JP2008041034A - 認証装置、登録装置、登録認証装置、認証方法、登録方法、認証プログラムおよび登録プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】他人受け入れ率を上げることなく本人拒否率を低減することができ、撮りなおしの発生を低減して使い勝手を向上させることのできる認証装置、登録装置、登録認証装置、認証方法、登録方法、認証プログラムおよび登録プログラムを提供する。
【解決手段】被認証者30の眼画像を撮影する撮影部2と、撮影部2で撮影された被認証者30の眼画像から虹彩が含まれた部分画像を切り出して認証情報を作成する虹彩処理部16と、認証情報から作成される不一致度を評価する評価部80と、評価部80における評価結果にもとづき虹彩処理部16において切り出される虹彩の位置に補正を掛ける虹彩位置補正部70と、あらかじめ登録された登録認証情報と認証情報とを比較して認証処理を行う認証処理部17とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】被認証者30の眼画像を撮影する撮影部2と、撮影部2で撮影された被認証者30の眼画像から虹彩が含まれた部分画像を切り出して認証情報を作成する虹彩処理部16と、認証情報から作成される不一致度を評価する評価部80と、評価部80における評価結果にもとづき虹彩処理部16において切り出される虹彩の位置に補正を掛ける虹彩位置補正部70と、あらかじめ登録された登録認証情報と認証情報とを比較して認証処理を行う認証処理部17とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、被認証者の眼の画像を用いて個人認証を行う認証装置に関し、さらに詳しくは、認証装置、認証情報の登録装置、登録認証装置、認証方法、認証情報の登録方法、認証プログラムおよび認証情報の登録プログラムに関する。
近年、入退出管理装置や個人情報等の重要な情報が記憶された情報装置等、高いセキュリティ性が求められる装置におけるアクセス時の本人認証の方法として、人体の指紋、虹彩、眼底血管、顔の特徴、手や腕の血管パターン等、その被認証者固有の情報、いわゆるバイオメトリクス情報を用いた様々な認証方法が実用化されてきている。
その中でも、本人認証率の高さや、他人を受け入れてしまう割合の低さ等の信頼性の高さから、眼の虹彩部分の皺の模様の違いを利用した認証方法(以下、このような方法を「虹彩認証方法」と記す)が提案され、特に高いセキュリティ性を必要とする機器において実用化されている(例えば、特許文献1を参照)。
この虹彩認証方法は、被認証者の眼の部分の画像(以下、この画像を「眼画像」と記す)から虹彩の部分を切り出して選択的にコード化し、得られた情報を認証情報として、あらかじめ登録された情報(以下、「登録認証情報」と記す)との不一致度を算出する。そして、この不一致度と所定の閾値とを比較することによって、互いに一致すると判定された場合には、被認証者があらかじめ登録された者であると認証する方法である。
虹彩認証方法は、本人認証率の高い認証方法ではあるが、このような方法においては、被認証者の登録または認証を行う際に、鮮鋭な眼画像を撮影する必要があるとともに、虹彩のできるだけ広い領域を撮影することが必要であった。しかしながら、一般的に、虹彩は、被認証者のまばたき等によって、その撮影される領域の大きさが著しく変化してしまう。被認証者の眼の見開きが十分でなく、虹彩の一部がまぶたによって覆われた状態で撮影された眼画像からは、虹彩の正確な切り出しを行うことが難しく、そのため、正確な認証情報を算出することが難しい。このような場合、あらかじめ登録された者である本人が被認証者として認証を受けることができないといった問題を引き起こすことがあった。
虹彩認証方法において、より高い認証率を実現するためには、上述したような、あらかじめ登録された者である本人が被認証者として認証処理を受けた場合に認証を受けることのできない割合(以下、「本人拒否率」と記す)を下げることが重要である。
このような、本人拒否率を下げるための技術として、様々な技術の提案がなされてきた。
例えば、眼画像から虹彩の直径等をステータス情報として算出し、そのステータス情報が所定の閾値に満たない場合、例えば、虹彩の直径が所定の閾値に満たない場合には、「眼を大きく開けてください」等のガイダンスを出力し、被認証者に眼を見開かせることによって、虹彩のできるだけ広い領域を撮影しようとする技術が提案されてきている(例えば、特許文献2を参照)。
あるいは、まず第1の閾値を用いて被認証者の両眼それぞれを認証し、その結果、いずれの眼でも認証されなかった場合には、再度第1の閾値よりもより認証を受けやすい第2の閾値を用いて両眼を認証し、両眼とも第2の閾値を用いれば認証される場合には、被認証者をあらかじめ登録された者であると認証する技術が提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
特許第3307936号公報
特開2001−236499号公報
特開2000−357232号公報
しかしながら、例えば、特許文献2に記載された技術では、虹彩の直径が所定の閾値に満たない場合に、被認証者に対して眼画像の撮りなおしを促すことになり、被認証者の負担が増加して、使い勝手が悪くなってしまうという課題があった。
また、特許文献3に記載された技術では、第1の閾値を用いて認証を行っても認証できない場合に、より認証を受けやすい第2の閾値を用いて認証することで本人拒否率は低減するものの、認証時における判定が甘くなってしまうため、虹彩パターンの形状が似通った者同士を、同一人物であるとして認証してしまう可能性(以下、他人を本人として認証してしまう割合を、「他人受け入れ率」と記す)が高くなってしまうという課題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、他人受け入れ率を上げることなく本人拒否率を低減することができ、撮りなおしの発生を低減して使い勝手を向上させることのできる認証装置、登録装置、登録認証装置、認証方法、登録方法、認証プログラムおよび登録プログラムを提供することを目的とする。
本発明の認証装置は、被認証者の眼画像を撮影する撮影部と、撮影部で撮影された被認証者の眼画像から少なくとも虹彩を含む部分を検出する虹彩検出部および眼画像の少なくとも虹彩を含む部分から認証情報を作成する認証情報作成部を有する虹彩処理部と、虹彩検出部で検出された虹彩の位置に関して補正を加える虹彩位置補正部と、認証情報作成部で作成された認証情報にもとづき認証処理を行う認証処理部とを備え、認証情報作成部は、虹彩検出部で検出された虹彩の位置および虹彩位置補正部で補正された虹彩の位置にもとづき認証情報を作成するように構成されたことを特徴とする。
このような構成により、撮影された眼画像が、被認証者の眼の見開きが十分でない等の理由によって虹彩の一部がまぶた等によって覆われてしまい虹彩の正確な切り出しを行うことが難しい眼画像であっても、虹彩の切り出し位置を変えて虹彩を切り出して認証情報を作成することで、撮りなおしをすることなく本人であると認証することができる確率を向上させて本人拒否率を低減させるとともに、他人受け入れ率を上げない認証装置を提供することができる。
また、認証処理部は、あらかじめ登録された者の登録認証情報を記憶する記憶部と、認証情報作成部で作成された認証情報と記憶部に記憶された登録認証情報との不一致度を算出する不一致度算出部と、不一致度算出部において算出された不一致度とあらかじめ定めた閾値との比較によって被認証者があらかじめ登録された者であると認証できるか否かを判定する認証結果判定部とを有する構成であってもよい。このような構成によれば、さらに、認証率の高く、信頼性の高い認証装置において、他人受け入れ率を高くすることなく本人拒否率を低減することができる。
また、虹彩位置補正部は、虹彩検出部で検出された虹彩の位置に関して垂直方向の補正を加える補正部を有する構成であってもよい。このような構成によれば、虹彩の一部がまぶた等によって覆われた眼画像であっても、虹彩の切り出しを行う際に、虹彩の切り出し位置を垂直方向に変えて複数の切り出しを行うことができるので、他人受け入れ率を高くすることなく本人拒否率を低減することが可能となる。
また、認証処理部の認証結果判定部は、通常は、虹彩検出部で検出された虹彩の位置にもとづいて作成された認証情報にもとづき認証処理を行って被認証者があらかじめ登録された者であると認証できるか否かを判定し、被認証者があらかじめ登録された者であると認証されなかった場合には、虹彩位置補正部で補正された虹彩の位置にもとづいて作成された認証情報にもとづき認証処理を行って被認証者があらかじめ登録された者であると認証できるか否かを再度判定するように構成してもよい。このような構成によれば、被認証者があらかじめ登録された者であるにもかかわらず、撮影された眼画像が、眼の見開きが十分でない等の理由で虹彩の一部がまぶた等によって覆われてしまい虹彩の正確な切り出しができない場合であっても、切り出し位置を変えて切り出した虹彩から作成された認証情報を用いて認証動作を行うことができるので、他人受け入れ率を高くすることなく本人拒否率を低減することが可能となる。
また、認証装置は、不一致度算出部において算出された不一致度を評価する評価部を備え、虹彩位置補正部は、評価部における評価結果にもとづき補正部で用いる補正値を決定する補正値決定部を有する構成としてもよい。このような構成によれば、不一致度にもとづき虹彩の切り出し位置を変えることが可能となり、さらに本人拒否率を低減することが可能となる。
