は、耐熱性を有するガラス材料により、円筒状に形成されている。ガラス管12の前端(車両前方端部)は円錐状に成形され、後端(車両後方端部)は封止部材(不図示)によって封止されている。
そのガラス管12の中心軸上には、フィラメント14が配置されている。フィラメント14は、通電により発光するタングステン等の線材を、らせん状に成形したものである。
そのフィラメント14は、ステム16により支持されている。ステム16は、金属材料等により細い棒状に成形され、フィラメント14の上方に平行して配置されている。ステム16の先端(車両前方)は下方に折れ曲がり、フィラメント14の先端に接続されている。なお、フィラメント14の後端には支持部材17の先端が接続されている。
ステム16および支持部材17の後端は、ガラス管12の後端の封止部材に固定されている。このステム16および支持部材17により、フィラメント14が支持されるとともに、フィラメント14に通電しうるようになっている。
ガラス管12は、ベース部材30に固定されている。ベース部材30の後方には、フランジ32が設けられている。フランジ32の外周縁部には、複数(図1では3個)の爪部34が形成されている。爪部34は、フランジ32の外周から外側に向かって一定高さで、フランジ32の周方向に沿って所定幅で形成されている。
ベース部材30の後端面から下方に向かって連結部材36が延設され、その下端部には下方に向かって開口する箱状のカプラ20が設けられている。このカプラ20の凹部21の底面には、ステム16および支持部材17と導通する端子(不図示)が設けられている。そのカプラ20の端子に対して、コネクタ25の端子を連結することにより、外部からフィラメント14に対して通電することが可能になる。なお、カプラ20の凹部21にコネクタ25の凸部26を挿入し、凸部26の外面に配置したOリング27を凹部21の内面22に当接させることにより、カプラ20の端子とコネクタ25の端子との連結部がシールされる。
ハロゲンバルブ10は、印加電圧を制御することによって光量制御することが可能である。特に、印加電圧をPWM制御することによりきめ細かな光量制御が可能になる。
ところで、北米や北欧等の緯度の高い国では、太陽光量が少ないことや霧などの天候上の問題から、昼間でも前照灯を点灯して走行している(Daytime Running Light;DRL)。このDRLとして、HIビーム用のハロゲンバルブを低電圧で点灯させている。具体的には、ハロゲンバルブに所定電圧をDUTY比100%で印加すればHIビームになるところ、同じ電圧をDUTY比20%程度で印加してDRLを実現する。このように、ハロゲンバルブ10は、HIビーム用の高電圧およびDRL用の低電圧により切替使用される。
上述したハロゲンバルブ10がリフレクタ2に装着されて、車両用前照灯が形成されている。具体的には、ハロゲンバルブ10のベース部材30が、リフレクタ2の中央孔3に対して、車両後方から挿入されている。そして、ベース部材30のフランジ32が中央孔3の後端に当接し、フランジ32の爪部34がリフレクタ2の係合部材40の前方に係合して、ハロゲンバルブ10がリフレクタ2に固定されている。
(第1実施形態、ハロゲンバルブの配置構造)
図2は車両用前照灯の正面図であり、第1実施形態に係る車両用ハロゲンバルブの配置構造の説明図である。図2(a)が車両右側のハロゲンバルブであり、図2(b)が車両左側のハロゲンバルブであって、図2の上下方向は車両の天地方向である。なお、フランジ32やカプラ20等はリフレクタの背後に位置するため破線で示している。図2に示すように、フィラメント14を中心として該フィラメント14とステム16とが前記車両の天地方向に対し、同一線上に位置しない角度θをなして取り付けられている。
すなわち、ハロゲンバルブの正面または軸直角断面において、ステム16とフィラメント14とを結ぶ直線が、車両の天地方向に対して角度θ(>0)だけ傾斜するように、ハロゲンバルブ10が配置されている。なお角度θの範囲については後述する。
