JP2008040132A - 光拡散シート、その作製方法、及びそれを用いた液晶表示装置用のバックライトユニット - Google Patents
光拡散シート、その作製方法、及びそれを用いた液晶表示装置用のバックライトユニット Download PDFInfo
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Abstract
【課題】光拡散シートのスティッキング防止層の耐傷性を改善することにより、スティッキング防止層の傷による光線透過性の低下等の光学特性の劣化を防ぎ、所要の光学特性を維持することができるようにし、かつ、光拡散シートのみならず、バックライトユニットの製造、運搬、保存等の際の取扱いを格段に容易にすることができるようにした光拡散シートを提供する。またそれを備えた液晶表示装置用のバックライトユニットを提供する。
【解決手段】透明な基材の一方の面にバインダー中に分散させた光拡散粒子を含有する光拡散層を備え、かつ該透明な基材を挟んで反対側の面にバインダー中に分散させた光拡散粒子を含有するスティッキング防止層を備える光拡散シートであって、該スティッキング防止層のバインダーを構成するポリマーが水分散性ポリマーであることを特徴とする光拡散シート。
【選択図】図1
【解決手段】透明な基材の一方の面にバインダー中に分散させた光拡散粒子を含有する光拡散層を備え、かつ該透明な基材を挟んで反対側の面にバインダー中に分散させた光拡散粒子を含有するスティッキング防止層を備える光拡散シートであって、該スティッキング防止層のバインダーを構成するポリマーが水分散性ポリマーであることを特徴とする光拡散シート。
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶表示装置に組み込まれるバックライトユニットに用いられる光拡散シート及びその光拡散シートを備えたバックライトユニットに関する。
液晶表示装置は、液晶層を背面から照らして発光させるバックライト方式が普及し、液晶層の下面側にバックライトユニットが装備されている。かかるバックライトユニットは、例えば、図2を参照して説明するならば、一般的には図2に示すように、光源としての棒状のランプ21と、ランプ21に端部が沿うように配置される方形板状の導光板22と、導光板22の表面側に配設される光拡散シート23と、光拡散シート23の表面側に配設されるプリズムシート24とを備えている。
このバックライトユニット20の機能を説明すると、まず、ランプ21より導光板22に入射した光線は、導光板22裏面の図示していない反射ドット又は反射シート及び各側面で反射され、導光板22表面から出射される。導光板22から出射した光線は光拡散シート23に入射し、拡散され、光拡散シート23表面より出射される。その後、光拡散シート23から出射された光線は、プリズムシート24に入射し、プリズムシート24の表面に形成されたプリズム部24aによって、略真上方向にピークを示す分布の光線として出射される。このように、ランプ21から出射された光線が、光拡散シート23によって拡散され、またプリズムシート24によって略真上方向にピークを示すように屈折され、さらに上方の図示していない液晶層全面を照明するものである。
また図示していないが、上述のプリズムシート24の集光特性を考慮し、プリズムシート24の表面側にさらに光拡散シートやプリズムシートを配設するバックライトユニットもある。
上記バックライトユニットに備える光拡散シートは、一般的には図1に示すように、合成樹脂製の透明な基材層と、この基材層の表面に積層された光拡散層と、基材層の裏面に積層されたスティッキング防止層とを備えている(例えば特許文献1及び特許文献2参照。)。この光拡散層は、一般的には、バインダー中に光拡散剤を含有し、光拡散剤により透過光線を拡散させる機能が奏される。また、スティッキング防止層は、バインダー中に少量のビーズを分散含有し、このビーズの下部がバインダーの裏面から突出した構造を有しており、光拡散シート裏面が導光板表面と密着して干渉縞が生じてしまう不都合を防止している。
しかしながら、スティッキング防止層に用いるバインダーは、通常、軟質なものであり、それが故に、耐摩耗性において劣り、傷が付きやすかった。また、バインダー中にビーズが分散されている場合には、光拡散シートの製造、運搬、保存等を行う際に、光拡散シートを複数枚を重ねたり、バックライトユニットへの組込時にプリズムシート等の凹凸を有する表面に光拡散シートを重ねたりすれば、光拡散シートの裏面(スティッキング防止層)に傷が付いたり、その形状が変化するなど、光拡散シートの商品価値を損ねる可能性があった。従って、その取扱いには重大な注意を払いつつ、慎重な取り扱いを行わなければならなかった。
特開平7−5305号公報
特開2000−89007公報
本発明は、上記従来技術における不都合に鑑みてなされたものであり、その課題は、光拡散シートのスティッキング防止層の耐傷性を改善することにより、スティッキング防止層の傷による光線透過性の低下等の光学特性の劣化を防ぎ、所要の光学特性を維持することができるようにし、かつ、光拡散シートのみならず、バックライトユニットの製造、運搬、保存等の際の取扱いを格段に容易にすることができるようにした光拡散シートを提供すること及びそれを備えた液晶表示装置用のバックライトユニットを提供することである。
本発明に係る上記課題は、下記の手段により解決される。
1.透明な基材の一方の面にバインダー中に分散させた光拡散粒子を含有する光拡散層を備え、かつ該透明な基材を挟んで反対側の面にバインダー中に分散させた光拡散粒子を含有するスティッキング防止層を備える光拡散シートであって、該スティッキング防止層のバインダーを構成するポリマーが水分散性ポリマーであることを特徴とする光拡散シート。
2.前記光拡散層のバインダーを構成するポリマーが水分散性ポリマーであることを特徴とする前記1記載に記載の光拡散シート。