また、補正値決定部は、不一致度算出部において算出された不一致度が大きくなるほど補正部で用いる補正値を大きくするように構成してもよい。このような構成によれば、不一致度の大きさが大きい場合に虹彩の切り出し位置を大きく変えることができるようになり、認証の精度を向上させることが可能となる。
また、評価部は、不一致度算出部において算出された不一致度が所定の値よりも大きいときには虹彩位置補正部に対して虹彩の位置に関する補正を行わないように指示する構成としてもよい。このような構成によれば、被認証者があらかじめ登録された者でない場合に、認証できなかったことを示す結果を速やかに出力することが可能となる。
また、評価部は、虹彩検出部で検出された虹彩の位置にもとづき不一致度算出部において算出された不一致度と、虹彩位置補正部で補正された虹彩の位置にもとづき不一致度算出部において算出された不一致度とを比較する不一致度比較部を有する構成としてもよい。このような構成によれば、虹彩の切り出し位置を変えたときに、その切り出し位置の変更により不一致度が減少したのかそれとも増加したのかを判断できるようになり、認証の精度をさらに向上させることが可能となる。
また、補正値決定部は、不一致度比較部の比較結果にもとづき、補正部で用いる補正値の大きさおよび極性を変更するように構成してもよい。このような構成によれば、切り出し位置を変更したときの不一致度の変化にもとづいて、次の虹彩の切り出し位置の変更量および変更方向を決定することができるようになり、認証の精度をさらに向上させることが可能となる。
また、虹彩位置補正部は、虹彩の位置の補正を行う回数を制限して補正を行う構成であることが望ましい。このような構成によれば、虹彩の切り出し位置を変えての切り出しを行う回数に上限を設けることができるようになる。
また、認証装置は、眼画像の画質を判定する画質判定部および眼画像に眼が撮影されているか否かを判定する眼検出部を備え、虹彩処理部は、画質判定部で画質がよいと判定され、眼検出部で眼が撮影されていると判定された眼画像を用いて認証情報の作成を行うように構成してもよい。このような構成によれば、画質判定部で画質がよいと判定され、眼検出部で眼が存在すると判定された眼画像について認証処理を行うので、画質が悪かったり、眼が存在しない画像について認証処理を行うことを防止できるようになり、認証の精度をさらに向上させることが可能となる。
次に、本発明の登録装置は、被認証者の眼画像を撮影する撮影部と、撮影部で撮影された被認証者の眼画像から少なくとも虹彩を含む部分を検出する虹彩検出部および眼画像の少なくとも虹彩を含む部分から複数の認証情報を作成する認証情報作成部を有する虹彩処理部と、虹彩検出部で検出された虹彩の位置に関して補正を加える虹彩位置補正部と、認証情報作成部で作成された複数の認証情報を評価する評価部と、登録認証情報を記憶する記憶部、および認証情報作成部で作成された複数の認証情報のうち評価部において最もよいと評価された認証情報を登録認証情報として記憶部に記憶させる認証情報登録部を有する登録処理部とを備え、認証情報作成部は、虹彩検出部で検出された虹彩の位置および虹彩位置補正部で補正された虹彩の位置にもとづき複数の認証情報を作成することを特徴とする。
このような構成によれば、撮影された眼画像が、被登録者の眼の見開きが十分でない等の理由によって虹彩の一部がまぶた等によって覆われてしまい虹彩の正確な切り出しを行うことが難しい眼画像であっても、虹彩の切り出し位置を変えて切り出された複数の虹彩のそれぞれから認証情報を作成し、作成された複数の認証情報のうち、最もよいと評価された認証情報を登録認証情報として登録処理できる登録装置を提供することができる。
また、虹彩位置補正部は、虹彩検出部で検出された虹彩の位置に、少なくとも正の補正値を用いた補正と負の補正値を用いた補正との2つの補正を加えるように構成され、認証情報作成部は、虹彩検出部で検出された虹彩の位置にもとづく認証情報と正の補正値を用いて補正された虹彩の位置にもとづく認証情報と負の補正値を用いて補正された虹彩の位置にもとづく認証情報との少なくとも3つの認証情報を作成するような構成であってもよい。このような構成によれば、虹彩の位置を特定する際に比較的精度の低い垂直方向に関して、虹彩の切り出し位置を変えない場合と、虹彩の切り出し位置を上方向に変えた場合と、虹彩の切り出し位置を下方向とに変えた場合との少なくとも3つの切り出し位置で虹彩の切り出しを行い、その中から最もよいと評価された認証情報を登録処理するので、さらに精度の高い認証情報を登録認証情報として登録処理できるようになる。
また、登録処理部は、認証情報作成部で作成された少なくとも3つの認証情報を互いに比較し、1つの認証情報に対して少なくとも2つの不一致度を算出する不一致度算出部を有する構成としてもよい。この構成によれば、評価部は、不一致度算出部において算出された不一致度を用いて認証情報の評価を行うことができるようになる。
また、評価部は、不一致度算出部において算出された1つの認証情報に対する少なくとも2つの不一致度の平均値を、認証情報作成部で作成された少なくとも3つの認証情報のそれぞれに関して算出し、算出した不一致度の平均値を互いに比較する不一致度比較部を有する構成としてもよい。この構成によれば、評価部は、不一致度比較部における不一致度の平均値の比較結果を用いて認証情報の評価を行うことができるようになる。
また、不一致度比較部は、少なくとも3つの認証情報のうち、算出した不一致度の平均値が最も小さくなる認証情報を最もよい認証情報とする構成としてもよい。この構成によれば、評価部は、不一致度比較部において不一致度の平均値が最も小さくなる認証情報に対して、最もよいという評価を与えることができるようになり、さらに精度の高い認証情報を登録認証情報として登録処理できるようになる。
また、不一致度比較部は、不一致度の平均値を相乗平均によって算出するように構成してもよい。この構成によれば、切り出し位置を変えて切り出された複数の虹彩部分から作成された認証情報間の不一致度の違いを相乗平均によって比較することができるので、より精度の高い比較が可能となる。
また、登録装置は、眼画像の画質を判定する画質判定部および眼画像に眼が撮影されているか否かを判定する眼検出部を備え、虹彩処理部は、画質判定部で画質がよいと判定され、眼検出部で眼が撮影されていると判定された眼画像を用いて認証情報の作成を行うように構成してもよい。このような構成によれば、画質判定部で画質がよいと判定され、眼検出部で眼が存在すると判定された眼画像について登録処理を行うので、画質が悪かったり、眼が存在しない画像について登録処理を行うことを防止できるようになり、登録認証情報の精度をさらに向上させることが可能となる。
次に、本発明の登録認証装置は、被認証者の眼画像を撮影する撮影部と、撮影部で撮影された被認証者の眼画像から少なくとも虹彩を含む部分を検出する虹彩検出部および眼画像の少なくとも虹彩を含む部分から複数の認証情報を作成する認証情報作成部を有する虹彩処理部と、虹彩検出部で検出された虹彩の位置に関して補正を加える虹彩位置補正部と、認証情報作成部で作成された複数の認証情報を評価する評価部と、登録認証情報を記憶する記憶部および認証情報作成部で作成された複数の認証情報のうち評価部において最もよいと評価された認証情報を登録認証情報として記憶部に記憶させる認証情報登録部を有する登録処理部と、認証情報作成部で作成された認証情報にもとづき認証処理を行う認証処理部と、認証処理および登録処理のいずれを選択するかの情報が入力される入力部と、入力部への入力によって、認証情報作成部で作成された認証情報を認証処理部に出力するのか評価部において最もよいと評価された認証情報を登録処理部に出力するのかを切替える切替部とを備え、認証情報作成部は、虹彩検出部で検出された虹彩の位置および虹彩位置補正部で補正された虹彩の位置にもとづき認証情報を作成するように構成されたことを特徴とする。
このような構成によれば、撮影された眼画像が、被登録者または被認証者の眼の見開きが十分でない等の理由によって虹彩の一部がまぶた等によって覆われてしまい虹彩の正確な切り出しを行うことが難しい眼画像であっても、登録処理においては、虹彩の切り出し位置を変えて切り出された複数の虹彩のそれぞれから認証情報を作成し、作成された複数の認証情報のうち、最もよいと評価された認証情報を登録認証情報として登録処理し、認証処理においては、虹彩の切り出し位置を変えて虹彩を切り出して認証情報を作成することで、撮りなおしをすることなく本人であると認証することができる確率を向上させて本人拒否率を低減させるとともに他人受け入れ率を上げない登録認証装置を提供することができる。
次に、本発明の認証方法は、被認証者の眼画像を撮影する第1のステップと、第1のステップで撮影された被認証者の眼画像から少なくとも虹彩を含む部分を検出する第2のステップと、第2のステップで検出された虹彩の位置に関して補正を加える第3のステップと、第2のステップで検出された虹彩の位置および第3のステップで補正された虹彩の位置にもとづき、第1のステップで撮影された被認証者の眼画像の少なくとも虹彩を含む部分から認証情報を作成する第4のステップと、第4のステップにおいて作成された認証情報にもとづき認証処理を行う第5のステップとを備えたことを特徴とする。
このような方法によれば、撮影された眼画像が、被認証者の眼の見開きが十分でない等の理由によって虹彩の一部がまぶた等によって覆われてしまい虹彩の正確な切り出しを行うことが難しい眼画像であっても、虹彩の切り出し位置を変えて虹彩を切り出して認証情報を作成することで、撮りなおしをすることなく本人であると認証することができる確率を向上させて本人拒否率を低減させるとともに、他人受け入れ率を上げない認証方法を提供することができる。