第1実施形態では、ステム16がフィラメント14よりも車両外方向に位置するように、しかもステム16がフィラメント14よりも車両上方向に位置するように、左右のハロゲンバルブ10がフィラメント14を中心に角度をなして取り付けられている。すなわち、図2(a)に示す車両右側のハロゲンバルブでは、ステム16がフィラメント14より右上側に配置されている。また図2(b)に示す車両左側のハロゲンバルブでは、ステム16がフィラメント14より左上側に配置されている。
このように、ステム16がフィラメント14より車両外上側に配置されているので、車両の外方向に存在する歩行者や対向車両の搭乗者等(「歩行者等」という。)の眼の位置と、その歩行者等側のハロゲンバルブにおけるフィラメント14との間に、ステム16を介在させることが可能になる。これにより、その歩行者等に対するフィラメント14の配光が弱められるため、歩行者等に対する眩惑を低減することができる。
また、ステム16をフィラメント14より車両上側に配置すると、カプラ20の開口部は車両下向きに配置される。これにより、カプラ20の開口部への雨水等の浸入を抑制することができる。さらに、ハロゲンバルブ10を左右対称方向に傾けることで、メンテナンス性を向上させることができる。
図3は車両用前照灯の背面図であり、ハロゲンバルブの装着方法の説明図である。図3(a)および図3(b)が車両左側のハロゲンバルブであり、図3(c)および図3(d)が車両右側のハロゲンバルブであって、図3の上下方向は車両の天地方向である。図3(a)に示すように、上述したリフレクタの係合部材40は、ステンレス材料等により円盤状に形成されている。係合部材40の中央には、ハロゲンバルブ10のフランジ32を挿入可能な貫通孔42が形成されている。また貫通孔42の内周縁部には、ハロゲンバルブ10の爪部34を挿入可能な複数(図3では3個)の切り欠き44が形成されている。
図3(a)に示す車両左側では、カプラ20を下側に向けた状態で、ハロゲンバルブ10を係合部材40に挿入する。次に、ハロゲンバルブ10を左回り(矢印38の方向)に角度θだけ回動させる。すると、図3(b)に示すように、爪部34が係合部材40の背後に回り込み、係合部材40に設けられた係合手段(不図示)に係合される。これにより、ハロゲンバルブ10のステムがフィラメントより車両外方向に配置される。
一方、図3(c)に示す車両右側では、カプラ20を左側に向けた状態で、ハロゲンバルブ10を係合部材40に挿入する。次に、ハロゲンバルブ10を左回り(矢印38の方向)に角度θ′(=90°−θ)だけ回動させる。これにより、図3(d)に示すように、爪部34が係合部材40の背後に係合され、ステムがフィラメントより車両外側に配置される。
このように、本実施形態ではステムをフィラメントより車両外方向に配置するので、カプラ20をフィラメントより車両内側で回動させてハロゲンバルブ10を装着することが可能になる。これにより、ハロゲンバルブの取り付け時に、フィラメントより車両外側に存在する灯具(不図示)とカプラ20との干渉を防止することができる。また、左右両側のハロゲンバルブ10を同一方向に回動させて装着することができるので、左右両側の係合部材40を共通化することができる。
次に、本実施形態におけるガラス管の茶化の抑制作用について説明する。
本願の発明者は、フィラメントの上方以外にステムを配置することにより、ガラス管の茶化を抑制しうることを見出した。ガラス管の茶化は、ガラス管の内面にハロゲンが付着する現象である。ハロゲンの付着は、正常なハロゲンサイクルによって抑制される。正常なハロゲンサイクルでは、フィラメントが発光に伴って発熱し、タングステン原子がフィラメントから蒸発する。蒸発した高温のタングステン原子は、ガラス管の内部を上昇し、天井面付近でハロゲンガスと結合して、ハロゲン化タングステンが生成される。このハロゲン化タングステンは、ガラス管の内部を対流して、フィラメント付近でタングステンとハロゲンに分離する。分離したタングステンは、フィラメントに再付着する。このハロゲンサイクルが正常に行われていれば、ハロゲン化物のガラス管壁への付着はほとんど起こらない。