3.前記1又は2に記載の光拡散シートの作製方法であって、前記光拡散層の塗設工程において有機溶媒を用いないことを特徴とする光拡散シートの作製方法。
4.ランプと、このランプの側方に配置されてランプから発せられる光線を表側方向に導く導光板と、この導光板の表側に配置される前記1又は2に記載の光拡散シートとを備えたことを特徴とする液晶表示装置用のバックライトユニット。
本発明の上記手段により、光拡散シートのスティッキング防止層の耐傷性を改善することができ、その結果、スティッキング防止層の傷による光線透過性の低下等の光学特性の劣化を防ぎ、所要の光学特性を維持することができるようにし、かつ、光拡散シートのみならず、バックライトユニットの製造、運搬、保存等の際の取扱いを格段に容易にすることができるようにした光拡散シートを提供すること及びそれを備えた液晶表示装置用のバックライトユニットを提供することができる。
本発明の光拡散シートは、透明な基材の一方の面にバインダー中に分散させた光拡散粒子を含有する光拡散層を備え、かつ該透明な基材を挟んで反対側の面にバインダー中に分散させた光拡散粒子を含有するスティッキング防止層を備える光拡散シートであって、該スティッキング防止層のバインダーを構成するポリマーが水分散性ポリマーであることを特徴とする。
以下、本発明とその構成要素等について詳細な説明をする。
(光拡散シートの構成)
本発明の光拡散シート1は、図1に示すように、透明な基材(以下、単に「基材」ともいう。)シート2、該基材シート2の一方の面(表面)に積層された光拡散層3、該基材シート2の他方の面(裏面)に積層されたスティッキング防止層4とから構成されている。
本発明の光拡散シート1は、図1に示すように、透明な基材(以下、単に「基材」ともいう。)シート2、該基材シート2の一方の面(表面)に積層された光拡散層3、該基材シート2の他方の面(裏面)に積層されたスティッキング防止層4とから構成されている。
(透明な基材:支持体)
本発明に係る透明な基材からなる基材シート(支持体)は、光線を透過させる必要があるので透明、特に、無色透明の合成樹脂から形成されている。かかる基材シートに用いられる合成樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロースアセテート、耐候性塩化ビニル等が挙げられる。特に好ましい基材は、ポリエチレンテレフタレートである。
本発明に係る透明な基材からなる基材シート(支持体)は、光線を透過させる必要があるので透明、特に、無色透明の合成樹脂から形成されている。かかる基材シートに用いられる合成樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロースアセテート、耐候性塩化ビニル等が挙げられる。特に好ましい基材は、ポリエチレンテレフタレートである。
基材シートの厚みは、特には限定されないが、例えば、10〜500μm、好ましくは、35〜250μmとする。これは、基材シートの厚みが10μm未満であると、光拡散層を形成する樹脂組成物を塗工した際にカールが発生しやすくなってしまい、逆に、基材シートの厚みが500μmを超えると、液晶表示装置の輝度が低下してしまうことがあり、またバックライトユニットの厚みが大きくなって液晶表示装置の薄型化の要求に反することによる。
(光拡散層)
光拡散層は、バインダーおよびバインダー中に分散する光拡散粒子から構成されている。バインダーに用いられるポリマーとしては、水系媒体中で分散可能な従来公知の種々のポリマー(「水分散性ポリマー」という。)を使用することができる。
光拡散層は、バインダーおよびバインダー中に分散する光拡散粒子から構成されている。バインダーに用いられるポリマーとしては、水系媒体中で分散可能な従来公知の種々のポリマー(「水分散性ポリマー」という。)を使用することができる。
本発明では、光拡散層中の全バインダーの50質量%以上が水系分散されたポリマーラテックスであることが好ましい。即ち、光拡散層の調製においてポリマーラテックスを使用した場合、光拡散層中の全バインダーの50質量%以上がポリマーラテックス由来のポリマーであることが好ましく、更に好ましくは70質量%以上である。
ここで、ポリマーラテックスとは、水不溶性の疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものである。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち、分子鎖自身が分子状分散したもの等、何れでもよい。
本発明において用いることができるポリマーラテックスとしては、通常の均一構造のポリマーラテックス以外、所謂コア/シェル型のラテックスでもよい。この場合、コアとシェルはTgを変えると好ましい場合がある。
本発明に係るポリマーラテックスの最低造膜温度(MFT)は、−30〜90℃であることが好ましく、更に好ましくは0〜70℃程度である。又、最低造膜温度をコントロールするために造膜助剤を添加してもよい。
ポリマーラテックスに用いられるポリマー種としてはアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム系樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂等が挙げられる。
ポリマーラテックスは、25℃・60%RH(相対湿度)での平衡含水率が0.01〜2質量%以下のものが好ましく、更に好ましくは、0.01〜1質量%のものである。平衡含水率の定義と測定法については、例えば「高分子工学講座14,高分子材料試験法(高分子学会編、地人書館)」等を参考にすることができる。