次に、本発明の登録方法は、被認証者の眼画像を撮影する第1のステップと、第1のステップで撮影された被認証者の眼画像から少なくとも虹彩を含む部分を検出する第2のステップと、第2のステップで検出された虹彩の位置に関して補正を加える第3のステップと、第2のステップで検出された虹彩の位置および第3のステップで補正された虹彩の位置にもとづき、第1のステップで撮影された被認証者の眼画像の少なくとも虹彩を含む部分から複数の認証情報を作成する第4のステップと、第4のステップで作成された複数の認証情報を評価する第5のステップと、第5のステップにおいて最もよいと評価された認証情報を登録認証情報として記憶する第6のステップとを備えたことを特徴とする。
このような方法によれば、撮影された眼画像が、被登録者の眼の見開きが十分でない等の理由によって虹彩の一部がまぶた等によって覆われてしまい虹彩の正確な切り出しを行うことが難しい眼画像であっても、虹彩の切り出し位置を変えて切り出された複数の虹彩のそれぞれから認証情報を作成し、作成された複数の認証情報のうち、最もよいと評価された認証情報を登録認証情報として登録処理することができる登録方法を提供することができる。
次に、本発明の認証プログラムは、被認証者の眼画像を用いて認証処理を行う認証プログラムであって、コンピュータに、被認証者の眼画像が入力される第1のステップと、第1のステップで撮影された被認証者の眼画像から少なくとも虹彩を含む部分を検出する第2のステップと、第2のステップで検出された虹彩の位置に関して補正を加える第3のステップと、第2のステップで検出された虹彩の位置および第3のステップで補正された虹彩の位置にもとづき、第1のステップで撮影された被認証者の眼画像の少なくとも虹彩を含む部分から認証情報を作成する第4のステップと、第4のステップにおいて作成された認証情報にもとづき認証処理を行う第5のステップとを実行させることを特徴とする。
このようなプラグラムによれば、撮影された眼画像が、被認証者の眼の見開きが十分でない等の理由によって虹彩の一部がまぶた等によって覆われてしまい虹彩の正確な切り出しを行うことが難しい眼画像であっても、虹彩の切り出し位置を変えて虹彩を切り出して認証情報を作成することで、撮りなおしをすることなく本人であると認証することができる確率を向上させて本人拒否率を低減させるとともに、他人受け入れ率を上げない認証プログラムを提供することができる。
次に、本発明の登録プログラムは、被認証者の眼画像を用いて登録処理を行う登録プログラムであって、コンピュータに、被認証者の眼画像が入力される第1のステップと、第1のステップで撮影された被認証者の眼画像から少なくとも虹彩を含む部分を検出する第2のステップと、第2のステップで検出された虹彩の位置に関して補正を加える第3のステップと、第2のステップで検出された虹彩の位置および第3のステップで補正された虹彩の位置にもとづき、第1のステップで撮影された被認証者の眼画像の少なくとも虹彩を含む部分から複数の認証情報を作成する第4のステップと、第4のステップで作成された複数の認証情報を評価する第5のステップと、第5のステップにおいて最もよいと評価された認証情報を登録認証情報として記憶する第6のステップとを実行させることを特徴とする。
このようなプログラムによれば、撮影された眼画像が、被登録者の眼の見開きが十分でない等の理由によって虹彩の一部がまぶた等によって覆われてしまい虹彩の正確な切り出しを行うことが難しい眼画像であっても、虹彩の切り出し位置を変えて切り出された複数の虹彩のそれぞれから認証情報を作成し、作成された複数の認証情報のうち、最もよいと評価された認証情報を登録認証情報として登録処理することができる登録プログラムを提供することができる。
本発明によれば、他人受け入れ率を上げることなく本人拒否率を低減することができ、撮りなおしの発生を低減して使い勝手を向上させることのできる認証装置、登録装置、登録認証装置、認証方法、登録方法、認証プログラムおよび登録プログラムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態における認証装置1について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態における認証装置1の構成を示すブロック図である。
まず、本発明の第1の実施の形態における認証装置1について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態における認証装置1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態の認証装置1は、被認証者30の眼の近傍に光線を照射する光源部7、被認証者30に対して眼画像の撮影を促すような誘導を行う誘導部31、誘導部31によって誘導された被認証者30の眼画像を撮影する撮影部2、撮影部2で撮影された眼画像の画質判定等を行って、良好と判定された画像を虹彩処理部16に送る処理(以下、この処理を「キャプチャ処理」と記す)を行うキャプチャ処理部3、キャプチャ処理部3でキャプチャ処理された画像から虹彩の位置を特定し認証に必要な情報を作成する虹彩処理部16、虹彩処理部16において作成された情報にもとづき虹彩認証処理を行う認証処理部17、虹彩処理部16において検出された虹彩の位置に関して後述する補正を加える虹彩位置補正部70、認証処理部17における虹彩認証処理の過程で作成される情報に対して後述する評価を行いその結果を虹彩位置補正部70に出力する評価部80、認証処理部17における認証結果を出力する出力部23、ならびに、撮影部2、キャプチャ処理部3、光源部7、虹彩処理部16、認証処理部17、出力部23、誘導部31、虹彩位置補正部70および評価部80それぞれの動作を制御する制御部6を備える。
光源部7としては、被認証者30の眼に関して、コントラストのよい、鮮明な虹彩画像を撮影するために、眼に対して近赤外波長(約700nmから約1000nm程度の波長)を有する光線を照射することのできる光源を用いることができる。
また、撮影部2の一例としては、撮像素子としてCCDを用いた白黒カメラを用いることができる。本発明の第1の実施の形態における認証装置1における撮影部2に装着されるレンズ系としては、被認証者30の眼の領域を拡大して撮影することのできる望遠レンズを搭載することが望ましい。本発明の第1の実施の形態における認証装置1においては、被認証者30が左右いずれかの眼を撮影部2のレンズ系の画角内に位置させることにより、左右いずれかの眼について、認証処理を行うことができる。
誘導部31としては、液晶ディスプレイ等の表示部またはスピーカ等の音声発生部を有し、被認証者30に対して、認証を行うことや、眼を撮影部2の画角内に位置させるような誘導のための情報を報知することのできる構成であればよい。
出力部23としては、例えば、液晶やEL等を用いた公知の表示装置を用いることもできるし、音声で被認証者30に認証結果等を報知することのできるスピーカ等の装置、または、外部に接続された装置に対して認証結果等の情報を送信することのできる通信装置等を各種使用することが可能である。出力部23における表示装置やスピーカ等の装置については、誘導部31のものと共用することもできるし、出力部23および誘導部31それぞれに設けることも可能である。
キャプチャ処理部3は、撮影部2から出力された画像からその画像の画質を判定する画質判定部9、および、撮影部2から出力された画像の中に眼とみなされる円形の物体が撮影されているか否かを判定する眼検出部10を有する。
画質判定部9における画質の判定は、例えば、画質のよい鮮鋭な画像には所定の高周波成分の情報量が多いことを利用して、画像を周波数解析し、その所定の高周波成分の情報量を積算して、その積算値が多いほど画質がよいと判定する方法を利用することができるが、本発明はこの方法に限定されるものではない。例えば、画像全体の平均輝度情報を用いて、その平均輝度情報が所定の閾値範囲内にある場合に画質がよいと判定する方法や、他の公知の画質評価方法、またはこれらを組み合わせた方法を用いることができる。
眼検出部10は、眼画像の中から、虹彩や瞳孔等の円形状の物体が撮影されているか否かを判定する。眼検出部10における判定方法としては、例えば撮影部2で撮影された眼画像中に、瞳孔や黒目の部分と推定される丸い領域(例えば、丸くて周辺と比較して輝度の低下した領域)が存在するか否かを、眼画像と所定の大きさの輝度の低い領域を有する画像とのパターンマッチング処理を行うことで検知する方法や、眼画像の中から瞳孔候補の位置を検出する瞳孔候補検出部と、瞳孔候補の中心座標を中心とし所定の半径を持つ円の円周上における眼画像の輝度の最大値と最小値との差を求める輝度差算出部とを備え、輝度差算出部の出力が所定の閾値以内の場合にその瞳孔候補が瞳孔であると判定する方法等を用いることができる。
虹彩処理部16は、キャプチャ処理部3から出力された眼画像から、後述する方法によって虹彩の中心座標(IX,IY)および虹彩の半径(IR)を検出する虹彩検出部11、虹彩検出部11で検出された虹彩の中心座標(IX,IY)および虹彩の半径(IR)にもとづきキャプチャ処理部3から出力された眼画像から虹彩部分を切り出し、切り出した部分画像から所定の方法を用いて認証情報を作成する認証情報作成部12を有する。
認証処理部17は、あらかじめ登録された者の登録認証情報が記憶されている記憶部21、記憶部21に記憶された登録認証情報と認証情報作成部12で作成された認証情報とを比較して不一致度(以下、この不一致度の値を「HD値」と記す)を算出する不一致度算出部20、および、不一致度算出部20によって算出されたHD値とあらかじめ定められた認証用閾値とを比較することによって、被認証者30があらかじめ登録された者であるか否かを判定する認証結果判定部22を有する。認証結果判定部22は、認証結果を示す情報、すなわち、被認証者30があらかじめ登録された者である場合は「認証可能」を示す情報を出力部23に出力し、被認証者30があらかじめ登録された者でない場合には、「認証不可能」を示す情報を出力部23に出力する。
