JP2008040046A - 光拡散シート及びそれを備えたスクリーンシート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】たて糸12とよこ糸11とが織り込まれた織物で構成される光拡散シート10であって、光透過性のある円もしくは擬似円断面形状の第1の繊維をよこ糸11として使用し、第2の繊維をたて糸12として使用し、よこ糸11が互いに平行で、屈曲なく、且つ略密接して配列された織組織構造を備えている。光拡散シート10は、よこ糸の繊維軸方向が映像装置の表示面の垂直方向又は水平方向に沿うように設置される。若しくは、よこ糸の繊維軸方向が映像装置の表示面の垂直方向及び水平方向の両方向に沿うように2枚積層して設置される。
【選択図】 図1
Description
即ち、特許文献1の方法は非生産的であり現実には実現できていない。具体的に説明すると、光透過性ストランドの直線性が悪いと、投影された画像にモアレが生じ、画像品質が低下するので、本来的に規則的に配列された光透過性ストランドの直線性が高精度で要請されている。しかしながら、特許文献1のようなフィルム基板上に光透過性ストランドを真っ直ぐに配列させて固着させることは、現実には困難であり、従って、上記要請に充分対応した光拡散シートが得られない。
前記光拡散シートは、映像装置等の表示面に設置される光拡散シートであって、前記よこ糸の直径は、映像装置等の映像表示単体と同等もしくは小さいことを特徴とする。
上記構成により、映像表示単体に少なくとも1本のよこ糸が通るようになるので、各映像表示単体全てにおいて光拡散効果が得られるので、全体として表示ムラのない表示が可能となる。
図1は実施の形態1に係る光拡散シートの斜視図、図2は実施の形態1に係る光拡散シートを用いた映像装置の全体構成図、図3は映像装置におけるスクリーンの断面図、図4は映像装置におけるスクリーンの正面図、図5は図4の一部拡大図である。
実施の形態1に係る光拡散シートが使用される映像装置1は、光ファイバ映像装置であって、図2に示すように、大略的に画像投写機2、画像入力面3、光ファイバ群4、画像出力面5を備えて構成される。画像投写機2は、TV放送受像機、ビデオテープ再生装置、パソコン等からの画像を出力する。
さらに、映像表示単体7は、予め定める数の光ファイバ8(図2参照)の端部によって構成されている。最も単純な構成では、1本の光ファイバ8の端部が1画素を構成するが、複数本の光ファイバ8の端部を束ねて配置して1画素を構成してもよい。例えば、複数本の光ファイバ8の端部を行列状に配置して1画素を構成した場合は、光を出力させる光ファイバ8の数及び位置を適宜選択することによって中間階調表示を実現することができる。尚、以下の説明では、1本の光ファイバ8の端部が1映像表示単体7を構成している場合を例にとり説明する。
これに対して、本発明に係る織物で構成された光拡散シート10の場合は、光学フィルム構造で構成される光拡散シートとほぼ同等の光拡散効果を有すると共に、光の透過率が光学フィルム構造で構成される光拡散シートよりも極めて高い。そのため、正面からかなり大きい角度位置を持った斜め方向における輝度レベルが鮮明な画像を認識することが可能な輝度レベル以上となっている。従って、光拡散シート10は、視野角特性が極めて良好である。しかも、光学フィルム構造で構成される光拡散シートとほぼ同等の大きな光拡散効果を有するので、斜め方向からの輝度が緩やかな傾斜で低下していく。この結果、正面から見ても、斜め方向から見ても、輝度の変化が小さいため、どの角度位置から見ても、違和感なく映像を鮮明に見ることが可能となる。この点に関しては、後述する実験結果の検討(図10)に明確に示されている。
なお、より広い視野角で鮮明な画像を得る観点からは、全ての映像表示単体7によこ糸11が少なくとも2〜3本程度通るようなよこ糸直径を選択するのが好ましい。
図8は実施の形態2に係る光拡散シート10Aの斜視図である。