ポリマーラテックスの具体例としては、特開2002−287299号公報の「0173」に記載の各ラテックスが挙げられる。これらのポリマーは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドして用いてもよい。ポリマーラテックスのポリマー種としては、アクリレート又はメタクリレート成分の如きカルボン酸成分を0.1〜10質量%程度含有するものが好ましい。
更に、必要に応じて全バインダーの50質量%以下の範囲でゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の親水性ポリマーを添加してもよい。これらの親水性ポリマーの添加量は全バインダーの30質量%以下が好ましい。
特に、好ましい水分散性ポリマーは、以下において詳しく説明するアクリル系ポリマーラテックスである。
本発明に係るアクリル系ポリマーラテックスは、アクリル系モノマー単独で、あるいはアクリル系モノマーとアクリル系モノマーと共重合し得る他のモノマー(以下、コモノマーという。)を用いて製造することができる。
アクリル系モノマーとしては、例えばアクリル酸;メタクリル酸;アクリル酸エステル、例えばアルキルアクリレート(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルエチルアクリレート等)、ヒドロキシ含有アルキルアクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等);メタクリル酸エステル、例えばアルキルメタクリレート(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルエチルメタクリレート等)、ヒドロキシ含有アルキルメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等);アクリルアミド;置換アクリルアミド、例えばN−メチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド等;メタクリルアミド;置換メタクリルアミド、例えばN−メチルメタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド等;アミノ基置換アルキルアクリレート、例えばN,N−ジエチルアミノエチルアクリレート;アミノ基置換アルキルメタクリレート、例えばN,N−ジエチルアミノメタクリレート;エポキシ基含有アクリレート、例えばグリシジルアクリレート;エポキシ基含有メタクリレート、例えばグリシジルメタクリレート;アクリル酸の塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩;メタクリル酸の塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。上述のモノマーは1種もしくは2種以上を併用することができる。
コモノマーとしては、例えばスチレン及びその誘導体;不飽和ジカルボン酸(例えば、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸);不飽和ジカルボン酸のエステル(例えば、イタコン酸メチル、イタコン酸ジメチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチル、フマール酸メチル、フマール酸ジメチル);不飽和ジカルボン酸の塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩);スルホン酸基又はその塩を含有するモノマー(例えば、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸及びそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩));無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物;ビニルイソシアネート;アリルイソシアネート;ビニルメチルエーテル;ビニルエチルエーテル;酢酸ビニルが挙げられる。上述のモノマーは1種もしくは2種以上を併用することができる。
本発明において、最も低いガラス転移温度を示すアクリル系ポリマーラテックスのガラス転移温度(TgL)と最も高いガラス転移温度を示すアクリル系ポリマーラテックスのガラス転移温度(TgH)との差が80℃を越える場合、即ちTgLが低すぎる場合は、塗膜のブロッキング耐性が劣化し、TgHが高すぎる場合は、塗膜の造膜性が劣化する。またTgLとTgHの差が10℃に満たない場合は、ポリマーブレンドの効果を失う。
本発明において、ガラス転移温度(Tg)は、ブランドラップらによる“ポリマーハンドブック”III−139頁からIII−179頁(1966年、ワイリーアンド サン社版)に記載の方法で求めたものである。コポリマーのTg(コポリマー)は下記の式でも求められる。
Tg(コポリマー)(℃)=v1Tg1+v2Tg2+・・・+vnTgn
式中、v1、v2・・・vnはコポリマー中のモノマーの質量分率を表し、Tg1、Tg2・・・Tgnはコポリマー中の各モノマーから得られるホモポリマーのTg(℃)を表す。上式に従って計算されたTgの精度は、±5℃である。
式中、v1、v2・・・vnはコポリマー中のモノマーの質量分率を表し、Tg1、Tg2・・・Tgnはコポリマー中の各モノマーから得られるホモポリマーのTg(℃)を表す。上式に従って計算されたTgの精度は、±5℃である。
なお、本発明に係るバインダーには、可塑剤、安定化剤、劣化防止剤、分散剤、帯電防止剤等が配合されてもよい。
本発明に係る光拡散層の厚さ(光拡散粒子の突出部を除いたバインダー部分の平均厚さ。)は特には限定されないが、例えば10〜80μmであることが好ましい。
〈光拡散粒子〉