虹彩位置補正部70は、虹彩検出部11で検出された虹彩の中心座標(IX,IY)を一時的に記憶する中心座標一時記憶部73、中心座標一時記憶部73に記憶された虹彩の中心座標(IX,IY)のY座標(IY)に関して補正を加える補正部74、後述する評価部80からの出力にもとづき補正部74において用いる補正値を決定する補正値決定部71を有する。
評価部80は、不一致度算出部20によって算出されたHD値を一時的に記憶する不一致度一時記憶部81、不一致度一時記憶部81に記憶されたHD値と新たに不一致度算出部20によって算出されたHD値とを比較してその結果を補正値決定部71に出力する不一致度比較部82を有する。
なお、記憶部21、中心座標一時記憶部73および不一致度一時記憶部81としては、例えば、半導体回路によって構成された公知の半導体メモリーや公知の磁気記録装置、光記録装置等を用いた記憶装置等を用いることができる。また、虹彩処理部16および認証処理部17の各構成要素のうち、虹彩検出部11における虹彩61(後述する図2、図3において説明)の部分の検出方法、認証情報作成部12における認証情報の作成方法、不一致度算出部20における不一致度の算出方法、および、認証結果判定部22における、不一致度算出部20において算出された不一致度を用いた認証結果の判定方法としては、例えば特許文献1に記載された方法を用いることができる。なお、評価部80における不一致度一時記憶部81に記憶されたHD値と新たに不一致度算出部20によって算出されたHD値との比較およびその比較結果にもとづき補正値決定部71において決定される補正値に関しての説明は後述する。
ここで、虹彩処理部16の虹彩検出部11の処理について説明する。図2および図3は、本発明の第1の実施の形態における認証装置1の虹彩処理部16に搭載された虹彩検出部11の処理について説明するための図である。なお、特に断りのない限り、これ以降の説明においては、図2における紙面に向かって水平方向、すなわち眼頭−眼尻方向をX方向とし、垂直方向、すなわち上まぶた−下まぶた方向をY方向とする。
例えば、図2に示すような眼画像60がキャプチャ処理部3から虹彩検出部11に入力されたとする。すると、虹彩検出部11は、この眼画像60から、眼画像60の虹彩61と強膜(いわゆる白目)の部分との境界(図2における虹彩61のX方向に関するエッジ部分)を虹彩輪郭160として決定する。この虹彩輪郭160の決定は、例えば、図2に示す蝶ネクタイ形状のテンプレート161を用いて行う。そして、テンプレート161の中心座標を移動させながら半径を変化させて、輝度値の周回積分を行い、その値が最も大きく変化する位置を虹彩輪郭160として決定する方法(以下、この方法を「パターンマッチング」と記す)によって行うことができる。この方法によれば、虹彩61の虹彩輪郭160を円弧としたときの中心座標(IX,IY)および半径(IR)が算出される。
なお、虹彩61が円形状であることを利用して、円形状のテンプレート(図示せず)を用いる方法も考えられる。そして、そのような円形状のテンプレートは、例えば図3(a)に示すような、十分に被認証者30の眼が見開かれ、虹彩61がまぶた等に覆われることなく撮影された眼画像60であれば、高い精度で虹彩61の中心座標(IX,IY)および半径(IR)を検出することができる。しかし、通常は、図3(a)に示すような、虹彩61が完全に露呈した眼画像60が撮影されることは少なく、例えば図3(b)に示すような、虹彩61の一部分がまぶた等で覆われてしまった眼画像60が撮影されることの方が多い。
そして、そのような眼画像60では、虹彩61のY方向に関するエッジ部分は虹彩61とまぶたとの境界になってしまうため、虹彩61のエッジの形状が円形とはならず、円形状のテンプレートを用いたパターンマッチングを行うと、虹彩61の中心座標(IX,IY)および半径(IR)に大きな誤差を生じてしまう。そのため、虹彩61のY方向に関するエッジを周回積分の対象としない蝶ネクタイ形状のテンプレート161を用いている。
しかしながら、蝶ネクタイ形状のテンプレート161を用いたパターンマッチングにおいても、虹彩61のX方向に関するエッジ検出によって虹彩61の中心座標(IX,IY)および半径(IR)を求めるため、虹彩61の中心のX座標(IX)および半径(IR)については高い精度での検出が可能であるが、一方で、虹彩61の中心のY座標(IY)については、それらに比べて検出精度がやや劣り、若干の誤差を含むことがある。
すなわち、この虹彩61の中心座標(IX,IY)におけるY座標(IY)に誤差を含んだまま虹彩61が切り出されて認証情報が作成されてしまい、それにより、あらかじめ登録された者である本人が被認証者として認証処理を受けた場合に認証を受けることのできない割合、すなわち本人拒否率が悪化している可能性があると推測される。このような場合、Y座標(IY)に補正を加えれば、虹彩61の中心座標(IX,IY)を正しい位置に補正するこができる。それにより、虹彩61の部分画像を正確に切り出して正しい認証情報を作成し、本人拒否率を低減することができる。
例えば、初期のHD値(「HD0」とする)が閾値(「HD1」とする)以上となった眼画像を認証不可能とし、認証不可能となった眼画像のうちHD値がHD1〜HD2(ただし、HD1<HD2)となった眼画像を検証の対象とする。そして、検証の対象となった眼画像に対して、検出された虹彩61のY座標(IY)に正極性および負極性の値の異なる複数の補正値(「ΔY」とする)を加え、補正値を加えた結果にもとづき複数の認証情報を再作成する。そして、再作成された複数の認証情報に対してそれぞれHD値を算出し、HD値が閾値(HD1)未満、すなわち認証可能になるかどうかを調べる。さらに、HD値が閾値(HD1)未満となったときの補正値がいくらであったかを調べる。
図4は、本発明の第1の実施の形態におけるHD値と補正値との関係について示す概略図である。この図面に示すように、初期のHD値(HD0)が大きいほど、Y座標(IY)補正後のHD値を閾値(HD1)未満にするために必要な補正値(ΔY)の絶対値も大きくなる傾向がある。
次に、これらの実験結果にもとづく認証方法を実現するための、本発明の第1の実施の形態における認証装置1の動作について説明する。
図5は、本発明の第1の実施の形態における認証装置1の動作ステップを示すフローチャートである。図5に示すように、本発明の第1の実施の形態における認証装置1は、まず、制御部6が誘導部31に対して、被認証者30の眼を撮影部2の撮影範囲内に位置させるような誘導を行う(S1)。
この誘導部31が被認証者30に対して行う誘導の一例について説明する。誘導部31は、被認証者30に対して、「眼の撮影を行いますので、眼をカメラに向けてください」というような、撮影を行うことを報知するとともに、眼を撮影部2に向けさせるような情報を誘導情報として報知する。この誘導部31によって報知された誘導情報を、画面を見ることにより、または、音声によって聞くことによって、被認証者30は、自らの眼を撮影部2の撮影範囲内に配置させる。
図5に戻って、次に、制御部6は、光源部7を点灯させて、被認証者30の眼の付近を照射する(S2)。なお、ステップS1とステップS2との順序はどちらが先でもよいし、同時に開始されてもよい。
次に、制御部6は撮影部2に被認証者30の眼を眼画像60として撮影させる(S3)。
次に、制御部6は、キャプチャ処理部3に対して、前述したキャプチャ処理を実行させる(S4)。
ステップS4において、キャプチャ処理部3で眼画像60がキャプチャ処理できた場合には、ステップS100に進み、キャプチャ処理できなかった場合には、ステップS3に戻って、制御部6は、撮影部2に対して再度、被認証者30の撮影を行わせる(S5)。
ステップS5において、キャプチャ処理部3で眼画像60のキャプチャ処理ができたと判定された場合には、キャプチャ処理部3から虹彩処理部16に眼画像60が送られ、虹彩処理部16は、キャプチャ処理部3から送られた眼画像60から虹彩61とみなされる部分を検出し、それにもとづき虹彩61の部分画像を切り出して認証情報を作成する。または、評価部80における評価結果にもとづき虹彩位置補正部70において補正された虹彩の中心座標にもとづいて虹彩の部分画像を切り出し、認証情報を作成する。そして、認証処理部17は、その認証情報にもとづいて被認証者30があらかじめ登録された者であるか否かの認証処理を行う(S100)。そして、その結果を出力部23に出力して(S7)、処理を終了する。
ここで、本発明の第1の実施の形態における認証装置1の虹彩処理部16、認証処理部17、虹彩位置補正部70および評価部80の処理(ステップS100)についてさらに詳細に説明する。図6は、本発明の第1の実施の形態における認証装置1の虹彩処理部16、認証処理部17、虹彩位置補正部70および評価部80の処理について説明するためのフローチャートである。
ステップS5において、キャプチャ処理部3で眼画像60のキャプチャ処理ができたと判定された場合には、キャプチャ処理部3から虹彩処理部16の虹彩検出部11に眼画像60が送られる。虹彩検出部11は、キャプチャ処理部3から送られた眼画像60から、上述したようなパターンマッチングによって虹彩61とみなされる部分の中心座標(IX,IY)および半径(IR)を検出する。そして検出された中心座標(IX,IY)を、虹彩位置補正部70の中心座標一時記憶部73に一時記憶する(S101)。そして虹彩検出部11は、ステップS101で検出した中心座標(IX,IY)および半径(IR)にもとづき虹彩61の部分画像を切り出す(S102)。ステップS102で切り出された虹彩61の部分画像は虹彩処理部16の認証情報作成部12に送られ、認証情報作成部12では、その部分画像にもとづき認証情報の作成を行う(S103)。