図4(b)は、従来技術に係るハロゲンバルブの配置構造におけるハロゲンサイクルの説明図である。従来技術では、フィラメント14の上方にステム16が存在するので、蒸発したタングステンの上昇が妨害される。これにより、ステム16とガラス管12との間にハロゲンガスの滞留が発生する。しかも、フィラメント14からの光はステム16に照射され、ガラス管の天井部には影ができるので、ガラス管の温度上昇が阻害される。このガラス管の温度低下は、減光制御時において特に顕著になる。これにより、ハロゲンガスとタングステンとの結合ができなくなり、ハロゲンサイクルが正常に機能しなくなる。その結果、ハロゲンがガラス管12の内面に付着して、茶化が進行することになる。
図4(a)は、本実施形態に係るハロゲンバルブの配置構造におけるハロゲンサイクルの説明図である。本実施形態では、フィラメント14の上方にステム16が存在しないので、蒸発したタングステンはガラス管の天井面に向かって上昇する。しかも、フィラメント14からの光がガラス管の天井面に照射されるので、減光制御時においても天井面の温度が十分に上昇する。これにより、ハロゲンガスとタングステンとの結合が促進され、ハロゲンサイクルが正常に機能する。したがって、ガラス管12の内面に対するハロゲンの付着を防止することが可能になり、茶化を抑制することができる。
図5は、ステム角度θと茶化進行速度との関係を示すグラフである。ステム角度θは、ステムとフィラメントとを結ぶ直線が、車両の天地方向に対してなす角度である(図2参照)。茶化進行速度は、θ=0の場合の茶化進行速度に対する百分率(%)で示している。図5に示すように、角度θが0から増加するに伴って、茶化進行速度は急激に低下している。角度θが30°を超えると茶化の進行速度が10分の1以下となり、それ以上に角度θを増加させても茶化進行速度はほとんど低下しない。したがって、ステム角度θは30°以上に設定することが望ましい。
以上に詳述したように、本実施形態に係る車両用ハロゲンバルブの配置構造では、ハロゲンバルブ10の断面において、フィラメント14を中心としてフィラメント14とステム16とが車両の天地方向に対し、同一線上に位置しない角度θをなして取り付けられる構成とした。この構成によれば、フィラメント14の上方にステム16が存在しないので、蒸発したフィラメント14のタングステンはステム16に妨害されることなくガラス管の天井面に向かって上昇する。しかも、フィラメント14から照射された光がステム16に妨害されることなくガラス管の天井面に照射されるので、減光制御時においても天井面の温度が十分に上昇する。これにより、ガラス管12の天井面付近においてハロゲンガスとタングステンとの結合が促進され、ハロゲンサイクルが正常に機能する。したがって、ガラス管12の内面に対するハロゲンの付着を防止することが可能になり、ガラス管12の内面の茶化を抑制することができる。
ところで、ハロゲン物質がガラス管12の内面に付着すると、高電圧点灯時にフィラメント14のタングステンと化合するハロゲンが不足するため、フィラメント14が燃焼して細り、寿命が低下することになる。これに対して本実施形態では、ガラス管12へのハロゲンの付着を防止することができるので、フィラメント14の寿命低下を抑制することができる。また、ガラス管12の茶化を防止することができるので、ハロゲンバルブ10の明るさを維持することができる。さらに、ガラス管の茶化を目隠しするためのハロゲンバルブのフードカバーが不要になり、コストダウンに寄与することができる。加えて、汎用性を有する規格品のハロゲンバルブを使用するため、コストアップはほとんどない。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る車両用ハロゲンバルブの配置構造について説明する。図6は車両用前照灯の正面図であり、第2実施形態に係る車両用ハロゲンバルブの配置構造の説明図である。図6(a)が車両右側のハロゲンバルブであり、図6(b)が車両左側のハロゲンバルブであって、図6の上下方向は車両の天地方向である。第1実施形態ではステム16がフィラメント14よりも車両外方向に配置されていたのに対して、第2実施形態では、車両左側のハロゲンバルブ10bと車両右側のハロゲンバルブ10aとが、フィラメント14を中心に同一方向(右方向)に角度θをなして取り付けられている点で異なっている。なお第1実施形態と同様の構成となる部分については、その詳細な説明を省略する。