本発明に係る光拡散粒子は、光線を拡散させる性質を有する粒子であり、無機粒子と有機粒子に大別される。無機粒子としては、具体的には、シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫化バリウム、マグネシウムシリケート、又はこれらの混合物を用いることができる。有機粒子の具体的な材料としては、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド等を用いることができる。中でも、透明性が高いアクリル樹脂が好ましく、ポリメチルメタクリレート(PMMA)が特に好ましい。
本発明に係る光拡散粒子は、光線を拡散させる性質を有する粒子であり、無機粒子と有機粒子に大別される。無機粒子としては、具体的には、シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫化バリウム、マグネシウムシリケート、又はこれらの混合物を用いることができる。有機粒子の具体的な材料としては、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド等を用いることができる。中でも、透明性が高いアクリル樹脂が好ましく、ポリメチルメタクリレート(PMMA)が特に好ましい。
光拡散粒子の形状は、特に限定されるものではなく、例えば球状、立方状、針状、棒状、紡錘形状、板状、鱗片状、繊維状などが挙げられ、これらのうち光拡散性に優れる球状が好ましい。特に、球形率80個数%以上の光拡散粒子を用いることが好ましい。なお、球形率の測定は以下の通りに行えばよい。まず、測定対象である光拡散粒子粉末を光学顕微鏡で300倍の倍率にて撮影して計数する。そして、球形のもの(短径/長径>0.8)である個数の比率を算出した値を球形率とする。但し、前記光学顕微鏡写真撮影像では、立体的に球形であることを判別することは困難であることが多いので、平面画像である前記撮影像で円形のもの(短径/長径>0.8)である個数の比率を算出した値である円形率を球形率としてもよい。
光拡散粒子の平均粒径の下限としては1μm、特に2μm、さらに5μmが好ましく、光拡散剤の平均粒径の上限としては50μm、特に20μm、さらに15μmが好ましい。光拡散粒子の粒径が1μmに満たないと、光拡散効果が不十分となってしまい、逆に、粒径が50μmを越えると、光拡散層を形成する樹脂組成物の塗工が困難となってしまうことによる。
なお、光拡散粒子の粒径は、任意に抽出した100個の光拡散粒子を顕微鏡で拡大して粒子の直径を測定し、これを単純平均することにより導出される。なお、光拡散粒子が球形でない場合は、任意の一方向における光拡散粒子の寸法とこれと直交する方向における光拡散粒子の寸法とを平均した値とする。
光拡散粒子の配合量(バインダーの形成材料であるポリマー組成物中のポリマー分100質量部に対する固形分換算の配合量)の下限としては10部、特に20部、さらに50部が好ましく、この配合量の上限としては500部、特に300部、さらに200部が好ましい。光拡散粒子の配合量が10部に満たないと、光拡散効果が不十分となってしまい、逆に、当該配合量が500部を越えると、光拡散層を形成する樹脂組成物の塗工が困難となってしまうことによる。
(スティッキング防止層)
本発明の光拡散シートは、バインダー中に分散させた光拡散粒子を含有するスティッキング防止層とを備えており、該スティッキング防止層のバインダーを構成するポリマーが水分散性ポリマーであることを特徴とする。
本発明の光拡散シートは、バインダー中に分散させた光拡散粒子を含有するスティッキング防止層とを備えており、該スティッキング防止層のバインダーを構成するポリマーが水分散性ポリマーであることを特徴とする。
なお、本発明の光拡散シートにおいて、スティッキング防止層のバインダー内に、光拡散粒子を分散させることを要するが、これにより、本発明の光拡散シートをバックライトユニットに組み込んだ場合に、バインダーから突出した光拡散粒子によって、光拡散シートと隣接する導光板との間のスティッキングが防止され、液晶表示装置の画面の輝度ムラが抑えられる。
さらに、本発明においては、光拡散シートのスティッキング防止層形成面の際、後述する架橋剤を用いて、耐摩耗性の高いポリマー層を形成することができる。従って、光拡散シートを複数枚重ねた際の光拡散層との接触によるスティッキング防止層での傷の発生が防止できる。
なお、スティッキング防止層に含有させるバインダーと光拡散粒子は、光拡散層に用いられているバインダーや光拡散粒子と同じものが使用できる。
なお、本発明に係るバインダーには、可塑剤、安定化剤、劣化防止剤、分散剤、帯電防止剤等が配合されてもよい。
本発明に係るスティッキング防止層の厚さ(光拡散粒子が突出した部分を除いたバインダー部分の平均厚さ。)は特には限定されないが、例えば5〜50μmであることが好ましい。
なお、本発明に係るスティッキング防止層は、上下2層で構成されてもよい。
〈架橋剤〉
本発明に係る光拡散層及びスティッキング防止層おいては、バインダー同士を橋かけ結合によってつなぐ架橋剤を含有させることができる。架橋剤を上記バインダーに対し用いることにより、膜付き性、耐傷性等を向上させることができる。
本発明に係る光拡散層及びスティッキング防止層おいては、バインダー同士を橋かけ結合によってつなぐ架橋剤を含有させることができる。架橋剤を上記バインダーに対し用いることにより、膜付き性、耐傷性等を向上させることができる。
架橋剤としては、従来公知の種々の架橋剤、例えば特開昭50−96216号に記載されるアルデヒド系、エポキシ系、エチレンイミン系、ビニルスルホン系、スルホン酸エステル系、アクリロイル系、カルボジイミド系、シラン化合物系架橋剤を用いることができるが、好ましくは、以下に示すイソシアネート系、シラン化合物系、エポキシ系化合物又は酸無水物である。