ステップS103で作成された認証情報は、認証処理部17の不一致度算出部20に送られ、不一致度算出部20では、その認証情報と記憶部21に記憶された登録認証情報との不一致度算出処理が行われ、不一致度算出処理の結果であるHD値が認証処理部17の認証結果判定部22に送られる(S104)。認証結果判定部22では、不一致度算出部20において算出されたHD値とあらかじめ定められた認証用閾値とを比較し(S105)、HD値が認証用閾値未満であればステップS121に進み認証可能とする判定結果を出力部23に出力してステップS100における処理を終了し、HD値が認証用閾値以上であれば次のステップS106に進む。なお、このフローチャートにおいては、ステップS102からステップS105までの処理と同様の処理を繰返し行うため、図6においては、これらの処理をサブルーチンAとして流用する。
ステップS105において、HD値が認証用閾値以上の場合、ステップS104で算出されたHD値は、評価部80の不一致度一時記憶部81に一旦記憶され(S106)、さらに、評価部80の不一致度比較部82においてあらかじめ定められた不一致度比較用閾値と比較される(S107)。不一致度比較部82では、HD値が不一致度比較用閾値以上であればステップS122に進み認証不可能とする判定結果を出力部23に出力してステップS100における処理を終了し、HD値が不一致度比較用閾値未満であれば次のステップS108に進む。
ステップS107においてHD値が不一致度比較用閾値未満の場合、虹彩位置補正部70の補正値決定部71では、ステップS104で算出されたHD値にもとづき補正値を決定する(S108)。このとき、補正値決定部71はHD値が大きいほど補正値を大きくする。この補正値の変え方は、例えば、認証用閾値と、不一致度比較用閾値の間を、比例的に変化させてもよいし、指数関数的に変化させてもよいが、指数的に変化させる方が好ましい。ただし、認証用閾値、不一致度比較用閾値、HD値と補正値との関係はこれらの値に限定されるものではなく、認証装置1の仕様等に応じて最適な値に設定することが望ましい。また、ここではまず正の値を補正値として用いることとするが、まず負の値を補正値として用いることとしてもよい。
虹彩位置補正部70の補正部74では、中心座標一時記憶部73に記憶された中心座標(IX,IY)を読み出し、読み出した中心座標(IX,IY)のY座標(IY)に補正値決定部71で決定された補正値を加えて(IYa)とし、Y座標の補正を行う(S109)。
虹彩検出部11は、ステップS101で検出された半径(IR)およびステップS109で補正された中心座標(IX,IYa)にもとづき虹彩61の部分画像を切り出す。認証情報作成部12では、虹彩検出部11で切り出された部分画像にもとづき認証情報の作成を行う。認証情報作成部12で作成された認証情報は、認証処理部17の不一致度算出部20に送られ、不一致度算出部20では、その認証情報と記憶部21に記憶された登録認証情報との不一致度算出処理が行われ、不一致度算出処理の結果であるHD値が認証処理部17の認証結果判定部22に送られる。認証結果判定部22では、不一致度算出部20において算出されたHD値とあらかじめ定められた認証用閾値とを比較し、HD値が認証用閾値未満であればステップS121に進み認証可能とする判定結果を出力部23に出力してステップS100における処理を終了し、HD値が認証用閾値以上であれば次のステップS111に進む(S110)。
ステップS110において、HD値が認証用閾値以上の場合、評価部80の不一致度比較部82では、ステップS106で不一致度一時記憶部81に記憶されたHD値を読み出し、ステップS110で算出されたHD値と比較する(S111)。そして、ステップS111においてHD値は増加していないと判断されれば、虹彩位置補正部70の補正値決定部71では、ステップS108で決定された補正値と符号が同一であってかつ値を大きくした補正値(例えば、補正値を「a」から「b」に変更する。ただし、a<bとする)を新たな補正値とする(S112)。これは、HD値が増加していない、すなわちHDが減少しているということから、補正の方向はあっているが補正の量が不足していると判断することができるからである。
虹彩位置補正部70の補正部74では、中心座標一時記憶部73に記憶された中心座標(IX,IY)を読み出し、読み出した中心座標(IX,IY)のY座標(IY)に補正値決定部71で決定された新たな補正値を加えて(IYb)とし、Y座標の補正を行う(S113)。
虹彩検出部11は、ステップS101で検出された半径(IR)およびステップS113で補正された中心座標(IX,IYb)にもとづき虹彩61の部分画像を切り出す。認証情報作成部12では、虹彩検出部11で切り出された部分画像にもとづき認証情報の作成を行う。認証情報作成部12で作成された認証情報は、認証処理部17の不一致度算出部20に送られ、不一致度算出部20では、その認証情報と記憶部21に記憶された登録認証情報との不一致度算出処理が行われ、不一致度算出処理の結果であるHD値が認証処理部17の認証結果判定部22に送られる。認証結果判定部22では、不一致度算出部20において算出されたHD値とあらかじめ定められた認証用閾値とを比較し、HD値が認証用閾値未満であればステップS121に進み認証可能とする判定結果を出力部23に出力してステップS100における処理を終了し、HD値が認証用閾値以上であればステップS122に進み認証不可能とする判定結果を出力部23に出力してステップS100における処理を終了する(S114)。
また、ステップS111においてHD値は増加したと判断されれば、虹彩位置補正部70の補正値決定部71では、ステップS108で決定された補正値と値が同一であってかつ符号を変えた補正値(例えば、補正値を「a」から「−a」に変更)を新たな補正値とする(S115)。これは、HD値が増加したことから、補正の方向が間違っていると判断することができるからである。
虹彩位置補正部70の補正部74では、中心座標一時記憶部73に記憶された中心座標(IX,IY)を読み出し、読み出した中心座標(IX,IY)のY座標(IY)に補正値決定部71で決定された新たな補正値を加えて(IYc)とし、Y座標の補正を行う(S116)。
虹彩検出部11は、ステップS101で検出された半径(IR)およびステップS116で補正された中心座標(IX,IYc)にもとづき虹彩61の部分画像を切り出す。認証情報作成部12では、虹彩検出部11で切り出された部分画像にもとづき認証情報の作成を行う。認証情報作成部12で作成された認証情報は、認証処理部17の不一致度算出部20に送られ、不一致度算出部20では、その認証情報と記憶部21に記憶された登録認証情報との不一致度算出処理が行われ、不一致度算出処理の結果であるHD値が認証処理部17の認証結果判定部22に送られる。認証結果判定部22では、不一致度算出部20において算出されたHD値とあらかじめ定められた認証用閾値とを比較し、HD値が認証用閾値未満であればステップS121に進み認証可能とする判定結果を出力部23に出力してステップS100における処理を終了し、HD値が認証用閾値以上であれば次のステップS118に進む(S117)。
ステップS117においてHD値は認証用閾値以上と判断されれば、虹彩位置補正部70の補正値決定部71では、ステップS115で決定された補正値と符号が同一であってかつ値を大きくした補正値(例えば、補正値を「−a」から「−b」に変更する。ただし、a<bとする)を新たな補正値とする(S118)。これは、ステップS111における判断結果と合わせて、補正の方向はあっているが補正の量が不足していると判断することができるからである。
虹彩位置補正部70の補正部74では、中心座標一時記憶部73に記憶された中心座標(IX,IY)を読み出し、読み出した中心座標(IX,IY)のY座標(IY)に補正値決定部71で決定された新たな補正値を加えて(IYd)とし、Y座標の補正を行う(S119)。
虹彩検出部11は、ステップS101で検出された半径(IR)およびステップS119で補正された中心座標(IX,IYd)にもとづき虹彩61の部分画像を切り出す。認証情報作成部12では、虹彩検出部11で切り出された部分画像にもとづき認証情報の作成を行う。認証情報作成部12で作成された認証情報は、認証処理部17の不一致度算出部20に送られ、不一致度算出部20では、その認証情報と記憶部21に記憶された登録認証情報との不一致度算出処理が行われ、不一致度算出処理の結果であるHD値が認証処理部17の認証結果判定部22に送られる。認証結果判定部22では、不一致度算出部20において算出されたHD値とあらかじめ定められた認証用閾値とを比較し、HD値が認証用閾値未満であればステップS121に進み認証可能とする判定結果を出力部23に出力してステップS100における処理を終了し、HD値が認証用閾値以上であればステップS122に進み認証不可能とする判定結果を出力部23に出力してステップS100における処理を終了する(S120)。
なお、ステップS112およびステップS118において補正値を大きくする場合、補正値の増加分を固定の値としてもよいが、例えば、値の増加分をHD値にもとづき決定する構成としてもよい。ただし、補正値の増加分に関しては何らこれらの値に限定されるものではなく、認証装置1の仕様等に応じて最適な値に設定することが望ましい。