本実施の形態2に係る光拡散シート10Aは、光ファイバ映像装置より映像表示単体7のピッチが粗いLED映像装置の光拡散シートとして使用される。光拡散シート10Aは、たて糸12及びよこ糸11がメッシュ状に織り込まれた織組織構造を備えている。たて糸12及びよこ糸11の素材としては、一方又は両方にプラスチック光ファイバが使用される。また、たて糸12とよこ糸11の径が、同程度もしくはたて糸12が大きくても、モアレのない鮮明な画像を得ることが可能である。なぜなら、たて糸12がよこ糸11より太い場合であっても、交差部20ではほとんど屈曲が生じないからである。そこで、かかる交差部20がLED映像装置の映像表示単体(1つのLEDに相当)7を完全に覆うように構成すれば、モアレのない鮮明な画像が得られることになる。なお、LED映像装置に限らず、その他の密度の粗い映像装置に広く適用することができる。また、本実施の形態に係る光拡散シート10Aも、上記実施の形態1に係る光拡散シート10と同様に平面状態を保持するために、光拡散シート10Aの周縁部を枠体31によって固定したスクリーンシートとしてLED映像装置に設置される。
(1)上記実施の形態では、映像装置用の光拡散シートについて説明したけれども、本発明はこれに限定されるものではなく、照明装置用の光拡散シートにも適用することができる。
たて糸及びよこ糸に張力を付与しながらフィルムでサンドイッチする。光拡散シートだけなら表面が凹凸のためゴミが詰まったりしやすいが、このようなフィルムでサンドイッチする構成であれば、フィルム表面が凹凸のない平面のため、ゴミの詰まりの発生を解消できる。
また、上記フィルムに代えて、アクリル板を使用するようにしてもよい。
また、サンドイッチしたシートをブロック毎にタイル状に貼り付けるようにしてもよい。
・よこ糸の条件
よこ糸の素材:ポリメチルメタクリレート(PMMA)を主原料とするプラスチック光ファイバ(以後POFと称す)
よこ糸の直径:0.25mm(なお、映像表示単体7の径:0.75mmより小さい径)
・たて糸の条件
たて糸の素材:ポリエステルブライトモノフィラメント
たて糸の直径:22dtex(直径40μm)
たて糸密度:45本/cm
上記本願発明X1と同様の条件で製造された織物構造の光拡散シートが2枚、それぞれPOF繊維軸が直交するように積層した積層構造の光拡散シートを使用した。
光学フィルム構造の光拡散シートを比較例Yとした。
光源:150Wのハロゲンランプ
測定方法:実施の形態1に係る光ファイバ映像装置のスクリーン基板の前面に光拡散シートを設置し、そこから距離1mの場所での輝度を輝度計によって測定した。また、光拡散シートを設置しない場合についても同様に輝度を測定した。
なお、本願発明X1はスクリーン基板の図7(1)の状態で設置し、本願発明X2は図7(3)のように一方のPOFの繊維軸が画面のX方向となるように設置した。
視野角特性を図9,図10に示す。図9は視野角に対する輝度減衰率を示すグラフであり、図10は視野角に対する輝度率を示すグラフである。図9では、光拡散シートを設置しない場合の輝度減衰率も併せてプロットしている。
また、図10における「輝度率」とは、光拡散シートのない場合の輝度に対する光拡散シートのある場合の輝度の比(%表示)を示したものである。従って、輝度率100%で光拡散シートなしと同等の輝度を示すことになる。
図9の結果から明らかなように、今回開発したPOF織物を映像装置に設置した場合(本願発明X1,X2の場合)、視野角が0度から12度程度までは、光拡散シートの無い場合とほぼ同様に輝度が減衰する。しかしながら、本願発明X1,X2の場合は、視野角が12度程度以上になると、光拡散シートの無い場合よりも輝度の減衰が大きく抑制されていることが認められる。つまり、画像の正面から徐々に角度を増していても、輝度の減衰の割合がなだらかに変化することが認められる。このことは、広範囲の角度位置で画像を見ても、鮮明な画像と認識することが可能であることを意味する。即ち、本願発明X1,X2を映像装置に設置した場合、広い視野角特性を得られるという優れた効果を奏することが理解される。特に、POFがXYの垂直方向に上下2層にPOF織物を積層設置した場合は、Y方向(映像装置では上下方向)において、X方向(映像装置では左右方向)の特性を示す図9とほぼ同様の特性が確認されており、この結果、全方向への視野角拡大効果が得られるので、光拡散シートとして適していることがわかった。