イソシアネート系架橋剤は、イソシアネート基を少なくとも2個有しているイソシアネート類及びその付加体(アダクト体)であり、更に具体的には、脂肪族ジイソシアネート類、環状基を有する脂肪族ジイソシアネート類、ベンゼンジイソシアネート類、ナフタレンジイソシアネート類、ビフェニルイソシアネート類、ジフェニルメタンジイソシアネート類、トリフェニルメタンジイソシアネート類、トリイソシアネート類、テトライソシアネート類、これらのイソシアネート類の付加体及びこれらのイソシアネート類と2価又は3価のポリアルコール類との付加体等が挙げられる。具体例として、特開昭56−5535号の10〜12頁に記載されるイソシアネート化合物を利用することができる。
又、本発明に使用可能なチオイソシアネート系架橋剤としては、上記のイソシアネート類に対応するチオイソシアネート構造を有する化合物も有用である。
シラン化合物の例としては、特開2001−264930号に開示されている一般式(1)〜一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
又、架橋剤として使用できるエポキシ化合物としては、エポキシ基を1個以上有するものであればよく、エポキシ基の数、分子量、その他に制限はない。エポキシ基はエーテル結合やイミノ結合を介してグリシジル基として分子内に含有されることが好ましい。又、エポキシ化合物はモノマー、オリゴマー、ポリマー等の何れであってもよく、分子内に存在するエポキシ基の数は通常1〜10個程度、好ましくは2〜4個である。エポキシ化合物がポリマーである場合は、ホモポリマー、コポリマーの何れであってもよく、その数平均分子量Mnの特に好ましい範囲は2,000〜20,000程度である。
本発明に用いられる酸無水物は、下記の構造式で示される酸無水物基を少なくとも1個有する化合物である。この様な酸無水基を1個以上有するものであればよく、酸無水基の数、分子量、その他に制限はない。
−CO−O−CO−
上記架橋剤は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。その使用量は特に制限はないが、1×10-6〜1×10-2モル/m2の範囲が好ましく、より好ましくは1×10-5〜1×10-3モル/m2の範囲である。
上記架橋剤は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。その使用量は特に制限はないが、1×10-6〜1×10-2モル/m2の範囲が好ましく、より好ましくは1×10-5〜1×10-3モル/m2の範囲である。
(易接着層)
本発明の光拡散シートにおいては、透明な基材の両面に易接着層を設け、当該両面の易接着層それぞれの上に光拡散層又はスティッキング防止層を設けることが好ましい。
本発明の光拡散シートにおいては、透明な基材の両面に易接着層を設け、当該両面の易接着層それぞれの上に光拡散層又はスティッキング防止層を設けることが好ましい。
本発明に係る易接着層は、その構成材料は特に限定されないが、バインダー中に帯電防止剤、無機フィラー等を配合し形成することができる。
バインダーとしては、上記のバインダーの他に、例えば、共重合ポリエステル系ポリマー及びブロック型イソシアネート基を含有するポリマー等が好ましい。
共重合ポリエステル系ポリマーとしては、分岐したグリコールを構成成分とする、水溶性あるいは水分散性の共重合ポリエステルが挙げられる。ブロック型イソシアネート基を含有するポリマーとしては、末端イソシアネート基を親水性基により封鎖、即ちブロックした、自己架橋型水溶性ウレタンポリマーが好ましい。
本発明に係る易接着層の厚さは、特には限定されないが、例えば0.3〜1.5μmであることが好ましい。
〈帯電防止剤〉
本発明に係る帯電防止剤としては、従来公知の種々の帯電防止剤を使用することができるが、金属酸化物あるいは導電性ポリマーが好ましい。
本発明に係る帯電防止剤としては、従来公知の種々の帯電防止剤を使用することができるが、金属酸化物あるいは導電性ポリマーが好ましい。
金属酸化物の例として、Al2(iPrO)3などの有機金属粒子、SiaAlbOc,TiO2、Al2O3、SiO2などの金属酸化物及び複合金属酸化物の粉体を挙げることができる。
金属酸化物粒子の合成方法は、公知の合成方法で本発明の目的を達成できるものであればいかなる方法でもよい。例えば、遷移金属もしくは遷移金属を含む化合物を原料とした共沈法、多段湿式法、ゾルゲル法、アトマイジング法、プラズマ熱分解法など微粒子及び超微粒子の製造方法をあげることができる。ここで遷移金属もしくは遷移金属を含む化合物とは、粉体合成法に応じて、Ti、Al、Siを主成分とする化合物であり、好ましくは水溶性もしくは有機溶媒に可溶な化合物で、例えば、Ti(OC3H7)4などの金属アルコキシドやフェロセンなどの有機金属化合物などが選ばれるが、粉体合成法に応じて、Ti、Al、Siを主成分とする室温で固体の材料も用いる事ができ、特に制限を加えるものではない。
Ti、Al、Siを主成分とする粉末の電気特性は、絶縁体でも半導体もよい。
導電性ポリマーは、側鎖基に官能基もしくは主鎖に金属原子へ配位可能な原子団を有する高分子が望ましい。例えばポリビニルベンゼンスルフォン酸塩類、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、4級塩ポリマー類、ポリマーラテックス等を用いる事ができる。ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレン等の電子伝導性高分子として知られている化合物、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミン、ポリスルフィドを基本骨格もしくは側鎖基とするイオン伝導性高分子も用いることができる。導電性ポリマーの電気特性は、たとえば室温の体積固有抵抗で1013Ωcm以下好ましくは1011Ωcm以下もしくは1010Ωcm以下さらにこのましくは109Ωcm以下が良い。