また、本実施の形態では、Y座標へ補正を加える回数を最大3回とした構成を説明したが、何らこの構成に限定されるものではなく、さらに多くの回数の補正を加える構成としてもよく、逆に最大2回(正の補正値と負の補正値をそれぞれ1回ずつ加えた場合)とする構成としてもよい。
以上述べたように、本発明の第1の実施の形態における認証装置1によれば、高い信頼性を有する虹彩認証方法を用いた認証処理を行う際に、例えば被認証者30の眼が十分に見開かれておらず虹彩61の一部分がまぶた等で覆われた眼画像60が撮影され虹彩61部分に関して誤差を含んだ中心座標が検出された場合であっても、比較的誤差が含まれやすいY座標に関して位置の補正を施した複数の認証情報を作成して認証処理を行うことができるので、認証不可能となった場合の撮りなおしの発生を低減して使い勝手を向上させつつ、本人拒否率を低減することができる。さらに、認証の際にHD値との比較に用いる認証用閾値に関しては変更を加える必要がないので、他人受け入れ率を上げることなく上述した効果を得ることができる。このように、本実施の形態によれば、より信頼性の高い認証装置および認証方法を提供することができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態における登録装置4について説明する。本発明の第2の実施の形態における登録装置4においては、被登録者32の眼画像を撮影した後、虹彩の切り出し位置が異なる複数の認証情報を作成し、その中で最もよいと評価される認証情報を登録処理することが可能である。このとき、本実施の形態では、虹彩の中心座標(IX,IY)のY座標(IY)に関して補正を加え虹彩の切り出し位置を変えているが、その理由は、第1の実施の形態において説明したとおりである。
次に、本発明の第2の実施の形態における登録装置4について説明する。本発明の第2の実施の形態における登録装置4においては、被登録者32の眼画像を撮影した後、虹彩の切り出し位置が異なる複数の認証情報を作成し、その中で最もよいと評価される認証情報を登録処理することが可能である。このとき、本実施の形態では、虹彩の中心座標(IX,IY)のY座標(IY)に関して補正を加え虹彩の切り出し位置を変えているが、その理由は、第1の実施の形態において説明したとおりである。
図7は、本発明の第2の実施の形態における登録装置4の構成を示すブロック図である。図7に示すように、本発明の第2の実施の形態における登録装置4の構成が、本発明の第1の実施の形態における認証装置1の構成と異なるところは、認証装置1の認証処理部17に代えて登録処理部18を備えたところと、虹彩位置補正部78の構成が認証装置1の虹彩位置補正部70と異なるところと、評価部88の構成が認証装置1の評価部80と異なるところである。その他の部分は、第1の実施の形態における認証装置1の構成と共通しており、構成の共通している構成要素については、同じ符号を付してその説明を省略する。
図7に示すように、本発明の第2の実施の形態の登録装置4は、被登録者32の眼の近傍に光線を照射する光源部7、被登録者32に対して眼画像の撮影を促すような誘導を行う誘導部31、誘導部31によって誘導された被登録者32の眼画像を撮影する撮影部2、撮影部2で撮影された眼画像の画質判定等を行って、良好と判定された画像を虹彩処理部16に送るキャプチャ処理を行うキャプチャ処理部3、キャプチャ処理部3でキャプチャ処理された画像から虹彩の位置を特定し認証情報を作成する虹彩処理部16、虹彩処理部16において作成された認証情報の登録処理を行う登録処理部18、虹彩処理部16において検出された虹彩の位置に関して後述する補正を加える虹彩位置補正部78、認証情報作成部12において作成された複数の認証情報間における不一致度に対して後述する評価を行いその結果を登録処理部18に出力する評価部88、ならびに、撮影部2、キャプチャ処理部3、光源部7、虹彩処理部16、登録処理部18、誘導部31、虹彩位置補正部78および評価部88それぞれの動作を制御する制御部6を備える。
登録処理部18は、被登録者32の登録認証情報を記憶する記憶部21、認証情報作成部12で作成された異なる認証情報を比較してHD値を算出する不一致度算出部20、および、認証情報作成部12で作成された複数の認証情報のうち、評価部88において最もよいと評価された認証情報を登録認証情報として記憶部21に記憶させる認証情報登録部24を有する。
虹彩位置補正部78は、虹彩検出部11で検出された虹彩の中心座標(IX,IY)を一時的に記憶する中心座標一時記憶部73、中心座標一時記憶部73に記憶された虹彩の中心座標(IX,IY)のY座標(IY)に関して補正を加える補正部74を有する。
評価部88は、認証情報作成部12において作成された認証情報を一時的に記憶する認証情報一時記憶部83、不一致度算出部20によって算出されたHD値を一時的に記憶する不一致度一時記憶部81、不一致度一時記憶部81に記憶されたHD値と新たに不一致度算出部20によって算出されたHD値とを比較してその結果を認証情報一時記憶部83に出力する不一致度比較部82を有する。
なお、認証情報一時記憶部83としては、例えば、半導体回路によって構成された公知の半導体メモリーや公知の磁気記録装置、光記録装置等を用いた記憶装置等を用いることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態における登録装置4の動作について説明する。
図8は、本発明の第2の実施の形態における登録装置4の動作ステップを示すフローチャートである。図8に示すように、本発明の第2の実施の形態における登録装置4は、まず、制御部6が誘導部31に対して、被登録者32の眼を撮影部2の撮影範囲内に位置させるような誘導を行う(S1)。この、ステップS1における動作は、第1の実施の形態の図5に示したフローチャートにおけるステップS1と同様である。
次に、制御部6は、光源部7を点灯させて、被登録者32の眼の付近を照射する(S2)。なおステップS1とステップS2との順序はどちらが先でもよいし、同時に開始されてもよい。
次に、制御部6は撮影部2に被登録者32の眼を眼画像60として撮影させる(S3)。
次に、制御部6は、キャプチャ処理部3に対して、前述したキャプチャ処理を実行させる(S4)。
ステップS4において、キャプチャ処理部3で眼画像60がキャプチャ処理できた場合には、ステップS6に進み、キャプチャ処理できなかった場合には、ステップS3に戻って、制御部6は、撮影部2に対して再度、被登録者32の撮影を行わせる(S5)。
ステップS5において、キャプチャ処理部3で眼画像60のキャプチャ処理ができたと判定された場合には、キャプチャ処理部3から虹彩処理部16の虹彩検出部11に眼画像60が送られる。虹彩検出部11は、キャプチャ処理部3から送られた眼画像60から、上述したようなパターンマッチングによって虹彩61とみなされる部分の中心座標(IX,IY)および半径(IR)を検出する。そして検出された中心座標(IX,IY)を、虹彩位置補正部78の中心座標一時記憶部73に一時記憶する(S6)。そして虹彩検出部11は、ステップS6で検出した中心座標(IX,IY)および半径(IR)にもとづき虹彩61の部分画像を切り出す(S10)。ステップS10で切り出された虹彩61の部分画像は虹彩処理部16の認証情報作成部12に送られ、認証情報作成部12では、その部分画像にもとづき認証情報の作成を行う(S11)。このとき、ステップS11において認証情報作成部12で作成された認証情報は、評価部88の認証情報一時記憶部83に一旦記憶される。
次に、虹彩位置補正部78の補正部74では、中心座標一時記憶部73に記憶された中心座標(IX,IY)を読み出し、読み出した中心座標(IX,IY)のY座標(IY)に所定の補正値を加えて(IYi)とし、Y座標の補正を行う(S12)。なお、ステップS12における補正値としては固定の値を用いることができる。ただし、補正値はこれらの値に限定されるものではなく、登録装置4の仕様等に応じて最適な値に設定することが望ましい。
虹彩検出部11は、ステップS6で検出された半径(IR)およびステップS12で補正された中心座標(IX,IYi)にもとづき虹彩61の部分画像を切り出す(S13)。ステップS13で切り出された虹彩61の部分画像は虹彩処理部16の認証情報作成部12に送られ、認証情報作成部12では、その部分画像にもとづき認証情報の作成を行う(S14)。このとき、ステップS14において認証情報作成部12で作成された認証情報は、評価部88の認証情報一時記憶部83に一旦記憶される。
次に、虹彩位置補正部78の補正部74では、中心座標一時記憶部73に記憶された中心座標(IX,IY)を読み出し、読み出した中心座標(IX,IY)のY座標(IY)に所定の補正値を加えて(IYj)とし、Y座標の補正を行う(S15)。なお、ステップS15における補正値としては、ステップS12で用いた補正値と値が同一であってかつ符号を変えた補正値とする(例えば、ステップS12における補正値を「2」とした場合、ステップS15における補正値は「−2」とする)ことが望ましい。
虹彩検出部11は、ステップS6で検出された半径(IR)およびステップS15で補正された中心座標(IX,IYj)にもとづき虹彩61の部分画像を切り出す(S16)。ステップS16で切り出された虹彩61の部分画像は虹彩処理部16の認証情報作成部12に送られ、認証情報作成部12では、その部分画像にもとづき認証情報の作成を行う(S17)。このとき、ステップS17において認証情報作成部12で作成された認証情報は、評価部88の認証情報一時記憶部83に一旦記憶される。