図6(a)に示す車両右側のハロゲンバルブ10aは、フィラメント14とステム16とを結ぶ直線が、車両天地方向に対し右方向に角度θをなして取り付けられている。すなわち、車両右側のハロゲンバルブ10aはフィラメント14を中心に角度θだけ右回動した状態で取り付けられている。これにより、ステム16がフィラメント14の右上側に配置されている。また図6(b)に示す車両左側のハロゲンバルブ10bも同様に、フィラメント14とステム16とを結ぶ直線が、車両天地方向に対し右方向に角度θをなして取り付けられている。すなわち、車両右側のハロゲンバルブ10bはフィラメント14を中心に角度θだけ右回動した状態で取り付けられている。これにより、ステム16がフィラメント14の右上側に配置されている。
このように、ステム16がフィラメント14より車両右上側に配置されているので、車両の右方向に存在する歩行者等の眼の位置と、車両両側のハロゲンバルブ10a,10bにおけるフィラメント14との間に、ステム16を介在させることが可能になる。これにより、その歩行者等に対するフィラメントの配光が弱められるため、歩行者等に対する眩惑を低減することができる。
上記とは逆に、車両両側のハロゲンバルブ10a,10bが、フィラメント14を中心に左方向に角度θをなして取り付けられていてもよい。この場合には、車両の左方向に存在する歩行者等の眼の位置と、車両両側のハロゲンバルブ10a,10bにおけるフィラメント14との間に、ステム16を介在させることが可能になる。これにより、その歩行者等に対するフィラメントの配光が弱められるため、歩行者等に対する眩惑を低減することができる。
なお、この発明は上述した実施形態に限られるものではない。
ハロゲンバルブの茶化は、低電圧駆動時のほか、短時間の点灯によっても発生する。したがって、DRLを実現する車両用前照灯に使用されるハロゲンバルブだけでなく、車両の進行方向の変化に応じて点灯または消灯するコーナリングランプや、舵角連動ランプ等の車両用灯具として使用されるハロゲンバルブに対しても、本発明を適用することが可能である。
コーナリングランプは、一般に車幅方向の外側端部に配置される。このコーナリングランプに使用されるハロゲンバルブについては、ステムがフィラメントよりも車両内方向に配置されていることが望ましい。これにより、その車両内方向に対する配光が弱められるため、車両の搭乗者等に対する眩惑を低減することができる。
図4(a)に示す本発明の配置構造のハロゲンバルブおよび図4(b)に示す従来の配置構造のハロゲンバルブにつき、ハロゲンバルブを減光制御した状態で連続点灯させ、ガラス管の上部の温度および茶化レベルを測定した。
具体的には、雰囲気温度50℃の恒温槽内にハロゲンバルブを配置し、13.5Vの電圧をDUTY比18.75%で印加して、DRL連続点灯を行った。そして、非接触タイプの温度測定器にてガラス管の上面温度を測定した。温度測定は、ハロゲンバルブを15分間点灯させ、ガラス管の上面温度がサチュレートしてから行った。測定結果を表1に示す。
Figure 2008041545
ハロゲンバルブを45°傾けた本発明の配置構造では、ハロゲンバルブを傾けない従来の配置構造に比べて、ガラス管の上面温度が約20℃上昇した。なお灯具による左右差はほとんどなかった。その理由として、従来の配置構造では、フィラメントからの光はステムに照射され、ガラス管の天井部には影ができるとともに、ステム自体がフィラメントからの熱を吸収する働きをするため、ガラス管上部の温度上昇が阻害されるのに対して、本発明の配置構造では、フィラメントからの光がステムに妨害されることなくガラス管の天井面に照射されるので、減光制御時においてもガラス管上部の温度が十分に上昇するからであると考えられる。