これら金属酸化物粉体及び導電性ポリマーは、バインダー中に分散又は溶解させて用いられる。あるいは、金属酸化物粒子を導電性ポリマーで表面処理もしくはマイクロカプセル化などの処理を行った粉体、金属酸化物粒子を導電性ポリマーの溶解もしくは分散された溶媒中に混合後、スプレードライ法、凍結乾燥法などの処理を行った粉体をバインダー中に分散して塗布を行っても良い。
金属酸化物粒子と、有機物バインダーによる塗布方法による場合の添加量であるが、導電性高分子化合物は、導電性などの物性を損なわない程度に添加されその添加量に制限を加えない。金属酸化物の添加量については、塗布乾燥後のポリマー中の体積分率で60%以下好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%以下で十分に発明の目的は達成される。しかし、このような粉末は、そもそもより添加量が少ない方が好ましいので、30%以下が好適である。さらに好ましくは20%以下でも良い。しかし、体積分率で0.1%以上好ましくは0.5%以上の添加は必要である。化合物によっては1%以上の添加が必要の場合もあるが、添加量に関しては、本発明に特に制限を加えるものではない。
次に、導電性ポリマー帯電防止剤としてカチオン系帯電防止剤を用いるとよい。
上記カチオン系帯電防止剤としては、アンモニウム塩が好ましく、下記一般式(1A)で示されるもの及び下記一般式(2A)で示されるものが特に好ましい。かかるアンモニウム塩、特に下記一般式(1A)のアンモニウム塩及び一般式(2A)のカチオン系帯電防止剤によれば、上述の帯電防止作用が高く、また光拡散層、スティッキング防止層のバインダーに疎水性の高いアクリルポリオール等の基材ポリマーを用いた場合でも優れた帯電防止作用を発揮することができる。
上記一般式(1A)において、R1は炭素数が14〜20のアルキル基、R2、R3、R4及びR5は炭素数が1〜5のアルキル基、Xは−COO−又は−CONH−の有機基、nは1以上6以下の整数を示す。
上記一般式(2A)において、R1は炭素数が14〜20のアルキル基、nは1〜6の整数を示す。
上記帯電防止剤の塗工量としては固形分換算で0.01〜0.5g/m2が好ましい。帯電防止剤の塗工量を上記範囲とすることで、上述の帯電防止作用を効果的に奏し、また帯電防止剤の塗工による全光線透過率の低下や厚みの増大等の不都合を防止することができる。
〈無機フィラー〉
無機フィラーを構成する無機物としては、特に限定されるものではなく、無機酸化物が好ましい。この無機酸化物は、金属元素が主に酸素原子との結合を介して3次元のネットワークを構成した種々の含酸素金属化合物と定義される。また無機酸化物を構成する金属元素としては、たとえば、元素周期律表第2〜第6族から選ばれる元素が好ましく、元素周期律表第3〜第5族から選ばれる元素がさらに好ましい。その中でも、Si、Al、Ti及びZrから選択される元素が特に好ましく、金属元素がSiであるコロイダルシリカが、無機フィラーとして最も好ましい。また微小無機充填剤の形状は、球状、針状、板状、鱗片状、破砕状等の任意の粒子形状でよく、特に限定されない。
無機フィラーを構成する無機物としては、特に限定されるものではなく、無機酸化物が好ましい。この無機酸化物は、金属元素が主に酸素原子との結合を介して3次元のネットワークを構成した種々の含酸素金属化合物と定義される。また無機酸化物を構成する金属元素としては、たとえば、元素周期律表第2〜第6族から選ばれる元素が好ましく、元素周期律表第3〜第5族から選ばれる元素がさらに好ましい。その中でも、Si、Al、Ti及びZrから選択される元素が特に好ましく、金属元素がSiであるコロイダルシリカが、無機フィラーとして最も好ましい。また微小無機充填剤の形状は、球状、針状、板状、鱗片状、破砕状等の任意の粒子形状でよく、特に限定されない。
無機フィラーの平均粒子径の下限としては、5nmが好ましく、10nmが特に好ましい。一方、微小無機充填剤の平均粒子径の上限としては50nmが好ましく、25nmが特に好ましい。これは、無機フィラーの平均粒子径が上記範囲未満では、無機フィラーの表面エネルギーが高くなり、凝集等が起こりやすくなるためであり、逆に、平均粒子径が上記範囲を超えると、短波長の影響で白濁し、光拡散シートの透明性を完全に維持することができなくなることからである。
ポリマー組成物における無機フィラーの配合量(無機物成分のみの配合量)の下限としては5質量%が好ましく、10質量%が特に好ましい。一方、無機フィラーの配合量の上限としては20質量%が好ましく、15質量%が特に好ましい。これは、無機フィラーの配合量が上記範囲未満であると、光拡散シートの熱変形を十分には防止できなくなってしまうことがあり、逆に、配合量が上記範囲を越えると、ポリマー組成物中への配合が困難になり、光拡散層の光線透過率が低下するおそれがあることからである。
なお、本発明においては、前記耐電防止剤が無機酸化物であり、かつ無機フィラーであることが好ましい。
(ポリマー組成物等の塗設法)
本発明において、透明な基材(支持体)上に、光拡散層、スティキング防止層等を塗設するためのポリマー組成物の塗布・積層手段としては、特に限定されるものではなく種々の公知の方法を採用することができる。例えば、各層の構成成分(ポリマー組成物等)と必要に応じて溶媒をあらかじめ所定量混合して塗布液を調製し、当該塗布液をリバースロール・コート法、グラビア・コート法、キス・コート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーバーコート法、パイプドクター法、含浸・コート法およびカーテン・コート法等の通常のコーティング方法を単独あるいは組み合わせて用いて基材上へ塗布し、熱固定化処理を施す方法が挙げられる。