次に、登録処理部18の不一致度算出部20は、評価部88の認証情報一時記憶部83にステップS11、ステップS14、ステップS17で記憶された各認証情報のいずれか2つを読み出し、その2つの認証情報間で不一致度算出処理を行う。そして、この処理を、2つの認証情報の全ての組み合わせにおいて行い(本実施の形態では、ステップS11で算出した認証情報とステップS14で算出した認証情報との間、およびステップS14で算出した認証情報とステップS17で算出した認証情報との間、およびステップS17で算出した認証情報とステップS11で算出した認証情報との間)、算出した全てのHD値を不一致度一時記憶部81に記憶させる(S18)。
このとき、ステップS18では、1つの認証情報に関して複数のHD値が算出される(例えば、ステップS11で算出した認証情報に関しては、ステップS14で算出した認証情報との間のHD値、およびステップS17で算出した認証情報との間のHD値)。評価部88の不一致度比較部82では、この複数のHD値の平均値を各認証情報毎に算出し、それらを互いに比較して、HD値の平均値が最も小さくなる認証情報を最もよい認証情報と評価する(S19)。なお、平均値の求め方としては、相加平均、相乗平均、調和平均等、様々な算出方法が考えられるが、本実施の形態では相乗平均による算出を行っている。ただし、何らこの方法に限定されるものではなく、その他の算出方法であってもよい。
そして、登録処理部18の認証情報登録部24は、ステップS19において不一致度比較部82で最もよいと評価された認証情報を、登録認証情報として記憶部21に記憶させ、登録処理が終了する(S20)。
なお、本実施の形態では、Y座標(IY)に補正を加えない場合の認証情報、Y座標(IY)に正の補正値を加えた場合の認証情報およびY座標(IY)に負の補正値を加えた場合の認証情報の3つの認証情報を作成する構成を説明したが、何らこの構成に限定されるものではなく、Y座標(IY)に関してさらに多くの補正を加え、さらに多くの認証情報を作成して、その中から最もよいと評価した認証情報を登録する構成としてもよい。
以上述べたように、本発明の第2の実施の形態における登録装置4によれば、高い信頼性を有する虹彩認証方法を用いるための登録処理を行う際に、例えば被登録者32の眼が十分に見開かれておらず虹彩の一部分がまぶた等で覆われた眼画像60が撮影され虹彩61部分に関して誤差を含んだ中心座標が検出された場合であっても、比較的誤差が含まれやすいY座標に関して位置の補正を施した複数の認証情報を作成し、その中から最もよいと評価された認証情報を登録認証情報として登録するので、より精度の高い認証情報を登録することができる。さらに、最もよいと評価された認証情報を登録認証情報として登録するので、登録認証情報の量を増加させることはなく、認証時の処理に要する時間を増大させることがない。このように、本実施の形態によれば、より信頼性の高い登録装置および登録方法を提供することができる。
(第3の実施の形態)
なお、第1の実施の形態に示した認証装置1と第2の実施の形態に示した登録装置4とを図9に示すような1つの登録認証装置5にすることも可能である。図9は、本発明の第3の実施の形態における登録認証装置5の構成を示すブロック図である。図9に示すように、本発明の第3の実施の形態における登録認証装置5の構成は、本発明の第1の実施の形態における認証装置1の構成および本発明の第2の実施の形態における登録装置4を組み合わせた構成である。すなわち、登録認証処理部19の構成を認証装置1の認証処理部17の構成と登録装置4の登録処理部18の構成とを組み合わせた構成とし、虹彩位置補正部79の構成を認証装置1の虹彩位置補正部70の構成と登録装置4の虹彩位置補正部78の構成とを組み合わせた構成とし、評価部89の構成を認証装置1の評価部80の構成と登録装置4の評価部88の構成とを組み合わせた構成としている。そして、図9に示すように、それらの構成要素の動作およびその他の部分については、第1の実施の形態における認証装置1および第2の実施の形態における登録装置4の各構成要素と共通しているため、同じ符号を付してその説明を省略する。
なお、第1の実施の形態に示した認証装置1と第2の実施の形態に示した登録装置4とを図9に示すような1つの登録認証装置5にすることも可能である。図9は、本発明の第3の実施の形態における登録認証装置5の構成を示すブロック図である。図9に示すように、本発明の第3の実施の形態における登録認証装置5の構成は、本発明の第1の実施の形態における認証装置1の構成および本発明の第2の実施の形態における登録装置4を組み合わせた構成である。すなわち、登録認証処理部19の構成を認証装置1の認証処理部17の構成と登録装置4の登録処理部18の構成とを組み合わせた構成とし、虹彩位置補正部79の構成を認証装置1の虹彩位置補正部70の構成と登録装置4の虹彩位置補正部78の構成とを組み合わせた構成とし、評価部89の構成を認証装置1の評価部80の構成と登録装置4の評価部88の構成とを組み合わせた構成としている。そして、図9に示すように、それらの構成要素の動作およびその他の部分については、第1の実施の形態における認証装置1および第2の実施の形態における登録装置4の各構成要素と共通しているため、同じ符号を付してその説明を省略する。
また、登録認証装置5は、認証処理および登録処理のいずれを選択するかの情報を入力するための入力部(図示せず)を備える。そして、入力部への入力が登録処理を選択したものであれば、図8に示したフローによって登録処理が行われ、入力部への入力が認証処理を選択したものであれば、図5、図6に示したフローによって認証処理が行われる。
なお、本発明の実施の形態においては、光源部7および誘導部31を備えた構成を用いて説明を行ったが、本発明の認証装置はこの構成に限定されない。例えば、光源部7または誘導部31の少なくともいずれかを有しない構成も本発明の認証装置および登録装置および登録認証装置に含まれることはいうまでもない。
また、本発明の認証装置および登録装置および登録認証装置においては、キャプチャ処理部、虹彩処理部、虹彩位置補正部、評価部、認証処理部、登録処理部および登録認証処理部について、ハードウェアおよびソフトウェアのいずれによっても実現することができることはいうまでもない。それぞれの機能をハードウェアで実現した場合には、より高速化を図ることができ、ソフトウェアでそれぞれの機能を実現するような記述を行ってコンピュータで実行させることにより、修正の容易な、汎用性の高い構成を実現することができる。
また、本発明の実施の形態における認証装置および登録装置および登録認証装置においては、認証処理に用いる方法として、虹彩認証方法を用いた例で説明を行ったが、本発明はこの方法に限定されない。被認証者の眼を撮影した画像を用いた認証方法、例えば、網膜認証等にも適用することが可能であることはいうまでもない。
以上述べたように、本発明によれば、他人受け入れ率を上げることなく本人拒否率を低減することができ、撮りなおしの発生を低減して使い勝手を向上させることのできる認証装置、登録装置、登録認証装置、認証方法、登録方法、認証プログラムおよび登録プログラムとして有用である。
1 認証装置
2 撮影部
3 キャプチャ処理部
4 登録装置
5 登録認証装置
6 制御部
7 光源部
9 画質判定部
10 眼検出部
11 虹彩検出部
12 認証情報作成部
16 虹彩処理部
17 認証処理部
18 登録処理部
19 登録認証処理部
20 不一致度算出部
21 記憶部
22 認証結果判定部
23 出力部
24 認証情報登録部
30 被認証者
31 誘導部
32 被登録者
60 眼画像
61 虹彩
70,78,79 虹彩位置補正部
71 補正値決定部
73 中心座標一時記憶部
74 補正部
80,88,89 評価部
81 不一致度一時記憶部
82 不一致度比較部
83 認証情報一時記憶部
160 虹彩輪郭
161 (蝶ネクタイ形状の)テンプレート
2 撮影部
3 キャプチャ処理部
4 登録装置
5 登録認証装置
6 制御部
7 光源部
9 画質判定部
10 眼検出部
11 虹彩検出部
12 認証情報作成部
16 虹彩処理部
17 認証処理部
18 登録処理部
19 登録認証処理部
20 不一致度算出部
21 記憶部
22 認証結果判定部
23 出力部
24 認証情報登録部
30 被認証者
31 誘導部
32 被登録者
60 眼画像
61 虹彩
70,78,79 虹彩位置補正部
71 補正値決定部
73 中心座標一時記憶部
74 補正部
80,88,89 評価部
81 不一致度一時記憶部
82 不一致度比較部
83 認証情報一時記憶部
160 虹彩輪郭
161 (蝶ネクタイ形状の)テンプレート
Claims (23)
- 被認証者の眼画像を撮影する撮影部と、
前記撮影部で撮影された前記被認証者の前記眼画像から少なくとも虹彩を含む部分を検出する虹彩検出部および前記眼画像の少なくとも虹彩を含む部分から認証情報を作成する認証情報作成部を有する虹彩処理部と、
前記虹彩検出部で検出された虹彩の位置に関して補正を加える虹彩位置補正部と、
前記認証情報作成部で作成された認証情報にもとづき認証処理を行う認証処理部とを備え、
前記認証情報作成部は、前記虹彩検出部で検出された虹彩の位置および前記虹彩位置補正部で補正された虹彩の位置にもとづき認証情報を作成するように構成されたことを特徴とする認証装置。 - 前記認証処理部は、
あらかじめ登録された者の登録認証情報を記憶する記憶部と、
前記認証情報作成部で作成された認証情報と前記記憶部に記憶された登録認証情報との不一致度を算出する不一致度算出部と、
前記不一致度算出部において算出された不一致度とあらかじめ定めた閾値との比較によって前記被認証者が前記あらかじめ登録された者であると認証できるか否かを判定する認証結果判定部とを有することを特徴とする請求項1に記載の認証装置。 - 前記虹彩位置補正部は、前記虹彩検出部で検出された虹彩の位置に関して垂直方向の補正を加える補正部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の認証装置。