また、本発明の配置構造によるハロゲンバルブの茶化レベルは、従来の配置構造によるハロゲンバルブの茶化レベルに比べて、格段に良好であった。従来の配置構造では、ガラス管上部の温度が低いので、ハロゲンガスとタングステンとの結合ができなくなり、ハロゲンがガラス管の内面に付着して茶化が進行するのに対して、本発明の配置構造では、低電圧もしくは短時間の点灯においてもハロゲンサイクルが活性化され、ハロゲンガスとタングステンとの結合が促進されるので、ガラス管の内面に対するハロゲンの付着を低減することが可能になり、茶化が抑制されるからであると考えられる。
ハロゲンバルブの説明図である。 第1実施形態に係る車両用ハロゲンバルブの配置構造の説明図である。 ハロゲンバルブの装着方法の説明図である。 ハロゲンサイクルの説明図である。 ステム角度と茶化進行速度との関係を示すグラフである。 第2実施形態に係る車両用ハロゲンバルブの配置構造の説明図である。
符号の説明
10…ハロゲンバルブ 12…ガラス管 14…フィラメント 16…ステム

Claims (7)

  1. ガラス管の中心軸上に位置するフィラメントと、該フィラメント上方に平行して設けられ前記フィラメントを支持するステムとを有し、前記フィラメントと前記ステムとをハロゲンガスとともに封入した前記ガラス管からなる車両用前照灯に用いられるハロゲンバルブの配置構造であって、
    前記ハロゲンバルブは、第1の電圧と当該第1の電圧よりも低電圧である第2の電圧において減光制御可能に構成され、前記第1の電圧と前記第2の電圧において切替使用されるとともに、
    当該ハロゲンバルブの断面において、前記フィラメントを中心として該フィラメントと前記ステムとが前記車両の天地方向に対し、同一線上に位置しない角度をなして取り付けられることを特徴とする車両用ハロゲンバルブの配置構造。
  2. 前記減光制御は、PWM方式であることを特徴とする請求項1記載の車両用ハロゲンバルブの配置構造。
  3. ガラス管の中心軸上に位置するフィラメントと、該フィラメント上方に平行して設けられ前記フィラメントを支持するステムとを有し、前記フィラメントと前記ステムとをハロゲンガスとともに封入した前記ガラス管からなる車両用ハロゲンバルブの配置構造であって、
    前記ハロゲンバルブは、車両進行方向の変化もしくは所定スイッチの操作に応じて点灯又は消灯する車両用灯具であるとともに、
    当該ハロゲンバルブの断面において、前記フィラメントを中心として該フィラメントと前記ステムとが前記車両の天地方向に対し、同一線上に位置しない角度をなして取り付けられることを特徴とする車両用ハロゲンバルブの配置構造。
  4. 前記ハロゲンバルブは、車両前方の左側及び右側に設けられるとともに、前記ステムが前記フィラメントよりも車両外方向に位置するように、前記ハロゲンバルブの各々が、前記フィラメントを中心に角度をなして取り付けられることを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれかに記載の車両用ハロゲンバルブの配置構造。
  5. 前記ハロゲンバルブは、車両前方の左側及び右側に設けられるとともに、前記左側のハロゲンバルブと前記右側のハロゲンバルブとが前記フィラメントを中心に、同一方向に角度をなして取り付けられることを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれかに記載の車両用ハロゲンバルブの配置構造。
  6. 前記ハロゲンバルブは、車両前方の左側及び右側に設けられるとともに、前記ステムが前記フィラメントよりも車両内方向に位置するように、前記ハロゲンバルブの各々が、前記フィラメントを中心に角度をなして取り付けられることを特徴とする請求項3に記載の車両用ハロゲンバルブの配置構造。
  7. 前記フィラメントと前記ステムとの角度は、前記ステムが前記フィラメントの真上に位置する状態から左右いずれかに30度以上の角度をなして取り付けられることを特徴とする請求項1ないし6のうちいずれかに記載の車両用ハロゲンバルブの配置構造。
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