本発明において、透明な基材(支持体)上に、光拡散層、スティキング防止層等を塗設するためのポリマー組成物の塗布・積層手段としては、特に限定されるものではなく種々の公知の方法を採用することができる。例えば、各層の構成成分(ポリマー組成物等)と必要に応じて溶媒をあらかじめ所定量混合して塗布液を調製し、当該塗布液をリバースロール・コート法、グラビア・コート法、キス・コート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーバーコート法、パイプドクター法、含浸・コート法およびカーテン・コート法等の通常のコーティング方法を単独あるいは組み合わせて用いて基材上へ塗布し、熱固定化処理を施す方法が挙げられる。
なお、溶媒としては、水及び有機溶媒(アルコール系溶媒、ケトン系溶媒等)を使用することができるが、本発明では、特に有機溶媒の使用をできるだけ回避し、水を使用することが好ましい。
(その他:バックライトユニット等)
本発明の光拡散シートをバックライトユニットに組み込んだ場合でも、プリズムシート等の他のシートや、隣接する光拡散シートの光拡散層などにスティッキング防止層が接触しても、スティッキング防止層の損傷の防止が図り易くなる。また、本発明の光拡散シートを組み込んだバックライトユニットでは、その光学特性の劣化を防ぐのみならず、所要の光学特性を維持しやすくなる。
本発明の光拡散シートをバックライトユニットに組み込んだ場合でも、プリズムシート等の他のシートや、隣接する光拡散シートの光拡散層などにスティッキング防止層が接触しても、スティッキング防止層の損傷の防止が図り易くなる。また、本発明の光拡散シートを組み込んだバックライトユニットでは、その光学特性の劣化を防ぐのみならず、所要の光学特性を維持しやすくなる。
とりわけ、スティッキング防止層と光拡散層の硬度を上記の相対関係に調整することで、両者の接触によるスティッキング防止層4の損傷を効果的に防止することができる。
なお、図1に例示した光拡散シート1によれば、スティッキング防止層4は、バインダー7によって平坦に形成されており、この場合、スティッキング防止層4はポリマー粒子を含んでいないので、光線透過率を改善させることができる。なお、光の拡散性を高めるべく、図1に例示したように、スティッキング防止層4内にポリマー粒子8を分散させることもできる。
図2に例示したような、導光板22、光拡散シート23およびプリズムシート24が積層され、導光板22側方のランプ21から発せられた光線を均一に拡散して上方の偏向膜(図示せず)等に送る方式のバックライトユニット20における光拡散シート23として本発明の光拡散シート1を用いることによって、ランプ21に近い部分での白変、乱反射、輝度低下などのバックライトユニットの品質低下を招く原因を排除でき、結果として、バックライトユニット20を用いた液晶表示装置の輝度ムラを低減できる。
また、図2に例示したように、プリズムシート24の表面側に積層される光拡散シート23として上記光拡散シート1を用いることもできる。
加えて、光拡散シート1の裏面(スティッキング防止層形成面)における耐摩耗性は、ハードコート剤を採り入れたバインダー7によって高められているので、プリズムシートや導光板等のその他のシートとの接触によるスティッキング防止層4の損傷の防止が図り易くなる上に、バックライトユニット20を組み立てる時の光拡散シートの取扱いが非常に容易となる。
なお、本発明に係る液晶表示装置用のバックライトユニットは、ランプと、このランプの側方に配置されてランプから発せられる光線を表側方向に導く導光板を備え、この導光板の表側に本発明の光拡散シートが配置される。
また、本発明の光拡散シートの全光線透過率は90%以上が好ましく、さらに好ましくは92%以上である。90%以下では液晶表示装置に組み込んだ際、輝度の低下を引き起こすため好ましくない。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、実施例における「部」は、特に断りない限り「質量部」を表す。
実施例1
比較試料の作製:特開2004−004598号公報に記載されている実施例に基づき比較試料を以下のように作製した。
比較試料の作製:特開2004−004598号公報に記載されている実施例に基づき比較試料を以下のように作製した。
シクロアルキル基を有するポリエステルポリオールを含有するポリマーのバインダーポリマー配合物100部、平均粒子径が20nmのコロイダルシリカ(扶桑化学工業(株)の「PL−1」)50部及び架橋剤(日本ポリウレタン(株)の「コロネートHX」)5部を含むポリマー組成物中に、平均粒径15μmのアクリル系樹脂光拡散粒子(積水化成品工業(株)の「MBX−15」)50部を混合して塗工液(溶媒:メチルエチルケトンと水の混合液(容積比3:1))を作製し、この塗工液をロールコート法により厚さ100μmの透明ポリエチレンテレフタレート(PET)ベース上の基材層の表面に15g/m2(固形分換算)塗工し、硬化させることにより光拡散層を設けた。
上記ポリマー組成物中に平均粒子径5μmの光拡散粒子(積水化成品工業(株)の「MBX−5」)10部を混合して塗工液を作製し、この塗工液をロールコート法により上記基材層の裏面に3g/m2(固形分換算)塗工し、硬化させることでスティッキング防止層を積層した光拡散シートを得た。
実施例2
本発明の試料の作製:実施例1のスティッキング防止層のみ以下の方法で作製し、それ以外は、実施例1と同様にして作製した。
本発明の試料の作製:実施例1のスティッキング防止層のみ以下の方法で作製し、それ以外は、実施例1と同様にして作製した。
アクリルラテックス(スチレン/n−ブチルアクリレート/t−ブチルアクリレート/ヒドロキシメチルメタクリレート(27/10/35/28(モノマー比(質量%))))バインダーに平均粒子径5μmの光拡散粒子(積水化成品工業(株)の「MBX−5」)10部を混合して塗工液(水系分散液)を作製し、この塗工液をロールコート法により上記基材層の裏面に3g/m2(固形分換算)塗工し、硬化させることでスティッキング防止層を積層した光拡散シートを得た。