- 前記認証処理部の前記認証結果判定部は、通常は、前記虹彩検出部で検出された虹彩の位置にもとづいて作成された認証情報にもとづき認証処理を行って前記被認証者が前記あらかじめ登録された者であると認証できるか否かを判定し、
前記被認証者が前記あらかじめ登録された者であると認証されなかった場合には、前記虹彩位置補正部で補正された虹彩の位置にもとづいて作成された認証情報にもとづき認証処理を行って前記被認証者が前記あらかじめ登録された者であると認証できるか否かを再度判定するように構成されたことを特徴とする請求項2に記載の認証装置。 - 前記不一致度算出部において算出された不一致度を評価する評価部を備え、
前記虹彩位置補正部は、前記評価部における評価結果にもとづき前記補正部で用いる補正値を決定する補正値決定部を有することを特徴とする請求項3に記載の認証装置。 - 前記補正値決定部は、前記不一致度算出部において算出された不一致度が大きくなるほど前記補正部で用いる補正値を大きくするように構成されたことを特徴とする請求項5に記載の認証装置。
- 前記評価部は、前記不一致度算出部において算出された不一致度が所定の値よりも大きいときには前記虹彩位置補正部に対して虹彩の位置に関する補正を行わないように指示することを特徴とする請求項5に記載の認証装置。
- 前記評価部は、前記虹彩検出部で検出された虹彩の位置にもとづき前記不一致度算出部において算出された不一致度と、前記虹彩位置補正部で補正された虹彩の位置にもとづき前記不一致度算出部において算出された不一致度とを比較する不一致度比較部を有することを特徴とする請求項5に記載の認証装置。
- 前記補正値決定部は、前記不一致度比較部の比較結果にもとづき、前記補正部で用いる補正値の大きさおよび極性を変更するように構成されたことを特徴とする請求項8に記載の認証装置。
- 前記虹彩位置補正部は、虹彩の位置の補正を行う回数を制限して補正を行うように構成されたことを特徴とする請求項4に記載の認証装置。
- 前記眼画像の画質を判定する画質判定部および前記眼画像に眼が撮影されているか否かを判定する眼検出部を備え、
前記虹彩処理部は、前記画質判定部で画質がよいと判定され、前記眼検出部で眼が撮影されていると判定された前記眼画像を用いて認証情報の作成を行うように構成されたことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の認証装置。 - 被認証者の眼画像を撮影する撮影部と、
前記撮影部で撮影された前記被認証者の前記眼画像から少なくとも虹彩を含む部分を検出する虹彩検出部および前記眼画像の少なくとも虹彩を含む部分から複数の認証情報を作成する認証情報作成部を有する虹彩処理部と、
前記虹彩検出部で検出された虹彩の位置に関して補正を加える虹彩位置補正部と、
前記認証情報作成部で作成された複数の認証情報を評価する評価部と、
登録認証情報を記憶する記憶部、および前記認証情報作成部で作成された複数の認証情報のうち前記評価部において最もよいと評価された認証情報を前記登録認証情報として前記記憶部に記憶させる認証情報登録部を有する登録処理部とを備え、
前記認証情報作成部は、前記虹彩検出部で検出された虹彩の位置および前記虹彩位置補正部で補正された虹彩の位置にもとづき複数の認証情報を作成することを特徴とする登録装置。 - 前記虹彩位置補正部は、前記虹彩検出部で検出された虹彩の位置に、少なくとも正の補正値を用いた補正と負の補正値を用いた補正との2つの補正を加えるように構成され、
前記認証情報作成部は、前記虹彩検出部で検出された虹彩の位置にもとづく認証情報と前記正の補正値を用いて補正された虹彩の位置にもとづく認証情報と前記負の補正値を用いて補正された虹彩の位置にもとづく認証情報との少なくとも3つの認証情報を作成するように構成されたことを特徴とする請求項12に記載の登録装置。 - 前記登録処理部は、前記認証情報作成部で作成された少なくとも3つの認証情報を互いに比較し、1つの認証情報に対して少なくとも2つの不一致度を算出する不一致度算出部を有することを特徴とする請求項12に記載の登録装置。
- 前記評価部は、前記不一致度算出部において算出された1つの認証情報に対する少なくとも2つの不一致度の平均値を、前記認証情報作成部で作成された少なくとも3つの認証情報のそれぞれに関して算出し、算出した不一致度の平均値を互いに比較する不一致度比較部を有することを特徴とする請求項14に記載の登録装置。
- 前記不一致度比較部は、少なくとも3つの認証情報のうち、算出した不一致度の平均値が最も小さくなる認証情報を最もよい認証情報とすることを特徴とする請求項15に記載の登録装置。
- 前記不一致度比較部は、不一致度の平均値を相乗平均によって算出するように構成されたことを特徴とする請求項16に記載の登録装置。
- 前記眼画像の画質を判定する画質判定部および前記眼画像に眼が撮影されているか否かを判定する眼検出部を備え、
前記虹彩処理部は、前記画質判定部で画質がよいと判定され、前記眼検出部で眼が撮影されていると判定された前記眼画像を用いて認証情報の作成を行うように構成されたことを特徴とする請求項12から請求項18のいずれか1項に記載の登録装置。 - 被認証者の眼画像を撮影する撮影部と、
前記撮影部で撮影された前記被認証者の前記眼画像から少なくとも虹彩を含む部分を検出する虹彩検出部、および前記眼画像の少なくとも虹彩を含む部分から複数の認証情報を作成する認証情報作成部を有する虹彩処理部と、
前記虹彩検出部で検出された虹彩の位置に関して補正を加える虹彩位置補正部と、
前記認証情報作成部で作成された複数の認証情報を評価する評価部と、
登録認証情報を記憶する記憶部、および前記認証情報作成部で作成された複数の認証情報のうち前記評価部において最もよいと評価された認証情報を前記登録認証情報として前記記憶部に記憶させる認証情報登録部を有する登録処理部と、
前記認証情報作成部で作成された認証情報にもとづき認証処理を行う認証処理部と、
認証処理および登録処理のいずれを選択するかの情報が入力される入力部と、
前記入力部への入力によって、前記認証情報作成部で作成された認証情報を前記認証処理部に出力するのか前記評価部において最もよいと評価された認証情報を前記登録処理部に出力するのかを切替える切替部とを備え、
前記認証情報作成部は、前記虹彩検出部で検出された虹彩の位置および前記虹彩位置補正部で補正された虹彩の位置にもとづき認証情報を作成するように構成されたことを特徴とする登録認証装置。 - 被認証者の眼画像を撮影する第1のステップと、
前記第1のステップで撮影された前記被認証者の眼画像から少なくとも虹彩を含む部分を検出する第2のステップと、
前記第2のステップで検出された虹彩の位置に関して補正を加える第3のステップと、
前記第2のステップで検出された虹彩の位置および前記第3のステップで補正された虹彩の位置にもとづき、前記第1のステップで撮影された前記被認証者の眼画像の少なくとも虹彩を含む部分から認証情報を作成する第4のステップと、
前記第4のステップにおいて作成された認証情報にもとづき認証処理を行う第5のステップとを備えたことを特徴とする認証方法。 - 被認証者の眼画像を撮影する第1のステップと、
前記第1のステップで撮影された前記被認証者の眼画像から少なくとも虹彩を含む部分を検出する第2のステップと、
前記第2のステップで検出された虹彩の位置に関して補正を加える第3のステップと、
前記第2のステップで検出された虹彩の位置および前記第3のステップで補正された虹彩の位置にもとづき、前記第1のステップで撮影された前記被認証者の眼画像の少なくとも虹彩を含む部分から複数の認証情報を作成する第4のステップと、
前記第4のステップで作成された複数の認証情報を評価する第5のステップと、
前記第5のステップにおいて最もよいと評価された認証情報を登録認証情報として記憶する第6のステップとを備えたことを特徴とする登録方法。 - 被認証者の眼画像を用いて認証処理を行う認証プログラムであって、コンピュータに、
前記被認証者の眼画像が入力される第1のステップと、
前記第1のステップで撮影された前記被認証者の眼画像から少なくとも虹彩を含む部分を検出する第2のステップと、
前記第2のステップで検出された虹彩の位置に関して補正を加える第3のステップと、
前記第2のステップで検出された虹彩の位置および前記第3のステップで補正された虹彩の位置にもとづき、前記第1のステップで撮影された前記被認証者の眼画像の少なくとも虹彩を含む部分から認証情報を作成する第4のステップと、
前記第4のステップにおいて作成された認証情報にもとづき認証処理を行う第5のステップとを実行させることを特徴とする認証プログラム。 - 被認証者の眼画像を用いて登録処理を行う登録プログラムであって、コンピュータに、
前記被認証者の眼画像が入力される第1のステップと、
前記第1のステップで撮影された前記被認証者の眼画像から少なくとも虹彩を含む部分を検出する第2のステップと、
前記第2のステップで検出された虹彩の位置に関して補正を加える第3のステップと、
前記第2のステップで検出された虹彩の位置および前記第3のステップで補正された虹彩の位置にもとづき、前記第1のステップで撮影された前記被認証者の眼画像の少なくとも虹彩を含む部分から複数の認証情報を作成する第4のステップと、
前記第4のステップで作成された複数の認証情報を評価する第5のステップと、
前記第5のステップにおいて最もよいと評価された認証情報を登録認証情報として記憶する第6のステップとを実行させることを特徴とする登録プログラム。
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