また図10では、市販の光拡散シートとの比較を行った。映像装置単体の輝度と比較した数値では、POF織物(本願発明X1,X2)の方が、市販の光拡散シート(比較例Y)より高い数値を示しており輝度の低下が少ないことがわかる。また、本願発明X1,X2と比較例Yのグラフ形状がほぼ同形であることより、本願発明X1,X2の光拡散効果は、比較例Yの光拡散効果とほぼ同等と判断できる。したがって、本願発明X1,X2は、比較例Yより、高い光の透過性を保有しながら同程度の光拡散効果も併せ持つと考えられる。これはPOFが光学フィルム構造より光の透過率が高いことも要因の一つであると推測され、実際に映像装置に設置した場合、POF織物(本願発明X1,X2)は広い視野角で明るく鮮明な画像を実現できることを意味する。つまり、POF織物(本願発明X1,X2)は、市販の光拡散シート(比較例Y)よりも視野角特性が極めて良好であることを意味する。
また、X方向(映像装置左右方向)もしくはY方向(映像装置垂直方向)のどちらか一方向のみ視野角の拡大効果を必要とする時は、POF織物を1枚設置するほうが市販の光拡散シートより倍以上の明るい画像が得られており(図10)、効果的である。
3:画像入力面 4:光ファイバ群
5:画像出力面 6:スクリーン基板
7:映像表示単体 8:光ファイバ
10,10A:光拡散シート 11:よこ糸
12:たて糸 20:交差部
30:スクリーンシート 31:枠体
Claims (7)
- たて糸とよこ糸とが織り込まれた織物で構成される光拡散シートであって、
光透過性のある円もしくは擬似円断面形状の第1の繊維をよこ糸として使用し、第2の繊維をたて糸として使用し、前記よこ糸が互いに平行で、屈曲なく、且つ略密接して配列された織組織構造を備えていることを特徴とする光拡散シート。 - 前記よこ糸の密度は、[1(cm)/よこ糸直径(cm)]×0.5(本/cm)以上であることを特徴とする請求項1記載の光拡散シート。
- 前記たて糸の直径は前記よこ糸の直径より小さく、前記たて糸の密度は、前記織物表面の全面積に対するたて糸が占める面積比に換算した場合に30%以下となることを特徴とする請求項1又は2記載の光拡散シート。
- 前記光拡散シートは、映像装置等の表示面に設置される光拡散シートであって、前記よこ糸の直径は、映像装置等の映像表示単体と同等もしくは小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光拡散シート。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の光拡散シートを、よこ糸の繊維軸方向が互いに直交するように2枚積層してなることを特徴とする光拡散シート。
- たて糸とよこ糸とが織り込まれた織物で構成され、たて糸とよこ糸が交差する交差部にそれぞれ映像表示単体が配置されてなる映像装置の表示面に設置される光拡散シートであって、
光透過性のある円もしくは擬似円断面形状の第1の繊維をよこ糸として使用し、第2の繊維をたて糸として使用し、前記交差部において、前記よこ糸が互いに平行で、屈曲なく、且つ略密接して配列された織組織構造を備えていることを特徴とする光拡散シート。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の光拡散シートに、前記光拡散シートが平面を保つように、よこ糸及びたて糸に張力を付与した状態を保持する保持手段を備えたことを特徴とするスクリーンシート。
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