実施例3
実施例2の光拡散層のバインダーを実施例2のスティッキング防止層にて使用したアクリルラテックスバインダーに変え同様に光拡散シートを得た。
実施例2の光拡散層のバインダーを実施例2のスティッキング防止層にて使用したアクリルラテックスバインダーに変え同様に光拡散シートを得た。
〈耐傷性の評価〉
上記実施例で得られた光拡散シートをそれぞれ2枚用意し、光拡散層とスティッキング層を1Kpaの圧力で、5m/minの速度で擦り合わせた際の、傷つき具合を評価した。傷が付かなかったものを◎、微小についたものを○、傷が付いたものを×として評価した結果を表1示す。
上記実施例で得られた光拡散シートをそれぞれ2枚用意し、光拡散層とスティッキング層を1Kpaの圧力で、5m/minの速度で擦り合わせた際の、傷つき具合を評価した。傷が付かなかったものを◎、微小についたものを○、傷が付いたものを×として評価した結果を表1示す。
表1に示した結果から明らかなように、本発明の光拡散シートは、耐傷性に優れていることが分かる。従って、本発明の光拡散シートによれば、光拡散シートの製造、運搬、保存等の際に、光拡散シートを複数枚重ねた場合でも、光拡散シート裏面(スティッキング防止層形成面)の傷の発生が防止でき、またその取扱いが容易になり、しかも、それにより、バックライトユニットへの本発明の光拡散シートの取り付けが容易となる。
また、本発明の光拡散シートによれば、スティッキング防止層の傷の発生が防止されるので、スティッキング防止層の傷付きに伴う光線の透過が妨げられる等の光学特性の劣化を防ぎ、所要の光学特性を維持することができる。
1 光拡散シート
2 基材層
3 光拡散層
4 スティッキング防止層
5 バインダー
6 光拡散粒子
7 バインダー
8 光拡散粒子
20 バックライトユニット
21 ランプ
22 導光板
23 光拡散シート
24 プリズムシート
24a プリズム部
2 基材層
3 光拡散層
4 スティッキング防止層
5 バインダー
6 光拡散粒子
7 バインダー
8 光拡散粒子
20 バックライトユニット
21 ランプ
22 導光板
23 光拡散シート
24 プリズムシート
24a プリズム部
Claims (4)
- 透明な基材の一方の面にバインダー中に分散させた光拡散粒子を含有する光拡散層を備え、かつ該透明な基材を挟んで反対側の面にバインダー中に分散させた光拡散粒子を含有するスティッキング防止層を備える光拡散シートであって、該スティッキング防止層のバインダーを構成するポリマーが水分散性ポリマーであることを特徴とする光拡散シート。
- 前記光拡散層のバインダーを構成するポリマーが水分散性ポリマーであることを特徴とする請求項1記載に記載の光拡散シート。
- 請求項1又は2に記載の光拡散シートの作製方法であって、前記光拡散層の塗設工程において有機溶媒を用いないことを特徴とする光拡散シートの作製方法。
- ランプと、このランプの側方に配置されてランプから発せられる光線を表側方向に導く導光板と、この導光板の表側に配置される請求項1又は2に記載の光拡散シートとを備えたことを特徴とする液晶表示装置用のバックライトユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006214256A JP2008040132A (ja) | 2006-08-07 | 2006-08-07 | 光拡散シート、その作製方法、及びそれを用いた液晶表示装置用のバックライトユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006214256A JP2008040132A (ja) | 2006-08-07 | 2006-08-07 | 光拡散シート、その作製方法、及びそれを用いた液晶表示装置用のバックライトユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008040132A true JP2008040132A (ja) | 2008-02-21 |
Family
ID=39175213
Family Applications (1)
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JP2006214256A Pending JP2008040132A (ja) | 2006-08-07 | 2006-08-07 | 光拡散シート、その作製方法、及びそれを用いた液晶表示装置用のバックライトユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008040132A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012230364A (ja) * | 2011-04-12 | 2012-11-22 | Keiwa Inc | 光拡散シート、光学ユニット、バックライトユニット及び液晶表示装置 |
JP2015159031A (ja) * | 2014-02-24 | 2015-09-03 | 凸版印刷株式会社 | 両面発光型照明装置 |
WO2018088724A1 (ko) * | 2016-11-10 | 2018-05-17 | 삼성에스디아이 주식회사 | 점착필름, 이를 위한 점착제 조성물, 이를 포함하는 터치 패널 및 이를 포함하는 디스플레이 표시장치 |
-
2006
- 2006-08-07 JP JP2006214256A patent/JP2008040132A/ja active Pending
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